JP3969343B2 - 擁壁用ブロックおよび擁壁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、擁壁用ブロックおよびこれを用いて構築された擁壁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、林道の側面や河川の両岸、造成地の周囲などに、擁壁用ブロックを用いて擁壁を構築する工法が知られている。この工法においては、通常、トラックなどの運搬車両で必要個数の擁壁用ブロックを現場に搬入した後、それら擁壁用ブロックを現場で順に積み上げて擁壁を構築するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記擁壁用ブロックは1個あたり50kg以上もの重量があり、これを移動させるには1個ずつ起重機等で吊り上げる必要がある。このため、擁壁用ブロックを運搬車両に積み込んだり運搬車両から積み降ろしたりするときに手間がかかるばかりか、すべての擁壁用ブロックを現場で積み上げ終わるまでに多大な時間を要するという問題点があった。
また、積み上げた各擁壁用ブロックの一体性を確保するために、擁壁用ブロックどうしを鉄筋等で相互に連結する構造を採る場合があるが、このような構造を採る場合においては、上記鉄筋等に対する防錆対策が別途必要になり、その作業に手間がかかるという問題点もあった。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、運搬時や積み上げ時の手間と時間を省くことができるとともに、ブロック連結用の鉄筋等に対する防錆対策を容易に施すことができる擁壁用ブロックおよび擁壁を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係る擁壁用ブロックは、後部が地山側に配置されて前面が露出面となるブロック本体を有し、当該ブロック本体は、上記後部に、上下方向に開口する空洞部を備えるとともに、この空洞部の前方に所定厚さの前壁部を備え、当該前壁部の側面には、隣接する他の擁壁用ブロックの側面に形成された凹部または凸部と係合する凸部または凹部が形成され、且つ当該前壁部の内部には、上記凹部または上記凸部を通って両側面に開口する鉄筋貫通孔が形成された擁壁用ブロックであって、上記凸部は、その表面形状が半径rの円筒の外周面の一部によって構成される一方、上記凹部は、その表面形状が上記円筒の内周面の一部によって構成され、上記凸部の頂部から上記鉄筋貫通孔の延在方向に、上記半径rに相当する距離だけ離れた位置と、上記凹部の底部から上記半径rに相当する距離だけ離れた位置とには、それぞれ上記前壁部の上面から上記鉄筋貫通孔に至る縦孔が鉛直方向に形成され、上記前壁部の上面には、各縦孔の上端位置から外方向に向かって漸次幅広となる扇状溝がそれぞれ形成されていることを特徴とするものである。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、前壁部の側面に、隣接する他の擁壁用ブロックの側面に形成された凹部または凸部と係合する凸部または凹部を形成するとともに、前壁部の内部に、凸部または凹部を通って両側面に開口する鉄筋貫通孔を形成したので、互いに隣接する擁壁用ブロックの一方の凸部と他方の凹部とをそれぞれ係合させたときに、双方の鉄筋貫通孔が互いに連通した状態となる。
したがって、所定数の擁壁用ブロックを水平方向に一列に並べて、互いに隣り合う擁壁用ブロックの一方の凸部と他方の凹部とをそれぞれ係合させるようにすれば、上記所定数の擁壁用ブロックの鉄筋貫通孔を相互に接続することができ、この状態で、鉄筋貫通孔に鉄筋等を通して、その端部をそれぞれ固定するようにすれば、上記所定数の擁壁用ブロックを一体化することができる。よって、擁壁用ブロックの運搬時や積み上げ時には、上記所定数の擁壁用ブロックを一体化した状態で取り扱うことが可能になり、その結果、擁壁用ブロックの運搬や積み上げに要する手間と時間を大幅に低減することが可能になる。
また、鉄筋貫通孔にペースト状のモルタルを流し込んで、当該モルタルにより上記鉄筋等の周囲を覆い固定するようにすれば、上記鉄筋等に対する防錆対策を容易に施すことができる。
【0007】
さらに、請求項1に記載の発明によれば、前壁部の上面から鉄筋貫通孔に至る縦孔を凸部と凹部の近傍にそれぞれ形成するようにしたので、隣接する擁壁用ブロックの一方の凸部と他方の凹部とを係合させて、この係合部を跨ぐ状態で双方の縦孔に略コ字状の連結金具を差し込むようにすれば、隣接する擁壁用ブロックどうしを容易に連結することができる。
しかも、各縦孔の上端位置から外方向に向かって漸次幅広となる扇状溝を前壁部の上面に形成するようにしたので、上記連結金具を縦孔に差し込んだときに、その上端の水平部分を扇状溝内に収容して、その突出をなくすことができる。また、溝の形状を扇状としたので、上記連結金具を取り付けた状態においても、凸部と凹部とを相互に回動可能な状態に保持することができる。
また、鉄筋貫通孔にモルタルを充填する際に、モルタルの供給路として縦孔を用いることが可能となり、鉄筋貫通孔にモルタルを充填するのが容易となる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の擁壁用ブロックにおいて、上記前壁部の一方の側面には凸部が、他方の側面には凹部がそれぞれ形成され、これら凸部および凹部は、隣接する他の擁壁用ブロックの凹部および凸部と、水平方向に回動し得る状態で係合するようになっていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、互いに隣接する擁壁用ブロックの一方の凸部と他方の凹部とが、水平方向に回動し得る状態で係合するようになっているので、その回動させる角度を適宜調整することによって、ブロック列の形状を所望形状に容易に形成することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、擁壁用ブロックを水平方向に一列に並べて相互に連結したブロック列を、上下方向に複数段積み重ねた構造を有する擁壁であって、各擁壁用ブロックは、後部が地山側に配置されて前面が露出面となるブロック本体を有し、当該ブロック本体は、上記後部に、上下方向に開口する空洞部を備えるとともに、この空洞部の前方に所定厚さの前壁部を備え、上記前壁部の側面には、隣接する他の擁壁用ブロックの側面に形成された凹部または凸部と係合する凸部または凹部が形成され、且つ上記前壁部の内部には、上記凹部または上記凸部を通って両側面に開口する鉄筋貫通孔が形成されており、上記一列に並べた擁壁用ブロックのうち、互いに隣接する擁壁用ブロックの一方の上記凸部には、他方の上記凹部が係合し、且つ双方の上記鉄筋貫通孔が互いに連通した状態とされ、上記鉄筋貫通孔には、複数の擁壁用ブロックに跨る状態で、可撓性を有する鉄筋またはワイヤーが通されて、組積後、その周囲を覆うようにモルタルが充填固定されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の擁壁用ブロックを水平方向に一列に並べて相互に連結したブロック列を、上下方向に複数段積み重ねた構造を有する擁壁であって、互いに隣接する擁壁用ブロックの一方の上記凸部には、他方の上記凹部が係合し、且つ双方の上記鉄筋貫通孔が互いに連通した状態とされ、上記鉄筋貫通孔には、複数の擁壁用ブロックに跨る状態で、可撓性を有する鉄筋またはワイヤーが通されて、組積後、その周囲を覆うようにモルタルが充填固定されていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3または4に記載の発明によれば、鉄筋貫通孔に鉄筋またはワイヤーを通して孔内にモルタルを充填するようにしたので、上記鉄筋またはワイヤーに錆が生じて劣化するのを抑制することができる。
また、可撓性を有する鉄筋またはワイヤーを用いるようにしたので、ブロック列が湾曲した形状に形成されるような場合においても、その形状に合わせて鉄筋またはワイヤーを自由に屈曲させることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の擁壁において、上記鉄筋貫通孔には、所定数の擁壁用ブロックに跨る状態で、可撓性を有する鉄筋またはワイヤーが通されて、その端部がそれぞれ固定されることにより、上記所定数の擁壁用ブロックが水平方向に一体化されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、鉄筋貫通孔には、所定数の擁壁用ブロックに跨る状態で鉄筋またはワイヤーが通されて、その端部がそれぞれ固定されることにより、上記所定数の擁壁用ブロックが水平方向に一体化されているので、擁壁用ブロックの運搬時や積み上げ時には、上記所定数の擁壁用ブロックを一体化した状態で取り扱うことが可能になり、その結果、擁壁用ブロックの運搬や積み上げに要する手間と時間を大幅に削減することが可能になる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の擁壁用ブロックを水平方向に一列に並べて相互に連結したブロック列を、上下方向に複数段積み重ねた構造を有する擁壁であって、互いに隣接する擁壁用ブロックの一方の上記凸部には、他方の上記凹部が係合し、且つ双方の上記鉄筋貫通孔が互いに連通した状態とされ、上記鉄筋貫通孔には、所定数の擁壁用ブロックに跨る状態で、可撓性を有する鉄筋またはワイヤーが通されて、その端部がそれぞれ固定されることにより、上記所定数の擁壁用ブロックが一体化され、この所定数の擁壁用ブロックが一体化されたブロック組どうしは、一方の端部に配置された擁壁用ブロックの縦孔と、他方の端部に配置された擁壁用ブロックの縦孔とに略コ字状の連結金具が差し込まれることにより相互に連結され、上記鉄筋貫通孔、上記縦孔および上記扇状溝には、組積後、それぞれモルタルが充填されて、当該モルタルによって、上記可撓性を有する鉄筋またはワイヤーと、上記連結金具の周囲がそれぞれ覆われた状態となって固定されることを特徴とするものである。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、鉄筋貫通孔には、所定数の擁壁用ブロックに跨る状態で鉄筋またはワイヤーが通されて、その端部がそれぞれ固定されることにより、上記所定数の擁壁用ブロックが一体化されているので、擁壁用ブロックの運搬時や積み上げ時には、上記所定数の擁壁用ブロックを一体化した状態で取り扱うことが可能になり、その結果、擁壁用ブロックの運搬や積み上げに要する手間と時間を大幅に低減することが可能になる。
また、所定数の擁壁用ブロックを一体化してなるブロック組どうしが、一方の端部に配置された擁壁用ブロックの縦孔と、他方の端部に配置された擁壁用ブロックの縦孔とに略コ字状の連結金具が差し込まれることにより相互に連結されているので、ブロック列の一体性を確保することができ、当該擁壁の安定性を向上させることができる。
また、鉄筋貫通孔、縦孔および扇状溝には、それぞれモルタルが充填されて、当該モルタルによって、鉄筋またはワイヤーと、連結金具の周囲がそれぞれ覆われた状態となっているので、上記鉄筋またはワイヤーと、連結金具の腐食を防止して各々の劣化を抑制することができる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の擁壁において、上記所定数の擁壁用ブロックを一体化してなるブロック組は、上段部と下段部とで、擁壁用ブロックの整数個分、横方向(鉄筋貫通孔の延在方向)にずれた状態で組積されていることを特徴とするものである。
【0018】
請求項7に記載の発明によれば、所定数の擁壁用ブロックを一体化してなるブロック組を、上段部と下段部とで、擁壁用ブロックの整数個分、横方向にずらした状態で組積するようにしたので、上下段のブロック組間に生じる摩擦力により、隣接するブロック組どうしの分離を防止して、擁壁の一体性を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は、本発明に係る擁壁用ブロックおよび擁壁の一実施形態を示すもので、図中符号1が擁壁用ブロックである。
この擁壁用ブロック1は、図1および図2に示すように、後部が地山側に配置されて前面が露出面となるコンクリート製のブロック本体2を有し、当該ブロック本体2は、上記後部に、上下方向に開口する空洞部2Aを備えるとともに、この空洞部2Aの前方に所定厚さの前壁部3を備えている。すなわち、ブロック本体2は、所定間隔を配して互いに対向配置された矩形状の前壁部3および後壁部4と、これら前壁部3および後壁部4の端部どうしを連結する一対の側壁部5とを備えるとともに、これら壁部3、4、5によって包囲された空洞部2Aを備えている。また、後壁部4は、前壁部3よりも幅寸法が小さく設定され、それに対応して、左右の側壁部5が、後方に向けて互いに接近する方向に傾斜した状態となっている。
【0020】
前壁部3の一方の側面には、図2(a)に示すように、隣接する他の擁壁用ブロック1の側面に形成された凸部7と係合可能な凹部6が形成され、他方の側面には、隣接する他の擁壁用ブロック1の側面に形成された凹部6と係合可能な凸部7が形成されている。凸部7は、図1および図2(a)に示すように、その表面形状が半径rの円筒の外周面の一部によって構成される一方、凹部6は、その表面形状が上記円筒の内周面の一部によって構成されている。これにより、これら凸部7および凹部6は、隣接する他の擁壁用ブロック1の凹部6および凸部7と、水平方向に回動し得る状態(鉛直線を軸心として回動し得る状態)で係合するようになっている。
【0021】
また、前壁部3には、図2(e)に示すように、凹部6と凸部7の双方を通って両側面に開口する鉄筋貫通孔8が形成されている。すなわち、隣接する擁壁用ブロック1の一方の凸部7と他方の凹部6とを係合させた状態において、図3に示すように、双方の鉄筋貫通孔8が互いに連通するように構成されている。また、前壁部3の両側面には、上記鉄筋貫通孔8に通した鉄筋12等の端部を固定する固定金具12aを取り付けるための凹状の取付部8aが、鉄筋貫通孔8の周縁に形成されている。
【0022】
また、図2(a)、図2(b)および図2(e)に示すように、凸部7の頂部から鉄筋貫通孔8の延在方向(横方向)に、上記半径rに相当する距離だけ離れた位置と、凹部6の底部から上記半径rに相当する距離だけ離れた位置とには、それぞれ前壁部3の上面から鉄筋貫通孔8に至る縦孔9が鉛直方向に形成されている。そして、前壁部3の上面には、各縦孔9の上端位置から外方向(前壁部3の側面方向)に向かって漸次幅広となる扇状溝10がそれぞれ形成されている。さらに、図2(d)に示すように、前壁部3の上端中央部には切欠部11が形成され、この切欠部11を介して、空洞部2Aに充填した砂利や割栗石等の胴込め材19aの一部が外部に露出するようになっている。
【0023】
次に、上記構成からなる擁壁用ブロック1を用いて擁壁を構築する方法の一実施形態について説明する。
先ず、擁壁用ブロック1の運搬時や積み上げ時の取り扱いが楽になるように、所定数(例えば、4個)の擁壁用ブロック1からなるブロック組20を作業場で作製する。それには、図3に示すように、所定数の擁壁用ブロック1を水平方向に一列に並べて、互いに隣り合う擁壁用ブロック1の一方の凸部7と他方の凹部6とをそれぞれ係合させた後、各擁壁用ブロック1の鉄筋貫通孔8に可撓性を有する鉄筋12等を通して、その端部を固定金具12aでそれぞれ固定することにより、上記所定数の擁壁用ブロック1を水平方向に一体化する。これにより、所定数の擁壁用ブロック1からなるブロック組20が出来上がる。このとき、互いに隣接する擁壁用ブロック1を任意の角度で接合することにより、ブロック組20の湾曲形状を所望の形状とすることができる。また、互いに隣接する擁壁用ブロック1間にスペーサ等を挿設すれば、ブロック組20の湾曲形状を保持することができる。
【0024】
こうして、ブロック組20が出来上がったところで、トラックなどの運搬車両で必要個数のブロック組20を作業場から擁壁の施工現場へ運搬する。このとき、ブロック組20を運搬車両に積み込んだり運搬車両から積み降ろしたりする必要があるが、起重機等により複数の擁壁用ブロック1をブロック組単位で(ここでは、4個ずつ)まとめて吊り上げることができるので、擁壁用ブロック1の運搬時の手間と時間を省くことができる。
【0025】
次いで、こうして現場に搬入されたブロック組20を積み上げて擁壁を構築する。それには、図4に示すように、先ず、擁壁の設置位置に基礎コンクリート15を打設して養生する。そして、この基礎コンクリート15が硬化したところで、その上にブロック組20を組積して1段目(最下段)のブロック列R1を構築する。
【0026】
それには、先ず、基礎コンクリート15上に複数のブロック組20を並べて、互いに隣り合うブロック組20の対向面にある凸部7と凹部6とを係合させて、この係合部を跨ぐ状態で、図3(b)に示すように、略コ字状の連結金具13を縦孔9に差し込むことにより、隣接するブロック組20どうしを互いに連結させる。
次いで、各ブロック組20を構成する擁壁用ブロック1の各縦孔9からペースト状のモルタル14を流し込んで、縦孔9、扇状溝10および鉄筋貫通孔8内にモルタル14を充填し、これを硬化させるとともに、各擁壁用ブロック1の空洞部2Aに胴込め材19aを投入する。
また、図4(c)に示すように、1段目のブロック列R1の背面に捨て仮枠18を立設した後、この仮枠18を固定するため、地山の法面17との間に砂利や割栗石などの裏込め材16を擁壁用ブロック1の上面の高さまで充填する。その後、互いに隣接する擁壁用ブロック1の側壁部5間に形成される各空隙部21(図3(a)参照)に胴込めコンクリート19cを充填して硬化させる。以上により、1段目のブロック列R1が完成する。
【0027】
以降、上記1段目のブロック列R1と同様の手順で、2段目〜7段目のブロック列R2〜R7を順次構築して行く。その際には、図4(b)に示すように、法面17に沿って擁壁の前面が傾斜した状態となるように、下段のブロック列よりも一定の寸法だけ後退させた状態で上段のブロック列を構築する。また、図4(a)に示すように、上段のブロック列と下段のブロック列とで、擁壁用ブロック1の整数個分(ここでは、2個分)横方向にずらした状態で、ブロック組20を組積する。また、水面よりも高い位置に配置されるブロック列R6、R7を構成する各擁壁用ブロック1の空洞部2Aには、図4(b)に示すように、胴込め材19aの代わりに植栽土19bを投入する。以上により、多数の擁壁用ブロック1を組積してなる擁壁の構築作業が終了となる。
【0028】
こうして構築された擁壁においては、互いに隣接する擁壁用ブロック1の一方の凸部7に、他方の凹部6が係合し、且つ双方の鉄筋貫通孔8が互いに連通した状態となっている。そして、鉄筋貫通孔8には、所定数の擁壁用ブロック1に跨る状態で、可撓性を有する鉄筋12等が通されて、その端部がそれぞれ固定されることにより、上記所定数の擁壁用ブロック1が一体化されている。この所定数の擁壁用ブロック1が一体化されたブロック組20どうしは、一方の端部に配置された擁壁用ブロック1の縦孔9と、他方の端部に配置された擁壁用ブロック1の縦孔9とに略コ字状の連結金具13が差し込まれることにより相互に連結されている。また、鉄筋貫通孔8、縦孔9および扇状溝10には、それぞれモルタル14が充填されて、当該モルタル14によって、上記鉄筋12等と連結金具13の周囲がそれぞれ覆われた状態となっている。
【0029】
以上のように、本実施形態の擁壁用ブロック1によれば、前壁部3の側面に、隣接する他の擁壁用ブロック1の側面に形成された凹部6および凸部7と係合する凸部7および凹部6をそれぞれ形成するとともに、前壁部3の内部に、凸部7と凹部6を通って両側面に開口する鉄筋貫通孔8を形成したので、互いに隣接する擁壁用ブロック1の一方の凸部7と他方の凹部6とをそれぞれ係合させたときに、双方の鉄筋貫通孔8が互いに連通した状態となる。
【0030】
したがって、所定数の擁壁用ブロック1を水平方向に一列に並べて、互いに隣り合う擁壁用ブロック1の一方の凸部7と他方の凹部6とをそれぞれ係合させるようにすれば、上記所定数の擁壁用ブロック1の鉄筋貫通孔8を相互に接続することができ、この状態で、鉄筋貫通孔8に鉄筋12等を通して、その端部をそれぞれ固定するようにすれば、上記所定数の擁壁用ブロック1を一体化することができる。よって、擁壁用ブロック1の運搬時や積み上げ時には、上記所定数の擁壁用ブロック1を一体化した状態で取り扱うことが可能になり、そうすることで、擁壁用ブロック1の運搬や積み上げに要する手間と時間を大幅に低減することが可能になる。
【0031】
また、鉄筋貫通孔8にペースト状のモルタル14を流し込んで、当該モルタル14により上記鉄筋12等の周囲を覆うようにすれば、上記鉄筋12等に対する防錆対策を容易に施すことができる。
また、互いに隣接する擁壁用ブロック1の一方の凸部7と他方の凹部6とが、水平方向に回動し得る状態で係合するようになっているので、その回動させる角度を適宜調整することによって、ブロック列の形状を所望形状に容易に形成することができる。
【0032】
そして、前壁部3の上面から鉄筋貫通孔8に至る縦孔9を凸部7と凹部6の近傍にそれぞれ形成するようにしたので、隣接する擁壁用ブロック1の一方の凸部7と他方の凹部6とを係合させて、この係合部を跨ぐ状態で双方の縦孔9に略コ字状の連結金具13を差し込むようにすれば、隣接する擁壁用ブロック1どうしを容易に連結することができる。
しかも、各縦孔9の上端位置から外方向に向かって漸次幅広となる扇状溝10を前壁部3の上面に形成するようにしたので、上記連結金具13を縦孔9に差し込んだときに、その上端の水平部分を扇状溝10内に収容して、その突出をなくすことができる。また、溝10の形状を扇状としたので、上記連結金具13を取り付けた状態においても、凸部7と凹部6とを相互に回動可能な状態に保持することができる。
また、鉄筋貫通孔8にモルタル14を充填する際に、モルタル14の供給路として縦孔9を用いることが可能となり、鉄筋貫通孔8にモルタル14を充填するのが容易となる。
【0033】
一方、本実施形態の擁壁によれば、所定数の擁壁用ブロック1を一体化してなるブロック組20どうしが、一方の端部に配置された擁壁用ブロック1の縦孔9と、他方の端部に配置された擁壁用ブロック1の縦孔9とに略コ字状の連結金具13が差し込まれることにより相互に連結されているので、ブロック列の一体性を確保することができ、当該擁壁の安定性を向上させることができる。
また、鉄筋貫通孔8、縦孔9および扇状溝10には、それぞれモルタル14が充填されて、当該モルタル14によって、鉄筋12等と連結金具13の周囲がそれぞれ覆われた状態となっているので、鉄筋12等と連結金具13の腐食を防止して各々の劣化を抑制することができる。また、鉄筋12や連結金具13が外部に露出することがないために、当該擁壁の美観が損なわれる心配もない。
【0034】
さらに、所定数の擁壁用ブロック1を一体化してなるブロック組20を、上段部と下段部とで、擁壁用ブロック1の整数個分、横方向にずらした状態で組積するようにしたので、ブロック組20の自重により上下段のブロック組20間に作用する摩擦力によって、隣接するブロック組20どうしの分離を防止して、擁壁の一体性をより一層向上させることができる。
【0035】
なお、本実施形態においては、直線的なブロック列を例示したが、ブロック列の形状はこれに限定されるものではなく、例えば、曲線状、折線形状など、適宜に変更することが可能である。
また、本実施形態においては、擁壁用ブロック1の前壁部3の一方の側面に凸部7を、他方の側面に凹部6をそれぞれ形成するようにしたが、両側面にそれぞれ凸部7を形成した擁壁用ブロック1と、両側面にそれぞれ凹部6を形成した擁壁用ブロック1の2種類を用意して、それらを交互に配列することにより、隣接する擁壁用ブロック1の一方の凸部7と他方の凹部6とを係合させるようにすることも可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜7の何れかに記載の発明によれば、擁壁用ブロックの運搬時や積み上げ時には、所定数の擁壁用ブロックを一体化した状態で取り扱うことが可能になり、その結果、擁壁用ブロックの運搬や積み上げに要する手間と時間を大幅に低減することが可能になる。
また、鉄筋貫通孔にペースト状のモルタルを流し込んで、当該モルタルにより上記鉄筋等の周囲を覆うようにすれば、上記鉄筋等に対する防錆対策を容易に施すことができる。
【0037】
さらに、請求項7に記載の発明によれば、所定数の擁壁用ブロックを一体化してなるブロック組を、上段部と下段部とで、擁壁用ブロックの整数個分、横方向にずらした状態で組積するようにしたので、上下段のブロック組間に生じる摩擦力により、隣接するブロック組どうしの分離を防止して、擁壁の一体性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る擁壁用ブロックの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の擁壁用ブロックの詳細を示すもので、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は(a)のA−A線に沿った断面図、(d)は正面図、(e)は(a)のB−B線に沿った断面図である。
【図3】図1の擁壁用ブロックを複数連結してなるブロック組を示すもので、(a)は平断面図、(b)は(a)のC−C線に沿った断面図である。
【図4】本発明に係る擁壁の一実施形態を示すもので、(a)は正面図、(b)は(a)のD−D線に沿った断面図、(c)は(a)のE−E線に沿った断面図である。
【符号の説明】
1 擁壁用ブロック
2 ブロック本体
2A 空洞部
3 前壁部
6 凹部
7 凸部
8 鉄筋貫通孔
9 縦孔
10 扇状溝
12 鉄筋
13 連結金具
14 モルタル
20 ブロック組
Claims (7)
- 後部が地山側に配置されて前面が露出面となるブロック本体を有し、当該ブロック本体は、上記後部に、上下方向に開口する空洞部を備えるとともに、この空洞部の前方に所定厚さの前壁部を備え、
当該前壁部の側面には、隣接する他の擁壁用ブロックの側面に形成された凹部または凸部と係合する凸部または凹部が形成され、且つ当該前壁部の内部には、上記凹部または上記凸部を通って両側面に開口する鉄筋貫通孔が形成された擁壁用ブロックであって、
上記凸部は、その表面形状が半径rの円筒の外周面の一部によって構成される一方、上記凹部は、その表面形状が上記円筒の内周面の一部によって構成され、
上記凸部の頂部から上記鉄筋貫通孔の延在方向に、上記半径rに相当する距離だけ離れた位置と、上記凹部の底部から上記半径rに相当する距離だけ離れた位置とには、それぞれ上記前壁部の上面から上記鉄筋貫通孔に至る縦孔が鉛直方向に形成され、
上記前壁部の上面には、各縦孔の上端位置から外方向に向かって漸次幅広となる扇状溝がそれぞれ形成されていることを特徴とする擁壁用ブロック。 - 上記前壁部の一方の側面には凸部が、他方の側面には凹部がそれぞれ形成され、これら凸部および凹部は、隣接する他の擁壁用ブロックの凹部および凸部と、水平方向に回動し得る状態で係合するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の擁壁用ブロック。
- 擁壁用ブロックを水平方向に一列に並べて相互に連結したブロック列を、上下方向に複数段積み重ねた構造を有する擁壁であって、
各擁壁用ブロックは、後部が地山側に配置されて前面が露出面となるブロック本体を有し、当該ブロック本体は、上記後部に、上下方向に開口する空洞部を備えるとともに、この空洞部の前方に所定厚さの前壁部を備え、
上記前壁部の側面には、隣接する他の擁壁用ブロックの側面に形成された凹部または凸部と係合する凸部または凹部が形成され、且つ上記前壁部の内部には、上記凹部または上記凸部を通って両側面に開口する鉄筋貫通孔が形成されており、
上記一列に並べた擁壁用ブロックのうち、互いに隣接する擁壁用ブロックの一方の上記凸部には、他方の上記凹部が係合し、且つ双方の上記鉄筋貫通孔が互いに連通した状態とされ、
上記鉄筋貫通孔には、複数の擁壁用ブロックに跨る状態で、可撓性を有する鉄筋またはワイヤーが通されて、組積後、その周囲を覆うようにモルタルが充填固定されていることを特徴とする擁壁。 - 請求項1または2に記載の擁壁用ブロックを水平方向に一列に並べて相互に連結したブロック列を、上下方向に複数段積み重ねた構造を有する擁壁であって、
互いに隣接する擁壁用ブロックの一方の上記凸部には、他方の上記凹部が係合し、且つ双方の上記鉄筋貫通孔が互いに連通した状態とされ、
上記鉄筋貫通孔には、複数の擁壁用ブロックに跨る状態で、可撓性を有する鉄筋またはワイヤーが通されて、組積後、その周囲を覆うようにモルタルが充填固定されていることを特徴とする擁壁。 - 上記鉄筋貫通孔には、所定数の擁壁用ブロックに跨る状態で、可撓性を有する鉄筋またはワイヤーが通されて、その端部がそれぞれ固定されることにより、上記所定数の擁壁用ブロックが水平方向に一体化されていることを特徴とする請求項4に記載の擁壁。
- 請求項1に記載の擁壁用ブロックを水平方向に一列に並べて相互に連結したブロック列を、上下方向に複数段積み重ねた構造を有する擁壁であって、
互いに隣接する擁壁用ブロックの一方の上記凸部には、他方の上記凹部が係合し、且つ双方の上記鉄筋貫通孔が互いに連通した状態とされ、
上記鉄筋貫通孔には、所定数の擁壁用ブロックに跨る状態で、可撓性を有する鉄筋またはワイヤーが通されて、その端部がそれぞれ固定されることにより、上記所定数の擁壁用ブロックが一体化され、
この所定数の擁壁用ブロックが一体化されたブロック組どうしは、一方の端部に配置された擁壁用ブロックの縦孔と、他方の端部に配置された擁壁用ブロックの縦孔とに略コ字状の連結金具が差し込まれることにより相互に連結され、
上記鉄筋貫通孔、上記縦孔および上記扇状溝には、組積後、それぞれモルタルが充填されて、当該モルタルによって、上記可撓性を有する鉄筋またはワイヤーと、上記連結金具の周囲がそれぞれ覆われ固定された状態となっていることを特徴とする擁壁。 - 上記所定数の擁壁用ブロックを一体化してなるブロック組は、上段部と下段部とで、擁壁用ブロックの整数個分、横方向にずれた状態で組積されていることを特徴とする請求項5または6に記載の擁壁。
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