JP3967938B2 - Cdケース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD(Compact Disk)を収容するCDケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CDを保持する本体と、この本体に開閉自在に連結された蓋体とを備えた従来のCDケースとして、図4に示すように、前記本体13と蓋体14とが別体に形成されており、本体13の一端部両側に形成された凸部13a,13aに、蓋体14の一端部両側に形成された開口部14a,14aをそれぞれ嵌め合わせることにより両者13,14を連結し、この連結部分がヒンジになっているものがある。
【0003】
そして、上記の構成からなるCDケースは、前記本体13と蓋体14との連結部分の構造などが複雑であったことから、射出成形により成形されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記射出成形ではCDケースを薄く形成することが難しいことから、CDケースを形成するための材料の必要量が多くなり、また、前記射出成形に用いられる金型は一般的に値段が高く、射出成形でCDケースを製造するとコストが上昇するという問題があった。
【0005】
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、低コストで製造することができるCDケースを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のCDケースは、CDを保持する本体と、この本体とで前記CDを挟み込む蓋体とを備えたCDケースであって、前記本体および蓋体の平面視がともにほぼ長方形状または正方形状であり、また、前記本体の四隅部および蓋体の四隅部をそれぞれ連結するために4対の連結部が設けられており、それらのうち1対の連結部が、互いに連結した状態で軸芯まわりに回動可能となる平面視円形状の凸部と、この凸部を係止する開口とからなとからなり、前記本体および蓋体のいずれか一方または両方に、収納したCDに当接する部分にリブを設けてある(請求項1)。
【0007】
上記の構成からなる本発明では、射出成形に比して、成形物の厚みを薄くして、必要な材料量・材料費を減らすことができ、かつ用いる金型が一般的に低価格である真空成形を適用することができることから、低コストで製造することができるCDケースを提供することが可能となる。
【0008】
また、上記の構成からなる本発明では、本体および蓋体のそれぞれの4隅部を互いに連結させるための連結部を設け、それらのうち一つの連結部を、連結した状態で軸芯まわりに回動できるように構成してあることから、CDケースに対してCDを出し入れするときにも、前記連結部を介して本体と蓋体とを常に連結した状態としておくことができるため、本体と蓋体とのいずれか一方のみを紛失することを防止でき、また、CDの出し入れを容易に行うことが可能となる。
さらに、CDケースに衝撃が加わった場合でも、CDに加わる衝撃は、前記リブによって緩衝することができるのであり、また、前記リブを設けることによって、CDケース自体の保形性を上昇させることができる。
【0009】
また、前記4対の連結部の残りの3対の連結部が、平面視円形状の凸部と、この凸部を係止する平面視正方形状または長方形状の凹部とからなるとしてもよい(請求項2)。この場合には、各凸部に対して各凹部を係合させると、本体と蓋体とが閉じ合わされた状態となり、前記係合を解除すると、蓋体が開いた状態となるのであり、本体に対する蓋体の開閉作業を簡単に行うことができる。
【0010】
さらに、前記凸部および凹部が、アンダーカット部となっているとしてもよい(請求項3)。この場合には、前記開口に対する凸部の係止力と、凹部に対する凸部の係止力とを、それぞれ適宜の大きさに容易に調整・設定することが可能となる。
【0011】
また、前記本体および蓋体がそれぞれ、一枚のシート体に凹凸を付与した形状をしているとしてもよい(請求項4)。この場合には、真空成形によって製造することに特に適したものとなる。
【0012】
【0013】
また、前記本体がCDの開口周縁部を係止する係止部を有し、また、この係止部が、前記開口周縁部に当接する複数の凸出部分と、複数の凸出部分の間に形成された溝部分とを有し、前記凸出部分を押さえることで、前記開口周縁部に対する凸出部分の当接する力が弱まるように構成してもよい(請求項5)。この場合には、前記凸出部分を押さえることにより、前記本体からのCDの取り外し作業を簡単に行うことが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2は、本発明の一実施例に係るCDケース1の構成を概略的に示す斜視図および縦断面図である。
CDケース1は、CD2を保持する本体3と、この本体3とで前記CD2を挟み込む蓋体4とを備え、前記本体3および蓋体4は、平面視がともにほぼ長方形状または正方形状である一枚のシート体に凹凸を付与した形状をしている。
【0015】
また、前記CDケース1は、例えば、リサイクル可能な樹脂であるA−PET(アモルファスポリエチレンテレフタレート)を用いて形成することができ、A−PETを用いて形成すれば、リサイクルの面で貢献できることが可能となる。なお、CDケース1の材料は、A−PETに限るものではなく、十分な透明性(光透過性)を有し一定以上の強度を保持できるものであればよく、例えば、PVC(塩化ビニール)、PS(ポリスチレン)、OPS(オリエンテッドポリスチレン)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)、PE(ポリエチレン)などを用いることができる。
【0016】
前記本体3は、CD2を収容するためにCD2とほぼ同じかあるいはCD2よりも若干大きい平面視円形状の凹入部5を有しており、この凹入部5の中央部には、CD2の中央部分に形成される開口周縁部2aを係止する係止部6が形成されている。
【0017】
図3(A)は、前記CDケース1の係止部6の構成を概略的に示す部分拡大図、図3(B)は、図3(A)のF−F線断面図、図3(C)は、図3(A)のG−G線断面図である。
前記係止部6は、前記開口周縁部2aに当接する複数(例えば、4つ)の凸出部分7,7…と、複数の凸出部分7,7…の間に形成された平面視がほぼ十字形状の溝部分8とを有している。
【0018】
そして、前記凸出部分7,7…を押さえることで、係止部6が変形し、前記開口周縁部2aに対する凸出部分7,7…の当接する力が弱まるように構成してあり、CD2の係止部6からの取り外しは、前記凸出部分7,7…を押さえることで簡単に行うことができる。
【0019】
前記蓋体4は、収納したCD2に当接する部分にリブ9を有している。本実施例では、蓋体4は2つのリブ9a,9bを有しており、一方のリブ9aは、平面視がほぼ円形状となるように形成され、CD2の開口周縁部2aの少し外側に当接するように配置されているのであり、他方のリブ9bは、平面視がほぼ円形状となるように形成され、CD2の周縁部に当接するように、かつ前記リブ9aと同心円となるように配置されている。
【0020】
なお、前記リブ9を、蓋体4に設けずに本体3に設けてもよいし、本体3および蓋体4の両方に設けてもよい。また、前記リブ9の形状は、平面視が円形状のものに限られず、例えば、CD2の中心からその周縁に向かうように放射状に配置された直線状のものであってもよい。
【0021】
そして、前記CDケース1には、前記本体3の四隅部および蓋体4の四隅部をそれぞれ連結するために4対の連結部10,11,11,11が設けられており、それらのうち1対の連結部10が、互いに連結した状態で軸芯まわりに回動可能となる平面視円形状の凸部10aと、この凸部を係止する開口10bとからなり、また、残りの3対の連結部11,11,11が、それぞれ平面視円形状の凸部11aと、この凸部11aを係止する平面視正方形状または長方形状の凹部11bとからなる。
【0022】
本実施例では、前記本体3の四隅部には、前記開口10bと、前記三つの凹部11b,11b,11bとが設けられており、また、前記蓋体4の四隅部には、前記凸部10aと、前記三つの凸部11a,11a,11aとが設けられている。なお、前記凸部10aと凸部11aとは、大きさが同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0023】
前記凸部10a,11aおよび凹部11bは、後述する真空成形による製造時に、無理抜きによって形成されるアンダーカット部、すなわち上部の開口部分uよりも底辺部分dのほうが大きい形状となっており、これによって、開口10bに対する凸部10aの係止力と、凹部11bに対する凸部11aの係止力とを、それぞれ適宜の大きさに容易に調整・設定できるのである。
【0024】
また、前記本体3の周縁部3aは、下方に折れ曲げられた形状をしており、さらに、前記蓋体4の周縁部を形成する4辺部4a,4a,4b,4bのうちの隣り合う2辺部4a,4aも、ともに下方に折れ曲げられた形状をしている。
【0025】
前記4辺部4a,4a,4b,4bは、前記蓋体4の一隅部に設けられた凸部10aを基準とした場合、前記凸部10aから近い方の2辺部4b,4bと、凸部10aから離れている方の2辺部4a,4aとに区別してみることができ、前記2辺部4a,4aは、前記凸部10aから離れている方に相当するものである。なお、前記2辺部4b,4bは、下方に折れ曲げられた形状をしておらず、その端部が、前記本体3の上面の端部とほぼ一致するように形成されている。
【0026】
そして、前記周縁部3aおよび2辺部4a,4aをガイドとして用いることによって、後述する本体3と蓋体4とでCD2を挟み込んだ状態とするという作業・操作を簡単に行うことが可能となる。
【0027】
上記の構成からなるCDケース1へのCD2の収納は、CD2を係止部6に係止させた後、本体3と蓋体4とでCD2を挟み込んだ状態とし、最後に、開口10bに対して凸部10aを嵌め込むとともに、各凹部11bに対して各凸部11aを嵌め込む(各連結部10,11の連結を行う)だけで完了する。また、CD2のCDケース1からの取り出しは、各凹部11bから各凸部11aを外した(各連結部11の連結を解除した)後、前記連結部10の凸部10aおよび開口10bを互いに連結した状態で軸芯まわりに回動させることにより、蓋体4がCD2を覆わない状態、すなわちCDケース1を開いた状態とし、この状態で、CD2を係止部6から取り外すだけで完了する。
【0028】
次に、前記CDケース1の製造方法について説明する。
前記CDケース1の製造工程には、真空成形工程が含まれている。すなわち、前記CDケース1は、一枚のシート体に凹凸を付与した形状をしている本体3および蓋体4とからなることから、射出成形ではなく真空成形によって成形することが可能である。そして、この真空成形には、公知の方法および装置を用いることができ、前記CDケース1に合わせた金型を用意すればよい。
【0029】
前記金型は、開いた状態のCDケース1を成形できるように設計されたものを用意すればよい。すなわち、前記金型には、例えば、前記本体3および蓋体5にそれぞれ形成される凹入部5,リブ9,各凸部10a,11aおよび各凹部11bなどを形成するための凹凸や、前記開口10b,周縁部3aおよび2辺部4a,4aを形成するための部分などを設けておけばよい。また、複数個(例えば、6個、8個、10個など)のCDケース1,1…が一枚のシート状に連なった状態で形成されるように金型を構成し、前記金型を用いての真空成形工程を経た後に切断作業を行って、連なった状態の複数個のCDケース1,1…を分離するようにしてもよい。この場合には、CDケース1の大量生産が容易となる。
【0030】
上記の構成からなる製造方法では、射出成形ではなく真空成形によってCDケース1を製造していることから、CDケース1の本体3および蓋体4の厚さを極めて薄くすることができる。詳しくは、従来の製造方法、すなわち射出成形では、CDケース1の本体3および蓋体4の厚さは、せいぜい1.7mm程度にまでしか薄くできなかったが、本発明の製造方法、すなわち真空成形では、例えば、0.3〜0.35mm程度にまで薄くすることが可能である。なお、CDケース1の本体3および蓋体4の厚さは、CD2の表裏両面を保護できる範囲とすればよい。
【0031】
また、真空成形では射出成形に比して、CDケース1の厚みを薄くできることから必要な材料量・材料費を減らすことができ、かつ、一般的に、使用する金型も真空成形のほうが非常に低価格であるため、上記製造方法では、製造コストを非常に低く抑えることができる。
【0032】
上記の構成からなるCDケース1は、上記のような利点を有する製造方法によって製造できるのであり、従って、CDケース1によって、上記製造方法によって得られる効果と同様の効果を得ることが可能である。
【0033】
また、前記CDケース1では、本体3および蓋体4のそれぞれの4隅部を互いに連結させるための連結部10,11,11,11を設け、それらのうち一つの連結部10を、連結した状態で軸芯まわりに回動できるように構成してあることから、CDケース1に対してCD2を出し入れするときにも、前記連結部10を介して本体3と蓋体4とを常に連結した状態としておくことができるため、本体3と蓋体4とのいずれか一方のみを紛失することを防止でき、また、CD2の出し入れを容易に行うことが可能となる。
【0034】
さらに、前記CDケース1では、各凸部11aに対して各凹部11bを係合させると、本体3と蓋体4とが閉じ合わされた状態となり、前記係合を解除すると、蓋体4が開いた状態となるのであり、本体3に対する蓋体4の開閉作業を簡単に行うことができる。
【0035】
また、前記CDケース1では、前記リブ9を設けてあり、CDケース1に衝撃が加わった場合でも、CD2に加わる衝撃は、前記リブ9によって緩衝することができるのである。また、前記リブ9を設けることによって、CDケース1自体の保形性を上昇させることができる。なお、このような効果は、前記本体3に設けた周縁部3aおよび蓋体4に設けた2辺部4a,4aによっても得られ、互いにその効果を高め合うこととなる。
【0036】
なお、上記実施例では、前記蓋体4において凸部10aから離れている方の2辺部4a,4aを下方に折り曲げた形状とし、凸部10aから近い方の2辺部4b,4bを下方に折れ曲げられた形状とせず、その端部が、前記本体3の上面の端部とほぼ一致するように形成してあるが、このような構成に限るものではなく、例えば、前記蓋体4において凸部10aから離れている方の2辺部4a,4aの一方の辺部4aと、この辺部4aと隣り合う前記2辺部4b,4bの一方の辺部4bとを下方に折り曲げた形状とし、残りの2辺部4a,4bを下方に折れ曲げられた形状とせず、その端部が、前記本体3の上面の端部とほぼ一致するように形成してもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、低コストで製造することができるCDケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るCDケースの構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】 上記実施例の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図3】 (A)は、上記実施例における係止部の構成を概略的に示す部分拡大図、(B
)は、(A)のF−F線断面図、(C)は、(A)のG−G線断面図である。
【図4】 従来のCDケースの構成を概略的に示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1…CDケース、2…CD、3…本体、4…蓋体、10,11…連結部、10a…凸部、10b…凹部。
Claims (5)
- CDを保持する本体と、この本体とで前記CDを挟み込む蓋体とを備えたCDケースであって、前記本体および蓋体の平面視がともにほぼ長方形状または正方形状であり、また、前記本体の四隅部および蓋体の四隅部をそれぞれ連結するために4対の連結部が設けられており、それらのうち1対の連結部が、互いに連結した状態で軸芯まわりに回動可能となる平面視円形状の凸部と、この凸部を係止する開口とからなり、前記本体および蓋体のいずれか一方または両方に、収納したCDに当接する部分にリブを設けてあることを特徴とするCDケース。
- 前記4対の連結部の残りの3対の連結部が、平面視円形状の凸部と、この凸部を係止する平面視正方形状または長方形状の凹部とからなる請求項1に記載のCDケース。
- 前記凸部および凹部が、アンダーカット部となっている請求項1または2に記載のCDケース。
- 前記本体および蓋体がそれぞれ、一枚のシート体に凹凸を付与した形状をしている請求項1〜3のいずれかに記載のCDケース。
- 前記本体がCDの開口周縁部を係止する係止部を有し、また、この係止部が、前記開口周縁部に当接する複数の凸出部分と、複数の凸出部分の間に形成された溝部分とを有し、前記凸出部分を押さえることで、前記開口周縁部に対する凸出部分の当接する力が弱まるように構成した請求項1〜4のいずれかに記載のCDケース。
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