JP3971218B2 - インクジェット捺染用前処理液、インクジェット捺染用布帛、及びインクジェット捺染方法 - Google Patents

インクジェット捺染用前処理液、インクジェット捺染用布帛、及びインクジェット捺染方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は布帛のインクジェット捺染に関し、さらに詳しくは環境に優しく作業性に優れたインクジェット捺染用前処理液、インクジェット捺染用布帛、及びインクジェット捺染方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェットプリント方式は長足の進歩を遂げ、産業上重要な地位を築きつつある。特に、インクジェット捺染は布帛特有の風合いを有しながらフルカラーの染色が可能であり、従来不可能であった写真調の鮮明な画像を容易に記録する事が出来るため、高付加価値な技術として注目を集めている。
また、インクジェット捺染は小ロット・短納期といった無駄の少ない効率的な加工も可能であり、さらに余分な染料や水を使わないため環境に優しくしかも大幅なコスト削減が可能である等の点から、次世代の捺染方式として、ますますニーズが高まって来ている。
しかし、通常、インクジェット捺染用布帛にはインクの滲みを抑えるためにインク受容層が形成されており、このインク受容層が環境汚染を引き起こす構造物として問題になってきているのが現状である。
【0003】
例えば特開平05−179577号公報ではインク受容層として吸水性樹脂を使用することが開示されているが、そこに提案されている吸水性樹脂はいずれもPVA等の合成高分子であり、安価であるというメリットはあるが、難分解性物質であるため、環境汚染の問題がある。
また、特開平06−146178号公報では、糊剤としてカルボキシメチルセルロースあるいはアルギン酸ナトリウムを使用することが開示されているが、前者は天然のセルロースを加工して水溶性にした物質であるため、性能は優れているが、やはり環境汚染の問題がある。また、後者は天然物であるが故に、腐りやすく、耐熱性にも劣るため、温度変化による経日安定性が得られない。
また、特開平07−252785号公報では上記に加え、酸化澱粉、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースも開示されているが、これらが環境汚染を引き起こすことは同様である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来例の問題点を解決し、経日安定性や作業性に優れたインクジェット捺染用前処理液、さらに環境に優しく、かつ従来の画質を損なわないインクジェット捺染用布帛及びインクジェット捺染方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の問題点を解決するために鋭意努力した結果、生分解性に優れる天然糊剤と熱分解性の抗菌剤を組み合わせることで、前処理液の保存安定性に優れ、かつ前処理としての役割(インクの受容)を終え廃棄されたときに環境に優しいインクジェット捺染用前処理液、インクジェット捺染用布帛、及びインクジェット捺染方法があることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
本発明の要旨は次のとおりである:
(1)天然糊剤及び50〜200℃で分解する抗菌剤を含有する前処理液を布帛に付与してインク受容層を形成する工程、抗菌剤を含有するインク受容層をもつ布帛をインクジェットプリントする工程、インクジェットプリントした布帛を熱処理してインク受容層に含まれる抗菌剤を分解する工程、及び前処理液で形成されたインク受容層を洗い流す工程からなることを特徴とするインクジェット捺染方法。
(2)前処理液のBOD/COD値が0.3〜3の範囲であることを特徴とする上記の方法。
(3)半合成糊剤をも含有することを特徴とする上記の方法。
(4)天然糊剤に対する半合成糊剤の重量%が5〜40%であることを特徴とする上記の方法。
(5)半合成糊剤がカルボキシメチル化された水溶性多糖類であることを特徴とする上記の方法。
(6)前処理液のPVI値が0.3〜1.0であることを特徴とする上記の方法。
(7)インク受容層を洗い流した後の廃液を活性汚泥処理に供する上記の方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明について、更に詳細に説明する。
本発明のインクジェット捺染用前処理液、およびインクジェット捺染用布帛に適用するインク受容剤としては、環境に優しい、天然糊剤が用いられる。
天然糊剤の具体例としては、澱粉、ふのり、寒天、アルギン酸ナトリウム、トロロアオイ、トラガントゴム、アラビアゴム、デキストラン、コンニャク粉、にかわ、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、グアーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、カラギーナン等があげられる。
インクジェット捺染では、飛翔してきたインク滴を滲ませずに吸収する必要があり、特に被記録材が布帛の場合、多量のインク滴を受容する必要があるため、インク受容剤としては吸水性に優れたものが好ましい。また、布帛の内部まで染色するには、インク受容剤も布帛内部にまで浸透させる必要があるため、天然物の中でも流動性に優れるものが好ましい。天然糊剤で上記の条件を満たすものとしてアルギン酸ナトリウム及びグアーガムがあげられる。特に好ましいのはアルギン酸ナトリウムである。
天然糊剤は前処理液中に0.1〜10重量%含まれることが好ましい。0.1重量%未満では滲み防止効果が小さく10重量%より大きいと前処理層がムラになり易く均一に付与しにくい。
【0008】
天然糊剤は腐敗しやすいため環境に優しいが、処理液として保存するのが難しいというデメリットを持っている。また、抗菌剤は前処理液の腐敗を防ぐ効果を有するが一旦加えられるとバクテリアまで殺すため廃棄しにくいと言う大きなデメリットを有している。
本発明では、インク受容体は前処理液中では抗菌剤によって腐敗を防がれ、インク受容体がインク受容という役割を終えて布帛から離れるときは抗菌剤が分解しており腐敗しやすく廃棄が容易という大きな特徴がある。
具体的には、天然糊剤と熱分解性の抗菌剤を含む本発明の前処理液を布帛に付与した後、乾燥工程を通したり、あるいはインクジェット捺染をした後に発色・乾燥・セット等の加熱工程を通すことで、抗菌剤が分解するため、洗い流されたインク受容体を含む廃液は分解しやすく活性汚泥などに存在するバクテリアを死滅させたりしないというわけである。
【0009】
その際、抗菌剤の分解温度は、加熱処理温度と同程度またはそれ以下である必要がある。通常、布帛の加工における乾燥工程や発色工程等での加熱処理温度は、80〜200℃で行われるため、抗菌剤の分解温度は50〜200℃であることが必要である。
抗菌剤の分解温度が50℃以下の場合には常温においても分解が進むことから、経日安定性に劣り、防腐効果を長期間発揮出来ない。つまり、過剰の抗菌剤添加が必要となってしまうため好ましくない。また、200℃以上で布帛を熱処理することは布帛自体の分解を招くため好ましくない。よって、分解温度が50〜200℃の範囲である抗菌剤が選択される。
【0010】
ここで分解温度とは、抗菌剤を(0.2%)含む前処理液を付与した布帛を50〜200℃の温度下で3分間加熱処理した場合、布帛上の抗菌剤の残存率が50%以下である温度をいう。
本発明の50〜200℃で分解する熱分解性抗菌剤の例としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾリン系やヘキサヒドロ−1,3,5−トリス−s−トリアジン等のトリアジン系があげられる。これらの化合物は単品で使用しても複数を組み合わせて使用しても良い。なかでも、染着に影響を与えず、経日安定性に富んだイソチアゾリン系、特に5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、または2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが好ましい。
【0011】
本発明の熱分解性抗菌剤は前処理液中に0.005〜1重量%含まれることが好ましく、0.005〜0.2重量%が特に好ましい。添加量が0.005重量%以下になると、防腐効果が認められなくなり、1.0重量%以上になると加熱工程で完全に分解せず、残存してしまうため好ましくない。
本発明の前処理剤は、上記した天然糊剤、熱分解性抗菌剤及び所望により添加する成分を水に溶解させることによって調製される。
【0012】
本発明の前処理液は、BOD/COD値が0.3〜3.0になるように成分や使用量の組み合わせを選択し配合することが好ましい。BODとCODの比は一般に微生物学的分解性の難易を示し、この値が高いと微生物学的分解性がよく、生物学的に処理しやすいといわれる。0.3未満では、生物学的な処理が期待できず、3.0より大きいと、前処理液が腐りやすいため、過剰の防腐剤の添加が必要となり、作業環境面及びコスト面において弊害が生じる。前処理液のBOD/COD値を上記の範囲に調整することにより、インクジェット記録後にインク受容層を洗い流した際も環境を汚染しにくくなる。
本発明におけるBODおよびCODの測定は次の規格に準じて行われる。
BOD:JIS K−0102 6項、
COD:JIS K−0102 14項
【0013】
また、本発明では前処理液あるいはインクジェット捺染用布帛に半合成糊剤を添加することが好ましい。環境に優しい点では天然糊剤に劣るが、合成糊剤と比較すると良好で、天然糊剤と混合することにより、悪影響を与えることなく分解できる。さらに、処理液の温度やpH等に起因する粘度バラツキが小さくなり、また布帛に付与した後も熱的に安定であるため、染めムラのない均染性に優れた捺染物が得られるため、好ましい。
天然糊剤に対する半合成糊剤の重量%は5〜40%になるように添加するのが好ましい。半合成糊剤が40%以上になると、均染性には優れるが環境汚染の問題が生ずるため好ましくない。また、5%以下になると前述した効果が認められない。
半合成糊剤の具体例としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチル澱粉、カルボキシメチルグアーガム、カルボキシメチルローカストビーンガム、カルボキシメチルタマリンドガム、カルボキシメチルトラガントガム、カルボキシメチルキサンタンガム等があげられる。
【0014】
これらのうち、脱糊性、作業性に優れている等の点から、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチル澱粉、カルボキシメチルグアーガム、カルボキシメチルローカストビーンガム、カルボキシメチルタマリンドガム、カルボキシメチルトラガントガム、カルボキシメチルキサンタンガム等のカルボキシメチル化された水溶性多糖類が好ましい。
また、カルボキシメチル化された水溶性多糖類のエーテル化度は0.5〜1.5、特に0.65〜0.9が好ましい。エーテル化度が1.5を越えると環境汚染を引き起こし、0.5以下だと、水に溶けにくく、粘度のバラツキが大きい等の作業性に問題を生ずる。
【0015】
また、インク受容層を形成する処理液のPVI値は、被記録材がある程度の厚みを有する布帛であるため、流動性に優れた0.3〜1.0の範囲であるのが好ましい。0.3以下になると流動性が悪いため、所謂メッチャになりやすく、1.0以上だと、流動性が良すぎるため、塗布量が多くなりコスト面で無駄が大きくなる。
ここで、PVI値とはB型粘度計を用い60rpsの速度で回転させたときの粘度A(cps)と6rpsの速度で回転させたときの粘度B(cps)との商A/Bを示す。
【0016】
また、前処理液を付与する方法としては、パッド法、スプレー法、浸漬法、コーティング法、ラミネート法、グラビア法、インクジェット法、スクリーン法、ローラー法、ロータリー法等のいずれの方法でも可能である。
さらにまた、本発明の前処理液には、揮発防止剤、触媒、吸油剤、消泡剤、保持剤、可塑剤、油脂、ワックス、粘度調整剤、熱硬化性樹脂、架橋剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、耐光向上剤、酸化防止剤、体質顔料、蛍光増白剤、吸着剤、還元防止剤、金属イオン封鎖剤、増量剤、吸湿剤、浸透剤、電解質、香料、消臭剤、防虫剤等を添加することが可能である。
本発明のインクジェット捺染方法では、布帛に前処理液を付与し、インクジェットプリント後、洗浄処理までの間に抗菌剤の分解温度より高温で加熱処理する。
【0017】
また、インクジェット捺染方法としては、荷電変調方式、マイクロドット方式、帯電噴射制御方式、インクミスト方式などの連続方式、ピエゾ方式、バブルジェット方式、静電吸引方式などのオン・デマンド方式などいずれも採用可能である。
本発明で用いられる布帛用の繊維素材としては、具体的に綿、絹、麻、羊毛等の天然繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、ジアセテート、トリアセテート等の半合成繊維、アクリル、ポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリウレタン等の合成繊維等があげられ、これらは単独で用いても、複合して用いてもよい。
また、着色剤は直接染料、分散染料、反応性染料、酸性染料、塩基性染料、カチオン染料、金属錯塩染料、油溶性染料、顔料等があげられ、被記録材となる繊維素材に合わせて適宜選択し使用できる。
【0018】
【実施例】
以下、具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0019】
実施例1
以下の処方と方法からなる前処理液1を作成した。
〔前処理液1〕
サンアルギンMVR(天然糊剤:アルギン酸ナトリウム、三晶社製) 2.4%
マーポローズM−25 0.6%
(半合成糊剤:メチルセルロース、松本油脂製薬社製)
染色酸(リンゴ酸50%水溶液) 0.5%
リアクタントMS(還元防止剤、ユニ化成社製) 1%
KATHON PFM 0.2%
(熱分解性抗菌剤、ROHM AND HAAS製)
(有効成分;5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)
水 残
合計 100%
BOD値/COD値 = 0.48
PVI値 = 0.58
【0020】
上記のサンアルギンMVR、マーポローズM−25、染色酸、およびリアクタントMSを水に混合して30分間攪拌した後、得られた溶液にKATHON PFMを加え、さらに10分間攪拌することにより、前処理液1を得た。
ポリエステル100%の立毛布帛に通常の糊抜き精練を行った。
次いで前記の前処理液1をロータリースクリーン法で前記布帛の被記録面より付与した。
次いで、予め入力されたデータに基づき、ノズルから噴射する圧力、ノズルの開閉、被記録材の位置、カートリッジの走行等をコンピュータ制御し、インクジェット法にてインクの付与を行った。
【0021】
処方及び条件を以下に示す。
〔インク処方〕
C.I.Disperse Red 127 5%
陰イオン界面活性剤 4%
信越シリコーンKM−70(消泡剤、信越化学工業社製) 0.05%
エチレングリコール 3%
珪酸 0.1%
イオン交換水 残
合計 100%
〔インクジェット条件〕
記録装置:オンデマンド方式シリアル走査型記録装置
ノズル径:50μm
駆動電圧:100V
周波数 :5kHz
解像度 :360dpi
次いで、150℃で10分間湿熱処理を行った。
【0022】
その後、以下の条件で浴比1:100の割合で洗浄液に浸し、80℃で30分間処理を行い、乾燥して捺染物を得た。
〔洗浄条件〕
水酸化ナトリウム 1%
リポトールTC―300(ソーピング剤、日華化学社製) 0.2%
温水 残
合計 100%
【0023】
評価方法
上記のようにして作成された前処理液及び捺染物に対し、以下のような評価を行った。その結果を表1に示す。
1)前処理液の経日安定性
25℃の恒温室に前処理液を放置し、1日毎にB型粘度計により粘度を測定した。粘度が急激に低下するまでの日数を、前処理液の安定な日数として評価した。
判定基準
値が大きいほど安定である
【0024】
2)インク受容層の熱安定性
インク受容層の熱安定性を加熱温度による捺染物の濃度バラツキで評価した。170℃で乾燥した後、インクジェット記録した捺染物Aと150℃で乾燥した後、インクジェット記録した捺染物Bの濃度差をK/S値(反射率)により測定した。
濃度差=(BのK/S値)―(AのK/S値)
判定基準
値が大きいほどバラツキが大きく、耐熱性が低い
【0025】
3)廃液の分解性
前処理液付与、乾燥、インクジェットプリント、発色、洗浄という一連の工程を終え、洗い流されたインク受容層を含む廃液を回収し、28±2℃の恒温槽中に保持した。腐敗液(ペプトン、塩化ナトリウム、肉エキス及び菌(Bacillus subtilis、 Escherichia coli、 Pseudomonas aeruginosa)からなり、菌の存在率が10個/mlとなるように調整したもの)を回収した廃液に1%添加し、2日間培養した後、生菌数計測を行い生菌への影響力を下記のように評価した。
判定基準
○=生菌数が10個/ml以上
△=生菌数が10個/ml以上10個/ml未満
×=生菌数が10個/ml未満
【0026】
実施例2
以下の処方と方法からなる前処理液2を作成した。
〔前処理液2〕
サンアルギンMVR(天然糊剤:アルギン酸ナトリウム、三晶社製) 2.7%
ファインガムHE(半合成糊剤:CMC、第一工業製薬社製) 0.3%
染色酸(リンゴ酸50%水溶液) 0.5%
リアクタントMS(還元防止剤、ユニ化成社製) 1%
ベストサイド200K(熱分解性抗菌剤;大日本インキ化学工業製)0.05%
(有効成分;1,2―ベンゾイソチアゾリン−3−オン)
水 残
合計 100%
BOD値/COD値 = 0.56
PVI値 = 0.70
上記のサンアルギンMVR、ファインガムHE、染色酸、およびリアクタントMSを水に混合して30分間攪拌した後、得られた溶液にベストサイド200Kを加え、さらに10分攪拌することにより、前処理液2を得た。
前処理液2を使用する以外は実施例1に準じ評価した。
【0027】
実施例3
立毛布帛を使用する代わりにポリエステルスパンデックス布を使用した。
その他の工程は実施例1に準じた。
【0028】
実施例4
前処理液の付与方法をロータリースクリーン法の代わりにコーティング法で行った。
その他の工程は実施例1に準じた。
【0029】
実施例5
以下の処方と方法からなる前処理液3を作成した。
〔前処理液3〕
サンアルギンMVR(天然糊剤:アルギン酸ナトリウム、三晶社製) 2.4%
リンゴ酸(50%水溶液) 0.5%
リアクタントMS(還元防止剤、ユニ化成社製) 1%
KATHON PFM 0.2%
(熱分解性抗菌剤、ROHM AND HAAS製)
(有効成分;5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)
水 残
合計 100%
BOD値/COD値 = 0.65
PVI値 = 0.72
前処理液3を使用する以外は実施例1に準じた。
【0030】
比較例1
以下の処方と方法からなる前処理液4を作成した。
〔前処理液4〕
サンアルギンMVR(天然糊剤:アルギン酸ナトリウム、三晶社製)2.4%
マーポローズM−25 0.6%
(半合成糊剤:メチルセルロース、松本油脂製薬社製)
リンゴ酸(50%水溶液) 0.5%
リアクタントMS(還元防止剤、ユニ化成社製) 1%
水 残
合計 100%
BOD値/COD値 = 0.48
PVI値 = 0.60
前処理液4を使用する以外は実施例1に準じた。
【0031】
比較例2
以下の処方と方法からなる前処理液5を作成した。
〔前処理液5〕
ポリビニルアルコール(合成糊剤、クラレ社製) 5%
リンゴ酸(50%水溶液) 0.5%
リアクタントMS(還元防止剤、ユニ化成社製) 1%
KATHON PFM 0.2%
(熱分解性抗菌剤、ROHM AND HAAS製)
(有効成分;5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)
水 残
合計 100%
BOD値/COD値 = 0.01
PVI値 = 0.35
前処理液5を使用する以外は実施例1に準じた。
【0032】
比較例3
以下の処方と方法からなる前処理液6を作成した。
〔前処理液6〕
ファインガムHE(CMC;半合成糊剤、第一工業製薬社製) 3%
リンゴ酸(50%水溶液) 0.5%
リアクタントMS(還元防止剤、ユニ化成社製) 1%
プリベントールA−3(抗菌剤、バイエル社製) 0.05%
(有効成分;N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド)
水 残
合計 100%
BOD値/COD値 = 0.03
PVI値 = 0.70
前処理液6を使用する以外は実施例1に準じた。
【0033】
表1から明白なように、本発明のインクジェット捺染用前処理液は保存安定性に優れ、また本発明のインクジェット捺染用布帛は、環境に優しいという大きなメリットを有する。
これに対し、本発明の処方によらない比較例2〜3は、保存安定性は優れるが、環境汚染の問題があり、分解されにくいため、インク受容体の廃液処理を行うのに時間やコストを用し、有効ではない。
【0034】
【表1】
Figure 0003971218
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明によるインクジェット捺染用前処理液は保存安定性に優れ、作業者の負担を軽減できる。また、本発明によるインクジェット捺染用布帛及びインクジェット捺染方法は、役目を終えたインク受容体が分解可能な状態で廃棄できるため、環境汚染を防止でき地球に優しいという大きな利点を有する。また、本発明によって製造されたインクジェット捺染物は、従来の画質を損なわない鮮明で風合いに優れたものである。

Claims (7)

  1. 天然糊剤及び50〜200℃で分解する抗菌剤を含有する前処理液を布帛に付与してインク受容層を形成する工程、抗菌剤を含有するインク受容層をもつ布帛をインクジェットプリントする工程、インクジェットプリントした布帛を熱処理してインク受容層に含まれる抗菌剤を分解する工程、及び前処理液で形成されたインク受容層を洗い流す工程からなることを特徴とするインクジェット捺染方法。
  2. 前処理液のBOD/COD値が0.3〜3の範囲であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 半合成糊剤をも含有することを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 天然糊剤に対する半合成糊剤の重量%が5〜40%であることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 半合成糊剤がカルボキシメチル化された水溶性多糖類であることを特徴とする請求項3又は4記載の方法。
  6. 前処理液のPVI値が0.3〜1.0であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. インク受容層を洗い流した後の廃液を活性汚泥処理に供する請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
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