JP3967831B2 - 防振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動発生部からの振動を吸収する防振装置に関し、特に、車両に搭載されるエンジンマウント、ブッシュ等に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、車両の振動発生部となるエンジンと振動受け部となる車体との間には、エンジンマウントとしての防振装置が配設されていて、エンジンが発生する振動をこの防振装置が吸収し、車体側に伝達されるのを阻止するような構造となっている。
【0003】
例えば、この防振装置の一例を図9に示す。この図に示すように、この種の防振装置は、頂部110と筒部112とをゴムなどで形成される弾性体114で連結し、さらに、受圧液室120及び副液室122が設けられると共に、これらの液室120、122間を仕切る仕切部材126にオリフィスとなる制限通路124が設けられ、この制限通路124でこれらの液室120、122が互いに連通されている。
【0004】
そして、搭載されたエンジンが作動して振動が発生した場合には、弾性体114の変形及び液室120、122を連通する制限通路124内の液体の液柱共振等で振動を吸収し、振動の伝達を阻止していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の液体が内部に封入された防振装置の製造に際しては、まず防振装置の内部から注入口130を介して空気を一旦抜いて内部を真空にし、その後、防振装置の液室120、122内に注入口130から液体を注入するように流し込み、最後に注入口130を封止するようにしていた。
【0006】
そして、防振装置の液室120、122内に空気が残留した場合には空気が液中に気泡となって防振特性を悪化させるおそれがある為、液体を注入する際に仕切部材126等の構造体の周りを完全に液体で満たす必要があった。
【0007】
しかし、防振装置内から空気を抜く工程において、図10に示すように、仕切部材126に副液室122の内壁となるダイヤフラム128が密着してダイヤフラム128が制限通路124の副液室122側の開口部124Aをシールしたり、もしくはダイヤフラム128が仕切部材126に密着する過程でダイヤフラム128の変形によりエアポケットPができて、空気が液室120、122内に残留しまうおそれがあった。
【0008】
一方、この従来の防振装置は液体が液室120、122内に封入されている為、比較的大きなものとなっている。従って、図11に示すように、高スピードで方向Xの振動の入力が防振装置に与えられた場合には、副液室122の液体が完全に受圧液室120及び仕切部材126の制限通路124内に移動する前に、ダイヤフラム128の一部が制限通路124の副液室122側の開口部124Aに吸い込まれて、開口部124Aを塞ぐようになる。そして、ダイヤフラム128の一部がこの開口部124Aに吸い込まれて開口部124Aをダイヤフラム128が塞ぐ際に、異音が発生することがあった。
【0009】
本発明は上記事実を考慮し、液室内の液中に空気が気泡となって残らず且つ異音を発生させない防振装置を提供することを目的とする。
【0010】
請求項1に係る防振装置は、振動発生部及び振動受け部の一方に連結される第1の取付部材と、振動発生部及び振動受け部の他方に連結される第2の取付部材と、これら取付部材間に配設されて弾性変形し得る弾性体と、内壁の少なくとも一部が弾性体により構成され、内部の気体を吸引すると共に液体を注入するための注入口が構成され、液体が封入される受圧液室と、液体が封入される副液室と、副液室の内壁の少なくとも一部を変形自在に形成して副液室を拡縮自在とするダイヤフラムと、受圧液室と副液室との間を仕切り且つ、これら受圧液室と副液室との間を連通する制限通路が設けられ、この制限通路の前記副液室側の開口部が下面に構成され、前記ダイヤフラムが密着された際にも流体を流通させ得る流体流通部が設けられた仕切部材と、を有し、前記流体流通部は、前記仕切部材の下面に形成され前記開口部に繋がる、リング状の溝、及び、段差により形成された段部、の少なくとも一方を含んで構成されていること、を特徴とする。
請求項2に係る防振装置は、請求項1の防振装置において、前記リング状の溝及び前記段部は、一方が前記開口部よりも内周側に形成され、他方が前記開口部よりも外周側に形成されていること、を特徴とする。
また、請求項4に係る防振装置は、振動発生部及び振動受け部の一方に連結される第1の取付部材と、振動発生部及び振動受け部の他方に連結される第2の取付部材と、これら取付部材間に配設されて弾性変形し得る弾性体と、内壁の少なくとも一部が弾性体により構成され、内部の気体を吸引すると共に液体を注入するための注入口が構成され、液体が封入される受圧液室と、液体が封入される副液室と、副液室の内壁の少なくとも一部を変形自在に形成して副液室を拡縮自在とするダイヤフラムと、受圧液室と副液室との間を仕切り且つ、これら受圧液室と副液室との間を連通する制限通路が設けられ、この制限通路の前記副液室側の開口部が下面に構成され、前記ダイヤフラムが密着された際にも流体を流通させ得る流体流通部が設けられた仕切部材と、を有し、前記流体流通部は、前記仕切部材の下面に形成され放射状に延びる線状の凸部を複数含んで構成されていること、を特徴とする。
【0011】
請求項3に係る防振装置は、請求項1または請求項2の防振装置において、流体流通部が、前記開口部の少なくとも近傍の仕切部材の部分に設けられたことを特徴とする。
【0012】
請求項1及び請求項4に係る防振装置の作用を以下に説明する。
【0013】
弾性体が一対の取付部材との間を連結し、振動発生部に第1の取付部材あるいは第2の取付部材が連結されている為、振動発生部側から振動が第1の取付部材あるいは第2の取付部材に伝達されると、弾性体が変形し、結果として弾性体の変形により振動が減衰して、第2の取付部材あるいは第1の取付部材に連結される振動受け部側に振動が伝達され難くなる。
【0014】
一方、内壁の少なくとも一部が弾性体により構成される受圧液室及び副液室に液体がそれぞれ封入され、これら受圧液室と副液室との間が仕切部材により仕切られている。さらに、副液室の内壁の少なくとも一部を変形自在に形成するダイヤフラムが、副液室を拡縮自在としている。また、仕切部材が、これら受圧液室と副液室との間を連通する制限通路及び、ダイヤフラムが密着された際にも空気等の気体や液体である流体を流通させ得る溝或いは段差、または、線状の凸部で構成された流体流通部を有している。
【0015】
従って、弾性体の変形に伴って受圧液室が拡縮し、これに合わせて制限通路を介して受圧液室に連通される副液室がダイヤフラムの変形により拡縮するのに伴って、受圧液室及び副液室の液体が制限通路を介して相互に流通し、制限通路内のオリフィス空間に生ずる液柱共振に基づく減衰作用で防振効果を向上することができる。この結果、弾性体の変形だけでなく、液柱共振により振動が低減されて、振動受け部側に振動がより一層伝達され難くなり、防振装置の防振特性が向上する。
【0016】
さらに、仕切部材に流体流通部を設けることにより、制限通路の副液室側の開口部がダイヤフラムにより覆われても、この流体流通部で制限通路の開口部に対する副液室内の空気の流路が確保される構造とした。この為、防振装置の製造に際して防振装置内から空気を抜く工程において、仕切部材にダイヤフラムが密着してダイヤフラムが制限通路の副液室側の開口部をシールしたり、もしくはダイヤフラムが仕切部材に密着する過程でダイヤフラムの変形によりエアポケットができても、流体流通部により形成されるダイヤフラムとの間の隙間により気体が流通される為、空気が液室内に残留することがなくなった。この結果として、空気が液室内の液中に気泡となって残って防振装置の防振特性を悪化させるおそれがなくなった。
【0017】
他方、仕切部材に流体流通部を設けることにより、高スピードで振動の入力が防振装置に与えられた場合でも、流体流通部に邪魔される為、副液室内の液体が受圧液室及び制限通路内に移動する前に、ダイヤフラムの一部が制限通路の副液室側の開口部に吸い込まれて塞ぐようにならず、この開口部をダイヤフラムが塞ぐ際に生じる異音が発生しなくなる。
【0018】
請求項3に係る防振装置の作用を以下に説明する。
【0019】
本請求項においても請求項1と同様な作用を奏する。但し、本請求項では、流体流通部が制限通路の開口部の少なくとも近傍の仕切部材の部分に設けられる構成をも有している。
【0020】
従って、より確実に、空気が液室内に残留しなくなると共に、制限通路の開口部をダイヤフラムが塞ぐ際に生じる異音が発生しなくなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態に係る防振装置を図1から図4に示し、これらの図に基づき本実施の形態を説明する。
【0022】
本実施の形態を表す図1に示すように、この防振装置10の下部側を形成する底板金具12の下部には、車体(図示せず)にこの防振装置10を図示しないナットの螺合により連結して固着する為のボルト13が突出している。さらに、この底板金具12の周囲には立壁12Aを介してつば部12Bが形成されており、つば部12Bの上端部には支持筒金具14が取付けられている。この支持筒金具14は円板状のフランジ部14Aの外周端部がつば部12Bとかしめ固着されている。従って、これら底板金具12及び支持筒金具14が第1の取付部材とされる。
【0023】
また、この支持筒金具14は、フランジ部14Aの内周部から直角に筒部14Bが立設されており、この筒部14Bの上端部からはテーパ状に広がる支持筒部14Cが連続されている。この支持筒部14Cの外周側には、リング状であって、図上、左右方向に伸びる突部14Dが形成されている。
【0024】
そして、支持筒金具14の上部には、円板状の平面部18Aと、平面部18Aの周囲を覆うように筒状に形成される立壁18Bと、この立壁18Bを介して平面部18Aに連続して形成されるフランジ部18Cとを有した頂板金具18が位置している。
【0025】
また、この頂板金具18の直下にコップ状に形成された連結材50が位置しており、連結材50の上端側が立壁18Bと溶接等により接合され、頂板金具18と連結材50が一体とされている。さらに、この頂板金具18の中央部から突出されるボルト20はエンジンへの連結用として用いられることとなり、図示しないナットの螺合によりエンジンが固定される。
【0026】
支持筒部14Cの内周面には、円筒形状をしたゴム製の弾性体16の外周面が加硫接着されており、この弾性体16の内周面は、連結材50及び頂板金具18のフランジ部18Cに加硫接着されていて、弾性体16はフランジ部18Cの上面側をも覆っている。従って、弾性体16は、頂板金具18及び連結材50と底板金具12との間に、介在されて取り付けられることとなり、これら一体となった連結材50及び頂板金具18が第2の取付部材となる。
【0027】
一方、これら頂板金具18と支持筒金具14との間には、リング状をし且つ下部側が突部14Dにかしめられて支持筒金具14に固着されて取り付けられるストッパ部材54が位置しており、頂板金具18の立壁18Bに対応した開口部56が形成された上端部54Aが、頂板金具18のフランジ部18Cと対向するように屈曲されている。
【0028】
すなわち、ストッパ部材54が、底板金具12と一体となる支持筒金具14の突部14Dに固着されて、支持筒金具14、頂板金具18及び連結材50の外周側に位置している。
【0029】
この為、エンジン側から大振幅の振動が伝達された場合は、ストッパ部材54の上端部54Aが、弾性体16を介して頂板金具18のフランジ部18Cに当接して、ストッパ部材54の必要以上の上側への変位が防止され、支持筒金具14と頂板金具18及び連結材50との間の相互間の変位量が規制される。そして、この際の衝撃をフランジ部18Cの上側に位置する弾性体16が吸収する。
【0030】
他方、立壁12Aと共にフランジ部14Aへかしめ固着されるもう一方の薄肉の弾性材料であるゴム製のダイヤフラム22と、弾性体16との間には、これらの部材の内壁面で形成された液室26、27が設けられていて、例えば水、オイル等の液体が封入されている。そして、これら液室26、27内にはセラミックス、合成樹脂或いは鋳鉄等の材料で形成された仕切部材28が配置されていて、液室を受圧液室26と副液室27とに二分して区画している。
【0031】
さらに、この仕切部材28の外周面となる外周端部28Aの内側には、外周端部28Aに沿いほぼ一周にわたって溝28Bが形成され、弾性体16の薄肉部分で仕切部材28の外周端部28Aが覆われることで、この溝28Bの開放端が閉鎖されてリング状の空間である制限通路30が形成される。
【0032】
この制限通路30の一端部には、受圧液室26と制限通路30内とを連通する凹部である開口部30Aが設けられ、他端部には、副液室27と制限通路30内とを連通する小孔である開口部30Bが設けられている。従って、これら開口部30A、30Bを含む制限通路30が、内壁の少なくとも一部を弾性体16で構成される受圧液室26と、内壁の少なくとも一部をダイヤフラム22で変形自在に形成した副液室27との間を連通することとなる。
【0033】
尚、外周端部28Aの下部は外側に突出しており、フランジ部14Aの底面へ弾性体16を介して当接されると共に、つば部12B、ダイヤフラム22と共にフランジ部14Aへかしめ固着されている。さらに、ダイヤフラム22と底板金具12との間は空気室35とされてダイヤフラム22の変形を可能としている。そして、底板金具12には、回り止めとなるピン37が植え込まれている。
【0034】
図1及び図2に示すように、仕切部材28の下面側であって制限通路30の開口部30Bよりも仕切部材28の内周側で仕切部材28の中心と同軸状の位置には、仕切部材28をリング状にへこませて形成される溝部42が設けられており、また、仕切部材28の下面側であって制限通路30の開口部30Bよりも仕切部材28の外周側で仕切部材28の中心と同軸状の位置には、リング状の段差である段部44が設けられていて、これら溝部42及び段部44がそれぞれ開口部30Bに繋がっている。
【0035】
つまり、これら溝部42及び段部44が、制限通路30の副液室27側の開口部30Bの少なくとも近傍の仕切部材28の部分に設けられて、開口部30Bに空気等の気体や液体である流体を流通させる流体流通部とされる。
【0036】
次に本実施の形態に係る防振装置10の組立を説明する。
【0037】
まず、頂板金具18と連結材50とを溶接して一体化し、図示しない金型内で、頂板金具18及び連結材50と支持筒金具14との間に、弾性体16を加硫接着する。この後、ストッパ部材54を図1上、上方から頂板金具18の立壁18Bに挿入して、ストッパ部材54の下部側と突部14Dとの間をかしめて固着する。
【0038】
そして、これとは別に溝部42及び段部44が設けられた状態の仕切部材28及び、ダイヤフラム22を支持筒金具14内に挿入し、底板金具12と共にダイヤフラム22、仕切部材28を支持筒金具14へかしめて固着する。
【0039】
さらに、図3に示すように、防振装置10の受圧液室26に対応する部分に形成された注入口32に注入パイプ34を挿入し、まず防振装置10の内部から注入パイプ34で吸引して空気を一旦抜いて内部を真空にし、その後、受圧液室26、制限通路30及び副液室27内に注入パイプ34で液体を注入するように流し込み、最後に注入口32を図1に示すリベット36で封止するようにして、防振装置10の組立が完了する。尚この際、ダイヤフラム22と制限通路30の副液室27側の開口部30Bとの間の距離L(図1に示す)を少なくとも5mm以上確保しておくことにする。
【0040】
そして、このようにして完成された防振装置10の頂板金具18がボルト20を介してエンジン側に固定されつつ連結され、また、底板金具12がボルト13を介して自動車の車体側に固定されつつ連結される。この際、車両内への装着に伴って頂板金具18がエンジンの荷重を受けると、弾性体16が圧縮変形され、頂板金具18が図1の状態よりも下方へ移動して、頂板金具18のフランジ部18Cが、ストッパ部材54の上端部54Aから所定寸法離間する。
【0041】
次に本実施の形態に係る防振装置10の作用を説明する。
【0042】
頂板金具18に搭載されるエンジンが作動すると、エンジンの振動が頂板金具18及び連結材50を介して弾性体16に伝達される。弾性体16は吸振主体として作用し、弾性体16の内部摩擦に基づく制振機能によって振動を吸収し、車体側に振動が伝達され難くなる。
【0043】
一方、内壁の少なくとも一部が弾性体16により構成される受圧液室26及び副液室27に液体がそれぞれ封入され、これら受圧液室26と副液室27との間が仕切部材28により仕切られている。さらに、副液室27の内壁の少なくとも一部を変形自在に形成するダイヤフラム22が、副液室27を拡縮自在としている。また、仕切部材28が、これら受圧液室26と副液室27との間を連通する制限通路30及び、ダイヤフラム22が密着された際にも空気等の気体や液体である流体を流通させ得る溝部42と段部44とを有している。
【0044】
従って、弾性体16の変形に伴って受圧液室26が拡縮し、これに合わせて制限通路30を介して受圧液室26に連通される副液室27がダイヤフラム22の変形により拡縮するのに伴って、受圧液室26及び副液室27の液体が制限通路30を介して相互に流通し、制限通路30内のオリフィス空間に生ずる液柱共振に基づく減衰作用で防振効果を向上することができる。この結果、弾性体16の変形だけでなく、液柱共振により振動が低減されて、車体側に振動がより一層伝達され難くなり、防振装置10の防振特性が向上する。
【0045】
さらに、仕切部材28に流体流通部である溝部42及び段部44を設けることにより、制限通路30の副液室27側の開口部30Bがダイヤフラム22により覆われても、この溝部42及び段部44で制限通路30の開口部30Bに対する副液室27内の空気の流路が確保される構造とした。
【0046】
この為、防振装置10の製造に際して防振装置10内から空気を抜く工程において、図3に示すように仕切部材28にダイヤフラム22が密着してダイヤフラム22が制限通路30の副液室27側の開口部30Bをシールしたり、もしくはダイヤフラム22が仕切部材28に密着する過程でダイヤフラム22の変形によりエアポケットができても、溝部42及び段部44により形成されるダイヤフラム22との間の隙間により空気が流通される為、空気が液室26、27内に残留することがなくなった。この結果として、空気が液室26、27内の液中に気泡となって残ってこの防振装置10の防振特性を悪化させるおそれがなくなる。
【0047】
他方、仕切部材28に流体流通部である溝部42及び段部44を設けることにより、高スピードで図4に示す方向Xの振動の入力が防振装置10に与えられた場合でも、溝部42及び段部44に邪魔されるため、副液室27内の液体が受圧液室26及び制限通路30内に移動する前に、ダイヤフラム22の一部が制限通路30の副液室27側の開口部30Bに吸い込まれて塞ぐようにならず、この開口部30Bをダイヤフラム22が塞ぐ際に生じる異音が発生しなくなる。
【0048】
また、本実施の形態では、流体流通部である溝部42及び段部44が制限通路30の開口部30Bの少なくとも近傍の仕切部材28の部分に設けられているので、より確実に、空気が液室26、27内に残留しなくなると共に制限通路30の開口部30Bをダイヤフラム22が塞ぐ際に生じる異音が発生しなくなる。
【0049】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る防振装置を図5から図8に示し、これらの図に基づき本実施の形態を説明する。尚、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0050】
図5及び図6に示すように、本実施の形態の防振装置10の仕切部材28には溝部42及び段部44が無いものの、この替わりに仕切部材28の下面側であって制限通路30の開口部30Bに沿った仕切部材28の部分に、放射状に延びる線状の凸部である流体流通部である複数のリッジ48が、設けられている。
【0051】
従って、防振装置10の製造に際して、図7に示すように防振装置10の内部から注入パイプ34で吸引して空気を一旦抜いて内部を真空にしたときや、高スピードで図8に示す方向Xの振動の入力が防振装置10に与えられたときに、仕切部材28にダイヤフラム22が密着された場合でも、複数のリッジ48がダイヤフラム22との間に隙間を形成して、空気等の気体や液体である流体を流通させ得るようになる。
【0052】
尚、上記第1の実施の形態において、溝部42及び段部44をそれぞれ形成したが、溝部42及び段部44の少なくとも何れかのみを形成するようにしても良く、また、溝部42と段部44とを仕切部材28上で相互に逆の位置に形成しても良い。
【0053】
さらに、上記実施の形態において、振動受け部となる車体に第1の取付部材となる底板金具12側を連結し、振動発生部となるエンジンに第2の取付部材となる頂板金具18側を連結するような構成としたがこの逆の構成としても良く、また、上記実施の形態において、液体封入式の防振装置を用いて説明をしたが、液体封入式以外の防振装置に適用できることはいうまでもない。
【0054】
他方、実施の形態において、車両に搭載されるエンジンの防振を目的としたが、本発明の防振装置は例えば車両のボディマウント等、あるいは車両以外の他の用途にも用いられることはいうまでもなく、また、支持筒金具、頂板金具、連結材及び弾性体等の形状、寸法なども実施の形態のものに限定されるものではない。
【0055】
【発明の効果】
本発明の防振装置は、以上のように説明した構成とした結果、液室内の液中に空気が気泡となって残らず且つ異音を発生させないという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図2】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態の仕切部材を下側から見た斜視図である。
【図3】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態を示す断面図であって、防振装置内から空気を吸引した状態を示す図である。
【図4】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態を示す断面図であって、高スピードで振動の入力が与えられた状態を示す図である。
【図5】本発明に係る防振装置の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図6】本発明に係る防振装置の第2の実施の形態の仕切部材を下側から見た斜視図である。
【図7】本発明に係る防振装置の第2の実施の形態を示す断面図であって、防振装置内から空気を吸引した状態を示す図である。
【図8】本発明に係る防振装置の第2の実施の形態を示す断面図であって、高スピードで振動の入力が与えられた状態を示す図である。
【図9】従来技術に係る防振装置を示す断面図である。
【図10】従来技術に係る防振装置を示す断面図であって、防振装置内から空気を吸引した状態を示す図である。
【図11】従来技術に係る防振装置を示す断面図であって、高スピードで振動の入力が与えられた状態を示す図である。
【符号の説明】
10 防振装置
12 底板金具(第1の取付部材)
14 支持筒金具(第1の取付部材)
16 弾性体
18 頂板金具(第2の取付部材)
22 ダイヤフラム
26 受圧液室
27 副液室
28 仕切部材
30 制限通路
42 溝部(流体流通部)
44 段部(流体流通部)
48 リッジ(流体流通部)

Claims (4)

  1. 振動発生部及び振動受け部の一方に連結される第1の取付部材と、
    振動発生部及び振動受け部の他方に連結される第2の取付部材と、
    これら取付部材間に配設されて弾性変形し得る弾性体と、
    内壁の少なくとも一部が弾性体により構成され、内部の気体を吸引すると共に液体を注入するための注入口が構成され、液体が封入される受圧液室と、
    液体が封入される副液室と、
    副液室の内壁の少なくとも一部を変形自在に形成して副液室を拡縮自在とするダイヤフラムと、
    受圧液室と副液室との間を仕切り且つ、これら受圧液室と副液室との間を連通する制限通路が設けられ、この制限通路の前記副液室側の開口部が下面に構成され、前記ダイヤフラムが密着された際にも流体を流通させ得る流体流通部が設けられた仕切部材と、
    を有し、
    前記流体流通部は、前記仕切部材の下面に形成され前記開口部に繋がる、リング状の溝、及び、段差により形成された段部、の少なくとも一方を含んで構成されていること、
    を特徴とする防振装置。
  2. 前記リング状の溝及び前記段部は、一方が前記開口部よりも内周側に形成され、他方が前記開口部よりも外周側に形成されていること、を特徴とする請求項1に記載の防振装置。
  3. 流体流通部が、前記開口部の少なくとも近傍の仕切部材の部分に設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の防振装置。
  4. 振動発生部及び振動受け部の一方に連結される第1の取付部材と、
    振動発生部及び振動受け部の他方に連結される第2の取付部材と、
    これら取付部材間に配設されて弾性変形し得る弾性体と、
    内壁の少なくとも一部が弾性体により構成され、内部の気体を吸引すると共に液体を注入するための注入口が構成され、液体が封入される受圧液室と、
    液体が封入される副液室と、
    副液室の内壁の少なくとも一部を変形自在に形成して副液室を拡縮自在とするダイヤフラムと、
    受圧液室と副液室との間を仕切り且つ、これら受圧液室と副液室との間を連通する制限通路が設けられ、この制限通路の前記副液室側の開口部が下面に構成され、前記ダイヤフラムが密着された際にも流体を流通させ得る流体流通部が設けられた仕切部材と、
    を有し、
    前記流体流通部は、前記仕切部材の下面に形成され放射状に延びる線状の凸部を複数含んで構成されていること、
    を特徴とする防振装置。
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