JP3971580B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真式複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関し、特に熱定着装置から排出されてきた転写材が熱を保持していることによって発生する不具合を解消することができる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真式複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置にあっては、まず感光体とその周囲に配置された帯電器、現像器、転写器等から成る画像形成部において、給紙部から給紙された転写材にトナー像を転写する。画像形成部から排出された転写材は、熱定着装置(定着部)に導かれ、転写材上の未定着トナーを加熱、加圧により定着された後で、機外に排出される。両面コピーを行う場合には、片面にコピーして機外に排出する前に、両面経路へ導いて画像形成部に再給紙する。また、表裏を反転する場合には機外へ排出する前に反転経路へ導く。
熱定着装置を使った画像形成装置にあっては、転写材が熱定着装置を通過した後でコピートレイに直接排出される場合に、転写材が多いと、転写材中に熱が篭もり転写材を手によって取り出す際に熱い。また、両面コピー時は転写材が熱をもったまま転写部へ再給紙されて裏面に転写されるので感光体等へのダメ−ジが発生し、更に転写条件が変わるので画像への影響が生ずる。更に、機内温度が上昇して種々の不具合をもたらす。
【0003】
これらの問題に対する対策として従来定着後に図7に示したように転写材冷却部を設置している(特開10-133440号公報)。即ち、図7は、従来の画像形成装置における熱定着装置以後の構成を示す図であり、定着ローラ2と加圧ローラ3から成る熱定着装置1の下流側搬送経路には、転写材冷却部4と、排紙部6が順次配置されている。排紙部6の手前側には分岐爪7が回動自在に配置されていて、その回動角度によって転写材Pを排紙部6か、或いは下方へ向かう両面経路或いは反転経路へ選択的に導くようにしている。図示しない画像形成部における所定の画像形成プロセスを経てその表面に画像を形成された転写材Pは定着ローラ2と加圧ローラ3のニップ部を通過する際に定着され、転写材冷却部5を通過する。その際ヒートパイプローラ5によって熱を奪われ、排紙部6か、両面経路へ搬送される。しかし、この方式にあっては、転写材冷却は行えるが冷却部4の長さLの分だけ装置の排紙方向長が長くなる。又転写材搬送路に冷却部を構成する部品類が追加になっているので紙詰まりの要因が増えることになる。
即ち、この従来構造であると、冷却部のコストアップ、又冷却部のスペースが必要となり、レイアウトの規制、ひいては装置の大きさまで影響してくることがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、熱定着装置の下流側に転写材を冷却するために配置する冷却部の構成を簡単化して、低コスト化、装置のコンパクト化を図りながら、定着後の機内温度上昇を防ぐ等の冷却効果を有効に発揮することができる画像形成装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、請求項1の発明は、転写材にトナー像を形成する画像形成部と、トナー像の形成を受けた転写材に該トナー像を定着させる定着部と、該定着部から排出された定着済み転写材を機外へ排出する機外排出経路と、定着済み転写材を受入れて画像形成部へ再給紙する、或いは反転させるための分岐経路と、定着部から排出された定着済み転写材を機外排出経路、又は分岐経路に選択的に導く分岐手段と、を有する画像形成装置において、前記機外排出経路又は分岐経路の少なくとも何れか一方に熱伝達手段を設置し、前記機外排出経路上に一対の搬送ローラを設置し、前記分岐経路へ導かれた転写材を表裏を反転して機外へ排出する反転排紙を行うための3本のローラを隣接配置し、分岐経路へ導く際は3本ローラの内の2本のローラでスイッチバックせずに搬送し、前記一対の搬送ローラの何れか一方をヒートパイプで構成し、前記3本ローラの内の少なくとも一つのローラをヒートパイプで構成し、該ヒートパイプから成るローラに対して、前記一対の搬送ローラの何れか一方を当接させたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る画像形成装置の要部(熱定着装置の下流側)構成説明図である。
定着ローラ2と加圧ローラ3から成る熱定着装置1の下流側搬送経路には、転写材冷却部4と、排紙部6が順次配置されている。排紙部6の手前側には分岐爪(分岐手段)7が回動自在に配置されていて、その回動角度によって転写材Pを排紙部6か、或いは下方へ向かう分岐経路21(両面経路或いは反転経路へ向かう)へ選択的に導くようにしている。分岐爪7の下流側の機外排紙経路20には転写材を排紙部6へ導くためのローラ対8a、8b、排紙コロ対9a、9bが順次配置される。また、分岐経路21には、搬送ローラ10、第1及び第2の従動ローラ11,12、ガイド15とローラ対13,14、通紙センサ16が配置されている。分岐爪7が図1(a)に示した分岐位置にあるときには、定着済みの転写材Pは分岐経路21へ搬送され、逆に図1(b)に示した排紙位置にあるときには、転写紙Pは機外排紙経路20を経て排紙部6へ搬送される。
熱定着装置1にて定着された転写材Pは分岐爪7の切り替えで機外排出若しくは、両面部又は反転経路部へ導かれる。機外排出の場合は分岐爪7は図1(b)のように下側に位置されており、搬送ローラA8a,搬送ローラB8b、排紙コロA9a,排紙コロB9bを経て機外へ排出される。両面部又は反転経路部へは分岐爪7は(a)に示した上側に位置される。
ここで両面部へ搬送する時は搬送ローラC10、従動ローラB11の協働によって下方へ送られる。搬送ローラD13は常時反時計方向に回転しており、それに対向する従動ローラC14は接離可能に制御されており、両面時には離間している。従って転写材Pは下方の両面部に搬送される。
【0008】
画像面を下側にして排出する反転排紙の場合は3本のローラ(搬送ローラC10、従動ローラA11、従動ローラB12)を用いてスイッチバック方式で反転排紙を行う。即ち、搬送ローラC10、従動ローラA11によって下方へ送られた転写材Pの後端がガイド15を通過する近傍位置にセンサ16を配置して転写材の後端を検知すると、転写材PはP1の状態にある。この時に離間していた対向ローラ14を搬送ローラ13に当接させる。転写材Pは両ローラ13,14によりスイッチバックして上方に搬送され搬送ローラC10、従動ローラB12によって表裏を反転され排紙コロA9a,排紙コロB9bを経て機外へ排出される。
本発明においては、機外排出経路20、或いは分岐経路21を構成する各ローラ、即ち、ローラ対8a、8b、排紙ローラ対9a、9b、搬送ローラ10、第1及び第2の従動ローラ11,12、ローラ対13,14の内の少なくとも一つを熱伝達手段として使用し、転写材にこもった熱を奪って冷却させるようにしている。或いは、各経路20,21に沿った搬送ガイドを熱伝達手段(冷却手段)として使用してもよい。各ローラやコロに用いる熱伝達手段としてはヒートローラが好ましい。奪った熱は、ファン等を用いて機外に放出する。
次に、本発明の他の実施形態では、3本ローラ(搬送ローラC10、従動ローラA11、従動ローラB12)の内少なくとも1本を熱伝達手段で構成させる。この中で一番効果的な例は中央部に位置する搬送ローラC10を熱伝達手段で構成させることである。搬送ローラC10を熱伝達手段(熱伝導性の良好な材料、例えば金属)で構成させると、両面及び反転排紙をする転写材から熱を移動させる(奪う)ことが出来る。又、搬送ローラA8a,搬送ローラB8bの何れか一方を熱伝達手段で構成させると機外排出される過程で、転写材からの熱を奪うことが出来る。
次に、図1(b)の例では、搬送ローラ10と搬送ローラ8bとを外周面で接触させている点が特徴的である。即ち、転写材を機外排出する搬送経路20上に搬送ローラA8a,搬送ローラB8bを設置し、搬送ローラB8bを搬送ローラC10に当接させる。転写材Pからの熱は搬送ローラB8bから搬送ローラC10へ伝達される。このため、効率のよい冷却効果を発揮できる。
【0009】
次に、図2の実施形態では、3本のローラ(搬送ローラ10、従動ローラ11,12を機外排出経路20と分岐経路21との分岐部に配置している。また、機外排出ガイド用のガイド板17と、分岐経路21へのガイド用のガイド板18が配置されている。転写材Pを機外へ排出する場合、搬送ローラ10、従動ローラ11を通過した転写材Pはガイド板17に沿って従動ローラ12を通過し、排紙コロ9a,排紙コロ9bを経て機外へ排出される。両面部又は反転経路部へ導かれる場合、ガイド板17は下側(一点鎖線)に待避する。この際、転写材Pはガイド板18に沿って分岐経路21へ搬送される。そして搬送ローラ10をヒートパイプ(熱伝達手段)で構成すれば機外排出、両面部、反転経路部何れのモ−ドであってもこの搬送ローラ10によって熱伝達、冷却が可能になる。
また、図2の実施形態では、搬送ガイド板19−1〜19−4が分岐経路21及び機外排出経路20にそれぞれ設けられている。この実施形態では、これらの搬送ガイド板のうちの少なくとも一つをその内部にヒートパイプ(熱伝達手段)を有する板状の物(以下、シート状ヒートパイプと、言う)で構成することにより転写材から搬送ガイド板19−1〜19−4に熱伝達が行なわれ冷却することが出来る。
なお、シート状ヒートパイプ(熱伝達手段)の例としては、薄型のアルミ押し出し成型による多孔扁平管をヒートパイプ化してアルミ板形状にしたものが知られており(商品名、ヒートレーン)、その厚みは1.3〜1.9mm、長さには自由がある。更に、多数孔が並列に並び、全孔が一本の蛇行トンネルになっていて、内部は高真空で作動液が封入されている。そして、液体と気体の二層流体の作動液は、受熱部での核沸騰により圧力波が発生し、それによる作動液の軸方向の振動が熱量を輸送する。これは、折り曲げて使用できる。
【0010】
次に、図3は、本発明の他の実施形態の構成図であり、機外排出経路20及び分岐経路21を覆うためのカバー(熱伝達手段)30を設置し、このカバー30を前記シート状ヒートパイプで構成することにより機外排出経路20上及分岐経路21内の熱を機内にこもらせなくすることが出来る。即ち、熱定着装置1によって加熱された転写材Pがいずれかの経路20,21を経て搬送される際に発生する熱をカバー30によって奪い、放熱することにより、効率的な冷却をおこなうことができる。又カバー20は、必ずしも機外排出経路20及び分岐経路21全体を覆う必要はなく、その上部のみを覆うようにしても、熱伝達効果を得ることが出来る。
次に、図4は本発明の他の実施形態に係る要部構成図であり、この実施形態では、機外排出経路20,及び分岐経路21の上部にシート状ヒートパイプから成る上カバー(熱伝達手段)31を設置し、上カバーにペルチェ素子32を接続する。機外排出経路20,及び分岐経路21の熱は上昇するので、電源33をオンにしてペルチェ素子32を作動させて上カバー31を冷却することにより機内温度上昇を有効に抑えることが出来る。なお、ペルチェ素子は、図3のカバー30に取り付けてもよい。また、図2のガイド板17,18にペルチェ素子を設けて冷却するようにしてもよい。
【0011】
図5は、本発明の他の実施形態の構成を示す図であり、上記各ローラ、コロをヒートパイプ40にて構成した場合に、各ヒートパイプ40を冷却するための手段としてファン(冷却手段)41を近接配置し、冷却風をヒートパイプの所要箇所(端部)に吹き付けるようにしている。このことにより、ヒートパイプの冷却効果を更に高めることができる。
次に、図6は、他の実施形態の構成図であり、搬送ガイド板19−1〜19−4,ガイド板17,18,カバー30,31等を構成する前記シート状ヒートパイプ42の端部を、ファン41(冷却手段)で冷却するものである。シート状ヒートパイプ42を冷却するための手段としてファン41を近接配置し、冷却風をシート状ヒートパイプの所要箇所(端部)に吹き付けるようにしている。このことにより、シート状ヒートパイプの冷却効果を更に高めることができる。
【0012】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、機外排紙経路又は分岐経路の少なくとも何れか一方に熱伝達手段を設置するので転写材の冷却をすることができ、機内の温度上昇等の不具合を解消できる。
また、3本ローラの内の少なくとも一本(回転駆動を有する中央ローラ)を熱伝達手段で構成してあるので、反転経路部及び両面部へ導かれた転写材を冷却することが出来る。
また、機外排出への搬送経路に熱伝達手段を設置するので、機外排出する転写材を冷却することが出来る。
また、3本ローラの内一本のローラをヒートパイプにして、機外排出経路、両面部,反転経路部において転写材を冷却することが出来るので省スペース、低コスト化が図れる。
また、搬送ガイド板,カバーをシート状ヒートパイプで構成してあるので省スペース化が図れる。
また、搬送ガイド板又はカバーにペルチェ素子設置したので効率的な冷却が出来る。
また、熱伝達手段の端部は熱冷却手段により冷却されるので、転写材の冷却、機内温度上昇を防止出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係る画像形成装置の要部(熱定着装置の下流側)構成説明図。
【図2】本発明の他の実施形態の説明図。
【図3】本発明の他の実施形態の説明図。
【図4】本発明の他の実施形態の説明図。
【図5】本発明の他の実施形態の説明図。
【図6】本発明の他の実施形態の説明図。
【図7】従来例の説明図。
【符号の説明】
1 熱定着装置(定着部)、2 定着ローラ、3 加圧ローラ、4 転写材冷却部、6 排紙部、7 分岐爪、8a、8b 搬送ローラ対、9a、9b 排紙コロ対、10 搬送ローラ、11,12 従動ローラ、13,14 ローラ対、15 ガイド、16 センサ、17、18 ガイド板、19−1〜19−4 搬送ガイド板、20 機外排紙経路、21 分岐経路、30カバー、31 上カバー(熱伝達手段)、40 ヒートパイプ、41 ファン(冷却手段)。
Claims (1)
- 転写材にトナー像を形成する画像形成部と、トナー像の形成を受けた転写材に該トナー像を定着させる定着部と、該定着部から排出された定着済み転写材を機外へ排出する機外排出経路と、定着済み転写材を受入れて画像形成部へ再給紙する、或いは反転させるための分岐経路と、定着部から排出された定着済み転写材を機外排出経路、又は分岐経路に選択的に導く分岐手段と、を有する画像形成装置において、前記機外排出経路又は分岐経路の少なくとも何れか一方に熱伝達手段を設置し、
前記機外排出経路上に一対の搬送ローラを設置し、前記分岐経路へ導かれた転写材を表裏を反転して機外へ排出する反転排紙を行うための3本のローラを隣接配置し、分岐経路へ導く際は3本ローラの内の2本のローラでスイッチバックせずに搬送し、
前記一対の搬送ローラの何れか一方をヒートパイプで構成し、
前記3本ローラの内の少なくとも一つのローラをヒートパイプで構成し、該ヒートパイプから成るローラに対して、前記一対の搬送ローラの何れか一方を当接させたことを特徴とする画像形成装置。
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