JP3968805B2 - Ccdイメージセンサの出力信号処理回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCDイメージセンサの出力信号処理回路に関し、特に複写機等の画像信号処理装置の画像入力部に用いて好適なCCDイメージセンサの出力信号処理回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、複写機等の画像信号処理装置としては、切り貼り、色補正等の各種の画像処理や編集等が自由に行えるという優れた特長を持つデジタル式のものが急速に普及している。その基本的な構成は、図16に示すように、原稿を読み取ってその画像情報を入力する画像入力部151と、この画像入力部151からの画像データに対して種々の処理を行う画像データ処理部152と、この画像データ処理部152からの画像データに応じた画像を形成して出力する画像出力部153とからなっている。
【0003】
そして、このデジタル式画像信号処理装置は、複写機能、ファックス機能、プリント機能といった複数の機能を複合しながら、より高速でかつ高画質な画像信号処理装置に移行しつつある。それに伴って画像入力部151も高速化され、原稿の読み取り速度は、従来は1分当たりA4で20〜30枚程度であったものから、近年では50〜60枚の機能を持つものが開発されつつある。
【0004】
画像入力部151を構成するCCDイメージセンサおよびその出力信号処理回路の動作周波数fは、CCDイメージセンサの総画素数をNとした場合、読み取り速度v、読み取り密度mとの間には次式の関係が成り立つ。
f=v×m×N
よって、画像入力部151を構成するCCDイメージセンサの出力信号処理回路の動作周波数fは、原稿の読み取り速度vに対しては比例、また読み取り密度mに対しては縦横方向の要素があるため2乗に比例する。
【0005】
したがって、例えば、原稿の読み取り速度vを1分当たりA4で30枚から60枚に上げるためには、画像処理の動作周波数fを2倍に、また読み取り密度mを1インチ当たり400画素から600画素に高精細化するには画像処理の動作周波数を2.25倍にする必要がある。このように、画像信号処理装置におけるCCDイメージセンサの出力信号処理回路には動作周波数fの高速化が今後ますます求められる。
【0006】
以下、画像信号処理装置の画像入力部151を構成する一般的なCCDイメージセンサの出力信号処理回路について説明する。図17は、CCDイメージセンサの出力信号処理回路の従来例を示すブロック図である。図17において、CCDイメージセンサ201、その駆動信号発生回路202および出力バッファアンプ203等を含むCCD駆動部200は、センサの傾き、スキュー、MTF(Modulation Transfer Function)等の光学的な位置調整が必要なために、その出力信号処理回路部300とは基板が分離された構成を採る場合が一般的である。
【0007】
通常、CCDイメージセンサ201を駆動するためには、転送クロックφ1,φ2、リセットパルスφRS、シフトパルスφSH、最終段転送パルスφ2Bを駆動信号発生回路202から供給する。光源401の照射光に基づく原稿402からの反射光は、CCDイメージセンサ201の撮像エリアに入射することにより、このCCDイメージセンサ201で電気信号に変換され、出力バッファ202および伝送線路403を経て出力信号処理回路部300に送られる。
【0008】
出力信号処理回路部300は、CDS(相関二重サンプリング)回路301、S/H(サンプルホールド)回路302、ゲイン調整回路303、DC調整回路304、ADC(アナログ/デジタル変換)回路305、明時補正回路306、ギャップ補正回路307、クロック発生回路308、DAC(デジタル/アナログ変換)回路309およびラインメモリ310によって構成されている。
【0009】
次に、上記構成の出力信号処理回路部300の回路動作について説明する。出力信号処理回路部300において、CCDイメージセンサ201の出力信号(以下、単にCCD出力信号と称する)を、CDS回路301によってそのフィードスルー期間をクランプした後に出力することで、CCD出力信号に重畳した1/fノイズやkTCノイズ(リセットノイズ)が低減される。その後、S/H回路302において、信号出力期間をサンプリングすることによってリセット・フィードスルー成分を除き、信号成分だけを取り出す。
【0010】
そして、ゲイン調整回路303でR(赤),G(緑),B(青)それぞれの入力信号の大きさを合わせ、DC調整回路304でDCレベルを合わせた後ADC回路305でデジタル値に変換する。このデジタル信号に対して明時補正回路306でシェーディング補正処理が行われる。原稿読み取り部(図示せず)には標準白色板が設けられており、シェーディング補正ではこの標準白色板の読み取り情報を用いて処理が行われる。標準白色板は光学濃度0.07の白色板であり、これを読み取ったときの値Aを各画素ごとに記憶する。
【0011】
ここで、原稿402を読み取ったときの値をX、DCオフセットレベルをBとすると、この明時補正回路306では、次式に基づく演算処理が行われる。
X′=255(X−B)/(A−B)
ただし、デジタル信号は8ビットであり、最大値は255である。このようにシェーディング補正されたR,G,B信号は、ギャップ補正回路307でR,G,Bのレジストレーション補正された後、図16の画像データ処理部152へ送られる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
これらの回路動作に必要なCDSやサンプルホールドなどのデータのサンプルパルスは、すべてクロック発生回路308で発振器(図示せず)の発振クロックやCCD出力信号から検出したリセットパルスを基準にして分周、反転、遅延、論理演算することによって生成されていた(例えば、特開平5−83645号公報参照)。したがって、高速動作時にはその際に使用する演算素子の遅延ばらつきのため、その遅延ばらつきがサンプルパルスのタイミング要求仕様を上回ってしまい、製品出荷時に個別に調整するなどの作業が必要であった。
【0013】
50MHzでの動作を例に採ると、並列2出力タイプのCCDイメージセンサ201の場合は、1出力当たり25MHzの動作周波数となり、1クロック期間は40nsとなる。このうちの信号出力期間は50%デューティのクロックでドライブすると仮定すると半分の20ns、さらにこの期間のうちデータ確定期間はさらに半分の10ns程度となる。このデータをサンプリングするためには、サンプルパルスの位相精度は±5ns以上が要求される。さらに、CDS回路301では、リセット後のフィードスルー期間は5ns程度となるため、サンプルパルスの位相精度は±2.5ns以上が要求される。
【0014】
このように、データのサンプルパルスを、発振器の発振クロックあるいはCCD出力信号から検出したリセットパルスを基に、分周、反転、遅延、論理演算あるいは信号伝送のためのバッファ素子の組み合わせで生成した場合には、各々の半導体素子のもつ遅延時間のばらつきが原因となり、高速動作時での位相要求精度の実現が困難であった。
【0015】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、信号処理の動作周波数が高くなっても、温度特性や半導体のばらつきに起因する遅延時間のばらつきに対してサンプルパルスの位相要求精度の実現を可能としたCCDイメージセンサの出力信号処理回路を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明によるCCDイメージセンサの出力信号処理回路は、CCDイメージセンサを駆動する駆動パルスを入力とし、この駆動パルスに基づいてCCDイメージセンサの出力信号をサンプリングするためのタイミングパルスを発生するタイミングパルス発生手段を備え、前記駆動パルスがCCDイメージセンサにおける電荷転送部の最終段ゲートを駆動するパルスである構成となっている。
【0017】
上記構成のCCDイメージセンサの出力信号処理回路において、タイミングパルス発生手段は、CCDイメージセンサを駆動する駆動パルス、具体的には電荷転送部の最終段ゲートを駆動するパルスに基づいてCCDイメージセンサの出力信号をサンプリングするためのタイミングパルスを発生する。そして、このタイミングパルスに基づいてCCDイメージセンサの出力信号に対する信号処理を行う。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態を示すブロック図である。
【0021】
図1において、CCD駆動部10は、CCDイメージセンサ11と、その駆動信号を発生する駆動信号発生回路12と、出力バッファ13と、CCDイメージセンサ11と出力バッファ13との間に接続されたカップリングコンデンサ14とを有し、センサの傾き、スキュー、MTF等の光学的な位置調整を可能とするために、出力信号処理回路部20とは基板が分離された構成となっている。駆動信号発生回路12は、発振器31の発振クロックに基づいてCCDイメージセンサ11を駆動するための各種のタイミング信号を発生する。CCD駆動部10の出力信号は、伝送線路32によって出力信号処理回路部20に伝送される。
【0022】
出力信号処理回路部20は、入力バッファ21、ラインクランプ回路22、CDS回路23、S/H回路24、AGC(オート・ゲイン・コントロール)回路25、AOC(オート・オフセット・コントロール)回路26、A/D(アナログ/デジタル)変換回路27およびシェーディング補正回路28から構成されている。ラインクランプ回路22には、ラインクランプパルス発生回路33で発生されるラインクランプパルスが与えられる。ラインクランプパルス発生回路33は、発振器31から与えられる基準クロックに基づいてラインクランプパルスを発生する。
【0023】
ラインクランプ回路22の出力信号は、リセットパルス再生回路34に供給される。リセットパルス再生回路34は、CCDイメージセンサ11の出力信号中に含まれるリセットパルスを検出(再生)する。CDS回路23およびS/H回路24には、パルス発生回路35で発生されるCDSクランプパルスおよびサンプルパルスがそれぞれ与えられる。パルス発生回路35は、遅延時間切替え回路36で所定の遅延時間だけ遅延されて与えられる発振器31の基準クロックに基づいてCDSクランプパルスおよびサンプルパルスとともに、CCDイメージセンサ11の出力信号のリセット期間に対応した基準パルスを発生する。
【0024】
リセットパルス再生回路34で検出されたリセットパルスおよびパルス発生回路35で発生された基準パルスは、位相差検出回路37の2入力となる。この位相差検出回路37は、リセットパルスと基準パルスとの位相差を検出し、その位相差に比例した直流成分を持つ電圧を出力する。この位相差検出回路37から出力される直流電圧は、A/D(アナログ/デジタル)変換回路38で量子化されてCPU(中央演算装置)39に供給される。CPU39は、LUP(ルック・アップ・テーブル)40に格納された位相差検出回路37の検出電圧対位相差のテーブルを参照しつつ遅延時間切替え回路36を切替え制御する。
【0025】
なお、上述した発振器31、ラインクランプパルス発生回路33、リセットパルス再生回路34、パルス発生回路35、遅延時間切替え回路36、位相差検出回路37、A/D変換回路38、CPU39およびLUT40は、出力信号処理回路部20と同一の基板上に搭載されるものとする。ただし、発振器31については、CCD駆動部10および出力信号処理回路部20の双方の基板に独立に搭載するようにしても良い。これによれば、CCD駆動部10と出力信号処理回路部20との間でクロックを伝送する伝送線路が不要となるため、放射ノイズ対策上有利となる。
【0026】
上記構成の出力信号処理回路部20において、CDS回路23としては、クランプ方式のものや、サンプルホールドによる減算方式のものが知られている。一例として、図2に示すクランプ方式のCDS回路を例に採って説明する。図2において、CCD出力信号は抵抗R1の一端に印加される。抵抗R1の他端はバイポーラトランジスタQ1のベースに接続されている。バイポーラトランジスタQ1のコレクタは正電源Vccに接続され、そのエミッタは抵抗R2を介して接地されている。
【0027】
バイポーラトランジスタQ1のエミッタにはコンデンサC1の一端が接続されており、その他端はFETQ2のゲートに接続されている。コンデンサC1の他端(FETQ2のゲート)とグランドとの間には、スイッチSWおよびコンデンサC2が直列に接続されている。スイッチSWおよびコンデンサC2の共通接続点Pには、抵抗R3,R4による分圧電圧が印加されている。この抵抗R3,R4は、正電源Vccとグランドとの間に直列に接続されている。
【0028】
FETQ2のドレインは正電源Vccに接続され、そのソースは抵抗R5を介して負電源Veeに接続されている。FETQ2のソースには、バイポーラトランジスタQ3のベースが接続されている。バイポーラトランジスタQ3のコレクタは正電源Vccに接続され、そのエミッタは抵抗R6を介して負電源Veeに接続されている。そして、バイポーラトランジスタQ3のエミッタから、CDS出力が導出される。
【0029】
図3に、CDS回路23の入力信号であるCCD出力信号、CDS回路23のクランプパルスおよびCCDイメージセンサ11に与えられるリセットパルスφRSのタイミング関係を示す。CDS回路23のクランプパルスは、CCD出力信号のフィードスルー期間に発生される。
【0030】
遅延時間切替え回路36は、図4に示すように、例えば所定の単位遅延時間を持つ遅延素子を複数段直列に接続してなる遅延線41と、この遅延線41の各段から得られる単位遅延時間だけ順に遅れた複数の遅延クロックを入力とし、CPU39による切替え制御によって任意の遅延時間を持った遅延クロックを出力するスイッチ群42とから構成されている。なお、この遅延時間切替え回路36の構成は一例に過ぎず、これに限定されるものではない。すなわち、本例では、スイッチングによって遅延時間を段階的に制御するとしたが、例えば、正弦波出力の発振器を用いて遅延時間を連続的に制御する構成のものであっても良い。
【0031】
図5は、パルス発生回路35の構成の一例を示すブロック図である。図5において、遅延時間切替え回路36からの遅延クロックを入力クロックφ1とし、この入力クロックφ1を一定の遅延時間だけ順に遅らせて得られる例えば4つの遅延出力φ2,φ3,φ4,φ5を生成する遅延回路43が設けられている。そして、入力クロックφ1と遅延出力φ3との論理積がANDゲート44でとられることで基準パルスが生成されるとともに、遅延出力φ3がそのままA/Dパルスとなる。
【0032】
また、遅延出力φ2と遅延出力φ4との論理積がANDゲート45でとられることでクランプパルスが生成され、遅延出力φ4と遅延出力φ5との論理積がANDゲート46でとられることでS/Hパルスが生成される。ANDゲート44〜46は、外部からイネーブル(EN)パルスが与えられることによってゲート開状態となる。基準パルスは位相差検出回路37に、A/DパルスはA/D変換回路27に、クランプパルスはCDS回路23に、S/HパルスはS/H回路24にそれぞれ供給される。
【0033】
上記構成のパルス発生回路35は、遅延回路43および少数のANDゲート44〜46の組み合わせ回路であるため、同一集積回路内に構成することで、各タイミングパルス間の位相関係をほぼ一定に設定できる。図6に、入力クロックφ1、遅延出力φ2〜φ5、基準パルス、クランプパルス、S/HパルスおよびA/Dパルスのタイミング関係を示す。
【0034】
図6のタイミングチャートから明らかなように、入力クロックφ1に対して遅延出力φ2,φ3,φ4,φ5がある一定の遅延時間τだけ順に遅延され、また基準パルスは遅延出力φ1と遅延出力φ3が共に“H”レベルの期間で、クランプパルスは遅延出力φ2と遅延出力φ4が共に“H”レベルの期間で、S/Hパルスは遅延出力φ4と遅延出力φ5が共に“H”レベルの期間でそれぞれ発生される。
【0035】
図7は、位相差検出回路37の一例を示す回路図である。図7において、エミッタが共通接続された差動対トランジスタQ11,Q12、同様にエミッタが共通接続された差動対トランジスタQ13,Q14が設けられている。これら差動対トランジスタQ11〜Q14のうち、トランジスタQ11,Q13の各ベースが(+)入力端子IN11に共通に接続され、トランジスタQ12,Q14の各ベースが(−)入力端子IN12に接続されている。
【0036】
これら入力端子IN11,IN12間には、リセットパルス再生回路34で検出されたリセットパルスが与えられる。トランジスタQ11,Q13の各コレクタは抵抗R11,R12を介して正電源Vccに接続されるとともに、出力端子OUT1,OUT2に接続されている。これら出力端子OUT1,OUT2からは、検出した位相差に応じた出力電圧Voutが導出される。
【0037】
さらに、エミッタが共通接続された差動対トランジスタQ15,Q16が設けられており、トランジスタQ15のコレクタは差動対トランジスタQ11,Q12のエミッタ共通接続点に、トランジスタQ16のコレクタは差動対トランジスタQ13,Q14のエミッタ共通接続点にそれぞれ接続されている。そして、トランジスタQ15のベースは(+)入力端子IN21に、トランジスタQ16のベースは(−)入力端子IN22にそれぞれ接続されている。
【0038】
これら入力端子IN21,IN22間には、パルス発生回路35から供給される基準パルスが与えられる。差動対トランジスタQ15,Q16のエミッタ共通接続点と負電源Veeとの間には電流源Iが接続されている。
【0039】
次に、上記構成の第1実施形態に係る出力信号処理回路の回路動作について、図8のタイミングチャートを参照しつつ説明する。
【0040】
先ず、CCD駆動部10において、駆動信号発生回路12では、発振器31の発振クロックに基づいてCCDイメージセンサ11を駆動するためのCCDクロック(転送クロック)φ1,φ2等の各種のタイミング信号が生成される。そして、これらのタイミング信号に基づいてCCDイメージセンサ11が駆動されることで、このCCDイメージセンサ11から画像信号が出力される。この画像信号は、カップリングコンデンサ14、出力バッファ13および伝送線路32を介して出力信号処理回路部20に送られる。
【0041】
出力信号処理回路部20において、ラインクランプ回路22では、CCD駆動部10から供給される画像信号の1ライン出力ごとに、遮蔽画素期間(黒基準)の直流電位を所定のクランプ電位Vclmpに固定するラインクランプ動作が行われる。クランプ後の信号はCDS回路23およびリセットパルス再生回路34に供給される。リセットパルス再生回路34では、ラインクランプ回路22のクランプ出力を所定の基準電圧Vrefと比較することで、画像信号中に含まれるリセットパルスの検出が行われる。
【0042】
ここで、画像出力波形に重畳するリセットパルスのノイズ成分は約500mV程度であるので、リセットパルス再生回路34では、その基準電位Vrefをクランプ電位Vclmpよりも250mV程度高い電圧に設定し、この基準電位Vrefと画像出力を比較することで、リセットパルスをその比較出力波形として検出することができる。このリセットパルスは、位相差検出回路37の一方の入力となる。位相差検出回路37は、基準パルス発生回路35から出力される基準パルスを他方の入力とする。
【0043】
図9に、位相差検出回路37の2入力および検出出力の拡大波形を示す。この位相差検出回路37は、リセットパルスと基準パルスとの位相差を検出し、その位相差に比例した直流成分を持つ電圧を出力する。このリセットパルスと基準パルスとの位相差に応じた直流電圧はA/D変換回路38で量子化される。その量子化された位相差データはCPU39に与えられる。CPU39は、LUP40に格納された位相差検出回路37の検出電圧対位相差のテーブルを参照し、リセットパルスと基準パルスとの位相差を打ち消すのに最適な遅延時間を設定すべく遅延時間切替え回路36を制御する。
【0044】
遅延時間切替え回路36では、図4において、CPU39によってスイッチ群42中の任意のスイッチが選択されることで、遅延線41でその選択されたスイッチに対応する遅延時間だけ遅延された基準クロックが得られる。この基準クロックに基づいて各種のタイミングパルスを発生するパルス発生回路35では、基準クロックの遅延時間、即ち位相が制御されることで、各タイミングパルス間のスキューばらつきは最小のまま画像信号と各サンプリングパルスとの相対的な位相を調整することができる。
【0045】
上述したように、CCDイメージセンサ11の出力信号中に含まれるリセットパルスをリセットパルス再生回路34で検出するとともに、そのリセットパルスと基準パルスとの位相差を位相差検出回路37で検出し、その検出結果に基づいて当該位相差がゼロになるようにパルス発生回路35に与えられる基準クロックの位相を制御することで、CCDイメージセンサ11から出力される画像信号とCDSやサンプルホールドなどのデータのサンプルパルスとの位相関係を一定に維持できる。
【0046】
これにより、正確なサンプリングを実現できるとともに、高速読み取りあるいは高精細読み取りへの移行に伴って信号処理の動作周波数が高くなっても、温度特性や半導体のばらつきに起因する遅延時間のばらつきに対してサンプルパルスの位相要求精度を実現できる。なお、このタイミングパルスの位相調整は、パワーオン後の特定の動作モードにおいて定期的に行われる。その結果、CCDイメージセンサ11から出力される画像信号とサンプルパルスとの位相関係を、経年変化の影響を受けることなく常に一定に維持できる。
【0047】
図10は、本発明の第2実施形態を示すブロック図である。図10において、CCD駆動部50は、CCDイメージセンサ51と、その駆動信号を発生する駆動信号発生回路52と、出力バッファ53と、CCDイメージセンサ51と出力バッファ53との間に接続されたカップリングコンデンサ54とを有し、センサの傾き、スキュー、MTF等の光学的な位置調整を可能とするために、出力信号処理回路部60とは基板が分離された構成となっている。駆動信号発生回路52は、発振器71の発振クロックに基づいてCCDイメージセンサ51を駆動するための各種のタイミング信号を発生する。CCD駆動部50の出力信号は、伝送線路72によって出力信号処理回路部60に伝送される。
【0048】
出力信号処理回路部60は、入力バッファ61、ラインクランプ回路62、CDS回路63、S/H回路64、AGC回路65、AOC回路66、A/D変換回路67およびシェーディング補正回路68から構成されている。ラインクランプ回路62には、ラインクランプパルス発生回路73で発生されるラインクランプパルスが与えられる。ラインクランプパルス発生回路73は、発振器71から与えられる基準クロックに基づいてラインクランプパルスを発生する。
【0049】
CDS回路63、S/H回路64およびA/D変換回路67には、パルス発生回路75で発生されるCDSクランプパルス、サンプルパルスおよびA/Dパルスがそれぞれ与えられる。パルス発生回路75は、遅延時間切替え回路76で所定の遅延時間だけ遅延されて与えられる発振器71の基準クロックに基づいてCDSクランプパルス、サンプルパルスおよびA/Dパルスとともに、CCDイメージセンサ51の出力信号のリセット期間に対応した基準パルスを発生する。このパルス発生回路75としては、第1実施形態の場合と同様に、図5に示す如き構成のものが用いられる。
【0050】
AGC回路65はラインクランプ回路62と共に、タイミングパルスの位相調整のための特定の動作モードにおいて、画像信号からリセットパルスを検出するリセットパルス検出手段を構成している。このAGC回路65で検出されたリセットパルスおよびパルス発生回路75で発生された基準パルスは、位相差検出回路77の2入力となる。位相差検出回路77は、リセットパルスと基準パルスとの位相差を検出し、その位相差に比例した直流成分を持つ電圧を出力する。この位相差検出回路77としては、第1実施形態の場合と同様に、図7に示す如き構成のものが用いられる。
【0051】
この位相差検出回路77から出力される直流電圧は、AOC回路66を経由してA/D変換回路67に供給され、このA/D変換回路67で量子化される。その量子化された位相差データは、シェーディング補正回路68を経由してCPU78に供給される。CPU78は、LUP79に格納された位相差検出回路77の検出電圧対位相差のテーブルを参照しつつ遅延時間切替え回路76を切替え制御する。遅延時間切替え回路76としては、第1実施形態の場合と同様に、図4に示す如き構成のものが用いられる。
【0052】
なお、上述した発振器71、ラインクランプパルス発生回路73、パルス発生回路75、遅延時間切替え回路76、位相差検出回路77、CPU78およびLUT79は、出力信号処理回路部60と同一の基板上に搭載されるものとする。ただし、発振器71については、CCD駆動部50および出力信号処理回路部60の双方の基板に独立に搭載するようにしても良い。これによれば、CCD駆動部50と出力信号処理回路部60との間でクロックを伝送する伝送線路が不要となるため、放射ノイズ対策上有利となる。
【0053】
次に、上記構成の第2実施形態に係る出力信号処理回路において、タイミングパルスの位相調整を行い手順について、図11のフローチャートにしたがって図12のタイミングチャートを参照しつつ説明する。
【0054】
このタイミングパルスの位相調整のための動作は、パワーオン後の特定の動作モードで実行される。このとき、光源は点灯状態であっても消灯状態であっても良いが、本実施形態では消灯状態とする(ステップS1)。そして、ラインクランプ回路62のクランプ電位Vclmpをグランドレベル(0V)に切り替える(ステップS2)。次に、パルス発生回路75に与えるイネーブル(EN)パルス(図5を参照)を“L”レベルに設定し(ステップS3)、CDS回路63のクランプパルスおよびS/H回路64のサンプルパルスの発生を停止させる。
【0055】
次に、リセットパルスのフィードスルー成分は通常500mV程度であることから、これを約5V程度まで増幅するためにAGC回路65のゲインを10に設定する(ステップS4)。次いで、AOC回路66の電圧をA/Dリファレンス電圧の下限である最低値に設定する(ステップS5)。以上のステップS1〜S5の作業の終了後、発振器71からCCDイメージセンサ51を駆動するための駆動信号発生回路52に発振クロックを供給する(ステップS6)。以下、タイミングパルスの位相調整を行うための実際の処理が行われる。
【0056】
発振器71から発振クロックが供給されると、駆動信号発生回路52では、その発振クロックに基づいてCCDイメージセンサ51を駆動するためのCCDクロック(転送クロック)φ1,φ2等の各種のタイミング信号が生成される。そして、これらのタイミング信号に基づいてCCDイメージセンサ51が駆動されることで、このCCDイメージセンサ51から画像信号が出力される。この画像信号は、カップリングコンデンサ54、出力バッファ53および伝送線路72を介して出力信号処理回路部60に送られる。
【0057】
出力信号処理回路部60において、ラインクランプ回路62では、CCD駆動部50から供給される画像信号の1ライン出力ごとに、遮蔽画素期間(黒基準)の直流電位を所定のクランプ電位Vclmpに固定するラインクランプ動作が行われる。このときのクランプ電位Vclmpはグランドレベルに固定されているため、クランプ動作によって画像信号成分がカットされ、リセットパルスおよびフィードスルー成分だけが取り出される。
【0058】
その後、CDS回路63およびS/H回路64を動作させると、リセットノイズがキャンセルされてしまうため、CDS回路63のクランプパルスおよびS/H回路64のサンプルパルスの発生を停止させた状態を維持し、信号を処理せずにそのまま通過させる。そして、S/H回路64の出力をAGC回路65で規定のレベルまで増幅させた後、位相差検出回路77に入力する。AGC回路65のAGC出力は、ラインクランプ回路62でのクランプ動作によって取り出されたリセットパルスが増幅されたものとなる。
【0059】
図13に、位相差検出回路77の2入力および検出出力の拡大波形を示す。この位相差検出回路77は、リセットパルスと基準パルスとの位相差を検出し、その位相差に比例した直流成分を持つ電圧を出力する。このリセットパルスと基準パルスとの位相差に応じた位相差検出回路77の出力電圧は、AOC回路66を経由してA/D変換回路67に供給され、このA/D変換回路67で量子化される。その量子化された位相差データは、シェーディング補正回路68内のメモリ(シェーディングメモリ)に格納される(ステップS7)。
【0060】
CPU79は、シェーディングメモリに格納された位相差データを参照することで、位相差検出回路77の出力電圧が許容値以下であるか否かを判断し(ステップS8)、許容値以下でなければ、LUP79に格納された位相差検出回路77の検出電圧対位相差のテーブルを参照し、リセットパルスと基準パルスとの位相差を打ち消すのに最適な遅延時間を設定すべく遅延時間切替え回路76を制御する(ステップS9)。
【0061】
遅延時間切替え回路76では、図4において、CPU78によってスイッチ群42中の任意のスイッチが選択されることで、遅延線41でその選択されたスイッチに対応する遅延時間だけ遅延された基準クロックが得られる。この基準クロックに基づいて各種のタイミングパルスを発生するパルス発生回路75では、基準クロックの遅延時間、即ち位相が制御されることで、各タイミングパルス間のスキューばらつきは最小のまま画像信号と各サンプリングパルスとの位相を調整することができる。
【0062】
上述したように、CCDイメージセンサ51の出力信号中に含まれるリセットパルスと基準パルスとの位相差を検出し、その検出結果に基づいて当該位相差がゼロになるように基準クロックの位相を制御するようにしたことで、CCDイメージセンサ51から出力される画像信号とCDSやサンプルホールドなどのデータのサンプルパルスとの位相関係を一定に維持できるので、正確なサンプリングを実現できるとともに、高速読み取りあるいは高精細読み取りへの移行に伴って信号処理の動作周波数が高くなっても、温度特性や半導体のばらつきに起因する遅延時間のばらつきに対してサンプルパルスの位相要求精度を実現できる。
【0063】
これに加え、本実施形態では、リセットパルスを検出するに当たり、特定の動作モードにおいて、ラインクランプ回路62のクランプ電位Vclmpをグランドレベルに切り替えるとともに、CDS回路63へのクランプパルスの供給およびS/H回路64へのサンプルパルスの供給を停止させ、リセットパルスをAGC回路65のAGC出力として導出し、AGC回路65をリセットパルスの検出に兼用するようにしたことで、第1実施形態の場合のように、リセットパルスを検出するための専用のリセットパルス再生回路34を設ける必要がないため、回路構成を簡略化できる。
【0064】
さらに、リセットパルスと基準パルスとの位相差に応じた位相差検出回路77の出力電圧を、AOC回路66を経由してA/D変換回路67に供給し、このA/D変換回路67を当該出力電圧の量子化に兼用するようにしたことで、第1実施形態の場合のように、リセットパルスと基準パルスとの位相差に応じた電圧を量子化するための専用のA/D変換回路38を設ける必要がないため、回路構成をさらに簡略化できる。
【0065】
図14は、本発明の第3実施形態を示すブロック図である。先述した第1,第2実施形態では、CCDイメージセンサから出力される画像信号中に含まれるリセットパルスと基準パルスとの位相差に基づいて、各種のタイミングパルスを発生するパルス発生回路37,75に与えられる基準クロックの位相を制御することで、画像信号とサンプルパルスとの位相関係を一定に維持するのに対して、第3実施形態においては、リセットパルスと基準パルスとの位相差に基づいて画像信号の位相を制御することで、画像信号とサンプルパルスとの位相関係を一定に維持するようにしている。
【0066】
図14において、CCD駆動部80は、CCDイメージセンサ81と、その駆動信号を発生する駆動信号発生回路82と、出力バッファ83と、CCDイメージセンサ81と出力バッファ83との間に接続されたカップリングコンデンサ84とを有し、センサの傾き、スキュー、MTF等の光学的な位置調整を可能とするために、出力信号処理回路部90とは基板が分離された構成となっている。
【0067】
駆動信号発生回路82は、遅延時間切替え回路106を介して供給される発振器101の発振クロックに基づいてCCDイメージセンサ81を駆動するための各種のタイミング信号を発生する。遅延時間切替え回路106としては、第1,第2実施形態の場合と同様に、図4に示す如き構成のものが用いられる。CCD駆動部80の出力信号は、伝送線路102によって出力信号処理回路部90に伝送される。
【0068】
出力信号処理回路部90は、入力バッファ91、ラインクランプ回路92、CDS回路93、S/H回路94、AGC回路95、AOC回路96、A/D変換回路97およびシェーディング補正回路98から構成されている。ラインクランプ回路92には、ラインクランプパルス発生回路103で発生されるラインクランプパルスが与えられる。ラインクランプパルス発生回路103は、発振器101から与えられる基準クロックに基づいてラインクランプパルスを発生する。
【0069】
ラインクランプ回路92の出力信号は、リセットパルス再生回路104に供給される。リセットパルス再生回路104は、CCDイメージセンサ81の出力信号中に含まれるリセットパルスを検出(再生)する。CDS回路93およびS/H回路94には、パルス発生回路105で発生されるCDSクランプパルスおよびサンプルパルスがそれぞれ与えられる。パルス発生回路105は、発振器101から与えられる基準クロックに基づいてCDSクランプパルスおよびサンプルパルスとともに、CCDイメージセンサ81の出力信号のリセット期間に対応した基準パルスを発生する。このパルス発生回路105としては、第1,第2実施形態の場合と同様に、図5に示す如き構成のものが用いられる。
【0070】
リセットパルス再生回路104で検出されたリセットパルスおよびパルス発生回路105で発生された基準パルスは、位相差検出回路107の2入力となる。位相差検出回路107は、リセットパルスと基準パルスとの位相差を検出し、その位相差に比例した直流成分を持つ電圧を出力する。この位相差検出回路107としては、第1,第2実施形態の場合と同様に、図7に示す如き構成のものが用いられる。位相差検出回路107から出力される直流電圧は、A/D変換回路108で量子化されてCPU109に供給される。CPU109は、LUP110に格納された位相差検出回路107の検出電圧対位相差のテーブルを参照しつつ遅延時間切替え回路106を切替え制御する。
【0071】
なお、上述した発振器101、ラインクランプパルス発生回路103、リセットパルス再生回路104、パルス発生回路105、遅延時間切替え回路106、位相差検出回路107、CPU108およびLUT109は、出力信号処理回路部90と同一の基板上に搭載されるものとする。ただし、発振器101については、CCD駆動部80および出力信号処理回路部90の双方の基板に独立に搭載するようにしても良い。これによれば、CCD駆動部80と出力信号処理回路部90との間でクロックを伝送する伝送線路が不要となるため、放射ノイズ対策上有利となる。
【0072】
上記構成の第3実施形態に係る出力信号処理回路において、CCDイメージセンサ81から出力される画像信号中に含まれるリセットパルスを検出し、そのリセットパルスと基準パルスとの位相を比較し、その位相差を検出するまでの基本的な回路動作は第1実施形態の場合のそれと同じである。異なるのは、CCD駆動部80と発振器101との間に遅延時間切替え回路106を設け、これをリセットパルスと基準パルスとの位相差に基づいて制御することで、CCD駆動部80中の駆動信号発生回路82に発振器101から与えられる基準クロックの位相を制御するようにした点である。
【0073】
このように、CCDイメージセンサ81から出力される画像信号中に含まれるリセットパルスと基準パルスとの位相差を検出し、その検出結果に基づいて当該位相差がゼロになるように駆動信号発生回路82に与えられる基準クロックの位相を制御することによっても、画像信号とCDSやサンプルホールドなどのデータのサンプルパルスとの位相関係を一定に維持できるため、第1,第2実施形態の場合と同様に、正確なサンプリングができるとともに、高速読み取りあるいは高精細読み取りへの移行に伴って信号処理の動作周波数が高くなっても、温度特性や半導体のばらつきに起因する遅延時間のばらつきに対してサンプルパルスの位相要求精度を実現できる。
【0074】
図15は、本発明の第4実施形態を示すブロック図である。図15において、CCD駆動部120は、CCDイメージセンサ121、その駆動信号を発生する駆動信号発生回路122、CCDイメージセンサ121から出力される画像信号を外部に導出する出力バッファ123などを有し、センサの傾き、スキュー、MTF等の光学的な位置調整を可能とするために、出力信号処理回路部130とは基板が分離された構成となっている。CCD駆動部120から出力される画像信号は、伝送線路141によって出力信号処理回路部130に伝送される。
【0075】
CCD駆動部120において、駆動信号発生回路122からは、例えば、電荷転送部を駆動するための転送クロックφ1,φ2、撮像部で光電変換された信号電荷を電荷転送部へシフトするためのシフトパルスφSH、信号電荷を信号電圧に変換する電荷電圧変換部をリセットするためのリセットパルスφRS、電荷転送部の最終段ゲートを駆動するための最終段転送パルスφ2Bなどの各駆動パルスが出力される。
【0076】
これら駆動パルスのうち、転送クロックφ1,φ2はバッファ124,125を介して、シフトパルスφSHはバッファ126を介して、リセットパルスφRSはバッファ127を介して、最終段転送パルスφ2Bはバッファ128を介してCCDイメージセンサ121の各駆動対象部分に与えられる。最終段転送パルスφ2Bはさらに、バッファ129を介して外部にも出力される。
【0077】
出力信号処理回路部130は、入力バッファ131、CDS回路132、S/H回路133、AGC回路134、AOC135、A/D変換回路136、シェーディング補正回路137、バッファ138、パルス発生回路139および発振器140から構成されている。CDS回路132、S/H回路133およびA/D変換回路136には、パルス発生回路139で発生される各タイミングパルスが与えられる。
【0078】
パルス発生回路139は、CCD駆動部120から伝送線路142によって伝送され、バッファ138を介して供給される最終段転送パルスφ2Bに基づいてCDS回路132、S/H回路133およびA/D変換回路136に与えるためのタイミングパルスを生成する。このパルス発生回路139としては、第1〜第3実施形態の場合と同様に、図5に示す如き構成のものが用いられる。図5において、入力クロックφ1として最終段転送パルスφ2Bが用いられる。ただし、基準パルスの生成は行われない。
【0079】
この出力信号処理回路部130において、上述した信号処理系では最終段転送パルスφ2Bに基づいてパルス発生回路139で生成されたタイミングパルスに基づいて処理動作が行われるのに対して、他の信号処理系では発振器140の発振クロックに基づいて処理動作が行われる。発振器140の発振クロックはさらに、伝送線路143によってCCD駆動部120に伝送され、駆動信号発生回路122の基準クロックとしても用いられる。
【0080】
なお、本例では、発振器140を出力信号処理回路部130の基板上に搭載するとしたが、CCD駆動部120の基板上、又は双方の基板上に搭載するようにしても良い。これによれば、CCD駆動部120と出力信号処理回路部130との間でクロックを伝送する伝送線路が不要となるため、放射ノイズ対策上有利となる。
【0081】
上記の構成において、CCDイメージセンサ121からは、原稿からの反射光に比例した画像信号が最終段転送パルスφ2Bに同期して出力される。この画像信号は、出力バッファ123および伝送線路141を介して出力信号処理回路部130に送られる。この出力信号処理回路部13にはさらに、画像信号に同期した最終段転送パルスφ2Bが伝送線路142によって伝送され、パルス発生回路139にその基準パルスとして与えられる。
【0082】
パルス発生回路139は、この最終段転送パルスφ2Bに基づいて各種のタイミングパルスを発生する。このパルス発生回路139から出力される各種のタイミングパルスのうち、クランプパルスはCDS回路132に、S/HパルスはS/H回路133に、A/DパルスはAD変換回路136にそれぞれ供給される。CCD駆動部120から伝送された画像信号は、CDS回路132で相関二重サンプリングされ、S/H回路133でサンプルホールドされ、AGC回路134およびAOC回路135を経た後、A/D変換回路136でデジタル化されてシェーディング補正回路137に供給される。
【0083】
なお、本例では、パルス発生回路139の基準パルスとして最終段転送パルスφ2Bを用いるとしたが、通常、最終段転送パルスφ2Bと2相目の転送クロックφ2とは同相パルスであるので、この転送クロックφ2をパルス発生回路139の基準パルスとして用いることも可能である。ただし、転送クロックφ2が与えられる端子入力容量は、最終段転送パルスφ2Bの場合よりも10倍以上大きな値となるため、転送クロックφ2のパルス波形は最終段転送パルスφ2Bのパルス波形に比較して歪みが大きくなる。
【0084】
したがって、この転送クロックφ2を容量成分の大きな伝送線路を経由して出力信号処理回路部130へ伝送すると、パルス波形の歪みがさらに大きくなるだけでなく、バッファ125の消費電力が大きくなり、信頼性が低下する懸念があるため、パルス発生回路139の基準パルスとして最終段転送パルスφ2Bを用いる方が好ましい。
【0085】
上述したように、第4実施形態に係るCCDイメージセンサの出力信号処理回路では、パルス発生回路139において、CCDイメージセンサ121から出力される画像信号に同期した最終段転送パルスφ2Bを基準パルスとして用い、この基準パルスに基づいて各種タイミングパルスを生成するようにしたことで、画像信号とデータのサンプルパルスとの位相関係を常に一定に維持できるため、第1〜第3実施形態の場合と同様に、正確なサンプリングができるとともに、高速読み取りあるいは高精細読み取りへの移行に伴って信号処理の動作周波数が高くなっても、温度特性や半導体のばらつきに起因する遅延時間のばらつきに対してサンプルパルスの位相要求精度を実現できる。
【0086】
しかも、パルス発生回路139の基準パルスとして、CCDイメージセンサ121の電荷転送部の最終段転送パルスφ2Bを用いたことで、発振器140と駆動信号発生回路122との間の転送線路143、CCD駆動部120と出力信号処理回路部130との間の伝送線路141の遅延時間およびそのばらつきを容易にキャンセルすることが可能となる。
【0087】
なお、本実施形態では、パルス発生回路35において最終段転送パルスφ2Bに基づいて各種のタイミングパルスを発生する構成としたが、パルス発生回路35から各種のタイミングパルスに加え、最終段転送パルスφ2Bに対応した基準パルスをも発生するようし、第1〜第3実施形態の場合のように、最終段転送パルスφ2Bと基準パルスとの位相差を検出し、その検出結果に基づいて最終段転送パルスφ2Bと基準パルスとの相対的な位相を制御するように構成することも可能である。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によるCCDイメージセンサの出力信号処理回路においては、CCDイメージセンサを駆動する駆動パルス、具体的には電荷転送部の最終段ゲートを駆動するパルスに基づいてCCDイメージセンサの出力信号をサンプリングするためのタイミングパルスを生成し、このタイミングパルスに基づいてCCDイメージセンサの出力信号に対する信号処理を行う構成としたことにより、CCDイメージセンサから出力される画像信号とデータのサンプルパルスとの位相関係を一定に維持できるため、正確なサンプリングを実現できるとともに、高速読み取りあるいは高精細読み取りへの移行に伴って信号処理の動作周波数が高くなっても、温度特性や半導体のばらつきに起因する遅延時間のばらつきに対してサンプルパルスの位相要求精度を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】 クランプ方式CDS回路の一例を示す回路図である。
【図3】 クランプ方式CDS回路のタイミングチャートである。
【図4】 遅延時間切替え回路の一例を示すブロック図である。
【図5】 パルス発生回路の一例を示すブロック図である。
【図6】 パルス発生回路のタイミングチャートである。
【図7】 位相差検出回路の一例を示す回路図である。
【図8】 第1実施形態の動作説明のためのタイミングチャートである。
【図9】 第1実施形態における位相差検出の際のタイミングチャートである。
【図10】 本発明の第2実施形態を示すブロック図である。
【図11】 第2実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。
【図12】 第2実施形態の動作説明のためのタイミングチャートである。
【図13】 第2実施形態における位相差検出の際のタイミングチャートである。
【図14】 本発明の第3実施形態を示すブロック図である。
【図15】 本発明の第4実施形態を示すブロック図である。
【図16】 画像信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【図17】 従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10,50,80,120 CCD駆動部
11,51,81,121 CCDイメージセンサ
12,52,82,122 駆動信号発生回路
20,60,90,130 出力信号処理回路部
22,62,92 ラインクランプ回路
23,63,93,132 CDS回路
24,64,94,133 S/H回路
25,65,95,134 AGC回路
31,71,101,140 発振器
33,73,103 ラインクランプパルス発生回路
34,104 リセットパルス再生回路
35,75,105,139 パルス発生回路
36,76,106 遅延時間切替え回路
37,77,107 位相差検出回路
Claims (1)
- 画像を光電変換するCCDイメージセンサの出力信号を所定タイミングで1回以上サンプリングを行って画像信号を取り出すCCDイメージセンサの出力信号処理回路であって、
前記CCDイメージセンサを駆動する駆動パルスを入力とし、前記駆動パルスに基づいて前記CCDイメージセンサの出力信号をサンプリングするためのタイミングパルスを発生するタイミングパルス発生手段を備え、
前記駆動パルスは、前記CCDイメージセンサにおける電荷転送部の最終段ゲートを駆動するパルスである
ことを特徴とするCCDイメージセンサの出力信号処理回路。
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