JP4091296B2 - ハプティックコントローラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイワイヤ方式の各種装置に適用されるハプティックコントローラに係り、特に、操作性及び信頼性の改善手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、操作部の操作フィーリングを良好にして操作部の操作を確実なものにするため、操作部にその操作量や操作方向等の操作状態に応じたクリック感触や抵抗感又は推力等を付与するフォースフィードバック機能付きのハプティックコントローラが知られている。
【0003】
図9に、従来より知られているこの種のハプティックコントローラの一例を示す。本例のハプティックコントローラは、操作部であるロータリノブ101と、当該ロータリノブ101の回転量及び回転方向を検知する位置センサであるロータリエンコーダ102と、ロータリノブ101に外力を負荷するアクチュエータ103と、ロータリエンコーダ102より出力される位置信号aを取り込んでアクチュエータ103の制御信号cを出力する制御部104と、制御部104より出力された制御信号cをD/A変換するD/A変換器105と、D/A変換器105によりアナログ信号に変換された制御信号dを増幅してアクチュエータ103の駆動信号eを得る信号増幅器106とから構成されている。制御部104は、CPU104aと記憶部104bとから構成されており、記憶部104bには、位置信号a対応する制御信号cが記憶されている。CPU104aは、ロータリエンコーダ102からの位置信号aを取り込み、取り込まれた位置信号aに応じた制御信号cを記憶部104bから読み出して、D/A変換器105に出力する。
【0004】
このように構成された従来のハプティックコントローラは、位置センサであるロータリエンコーダ102より出力される位置信号aに基づいてアクチュエータ103の駆動を制御するので、ロータリノブ101にその操作量及び操作方向に応じた抵抗力や推力を付与することができ、ロータリノブ101の操作に所要の操作フィーリングを付与することができる。
【0005】
この種の手動入力装置は、自動車におけるバイワイヤ方式のハンドル装置や、車載された各種の電気機器、例えばエアコン、ラジオ、テレビ、CDプレーヤ、ナビゲーションシステム等の機能調整装置として適用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記アクチュエータ103によってロータリノブ101に付与される抵抗力や推力は、位置信号aに応じて設定され付与されるものであるので、位置信号aによっては、抵抗力や推力がロータリノブ101に付与され続けるというものであった。
【0007】
このようなロータリノブ101の操作量及び操作方向に応じた抵抗力や推力をロータリノブ101に付与し続けるハプティックコントローラにおいては、ロータリノブ101に手が添えらえていることを想定した大きさの力を付与しているため、ロータリノブ101を回転操作中に操作者がロータリノブ101から急に手を離した場合に、ロータリノブ101に過大な力を付与してしまう結果となり、ロータリノブ101が手を離した位置に停止されず、アクチュエータ103より付与される外力によってその外力の方向に移動してしまうという問題があった。
【0008】
また、例えばセンター復帰形のハプティックコントローラのように、手を離した後に予め定められた所定の位置にロータリノブ101を自動的に停止させるハプティックコントローラにおいても、前記第1の問題と同様に付与する力が大きすぎること、及び、制御部104の動作に遅れがあるために、所要の停止位置にロータリノブ101を速やかに停止させることが難しく、ロータリノブ101がセンター位置等の所要の停止位置を中心として長時間振動してしまうという問題があった。
【0009】
前記第1の問題は、ロータリノブ101にタッチセンサを付設し、ロータリノブ101から手が離れたときにこれをタッチセンサで検知して、アクチュエータ103の駆動を停止するようにすれば解消することができる。しかしながら、タッチセンサを備えると、ハプティックコントローラの構成が複雑化して、ハプティックコントローラが高コスト化するばかりでなく、例えばロータリノブ101をラジオの選局つまみとして利用する場合のように、ロータリノブ101を特定の回転方向位置に停止させる必要がある場合においても、前記特定の回転方向位置に関係なく、ロータリノブ101から手を離すと、その位置でロータリノブ101を停止してしまうため、電気機器等の正確な機能調整を行うことができないという問題を生じる。
【0010】
なお、前記においては、操作部としてロータリノブ101を備えたハプティックコントローラを例にとって説明したが、操作部として揺動レバーやスライダ等を備えたハプティックコントローラについても、同様の不都合を発生する。
【0011】
本発明は、かかる従来技術の不備を解消するためになされたものであって、その課題とするところは、所要の目標位置に操作部を正確かつ迅速に停止することができ、操作性及び信頼性に優れたハプティックコントローラを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するため、第1に、操作部と、当該操作部の位置を検出する位置センサと、前記操作部に外力を与えるアクチュエータと、前記位置センサより出力される位置信号に基づいて前記アクチュエータの駆動を制御する制御部とを有し、前記操作部を予め定められたセンター位置に自動的に復帰させるようにしたハプティックコントローラにおいて、前記制御部は、前記操作部の位置に対応する前記アクチュエータの基本出力値を求めると共に、前記操作部の移動速度に対応し、前記基本出力値とは逆の符号を有する前記基本出力値の補正値を求め、これら基本出力値と補正値の加算値である制御信号を出力して前記操作部の移動方向とは逆向きでその移動速度に対応した大きさの外力が前記操作部に付与されるよう前記アクチュエータの駆動を制御するという構成にした。
【0013】
このように、位置センサより出力される位置信号に対応する基本出力値のみに基づいてアクチュエータの駆動を制御するのではなく、操作部の速度に対応しかつ基本出力値とは逆の符号を有する補正値を加味してアクチュエータの駆動を制御すると、制御部の動作遅れにより操作者が手を離した後にアクチュエータからの外力を受けて操作部が移動を開始した場合にも、その移動方向とは逆向きでその移動速度に対応した大きさの外力がアクチュエータより操作部に付与されるので、不正な操作部の移動が防止され、操作部が手を離した位置に安定に保持される。したがって、タッチセンサ等の手段を追加することなく操作部を所要の位置に保持することができ、例えば操作部をラジオの選局つまみとして利用する場合のように、操作部を操作方向の特定の位置に停止させる必要がある場合に対応することができる。同様に、例えばセンター復帰形のハプティックコントローラのように、手を離した後に予め定められた所定の位置に操作部を自動的に停止させるハプティックコントローラにおいても、操作部が所定の位置まで移動されるときに、当該操作部の移動方向とは逆向きで当該操作部の移動速度に対応した大きさの外力が常にアクチュエータより操作部に付与されるので、操作部への余分な力の出力が抑制される結果、振動等の好ましくない動きが防止され、操作部を速やかに所要の停止位置に停止させることができる。
【0014】
本発明は、前記の課題を解決するため、第2に、前記制御部は、前記基本出力値の絶対値と前記補正値の絶対値とを比較し、前記補正値が前記基本出力値の絶対値よりも大きいと判断された場合に、前記補正値を前記基本出力値とは符号が逆で絶対値が同一の値に設定して、前記基本出力値と前記補正値との加算を行うという構成にした。
【0015】
このように、基本出力値の絶対値と補正値の絶対値とを比較し、補正値の絶対値が基本出力値の絶対値よりも大きいと判定された場合に、補正値を基本出力値とは符号が逆で絶対値が同一の値に設定して基本出力値に加算すると、補正値の絶対値は最大でも基本出力値の絶対値と等しくなるだけであるので、操作部の操作速度によって操作部に作用する外力の方向が変化せず、操作部の操作性を良好なものにすることができる。
【0016】
本発明は、前記の課題を解決するため、第3に、前記制御部は、前記操作部の移動速度に比例した前記補正値を出力するという構成にした。
【0017】
このように、補正値を操作部の速度に比例した大きさにすると、補正値の算出が容易になることに加え、操作部の操作速度が大きい場合には操作部に制動効果を付与できるので、アクチュエータの駆動制御を迅速かつ高精度に行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るハプティックコントローラの第1例を、車載電気機器の機能調整手段として適用した場合を例にとって説明する。
【0019】
図1に示すように、本例のハプティックコントローラは、筐体1と、当該筐体1の内部に設置されたアクチュエータ2と、前記筐体1より外部に突出された前記アクチュエータ2の駆動軸2aの一端に固着されたロータリノブ3と、前記アクチュエータ2の駆動軸2aの他端に固着されたコードホイール4a及び前記筐体1に設置されたフォトインタラプタ4bとからなる位置センサ4と、スイッチ5と、前記アクチュエータ2及びスイッチ5を含むシステム全体を制御する制御部6とから主に構成されている。
【0020】
筐体1は自動車のダッシュボード或いはコンソールボックス等を構成するパネル7の内部に設置され、ロータリノブ3は当該パネル7の外部に配置される。
【0021】
アクチュエータ2としては、ロータリノブ3に所要の外力を負荷可能なものであれば、回転モータ、リニアモータ又はソレノイドなど、公知に属する任意のアクチュエータを用いることができる。なお、図1には、回転モータを用いた場合が例示されている。
【0022】
ロータリノブ3は、車載電気機器の調整つまみとして使用されるものであって、プラスチックの成形品をもって所要の形状に形成される。
【0023】
位置センサ4としては、ロータリノブ3の操作方向及び操作量を検知可能なものであれば、エンコーダ又は可変抵抗器など、公知に属する任意の位置信号検出器を用いることができる。なお、図1には、アクチュエータ2の駆動軸2aに固着されたコードホイール4aと筐体1に設置されたフォトインタラプタ4bとからなる光学式のロータリエンコーダが例示されている。
【0024】
スイッチ5は、ロータリノブ3を操作することによって調整しようとする車載電気機器の機能を選択するためのものであって、本例の手動入力装置においては、「ラジオ局の選局」を選択するための押釦スイッチ5aと、「ラジオ音量の調整」を選択するための押釦スイッチ5bと、「カーナビゲーションシステムにおける地図画面のスクロール」を選択するための押釦スイッチ5cとが備えられている。
【0025】
制御部6は、位置センサ4より出力される位置信号a及びスイッチ5より出力されるスイッチ信号bを取り込む入力部61と、位置信号aの値及び変化方向(ロータリノブ3の操作量及び操作方向)に応じたアクチュエータ2の制御信号の基本出力値が記憶された基本出力値記憶部62と、位置信号aの変化速度(ロータリノブ3の操作速度)に応じたアクチュエータ2の制御信号の補正値が記憶された補正値記憶部63と、押釦スイッチ5a〜5cを操作することにより選択される各電気機器の機能に応じた目標位置が記憶された目標位置記憶部64と、前記基本出力値記憶部62より読み出される基本出力値と前記補正値記憶部63より読み出される補正値とを加算すると共に、前記目標位置記憶部64より読み出される目標位置とロータリノブ3の現在位置とを比較し、所要のアクチュエータ2の制御信号dを生成する演算処理部65と、当該演算処理部65より出力されたアクチュエータ2の制御信号dを入力し、アクチュエータ2の駆動信号eを生成するドライバ回路66と、出力部67とから主に構成されている。なお、前記ドライバ回路66は、演算処理部65より出力された制御信号dをD/A変換するD/A変換器と、D/A変換された信号を増幅する信号増幅器とから構成される。
【0026】
図2に、補正値記憶部63に記憶される補正値とロータリノブ3の操作速度との関係を示す。このグラフ図から明らかなように、本実施形態例においては、ロータリノブ3の操作速度に比例して補正値の値を増加する構成になっている。この補正値は、基本出力値とは逆の符号を有し、演算処理部65で加算されたとき、基本出力値の絶対値を減少する。
【0027】
図3に、目標位置記憶部64に記憶される各電気機器の機能と当該機能に応じた目標位置(停止位置)とを示す。
【0028】
図3(a)は、押釦スイッチ5aが操作されて「ラジオ局の選局」が選択された場合の目標位置を示す図であって、ロータリノブ3の回転方向に関して、45度ごとに8個の目標位置A〜Hが設定されており、各目標位置A〜Hに対応して8つの放送局(局1〜局8)が割り振られている。したがって、ロータリノブ3が第1の目標位置Aに合致し、局1が選択されている状態から、ロータリノブ3を時計方向に45度回転し、ロータリノブ3を第2の目標位置Bに合致させることによって、局2を選択することができる。
【0029】
図3(b)は、押釦スイッチ5bが操作されて「ラジオ音量の調整」が選択された場合の目標位置を示す図であって、ロータリノブ3の現在位置が演算によって求められるごとに、最新の現在位置を目標位置とする。
【0030】
図3(c)は、押釦スイッチ5cが操作されて「カーナビゲーションシステムにおける地図画面のスクロール」が選択された場合の目標位置を示す図であって、ロータリノブ3のセンター位置(ロータリノブ3に付された黒点マークの位置が垂直上向きになる位置)を目標位置とする。
【0031】
以下、前記のように構成された本実施形態例に係るハプティックコントローラの動作を、「ラジオ局の選局」を例にとり、図4に基づいて説明する。
【0032】
図示しない電源スイッチをオン操作すると、制御部6に電源が供給されて演算処理部65がリセットされ、システムがスタートする。
【0033】
システムスタート後、演算処理部65は、押釦スイッチ5a,5b,5cが操作されているか否かを判定する(手順S1〜手順S3)。システムスタート時に押釦スイッチ5aが操作されている場合、或いはシステムスタート後にユーザによって押釦スイッチ5aが操作された場合には、当該押釦スイッチ5aより出力された信号bが制御部6の入力部61に取り込まれて演算処理部65がラジオ局の選局モードに切り換えられる(手順S4)。
【0034】
ユーザがロータリノブ3を回転操作すると、駆動軸2aの回転に連動して位置センサ4のコードホイール4aが回転し、位置センサ4からロータリノブ3の回転方向及び回転量に対応する位置信号aが出力される。演算処理部65は、入力部61を介してこの位置信号aを取り込み(手順S5)、取り込まれた位置信号aに応じた基本出力値を基本出力値記憶部62より読み出すと共に、取り込まれた位置信号aに応じたロータリノブ3の現在位置を算出する(手順S6)。
【0035】
次いで、演算処理部65は、取り込まれた位置信号aよりロータリノブ3の回転速度を算出した後(手順S7)、当該算出されたロータリノブ3の回転速度に応じた補正値を補正値記憶部63より読み出し(手順S8)、基本出力値記憶部62より読み出された基本出力値と補正値記憶部63より読み出された補正値とを加算して(手順S9)、加算データをアクチュエータ2の制御信号dとして出力する(手順S10)。ドライバ回路66は、演算処理部65より出力された制御信号dをアクチュエータ2の駆動信号eに変換して出力し、出力部67を介してアクチュエータ2を駆動する(手順S11)。これによって、ロータリノブ3に所要の操作フィーリングが付与されると共に、ロータリノブ3が所望の目標位置に位置付けられ、所望のラジオ局の選局が行われる。
【0036】
なお、手順S2で押し釦スイッチ5bが操作されたと判定された場合には、前記と同様の手順で「ラジオ音量の調整」が行われる。また、手順S3で押し釦スイッチ5cが操作されたと判定された場合には、前記と同様の手順で「カーナビゲーションシステムにおける地図画面のスクロール」が行われる。
【0037】
このように、本実施形態例に係るハプティックコントローラは、位置センサ4より出力される位置信号aに対応する基本出力値のみに基づいてアクチュエータ2の駆動を制御するのではなく、ロータリノブ3の速度に比例しかつ基本出力値とは逆の符号を有する補正値を加味してアクチュエータ2の駆動を制御するようにしたので、制御部6の動作遅れにより操作者が手を離した後にアクチュエータ2からの外力を受けてロータリノブ3が回転を開始した場合にも、その回転方向とは逆向きでその回転速度に比例した大きさの外力がアクチュエータ2よりロータリノブ3に付与され、不正なロータリノブ3の回転が防止される。したがって、タッチセンサ等の手段を追加することなくロータリノブ3を操作後の位置に保持することができ、ハプティックコントローラの操作性及び信頼性を高めることができる。また、手を離した後に予め定められたセンター位置にロータリノブ3を自動的に復帰させる場合においても、ロータリノブ3が所定のセンター位置まで移動されたときに、当該ロータリノブ3の回転方向とは逆向きで当該ロータリノブ3の回転速度に対応した大きさの外力がアクチュエータ2よりロータリノブ3に付与されるので、ロータリノブ3の振動が防止され、ロータリノブ3を速やかに所要のセンター位置に停止させることができる。
【0038】
なお、前記実施形態例においては、図4の手順S8においてロータリノブ3の回転速度に応じた補正値を補正値記憶部63より読み出した後、直ちに手順S9で基本出力値と補正値との加算を行ったが、かかる構成に代えて、図5に示すように、手順S8においてロータリノブ3の回転速度に応じた補正値を補正値記憶部63より読み出した後、基本出力値の絶対値と補正値の絶対値との比較を行い(手順S21)、補正値の絶対値が基本出力値の絶対値よりも大きいと判定された場合には、補正値を前記基本出力値とは符号が逆で絶対値が同一の値に設定した後に(手順S22)、基本出力値と補正値との加算を行う(手順S9)という構成にすることもできる。
【0039】
このように、基本出力値の絶対値と補正値の絶対値とを比較し、補正値の絶対値が基本出力値の絶対値よりも大きいと判定された場合に、補正値を基本出力値とは符号が逆で絶対値が同一の値に設定して基本出力値に加算すると、補正値の絶対値は基本出力値の絶対値と等しくなっているので、操作部の操作速度によっては、操作部に作用する外力がなくなり、不必要な力が操作部に与えられることがないため、操作部の操作性を良好なものにすることができる。
【0040】
さらに、前記実施形態例においては、制御部6に基本出力値記憶部62と補正値記憶部63とを備え、位置信号aに応じた基本出力値を基本出力値記憶部62より読み出すと共に、位置信号aの変化速度に応じた補正値を補正値記憶部63より読み出したが、かかる構成に代えて、演算処理部65にて位置信号aに応じた基本出力値を演算すると共に、位置信号aの変化速度に応じた補正値を演算する構成にすることもできる。この場合、補正値を操作部の操作速度に比例した大きさにすると、補正値の算出が容易になるのに加えて、操作部の操作速度が大きい場合には操作部に制動効果を付与できるので、アクチュエータの駆動制御を迅速かつ高精度に行うことができる。
【0041】
次に、本発明に係るハプティックコントローラの第2例を、図6乃至図8に基づいて説明する。図6は第2実施形態例に係るハプティックコントローラの構成図、図7は第2実施形態例に係るハプティックコントローラに備えられる揺動レバーの側面図、図8は揺動レバーによる車載機器の制御例を示す要部平面図である。
【0042】
図6に示すように、本例のハプティックコントローラは、筐体1と、当該筐体1の内部に設置されたアクチュエータ2と、前記筐体1より上端が外向きに突出された揺動レバー11と、当該揺動レバー11の下端部と前記アクチュエータ2の駆動軸2aとを連結するワイヤ12と、前記アクチュエータ2の駆動軸2aに固着されたコードホイール4a及び前記筐体1に設置されたフォトインタラプタ4bとからなる位置センサ4を備えている。
【0043】
前記揺動レバー11の下端部には、図7に示すように、側面形状が半円形に形成されたローラ部13が設けられており、当該ローラ部13の円弧面13aが前記アクチュエータ2の駆動軸2aに沿って配置されている。前記ワイヤ12は、図6及び図7に示すように、前記アクチュエータ2の駆動軸2a及び前記ローラ部13の円弧面13aに巻回され、その両端部が前記ローラ部13の平坦面13bに固着されている。その他については、第1実施形態例に係るハプティックコントローラの構成と同じであるので、説明を省略する。
【0044】
本例のハプティックコントローラは、揺動レバー11の揺動力が、ローラ部13、ワイヤ12及びアクチュエータ2の駆動軸2aを介してコードホイール4aに伝達されるので、揺動レバー11の揺動方向及び揺動量を位置センサ4にて検出することができる。また、アクチュエータ2の駆動力が、アクチュエータ2の駆動軸2a、ワイヤ12及びローラ部13を介して揺動レバー11に伝達されるので、揺動レバー11に所要の操作フィーリングを付与することができる。よって、前記第1実施形態例に係るハプティックコントローラと同様に、各種車載機器の制御を行うことができる。図8(a)は揺動レバー11を操作することによってエアコンの温度制御を行う場合を示しており、図8(b)は揺動レバー11を操作することによってトランスミッションのギアシフトを行う場合を示している。本例のハプティックコントローラも、前記第1実施形態例に係るハプティックコントローラと同様の効果を有する。
【0045】
なお、前記実施形態例においては、操作部としてロータリノブ3を用いた場合及び揺動レバーを用いた場合を例にとって説明したが、本発明の要旨はこれに限定されるものではなく、スライダなどの他の操作部を用いた場合にも適用することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、位置センサより出力される位置信号に対応する基本出力値のみに基づいてアクチュエータの駆動を制御するのではなく、操作部の速度に対応しかつ基本出力値とは逆の符号を有する補正値を加味してアクチュエータの駆動を制御するので、付与する力が大きすぎること、及び、制御部の動作遅れにより操作者が手を離した後にアクチュエータからの外力を受けて操作部が移動を開始した場合にも、その移動方向とは逆向きでその移動速度に対応した大きさの外力がアクチュエータより操作部に付与され、不正な操作部の移動が防止される。したがって、タッチセンサ等の手段を追加することなく操作部を操作後の位置に保持することができ、ハプティックコントローラの操作性及び信頼性を高めることができる。また、手を離した後に予め定められた所定の位置に操作部を自動的に停止させるハプティックコントローラにおいても、操作部が所定の位置まで移動されるとき、当該操作部の移動方向とは逆向きで当該操作部の移動速度に対応した大きさの外力が常にアクチュエータより操作部に付与されるので、操作部への余分な力の出力が抑制される結果、振動等の好ましくない動きが防止され、操作部を速やかに所要の停止位置に停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態例に係るハプティックコントローラの構成図である。
【図2】補正値記憶部に記憶される補正値と操作部の操作速度との関係を示すグラフ図である。
【図3】目標位置記憶部に記憶される各電気機器の機能と当該機能に応じた目標位置とを例示する図である。
【図4】第1実施形態例に係るハプティックコントローラの動作の第1例を示すフローチャートである。
【図5】第1実施形態例に係るハプティックコントローラの動作の第2例を示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態例に係るハプティックコントローラの構成図である。
【図7】第2実施形態例に係るハプティックコントローラに備えられる揺動レバーの側面図である。
【図8】揺動レバーによる車載機器の制御例を示す要部平面図である。
【図9】従来例に係るハプティック入力装置の構成図である。
【符号の説明】
1 筐体
2 アクチュエータ
3 ロータリノブ(操作部)
4 位置センサ
5 スイッチ
6 制御部
11 揺動レバー
12 ワイヤ
13 ローラ部
61 入力部
62 基本出力値記憶部
63 補正値記憶部
64 目標位置記憶部
65 演算処理部
66 ドライバ回路
67 出力部

Claims (3)

  1. 操作部と、当該操作部の位置を検出する位置センサと、前記操作部に外力を与えるアクチュエータと、前記位置センサより出力される位置信号に基づいて前記アクチュエータの駆動を制御する制御部とを有し、前記操作部を予め定められたセンター位置に自動的に復帰させるようにしたハプティックコントローラにおいて、
    前記制御部は、前記操作部の位置に対応する前記アクチュエータの基本出力値を求めると共に、前記操作部の移動速度に対応し、前記基本出力値とは逆の符号を有する前記基本出力値の補正値を求め、これら基本出力値と補正値の加算値である制御信号を出力して前記操作部の移動方向とは逆向きでその移動速度に対応した大きさの外力が前記操作部に付与されるよう前記アクチュエータの駆動を制御することを特徴とするハプティックコントローラ。
  2. 前記制御部は、前記基本出力値の絶対値と前記補正値の絶対値とを比較し、前記補正値が前記基本出力値の絶対値よりも大きいと判断された場合に、前記補正値を前記基本出力値とは符号が逆で絶対値が同一の値に設定して、前記基本出力値と前記補正値との加算を行うことを特徴とする請求項1に記載のハプティックコントローラ。
  3. 前記制御部は、前記操作部の移動速度に比例した前記補正値を出力することを特徴とする請求項1に記載のハプティックコントローラ。
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