JP2017173773A - 冷却装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送媒体の表裏に対向して配置する冷却部材内に冷却媒体流路を形成するにあたり、各冷却部材間での温度差を従来に比べて低減させる。【解決手段】冷却装置800は、搬送媒体Sの表裏における一方及び他方に設けられた第1及び第2搬送ベルト2,31と、第1及び第2冷却部材71a,71bと、排出された冷却媒体の熱を放出する放熱部80と、放熱された冷却媒体を第1及び第2流入口78a,78bにそれぞれ流す導入路と、第1及び第2排出口79a,79bから排出された冷却媒体を放熱部80へ流す排出路とを有する。第1及び第2冷却部材は、冷却媒体が内部に流入する第1及び第2流入口78a,78bと、外部へ排出する第1及び第2排出口79a,79bと、第1及び第2流入口から第1及び第2排出口間を流れる第1及び第2流路72a,72bとを有し、第1及び第2搬送ベルトの内周に接触し搬送媒体を冷却する。【選択図】図5

Description

本発明は、冷却装置及び画像形成装置に関する。
従来から、搬送媒体の表裏を挟持して搬送する搬送ベルトと、各搬送ベルトの内側にそれぞれ冷却部材を設け、搬送ベルトによって搬送媒体を挟持搬送しながら搬送媒体の表裏を冷却部材で同時に冷却する冷却装置が知られている(特許文献1)。
特許文献1に記載の冷却装置では、対向する冷却部材の内部に、冷却媒体が通過する冷却媒体流路が、搬送方向に複数設けられている。そして、一方の冷却部材の一つの冷却媒体流路を通過した冷却媒体は他方の冷却部材に流れ、その後冷却媒体は、一方の冷却部材と他方の冷却部材を交互に流れる。
そのため、冷却部材の対向する冷却媒体流路間で冷却媒体の温度差が生じる。また、冷却部材内における搬送方向に隣り合う冷却媒体流路の温度差は、冷却部材内に蛇行する冷却媒体流路が形成された場合(特許文献1の図12)の搬送方向に隣り合う冷却媒体流路の温度差よりも大きくなる。また、特許文献1の図12の構成の場合、冷却媒体は搬送媒体表裏の一方の冷却部材の蛇行流路を通過した後に他方の冷却部材の蛇行流路に流れるので、一方の冷却部材と他方の冷却部材の間で温度差が大きくなる。従って、このような構成の冷却装置では、搬送媒体を効率的に冷却することが難しい。
そこで、本発明は、搬送媒体の表裏に対向して配置する冷却部材内に冷却媒体流路を形成するにあたり、各冷却部材間での温度差を従来に比べて低減させることを目的とする。
この課題を解決するため、搬送媒体の表裏における一方に設けられた第1搬送ベルトと、冷却媒体が内部に流入する第1流入口と、外部へ排出する第1排出口と、前記第1流入口から前記第1排出口間を流れる第1流路とを有し、前記第1搬送ベルトの内周に接触し搬送媒体を冷却する第1冷却部材と、搬送媒体の表裏における他方に設けられた第2搬送ベルトと、冷却媒体が内部に流入する第2流入口と、外部へ排出する第2排出口と、前記第2流入口から前記第2排出口間を流れる第2流路とを有し、前記第2搬送ベルトの内周に接触し搬送媒体を冷却する第2冷却部材と、前記第1冷却部材及び前記第2冷却部材から排出された冷却媒体の熱を放出する放熱部と、前記放熱部で放熱された冷却媒体を前記第1流入口及び前記第2流入口にそれぞれ流す導入路と、前記第1排出口及び前記第2排出口から排出された冷却媒体を合流して前記放熱部へ流す排出路と、を有することを特徴とする冷却装置を提案する。
搬送媒体表裏に対向する各冷却部材間での温度差を従来に比べて低減させることができるので、冷却効果をより高めることができる。
本実施形態に係る画像形成装置600の概略断面図である。 本実施形態に係る冷却装置800を搬送媒体搬送方向に沿って断面にした要部断面部である。 図2の冷却装置800を上方から見た要部平面図である。 冷却装置800の概略斜視図である。 上側及び下側搬送ユニットの概略斜視図(図5(a))と、図5(a)のブラケット151を上から見たときの拡大平面図である(図5(b))。 下側前側板34b2を支持する保持部材53の概略斜視図である。 下側前側板34b2を支持する保持部材53の概略拡大図を示す図である。 図7に示す保持部材と係合する下側前側板34b2の凹部の概略拡大図を示す図である。 搬送ユニットの概略正面断面図である。 図9の搬送ユニットの概略平面図である。 下側搬送ベルトを上側搬送ベルトに対して接近離間するときの遷移を示す概略正面図である。 図11の装置背面側の概略斜視図である。 上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト31とが挟持状態であるときの、駆動力伝達ギア11と駆動ギア43との位置関係を示す概略図である。 保持部材53の駆動を制御する制御ブロック図である。 ラジエータ周辺部の概略斜視図である。 図14に示す冷却装置の変形例に係る概略平面図である。 図15に示すダクト119の変形例を示す概略断面図である。 ベルト交換方法を示す概略側面図である。 上側前側板34a2と放熱フィン74aとの関係を示す概略正面図である。 図2の冷却装置800の変形例を示す概略断面図である。 図2の冷却装置800の別な変形例を示す概略断面図である。 図2の冷却装置800の別な変形例を示す概略断面図である。
本実施形態について図を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には同一の符号を付している。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置600の概略断面図を示す。画像形成装置600は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の機能を備え、電子写真方式により搬送媒体上にモノクロ画像を形成する。ただ、本実施形態に係る画像形成装置はカラー画像を形成するものでもよく、またプリント機能のみを有するものでもよい。
画像形成装置600は、原稿搬送部200と、原稿読取部300と、画像形成部400と、給紙部500と、排紙トレイ700とを備える。なお、画像形成装置600内には、給紙部500から画像形成部400を介して排紙トレイ700に至る搬送媒体の搬送経路Aが所定位置に設けられた各種ローラ、ガイド板、及び、搬送ベルト等により形成されている。また画像形成装置600は、外部機器、例えば、パーソナルコンピュータと接続可能であり、その外部機器から画像データを取得する。
原稿搬送部200は、原稿の連続的な読み取りを行うため原稿読取部300に原稿を搬送するものであり、原稿給紙トレイ210と、原稿排紙トレイ220と、を有している。原稿搬送部200は、原稿給紙トレイ210にセットされた原稿を原稿読取部300上面の読み取り位置に搬送する。また、原稿搬送部200は、原稿読取部300が読み取り位置に搬送された原稿の読み取りを行った後、この原稿を原稿排紙トレイ220に搬送する。
原稿読取部300は、原稿画像を光学的に読み取り、原稿画像の情報をアナログ電気信号に変換し、更に、該アナログ電気信号をデジタル信号に変換する。
画像形成部400は、ドラム状の感光体410と、画像形成機能部として感光体410の周囲に設けられた帯電部420、画像書込部430、現像部440、転写部450、分離部460及びクリーニング部470と、を有する。また、画像形成部400は、定着部480と、冷却装置800と、排紙ローラ490とを有する。
帯電部420は、感光体410に所定の電圧を印加して、感光体410の表面を一様に帯電させる。画像書込部430は、原稿読取部300が読み取った画像データに基づいて、レーザービームを照射し、感光体上に静電潜像を形成する。
現像部440は、感光体410上に形成された静電潜像を反転現像して感光体410上にトナー像を生成する。搬送媒体は、トナー像が生成された感光体410の回転に同期するように給紙され、転写部450は、搬送媒体を搬送する搬送ベルトの裏面側から所定の電圧を印加して、感光体410上に形成されたトナー像を搬送媒体に転写する。
分離部460は、トナー像が転写された搬送媒体を除電することで、搬送媒体を感光体410から分離させる。その後、トナー像が転写された搬送媒体は、定着部480に搬送される。
定着部480は、搬送媒体を加熱して、転写されたトナー像のトナーを溶融させるとともに、搬送媒体を加圧して、トナー像を搬送媒体に定着させる。搬送媒体は、冷却装置800によって冷却され、排紙ローラ490によって搬送されて排紙トレイ700上に載置される。一方、両面に画像を形成する場合は、冷却装置800によって冷却されたあと、反転路520で搬送媒体の表裏を反転し画像形成機能部に再び給紙される。
給紙部500は、各種搬送媒体に対応した給紙収容部510を複数有し、各給紙収容部510に収納された所定の搬送媒体を搬送経路Aに沿って、一枚ずつ、画像形成部400に給紙する。
図2は、本実施形態に係る冷却装置800を搬送媒体搬送方向に沿って断面にした要部断面部である。図3は、この冷却装置800を上方から見た要部平面図である。なお、図2及び図3において、Sは搬送媒体を示しており、矢印Pは搬送媒体の搬送方向を示している。
図2及び図3に示すように、冷却装置800は、第1搬送手段としての上側搬送ユニット810と、第2搬送手段としての下側搬送ユニット820を有する。上側搬送ユニット810は、搬送媒体Sの表裏における一方に設けられた第1搬送ベルトとしての上側搬送ベルト2と、上側搬送ベルトの内周に接触して設けられ、搬送媒体Sを冷却する冷却部材としての第1冷却板71aと、を有する。第1冷却板71aは冷却部75aの一部である。下側搬送ユニット820は、上側搬送ユニット810と対向して配置され、搬送媒体Sを上側搬送ベルト2と挟持搬送する。下側搬送ユニット820は、搬送媒体Sを上側搬送ベルト2と挟持搬送するために下側搬送ベルト31を有している。冷却装置800は、上側搬送ベルト2と冷却部とを有する上側搬送ユニット810と、下側搬送ベルト31と冷却部とを有する下側搬送ユニット820とを有している。
上側搬送ユニット810の上側搬送ベルト2は、水平面上であって搬送媒体Sの搬送方向に直交する方向に延びる複数のローラに張架された無端状のベルトである。上側搬送ベルト2は、第1冷却板71aと搬送媒体Sとの間に介在する熱伝導部材となるため、できるだけ熱伝導率の高い材質、又は薄いフィルム状が望ましい(例えば薄いステンレスベルトや、ポリイミドフィルムなど)。上側搬送ベルト2を張架するローラ(張架ローラ)は、駆動ローラ3及び従動ローラ7である。
上側搬送ユニット810において、上側搬送ベルト2を張架する第1張架部材としての駆動ローラ3は、搬送媒体の搬送方向下流側に設けられている。また、駆動ローラ3は、上側搬送ベルト2を図中時計回り方向(図2の矢印R方向)へ回転駆動する駆動ローラであり、金属の芯金にゴム等の弾性部材が巻かれたローラである。
従動ローラ7は、上側搬送ベルト2を支持すると共に、上側搬送ベルト2の回転力で回転する従動ローラで、駆動ローラ3と同じ構成のローラ又は金属ローラで構成される。
従動ローラ7は、上側搬送ベルト2の内側から外側に付勢するテンションローラであり、上側搬送ベルト2にテンションを与えることで上側搬送ベルト2を駆動ローラ3に押し付けて摩擦力を生じさせ、駆動ローラ3の回転力が上側搬送ベルト2へ伝えられ、上側搬送ベルト2が回転する。
下側搬送ユニット820の下側搬送ベルト31は、上側搬送ベルト2との挟持により搬送媒体Sを搬送する無端状のベルトであり、上側搬送ベルト2の下方に設けられている。下側搬送ベルト31は、上側搬送ベルト2と同じ材質で構成されても良いし、ゴム製の弾性材で構成されても良い。
下側搬送ベルト31を張架するローラ(張架ローラ)は、搬送媒体の搬送方向下流側の第2張架部材としての駆動ローラ32、及び、上流側の第4張架部材としての従動ローラ33である。駆動ローラ32は、下側搬送ベルト31を反時計回り(図2の矢印L方向)に回転駆動する。駆動ローラ32は、上側の駆動ローラ3と同一のローラとしても良い。駆動ローラ32へは、駆動ローラ3に取り付けられた駆動力伝達ギア11と駆動ローラ32に取り付けられた駆動ギア43との係合を介して回転力が伝達され、駆動ローラ32が反時計方向へ回転する(図4)。
従動ローラ33は、下側搬送ベルト31を内側から外側に付勢するテンションローラであり、下側搬送ベルト31にテンションを与えることで下側搬送ベルト31を駆動ローラ32に押し付けて摩擦力を生じさせる。これにより、駆動ローラ32の回転力が下側搬送ベルト31へ伝えられ、下側搬送ベルト31が回転する。
冷却部75a,75bは、図2及び図3に示すように、冷却板71a,71b、冷却媒体流路としての冷却管72a,72b、液溜タンク83、媒体供給部としてのポンプ82、放熱部としてのラジエータ80及び冷却手段としてのファン81を有している。
冷却板71a,71bは、熱伝導性の高い金属、例えばアルミニウムや銅で形成された部材であり、上側搬送ベルト2と接触する受熱面は平板状である。第1冷却板71aは、上側搬送ベルト2の内側で、且つ、駆動ローラ3と従動ローラ7との間に設けられている。第1冷却板71aの搬送媒体搬送方向の下流端及び上流端はそれぞれ、駆動ローラ3及び従動ローラ7の近傍まで延在しているため、冷却装置800を通過する搬送媒体Sの冷却効果が高められる。
冷却板71a,71bには冷却管72a,72bとそれぞれ嵌合する嵌合部が複数、本実施形態では2つ設けられている。嵌合部は、水平面上であって搬送媒体搬送方向に直交する方向に形成されている。第1冷却管72aは第2冷却管72bの真上に配置されている。これにより搬送媒体を冷やすことが可能となる。
また、冷却板71a,71bには放熱フィン74a,74bが複数設けられている。具体的には、3つの放熱フィン74a,74bが、隣り合う冷却管72a,72bの間に間隔をあけて設けられている。放熱フィンは、水平面上で搬送媒体の搬送方向に直交する方向に形成されている。各放熱フィン74a,74bの間には、放熱フィン74a,74bに沿って気流が通過する通気路が形成されている。冷却媒体流路のない、隣り合う冷却管72a,72bとの間の領域で冷却板の受熱面が搬送媒体Sの熱を受けると、冷却管内の冷却媒体により熱が奪われるだけでなく、放熱フィン74a,74bも受熱面からの熱を放出する。これにより、放熱フィンのみや冷却管のみが設けられた冷却部よりも、冷却効果がより高くなる。
冷却管72a,72bは、熱伝導性のよい金属、例えばアルミニウムや銅で形成された管状の部材であり、搬送媒体搬送方向と交差する方向に冷却媒体が流れる冷却媒体流路を形成する。冷却媒体は、例えば、水を主成分とし、凍結温度を下げるためのプロピレングリコール又はエチレングリコールや、金属製の部品の錆を防止するための防錆剤(例えば、リン酸塩系物質:リン酸カリ塩、無機カリ塩等)が添加されたもの等がある。
液溜タンク83はこの冷却媒体を収容するタンクである。ポンプ82は、制御部(図13参照)によって駆動を制御され、液溜タンク83からラジエータ80に冷却媒体を供給し、冷却管内で冷却媒体を循環させる。
ファン81は、画像形成装置600内と装置外とを連通する開口の付近に配置される。ファン81は、開口から外気を流入させて、ラジエータ80に導く。ラジエータ80を通過することで放熱された冷却媒体は、流路分岐部840によって第1冷却管72aと第2冷却管72bへと分流される。一方、第1冷却管72aと第2冷却管72bの排出口から排出された冷却媒体は、流路合流部830によって1本の流路に集められ、液溜タンク83へ流れる。
画像形成時に冷却媒体が冷却管72内の流路を搬送媒体Sの搬送方向下流側から上流側に向かって流動するように、ポンプ82は液溜タンク83から冷却媒体を冷却管72に供給する。従って、冷却管72に供給された冷却媒体は、搬送媒体搬送方向の最下流側に配置された冷却管72の内部を流れ、最上流側に配置された冷却管72から排出される。そして、冷却媒体は、液溜タンク83に収容される。
このようにポンプ82は、搬送媒体搬送方向の下流側から上流側に向けて冷却媒体が冷却管72内を流動するように、冷却媒体を冷却管72に供給する。なお、図3の矢印Wは冷却媒体の流動方向を示している。
図4は冷却装置800の概略斜視図を示し、図5(a)は上側及び下側搬送ユニットの概略斜視図を示し、図5(b)は図5(a)のブラケット151を上から見たときの拡大平面図である。図6は図4の下側前側板34b2を支持する保持部材53の概略斜視図を示す。図7は図4の下側前側板34b2を支持する保持部材53の概略拡大図を示す。図8は図7に示す保持部材と係合する下側前側板34b2の凹部の概略拡大図を示す。図9は、搬送ユニットの概略正面断面図である。図10は、図9の搬送ユニットの概略平面図であり、図11は、下側搬送ベルトを上側搬送ベルトに対して接近離間するときの遷移を示す概略図である。図12は図11の装置背面側の概略斜視図である。なお、内部の構成が分かり易くなるように、一部構成を部分的に示している。
上側前側板34a2と上側後側板34a1とは、冷却装置800の上側搬送ユニット810の前後側にそれぞれ設けられ、上側搬送ベルト2を駆動あるいは支持するローラ軸(駆動ローラ3及び従動ローラ7)を支持する。また、下側前側板34b2と下側後側板34b1とは、冷却装置800の下側搬送ユニット820の前後側にそれぞれ設けられ、下側搬送ベルト31を駆動あるいは支持するローラ軸(駆動ローラ32及び従動ローラ33)を支持する。
図2,4,13に示すように、冷却装置800の上側搬送ユニット810は、搬送方向下流側において、上側搬送ベルト2を張架する第1張架部材としての駆動ローラ3と、駆動ローラ3を駆動する駆動手段としての駆動モータ22と、駆動ローラ3に設けられた第1駆動ギアとしての駆動力伝達ギア11と、を備えている。一方、冷却装置800の下側搬送ユニット820は、搬送方向下流側において、下側搬送ベルト31を張架する第2張架部材としての駆動ローラ32と、駆動ローラ32に設けられた第2駆動ギアとしての駆動ギア43を備えている。図4に示すように、上側搬送ユニット810の後側に位置する本体側駆動ギア59は駆動モータ22に連結している。駆動ローラ3と同軸上に設けられた駆動ギア10は、本体側駆動ギア59と係合し、駆動ローラ3に本体側駆動ギア59の回転力を伝達する。上側搬送ユニット810の前側にある駆動力伝達ギア11は、駆動ギア43との係合により、駆動ローラ3の回転駆動力を下側搬送ユニット820のベルト駆動軸(駆動ローラ32)へ伝達する。
<第1搬送手段としての上側搬送ユニット810について>
図4に示すように、本体後側板100は、装置後方から前方に向けて延びる本体ガイド102を有する。本体ガイド102は上側後側板34a1の上方に突出したL字型の係合部9aを支持し、前後方向に案内するので、上側搬送ユニット810を装置本体から着脱するときの操作性が向上する。
図4に示すように、上側搬送ユニット810における従動ローラ7は装置の前後方向に設けられ、軸受36aを介して上側テンションローラ支持部材35aに保持されている。軸受36aは、上側テンションローラ支持部材35aに形成された溝内を移動可能である。この溝内に設置された弾性部材37a(スプリング)によって、従動ローラ7は上側搬送ベルト2を上側搬送ベルト2の内側から外側に向けて押圧している。従って、従動ローラ7は上側搬送ベルト2に圧接され、上側搬送ベルト2はテンションが与えられている。上側搬送ベルト2にテンションを与えることで、上側搬送ベルト2を駆動ローラ3に押し付けて摩擦力を生じさせることができる。従って、駆動ローラ3の回転力が上側搬送ベルト2へ伝えられて上側搬送ベルト2が回転する。
図4では部分的に示されている連結軸39aは、図10に示すように装置前後に配置された上側テンションローラ支持部材35a間を連結する軸である。この連結軸39aを中心に、2つの上側テンションローラ支持部材35aが回動可能となっている。上側前側板34a2や上側後側板34a1と上側テンションローラ支持部材35aとが互いに対向する面には、それぞれ一方に凸部、他方に凹部が形成されている。従って、この凹凸が係合することにより、図4の状態においては、2つの上側テンションローラ支持部材35aの回動が規制されている。
図4及び5に示すように、冷却装置800の上側搬送ユニット810の基準ピン73aが、ステー部材70aの横側面に固定されている。これら基準ピン73aは、上側前側板34a2を貫通し、本体前側板103の基準穴103a(図10)に挿入・係合される。また、上側搬送ユニット810の背面側には、上側後側板34a1の係合孔76が形成されており、この係合孔76には本体後側板100の係合孔101と係合する基準ピン77が設けられている。このような構成により、画像形成装置本体と上側搬送ユニット810との位置決めが行われる(図10)。
図9及び図10に示すように、第1冷却板71aは圧縮スプリングとして構成された弾性部材98aによって、上側搬送ベルト2を下方に付勢している。弾性部材98aの一端はステー部材70aに固定され、他端は隣り合う放熱フィン74a間の第1冷却板71aの上面を押圧している(図9)。弾性部材98aは、搬送媒体搬送方向と交差する方向に複数設けられている(図10)。また、第1冷却板71aとステー部材70aの横側面には上下方向に延びるガイド部が形成され、第1冷却板71aはステー部材70aに対して上下方向に移動可能である。
<第2搬送手段としての下側搬送ユニット820について>
図4に示すように、下側搬送ユニット820における従動ローラ33は装置の前後方向に設けられ、軸受36bを介して下側テンションローラ支持部材35bに保持されている。軸受36bは、下側テンションローラ支持部材35bに形成された溝内を移動可能である。この溝内に設置された弾性部材37b(スプリング)によって、従動ローラ33は下側搬送ベルト31を下側搬送ベルト31の内側から外側に向けて押圧している。従って、従動ローラ33は下側搬送ベルト31に圧接され、下側搬送ベルト31はテンションが与えられている。下側搬送ベルト31にテンションを与えることで、下側搬送ベルト31を駆動ローラ32に押し付けて摩擦力を生じさせることができる。従って、駆動ローラ32の回転力が下側搬送ベルト31へ伝えられて下側搬送ベルト31が回転する。
図4では部分的に示されている連結軸39bは、装置前後に配置された下側テンションローラ支持部材35b間を連結する軸である(図10参照)。この連結軸39bを中心に、2つの下側テンションローラ支持部材35bが回動可能となっている。下側前側板34b2や下側後側板34b1と下側テンションローラ支持部材35bとが互いに対向する面には、それぞれ一方に凸部、他方に凹部が形成されている。従って、この凹凸が係合することにより、図4の状態においては、2つの下側テンションローラ支持部材35bの回動が規制されている。
図4及び5に示すように、冷却装置800の下側搬送ユニット820の基準ピン73bが、ステー部材70bの横側面にそれぞれ固定されている。これら基準ピン73bは、下側前側板34b2の基準穴に挿通・係合されることで、第2冷却板71bの前方向の位置が決まる。ステー部材70bの横側面にある基準ピン73bよりも後方には、ブラケット151,152が設けられている(図5)。ブラケット151はL字状の部材であり、ブラケット151の一端は、ステー部材70bの側面側にネジなどで締結される。ブラケット151の他端には、下側後側板34b1に固定されたピン155(図5(b))が挿入される基準穴が設けられている。ブラケット151は左側にも同じように配置されている。これにより、下側後側板34b1が、着脱可能にピン、ブラケット151を介して、ステー部材70bに保持されている。ブラケット152は、図12に示すようにL字形状の部材であり、その一端が本体後側板100の背面側にネジなどで固定され、他端がステー部材70bの横側面に回動可能に支持されている。このとき回転軸153を中心としてステー部材70bが回転可能なように、ブラケット152が固定される。また、ブラケット152はステー部材70bの両側の横側面にそれぞれ設けられ、第2冷却管72bの外側に位置している(図5)。このようにして、下側前側板34b2、下側後側板34b1及び下側搬送ベルト31がユニット化され、ユニット化された下側搬送ユニット820は、図11に示すように回転部としての回転軸153を中心として回転し、上側搬送ユニット810に対して接近離間可能である。
図9及び図10に示すように、第2冷却板71bは圧縮スプリングとして構成された弾性部材98bによって、下側搬送ベルト31を上方に付勢している。弾性部材98bの一端はステー部材70bに固定され、他端は隣り合う放熱フィン74b間の第2冷却板71bの下面を押し上げている(図9)。弾性部材98bは、搬送媒体搬送方向と交差する方向に複数設けられている(図10)。また、第2冷却板71bとステー部材70bの横側面には上下方向に延びるガイド部が形成され、第2冷却板71bはステー部材70bに対して上下方向に移動可能である。
図2,4,5に示すように、冷却装置800は、搬送媒体Sの表裏における一方に設けられた第1搬送ベルトとしての上側搬送ベルト2と、搬送媒体Sの表裏における他方に設けられた第2搬送手段としての下側搬送ベルト31と、上側搬送ベルト2の内周に接触し搬送媒体を冷却する第1冷却部材としての第1冷却板71aと、下側搬送ベルト31の内周に接触し搬送媒体を冷却する第2冷却部材としての第2冷却板71bと、第1冷却板71a及び第2冷却板71bから排出された冷却媒体の熱を放出する放熱部としてのラジエータ80を有する。第1冷却板71aは、冷却媒体が内部に流入する第1流入口78a(第1冷却管72aの搬送方向下流側部分)と、外部へ排出する第1排出口79a(第1冷却管72aの搬送方向上流側部分)と、第1流入口78aから第1排出口79a間を流れる第1流路(第1冷却板71a内の第1冷却管72a)とを有する。また、第2冷却板71bは、冷却媒体が内部に流入する第2流入口78b(第2冷却管72bの搬送方向下流側部分)と、外部へ排出する第2排出口79b(第2冷却管72bの搬送方向上流側部分)と、第2流入口78bから第2排出口79b間を流れる第2流路(第2冷却板71b内の第2冷却管72b)とを有する。また、冷却装置800は、ラジエータ80で放熱された冷却媒体を第1流入口78a及び第2流入口78bにそれぞれ流す導入路と、第1排出口79a及び第2排出口79bから排出された冷却媒体を合流してラジエータ80へ流す排出路とを有する。これにより、搬送媒体Sの表裏に対向する各冷却板間での温度差を従来に比べて低減させることができるので、搬送媒体Sに対する冷却効果をより高めることができる。
また、図2,11などに示すように、冷却装置800は、少なくとも上側搬送ベルト2と第1冷却板71aとを有する上側搬送ユニット810と、少なくとも下側搬送ベルト31と第2冷却板71bとを有する下側搬送ユニット820と、下側搬送ユニット820を上側搬送ユニット810に対して接近離間可能に回転させる回転部としての回転軸153と、を備え、回転軸153は、第2冷却板71bを基準として第2流入口78b側に設けられている。これにより、対向する冷却部材間に残された搬送媒体を取り出すことができる。
また、図2に示すように、第1流入口78aと第2流入口78bは搬送媒体Sの搬送経路Aを介して互いに対向している。これにより、冷却板への冷却部材の導入路が互いに対向するため、より冷却効果を高めることができる。
また、図5,11に示すように、前記導入路は、第1流路(第1冷却板71a内の第1冷却管72a)へ通じる第1導入路(第1冷却管72a)と、第2流路(第2冷却板71b内の第2冷却管72b)へ通じる第2導入路(第2冷却管72b)と、第1導入路(第1冷却管72a)及び第2導入路(第2冷却管72b)に分岐する分岐部840と、を備え、第2導入路(第2冷却管72b)は弾性変形可能な弾性部材で構成されている。これにより、下側搬送ユニット820を上側搬送ユニット810に対して離間する際、第2導入路(第2冷却管72b)は弾性変形するため、冷却媒体が導入路から漏れることを防止できる。
図2,9,11に示すように、上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト31とが挟持状態であるとき、図6に示すように、下側搬送ユニット820は保持部材53a,53bによって支持されている。保持部材53a,53bは、下側前側板34b2の左右に2つ設けられ、それぞれが加圧コロ57a,57b、加圧コロの軸55a,55b、当該軸に設置されてガイド溝61内を移動可能な軸受56a,56b、及び、加圧部材54a,54bで構成されている。
図7は、2つの保持部材のうちの一方の概略拡大図である。
円柱状の加圧コロ57の周面は、図6,8に示すように、山型の切欠62により形成された下側前側板34b2の下側側面34a,34bに係合し、軸55及び軸受56を介し、圧縮スプリングとして構成された加圧部材54の加圧力を下側前側板34b2から下側搬送ユニット820へ伝える。すなわち、加圧コロ57は下側搬送ユニット820を上側搬送ユニット810へ押し付ける作用を有する。図8に示すように、下側前側板34b2の下側側面34a,34bは水平面に対して傾斜する傾斜面であり、加圧コロ57の外周の2点と接触する。この接触位置は、加圧コロ57の中心より上方にある。
図6に示すように、保持部材53a,53bの断面はU字状であり、加圧コロ57a,57b、軸受56a,56b、軸55a,55b及び加圧部材54a,54bをそれぞれ保持している。また、保持部材53a,53bは、それぞれ軸52a,52bを介して回動可能にブラケット51a,51bに設置されている。一方、ブラケット51a,51bは、図6に示すように、装置本体のフレーム60に固定されている。
図6に示すように、その軸52aには取手58が固定されており、ユーザが取手58を反時計方向に回転させると、軸52aも反時計方向に回転する。軸52aの回転にともない保持部材53a,53bも反時計方向に回転する。保持部材53a,53bの回転により、図8に示す加圧コロ57と下側前側板34b2の下側側面34a,34bとの係合状態が解除される。すると、図11の破線で示すように、下側搬送ユニット820が回転軸153の軸中心を支点にして回動し、図中左側(装置正面側)において下側搬送ユニット820と上側搬送ユニット810との間に空間63が作られる。従って、搬送媒体Sが上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト31で挟持されたまま画像形成装置600が停止した場合、ユーザが取手58を反時計方向に回転させて下側搬送ユニット820を下方に回動させることで、図11に示す空間63が形成され、この空間63から搬送媒体Sを取り出すことができる。
そして、図11に示す状態では、上側搬送ユニット810及び下側搬送ユニット820が装置本体から移動することがないので、上側搬送ユニット810を装置本体から引き出す構成に比べて、構成が簡単になる。
図13は、上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト31とが挟持状態であるときの、駆動力伝達ギア11と駆動ギア43との位置関係を示す概略図である。図13において、駆動力伝達ギア11と駆動ギア43の外周に示す破線は、各ギアの歯先の位置を示す。
駆動ギア43の中心Oが、駆動力伝達ギア11の中心Oを通過する垂線よりも搬送媒体搬送方向上流側にずれている場合(図13(b))又は搬送媒体搬送方向下流側にずれている場合(図13(c))、下側搬送ユニット820を回転して閉じる際、駆動力伝達ギア11の歯先面と駆動ギア43の歯先面とが対向して接触せず、互いに歯が噛み合う。より具体的には、上側搬送ベルト2の移動が停止しているときは、駆動力伝達ギア11も停止しているため、駆動力伝達ギア11に対して進入する従動回転可能な駆動ギア43が駆動力伝達ギア11の歯先と接触した場合、駆動ギア43は回転しながら駆動力伝達ギア11と噛み合う。
逆に、回転軸153まわりの回転により下側搬送ベルト31が上側搬送ベルト2から離間することで駆動力伝達ギア11と駆動ギア43との係合が解除される。これにより、上側搬送ユニット810と下側搬送ユニット820との駆動連結が解除されるので、上側搬送ユニット810と下側搬送ユニット820との間の搬送媒体Sの取り出し性が向上する。
一方、駆動ギア43と駆動力伝達ギア11の中心Oが垂線上にある場合(図13(a))、上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト31との挟持位置に駆動ギア43が到達するとき、駆動ギア43は垂直方向に上昇する。従って、駆動力伝達ギア11の歯先面と駆動ギア43の歯先面とが対向し、互いに歯が噛み合わない場合がある。従って、駆動ギア43の中心Oは、駆動力伝達ギア11の中心Oを通過する垂線よりも搬送媒体搬送方向にずれていることが好ましい。
図14は、保持部材53の駆動を制御する制御ブロック図を示す。
上述した実施形態の冷却装置800では、ユーザが手動で取手58を回転させることで保持部材53を移動させる構成だったが、本実施形態の冷却装置では保持部材53を駆動する駆動モータ23を設けた。
図14(a)に示すように、この冷却装置800は、駆動ローラ3用の駆動モータ22に加えて、保持部材53用の駆動モータ23を備えている。画像形成装置600が停止したとき、例えば画像形成装置のカバーが開けられたことをセンサ121が検知すると、駆動モータ23が、センサ121に接続した制御部64からの指令を受け、保持部材53を回転させる。これにより、下側搬送ユニット820が下降位置に移動する。また、下側搬送ユニット820を駆動モータ23で回転させるようにしてもよい。駆動モータ23によって保持部材53を自動的に回動することにより、ユーザによる手動操作を省略し、画像形成装置停止時のメンテナンス時間を短縮できる。
また、センサ121は画像形成装置600の搬送経路A内のジャムを検知するものであってもよい。
図14(b)に示すように、この冷却装置800は、保持部材53用の駆動モータ23を備えておらず、駆動ローラ3用の駆動モータ22が、保持部材53と下側搬送ユニット820を駆動するように構成されている。このために、切替手段24が設けられている。切替手段24は、画像形成装置600が動作中のときは駆動モータ22を駆動ローラ3のみに駆動伝達するように切り替え、画像形成装置600が停止したときは駆動モータ22を保持部材53と下側搬送ユニット820のみに駆動伝達するように切り替える。これにより、図14(a)に示す構成よりも装置を小型化できる。
なお、図14において、画像形成装置600が停止するときに、センサ121が冷却装置800における搬送媒体Sの有無を検知するものであってもよい。この場合、駆動モータ22又は駆動モータ23によって下側搬送ユニット820を上側搬送ユニット810から自動的に離間させ、上下のベルトを早く離すことができるので、ベルトへのトナー付着を防ぐことができる。
図15は、ラジエータ周辺部の概略斜視図を示す。
循環路95は、冷却板71の一方の開口部と液溜タンク83とを連結する配管84,85と、冷却板71の他方の開口部とラジエータ80とを連結する配管88,89と、ラジエータ80とポンプ82とを連結する配管87と、ポンプ82と液溜タンク83とを連結する配管86とを備える。継手90は配管84,85を接続し、継手91は配管88,89を接続する。配管84,85,86,87,88,89を有する循環路95は一本の流路を形成しているが、冷却板71内では図3に示すように折り返し流路を形成しており、循環路95内を流れる冷却媒体が効果的に冷却板71を冷却する。なお、ラジエータ80によって冷却された冷却媒体は、搬送媒体搬送方向下流側に導入されることが望ましい。
液溜タンク83は冷却管72を通過した冷却媒体を溜めるタンクであり、ポンプ82は冷却媒体を搬送する搬送手段である。また、液溜タンク83及びポンプ82は、冷却板71とラジエータ80の間に設けられている。これにより、液溜タンク83及びポンプ82はラジエータ80を冷却するファン81の送風方向上流側に配置され、排熱の影響を受けないので、より冷却効率が向上する。
ラジエータ80は、冷却媒体の熱を放出する放熱部であり、配管87から流入してきた冷却媒体を配管88に向けて流す流路を上下方向に複数有している。各流路間にフィンが形成され、このフィンの間を気流が通過することで流路内の冷却媒体が冷やされる。なお、ファン81は、ラジエータ80の送風方向下流側に配置され、ラジエータ80から気流を引き込むように回転するので、ラジエータ80内を気流が通過する。また、ラジエータの上方又は横側方から外気が導入され、ラジエータ80におけるファン81との対向面と反対面から外気が通過する。
なお、図15では、1つのラジエータ80に対してファン81が2つ設けられているが、この構成に限られず、1つのファンに対して1つのラジエータを設けてもよい。また、ファンの数は3つ以上でもよいし、1つでもよい。
図15及び図4を参照して、ステー部材70aは、本体に固定された冷却板71を支持している。ステー部材70aは第1冷却板71aを覆い、隣り合う放熱フィン74a間に気流を流す流路を形成している。ステー部材70bも同様の構成を有する。
第1冷却板71aは、第1冷却管72aを保持固定する冷却板であって、放熱フィン74aとは反対側の吸熱面で上側搬送ベルト2の内周面に接触して当該ベルトを冷却し、さらに上側搬送ベルト2に接触する搬送媒体Sの熱を奪い、搬送媒体Sを冷却する。第2冷却板71bも同様の構成を有する。
図15に示すように、ステー部材70a,70bと冷却板71a,71bの後方(画像形成装置600の後方)の開放部にはダクト119が接続し、当該開放部は閉じられている。そのダクト119の端部にはファン120が設けられている。放熱フィン74a,74bにより形成される気流経路を通過する気流を案内するダクト119及びファン120は、冷却板71a,71bとラジエータ80の間であって液溜タンク83の隣に配置されている。液溜タンク83の横の空きスペースにダクトとファンを配置することで、冷却装置800を小型化することができる。ダクト119は配管89,84の間の空間に設けられ、画像形成装置前方から後方に向けて(送風方向上流から下流とも言う)、幅が狭くなるように形成されている。ダクト119の導入口は放熱フィン74a,74bの両方を受け入れるだけの開口面積を有している。ファン120は、ダクト119から気流を引き込むように回転する。
ファン120によって装置本体の前面又は前面と隣り合う横側面から導入された外気は、図10に示す上側前側板34a2と上側搬送ベルト2との隙間118から放熱フィン74a,74b間に導入する。放熱フィン74a,74b間を流れた気流は、ダクト119を通過し、ファン120によって排気される。排気された気流は、ラジエータ80を通過し、ファン81によって装置外に排気される。
次に、前記のように構成された冷却装置800の動作について説明する。
上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト31とで搬送媒体Sを挟持搬送する場合、図2に示すように、上側搬送ユニット810と下側搬送ユニット820とを近接させた状態とする。この状態において、上側搬送ユニット810の駆動ローラ3を回転駆動させれば、上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト31が矢印R,L方向に走行して、搬送媒体Sは矢印方向に走行する(図2)。この状態では、循環路95において冷却媒体が循環する。すなわち、ポンプ82を駆動することによって、冷却板71の冷却媒体流路内に冷却媒体が流れる。
この際、上側搬送ユニット810の上側搬送ベルト2の内面が第1冷却板71aの吸熱面を摺動する。このため、第1冷却板71aは、搬送媒体Sの表面側から、上側搬送ベルト2を介して搬送媒体Sの熱を吸収する。この場合、冷却板71が吸収した熱量を冷却媒体が外部に輸送することで、第1冷却板71aは低温に保たれる。これは、下側搬送ユニット820の第2冷却板71bについても同様である。
すなわち、ポンプ82を駆動することによって、冷却媒体が循環路95内を循環し、冷却板71の冷却媒体流路内を流れて吸熱して高温となった冷却媒体が、ラジエータ80を通過することによって、外気へ放熱され、冷却媒体の温度が低下する。そして、低温となった冷却媒体が再度循環路95内を流れて、冷却板71a,71bが搬送媒体Sから吸熱する機能を果たす。このサイクルを繰り返すことによって、搬送媒体Sは冷却される。
図16は、図14に示す冷却装置の変形例に係る概略平面図である。図16では、搬送方向に4つの流路が図示されているが、図3と同様の流路にも適用可能である。
ファン120によって排気された気流の温度が、ラジエータ80を通過する外気の温度より高い場合、ラジエータ80内を流れる冷却媒体を効率的に冷やすことが難しい。そこで、図15に示す冷却装置800では、ファン120によって排気された気流を装置外に排気するためのダクト116をファン120の後端に設けた。そして、ラジエータ80の右側から気流を導入できるようにするため、ダクト116とラジエータ80との間に間隔を形成するために、ダクト116は搬送媒体搬送方向(図中下方)へ屈曲し、その後装置前方から後方へ延在している。その際、ダクト116が配管88,89と干渉しないように、ダクト116の流路は配管88,89の上方に形成されている。そして、ダクト116を通過後の気流は排気口65から装置外に排気する。また、ファン81を通過した気流を装置外に案内するためのダクト117がファン81の後端に設置され、ダクト116の排気口とラジエータ80用のダクト117の排気口は搬送媒体搬送方向に沿って隣接して配置されている。
本実施形態では、放熱フィン74a,74b間を通過して温められた気流がラジエータ80を通過しないので、より効率的にラジエータ80内を流れる冷却媒体を冷却できる。
図17は、図15に示すダクト119の変形例を示す概略断面図である。
図15の冷却装置800では、放熱フィン74a,74bを通過した気流を1つのダクト119に導入したが、この構成に限定されない。例えば、放熱フィン74a,74bのそれぞれに対応するダクト119a,119bとファン120a,120bを設けてもよい。
図17に示すように、冷却装置800は、下側搬送ユニット820における放熱フィン74bに対応するダクト119bとファン120bを有している。図示のように、下側搬送ユニット820は回転軸153を中心として回転するため、下側搬送ユニット820における放熱フィン74bに対応するダクト119bの上側導入口141及び下側導入口142が、第2冷却板71b及びステー部材70bと干渉しないようにする必要がある。そこで、ダクト119の上側導入口141及び下側導入口142は、第2冷却板71b及びステー部材70bの回転軌跡から外れるような形状としている。具体的には、上側導入口141は上方に突出して形成され、下側導入口142は下方に傾斜している。
図18は、ベルト交換方法を示す概略側面図を示す。上側搬送ユニット810及び下側搬送ユニット820は同じ構成であるため、下側搬送ユニット820のみを示す図18を用いて説明する。
図11の破線に示すように下側搬送ユニット820を下降位置に下げた後、上述した各搬送ユニットの締結を解除することで、手前へ引き出して着脱が可能である。ベルト交換時には、連結軸39を中心に、下側テンションローラ支持部材35bを反時計方向に回転させる。すると、図18の実線に示すように従動ローラ33が移動し、ベルト緊張状態が解除される。ベルト緊張状態を解除することで、各ローラで形成される外周長よりもベルト内周長が長くなり、ベルトの着脱が可能となる。
図19は、上側前側板34a2と放熱フィン74aとの関係を示す概略正面図である。下側前側板34b2と放熱フィン74bとの関係も同様である。
図10の冷却装置800では、上側前側板34a2と上側搬送ベルト2との隙間118から放熱フィン74a,74b間に外気を導入していた。これに対し図19の冷却装置800では、上側前側板34a2における放熱フィン74aと対向する部分に、放熱フィン74aにより形成される気流経路と連通する開口部であるスリット38aを設けた。スリット38aは、隣り合う冷却管72の間に設けられた複数の放熱フィン74aの全幅にわたって搬送媒体搬送方向に形成され、上下方向に複数設けられている。これにより、より放熱フィン74a間に外気を導入し易くなるので、冷却板71の受熱面からより放熱させることができる。
図20は、図2の冷却装置800の変形例を示す概略断面図である。
図20に示す実施形態では、図2の冷却装置と異なる点として、冷却装置800は、各冷却板71の内部に3つ以上の冷却媒体流路を有している。これにより、搬送媒体Sに対する冷却効果がより高められる。
図21は、図2の冷却装置800の別な変形例を示す概略断面図である。
図21に示す実施形態では、図2の冷却装置と異なる点として、冷却装置800の各冷却板71は放熱フィンを有さず、平坦な板状に形成されている。これにより、簡単な構成の冷却板71により搬送媒体Sを冷却することができる。なお、流路は冷却管に限られない。例えば、冷却板71a,71bに切削により流路72a,72bを構成してもよい。なお切削による流路は上述した全ての実施形態に適用可能である。
図22は、図2の冷却装置800の別な変形例を示す概略断面図である。
図22では、第1流入口78aの付近が拡大されて示されている。パイプ状である第1流入口78aを冷却部75aに係合する構成であるため、第1流入口78aの上側の周面は冷却部75aで覆われていない。そのため、ファン120によって引き込まれる気流は、第1流入口78aの上側の周面も通過する。この気流の温度が第1流入口78a内を通過する冷却媒体の温度よりも高いと、第1流入口78a内の冷却媒体が暖められてしまう可能性がある。そこで、本変形例では、第1流入口78aの上側の周面を覆う断熱部材74cを設けている。これにより、気流が第1流入口78aの周面に直接接触しないので、第1流入口78a内の冷却媒体が暖められることを抑制できる。なお、図22では第1流入口78aの上側のみに断熱部材74cを設けていたが、第1流入口78aの左右側面を覆う冷却部75aの外側も覆うようにしてもよい。また、第2流入口78bの上側の周面を覆う断熱部材を設けてもよい。
以上、本発明を図示例により説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、搬送媒体はシート状又はロール状の記録材であってもよく、電子基板なども含む。また、画像形成装置は電子写真方式のものに限られず、インクジェット方式のものであってもよい。
2 第1搬送ベルト
31 第2搬送ベルト
71a 第1冷却板(第1冷却部材)
71b 第2冷却板(第2冷却部材)
72a 第1冷却管(第1流路)
72b 第2冷却管(第2流路)
78a 第1流入口
78b 第2流入口
79a 第1排出口
79b 第2排出口
80 ラジエータ(放熱部)
800 冷却装置
S 搬送媒体
特開2012−255964号公報

Claims (5)

  1. 搬送媒体の表裏における一方に設けられた第1搬送ベルトと、
    冷却媒体が内部に流入する第1流入口と、外部へ排出する第1排出口と、前記第1流入口から前記第1排出口間を流れる第1流路とを有し、前記第1搬送ベルトの内周に接触し搬送媒体を冷却する第1冷却部材と、
    搬送媒体の表裏における他方に設けられた第2搬送ベルトと、
    冷却媒体が内部に流入する第2流入口と、外部へ排出する第2排出口と、前記第2流入口から前記第2排出口間を流れる第2流路とを有し、前記第2搬送ベルトの内周に接触し搬送媒体を冷却する第2冷却部材と、
    前記第1冷却部材及び前記第2冷却部材から排出された冷却媒体の熱を放出する放熱部と、
    前記放熱部で放熱された冷却媒体を前記第1流入口及び前記第2流入口にそれぞれ流す導入路と、
    前記第1排出口及び前記第2排出口から排出された冷却媒体を合流して前記放熱部へ流す排出路と、
    を有することを特徴とする冷却装置。
  2. 少なくとも前記第1搬送ベルトと前記第1冷却部材とを有する第1搬送手段と、
    少なくとも前記第2搬送ベルトと前記第2冷却部材とを有する第2搬送手段と、
    前記第2搬送手段を前記第1搬送手段に対して接近離間可能に回転させる回転部と、を備え、
    前記回転部は、前記第2冷却部材を基準として前記第2流入口側に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記第1流入口と前記第2流入口は搬送媒体の搬送経路を介して互いに対向している、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷却装置。
  4. 前記導入路は、前記第1流路へ通じる第1導入路と、前記第2流路へ通じる第2導入路と、当該第1導入路及び当該第2導入路に分岐する流路分岐部と、を備え、
    前記第2導入路は弾性変形可能な弾性部材で構成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷却装置。
  5. 搬送媒体に画像を形成する画像形成部と、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の冷却装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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