JP6100818B2 - 擁壁 - Google Patents

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Description

本発明は、道路等を施工する際に一部を土中に埋設される擁壁に関するものである。
従来、基礎である土台コンクリートの上面に沿って水平方向に延出する底版と、この底版の一方の縁部から上方へ立設されるたて壁とを有し、これら底版及びたて壁の先端を自由端とした、断面視概略L字形の擁壁が周知である。近年では当該擁壁を、プレキャスト(コンクリート)製品によって構成する技術が提案されている。斯かるプレキャスト製品からなる擁壁は、現場打ちによるものよりも工期の短縮を図ることができるという利点を有する。現在、斯かるプレキャスト製品からなる擁壁の場合、一体型で成形されたものが使用されている。
そして、施工箇所が平面視屈曲した段差を形成するといった場所に対しては、その曲がり角度に合わせたプレキャスト製品が施工箇所に応じて適宜製造されるか、或いは、近時では曲がり角度を適宜調整し、施工される(例えば、特許文献1参照)。すなわち、製造時に型枠内に角度形成用の仕切り材(鋼製、木製など)を設置して、平面視台形形状を含む矩形状をなす、底版及びたて壁を一体としたプレキャスト製品を製造する。
特開2010−270473号公報
しかしながら、断面視L字形状の製品を平面視台形を含む平面視矩形状にすべく、コンクリートを打設して成形することは、型枠の形成並びに当該型枠からの完成品の脱離という手間を鑑みると、他のコンクリート製品を成形することに比べて、作業が困難さを要する。
さらに、施工箇所に応じて擁壁の大きさは様々の大きさのものが要求される反面、運搬上の制約を勘案すると、プレキャスト製品としての擁壁の大きさは限られてしまう。特に上述したような平面視屈曲した段差を設けることを要する施工箇所ではプレキャスト製品では対応できない場合があった。
具体的に説明すると、当該断面視概略L字形をなす擁壁の場合、大型化すればたて壁高さ及び底版の長さも共に大きい値となるために運搬のために必要な容積が過度に大きくなってしまう。さらに上記したようにたて壁が平面視屈曲したコンクリート製品を底版とともに一体に成形するような場合は、コンクリート製品自体の外形はさらに嵩張ったものとなってしまう。その結果、車両が積載し得る上限重量に余裕があるにも拘わらず当該車両に積載し得る擁壁のサイズ及び数量は限られてしまい、施工箇所が限られてしまうと共に運搬効率の制約によって工期の長期化を含む施工効率の低下を招来してしまうという不具合があった。
換言すれば、一般道を大型車両といった車両によって運搬するという運搬上の制約を勘案した結果、コンクリート製品を一体とすれば運搬し得ないサイズであると、プレキャスト製品を用いない現場打ち擁壁となるか、現地で擁壁の一部をコンクリートの打設によって所定の底版長さとする(底版が短いと設置時の安定性が悪く、転倒防止対策などが必要となる。)といった方策が採られ、プレキャスト製品を適用することによる工期の短縮という長所を十分に活かせない施工を強いられていた。
しかも山間部や、複雑な地形をなす、所謂狭隘地と呼ばれるような箇所が施工箇所となる場合では、上記の運搬効率には更なる制限が課されるため、上述したようなプレキャスト製品からなる擁壁の適用が困難であった。
本発明は、このような不具合に着目したものであり、種々の施工箇所への運搬を高い効率で行うことができ、且つ容易に施工し得るプレキャストコンクリート製品からなる擁壁を提供することを目的としている。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち本発明に係る擁壁は、平板形状をなすプレキャストコンクリート製品からなる一端が自由端である底版と、この底版の他端縁から上方に立設され上端を自由端としている前記底版とは別体である平板形状である対をなすプレキャストコンクリート製品からなる第一たて壁部材及び第二たて壁部材を有するたて壁と、前記第一たて壁部材及び第二たて壁部材を平面視屈曲させた状態で接合し得るコーナー形成部と、前記底版及び前記たて壁を接合する接合部とを具備してなり、前記コーナー形成部が、前記第一たて壁部材及び第二たて壁部材がなす平面視の角度を変更し得るヒンジ部であり、前記底版が、前記ヒンジ部の近傍を凹ませた退避部を有しているものであり、前記底版が、前記第一たて壁部材及び第二たて壁部材それぞれに接合するプレキャストコンクリート製品からなる対をなす底版部材を有したものであり、これら対をなす底版部材が平面視対称形状をなしており、当該対をなす底版部材の一端縁同士を当接させているものであり、前記対をなす底版部材が、前記第一たて壁部材及び第二たて壁部材に接合される立面である底版側接合面を備えており、前記第一たて壁部材及び第二たて壁部材が、前記底版側接合面に接合されるたて壁側接合面を備えており、前記接合部が、前記対をなす底版部材及び第一、第二たて壁部材に対し緊張材によりプレストレスを付与しつつ接続する緊締部であり、この緊締部が、一方の底版部材と第一たて壁部材を水平方向に緊締するものであり、他方の底版部材と第二たて壁部材を水平方向に緊締するものであることを特徴とする。
ここで、自由端とは、例えば底版の両端からたて壁が延出する態様としたU字形としたり、さらに頂版を加えた矩形環状をなしたりするようなコンクリート製品を含まない概念である。すなわち本発明に係る擁壁とは、地形に所定寸法の段差や、土砂の安息角を超える傾斜をなすようにたて壁を設けるために、土台コンクリートといった基礎上に設置され底版及びたて壁の一部が埋設されるように施工される擁壁を指すものである。
このようなものであれば、コーナー部を形成し得るたて壁及び当該たて壁に対応し得る底版をそれぞれ平板状のコンクリート製品へと分割することによって、個々のコンクリート製品の外形、すなわちコンクリート製品を運搬するために必要な容積を小さくすることができる。これにより、限られた容積内に擁壁を積載する際に生じる空きスペースを小さくすることができる。すなわち本発明によればプレキャスト製品からなる擁壁の運搬性能を向上させることができる。すなわち本発明によれば、施工箇所への適用性が高く、且つ容易に施工し得るプレキャストコンクリート製品からなる擁壁を提供することができる。
また、コーナー形成部を、第一たて壁部材及び第二たて壁部材がなす平面視の角度を変更し得るヒンジ部としているため、同じ型枠を用いたたて壁であってもコーナーを形成する角度を施工時に適宜変更することにより、広汎な施工箇所へと適用することができる。
そして高い強度と施工箇所における取り扱いのし易さを両立させ得る態様として、ヒンジ部が、第一たて壁部材及び第二たて壁部材の何れか一方から突出する挿入軸と、他方に設けられた軸収容孔とを有している態様を挙げることができる。
そして、擁壁を構成するコンクリート製品を形成するための型枠を共有化することにより、より効率の良い製造を実現するためには、底版が第一たて壁部材及び第二たて壁部材それぞれに接合する対をなす底版部材を有したものであり、これら底版部材が平面視対称形状をなしている
特に本発明では、接合部が、底版及びたて壁に対し緊張材によりプレストレスを付与しつつ接続する緊締部であるため、底版又はたて壁を緊締部により接続しつつプレストレス、すなわち軸方向力を付与することにより分割した底版又はたて壁に対し所要の強度を付与しながら各コンクリート製品の薄肉化を図ることができるので擁壁全体としてのいっそうの軽量化をも実現し、さらなる運搬性能の向上に寄与せしめている。
緊締部を、底版を水平方向に緊締しているので、施工後の土砂の荷重に対する強度を有効に向上させることが出来る。
そして、緊締部による強度の向上をより有効に促すためには、緊締部を、たて壁から延出する底版の延出方向の両端に亘って緊締するようにすることが望ましい。
また、コーナー形成部の態様にかかわらずたて壁及び底版を強固に接続するための構成として、緊締部が、底版の中間部に端部を有している構成を挙げることができる。
そして、施工時のたて壁の倒伏を有効に回避して施工に係る作業の安全性をより向上させるためには、底版の上側からたて壁の一面に亘る位置にたて壁の倒伏を防止するためのリブを立設しておくことが望ましい。
本発明によれば、種々の施工箇所への運搬を高い効率で行うことができ、且つ容易に施工し得るプレキャストコンクリート製品からなる擁壁を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る外観図。 同実施形態に係る斜視図。 同他の斜視図。 同実施形態に係る構成説明図。 図3に係るA−A線断面図。 同実施形態の変形例に係る外観図。 同実施形態の他の変形例に係る平面図。 参考例に係る平面図。 参考例に係る斜視図。 参考例に係る平面図。 参考例に係る平面図。 他の変形例に係る平面図。 参考例に係る平面図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<第一実施形態>
本実施形態に係る擁壁Yは、図1及び図2に示すように、例えば地形に対し、土砂の安息角以上の傾斜をもって段差を設けたい施工箇所へ施工するためのものである。本実施形態ではその一例として、たて壁5を底版4から垂直に立ち上げて設けた、コーナー部Cを有する擁壁Yを図示し説明するものとするが、勿論たて壁5が立設される角度を限定するものではない。
擁壁Yは、土台コンクリートSC上に配されている。具体的には、支持層上に打設された土台コンクリートSCの縁部から例えば10cm程度内側に縁が位置付けられるように配される。また、たて壁5を露出させている側では、例えばたて壁5が50cm以上埋まる程度に土砂Dが積層され、底版4の上方においては自由端5a近傍にまで土砂Dが積層されている。なお土台コンクリートSCの上面には図示しない敷モルタルが配されるが、当該構成は周知であるため詳細な説明は省略する。
そしてこれら底版4及びたて壁5からなる擁壁Yは、もしも一体として運搬される場合、公道を走行し得る乗用車では運搬し得ない。また或いは当該底版4及びたて壁5は公道上を搬送できたとしても車両の積載重量に余裕があるにも拘わらず運搬し得る容積の限界に近い容積を有するため、極めて搬送効率が悪いものとなっている。
そこで、本実施形態に係るコーナー部Cを有している擁壁Yは、平板形状をなすプレキャストコンクリート製品からなる一端が自由端4aである底版4と、この底版4の他端縁から上方に立設され上端を自由端5aとしている底版4とは別体である平板形状である対をなすプレキャストコンクリート製品からなる第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52を有するたて壁5と、第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52を平面視屈曲させた状態で接合し得るコーナー形成部1と、底版4及びたて壁5を接合する接合部たる緊締部3とを具備することを特徴とする。そして本実施形態ではコーナー形成部1として、第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52が形成する平面視の角度を変更し得るヒンジ部10を有する構成としている。
また、本実施形態では図1及び図3に示すように、底版4の上側からたて壁5の一面に亘るリブ6を立設し、当該リブ6により、施工作業中にたて壁5が倒伏してしまう可能性を排除している。なお当該リブ6は本明細書中において、当該図1及び図3以外の図での図示を省略している。
以下、当該擁壁Yの具体的な構造について図1〜図8を参照して説明する。
底版4は、例えばその延出長さがたて壁5が立設される高さに応じて設定されるもので、延出長さが4mからそれ以上の寸法を有する平板状をなしたプレキャストコンクリート製品であり、一端を自由端4aとしながら土砂Dに埋められてなる。またこの底版4は、緊締部3を水平方向に取り付けるためのダクト43及びナット収容穴44を有している。本実施形態では、これらダクト43及びナット収容穴44を設ける位置を、底版4側とたて壁5側とで互いに対応するようにしている。そしてこのダクト43が直接表出している立面が、たて壁5に接合される底版側接合面45である。またこの底版4は、本実施形態では後述するコーナー形成部1であるヒンジ部10近傍を凹ませた退避部46を有している。また本実施形態では、当該ヒンジ部10の態様すなわち角度によって形状が設定される。すなわち図1〜図3、図6及び図7に示すように複数の底版部材41をそれぞれたて壁5に接合させる態様と、図8に示すように単一の底版部材41をたて壁5に接合させる場合とを開示している。この点については後に説明する。
たて壁5は、例えば4m以上の寸法を有するものであり、図1に示すように底版4上に配された一端側の土砂Dが上端である自由端5a近傍まで積層されるとともに、段差表面に露出する他端側においては50cm程度立設される箇所まで土砂Dが積層されてなる。またこのたて壁5は、その下端部分に緊締部3を水平方向に取り付けるためのダクト53及びナット収容穴54を有している。本実施形態では、これらダクト53及びナット収容穴54を設ける位置を、底版4側とたて壁5側とで互いに対応するようにしている。そしてこのダクト53が直接表出している立面が、底版4に接合されるたて壁側接合面55である。そしてこのたて壁5は、本実施形態ではヒンジ部10を介して接合する互いに別体である第一たて壁部材51と第二たて壁部材52とを有している。
緊締部3は、本実施形態では図1〜図3、図5〜図9に示すように、接合部を構成するための一例として、PC鋼材を使用し、上述した底版4及びたて壁5を互いに引き寄せ且つ当該底版4及びたて壁5を圧縮するようなプレストレスを導入するためのものである。なお本明細書では当該緊締部3を取り付けるためのナット収容穴44、54の内部が外部に露出しているように図示しているが、実際には図示しない例えば無収縮モルタル充填後、表面にエポキシ樹脂が施される等といった所定の加工がされることにより、この緊締部3は外部から隠蔽され土砂Dや雨水の侵入を防止している。この緊締部3は、PC鋼材である緊張材31と、このPC鋼材を挿通させるためのプレート33と、このプレート33を押圧すべくPC鋼材の端部にねじ止めされるナット34とを有している。緊張材31は上述したダクト43、53の配置により、長さが決定される。これら緊張材31に利用されるPC鋼材は既存のものを適宜利用しても良いが、管状のシースによって覆われたものであることがある。シースに覆われたPC鋼材は、シースに対し軸心方向即ちPC鋼材の伸長方向に沿って相対的にスライド移動できる上、シース内で軸心回りに回動することもできる。プレート33は、ナット収容穴44、54の端面に配される、例えば中央にPC鋼材を挿通し得る開口を設けた円形の金属板である。本実施形態では当該プレート33は底版4及びたて壁5に後付けされる態様としているが勿論、ナット収容穴44、54の底面に予め埋設しておく、所謂アンカープレートとしてもよい。そして本実施形態では、PC鋼材の端部、プレート33及びナット34が、ナット収容穴44、54内に収容される。
また本実施形態では底版4、たて壁5ともにダクト43、53を予め形成する態様であるが勿論、本実施形態では底版4を作製する際に予め埋設(材料のセメントを打ち込む型枠内に予めPC鋼材を配置)しておいてもよい。この場合、プレキャストコンクリート部材に埋設するPC鋼材は、いわゆるアンボンドPC鋼材であることが好ましい。アンボンドPC鋼材は、鋼材の表面にグリースやアスファルト系ポリマー等を塗布し、さらにその上から樹脂で被覆したもので、硬化したコンクリート内で軸心方向に沿って変位することが可能であるが、コンクリート内で軸心回りに回動することが可能であるとは限らない。但し、コンクリート内で軸心周りに回動可能なフレキシブルアンボンドPC鋼材も存在する。
そして本実施形態では擁壁Yのコーナー部Cを形成するために、たて壁5にコーナー形成部1、その一例として、ヒンジ部10を設けている。このヒンジ部10は、特に図4に示すように、第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52の端部の厚みをそれぞれ平面視円形状に膨出させた膨出端12を第一たて壁部材51側では下半分、第二たて壁部材52では上半分に形成している。そして第一たて壁部材51に設けた膨出端12の平面視中心を軸鋼14aの下側を埋め込むことにより当該軸鋼14aを突出させた挿入軸を形成している。他方第二たて壁部材52側の膨出端12には平面視中央に開口を設け、軸鋼14aすなわち挿入軸を収容する軸受けとして機能する軸収容孔15を設けている。また膨出端12の表面には円筒面12aを形成するとともに、他方の円筒面12aに近接する端面である退避縁13には、形状を凹ませた退避面13aを形成している。また第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52に設けた膨出端12同士が互いに上下方向に当接する上下面には、それぞれ摺接凸面16及び摺接凹面17を形成している。このようにすることで、ヒンジ部10は挿入軸14及び軸収容孔15を設けた位置を中心に、第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52を相対的に回転させることができる。換言すれば、このヒンジ部10を設けることによって、当該ヒンジ部10の可動範囲内であれば種々の角度をなすコーナー部Cを、共通のプレキャストコンクリート製品によって形成することができる。
しかして本実施形態では、施工箇所に応じて共通したたて壁5、詳細にはヒンジ部10が設けられたたて壁5を用い、施工箇所に応じて種々の角度をなしたコーナー部Cを形成することが可能となる。その際、平板状をなす底版4の形状、並びに緊締部3の配置を種々設定することにより、強固な擁壁Yを形成することができる。
例えば図1〜図3では、底版4とは反対側である他端側から見て稜線が形成されるコーナー部Cを有する擁壁Yを図示している。同図の態様では底版4は、第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52それぞれに対応しつつ、平面視対称形状であり表裏逆とすれば同形状をなす一対の底版部材41を用いている。そして緊締部3は、底版部材41同士が接する端面近傍においては底版4の中間部に端部が位置付けられるようにしている。そして図5に示すように、底版4は殆どの位置においてたて壁5に対し強固に接合されながら緊締部3によるプレストレスが付与された状態となる。
図6は、他端側から見て入隅が形成されるようにヒンジ部10を設定した態様を示している。斯かる態様であっても上記図1〜図3に示す態様と同様、底版4は、第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52それぞれに対応しつつ、平面視対称形状であり表裏逆とすれば同形状をなす一対の底版部材41を用いている。また緊締部3により底版4は殆どの位置においてたて壁5に対し強固に接合されながらプレストレスが付与された状態となる。
図7は、ヒンジ部10が平面視直角である態様を示している。そして底版4は上記図1〜図3及び図6同様に底版4は、第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52それぞれに対応しつつ、平面視対称形状であり表裏逆とすれば同形状をなす一対の底版部材41を用いている。そして同図では、緊締部3は、底版部材41同士が接する端面近傍において底版4の中間部に端部が位置付けられるようにしている。
図8は、ヒンジ部10が平面視直角である態様である点は図7と同様であるが、緊締部3が底版4の面方向のうち2方向に且つ全領域に亘ってプレストレスが付与されている態様を示している。同図では、底版4が第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52ともに接続し得る単一の底版部材41を有しているものとして、擁壁Yを構成するコンクリート製品の点数を削減している。なお同図の態様では、互いに交差する緊張材31が干渉しないよう、向きが異なるダクト43、53及びナット収容穴44、54の上下位置を異ならせていることはいうまでもない。
そして本実施形態に係るヒンジ部10によれば勿論、第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52がなす角度を180°とすることで、いわゆるコーナー部Cを有さない平面視直線形状をなす擁壁Yを構成することも可能である。すなわち本発明に係るコーナー形成部1は、コーナー部Cを「形成し得る」ものであればよい。
以上のような構成とすることにより、本実施形態に係る擁壁Yは、コーナー部Cを形成し得るたて壁5及び当該たて壁5に対応し得る底版4をそれぞれ平板状のコンクリート製品へと分割することによって、個々のコンクリート製品の外形、すなわちコンクリート製品を運搬するために必要な容積を小さくしている。その結果、個々のコンクリート製品を積層することにより限られた容積内に擁壁Yを積載する際に生じる空きスペースを小さくすることができる。すなわち本発明によればプレキャスト製品からなる擁壁Yの運搬性能を有効に向上せしめている。すなわち本実施形態によれば、施工箇所への適用性が高く、且つ容易に施工し得るプレキャストコンクリート製品からなる擁壁Yが実現される。
また本実施形態では、コーナー形成部1を、第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52がなす平面視の角度を変更し得るヒンジ部10とすることにより、同じ型枠を用いたたて壁5であってもコーナーを形成する角度を施工時に適宜変更することにより、広汎な施工箇所へと適用せしめている。
そして高い強度と施工箇所における取り扱いのし易さを両立させ得る態様として本実施形態では、ヒンジ部10が、第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52の何れか一方から突出する挿入軸14と、他方に設けられた軸収容孔15とを有した構成としている。
そして、擁壁Yを構成するコンクリート製品を形成するための型枠を共有化することにより、より効率の良い製造を実現するために本実施形態では、底版4が第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52それぞれに接合する対をなす底版部材41を有したものであり、これら底版部材41が同一形状をなすようにしている。
また、施工効率をより向上させるために本実施形態では図8に示すように、底版4が第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52ともに接続し得る単一の底版部材41を有している構成としている。
特に実施形態では、接合部を、底版4及びたて壁5に対し緊張材31によりプレストレスを付与しつつ接続する緊締部3とすることにより、底版4又はたて壁5を緊締部3により接続しつつプレストレス、すなわち軸方向力を付与することにより分割した底版4又はたて壁5に対し所要の強度を付与しながら各コンクリート製品の薄肉化を図ることができるので擁壁Y全体としてのいっそうの軽量化をも実現し、さらなる運搬性能の向上に寄与せしめている。
<第二実施形態>
以下、本発明の第二実施形態について説明する。本実施形態において、上記第一実施形態の構成要素に相当するものに対しては同じ符号を付すとともに、その詳細な説明を省略する。
以下、本発明の第二実施形態について図9〜図13に示して説明する。本実施形態に係る擁壁Yは、単純な構成として施工現場における作業性を有効に向上させるためのものである。すなわち本実施形態ではコーナー形成部1を上記実施形態に係るヒンジ部10に代えて、第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52の間に所定角度をなして接続するように設けられた端面たるコーナー形成面18を設けた傾斜接合部11としている態様を示している。
その際、上記実施形態同様、平板状をなす底版4の形状、並びに緊締部3の配置を種々設定することにより、強固な擁壁Yを形成することができる。なお、係る傾斜接合面は施工箇所に応じて第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52を打設する際に形成すればよい。また本実施形態では底版4に退避部46を設けておらず、底版側接合面45及びたて壁側接合面55が隙間無く接合している。
図9及び図10では、底版4とは反対側である他端側から見て稜線が形成されるコーナー部Cを有する擁壁Yを図示している。同図の態様では上記実施形態に係る図1〜図3に示すように、底版4は、第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52それぞれに対応しつつ、平面視対称形状であり表裏逆とすれば同形状をなす一対の底版部材41を用いている。そして緊締部3は、底版部材41同士が接する端面近傍においては底版4の中間部に端部が位置付けられるようにしている。そして上記実施形態における図5に示すものと同様に、底版4は殆どの位置においてたて壁5に対し強固に接合されながら緊締部3によるプレストレスが付与された状態となる。
図11は、上記実施形態に係る図6に示すものと同じように、他端側から見て入隅が形成されるようにヒンジ部10を設定した態様を示している。斯かる態様であっても上記図6に示す態様と同様、底版4は、第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52それぞれに対応しつつ、平面視対称形状であり表裏逆とすれば同形状をなす一対の底版部材41を用いている。また緊締部3により底版4は殆どの位置においてたて壁5に対し強固に接合されながらプレストレスが付与された状態となる。
図12は、ヒンジ部10が平面視直角である態様を示している。そして底版4は上記図7同様に底版4は、第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52それぞれに対応しつつ、平面視対称形状であり表裏逆とすれば同形状をなす一対の底版部材41を用いている。そして同図では、緊締部3は、底版部材41同士が接する端面近傍において底版4の中間部に端部が位置付けられるようにしている。
図13は、上記実施形態における図8と同様、緊締部3が底版4の面方向のうち2方向に且つ全領域に亘ってプレストレスが付与されている態様を示している。同図では、底版4が第一たて壁部材51及び第二たて壁部材52ともに接続し得る単一の底版部材41を有しているものとして、擁壁Yを構成するコンクリート製品の点数を削減している。なお同図の態様では、互いに交差する緊張材31が干渉しないよう、向きが異なるダクト43、53及びナット収容穴44、54の上下位置を異ならせていることはいうまでもない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
例えば上記実施形態では接合部の一態様としてPC鋼材を用いてプレストレスを付与し得る緊締部としているが勿論、底版とたて壁を強固に接合し得る手法であれば既存の他の手法を適用しても良い。また例えば、上記実施形態では一箇所の施工箇所に対し、プレキャストコンクリート製品のみによって擁壁を構成する態様を開示したが、勿論、施工箇所の状況に応じて一部を現場打ちによって構成してもよい。例えばたて壁の上端の一部に施行箇所の詳細な設定に適応させるべく、さらにコンクリートを打設するような施工を行っても良い。また、上記実施形態では底版及びたて壁が、その延出方向の寸法を全て等しいものとしたが勿論、当該態様に限定されるものではなく、施工箇所に応じて適宜設定すればよい。そして緊締部を構成する緊張材や当該緊張材に係り合わせる各種の部品といった具体的な態様は上記実施形態のものに限定されることはなく、既存のものを含め、種々の態様のものを適用することができる。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は道路等を施工する際に一部を土中に埋設される擁壁として利用することができる。
1…コーナー形成部
10…ヒンジ部
11…傾斜接合部
14…挿入軸
15…軸収容孔
4…底版
4a…自由端
41…底版部材
3…接合部(緊締部)
31…緊張材
5…たて壁
5a…自由端
51…第一たて壁部材
52…第二たて壁部材
C…コーナー部
Y…擁壁

Claims (5)

  1. 平板形状をなすプレキャストコンクリート製品からなる一端が自由端である底版と、
    この底版の他端縁から上方に立設され上端を自由端としている前記底版とは別体である平板形状である対をなすプレキャストコンクリート製品からなる第一たて壁部材及び第二たて壁部材を有するたて壁と、
    前記第一たて壁部材及び第二たて壁部材を平面視屈曲させた状態で接合し得るコーナー形成部と、
    前記底版及び前記たて壁を接合する接合部とを具備してなり、
    前記コーナー形成部が、前記第一たて壁部材及び第二たて壁部材がなす平面視の角度を変更し得るヒンジ部であり、
    前記底版が、前記ヒンジ部の近傍を凹ませた退避部を有しているものであり、
    前記底版が、前記第一たて壁部材及び第二たて壁部材それぞれに接合するプレキャストコンクリート製品からなる対をなす底版部材を有したものであり、これら対をなす底版部材が平面視対称形状をなしており、当該対をなす底版部材の一端縁同士を当接させているものであり、
    前記対をなす底版部材が、前記第一たて壁部材及び第二たて壁部材に接合される立面である底版側接合面を備えており、
    前記第一たて壁部材及び第二たて壁部材が、前記底版側接合面に接合されるたて壁側接合面を備えており、
    前記接合部が、前記対をなす底版部材及び第一、第二たて壁部材に対し緊張材によりプレストレスを付与しつつ接続する緊締部であり、この緊締部が、一方の底版部材と第一たて壁部材を水平方向に緊締するものであり、他方の底版部材と第二たて壁部材を水平方向に緊締するものであることを特徴とする擁壁。
  2. 前記ヒンジ部が、前記第一たて壁部材及び前記第二たて壁部材の何れか一方から突出する挿入軸と、他方に設けられた軸収容孔とを有している請求項1記載の擁壁。
  3. 前記緊締部が、前記たて壁から延出する前記底版の延出方向の両端に亘って緊締するものである請求項1又は2記載の擁壁。
  4. 前記緊締部が、前記底版の中間部に端部を有している請求項1、2又は3記載の擁壁。
  5. 前記底版の上側から前記たて壁の一面に亘る位置に前記たて壁の倒伏を防止するためのリブを立設している請求項1、2、3又は4記載の擁壁。
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