JP3969856B2 - 内視鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、挿入部に湾曲管部を有し、この湾曲管部は湾曲管用芯材とブレードを備えてなり、上記ブレードを着脱自在に固定するようにした内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、内視鏡の挿入部は、手元側から順に可撓管部、湾曲管部、及び先端部を連結してなり、湾曲管部は、操作部に設けた湾曲操作ノブにより湾曲させられるようになっている。上記湾曲管部は、湾曲管用芯材を有し、この湾曲管用芯材の外周にブレード(網管)を被嵌し、これを樹脂製の外皮で被覆して構成されている。上記湾曲管用芯材は複数の湾曲駒を挿入部の軸方向に並べ、全ての隣接する湾曲駒相互をリベット等で回転自在に連接して構成されている。
特開平4−357921号公報で知られる内視鏡では、湾曲管用芯材に被嵌するブレード部組が着脱できるようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
(従来技術の問題点)
上述したように従来の内視鏡においての湾曲管用芯材の一般的な構成は、多数の湾曲駒をリベット等で順次連接して構成するものであるため、各湾曲駒の寸法には加工上厳しい公差が設定されているものの、部品数が多いため、公差を積算すると、軸方向や円周方向の寸法差がかなり大きくなってしまう。つまり、湾曲管用芯材全体の軸方向の長さや、先端側の湾曲駒に対する操作部側の湾曲駒の、軸を中心にした円周方向の捩じれのばらつきが大きくなってしまう。このように湾曲管用芯材は部品数が多いために全体の寸法がばらつく。これに対し、ブレード部組は部品数が少なく寸法は湾曲管用芯材に比べてあまりばらつかない。
【0004】
従って、上記特開平4−357921号公報で知られる内視鏡の湾曲管部のように、湾曲管用芯材にブレード部組を被嵌し、そのブレード部組を着脱できるようにした場合、湾曲管用芯材とブレード部組の寸法差によって次のような支障が生じる。
【0005】
すなわち、湾曲管用芯材の長さに対してブレード部組が相対的に長くなると、ブレードが弛んでしまい、湾曲駒の間の隙間にブレードの素材が挟み込まれ、ブレードが損傷したり、所定の角度湾曲管部が曲がらなくなる等の不具合を招く虞がある。また、湾曲管用芯材の長さに対して相対的にブレード部組が短くなりすぎると、これが原因で、湾曲管部が必要な角度に曲がらなかったり、ブレード部組を適切に取り付けることができないという不具合が起こる虞がある。
また、湾曲管用芯材が軸中心に円周方向に捩じれていると、ブレード部組も捩じれて組み付けられ、湾曲管部が真っ直ぐに湾曲しなくなるなどの不具合や、不自然に湾曲することにより内蔵物にダメージを与えるという不具合が起こる虞があった。
【0006】
(目的)
本発明は上述した問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、任意の湾曲管用芯材とブレード部組を組み合わせて湾曲管部を組み立てる場合でもブレード部組の交換が可能であり、かつ取付け寸法精度が高まり、湾曲管部の品質を確保すると共に、その湾曲管部の耐久性を向上させることができる内視鏡を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】
(手段)
本発明は、挿入部に湾曲管部を有し、この湾曲管部は、湾曲管用芯材と、この湾曲管用芯材の外周に被嵌するブレード部組とを備えてなり、上記ブレード部組は、ブレードの端部をこれ以外の他の部材に着脱自在に固定するようにした内視鏡において、上記湾曲管用芯材の寸法に合わせてブレード部組の固定位置を調整して上記他の部材にブレード部組を固定する固定手段を設けたものである。
【0008】
(作用)
任意の湾曲管用芯材とブレード部組の組み合わせにおいて適切な位置関係に調整してブレードを固定することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
図1〜図11を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
(構成)
図1は内視鏡システムの概略的な構成を示している。図1中、符号1は電子式の内視鏡であり、符号2は光源装置であり、符号3は映像信号処理回路や駆動回路等を内蔵する内視鏡用ビデオプロセッサである。この内視鏡用ビデオプロセッサ3にはモニター4、VTRデッキ5、ビデオプリンタ6、及びビデオディスク7等の周辺機器が接続される。
【0010】
上記内視鏡1は体腔内に挿入するための細長の軟性挿入部8と、この挿入部8の基端側に連設された操作部9を備える。上記挿入部8は細く長い可撓性を有する可撓管部11と、この可撓管部11の先端に接続された湾曲管部12と、この湾曲管部12の先端に接続された硬質の先端部13によって構成されている。また、挿入部8の湾曲管部12は図示しない複数の湾曲駒にて湾曲自在に構成され、これは上記操作部9の操作によって湾曲可能なものである。
【0011】
上記操作部9にはユニバーサルコード14が延設されている。このユニバーサルコード14の延出先端には上記光源装置2のコネクタ受け15に接続されるコネクタ装置16が設けられている。コネクタ装置16にはケーブル17を介して上記ビデオプロセッサ3が接続される。そして、図1で示すように、光源装置2のコネクタ受け15にコネクタ装置16を接続することにより、光源装置2の光源ランプ18にて発生し、レンズ19により集光した照明光を、内視鏡1内に配設されたライトガイドファイバー(図示せず)を通じて内視鏡1の先端部13へ導き、先端部13に設けられた図示しない照明窓からその照明光を出射するようになっている。
【0012】
上記操作部9には挿入部8の湾曲管部12を湾曲するときに操作するアングルノブ21、鉗子挿入口部22、送気送水切換え操作釦23、吸引切換え操作釦24及びスイッチボックス25等が設けられている。
【0013】
図2は挿入部8の先端部付近の縦断面図である。挿入部8の先端部13は金属材料等によって略円柱状に形成された硬性の先端部本体31を有し、この先端部本体31の前端面部分には対物レンズ32を固着したレンズ枠33が配置されている。レンズ枠33の後端側には撮像ユニット部34が連結されている。また、先端部本体31の前端面及び前端部外周面は電気的に絶縁でかつ液密的な絶縁カバー35で覆われている。絶縁カバー35は例えばポリサルホンのガラス繊維強化グレード等の樹脂によって作られれている。
【0014】
上記先端部本体31には処置具挿通チャンネル36を形成するチャンネルパイプ37を嵌着する貫通孔38が設けられている。チャンネルパイプ37の後端部側にはチャンネルチューブ39の先端が接続されている。チャンネルチューブ39の先端はチャンネルパイプ37の後端に嵌着されると共に、糸巻き部40によって締結されている。チャンネルパイプ37とチャンネルチューブ39はその内部によって上記処置具挿通チャンネル36を形成する。チャンネルチューブ39の後端側は上記挿入部8内を通じて上記操作部9に設けた鉗子挿入口部22まで導かれ、その鉗子挿入口部22に連通している。
【0015】
上記先端部本体31にはその他の部材、例えば照明レンズ、ノズル、前方送水パイプ等も設けられており、それらの部材にはそれぞれ後述する内蔵物の一例であるライトガイドファイバー81,82、送気送水用チューブ83、前方送水用チューブ84(図9を参照)等が接続されている。
【0016】
上記挿入部8の湾曲管部12は複数の湾曲駒(節輪)41から成る湾曲管用芯材42を有し、この湾曲管用芯材42の外周に筒状のブレード43を被嵌し、さらにブレード43の外周に外皮44を被覆して構成されている。湾曲管用芯材42は複数の湾曲駒41を上記挿入部8の長手軸方向に並べ、隣接する湾曲駒41同士をリベット状の軸ピン45により回転自在に連接して全体的に湾曲自在な管状の部材に構成されている。湾曲管用芯材42は軸ピン45を設ける位置によって湾曲する方向が定まるが、ここでは、左右位置と上下位置に交互に軸ピン45を配置することにより湾曲管用芯材42を全体的に上下・左右方向に湾曲するようにしている。
【0017】
最先端と最後端の湾曲駒41を除く、各々の湾曲駒41の内面には湾曲操作ワイヤー46を案内するリング状のワイヤガイド47がロー付け等により取着されている。また、最先端の湾曲駒41aには上記湾曲操作ワイヤー46の先端がロー付け固定されている。
【0018】
上記湾曲管用芯材42の外周に被嵌するブレード43は多数の金属素線を編組して円筒状に構成されたものである。そして、図4で示す如く、このブレード43の両端にはそれぞれ金属製のリング51,52が半田等の取着手段で固着されている。そして、これらのブレード43、第1のリング51、第2のリング52によって一体的なユニット状のブレード部組53を構成している。
【0019】
先端側に位置した第1のリング51における先端側端部は上記ブレード43の先端より先に位置して露出しており、この露出部分にはビス等の第1の固定ねじ55を挿通する第1の固定用孔56が左右の2個所にそれぞれ設けられている。この2つの固定用孔56は軸方向に長い長孔によって形成されている。後端側に位置した第2のリング52はその外周全面が上記ブレード43によって被覆されている。この第2のリング52の後端側端部にはビス等の第2の固定ねじ57を挿入する第2の固定用孔58が2個所設けられている。
【0020】
ここで、円周方向の長さで見た第1の固定用孔56の幅W1 はこれに嵌め込む固定ねじ55の頭径D1 よりも小さい。また、挿入部8の軸方向の長さで見た第1の固定用孔56の幅W2 は頭径D1 より大きく設定してある。当然、幅W2 は第1の固定用孔56に嵌め込む固定ねじ55のねじ部径D2 よりも大きい。
一方、円周方向の長さで見た第2の固定用孔58の幅W3 はこれに嵌め込む固定ねじ57の頭径D1 よりも大きく(当然、第2の固定用孔57に嵌め込む固定ねじ57のねじ部径D2 よりも大きい)。また、挿入部8の軸方向の長さで見た第2の固定用孔58の幅W4 はこれに嵌め込む固定ねじ57の頭径D1 よりも小さく設定してある。
【0021】
本実施形態では各固定ねじ55,57の頭径D1 を2mm、各固定ねじ55,57のねじ部径D2 を1.5mmとし、狭い方の各幅W1 ,W4 を1.5mm、長い方の各幅W2 ,W3 を5mmとしている。
【0022】
一方、図3で示すように、上記可撓管部11は螺旋管61と、これに被嵌した筒状のブレード62と、このブレード62の外周に被着された外皮63とにより構成され、全体的に管状に形成されている。この可撓管部11の先端には上記湾曲管部12と接続される口金64が設けられている。口金64はその前半部65の内外径が後半部66の内外径より小さく形成され、前半部65と後半部66の間に段差67が形成されている。口金64の後半部66は可撓管部11のブレード62の外周に被嵌して固定されている。
【0023】
また、口金64の前半部65の内面には上記湾曲操作ワイヤー46を挿通案内するコイルパイプ68の先端がロー付け固定されている。湾曲操作ワイヤー46は湾曲管部12におけるワイヤガイド47とこのコイルパイプ68の中に挿通されて操作部9まで導かれ、その操作部9に設けられた湾曲操作機構に接続されている。
【0024】
上記湾曲管部12の湾曲管用芯材42における最後端の湾曲駒41zは上記口金64の前半部65の外周に被嵌され、その湾曲駒41zの後端は上記段差67に突き当たる位置まで嵌合され、そして、止めねじ69にて、口金64に固定されている。最後端の湾曲駒41zの後縁部はその口金64とブレード部組53の後側の第2のリング52との間に挟み込まれている。止めねじ69の頭部は湾曲駒41の外面から外へ突き出さないように湾曲駒41の後縁部の厚さの範囲内にある。ブレード部組53の後側に位置する第2のリング52は上記第2の固定ねじ57にて図示しない位置のものも含め、2個所において固定されている。
【0025】
図5(a)は先端側から1番目の湾曲駒41a単体を挿入部8の軸方向に操作部9側から先端側に向かって見た背面図であり、図5(b)は先端側から2番目の第2湾曲駒41b単体を挿入部8の軸方向に先端側から操作部9側に向かって見た正面図であり、図5(c)は第1番目の湾曲駒41aと第2番目の湾曲駒41bを連結する軸ピン45による接合部を挿入部8の軸方向に操作部9側から先端側に向かって見た断面図である。
【0026】
図5(a)に示すように、第1番目の湾曲駒41aにおいて、第2番目の湾曲駒41bと接合する接合片71は第1番目の湾曲駒41aの内側に向かって変形させて平坦に形成している。また、図5(b)に示すように、第2番目の湾曲駒41bの、第1湾曲駒41aと接合する接合片72も上記接合片71と同様、接合片71の内側に向かって変形させて形成している。そして、図5(c)に示すように、接合片71と接合片72はいずれも内側に向かって変形させて形成してあるため、この両者を連結するリベット状の軸ピン45は第1番目の湾曲駒41aの外径線より外へ突き出さない。
【0027】
図2及び図3に示すように、湾曲管部12に被覆する外皮44はその先端付近部分から第1番目の湾曲駒41aの後端部分までの肉厚がt1 であり、第1番目の湾曲駒41aの後端部分から、最後より1つ手前の湾曲駒41yの後端部分までの肉厚がt2 である。また、図3に示すように、最後から1つ手前の湾曲駒41yの後端部分から最後の湾曲駒41zの後端側までの肉厚がt1 とする。
【0028】
以上の如く、ブレード部組53の第1のリング51にブレード43を固着させた箇所(図2のA部)、及び第2のリング52にブレード43を固着させた箇所(図3のB部)においては、挿入部8の軸方向に対して垂直な方向の寸法が、つまり外径が最大となる範囲であり、これを含む範囲では外皮44の厚さt1 を小さく設定し、湾曲管部12の主要な湾曲範囲に被覆する外皮44の中央部分の厚さt2 は大きめに設定する(t1 <t2 )。このように設定したのは湾曲管部12の耐久性を向上させるためである。
【0029】
上記外皮44の先端は先端部13の先端部本体31の外周まで延び、絶縁カバー35の後端に突き当てられると共に、その先端外周部分は糸75で縛られ、この糸締め部分に接着剤76を塗布することで水密な状態に固められている。また、外皮44の後端は可撓管部11の部分まで延長され、上記可撓管部11の外皮63の先端に突き当てられている。外皮44の後端外周部分も上記同様に、糸75で縛られ、この糸締め部分に接着剤76を塗布することで水密な状態に固められている。
【0030】
ところで、外皮44、ブレード部組53及び絶縁カバー35を取り外した状態では、挿入部8の先端面より口金64までの範囲において、挿入部8の軸方向に垂直な方向の寸法、つまり外径は、先端部本体31、第1番目の湾曲駒41a、第2の湾曲駒41b、最終番目の湾曲駒41z、最終番目のものから1つ手前の湾曲駒41yのものが同一で最大であり、その最大寸法は上記ブレード部組53のリング51,52の内径に等しいか、それよりも僅かに小さく設定してある。このため、先端部本体31及び湾曲管部12の湾曲管用芯材42からブレード部組53を先端側へ抜去し、または先端側からそれにブレード部組53を挿入することが可能である。
【0031】
そこで、ブレード部組53を修理する場合には接着剤76及び糸75を除去して、外皮44及び絶縁カバー35を外し、さらに固定ねじ55,57を取り外した後、ブレード部組53を先端側に抜去する。そして、新しいブレード部組53を先端側から挿入し、固定ねじ55,57で固定した後、絶縁カバー35を先端部本体31に固定し、さらに外皮44を被せ、糸75で縛り、接着剤76を塗布して水密に固定する。
【0032】
図6(a)(b)は外皮44を被覆していない状態での、先端部13と湾曲管部12との接続部分の外観図を示している。そして、図6(a)は湾曲管用芯材42の軸方向寸法が寸法公差の上限、つまり最も長い場合を示し、図6(b)は湾曲管用芯材42の軸方向寸法が寸法公差の下限、つまり、最も短い場合を示している。そして、この場合、湾曲管用芯材42に対するブレード43のたるみ方が適切になるように設定すると、図6(a)(b)に示すように、それぞれ固定用孔56の先端側または後端側で、固定ねじ55にて固定される。しかして、固定用孔56のスペース78内で取付け位置を選択することにより湾曲管用芯材42に対するブレード43のたるみ方が適切になるように調節して新しいブレード部組53を取り付けることができる。
【0033】
また、図7は外皮44を被覆していない状態での、湾曲管部12と可撓管部11との接続部分の外観図を示している。そして、湾曲管用芯材42の円周方向寸法、つまり軸を中心にした円周方向のねじれが中央値に近い場合は、図7で示すように固定用孔58の中央で固定ねじ57にて固定される。ブレード43にねじれがある場合には固定用孔58のスペース79内で移動し、その取付け位置を選択することにより湾曲管用芯材42に対するブレード43のねじれを解消するように調節して新しいブレード部組53を取り付けることができる。
【0034】
図8は挿入部8の湾曲管部12と先端部13の接続部の横断面図である。先端部13の先端部本体31には湾曲管用芯材42の第1番目の湾曲駒41aが、上記固定ねじ55とは別の止めねじ101にて固定されている。湾曲管部12のブレード部組53における第1のリング51はその止めねじ101の外側に嵌装した状態で、第1番目の湾曲駒41aの壁部分に形成した貫通孔102を貫通する第1の固定ねじ55にて先端部本体31に固定される。また、ブレード部組53における第1のリング51の肉厚は、0.1mmから0.2mm程度と薄く形成されている。このため、第1のリング51の固定用孔56の周縁壁部はねじ込む固定ねじ55の頭部により押さえ込まれて変形する。そして、この変形部103が固定ねじ55の頭部と第1番目の湾曲駒41aの間に挟まれて締め付け固定される。第1番目の湾曲駒41aの貫通孔102の縁には第1の固定ねじ55の頭部の傾斜下面に対応して形成した面取り部104が設けられている。また、図示しない位置にも第1の湾曲駒41a、第1のリング51には上記構成と同様の固定用孔が設けられ、合計2個所で、上記同様にして第1の固定ねじ55にて固定されている。
【0035】
そして、第1のリング51が第1の固定ねじ55にて変形されて固定されるため、第1の固定ねじ55の頭部は第1のリング51の外径線より外側へ突き出さない位置まで深くねじ込まれる。また、第1の固定ねじ55によるねじ込みによって第1のリング51が変形されるため、その固定強度は強固になる。また、第1の固定ねじ55が第1のリング51の外径線より突出しないため、その上に被覆される外皮44の内面を傷付けることがない。
【0036】
上記ブレード部組53は先端側部分と後端側部分とも固定ねじ55,57によりそれぞれ2個所で固定され、一方、湾曲管用芯材42は先端側部分と後端側部分とも固定ねじ55,57と、止めねじ69,101によりそれぞれ3個所で固定されている。
【0037】
図9は内視鏡1の挿入部8内に挿通されている各種内蔵物について、その外径が変化する位置を、挿入部8の先端面からの軸方向の位置がわかるよう模式的に並べて示した配置の説明図である。
【0038】
挿入部8内に挿通されている各種内蔵物については、撮像ユニット部34に接続されているケーブル80の他、前述した第1のライトガイドファイバー81、第2のライトガイドファイバー82、送気送水用チューブ83、前方送水用チューブ84が配置されている。また、これらのものには湾曲管部12内における耐性の向上を図るためにそれぞれ保護チューブ85,86,87,88,89が被嵌されている。
【0039】
送気送水用チューブ83の操作部側には管路を分岐させる分岐部91が設けられ、分岐部91の一方端には送気用チューブ92が接続され、他方端には送水用チューブ93が接続されている。また、前方送水用チューブ84の操作部側端には接続用パイプ94を介して前方送水用チューブ95が接続されている。
【0040】
ところで、湾曲管部12内に配置されるチューブ状の内蔵物については細い方が耐久性の点では良いが、全長が長いチューブであると、特に送水するための圧力が高くなってしまう。このため、前方送水用チューブ84の内径より前方送水用チューブ95の内径を大きく設定している。
【0041】
ここで、図9で示すLは、挿入部8の先端面から湾曲管部12の後端位置までの長さであり、L1 〜L4 、L6 は、挿入部8の先端面から各保護チューブ85,86,87,88,89の後端までの長さをそれぞれ示す。また、L5 は挿入部8の先端面から送気送水用チューブ83の分岐部91までの長さであり、 L7 は挿入部8の先端面から前方送水用チューブ84の接続用パイプ94までの長さを示している。
【0042】
そして、各長さの関係は、L<L1 <L2 <L3 <L4 <L5 <L6 <L7 となるように設定されている。このように長さを順次徐々に異ならしめたために、可撓管部11内での充填率が軸方向に徐々に変化する。可撓管部11内の充填率が軸方向に急激に変化していると、湾曲操作をすることで、内蔵物が軸方向に動く時に、その動きを阻害されることがあるが、ここでは充填率が軸方向に徐々に変化しているため、内蔵物はスムーズに動くことが可能である。
【0043】
図10は内視鏡1を組み立てるときの、湾曲管用芯材42及びブレード部組53の先端側部分の状態を示す縦断面図である。ここでは湾曲管用芯材42とブレード部組53の軸方向の位置関係が、前述した図2で示すような組立後の状態とは異なり、ブレード部組53の第1のリング51が第1番目の湾曲駒41aの先端部分より突き出さない位置で、図示しないテープ等で仮固定した状態で組み付けられている。また、第1番目の湾曲駒41aの先端内縁には内蔵物に接触しても損傷しないように面取りを施した面取り部111が設けられている。
【0044】
図11は内視鏡1の鉗子挿入口部22とこれに装着した鉗子栓112の部分の縦断面図である。鉗子栓112の鉗子栓本体113はその側部に側部口114を形成しており、この側部口114には口金115が取り付けられている。口金115の内部にはスプリング116を用いた逆止弁117が設けられている。口金115の接続端部118はルアー形状にて形成されていて、この接続端部118に例えばシリンジ119を接続することができるようになっている。鉗子栓本体113はシリコンゴムなどの弾性体で形成され、処置具挿通チャンネル36に連通している鉗子挿入口部22に対して着脱が可能な状態で装着することができるようになっている。
【0045】
上記逆止弁117は体腔内液等の吸引をする時の吸引圧では開かず、シリンジ119等の送水圧により開くように上記スプリング116の強さを設定することにより調節されている。そして、口金115に例えばシリンジ119を接続することで、鉗子栓112の蓋部126のスリット127から鉗子等の処置具128を鉗子挿入口部22、処置具挿通チャンネル36に挿入しているときでも、その処置具挿通チャンネル36を通じて体腔内へ送水することが可能である。
【0046】
(作用)
図6(a)(b)で示す如く、W2 −D2 =(5mm)−(1.5mm)=3.5mmの調整用スペース78が生じ、湾曲管用芯材42の長さに応じて挿入部8の軸方向においての第1のリング51の固定位置を3.5mmの範囲で調整することができる。また、図7に示すように先端側と同様に円周方向において調整用スペース79が生じ、W3 −D2 =(5mm)−(1.5)mm=3.5mmの範囲で固定位置を任意に調整することができる。
【0047】
図10に示すように、内視鏡1を組立てるときは第1のリング51が湾曲管用芯材42の端部より突出していないため、内蔵物に第1のリング51の端部が接触することがない。
【0048】
図2及び図8で示すように、挿入部8の湾曲管部12の先端側固定部においては先端部本体31に第1のリング51を固定する第1の固定ねじ55とは別に第1番目の湾曲駒41aを先端部本体31に固定する止めねじ101を設け、湾曲管部12の後端側固定部においては、第2のリング52を固定する第2の固定ねじ57とは別に最終番の湾曲駒41zを口金64に固定する止めねじ69を設けた。従って、修理時にブレード部組53を取り外した状態でも、第1番目の湾曲駒41aと先端部本体31は固定された状態にあり、さらに最終番目の湾曲駒41zと口金64も固定された状態にある。
【0049】
また、先端側固定部においては第1の固定ねじ55により第1番目の湾曲駒41aと第1のリング51を同時に止めねじ69にて先端部本体31に固定しており、後端側固定部においては第2の固定ねじ57により口金64に最終番目の湾曲駒41zと第2のリング52を一緒に固定している。
【0050】
(効果)
上記ブレード部組53を湾曲管用芯材42に対して任意に最適な位置に調整して固定できるため、ブレード部組53の交換が可能であり、かつ品質の確保及び耐性を向上することができる。
【0051】
上記ブレード部組53のリング51,52はいずれも薄肉の金属であり、面取を施すことも困難であり、その端部は鋭利な状態にあるが、この鋭利な端部は内蔵物に接触することがないため、内蔵物の損傷を防止することができる。
【0052】
また、修理でブレード部組53を取り外しても湾曲管部12が先端部本体31や可撓管部11から外れることがないため、誤って内蔵物を損傷することを防止できる。
【0053】
上記湾曲管用芯材42、ブレード部組53を先端部本体31、口金64にねじで固定する場合には、強度上それぞれ複数のねじで固定することが望ましい。ブレード部組53と湾曲管用芯材42を別々にねじで固定すると、先端側、後端側、それぞれ少なくとも4個所で固定する必要があるが、ブレード部組53と湾曲管用芯材42を同時に固定ねじ55,57にて先端部本体31、口金64に固定しているため、それぞれ3個所で固定することができる。よって、部品数、部品加工の削減により、安価で、容易に組み立てが可能であり、省スペース化により外径を細くすることが可能となる。
【0054】
[第2の実施形態]
図12乃至図14を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態と共通なものについて同一の符号を付す。また、共通なものについては説明を省略する。
【0055】
(構成)
図12で示す如く、ブレード部組53はブレード43の両端に金属製のリング51,52が半田等の手段で固着されている。各リング51,52の外端部はいずれもブレード43の端より露出している。第1のリング51の露出部分にはビス等の第1の固定用ねじ55を挿入する第1の先端側固定用孔121と、この第1の先端側固定用孔121に対して軸方向断面上及び軸垂直方向断面上の異なる位置に別の第2の先端側固定用孔122が設けられている。また、第2のリング52の露出部分には上記第1の先端側固定用孔121と第2の先端側固定用孔122にそれぞれ個別的に対応した位置に第1の後端側固定用孔123と第2の後端側固定用孔124が設けられている。
【0056】
そして、第1の先端側固定用孔121と第2の先端側固定用孔122は直径φ1.5mmの略円形であり、第1の後端側固定用孔123と第2の後端側固定用孔124は第1の実施形態の第2の固定用孔58と同形状のものである。
【0057】
図13(a)(b)は外皮44を被覆していない状態での、先端部13と湾曲管部12の接続部分の外観を示す説明図である。図13(a)で示すものは湾曲管用芯材42の軸方向の長さ寸法が中央値に対して長い場合であり、第1の先端側固定用孔121と、第1の後端側固定用孔123を用いてブレード部組53が固定ねじ55,57にて固定される。
【0058】
図13(b)で示すものは湾曲管用芯材42の軸方向の長さ寸法が中央値に対して短い場合であり、第2の先端側固定用孔122と、第2の後端側固定用孔124を用いてブレード部組53が固定ねじ55,57にて固定される。第1の先端側固定用孔121と第1の後端側固定用孔123のどちらで固定しても第1のリング55の先端は第1番目の湾曲駒41aの端部より先に突き出さない。
【0059】
内視鏡1を組立てる場合は、湾曲管用芯材42の長さに応じて第1の先端側固定用孔121か第1の後端側固定用孔123のいずれかを選択し、孔位置を合わせて、接着剤等で簡易的に第1番目の湾曲駒41aと第1のリング51を仮固定した状態で組み立てる。
【0060】
一方、図14(a)(b)は鉗子挿入口部22及び鉗子栓112の部分の縦断面図である。鉗子栓本体113の側部には側部口114が形成されており、側部口114には伸縮可能な蛇腹状チューブ131が取り付けられている。蛇腹状チューブ131の先端部には、別部材でのルアー形状の口金132が設けられている。上記鉗子栓本体113は例えばシリコンゴムなどの弾性体で形成され、これの内孔は上記処置具挿通チャンネル36に連通する。鉗子栓本体113はその弾性を利用して上記鉗子挿入口部22に対して着脱が可能である。
【0061】
蛇腹状チューブ131はその長さ及び屈曲角度等が、内視鏡1の操作者及びその補助者の好みに応じて変えることができる。例えば、操作者が片手で内視鏡1の操作部9をグリップ保持し、補助者が処置具を操作している状態で、処置具挿通チャンネル36を通して体腔内に送液する場合には図14(a)で示すように蛇腹状チューブ131を短くしておく。すると、その蛇腹状チューブ131はふらつくことなく安定しているので、操作者が、もう片方の手を用いて、シリンジ119などを口金132に差し込み送液することができる。また、蛇腹状チューブ131が任意に伸縮し角度を変えることが出来るので、離れた位置から補助者が送液することができ、送液し終わったら図14(b)で示すように口金132を上向きにして置けるので、このようにしておけば、水等が垂れることがない。
【0062】
(作用)
上記ブレード部組36の長さに対して湾曲管用芯材42の長さのばらつきはある程度許容できる。図13(a)(b)に示すように、湾曲管用芯材42の長さに応じ、第1の先端側固定用孔121と第2の先端側固定用孔122を選択することにより、第1のリング51の固定位置を調整することができる。
【0063】
内視鏡を組立てる時に、第1のリング51の端部が湾曲管用芯材42の端部より突出していないため、内蔵物に第1のリング51の端部が接触することがない。
【0064】
(効果)
湾曲管用芯材42に対して適した位置に調節してブレード部組53を固定できるため、ブレード部組53の交換が可能であり、かつ品質の確保及び耐性を向上することができる。
また、上記ブレード部組53の軸方向の位置調整は湾曲管用芯材42の長さ寸法によって固定用孔121〜124を選択するだけであるため、容易に組み立ることができる。
【0065】
上記ブレード部組53のリング51,52は薄肉の金属であるが、その端縁部分が内蔵物に接触することがないために、その端縁部分で内蔵物の損傷を防止することができる。
【0066】
尚、第1の先端側固定用孔121の軸方向断面上に合わせて、第2の先端側固定用孔122を設けても良い。この構成であれば、第2の先端側固定用孔122と第1の後端側固定用孔123が対応するため、第2の後端側固定用孔124を設けなくても良い。
【0067】
[第3の実施形態]
図15乃至図19を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。第1の実施形態と共通なものについて同一の符号を付す。また、共通なものについてはその説明を省略する。
【0068】
(構成)
図15はブレード部組53を示す斜視図である。ブレード部組53のブレード43の先端側には金属製のリング51が半田等の手段で固着されている。このリング51の先端側端部はブレード43の先端より突き出して露出しており、その露出部分には固定ねじ55を挿入するための固定用孔56が設けられている。また、ブレード43の後端側部分には弾性の樹脂を含浸させて形成された固定部141が設けられている。
【0069】
図16は挿入部8の先端部13と湾曲管部12との接続部分の縦断面図であり、図16で示されるように、上記リング51は第1番目の湾曲駒41aの先端より突出せず、湾曲駒41aの先端と略同一位置に先端を合わせた位置で固定されている。リング51の先端縁部には肉厚の薄いテープ142が巻かれている。このテープ142を設けたことにより、上記リング51の端部と外皮44の内面が直接に接触しないため、外皮44の内面を傷つけるおそれがない。テープ142はテープ状のものでなく薄い熱収縮チューブを用いたり、先端部本体31とリング51の間の段差を埋めるように、滑らかに接着剤を塗布しても同様の効果が得られる。
【0070】
図17は先端部13と湾曲管部12の接続部の横断面図である。図17で示す如く、先端部本体31及び第1番目の湾曲駒41aには固定ねじ55のための固定用孔とは別に固定用孔143と固定用孔144がそれぞれのものに別々に設けられ、その固定用孔143と固定用孔144にわたりピン145を差し込み、さらに接着することにより先端部本体31と第1番目の湾曲駒41aが位置決め固定されている。ピン145は第1番目の湾曲駒41aの外面から突き出さない。そして、リング51はその第1番目の湾曲駒41aの外側に嵌装され、上記固定ねじ55にて固定される。
【0071】
図18は挿入部8の湾曲管部12と可撓管部11の接続部の縦断面図である。この図18で示すように、口金64と最終番目の湾曲駒41zは止めねじ69にて固定されている。また、ブレード部組53は外側に外皮44を被せた後に固定部141を外皮44もろとも糸75で縛り、接着剤76を塗布して水密に固定されている。
【0072】
(作用)
図19(a)(b)は内視鏡1を組立てるとき、外皮44を被覆する前の、先端部13、湾曲管部12、可撓管部11の外観を示す説明図である。
内視鏡1を組立てるときは、ブレード部組53の先端側を先に固定した後、図19(a)のように湾曲管部12をストレートな状態にして、ブレード43を伸ばして張った状態にする。そして、操作部9のアングルノブ21を操作し、湾曲操作ワイヤ46を牽引することで、図19(b)で示すように、湾曲管部12を曲げる。すると、ブレード43の後端側は先端側に引っ張られ、図19(b)の矢印方向へ移動する。そして、湾曲管用芯材42とブレード43の寸法が適切な関係になるように、所定の角度まで湾曲させたところで、固定部141の位置を、例えば糸縛りや瞬間接着剤の点付けで仮固定し、ついで、外皮44をかぶせ、糸75で縛り、接着剤76を塗布して固定する。
【0073】
図17及び図18で示すように、湾曲管部12の先端側固定部にはブレード部組53を固定する第1の固定ねじ55とは別に、第1番目の湾曲駒41aを先端部本体31に固定するピン145を用い、また、湾曲管部12の後端側固定部には最終番目の湾曲駒41zを口金64に固定する止めねじ69を用いているため、修理時にブレード部組53を取り外した状態でも第1番目の湾曲駒41aと先端部本体31、最終番目の湾曲駒41zと口金64はそれぞれ保持される。
【0074】
(効果)
上記湾曲管用芯材42、ブレード部組53の寸法によらず、任意の適切な位置でブレード部組53を固定できるため、ブレード部組53の交換が可能で、かつ品質の確保及び耐性を向上することができる。
また、ブレード部組53の後端側はねじなどの固定用部材を必要とせず、固定も外皮44と同時にできるため、円周方向のねじれを特別に調整する必要がないため、安価、容易に組立てることができる。
また、薄肉の金属であるリング51の端部が内蔵物に接触することがないため、内蔵物の損傷を防止することができる。
さらに、修理でブレード部組53を取り外しても、湾曲管部12が先端部本体31や可撓管部11から外れることがないため、誤って内蔵物を損傷することを防止できる。
【0075】
[第4の実施形態]
図20及び図21を参照して本発明の第4の実施形態を説明する。第1の実施形態と共通なものについて同一の符号を付す。また、共通なものについてはその説明を省略する。
【0076】
(構成)
図20はブレード部組53を示す。このブレード部組53はブレード43の両端に別体のリング状部材等を使わずにそのブレード43を樹脂繊維により円筒状に編成し、その両端部分に弾性を有する樹脂を含浸させ、第1の固定部151,第2の固定部152を形成している。
【0077】
また、図21は先端部13と湾曲管部12の接続部の縦断面図を示している。上記ブレード部組53は先端部本体31の先端より口金64の後端を越えた位置まで被嵌できる長さがあり、湾曲管用芯材42に合わせて適切な長さ、たるみ状態に調整した後、さらに外側に外皮44を被覆し、固定部151及び固定部152を外皮44もろとも糸75で縛り、接着剤76を塗布して水密に固定される。
【0078】
先端部本体31と第1番目の湾曲駒41a及び口金64と最終番目の湾曲駒41zはそれぞれ止めねじ69にて固定されている。
(作用)
この実施形態は湾曲管用芯材42の長さに合わせて、任意の位置でブレード部組53を位置決め固定することができる。修理時においてブレード部組53を取り外した状態でも第1番目の湾曲駒41aと先端部本体31と最終番目の湾曲駒41zと口金64は固定された状態に保持される。
【0079】
(効果)
この実施形態によれば、湾曲管用芯材42、ブレード部組53の寸法によらず、任意の適切な位置でブレード部組53を固定できるため、ブレード部組53の交換が可能であり、かつ品質の確保及び耐性を向上することができる。
また、ブレード部組53は固定ねじ55,57などの固定用部材を必要とせず、そのブレード部組53の固定も外皮44と同時に行うことができるため、円周方向のねじれを特別に調整する必要がない。このため、安価、容易に組立てることができる。
さらに修理ではブレード部組53を取り外しても湾曲管部12が先端部本体31や可撓管部11から外れることがないため、誤って内蔵物を損傷することを防止できる。
【0080】
<付記>
(付記項1)挿入部に湾曲管を有し、この湾曲管は、湾曲管用芯材と、この湾曲管用芯材の外周に被嵌するブレード部組とを備えてなり、上記ブレード部組は、ブレードの端部をこれ以外の他の部材に着脱自在に固定するようにした内視鏡において、上記湾曲管用芯材の寸法に合わせてブレード部組の固定位置を調整して上記他の部材にブレード部組を固定する固定手段を設けたことを特徴とする内視鏡。
(付記項2)上記固定手段が、上記湾曲管用芯材の軸方向の寸法にあわせて調整可能であることを特徴とする付記項1に記載の内視鏡。
(付記項3)上記固定手段が、上記湾曲管用芯材の円周方向の寸法にあわせて調整可能であることを特徴とする付記項1に記載の内視鏡。
(付記項4)上記ブレード部組の先端側に設けた固定手段が上記湾曲管用芯材の軸方向の寸法に合わせて調整可能であり、後端側に設けた固定手段が上記湾曲管用芯材の円周方向の寸法にあわせて調整可能であることを特徴とする付記項2,3に記載の内視鏡。
【0081】
(付記項5)上記湾曲管用芯材の軸方向の寸法に合わせて調整可能な固定手段が、ブレードに固着された固定用部材(例えばリング部材)に上記湾曲管用芯材の軸方向に長くした固定用孔を設けてなり、この固定用孔に位置決め固定用のねじ部材を通し、そのねじ部材を上記他の部材にねじ止めするようにしたことを特徴とする付記項2,4に記載の内視鏡。
(付記項6)上記湾曲管用芯材の円周方向の寸法に合わせて調整可能な固定手段が、ブレードに固着された固定用部材(例えばリング部材)に上記湾曲管用芯材の周方向に長くした固定用孔を設け、この固定用孔に位置決め固定用のねじ部材を通し、そのねじ部材を上記他の部材にねじ止めするようにしたことを特徴とする付記項2,4に記載の内視鏡。
(付記項7)上記固定手段が、ブレードの両端にそれぞれ固着した固定用部材にそれぞれ固定用孔を設け、少なくとも片端の固定用部材には複数の固定用孔を設けてなり、両端の対応した固定用孔の軸方向距離が、それぞれ異なっていることを特徴とする付記項1に記載の内視鏡。
【0082】
(付記項8)上記固定手段が、両端の上記固定用部材にそれぞれ複数の固定用孔を設けてなり、少なくとも片端の固定用部材に設けられた固定用孔のものを円周方向に長くしたことを特徴とする付記項7に記載の内視鏡。
(付記項9)上記固定手段が、上記ブレードの少なくとも片側端部に弾性樹脂を含浸させてブレード素線を固着した固定部を設けてなり、この固定部を上記ブレードの外周に被覆する外皮もろとも緊縛して固定したことを特徴とする付記項1に記載の内視鏡。
(付記項10)上記固定手段が、上記ブレードの少なくとも片側端にリング状の固定用部材を設け、固定用部材をねじで上記他の部材に固定し、上記ブレードの他端部には弾性樹脂を含浸させてブレード素線を固着した固定部を設けてなり、この固定部を上記ブレードの外周に被覆する外皮もろとも緊縛して固定したことを特徴とする付記項9に記載の内視鏡。
【0083】
(付記項11)上記固定手段が、ブレードの両端部に弾性樹脂を含浸させてブレード素線を固着した固定部を設けてなり、これらの固定部を上記外皮もろとも緊縛して固定したことを特徴とする付記項9に記載の内視鏡。
【0084】
(付記項12)挿入部に湾曲管を有し、この湾曲管は、湾曲管用芯材と、この湾曲管用芯材の外周に被嵌するブレードを有する上記ブレード部組とを備えてなり、上記ブレード部組はブレードの端部を上記ブレード部組以外の他の部材に着脱自在に固定するようにした内視鏡において、上記固定用部材が、上記湾曲管用芯材の端部より突き出していない状態で、内蔵物を湾曲管内に通すことを特徴とする内視鏡の組立方法。
(付記項13)上記固定用部材を固定する時は、固定用部材が湾曲管用芯材の端部より突出し、内蔵物を通す時は、固定用部材が湾曲管用芯材の端部より突出していないことを特徴とする付記項12に記載の内視鏡の組立方法。
【0085】
(付記項14)挿入部に湾曲管を有し、この湾曲管は、湾曲管用芯材と、この湾曲管用芯材の外周に被嵌するブレード部組とを備えてなり、上記ブレード部組の端部を上記ブレード部組以外の他の部材に着脱自在に固定するようにした内視鏡において、ブレード部組の固定手段とは別に湾曲管用芯材固定手段を設けたことを特徴とする内視鏡。
(付記項15)上記ブレード部組の固定手段が、ブレード部組と湾曲管用芯材を同時に固定する手段であることを特徴とする付記項14に記載の内視鏡。
(付記項16)上記ブレード部組の固定手段、及び湾曲管用芯材の固定手段がねじ部材であることを特徴とする付記項14,15に記載の内視鏡。
(付記項17)上記湾曲管用芯材の固定手段がピンであることを特徴とする付記項14,15に記載の内視鏡。
【0086】
(付記項18)上記ブレード部組の固定手段が、ブレードの端部に弾性樹脂を含浸させてブレード素線を固着して形成した固定部を、ブレードの外周に被覆する外皮もろとも緊縛して固定することを特徴とする付記項14に記載の内視鏡。
【0087】
(付記項19)上記ブレード部組の固定手段が、先端側をねじで固定し、後端側が上記固定部を上記外皮もろとも緊縛して固定することを特徴とする付記項15,18に記載の内視鏡。
(付記項20)上記ブレード部組の固定手段が、ブレードの両端に上記固定部を設け、上記外皮もろとも緊縛して固定することを特徴とする付記項18に記載の内視鏡。
【0088】
付記項1〜11に記載の構成によると、任意の湾曲管用芯材とブレード部組を組み合わせた場合においても、適切な状態に調整可能であるため、ブレード部組の交換が可能で、かつ品質を確保し耐性を向上することができる。
付記項7〜8に記載の構成によると、軸方向の調整が容易になる。
付記項9〜11,18〜20に記載の構成によると、部品数を削減し、特別な円周方向のねじれ調整が不用になるため、安価で、容易に組み立てることができる。
付記項12〜13に記載の構成によると、組み立て、分解時に、固定用部材が内蔵物に接触せず、固定用部材による内蔵物の損傷を防止できる。
付記項14〜20に記載の構成によると、修理で、ブレード部組はずしても、湾曲管が外れることがなく、内蔵物の損傷を防止できる。
付記項15に記載の構成によると、部品数、部品加工を削減し、安価で、容易に組み立てができ、かつ外径を細くすることができる。
【0089】
特開平4−357921号公報のものの問題点はリング状の固定用部材がブレードに半田で固定するため、金属を用いる必要がある。また、外径が大きくなると一般的に挿入性が悪くなるため、できるだけ薄肉であることが望ましい。しかし、生産・修理などの組立て・分解時にライトガイドやチャンネルなどの柔らかい材質の内蔵物を湾曲管内に通す時に、リング状の固定用部材が湾曲管用芯材の端部より突出していると、リング状の固定用部材が薄肉の金属であるため、鋭利な刃物のように内蔵物を傷つけてしまうおそれがあった。
特開平4−357921号公報のものの問題点は修理のためにブレード部組を取り外した時に湾曲管用芯材と先端部、及び湾曲管用芯材と可撓管部が固定されていないと、湾曲管用芯材が端部で外れてしまい、先端部、湾曲管部、可撓管部を連通している内蔵物を損傷してしまうおそれがあった。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、任意の湾曲管用芯材とブレード部組を組み合わせた場合においても適切な状態に調整が可能であるため、ブレード部組の交換が可能であると共に、かつ湾曲管部の品質を確保し、湾曲管部の耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る内視鏡システムの構成の概略的な説明図。
【図2】第1の実施形態に係る内視鏡の挿入部の先端部付近の縦断面図。
【図3】上記内視鏡の挿入部の湾曲管部と可撓管部の接続部の縦断面図。
【図4】上記内視鏡の挿入部の湾曲管部におけるブレード部組の斜視図。
【図5】(a)は先端側から1番目の湾曲駒単体を挿入部の軸方向に操作部側から先端側に向かって見た背面図、(b)は先端側から2番目の第2湾曲駒単体を挿入部の軸方向に先端側から操作部側に向かって見た正面図、(c)は第1番目の湾曲駒と第2番目の湾曲駒を連結する接続部の横断面図。
【図6】上記挿入部の外皮を被覆していない状態での先端部と湾曲管部との接続部分の外観図。
【図7】上記挿入部の外皮を被覆していない状態での湾曲管部と可撓管部との接続部分の外観図。
【図8】上記挿入部の湾曲管部と先端部の接続部の横断面図。
【図9】上記内視鏡の挿入部内に挿通されている各種内蔵物について、その外径が変化する位置を模式的に並べて示した説明図。
【図10】上記内視鏡を組み立てるときの、湾曲管用芯材及びブレード部組の先端側部分の状態を示す縦断面図。
【図11】上記内視鏡の鉗子挿入口部とこれに装着した鉗子栓の部分の縦断面図。
【図12】第2の実施形態に係る内視鏡の湾曲管部におけるブレード部組の斜視図。
【図13】上記挿入部の外皮を被覆していない状態での先端部と湾曲管部との接続部分の外観図。
【図14】第2の実施形態に係る内視鏡の鉗子挿入口部22及び鉗子栓112の部分の縦断面図。
【図15】第3の実施形態に係る内視鏡の湾曲管部におけるブレード部組の斜視図。
【図16】上記挿入部の湾曲管部と先端部の接続部分の一部の横断面図。
【図17】上記挿入部の湾曲管部と先端部の接続部分の一部の横断面図。
【図18】上記内視鏡の挿入部の湾曲管部と可撓管部の接続部の縦断面図。
【図19】上記内視鏡を組立てるとき、外皮を被覆する前の先端部、湾曲管部、可撓管部の外観を示す外観図。
【図20】第4の実施形態に係る内視鏡の湾曲管部におけるブレード部組の斜視図。
【図21】上記内視鏡の挿入部の先端部と湾曲管部との接続部分の縦断面図。
【符号の説明】
1…内視鏡、8…挿入部、9…操作部、11…可撓管部、12…湾曲管部、
13…先端部、31…先端部本体、41…湾曲駒、42…湾曲管用芯材、
43…ブレード、44…外皮、53…ブレード部組、55…第1の固定用ねじ、
56…第1の固定用孔、57…第2の固定ねじ、58…第2の固定用孔。
Claims (1)
- 挿入部に湾曲管部を有し、この湾曲管部は、湾曲管用芯材と、この湾曲管用芯材の外周に被嵌するブレード部組とを備えてなり、上記ブレード部組は、ブレードの端部をこれ以外の他の部材に着脱自在に固定するようにした内視鏡において、上記湾曲管用芯材の寸法に合わせてブレード部組の固定位置を調整して上記他の部材にブレード部組を固定する固定手段を設けたことを特徴とする内視鏡。
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