JP3971145B2 - 手動入力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォースフィードバック機能付きの手動入力装置に係り、特に、ノブに与えられる操作感触の改善手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、入力手段としてのノブの操作フィーリングを良好にしてノブの操作を確実なものにするため、ノブにその操作量や操作方向等の操作状態に応じた抵抗感や推力を付与するフォースフィードバック機能付きの手動入力装置が知られている。
【0003】
図6に、従来より知られているこの種の手動入力装置の一例を示す。本例の手動入力装置は、ロータリノブ101と、当該ロータリノブ1の回転量及び回転方向を検知するロータリエンコーダ102と、ロータリノブ101に外力を負荷するアクチュエータ103と、ロータリエンコーダ102から出力される検知信号aを取り込んでアクチュエータ103の制御信号cを出力する制御手段104と、制御手段104から出力された制御信号cをD/A変換するD/A変換器105と、D/A変換器105によりアナログ信号に変換された制御信号dを増幅してアクチュエータ103の駆動電力eを得る電力増幅器106とから構成されている。制御手段104は、CPU104aと記憶部104bとから構成されており、記憶部104bには、検知信号aの1パルスごとに対応する制御信号cが波形テーブルの形で記憶されている。CPU104aは、ロータリエンコーダ102からの検知信号aを取り込み、取り込まれた検知信号aに応じた制御信号cを記憶部104bから読み出して、D/A変換器105に出力する。
【0004】
これにより、アクチュエータ103が駆動され、ロータリノブ101にその操作量及び操作方向に応じた外力をフィードバックを作用することができるので、本例の手動入力装置は、ロータリノブ101の操作感触が良好で、ロータリノブ101の操作を確実なものにすることができる。
【0005】
この種の手動入力装置は、自動車におけるバイワイヤ方式のギアシフト装置や、車載された各種の電気機器、例えば、エアコン、ラジオ、テレビ、CDプレーヤ、ナビゲーションシステム等の機能調整装置として適用される。
【0006】
ギアシフト装置として適用する場合、手動入力装置に備えられたフォースフィードバック機能は、シフトレバーのレンジ切替にクリック感を与えたり、例えばP(パーキング)レンジからR(リバース)レンジ、D(ドライブ)レンジから2nd(セカンド)レンジなど、特定レンジから他の特定レンジへのシフトレバーの不正な操作を禁止するロック手段などとして利用される。また、車載電気機器の機能調整装置として利用する場合、手動入力装置に備えられたフォースフィードバック機能は、ロータリノブ101に適度な抵抗感を付与して機能の微調整を容易にしたり、ロータリノブ101に適度な推力を付与してロータリノブ101の操作を軽快にするのに利用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、前記した従来の手動入力装置は、記憶部104bにロータリエンコーダ102より出力される検知信号aの1パルスごとに対応する制御信号cを記憶しておき、ロータリノブ101が操作されたときに、記憶部104bより検知信号aに応じた制御信号cを読み出してアクチュエータ103を駆動し、ロータリノブ101に所要の操作感触を与えるという構成であるので、ロータリノブ101の操作速度によってロータリノブ101に与えられる操作感触が変化するという問題がある。例えば、ロータリノブ101に所定の回転角度ごとにクリック感触を与えるための制御信号cが波形テーブルの形で記憶部104bに記憶されている場合において、ロータリノブ101を低速で操作した場合には、アクチュエータ103の動作速度もゆっくりとしたものになるために、切れの良いクリック感触をロータリノブ101に与えることができなくなり、反対にロータリノブ101を高速に操作した場合には、アクチュエータ103の動作速度も高速になるために、衝撃的な力がロータリノブ101に作用し、ロータリノブ101の操作感が悪くなる。さらに、ロータリノブ101を高速に操作した場合には、クリック感触の発生間隔が短くなるために、記憶部104bに記憶された制御信号cによって付与されるクリック感触とは異なるクリック感触がロータリノブ101に付与されることになる。
【0008】
また、記憶部104bにロータリエンコーダ102より出力される検知信号aの1パルスごとに対応する制御信号cを記憶する構成であることから、高精度のアクチュエータ103の駆動制御を実現するためには、高分解能のロータリエンコーダ102及び演算能力の高いCPU104aが必要になるので、手動入力装置が高価になるという問題もある。
【0009】
なお、ロータリノブ101とロータリエンコーダ102との間に歯車機構や巻き掛け機構等の増速機構を備えれば、低分解能のロータリエンコーダ102を用いて高精度のフォースフィードバック制御を実現することができるが、構造が複雑化して装置が重量化、大型化、高コスト化すると共に、信頼性や耐久性も低下しやすいので、車載用の手動入力装置としては適用することができない。
【0010】
前記においては、ロータリノブ101を備えた手動入力装置を例にとって説明したが、ロータリノブ101に代えて、2次元方向に揺動可能なジョイスティック形のノブを備えた手動入力装置や、一定の面内で旋回するレバー形のノブを備えた手動入力装置も従来より知られており、これらの各手動入力装置についても同様の問題がある。
【0011】
本発明は、かかる従来技術の不備を解消するためになされたものであって、その課題とするところは、小型、軽量かつ安価にして、ノブの操作性に優れた手動入力装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するため、第1に、ノブと、当該ノブに外力を負荷するアクチュエータと、前記ノブの操作状態を検知する検知手段と、当該検知手段の出力信号に基づいて前記アクチュエータの駆動を制御する制御手段とを有し、前記制御手段には、前記検知手段の出力信号より前記ノブの操作速度を算出する演算部と前記検知手段の出力信号に応じた前記アクチュエータの駆動波形が記憶された記憶部とが備えられ、前記制御手段は、前記演算部にて算出されたノブの操作速度に応じて前記記憶部より読み出された前記アクチュエータの駆動波形を補正し、補正された駆動波形に基づいて前記アクチュエータを駆動するという構成にした。
【0013】
かように、演算部にて算出されたノブの操作速度に応じて記憶部より読み出されたアクチュエータの駆動波形を補正し、補正された駆動波形に基づいてアクチュエータを駆動すると、ノブの操作速度に関わりなく常に一定の操作感触をノブに与えることができるので、手動入力装置の操作性を良好なものにすることができる。例えば、ノブに所定の操作角度ごとにクリック感触を与えるための制御信号が波形テーブルの形で記憶部に記憶されている場合において、ノブが低速で操作された場合には、その操作速度に応じて、記憶部より読み出されたアクチュエータの駆動波形をよりシャープな波形に補正し、この補正された駆動波形に基づいてアクチュエータを駆動することによって、切れの良いクリック感触を維持することができる。反対に、ノブが高速に操作された場合には、その操作速度に応じて、記憶部より読み出されたアクチュエータの駆動波形をより緩やかな波形に補正し、この補正された駆動波形に基づいてアクチュエータを駆動することによって、ノブに衝撃的な力が作用するのを防止することができる。さらに、ノブが高速に操作された場合においては、記憶部より読み出されたアクチュエータの駆動波形の一部を省略する補正を行い、この補正された駆動波形に基づいてアクチュエータを駆動することによって、記憶部に記憶された制御信号によって付与されるクリック感触と同一のクリック感触を維持することができる。
【0014】
また、演算部にて算出されたノブの操作速度に応じて記憶部より読み出されたアクチュエータの駆動波形を補正するので、必ずしも高分解能の検出手段及び演算能力の高い演算部或いは増速機構を必要とせず、手動入力装置の小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0015】
本発明は、前記の課題を解決するため、第2に、ノブと、当該ノブに外力を負荷するアクチュエータと、前記ノブの操作状態を検知する検知手段と、前記ノブの操作状態を視覚的に表示するモニタと、前記ノブの操作状態を聴覚的に表示するスピーカと、前記検知手段の出力信号に基づいて前記アクチュエータ、モニタ及びスピーカの駆動を制御する制御手段とを有し、前記制御手段には、前記検知手段の出力信号より前記ノブの操作速度を算出する演算部と前記検知手段の出力信号に応じた前記アクチュエータの駆動波形が記憶された記憶部とが備えられ、前記制御手段は、前記演算部にて算出されたノブの操作速度に応じて前記記憶部より読み出された前記アクチュエータの駆動波形を補正し、補正された駆動波形に基づいて前記アクチュエータ及びスピーカを駆動すると共に、前記モニタには、前記検知手段の出力信号に応じて前記記憶部より読み出された前記アクチュエータの駆動波形を表示するという構成にした。
【0016】
かように、演算部にて算出されたノブの操作速度に応じて記憶部より読み出されたアクチュエータの駆動波形を補正し、補正された駆動波形に基づいてアクチュエータを駆動すると、前記第1の課題解決手段による場合と同様に、ノブの操作速度に関わりなく常に一定の操作感触をノブに与えることができるので、手動入力装置の操作性を良好なものにすることができる。また、補正された駆動波形に基づいてスピーカを駆動すると、ユーザはノブに加えられたアクチュエータの駆動力及びスピーカから発せられる音声の双方によってノブの操作状態を知ることができるので、例えば本発明に係る手動入力装置を車載電気機器の機能調整手段として用いた場合において、悪路走行中などの過酷な条件下でも手動入力装置のフィードバック機能を十分に発揮することができ、各種の電気機器に対する各種の操作を迅速かつ正確に行うことができる。さらに、モニタに記憶部より読み出された検知手段の出力信号に応じたアクチュエータの駆動波形を補正せずに表示すると、ユーザにノブの操作速度が不適切であることを知らしめることができるので、その後のノブの操作を適正化することができる。
【0017】
本発明は、前記の課題を解決するため、第3に、前記記憶部に複数の前記駆動波形を記憶し、前記制御手段に付設されたスイッチにより当該記憶部より読み出される前記駆動波形を切り換えるという構成にした。
【0018】
かように、記憶部に複数の駆動波形を記憶し、制御手段に付設されたスイッチにより当該記憶部より読み出される駆動波形を切り換えられるようにすると、例えば本発明に係る手動入力装置を車載電気機器の機能調整手段として用いた場合において、車載電気機器の種類又は調整しようとする機能の種別ごとにアクチュエータよりノブに与えられる操作感触を変更することができるので、各車載電気機器の機能調整を迅速かつ正確に行うことができる。
【0019】
本発明は、前記の課題を解決するため、第4に、前記演算部による前記ノブの操作速度の算出を、前記ノブの操作開始時点から予め定められた所定の時間内でのみ行い、当該時間の経過後、前記ノブの操作停止時点まで、前記時間内において算出されたノブの操作速度に応じて前記記憶部より読み出された前記アクチュエータの駆動波形を補正するという構成にした。
【0020】
かように、演算部によるノブの操作速度の算出をノブの操作開始時点から予め定められた所定の時間内でのみ行い、当該時間の経過後、ノブの操作停止時点まで、前記時間内において算出されたノブの操作速度に応じて記憶部より読み出されたアクチュエータの駆動波形を補正すると、ノブの操作速度の算出に要する演算部の負担を小さなものにすることができるので、必ずしも演算能力の高い制御手段を必要とせず、手動入力装置の小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0021】
本発明は、前記の課題を解決するため、第5に、前記演算部による前記ノブの操作速度の算出を、前記ノブの操作開始時点から前記ノブの操作停止時点までの間に間歇的に1回乃至複数回行い、前記演算部による前記ノブの操作速度の算出が行われるごとに、次回の前記ノブの操作速度の算出が行われるまでの間、前回算出されたノブの操作速度に応じて前記記憶部より読み出された前記アクチュエータの駆動波形を補正するという構成にした。
【0022】
かように、演算部によるノブの操作速度の算出をノブの操作開始時点からノブの操作停止時点までの間に間歇的に1回乃至複数回行い、演算部によるノブの操作速度の算出が行われるごとに、次回のノブの操作速度の算出が行われるまでの間、前回算出されたノブの操作速度に応じて記憶部より読み出されたアクチュエータの駆動波形を補正すると、ノブの操作中にアクチュエータの駆動波形を繰り返し補正するので、ノブの操作中にノブの操作速度が変動した場合にも、一定の操作感触をノブに与えることができ、ノブの操作感触を良好なものにすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る手動入力装置の一例を、車載電気機器の機能調整手段として適用した場合を例にとって説明する。
【0024】
図1に示すように、本例の手動入力装置は、筐体1と、当該筐体1の内部に設置されたアクチュエータ2と、前記筐体1より外部に突出された前記アクチュエータ2の駆動軸2aの一端に固着されたノブ3と、前記アクチュエータ2の駆動軸2aの他端に固着されたコードホイール4a及び前記筐体1に設置されたフォトインタラプタ4bとからなる検知手段4と、スイッチ5と、スピーカ6と、モニタ7と、前記アクチュエータ2、スイッチ5、スピーカ6及びモニタ7を含むシステム全体を制御する制御手段8とから主に構成されている。
【0025】
筐体1は、自動車のダッシュボード或いはコンソールボックス等を構成するパネル9の内部に設置され、ノブ3は、当該パネル9の外部に配置される。
【0026】
アクチュエータ2としては、ノブ3に所要の外力を負荷可能なものであれば、回転モータ、リニアモータ又はソレノイドなど、公知に属する任意のアクチュエータを用いることができる。なお、図1には、回転モータを用いた場合が例示されている。
【0027】
ノブ3は、車載電気機器の調整つまみとして使用されるものであって、プラスチックの成形品をもって所要の形状に形成される。
【0028】
検知手段4としては、ノブ3の操作方向及び操作量を検知可能なものであれば、エンコーダ又は可変抵抗器など、公知に属する任意の位置信号検出器を用いることができる。なお、図1には、アクチュエータ2の駆動軸2aに固着されたコードホイール4aと筐体1に設置されたフォトインタラプタ4bとからなる光学式のロータリエンコーダが例示されている。
【0029】
スイッチ5は、ノブ3を操作することによって調整しようとする車載電気機器の機能を選択するためのものであって、本例の手動入力装置においては、ラジオ局の選局を行うための押釦スイッチ5aと、CDに収録された所望の楽曲の選曲を行うための押釦スイッチ5bと、ボリュームの調整を行うための押釦スイッチ5cとが備えられている。
【0030】
スピーカ6としては、フォースフィードバックを音で表現するために、フォースフィードバック専用のスピーカを車載オーディオ機器に備えられたスピーカとは別に備えることもできるし、車載オーディオ機器に備えられたスピーカをフォースフィードバック用のスピーカとして兼用することもできる。フォースフィードバック専用のスピーカを備えた場合には、何ら車載オーディオ機器の配線等を変更する必要がないので、自動車への手動入力装置の適用を容易に行うことができる。一方、車載オーディオ機器に備えられたスピーカをフォースフィードバック用のスピーカとして兼用した場合には、フォースフィードバック専用のスピーカを別途備える必要がないので、手動入力装置の構成を集約化することができ、手動入力装置の小型化、低コスト化及び省電力化を図ることができる。
【0031】
モニタ7としては、例えば液晶表示装置やCRT表示装置などの映像を表示可能な表示装置が用いられる。
【0032】
制御手段8は、検知手段4の出力信号a及びスイッチ5の出力信号bを取り込む入力部81と、検知手段4の出力信号aに応じた複数種のアクチュエータ2の駆動波形c1,c2,c3が記憶された記憶部82と、検知手段4の出力信号aよりノブ3の操作速度を算出し、算出されたノブの操作速度に応じて記憶部82より読み出されたアクチュエータの駆動波形c1,c2,c3を補正する演算部83と、当該演算部83より出力された制御信号d1,d2,d3を入力し、アクチュエータ2の駆動信号e1を生成する第1ドライバ回路84と、スピーカ6の駆動信号e2を生成する第2ドライバ回路85と、モニタ7の駆動信号e3を生成する第3ドライバ回路86と、出力部87とから主に構成されている。なお、前記アクチュエータ2の駆動波形c1,c2,c3は、検知信号aの1パルスごとに対応するアクチュエータ2の制御信号の形で記憶されている。また、前記第1乃至第3のドライバ回路84,85,86は、演算部83より出力された制御信号d1〜d3をD/A変換するD/A変換器と、D/A変換された信号を増幅する信号増幅器とから構成される。
【0033】
図2に、記憶部82に記憶される各アクチュエータ2の駆動波形c1,c2,c3と、各アクチュエータ2の駆動波形c1,c2,c3に対応するノブ3の機能とを示す。
【0034】
図2(a)は、押釦スイッチ5aが操作されて「ラジオ局の選局」が選択された場合に記憶部82より読み出されるアクチュエータの駆動波形c1を示す図であって、ノブ3を45度回転するごとにノブ3に1回のクリック感触を与える波形になっている。したがって、図2(b)に示すように、ノブ3の回転位置に各放送局を割り振っておくことにより、ノブ3を回転したときにクリック感触と共に所望のラジオ局を選局することができる。
【0035】
図2(c)は、押釦スイッチ5bが操作されて「CDの選曲」が選択された場合に記憶部82より読み出されるアクチュエータの駆動波形c2を示す図であって、ノブ3を22.5度回転するごとにノブ3に2回のクリック感触を与える波形になっている。したがって、図2(d)に示すように、ノブ3の回転位置にCDに収録された楽曲の収録位置を割り振っておくことにより、ノブ3を回転したときにクリック感触と共に所望の楽曲を選曲することができる。
【0036】
図2(e)は、押釦スイッチ5cが操作されて「ボリュームの調整」が選択された場合に記憶部82より読み出されるアクチュエータの駆動波形c3を示す図であって、ノブ3の回転に伴ってノブ3に一定強度の振動を与える波形になっている。したがって、図2(f)に示すように、ノブ3の回転位置に音量を割り振っておくことにより、ノブ3を回転したときにノブ3に好ましい抵抗感を付与することができる。
【0037】
図3及び図4に、演算部83で行われるアクチュエータの駆動波形c1の補正方法を示す。
【0038】
前記したように、記憶部82には、アクチュエータ2の駆動波形c1が、検知信号aの1パルスごとに対応するアクチュエータ2の制御信号の形で記憶されているので、ノブ3の回転速度によって記憶部82より読み出されたアクチュエータの駆動波形c1が変化する。即ち、ノブ3の回転速度が遅い場合には、図3(a)に破線で示すように、アクチュエータ2の駆動波形c1が実線で表示する標準的なアクチュエータ2の駆動波形c1に比べて延びた形になり、ノブ3に切れの良いクリック感触を負荷することが困難になる。反対に、ノブ3の回転速度が速すぎる場合には、図3(b)に1点鎖線で示すように、アクチュエータ2の駆動波形c1が実線で表示する標準的なアクチュエータ2の駆動波形c1に比べてシャープな形になり、ノブ3に衝撃的な力が作用して、ノブ3の操作感が悪くなる。加えて、ノブ3の回転速度が極端に速くなった場合には、図3(c)に2点鎖線で示すように、複数の波形が接近し、「ボリューム」が選択された場合に記憶部82より読み出されるアクチュエータの駆動波形c3と区別が付きにくくなる。
【0039】
そこで、演算部83は、検知手段4の出力信号aよりノブ3の回転速度を算出し、算出されたノブ3の回転速度に応じて前記記憶部82から読み出された駆動波形c1を図3(a),(b),(c)に示した標準的な波形に補正する。これによって、ノブ3の回転速度に関わりなく、常時所定のクリック感触をノブ3に付与することができる。
【0040】
ノブ3の回転速度の算出は、基準時間内に入力部81に入力された出力信号aのパルス数をカウントすることによって行うことができる。また、このノブ3の回転速度の算出は、図4(a)に示すように、ノブ3の操作開始時点から予め定められた所定の時間t内でのみ行い、当該時間tの経過後ノブ3の操作停止時点まで、時間t内において算出されたノブ3の操作速度に応じて以後の各駆動波形c1の補正をすることもできるし、図4(b)に示すように、ノブ3の操作開始時点から操作停止時点までの間にノブ3の回転速度の算出を間歇的に1回乃至複数回行い、ノブ3の操作速度の算出が行われるごとに、次回のノブ3の操作速度の算出が行われるまでの間、前回算出されたノブ3の操作速度に応じて駆動波形c1の補正を行うこともできる。
【0041】
ノブ3の回転速度の算出を所定の時間t内でのみ行うと、ノブ3の操作速度の算出に要する演算部83の負担を小さなものにすることができるので、必ずしも演算能力の高い制御手段を必要とせず、手動入力装置の小型化及び低コスト化を図ることができる。これに対して、演算部83によるノブ3の操作速度の算出をノブの操作開始時点からノブの操作停止時点までの間に間歇的に1回乃至複数回行うと、駆動波形c1の補正を実際のノブ3の操作速度の変動に応じてより正確に行うことができるので、ノブ3の操作感触を良好なものにすることができる。
【0042】
なお、前記においては、駆動波形c1の補正方法についてのみ説明したが、駆動波形c2,c3についても同様の方法で補正することができる。
【0043】
次に、本実施形態例に係る手動入力装置の動作を、「ラジオ局の選局」を例にとり、図5に基づいて説明する。
【0044】
図示しない電源スイッチをオン操作すると、制御手段8に電源が供給されて演算部83がリセットされ、システムがスタートする。
【0045】
システムスタート後、演算部83は、押釦スイッチ5a,5b,5cが操作されているか否かを判定する(手順S1〜手順S3)。システムスタート時に押釦スイッチ5aが操作されている場合、或いはシステムスタート後にユーザによって押釦スイッチ5aが操作された場合には、当該押釦スイッチ5aより出力された信号bが制御手段8の入力部81に取り込まれて演算部83がラジオ局の選局モードに切り換えられ(手順S4)、制御手段8が検知手段4からの信号待ち状態になる(手順S5)。
【0046】
ユーザがノブ3を回転操作すると、駆動軸2aの回転に連動して検知手段4のコードホイール4aが回転し、検知手段4からノブ3の回転方向及び回転量に対応する出力信号aが出力される。演算部83は、入力部81を介してこの出力信号aを取り込み、ノブ3の回転方向及び回転量に対応するアクチュエータ2の駆動波形c1を記憶部82より読み出す(手順S6)。
【0047】
次いで、演算部83は、取り込まれた検知手段4の出力信号aからノブ3の回転速度を算出した後(手順S7)、当該算出されたノブ3の回転速度に基づいて記憶部82より読み出された駆動波形c1を補正し(手順S8)、第1及び第2のドライバ回路84,85に補正された駆動波形c1に対応する制御信号d1,d2を出力すると共に、第3のドライバ回路86に補正されていない駆動波形c1に対応する制御信号d3を出力する(手順S9)。第1乃至第3のドライバ回路84,85,86は、演算部83より出力された制御信号d1,d2,d3をそれぞれアクチュエータ2の駆動信号e1、スピーカ6の駆動信号e2及びモニタ7の駆動信号e3に変換して出力し、アクチュエータ2、スピーカ6及びモニタ7を駆動する(手順S10)。
【0048】
ユーザは、アクチュエータ2によって与えられる操作感触、スピーカ6より発せられる操作音及び放送音、並びにモニタ7に表示される映像を手がかりに所望のラジオ局を選局(手順S11)し、所望のラジオ局が選択された段階で、ノブ3の操作を中止する。
【0049】
手順S2で押し釦スイッチ5bが操作されたと判定された場合には、前記と同様の手順でCDの選曲が行われ、手順S3で押し釦スイッチ5cが操作されたと判定された場合には、前記と同様の手順でボリュームの調整が行われる。
【0050】
このように、演算部83にて算出されたノブ3の操作速度に応じてアクチュエータ2の駆動波形を補正し、補正された駆動波形に基づいてアクチュエータ2とスピーカ6とを駆動すると、ユーザはノブ3に加えられたアクチュエータ2の駆動力及びスピーカ6から発せられる音声の双方によってノブ3の操作状態を知ることができるので、例えば本発明に係る手動入力装置を車載電気機器の機能調整手段として用いた場合において、悪路走行中などの過酷な条件下でも手動入力装置のフィードバック機能を十分に発揮することができ、各種の電気機器に対する各種の操作を迅速かつ正確に行うことができる。また、モニタ7に記憶部82より読み出された検知手段4の出力信号aに応じたアクチュエータ2の駆動波形を補正せずに表示すると、ユーザ3にノブの操作速度が不適切であることを知らしめることができるので、その後のノブ3の操作を適正化することができる。
【0051】
本実施形態例に係る手動入力装置は、記憶部82に複数の駆動波形c1,c2,c3を記憶し、制御手段8に付設されたスイッチ5により当該記憶部82より読み出される駆動波形c1,c2,c3を切り換えられるようにしたので、1つの手動入力装置を用いて各種の電気装置の各種の機能調整を行うことができ、本発明に係る手動入力装置を車載電気機器の機能調整手段として用いた場合において、各車載電気機器の機能調整を迅速かつ正確に行うことができる。
【0052】
なお、前記実施形態例においては、ノブ3として回転ノブを用いた場合のみを例にとって説明したが、本発明の要旨はこれに限定されるものではなく、ノブ3として揺動ノブやスライドノブを用いた場合にも適用することができる。ノブ3として揺動ノブやスライドノブを用いた場合においては、前記実施形態例における「回転位置」を、「揺動位置」又は「スライド位置」に置き換えて適用する。
【0053】
【発明の効果】
本発明の手動入力装置は、演算部にて算出されたノブの操作速度に応じて記憶部より読み出されたアクチュエータの駆動波形を補正し、補正された駆動波形に基づいてアクチュエータを駆動するので、ノブの操作速度に関わりなく常に一定の操作感触をノブに与えることができ、手動入力装置の操作性を良好なものにすることができる。また、演算部にて算出されたノブの操作速度に応じて記憶部より読み出されたアクチュエータの駆動波形を補正するので、必ずしも高分解能の検出手段及び演算能力の高い演算部或いは増速機構を必要とせず、手動入力装置の小型化及び低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例に係る手動入力装置のシステム構成図である。
【図2】実施形態例に係る手動入力装置の記憶部に記憶される各種の駆動波形とノブの機能とを例示する説明図である。
【図3】実施形態例に係る手動入力装置に備えられた演算部にて行われる駆動波形の補正方法を示す説明図である。
【図4】実施形態例に係る手動入力装置に備えられた演算部にて行われるノブの回転速度の算出タイミングを示す説明図である。
【図5】実施形態例に係る手動入力装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】従来例に係る手動入力装置の構成図である。
【符号の説明】
2 アクチュエータ
3 ノブ
4 検知手段
5 スイッチ
6 スピーカ
7 モニタ
8 制御手段
81 入力部
82 記憶部
83 演算部
84,85,86 ドライバ回路
87 出力部
a 検知手段4の出力信号
b スイッチ5の出力信号
c1,c2,c3 アクチュエータ2の駆動波形
d1,d2,d3 制御信号
e1,e2,e3 駆動信号

Claims (5)

  1. ノブと、当該ノブに外力を負荷するアクチュエータと、前記ノブの操作状態を検知する検知手段と、当該検知手段の出力信号に基づいて前記アクチュエータの駆動を制御する制御手段とを有し、前記制御手段には、前記検知手段の出力信号より前記ノブの操作速度を算出する演算部と前記検知手段の出力信号に応じた前記アクチュエータの駆動波形が記憶された記憶部とが備えられ、前記制御手段は、前記演算部にて算出されたノブの操作速度に応じて前記記憶部より読み出された前記アクチュエータの駆動波形を補正し、補正された駆動波形に基づいて前記アクチュエータを駆動することを特徴とする手動入力装置。
  2. ノブと、当該ノブに外力を負荷するアクチュエータと、前記ノブの操作状態を検知する検知手段と、前記ノブの操作状態を視覚的に表示するモニタと、前記ノブの操作状態を聴覚的に表示するスピーカと、前記検知手段の出力信号に基づいて前記アクチュエータ、モニタ及びスピーカの駆動を制御する制御手段とを有し、前記制御手段には、前記検知手段の出力信号より前記ノブの操作速度を算出する演算部と前記検知手段の出力信号に応じた前記アクチュエータの駆動波形が記憶された記憶部とが備えられ、前記制御手段は、前記演算部にて算出されたノブの操作速度に応じて前記記憶部より読み出された前記アクチュエータの駆動波形を補正し、補正された駆動波形に基づいて前記アクチュエータ及びスピーカを駆動すると共に、前記モニタには、前記検知手段の出力信号に応じて前記記憶部より読み出された前記アクチュエータの駆動波形を表示することを特徴とする手動入力装置。
  3. 前記記憶部に複数の前記駆動波形を記憶し、前記制御手段に付設されたスイッチにより当該記憶部より読み出される前記駆動波形を切り換えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の手動入力装置。
  4. 前記演算部による前記ノブの操作速度の算出を、前記ノブの操作開始時点から予め定められた所定の時間内でのみ行い、当該時間の経過後、前記ノブの操作停止時点まで、前記時間内において算出されたノブの操作速度に応じて前記記憶部より読み出された前記アクチュエータの駆動波形を補正することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の手動入力装置。
  5. 前記演算部による前記ノブの操作速度の算出を、前記ノブの操作開始時点から前記ノブの操作停止時点までの間に間歇的に1回乃至複数回行い、前記演算部による前記ノブの操作速度の算出が行われるごとに、次回の前記ノブの操作速度の算出が行われるまでの間、前回算出されたノブの操作速度に応じて前記記憶部より読み出された前記アクチュエータの駆動波形を補正することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の手動入力装置。
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