JP3968919B2 - 波形整形回路 - Google Patents
波形整形回路 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3968919B2 JP3968919B2 JP21820699A JP21820699A JP3968919B2 JP 3968919 B2 JP3968919 B2 JP 3968919B2 JP 21820699 A JP21820699 A JP 21820699A JP 21820699 A JP21820699 A JP 21820699A JP 3968919 B2 JP3968919 B2 JP 3968919B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- circuit
- clock
- system clock
- flip
- retiming
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば多チャンネルの各同期回路に印加されるシステムクロックをリタイミングして波形整形するための波形整形回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術について、図5および図6を用いて説明する。
図5に、システムクロック発生器10により発生された任意のシステムクロックT0を、所定の基準クロックF0によりリタイミングして波形整形し、これを各同期回路1013に印加する従来の波形整形回路1010の構成例を示す。
【0003】
同図において、符号1011は、システムクロック発生器10から供給されるシステムクロックT0を遅延させる可変ディレイ回路であり、符号1012は、基準クロックF0をクロック入力とし、可変ディレイ回路により遅延されたシステムクロックを取り込むフリップフロップ回路である。これら可変ディレイ回路1011とフリップフロップ回路1012とからなる波形整形回路1010は、各チャンネル101−1〜101−nにそれぞれ設けられており、各チャンネルには、システムクロックT0と基準クロックF0とが共通に供給されている。
【0004】
この従来技術によれば、可変ディレイ回路1011を介してシステムクロック発生回路10から供給されるシステムクロックT0は、基準クロックF0に同期してフリップフロップ回路1012に取り込まれる結果、基準クロックF0によりリタイミングされて波形整形される。波形整形されたシステムクロックは、同期回路1013に与えられ、同期回路1013は、波形整形されたシステムクロックに基づいて所定の動作を行う。
【0005】
ここで、図6に示すように、基準クロックF0に同期してシステムクロックT0をフリップフロップ回路1012に取り込む際のタイミング上のマージンを確保することを目的として、システムクロックT0と基準クロックF0との間のタイミングを規定するセットアップタイムTsu とホールドタイムThd とが規定されている。これらセットアップタイムとホールドタイムは、可変ディレイ回路1011の遅延量を可変させて、基準クロックF0に対するシステムクロックT0のタイミングを調整することにより確保される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、多チャンネルの同期回路に印加されるシステムクロックT0は、システム内部の温度変動、各信号の電圧変動、各素子特性の経時変化、信号伝送路端での反射等の影響により、各チャンネルの環境に応じて波形が変形する場合がある。このため、システムクロックT0をリタイミングする基準クロックF0が高周波数である場合、上述のセットアップタイムTsu やホールドタイムThd を全チャンネル同時に確保することが困難となる。
【0007】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、各チャンネルの環境に左右されることなく、システムクロックと基準クロックとの間のタイミングを規定するセットアップタイムTsu とホールドタイムThd とを、全チャンネル同時に確保することを可能とする波形整形回路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明は以下の構成を有する。
すなわち、この発明は、所定の基準クロック(例えば後述する基準クロックF0に相当する要素)を用いて任意のシステムクロック(例えば後述するシステムクロックT0に相当する構成要素)をリタイミングし、前記システムクロックを波形整形する波形整形回路(例えば後述する波形整形回路110に相当する構成要素)であって、前記基準クロックを分周する分周回路(例えば後述する分周回路120に相当する構成要素)と、前記分周回路により分周されたクロックを用いて前記システムクロックをリタイミングして外部に出力すると共に、前記分周回路により分周されたクロックと前記システムクロックとの間のタイミングエラーを検出するエラー検出回路(例えば後述するエラー検出回路140に相当する構成要素)と、前記分周回路と前記エラー検出回路との間に設けられ、前記エラー検出回路によりタイミングエラーが検出された場合に、前記分周回路から前記エラー検出回路に与えられるクロックの位相を切り替える位相切替回路(例えば後述するセレクタ130を含む構成要素)と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、基準クロックF0を分周することにより、システムクロックT0と基準クロックF0との間のセットアップタイムおよびホールドタイムが、基準クロックF0そのものでリタイミングするときに比べて拡大され、タイミング上の余裕が生まれる。
【0010】
ここで、例えば分周回路に基準クロックF0と同期したリセット信号を供給することが難しい為に、分周回路にリセットをかけない構成とした場合、分周回路の初期状態が例えば電源投入の度に異なり、分周回路の出力が、システムクロックT0に対して同相である場合と逆相である場合とが起こり、基準クロックF0とシステムックロックT0との間のタイミングエラーが発生する場合がある。
【0011】
このような場合、エラー検出回路により例えば分周回路の出力の位相を判定することによりタイミングエラーを検出し、システムクロックT0に対して例えば同相のクロックが出力された場合には、分周回路から出力されるクロックの位相を位相切替回路により切り替えることにより、常にシステムクロックに対して例えば逆相の適正な位相のクロックでリタイミングが行われる。これにより、セットアップタイムおよびホールドタイムが確保されて、システムクロックが波形整形される。
【0012】
このように、基準クロックを分周して、その位相を適正に切り替えることにより、セットアップタイムおよびホールドタイムに余裕が生まれ、各チャンネル毎の環境の違いによる波形変形分を全チャンネルについて容易に吸収することが可能となり、従ってセットアップタイムTとホールドタイムとを、全チャンネル同時に確保することが可能となる。
【0013】
要約すると、この発明は、基準クロックを分周することでセットアップタイムおよびホールドタイムに余裕を持たせ、分周により生じうる位相の反転を検出して適正な位相のクロックでシステムクロックをリタイミングし、このシステムクロックを波形整形するものである。
【0014】
また、前記エラー検出回路は、例えば、前記システムクロックをホールドタイム分だけ遅延させる第1の遅延回路(例えば後述する固定遅延器141に相当する構成要素)と、前記第1の遅延回路により遅延されたシステムクロックをさらにセットアップタイム分だけ遅延させる第2の遅延回路(例えば後述する固定遅延器142に相当する構成要素)と、前記位相切替回路を介して前記分周回路から与えられるクロックに基づき、前記システムクロックをリタイミングする第1のフリップフロップ回路(例えば後述するフリップフロップ回路143に相当する構成要素)と、前記位相切替回路を介して前記分周回路から与えられるクロックに基づき、前記第1の遅延回路により遅延された前記システムクロックをリタイミングして外部に出力する第2のフリップフロップ回路(例えば後述するフリップフロップ回路144に相当する構成要素)と、前記位相切替回路を介して前記分周回路から与えられるクロックに基づき、前記第1および第2の遅延回路により遅延された前記システムクロックをリタイミングする第3のフリップフロップ回路(例えば後述するフリップフロップ回路145に相当する構成要素)と、前記第1および第3のフリップフロップ回路の各出力信号を入力し、前記第1のフリップフロップ回路の出力信号がHレベルであり、かつ前記第2のフリップフロップ回路の出力信号がLレベルである場合に、タイミングエラーが発生したことを示すエラーフラグを出力する論理回路(例えば後述する論理積回路146に相当する構成要素)と、を有することを特徴とする。
【0015】
さらに、前記分周回路は、例えば、前記基準クロックを2分周して、互いに逆位相の関係にある第1および第2のクロック(例えば後述するクロックF1,F1nに相当する要素)を前記位相切替回路に出力し、前記位相切替回路は、前記エラー検出回路の検出結果に応じて前記第1および第2のクロックの何れかを選択して前記エラー検出回路に出力することを特徴とする。
【0016】
さらにまた、前記論理回路は、例えば、前記第1のフリップフロップ回路の出力信号を正論理として入力すると共に前記第3のフリップフロップ回路の出力信号を負論理として入力する論理積回路(例えば後述する論理積回路146に相当する構成要素)を有することを特徴とする。
【0017】
さらにまた、前記システムクロックを波形整形して得られる信号として、例えば、前記第2のフリップフロップ回路の出力信号(例えば後述する信号Oに相当する要素)を出力することを特徴とする。
さらにまた、前記システムクロックは、例えば、前記基準クロックと信号源を共通にするシステムクロック発生器(例えば後述するシステムクロック信号発生器10に相当する構成要素)により発生されたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態を説明する。
図1に、この発明の実施の形態にかかる波形整形回路の構成を示す。
同図において、符号120は、所定の基準クロックF0を2分周するための分周回路であり、互いに逆位相の関係にあるクロックF1とクロックF1nとを出力する。符号140は、分周回路120により分周されたクロックを用いて、システムクロック発生器10から供給される任意のシステムクロックT0をリタイミングして外部に出力すると共に、分周回路120により分周されたクロックとシステムクロックT0との間のタイミングエラーを検出するためのエラー検出回路である。
【0019】
符号130は、分周回路120とエラー検出回路140との間に設けられ、エラー検出回路140によりタイミングエラーが検出された場合に、分周回路120からエラー検出回路140に与えられるクロックの位相を切り替えるための位相切替回路(符号なし)をなすセレクタであって、エラー検出回路140の検出結果に応じてクロック選択信号Sに基づきクロックF1,F1nの何れかを選択してエラー検出回路140に出力する。この実施の形態では、クロック選択信号SがLレベル(論理値「0」)のときに、リタイミングクロックF2としてクロックF1がセレクタ130より出力され、またクロック選択信号SがHレベル(論理値「1」)のときに、リタイミングクロックF2としてクロックF1nが出力される。
【0020】
ここで、エラー検出回路140の構成を詳細に説明する。
エラー検出回路140は、固定遅延回路141,142と、フリップフロップ回路143,144,145と、論理積回路146とから構成される。固定遅延回路141は、システムクロックT0をホールドタイムThd 分だけ遅延させるものであり、固定遅延回路142は、固定遅延回路141により遅延されたシステムクロックをさらにセットアップタイムTsu 分だけ遅延させるものである。
【0021】
また、フリップフロップ回路143は、セレクタ130を介して分周回路120から与えられるクロックに基づきシステムクロックT0をリタイミングするものである。フリップフロップ回路144は、セレクタ130を介して分周回路120から与えられるクロックに基づき、固定遅延回路141により遅延されたシステムクロックをリタイミングするもので、この出力信号は、システムクロックT0を波形整形して得られる信号として外部の同期回路150に出力される。同期回路150は、フリップフロップ回路144から出力された信号Oを例えばシステムクロックとして入力して動作するものである。フリップフロップ回路145は、セレクタ130を介して分周回路120から与えられるクロックに基づき、固定遅延回路141,142により遅延されたシステムクロックをリタイミングするものである。
【0022】
さらに、符号146は、フリップフロップ回路143の出力信号を正論理として入力すると共にフリップフロップ回路145の出力信号を負論理として入力する論理回路であり、フリップフロップ回路143の出力信号の論理値がHレベルであり、かつフリップフロップ回路145の出力信号の論理値がLレベルである場合に、タイミングエラーが発生したことを示すエラーフラグOerr としてHレベルを出力する。
【0023】
なお、システムクロック発生器10から供給されるシステムクロックT0は、基準クロックF0と信号源を共通にしている。また、特に図示しないが、波形整形回路110は、エラー検出回路140によりタイミングエラーが検出された場合に、分周回路120からエラー検出回路140に与えられるクロックの位相を切り替えるためのクロック選択信号Sを生成する制御回路をさらに備え、この制御回路は、セレクタ130と共に位相切替回路(符号なし)を構成する。
【0024】
以下、図2ないし図4に示すタイムチャートを参照しながら、この実施の形態にかかる波形整形回路の動作を説明する。
なお、以下の説明において、例えばシステムクロックに対してリタイミングクロックが同相(同位相)であると言うときは、これらのクロックの立ち上がりエッジの位相が概ね一致している場合を意味し、逆相(逆位相)であると言うときは、これらの一方のクロックの立ち上がりエッジと他方のクロックの立ち下がりエッジとが概ね一致している場合を意味するものとする。ただし、この「一致」なる概念は厳格に解されず、少なくともホールドタイムおよびセットアップタイムにより規定される時間領域内で一致していれば足りるものとする。
【0025】
分周回路120は、所定の基準クロックF0を2分周して、クロックF1と、このクロックF1と逆位相のクロックF1nとを生成する。いま、クロック選択信号SがLレベルにあると、セレクタ130により、クロックF1がリタイミングクロックF2としてエラー検出回路140に出力される。
【0026】
ここで、この実施の形態では、システムクロックT0のリタイミングは、リタイミングクロックF2の立ち上がりエッジで行われるものとし、システムクロックに対するリタイミングクロックの適正な位相関係は予め取り決められている。具体的には、図2に示すクロックF1や、図3に示すクロックF1nのように、システムクロックT0に対してリタイミングクロックF2が逆位相となるような場合に正常にリタイミングが行われる。このような位相関係が満足されることにより、例えば図2において、システムクロックT0の立ち上がりエッジ(信号変化)に対して、リタイミングクロックF2の立ち上がりエッジが、ホールドタイムおよびセットアップタイムを満足する。
【0027】
ところで、分周回路120は、フリップフロップ回路からなり、その負論理の出力を入力部に帰還させて構成されているため、電源投入の度に分周回路120の内部状態が異なる場合が起こり得る。このため、電源投入直後において、システムクロックT0〜T2に対するクロックF1,F1nの位相関係が確定されず、図2および図3にそれぞれ示すように、クロックF1,F1nの位相が逆になる場合があり、システムクロックに対するリタイミングクロックの位相を確定することができない。
【0028】
そこで、この実施の形態では、後述するように、システムクロックとリタイミングクロックとの間のタイミングエラーを検出して、クロックF1とクロックF1nのうち、システムクロックに対して適正な位相関係を有する何れかのクロックをセレクタ130により選択し直すことにより、適正なリタイミングを可能としている。
【0029】
以下、システムクロックとリタイミングクロックとの間のタイミングエラーを検出してリタイミングを行う点について詳細に説明する。
エラー検出回路140において、フリップフロップ回路143は、セレクタ130からのリタイミングクロックF2を用いて、システムクロック発生器10から供給されるシステムクロックT0をリタイミングし、論理積回路146に正論理入力として与える。
【0030】
また、フリップフロップ回路144は、同じくセレクタ130からのリタイミングクロックF2を用いて、固定遅延回路141によりホールドタイムThd 分だけ遅延されたシステムクロックT1をリタイミングする。このフリップフロップ回路144の出力信号Oが、システムクロック発生器10から供給されるシステムクロックT0が波形整形された信号として外部の同期回路150に出力される。さらに、フリップフロップ回路145は、同じくセレクタ130からのリタイミングクロックF2を用いて、固定遅延回路142によりセットアップタイムTsu 分だけ遅延されたシステムクロックT2をリタイミングし、論理積回路146に負論理入力として与える。
【0031】
ここで、図4にクロックF2−1として示すように、リタイミングクロックF2が、外部に出力される信号Oを与えるシステムクロックT1に対して同相である場合、クロックF2−1の立ち上がりエッジJ1でシステムクロックT0およびシステムクロックT2が、フリップフロップ回路143およびフリップフロップ回路145にそれぞれ取り込まれる。この結果、フリップフロップ回路143の出力信号がHレベルとなり、フリップフロップ回路145の出力信号がLレベルとなって、論理積回路146から出力されるエラーフラグOerr がHレベルとなる。
【0032】
すなわち、クロックF2−1のように、リタイミングクロックF2がシステムクロックT1と同相であり、且つリタイミングクロックF2の立ち上がりエッジが、システムクロックT1に対してホールドタイムおよびセットアップタイムの何れかに違反する時間位置(システムクロックT0の立ち上がりエッジとシステムクロックT2の立ち上がりエッジとの間の期間)にある場合、エラーフラグOerr がHレベルとなって、システムクロックT1に対するリタイミングクロックF2の位相が適正でないことが報知される。
【0033】
これに対し、図4にクロックF2−2として示すように、リタイミングクロックF2がシステムクロックT1に対して逆相である場合、クロックF2−2の立ち上がりエッジJ2では、フリップフロップ回路143およびフリップフロップ回路145の出力信号が共にHレベルとなり、論理積回路146から出力されるエラーフラグOerr がLレベルとなる。
【0034】
すなわち、クロックF2−2のように、リタイミングクロックF2がシステムクロックT1と逆相である場合には、エラーフラグOerr がLレベルとなって、リタイミングクロックF2の位相が適正であることが把握される。この場合、外部に出力される信号O(波形整形された信号)を与えるシステムクロックT1に対して、リタイミングクロックF2がセットアップタイムおよびホールドタイムを満足し、リタイミングが正しく行われる。
【0035】
ただし、上述のように、クロックF2−1を逆位相のクロックF2−2に切り替えて、クロックF2−2によりシステムクロックT1を適正にリタイミングするためには、クロックF2−1のエッジJ1とクロックF2−2のエッジJ2との時間間隔が、システムクロックT0の立ち上がりエッジとシステムクロックT2の立ち上がりエッジとの時間間隔(すなわちホールドタイムとセットアップタイムの和)よりも大きいこと(以下「第1の条件」と称す)と、システムクロックT1の周期とクロックF2−1,F2−2の周期とが整数比の関係にあること(以下「第2の条件」と称す)とが必要とされる。
【0036】
ここで、上述の第1の条件が満足されると、クロックF2−1の立ち上がりエッジに対してクロックF2−2が、ホールドタイムとセットアップタイムの和以上に離間するので、クロックF2−2は、システムクロックT1に対してホールドタイムおよびセットアップタイムを必然的に満足することとなる。また、上述の第2の条件が満足されると、システムクロックT1の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジの双方において、同様にホールドタイムおよびセットアップタイムが共に満足されることとなる。この実施の形態では、システムクロックT0と基準クロックF0の信号源が共通とし、この信号源の信号を整数比で分周または逓倍してシステムクロックと基準クロックを発生させている。これにより、システムクロックとリタイミングクロックの周期が整数比とされている。
【0037】
したがって、上述の第1および第2の条件を満足することにより、クロックF2−1を逆位相のクロックF2−2に切り替えることにより、システムクロックT1を適正にリタイミングすることが可能となる。
なお、リタイミングクロックF2を与えるクロックF2−1,F2−2のデューティ比は、50パーセントであることが好ましい。
【0038】
ところで、前述のようにエラーフラグOerr がHレベルとなり、システムクロックとリタイミングクロックとの間の位相関係が適正でない場合、図示しない制御回路によりクロック選択信号Sの信号レベルを反転させて(この例では、LレベルからHレベルに反転させる)、クロックF1とクロックF1nとのうち、それまで選択されていたクロック(この例ではクロックF1)に対して逆位相のクロック(この例ではクロックF1n)をセレクタ130により選択し直す。
【0039】
この結果、リタイミングクロックF2は、図6に示されるクロックF2−2に修正されて、それまでとは逆の位相に切り替えられ、システムクロックT1に対して適正な位相関係を有したものとなる。この位相の切り替え後、リタイミングクロックF2の位相は適正な位相となるので、エラーフラグOerr はLレベルに固定され、セットアップ・ホールドタイムを満たした適正なリタイミングが継続的に行われることとなる。
【0040】
以上により、分周回路120から出力されるクロックF1,F1nの位相が確定せず、システムクロックT0とリタイミングクロックF2との位相関係が不適切な場合が生じたとしても、リタイミングクロックF2の位相が切り替えられて、リタイミングが適正に行われる。
【0041】
上述した実施の形態によれば、多チャンネルの同期回路にシステムクロックT0が分配された場合であっても、同様に分配された基準クロックF0を2分周することで、リタイミングするのに十分なセットアップ・ホールドタイムを確保することができる。これにより、波形の劣化が一様でない多チャンネルの同期回路のシステムクロックを容易にリタイミングして波形整形することができる。
【0042】
以上、この発明の一実施の形態を説明したが、この発明は、この実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、上述の実施の形態では、分周回路120により基準クロックF0を2分周するものとしたが、これに限定されることなく、分周比を適宜設定すればよい。
【0043】
また、上述の実施の形態では、分周回路120により互いに逆位相の関係にある2つのクロックF1,F1nを生成し、セレクタ130により選択するものとしたが、これに限定されることなく、1つの分周クロックを生成した後に、このクロックから逆位相のクロックを発生させ、何れかの位相のクロックを出力するように構成してもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、基準クロックを分周し、分周されたクロックを用いてシステムクロックをリタイミングして外部に出力すると共に前記分周されたクロックと前記システムクロックとの間のタイミングエラーを検出し、タイミングエラーが検出された場合にクロックの位相を切り替えるようにしたので、各チャンネルの環境に左右されることなく、システムクロックと基準クロックとの間のタイミングを規定するセットアップタイムとホールドタイムとを、全チャンネル同時に確保することが可能となる。
【0045】
また、前記システムクロックをホールドタイム分だけ遅延させ、前記遅延されたシステムクロックをさらにセットアップタイム分だけ遅延させ、前記分周されたクロックに基づき前記システムクロックをリタイミングし、前記分周されたクロックに基づき前記ホールドタイム分だけ遅延されたシステムクロックをリタイミングして外部に出力し、前記分周されたクロックに基づきホールドタイムおよびセットアップタイム分だけ遅延されたシステムクロックをリタイミングし、前記システムクロックをリタイミングして得られる信号がHレベルであり且つホールドタイムおよびセットアップタイム分だけ遅延された前記システムクロックをリタイミングして得られる信号がLレベルである場合に、タイミングエラーが発生したことを示すエラーフラグを出力するようにしたので、前記分周されたクロックを用いてシステムクロックをリタイミングして外部に出力すると共に前記分周されたクロックと前記システムクロックとの間のタイミングエラーを検出することが可能となる。
【0046】
さらに、前記基準クロックを2分周して、互いに逆位相の関係にある第1および第2のクロックを出力し、前記タイミングエラーの検出結果に応じて前記第1および第2のクロックの何れかを選択して出力するようにしたので、クロックの位相を切り替えることが可能となる。
【0047】
さらにまた、前記システムクロックをリタイミングして得られる信号を正論理として入力すると共に、ホールドタイムおよびセットアップタイム分だけ遅延された前記システムクロックをリタイミングして得られる信号を負論理として入力する論理積回路を有するものとしたので、前記システムクロックをリタイミングして得られる信号がHレベルであって、且つホールドタイムおよびセットアップタイム分だけ遅延された前記システムクロックをリタイミングして得られる信号がLレベルの場合にエラーフラグを出力することが可能となる。
【0048】
さらにまた、前記システムクロックを波形整形して得られる信号として、ホールドタイム分だけ遅延された前記システムクロックをリタイミングして得られる信号を出力するようにしたので、この信号を基準としてホールドタイムおよびセットアップタイムのタイミングエラーを検出することが可能となる。
【0049】
さらにまた、前記システムクロックは、前記基準クロックと信号源を共通にするシステムクロック発生器により発生されたものとしたので、システムクロックの周期と基準クロックの周期とが整数比となる。したがってシステムクロックをリタイミングするクロックの位相を逆位相に切り替えることにより適正なリタイミングを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による波形整形回路の実施例の構成を示す回路ブロック図である。
【図2】 この発明による波形整形回路の各信号(F1がT0と逆相の場合)のタイムチャートである。
【図3】 この発明による波形整形回路の各信号(F1nがT0と逆相の場合)のタイムチャートである。
【図4】 この発明によるタイミングエラー検出回路の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図5】 従来の波形整形回路の構成を示す回路ブロック図である。
【図6】 従来の形整形回路の各信号のタイムチャートである。
【符号の説明】
10:システムクロック発生器
100−1〜100−n:チャンネル
110:波形整形回路
120:分周回路
130:セレクタ
140:エラー検出回路
150:同期回路
141,142:固定遅延器
143〜145:フリップフロップ回路
T0,T1,T2:システムクロック
F0:基準クロック
F1,F1n:クロック
F2:リタイミングクロック
S:クロック選択信号
O:信号(同期回路のシステムクロック)
Oerr:エラーフラグ
Claims (6)
- 所定の基準クロックを用いて任意のシステムクロックをリタイミングし、前記システムクロックを波形整形する波形整形回路であって、
前記基準クロックを分周する分周回路と、
前記分周回路により分周されたクロックを用いて前記システムクロックをリタイミングして外部に出力すると共に、前記分周回路により分周されたクロックと前記システムクロックとの間のタイミングエラーを検出するエラー検出回路と、
前記分周回路と前記エラー検出回路との間に設けられ、前記エラー検出回路によりタイミングエラーが検出された場合に、前記分周回路から前記エラー検出回路に与えられるクロックの位相を切り替える位相切替回路と、
を備えたことを特徴とする波形整形回路。 - 前記エラー検出回路は、
前記システムクロックをホールドタイム分だけ遅延させる第1の遅延回路と、
前記第1の遅延回路により遅延されたシステムクロックをさらにセットアップタイム分だけ遅延させる第2の遅延回路と、
前記位相切替回路を介して前記分周回路から与えられるクロックに基づき、前記システムクロックをリタイミングする第1のフリップフロップ回路と、
前記位相切替回路を介して前記分周回路から与えられるクロックに基づき、前記第1の遅延回路により遅延された前記システムクロックをリタイミングして外部に出力する第2のフリップフロップ回路と、
前記位相切替回路を介して前記分周回路から与えられるクロックに基づき、前記第1および第2の遅延回路により遅延された前記システムクロックをリタイミングする第3のフリップフロップ回路と、
前記第1および第3のフリップフロップ回路の各出力信号を入力し、前記第1のフリップフロップ回路の出力信号がHレベルであり、かつ前記第2のフリップフロップ回路の出力信号がLレベルである場合に、タイミングエラーが発生したことを示すエラーフラグを出力する論理回路と、
を有することを特徴とする請求項1に記載された波形整形回路。 - 前記分周回路は、前記基準クロックを2分周して、互いに逆位相の関係にある第1および第2のクロックを前記位相切替回路に出力し、
前記位相切替回路は、前記エラー検出回路の検出結果に応じて前記第1および第2のクロックの何れかを選択して前記エラー検出回路に出力することを特徴とする請求項1に記載された波形整形回路。 - 前記論理回路は、前記第1のフリップフロップ回路の出力信号を正論理として入力すると共に前記第3のフリップフロップ回路の出力信号を負論理として入力する論理積回路を有することを特徴とする請求項2に記載された波形整形回路。
- 前記システムクロックを波形整形して得られる信号として、前記第2のフリップフロップ回路の出力信号を出力することを特徴とする請求項2に記載された波形整形回路。
- 前記システムクロックは、前記基準クロックと信号源を共通にするシステムクロック発生器により発生されたことを特徴とする請求項1ないし5に記載された波形整形回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21820699A JP3968919B2 (ja) | 1999-07-30 | 1999-07-30 | 波形整形回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21820699A JP3968919B2 (ja) | 1999-07-30 | 1999-07-30 | 波形整形回路 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001042968A JP2001042968A (ja) | 2001-02-16 |
JP3968919B2 true JP3968919B2 (ja) | 2007-08-29 |
Family
ID=16716294
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21820699A Expired - Lifetime JP3968919B2 (ja) | 1999-07-30 | 1999-07-30 | 波形整形回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3968919B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5035119B2 (ja) * | 2008-05-30 | 2012-09-26 | 富士通セミコンダクター株式会社 | リタイミング回路及び分周システム |
-
1999
- 1999-07-30 JP JP21820699A patent/JP3968919B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001042968A (ja) | 2001-02-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8305119B2 (en) | Clock generation circuit | |
JPH07106958A (ja) | フェーズ・ロックド・ループ回路及びディジタル波形の同期方法 | |
JP2002290214A (ja) | デューティーサイクル補正回路 | |
JPH07202657A (ja) | ディジタル遅延線 | |
KR20090074412A (ko) | 분주회로 및 이를 이용한 위상 동기 루프 | |
JP3559785B2 (ja) | Pll回路及び位相差検出回路 | |
JP2976198B2 (ja) | クロック同期回路 | |
JP3678570B2 (ja) | 半導体集積回路 | |
US20020174374A1 (en) | High speed phase selector | |
KR100925393B1 (ko) | 반도체 메모리 장치의 도메인 크로싱 회로 | |
JP4079733B2 (ja) | 位相同期ループ回路 | |
JP3968919B2 (ja) | 波形整形回路 | |
JP3821825B2 (ja) | タイミング発生回路 | |
JP2005236549A (ja) | クロック信号切替回路 | |
US6359948B1 (en) | Phase-locked loop circuit with reduced jitter | |
JP2002366250A (ja) | クロック信号調整回路 | |
KR20110133781A (ko) | 듀티 검출기를 포함하는 듀티 보정 회로, 이를 포함하는 지연동기루프 회로 및 듀티 보정 방법 | |
KR20120027850A (ko) | 듀티 검출기를 포함하는 듀티 보정 회로, 이를 포함하는 지연동기루프 회로 및 듀티 보정 방법 | |
JP3786540B2 (ja) | タイミング制御回路装置 | |
JPH04316234A (ja) | クロック切替回路 | |
KR20080002590A (ko) | 지연고정 루프회로 | |
JP3797345B2 (ja) | 遅延調整回路 | |
JP2000224151A (ja) | 送信タイミング調整回路 | |
JP2004343291A (ja) | 位相調整回路 | |
JP3729041B2 (ja) | クロック補正回路 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20041001 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050301 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20050301 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070502 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070515 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070528 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3968919 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100615 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110615 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120615 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130615 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20170615 Year of fee payment: 10 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20170615 Year of fee payment: 10 |
|
S201 | Request for registration of exclusive licence |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R314201 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20170615 Year of fee payment: 10 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |