JP3972387B2 - 自動車用負圧供給システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用負圧供給システムに関し、特に、負圧を安定して供給する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車には負圧を駆動源として作動する機器が種々搭載されており、代表的な機器としては、ブレーキペダルの踏力を低減するブレーキ倍力装置がある。
このような機器の駆動源となる負圧は、一般的なガソリンエンジン車では、吸気通路に介装されたスロットル弁を閉じることで吸気通路内に発生するが、スロットル弁を有しないディーゼルエンジン車では、吸気通路内に負圧が発生しないため、エンジン出力を駆動源とする負圧ポンプを別に設けて負圧を発生させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジン出力をベルトで負圧ポンプに伝達している構成の場合には、例えば、ベルトが切れると負圧が発生せず、この負圧を駆動源とする機器が作動しなくなる。特に、ブレーキ倍力装置の場合には、ブレーキペダルの踏力が低減されず、運転者がブレーキが重いと感じるおそれがある。
【0004】
かかる不具合は、ディーゼルエンジン車だけではなく、近年になって開発が進んでいる直噴ガソリンエンジンを搭載した自動車でも問題となる。即ち、直噴ガソリンエンジンでは、経済運転時の空燃比はリーン(希薄空燃比)で、高負荷運転時の空燃比はストイキ(理想空燃比)で運転を行うので、同一要求トルク(アクセル開度)に対する要求スロットル開度が空燃比によって異なるため、電制スロットルが必要となる。この場合には、図6に示すように、空燃比の異なる運転状態(ストイキ、リーン、超リーン)に応じて吸気通路内に発生する負圧が異なり、特に、リーン及び超リーンにおいては、アクセル開度が低開度の領域でも負圧発生が不十分となるおそれがある。そのため、直噴ガソリンエンジン車でも、ディーゼルンジン車と同様にエンジン出力を駆動源とする負圧ポンプが搭載される場合があるからである。
【0005】
そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、負圧供給源を2重化することによって、安定した負圧供給を行うことができる自動車用負圧供給システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の発明は、図1に示すように、負圧を駆動源として作動する負圧作動機器Aと、負圧を発生させる負圧ポンプBと、該負圧ポンプBの異常発生の有無を判定する異常判定手段Cと、内燃機関Dの吸気通路Eに介装されたスロットル弁Fと、異常判定手段Cの判定結果に基づいて該スロットル弁Fの開度制御を、負圧ポンプ正常時には機関運転状態に応じた機関の可変空燃比に基づいて行い、負圧ポンプ異常発生時には所定の機関の固定空燃比に基づいて行う開度制御手段Gと、前記負圧ポンプBと負圧作動機器Aとを連通する第1連通路、及び、前記スロットル弁F下流の吸気通路Eと負圧作動機器Aとを連通する第2連通路のうち、供給される負圧の大きい連通路を選択的に切り換えるダイアフラム弁Hと、を含んで構成した。
【0007】
このようにすれば、開度制御手段によって、負圧ポンプ正常時には、例えば、燃費向上等を目的とした可変空燃比に基づいたスロットル弁の開度制御が行われる一方、負圧ポンプ異常発生時には、吸気通路内に負圧が発生するように固定空燃比に基づいたスロットル弁の開度制御が行われる。このため、負圧作動機器への負圧供給経路は、ダイアフラム弁によって、負圧ポンプ正常時には、負圧ポンプから負圧が供給されるように第1連通路に自動的に切り換えられる一方、負圧ポンプ異常発生時には、吸気通路から負圧が供給されるように第2連通路に自動的に切り換えられる。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記開度制御手段を、機関運転状態に応じた機関の可変空燃比を記憶した空燃比記憶手段と、機関運転状態を検出する運転状態検出手段と、検出された機関運転状態に基づいて前記空燃比記憶手段から空燃比を設定する空燃比設定手段と、を含んで構成した。
このようにすれば、検出された機関運転状態に基づいた適切な空燃比が設定される。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記所定の固定空燃比を理想空燃比とした。
このようにすれば、スロットル弁の開度が低開度領域のときに、吸気通路内に負圧作動機器を作動させるのに十分な負圧が発生する。
請求項4記載の発明は、前記負圧ポンプがオルタネータと同軸上に取り付けられるものにあっては、前記異常判定手段は、前記オルタネータからの出力電圧が所定値未満になったときに、前記負圧ポンプの異常が発生したと判定するようにした。
【0010】
このようにすれば、オルタネータの出力電圧に基づき負圧ポンプの異常発生の有無が判定される。
請求項5記載の発明は、前記負圧ポンプから発生される負圧を直接検出する負圧検出手段を備えるものにあっては、前記異常判定手段は、検出された負圧が所定値未満になったときに、前記負圧ポンプの異常が発生したと判定するようにした。
【0011】
このようにすれば、負圧ポンプから発生される負圧に基づき負圧ポンプの異常発生の有無が判定される。
【0013】
請求項6記載の発明は、前記負圧作動機器を車両のブレーキ装置を作動するブレーキペダルの踏力を低減するブレーキ倍力装置とした。
【0014】
このようにすれば、負圧ポンプに異常が発生しても、ブレーキ倍力装置へ安定して負圧が供給される。
請求項7記載の発明は、運転者に前記負圧ポンプの異常発生を報知する報知手段を備え、前記異常判定手段により負圧ポンプに異常が発生したと判定されたときに、前記報知手段を作動させるようにした。
【0015】
このようにすれば、負圧ポンプに異常が発生したことが迅速に報知される。
請求項8記載の発明は、負圧を駆動源として作動する負圧作動機器への負圧供給経路を、負圧を発生する負圧ポンプからの第1経路とスロットル弁下流の吸気通路からの第2経路との2重経路とし、負圧ポンプ正常時には前記スロットル弁の開度制御を運転状態に応じた可変空燃比に基づいて行う一方、負圧ポンプ異常発生時には前記スロットル弁の開度制御を吸気通路内に負圧が発生する固定空燃比に基づいて行うと共に、前記第1経路及び第2経路のうち供給される負圧の大きい経路をダイアフラム弁により選択的に切り換えるようにした。
【0016】
このようにすれば、負圧ポンプ正常時には、負圧ポンプから負圧作動機器に負圧が供給されると共に、例えば、燃費向上等を目的とした可変空燃比に基づいたスロットル弁の開度制御が行われるが、負圧ポンプ異常発生時には、吸気通路から負圧作動機器に負圧が供給されると共に、吸気通路内に負圧が発生するように固定空燃比に基づいたスロットル弁の開度制御が行われる。
【0017】
【発明の効果】
請求項1又は請求項8記載の発明によれば、負圧ポンプ正常時には負圧ポンプから負圧作動機器へ負圧が供給されるが、負圧ポンプ異常発生時には吸気通路から負圧が供給されると共に、吸気通路内に負圧が発生するようなスロットル弁の開度制御が行われるので、負圧作動機器への負圧供給経路が2重化され、負圧ポンプの異常発生の有無に関わらず、負圧作動機器への負圧供給を安定して行うことができる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、検出された機関運転状態に基づいた適切な空燃比が設定されるので、超リーン〜ストイキに亘る広範囲な空燃比に基づくスロットル弁制御が可能となる。
請求項3記載の発明によれば、理想空燃比に基づいて負圧ポンプ異常発生時のスロットル弁開度制御を行うので、スロットル弁の開度が低開度領域のときに、吸気通路内に負圧作動機器を作動させるのに十分な負圧を発生させることができる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、負圧ポンプはオルタネータと同時に作動するので、オルタネータの出力電圧に基づき負圧ポンプの異常発生の有無を容易に判定することができる。
請求項5記載の発明によれば、負圧検出手段によって負圧ポンプの作動状態が検出されるので、検出された負圧に基づき負圧ポンプの異常発生の有無を容易に判定することができる。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、負圧ポンプに異常が発生しても、ブレーキ倍力装置へ安定して負圧が供給されるので、ブレーキペダルの踏力低減が有効に行われ、運転者がブレーキが重いと感じることがなくなる。
請求項7記載の発明によれば、負圧ポンプに異常が発生したことが迅速に報知されるので、迅速な修理等の対応が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、添付された図面を参照して本発明を詳述する。
図2は、直噴ガソリンエンジンを搭載する自動車において、負圧作動機器の一例としてのブレーキ倍力装置に負圧を供給する自動車用負圧供給システムの一実施形態を示している。
【0023】
2つのシリンダ列が略V型に配置されるV型エンジン1には、図示しないエアクリーナ、吸気ダクト2、スロットル弁3、吸入空気の脈動を平滑化する吸気サージタンク4、吸気マニホールド5を介して空気が吸引される。スロットル弁3は、マイクロコンピュータを内蔵したコントロールユニット6によって駆動制御されるスロットルアクチュエータ7を介してその開度が調整される、いわゆる電制スロットル(開度制御手段)を構成している。なお、吸気ダクト2、吸気サージタンク4及び吸気マニホールド5を含んで吸気通路が構成される。
【0024】
また、ブレーキ倍力装置8の駆動源となる負圧を発生させる負圧ポンプ9は、オルタネータ10と同軸上に取り付けられ、エンジン1のクランクシャフト端部のプーリ1aと、オルタネータ10の入力軸端部のプーリ10aとの間に巻掛けられたVベルト11を介して、エンジン出力によって駆動されるようになっている。そして、負圧ポンプ9によって発生した負圧は、後述する切換弁12が介装された配管13を介してブレーキ倍力装置8に供給される。
【0025】
ところで、本発明の特徴となる構成は、ブレーキ倍力装置8への負圧供給源を2重化する点にある。即ち、スロットル弁3の下流側に位置する吸気サージタンク4内部と前記切換弁12とは、配管14を介して連通され、吸気通路内に発生した負圧もブレーキ倍力装置8に供給可能な構成となっている。ここで、配管13に介装される切換弁12は、コントロールユニット6によって駆動制御される3ポート2ポジションの電磁ソレノイドバルブであって、非作動時(OFF)には負圧ポンプ9とブレーキ倍力装置8とを連通し、作動時(ON)には吸気サージタンク4とブレーキ倍力装置8とを連通する。なお、吸気サージタンク4と切換弁12とを連通する配管14には、図示しないチェック弁が介装されており、配管14は負圧を略一定に保つ負圧タンクとしての機能も兼備している。このため、スロットル弁3が閉じることによって吸気サージタンク4内の負圧が所定値以上になると、チェックバルブが開き、ブレーキ倍力装置8を複数回作動させることができる負圧が配管14内に貯蓄される。なお、配管13,14、切換弁12及びコントロールユニット6を含んで負圧供給経路切換手段が構成され、特に、配管13が第1連通路、配管14が第2連通路に相当する。
【0026】
かかる構成の自動車用負圧供給システムの制御を行う信号としては、図示しないアクセルペダルの開度を検出するアクセル開度センサ15及びオルタネータ10の出力電圧がコントロールユニット6に入力され、これらの信号に基づきスロットル開度の設定及び負圧供給経路の選択が行われ、コントロールユニット6からスロットルアクチュエータ7及び切換弁12に駆動信号が出力される。さらに、負圧ポンプ9の故障等による異常発生を運転者に報知するための警告灯16(報知手段)が、運転席のコンビネーションメータ内に設けられており、この警告灯16の駆動制御も同時に行われている。
【0027】
次に、このような自動車用負圧供給システムの制御内容の一例を、図3のフローチャートに従って説明する。このフローチャートに示すルーチンは、イグニッションスイッチのONと同時に処理が開始し、イグニッションスイッチがOFFになるまで所定時間毎に繰り返し実行される。
ステップ1(図では、S1と略記する。以下同様)では、正常時制御を行う。具体的には、運転席のコンビネーションメータ内に設けられた警告灯16を消灯(OFF)し、スロットル弁3の制御モードを機関運転状態に応じて空燃比を可変とする特性可変モード(図4(a) 参照)に切り換えると共に、切換弁12をOFFとして負圧ポンプ9の負圧がブレーキ倍力装置8に供給される負圧供給経路を構成するようにする。ここで、図4(a) に示す特性可変モードは、運転状態(例えば、機関負荷)に応じたストイキ〜超リーンに亘る空燃比を記憶したメモリ(空燃比記憶手段)から、運転状態に基づいて適切な空燃比をソフトウエア的に設定し(空燃比設定手段)、アクセル開度センサ15からのアクセル開度に対応するスロットル開度をマップから検索し、このスロットル開度に基づいてスロットルアクチュエータ7の駆動制御を行う。この場合には、機関負荷に相当する吸入空気流量、吸気負圧等を検出するセンサ、或いは、機関負荷に相当する機関への燃料供給量を設定するソフトウエア的な処理等が運転状態検出手段に相当する。
【0028】
ステップ2では、負圧ポンプ9が正常に作動しているか否か、即ち、負圧ポンプ9の異常発生の有無を判定する。具体的には、オルタネータ10の出力電圧Valt が所定値Valtmin以上であるか否か(Valt ≧Valtmin)を判断し、Valt ≧Valtmin(Yes)であればステップ1へと進み、Valt <Valtmin(No)であればステップ3へと進む。即ち、負圧ポンプ9はオルタネータ10と同軸上に取り付けられているため、例えば、Vベルト11が切れたときはオルタネータ10が作動しなくなるのと同時に、負圧ポンプ9も作動しなくなるので、オルタネータ10の出力電圧Valt を監視することで負圧ポンプ9の異常発生の有無が判定可能となる。なお、このステップ2の処理が異常判定手段に相当する。
【0029】
ステップ3では、負圧ポンプ9が作動しなくなったときの異常時制御を行う。具体的には、運転席のコンビネーションメータ内に設けられた警告灯16を点灯(ON)し、スロットルモードをストイキ特性に固定する特性固定モード(図4(b) 参照)に切り換えると共に、切換弁12をONとして吸気サージタンク4内の負圧がブレーキ倍力装置8に供給される負圧供給路を構成するようにする。
【0030】
なお、ステップ1及びステップ3が、コントロールユニット6にソフトウエア的に装備された開度制御手段に相当し、開度制御手段は、上述した空燃比記憶手段、運転状態検出手段及び空燃比設定手段を含んで構成される。
このようにすれば、オルタネータ10の出力電圧に基づき負圧ポンプ9の異常発生の有無が判定され、負圧ポンプ9に異常が発生したと判定されたときは、ブレーキ倍力装置8への負圧供給経路を吸気サージタンク4側に切り換えると共に、吸気サージタンク4内に負圧が発生するようにスロットル弁3の制御モードをストイキ特性に固定する特性固定モードに切り換える。従って、アクセル開度が低開度の領域となったときに、図6に示すように、ブレーキ倍力装置8を作動させるのに十分な負圧が発生し、この負圧が負圧タンクとしての機能を兼備する配管14に貯蓄され、ブレーキペダル踏力の低減準備が完了する。要するに、負圧供給源を2重化することで、安定した負圧供給を可能としている。
【0031】
また、負圧ポンプ9の異常発生時には、警告灯16を点灯して運転者に異常発生を報知しているので、迅速な修理等の対応が可能となる。
ところで、負圧ポンプ9の異常発生の有無の判定は、他の方法によっても可能である。例えば、負圧を直接検出する負圧センサからの出力が所定値未満になったときに異常が発生したと判定することが可能であるし、或いは、負圧によって作動する負圧スイッチからの出力がOFF(非作動)となったときに異常が発生したと判定することが可能である。現在市場に流通している自動車の中には、ブレーキ倍力装置8内の負圧を検出する負圧センサを備えるものがあるので、この場合には、この負圧センサからの出力を利用すればよいので現実的な構成と言える。
【0032】
また、ブレーキ倍力装置8への負圧供給経路の切り換えを、電磁ソレノイドではなくメカニカルなダイアフラム弁から構成される切換弁12で行うことも可能である。この場合には、電磁ソレノイドの制御は不要となるので、制御が簡素化される利点がある。
ダイアフラム弁20の構造の一例は、図5に示すように、略円盤状のダイアフラム21によって分割される2つの負圧室22a,22bを有する内側ケース23と、ダイアフラム21の略中心軸上に取り付けられ、その両端部に夫々シール部材24a,24bが結合されたシャフト24と、内側ケース23を包含するように配置される外側ケース25と、を含んで構成される。内側ケース23の両壁部には夫々シール部23a,23bが形成されており、シャフト24の両端部に結合されたシール部材24a,24bとの間で夫々開閉弁A,Bが構成される。そして、この開閉弁を介して外側ケース25の内部と負圧室22a,22bの一方とが導通する。ダイアフラム21には、中間位置での停止及びハンチング防止を目的として初期たわみ(図では右方にたわませている)を持たせた弾性体21aが取り付けられている。負圧室22a,22bは、夫々別の負圧発生源(本実施形態では、吸気サージタンク4及び負圧ポンプ9)と連通しており、また、外側ケース25の内部と負圧供給先(本実施形態では、ブレーキ倍力装置8)とが連通している。
【0033】
次に、かかる構成のダイアフラム弁20の作用を説明する。例えば、図5の状態で左方の負圧室22aの負圧が大きくなったとすると、ダイアフラム21は負圧室22aの方に吸引され、右方の開閉弁Aが閉じると同時に左方の開閉弁Bが開き、負圧室22aと外側ケース25の内部とが導通する。従って、負圧供給先には、負圧室22aから負圧が供給されることになる。一方、右方の負圧室22bの負圧が大きくなったときは、以上の説明と逆の動作が行われ、負圧供給先には、負圧室22bから負圧が供給される。
【0034】
なお、図5に示したダイアフラム弁20は、2つの負圧供給源のうち負圧の大きい負圧供給源を選択的に切り換えるダイアフラム弁の一例を示したものであって、同様な作用を奏するものであれば如何なる構成からなるダイアフラム弁であってもよい。
また、本実施形態では、負圧作動機器としてブレーキペダルの踏力を低減するブレーキ倍力装置を使用したが、他の負圧作動機器であってもよい。この場合には、適用する機器に合致した効果をより安定して奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のクレーム対応図
【図2】 本発明に係る自動車用負圧供給システムの一実施形態の構成図
【図3】 同上の制御内容を示すフローチャート
【図4】 同上のスロットル弁の開度制御内容を示す線図
【図5】 同上の切換弁の一例としてのダイアフラム弁の構成図
【図6】 従来技術の問題点を示す線図
【符号の説明】
1 エンジン
2 吸気ダクト
3 スロットル弁
4 吸気サージタンク
5 吸気マニホールド
6 コントロールユニット
7 スロットルアクチュエータ
8 ブレーキ倍力装置
9 負圧ポンプ
10 オルタネータ
12 切換弁
13,14 配管
20 ダイアフラム弁

Claims (8)

  1. 負圧を駆動源として作動する負圧作動機器と、負圧を発生させる負圧ポンプと、該負圧ポンプの異常発生の有無を判定する異常判定手段と、内燃機関の吸気通路に介装されたスロットル弁と、異常判定手段の判定結果に基づいて該スロットル弁の開度制御を、負圧ポンプ正常時には機関運転状態に応じた機関の可変空燃比に基づいて行い、負圧ポンプ異常発生時には所定の機関の固定空燃比に基づいて行う開度制御手段と、前記負圧ポンプと負圧作動機器とを連通する第1連通路、及び、前記スロットル弁下流の吸気通路と負圧作動機器とを連通する第2連通路のうち、供給される負圧の大きい連通路を選択的に切り換えるダイアフラム弁と、を含んで構成されることを特徴とする自動車用負圧供給システム。
  2. 前記開度制御手段は、機関運転状態に応じた機関の可変空燃比を記憶した空燃比記憶手段と、機関運転状態を検出する運転状態検出手段と、検出された機関運転状態に基づいて前記空燃比記憶手段から空燃比を設定する空燃比設定手段と、を含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の自動車用負圧供給システム。
  3. 前記所定の固定空燃比は、理想空燃比であることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用負圧供給システム。
  4. 前記負圧ポンプがオルタネータと同軸上に取り付けられるものにあっては、
    前記異常判定手段は、前記オルタネータからの出力電圧が所定値未満になったときに、前記負圧ポンプの異常が発生したと判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の自動車用負圧供給システム。
  5. 前記負圧ポンプから発生される負圧を直接検出する負圧検出手段を備えるものにあっては、
    前記異常判定手段は、検出された負圧が所定値未満になったときに、前記負圧ポンプの異常が発生したと判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の自動車用負圧供給システム。
  6. 前記負圧作動機器は、車両のブレーキ装置を作動するブレーキペダルの踏力を低減するブレーキ倍力装置であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の自動車用負圧供給システム。
  7. 運転者に前記負圧ポンプの異常発生を報知する報知手段を備え、
    前記異常判定手段により負圧ポンプに異常が発生したと判定されたときに、前記報知手段を作動させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の自動車用負圧供給システム。
  8. 負圧を駆動源として作動する負圧作動機器への負圧供給経路を、負圧を発生する負圧ポンプからの第1経路とスロットル弁下流の吸気通路からの第2経路との2重経路とし、負圧ポンプ正常時には前記スロットル弁の開度制御を運転状態に応じた可変空燃比に基づいて行う一方、負圧ポンプ異常発生時には前記スロットル弁の開度制御を吸気通路内に負圧が発生する固定空燃比に基づいて行うと共に、前記第1経路及び第2経路のうち供給される負圧の大きい経路をダイアフラム弁により選択的に切り換えることを特徴とする自動車用負圧供給システム
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