JP3969319B2 - 燐化物単結晶ウェーハの評価方法 - Google Patents

燐化物単結晶ウェーハの評価方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燐化物単結晶ウェーハの評価方法及びそれを利用したエピタキシャル用燐化物単結晶ウェーハに関し、さらに詳しくは、燐化物単結晶測定用ウェーハの事前評価によって、エピタキシャル工程を経た後のウェーハの反りを予見することができる燐化物単結晶ウェーハの評価方法、及びそれを利用して得られるエピタキシャル用に好適な燐化物単結晶ウェーハに関する。
【0002】
【従来の技術】
燐化物単結晶ウェーハの反りの評価方法は、エピタキシャル工程で基板として用いられる燐化ガリウム(GaP)、燐化インジウム(InP)、ヒ化ガリウム(GaAs)等の化合物半導体のエピタキシャル用単結晶ウェーハの重要な品質指標の一つである残留歪の評価方法に関わるものである。
【0003】
燐化ガリウム、燐化インジウム等の燐化物単結晶ウェーハは、発光素子、レーザ素子や受光素子等の光学化合物半導体デバイスの基板として、エピタキシャル工程で用いられる。近年、その需要の増加とともに、エピタキシャル工程で良質なエピタキシャル膜を効率的に得るために、基板としての要求品質が上昇している。例えば、燐化ガリウム単結晶ウェーハ(以下、GaPウェーハと略称することもある。)は、発光素子用のエピタキシャル膜を成長させるための基板として広く用いられている。このエピタキシャル工程では、液相エピタキシャル成長法あるいは気相エピタキシャル成長法で基板上に発光層が形成される。例えば液相エピタキシャル成長法では、水素気流中で、1000℃付近で金属GaにGaP多結晶を溶解した飽和溶液にドーパントを添加して、温度の制御によって基板上にGaP単結晶を析出させる。
【0004】
ここで、良質な発光素子用エピタキシャル膜を得るためには、GaPウェーハは、結晶欠陥や残留歪みの少ない良質な単結晶基板であることが望ましい。すなわち、液体封止チョクラルスキー(以下、LECと略す。)法で育成したGaP単結晶インゴットから得られたGaPウェーハを基板として用いて、エピタキシャル成長法で結晶成長させる場合、GaPウェーハの結晶欠陥がエピタキシャル成長層へ伝播して素子特性を劣化させたり、またGaPウェーハに残留歪みがあるとエピタキシャル工程での加熱によって転位が発生しこれが増殖し、これによって基板の反りを増大させる一因となると言われているからである。したがって、残留歪みの発生の防止とその除去が重要である。
【0005】
GaPウェーハの残留歪みは、一般に、その製造工程において形成される。一般に、GaPウェーハの製造工程は、以下の手順による。
(1)原料調製
LEC法では、縦型単結晶育成炉の高圧容器の中心に配置された石英ルツボの中に、原料のGaP多結晶とS、Te、又はSiから選ばれるn型不純物を装入し、更にその上に液体封止剤を載せる。液体封止剤は、原料融解時にGaP融液の上に液体封止層を形成してリンの揮発分解を防止するためのもので、通常はBが用いられる。
【0006】
(2)結晶育成
次いで、高圧容器内を窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で高圧とし、前記育成炉の黒鉛ヒーターに通電してGaPの融点以上まで昇温する。GaP原料が融解後、上部シャフトに取り付けた種結晶を降下させて、液体封止層の直下に位置するGaP融液に浸ける。その後、石英ルツボを回転させながら、融液界面の温度を所定温度に下げ、続いて種結晶を回転させながら上昇させることで界面の融液を凝固させ、GaP単結晶が育成される。
【0007】
(3)加工
育成された単結晶インゴットは、外形を整えるために円筒研削され、その後内周刃切断機やワイヤーソーを用いて、厚さ250〜400μmのウェーハに切断される。
【0008】
(4)評価
GaPウェーハは電気特性、加工精度、反り、結晶欠陥、外観を検査し、合格したものがエピタキシャル用基板の単結晶ウェーハとなる。この検査項目の中で、GaPウェーハの反りが、残留歪みと関係している。
【0009】
上記製造工程の結晶育成において、凝固した単結晶と融液の界面付近の温度勾配は約100℃/cmと急峻である。そのため、凝固した単結晶には、熱応力が発生して、室温まで冷却された後にも弾性変形を生じさせる程度の歪みが残留するのが一般的である。この残留歪みに起因する弾性変形が、GaPウェーハの反りである。さらに、エピタキシャル工程での加熱によって、残留歪みに起因する転位が発生しこれが増殖し、これによって基板の反りを増大させると言われている。ところが、反りが所望の値のGaPウェーハを基板として用いて、エピタキシャル工程を行つたとき、該基板に発生する反りは、元々のGaPウェーハの反りと何ら相関が得られない。したがって、GaPウェーハの反りの測定値で、エピタキシャル工程後の基板の反りを予見することができないという問題があった。
【0010】
一方、GaPウェーハの残留歪みを評価する技術としては、直交偏光板の間に光学的に等方的な半導体ウェーハを入れて、ウェーハ中の残留歪みや加工歪みにより生じる複屈折を評価する方法(例えば、特許文献1参照)が利用出来る。
上記方法で用いられるGaPウェーハの測定用試料には、インゴットの切断時に導入された加工歪み層をウェーハから除去するために、GaPを溶解できる王水等の溶液によるエッチング、あるいは機械化学研磨による鏡面研磨加工が成される。そこで、GaPウェーハに結晶育成時に導入された残留歪みがなければ、直交偏光板は光を透過しないが、GaPウェーハに該残留歪みがある場合には偏光像が観察される。ここで、GaPウェーハ上の前記偏光像の面積が大きければ残留歪みによって歪んでいる領域が広く、小さければ歪んでいる領域が狭いことを意味し、これによりウェーハの残留歪みの定性的な評価ができる。このウェーハの残留歪みの定性的な評価は、残留歪みを低減するために単結晶の育成条件を適正化する際に利用できる。さらに、GaAsウェーハやInPウェーハの評価では、上記の原理を応用して歪みの相対強度を定量的に測定する装置が市販されている。
【0011】
しかしながら、この直交偏光技術を利用した方法は、単結晶育成時の残留歪みを評価することが可能であるが、実際にエピタキシャル工程で加熱された際に、そのウェーハの残留歪みが、ウェーハの形状にどのような変化を与えるかを予見することはできない。例えば、上記の製造工程で得られたGaPウェーハのうち、直交偏光による偏光像が検知され、反りが極めて低い値例えば30μmであるウェーハを基板とした場合であっても、エピタキシャル工程後に200μm以上の反りを呈するものもあるなど、反りの変化の幅が大きくばらついている。すなわち、GaPウェーハの反り測定や直交偏光の偏光像では、エピタキシャル工程での基板の反りの変化は評価できない。そのため、エピタキシャル工程では反りによる不良が、多数発生し、エピタキシャル工程の負荷を上げ、生産効率の大きな阻害要因となつていた。
以上の状況から、エピタキシャル工程での反りの増大によって不良となるウェーハを、ウェーハ段階での事前評価によって検出し、除外することによって、エピタキシャル工程での不良率を低減することができるウェーハの反りの評価方法と、それを利用して得られるエピタキシャル用に好適な燐化物単結晶ウェーハが求められている。
【0012】
【特許文献1】
特許第2645252号公報(第1〜3頁)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、燐化物単結晶測定用ウェーハの事前評価によって、エピタキシャル工程を経た後のウェーハの反りを予見することができる燐化物単結晶ウェーハの評価方法、及びそれを利用して得られるエピタキシャル用に好適な燐化物単結晶ウェーハを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために、燐化物単結晶ウェーハの反りの評価方法について、鋭意研究を重ねた結果、単結晶インゴット中から適当な燐化物単結晶測定用ウェーハを選び、該ウェーハを特定の条件で熱処理して、その後反りを測定したところ、エピタキシャル工程を経た後のウェーハの反りを正確に予見することができることを見出し、本発明を完成した。
【0015】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、エピタキシャル工程で反りの増大に伴い不良となる燐化物単結晶ウェーハを事前に評価する方法であって、単結晶インゴット中の評価対象とする区分から少なくとも1つの燐化物単結晶測定用ウェーハを選んだ後、該ウェーハをエッチング処理し、次に800〜1000℃の温度で熱処理し、次いで、室温まで冷却してから、該ウェーハの反りを測定することを特徴とする燐化物単結晶ウェーハの評価方法が提供される。
【0016】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記熱処理が、空気中あるいは不活性ガス中で行われることを特徴とする燐化物単結晶ウェーハの評価方法が提供される。
【0017】
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、前記熱処理が、30分以上行われることを特徴とする燐化物単結晶ウェーハの評価方法が提供される。
【0018】
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、前記燐化物単結晶測定用ウェーハの厚さが、250〜350μmであることを特徴とする燐化物単結晶ウェーハの評価方法が提供される。
【0019】
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、前記燐化物単結晶測定用ウェーハが、単結晶インゴットの成長方向に複数に分けられた各区分から選ばれることを特徴とする燐化物単結晶ウェーハの評価方法が提供される。
【0020】
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5いずれかの発明において、前記燐化物が燐化ガリウムであることを特徴とする燐化物単結晶ウェーハの評価方法が提供される。
【0021】
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜6いずれかの発明の燐化物単結晶ウェーハの評価方法により測定された反りが30μm以下である燐化物単結晶測定用ウェーハと単結晶インゴット中の同一区分に含まれるウェーハを選別することを特徴とするエピタキシャル用燐化物単結晶ウェーハの選別方法が提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燐化物単結晶ウェーハの評価方法及びそれを利用したエピタキシャル用燐化物単結晶ウェーハを詳細に説明する。
1.評価方法
本発明の燐化物単結晶ウェーハの反りの評価方法は、燐化合物単結晶測定用ウェーハを熱処理してその熱処理前後のウェーハの反りから、燐化合物単結晶ウェーハのエピタキシャル工程でのウェーハの反りを予見しようとするものである。
【0023】
(1)燐化物単結晶ウェーハ
本発明で評価する燐化物単結晶ウェーハとしては、特に限定されるものではなく、例えば、種々の方法で育成された燐化ガリウム(GaP)、燐化インジウム(InP)等の燐化物単結晶インゴットから切断され、エッチング処理及び研磨加工されて得られるウェーハが用いられる。
この単結晶インゴットの育成方法は、例えばLEC法が用いられる。また、単結晶インゴットのサイズは、特に限定されるものではなく、例えば、直径50mm以上、直胴部(直径が設計値に安定して得られている部分)の長さ50mm以上のものが用いられるが、特に直径70〜80mmおよび直胴部の長さが50〜100mmのものが通常である。
【0024】
単結晶インゴットは、外形を整えるために円筒研削された後、直胴部を成長方向に複数個の区分として切断される。その各区分より測定用ウェーハを取り出す。例えば、図1に示すようにインゴットの直胴部を成長方向に複数個の区分として切断し、各区分から測定用ウェーハを採取する。インゴットの直胴部の成長方向に区分わけするのは、エピタキシャル工程へ送る区分を選別するためであり、この区分の数は、特に限定されるものではなく、例えば、ウェーハ枚数20枚に1区分を標準として、反りの許容範囲、結晶育成の安定性等を加味して決められる。インゴットの切断、測定用ウェーハの採取は、内周刃切断機あるいはワイヤーソーを用いて行われる。
【0025】
各区分から採取される測定用ウェーハの厚さは、特に限定されるものではなく、250〜400μmが好ましく、特に好ましくは250〜350μmである。
厚さが範囲外では、目的とする評価ができない。
【0026】
(2)エッチング処理
測定用ウェーハは、ウェーハ表面に形成された切断による加工歪み層を溶解除去し、熱処理後の反りの変化を正確に評価するため、熱処理に先だってエッチング処理及び研磨加工をすることが好ましい。エッチング処理及び研磨加工は、特に限定されるものではなく、例えば、裏面にエッチング処理を施した片面鏡面研磨法、両面鏡面研磨法、又は両面エッチング処理法等から選ばれる少なくとも1種の方法を用いるのが好ましい。
また、このとき用いるエッチング液は、特に限定されるものではなく、例えば燐化物を化学的に溶解できる溶液が用いられるが、これらの中でも、特にHSOとHを含む水溶液が環境対策上好ましい。
【0027】
(3)熱処理
本発明の評価方法における熱処理の温度は、800〜1000℃であり、好ましくは、840〜900℃である。熱処理温度が800℃未満では、燐化物単結晶ウェーハの転位の発生とその増殖が起こりにくく、1000℃を超えると燐化物が熱分解のため不安定となる。また、燐化物単結晶ウェーハの熱処理温度への昇温は、新たな熱応力を導入しないように徐々に行うことが重要である。
【0028】
本発明の評価方法における熱処理の時間は、特に限定されないが、好ましくは30分以上であり、より好ましくは30〜50分である。熱処理時間が30分未満では、エピタキシャル工程で燐化物単結晶ウェーハの転位の発生とその増殖が十分に起らない。
本発明の評価方法における熱処理の雰囲気としては、特に限定されるものではなく、例えば、空気あるいは窒素、アルゴン等の不活性ガス気流中が好ましい。
還元性雰囲気では、ウェーハが変質する可能性があるからである。
【0029】
加熱処理方法としては、特に限定されないが、所定温度に維持された加熱炉中に設けた石英管に、処理ガスを流通させ、その中に測定用ウェーハを設置して所定時間処理する方法が好ましい。例えば、図2に示すように、インゴットから切り出され、エッチング処理及び研磨加工された測定用ウェーハ1を、加熱炉3の中に設置され、所定温度に昇温され、所定ガス4を流通させた石英管2に装入して熱処理をすることができる。
【0030】
(4)反りの測定
本発明の評価方法においては、上記熱処理後、前記測定用ウェーハを室温まで冷却して、測定用ウェーハの反りを触針式表面粗さ計で測定する。この測定値よりエピタキシャル工程でのウェーハの反りを予見することができる。
【0031】
2.エピタキシャル用燐化物単結晶ウェーハ
本発明に係るエピタキシャル用燐化物単結晶ウェーハは、裏面にエッチング処理を施した片面鏡面研磨、両面鏡面研磨、又は両面エッチング処理を施した厚さが250〜350μmの燐化物単結晶ウェーハであって、本発明の燐化物単結晶ウェーハの評価方法によって測定された反りが30μm以下のものである。
本発明では、裏面にエッチング処理を施した片面鏡面研磨、両面鏡面研磨、又は両面エッチング処理を施した厚さが250〜350μmの燐化物単結晶ウェーハのなかで、本発明の評価方法によって測定された反りが、30μm以下であるものを合格品とする。この反りが30μmを超えると、エピタキシャル工程での処理で反りによる不良の発生が増加する。合格した測定用ウェーハと同一区分に含まれるウェーハが、エピタキシャル用燐化物単結晶ウェーハとして選別され、使用される。
【0032】
本発明の評価方法によると、エピタキシャル工程を経た後のウェーハの反りを極めて正確に予見することができ、それを利用して得られた燐化物単結晶ウェーハはエピタキシャル工程での不良率を低くすることができる。
【0033】
【実施例】
以下に、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1)
LEC法で育成された直径76mm、直胴部の長さ70mmのGaP単結晶インゴットを用いて、図1に示すように直胴部を成長方向に均等に上部から下部に向けて(i)〜(v)とした5区分に分割し、それぞれの区分から厚さ350μmのGaP測定用ウェーハを採取した。このウェーハを、エッチング液(容量でHSO:H:HO=3:1:1の配合)を用いて、65℃で5分間処理して、切断による加工歪み層を除去した後、機械化学研磨による片面鏡面研磨加工を施し、測定用ウェーハを得た。ここで、測定用ウェーハの反りを触針式表面粗さ計で測定した。
【0034】
ついで、この測定用ウェーハを、850℃の温度に維持され、アルゴンガスが流入されている石英管の中に、15分間かけて装入した後30分間静置して熱処理した。その後、測定用ウェーハを15分間かけて石英管外に取り出し、室温まで冷却した。ここで、熱処理後の測定用ウェーハの反りを触針式表面粗さ計で測定した。図3に、測定用ウェーハの熱処理前後の反りの結果を示す。
図3より、熱処理前の反りが約10μmであった測定用ウェーハ(単結晶インゴットの直胴部の上部2区分(i)〜(ii))の熱処理後の反りが85μmに上昇し、また他の3区分(単結晶インゴットの直胴部の下部3区分(iii)〜(v))の測定用ウェーハの熱処理後の反りは、いずれも30μm以下であり、かつ熱処理後の方が小さかった。
上記の熱処理後の反りが30μm以下の(iii)〜(v)区分のGaPウェーハをエピタキシャル用GaP単結晶ウェーハとし、エピタキシャル成長を行わせた。この製造方法で実施したとき、エピタキシャル工程へ投入したインゴット466ロットでの反り増大による不良の発生率は0.003%、投入GaPウェーハ33,420枚での反り増大による不良率は0.0004%と非常に低かった。
【0035】
(比較例1)
実施例1と同様の方法で製造したGaP単結晶インゴットを用いて、実施例1と同様の切断、エッチング処理、および研磨加工を行って得たウェーハの(i)〜(v)の全ての区分をエピタキシャル工程の基板として用いた。この製造方法で実施したとき、エピタキシャル工程では、エピタキシャル工程へ投入したインゴット42ロットでの反り増大による不良の発生率は55.1%、投入GaPウェーハ3,012枚での反り増大による不良率は7.2%と非常に高かった。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の燐化物単結晶ウェーハの評価方法は、事前評価によって、エピタキシャル工程を経た後のウェーハの反りを予見することができる評価方法であり、それを利用して得られた燐化物単結晶ウェーハはエピタキシャル工程での不良率が低く好適なものであり、その工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる測定用ウェーハの採取例を示す図である。
【図2】本発明に関わる測定用ウェーハの熱処理の方法の一例を示す図である。
【図3】実施例におけるGaPウェーハの熱処理前後の反りを表わす図である。
【符号の説明】
1 測定用ウェーハ
2 石英管
3 加熱炉
4 ガス

Claims (7)

  1. エピタキシャル工程で反りの増大に伴い不良となる燐化物単結晶ウェーハを事前に評価する方法であって、
    単結晶インゴット中の評価対象とする区分から少なくとも1つの燐化物単結晶測定用ウェーハを選んだ後、該ウェーハをエッチング処理し、次に800〜1000℃の温度で熱処理し、次いで、室温まで冷却してから、該ウェーハの反りを測定することを特徴とする燐化物単結晶ウェーハの評価方法。
  2. 前記熱処理が、空気中あるいは不活性ガス中で行われることを特徴とする請求項1に記載の燐化物単結晶ウェーハの評価方法。
  3. 前記熱処理が、30分以上行われることを特徴とする請求項1に記載の燐化物単結晶ウェーハの評価方法。
  4. 前記燐化物単結晶測定用ウェーハの厚さが、250〜350μmであることを特徴とする請求項1に記載の燐化物単結晶ウェーハの評価方法。
  5. 前記燐化物単結晶測定用ウェーハが、単結晶インゴットの成長方向に複数に分けられた各区分から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の燐化物単結晶ウェーハの評価方法。
  6. 前記燐化物が、燐化ガリウムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燐化物単結晶ウェーハの評価方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の燐化物単結晶ウェーハの評価方法により測定された反りが30μm以下である燐化物単結晶測定用ウェーハと単結晶インゴット中の同一区分に含まれるウェーハを選別することを特徴とするエピタキシャル用燐化物単結晶ウェーハの選別方法。
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