JP3967532B2 - ディジタルボタン電話端末 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主装置から端末へのデータの伝送を、実データに、スタートビットを少なくとも含む付加ビットを付加してなるフレーム構造をなすシリアル信号を伝送することで行うディジタルボタン電話システムで使用されるディジタルボタン電話端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタルボタンシステムにおいて主装置と端末との間では、一般に主装置をマスタ、端末をスレーブとしてのピンポン伝送にてデータチャネル(Dch)でのデータ転送を行っている。そして端末では、主装置からデータチャネルで送られてくるデータをピンポン伝送部にて抽出した後、この抽出されたデータをCPUにて読み込んでいる。
【0003】
ところでDchで伝送されるデータは、図5に示すようなDchフレームのシリアル信号(シリアルDch信号)で伝送される。Dchフレームは図5に示すように、b0〜b7の8ビット(1バイト)の実データであるDchデータの直後にパリティビットPを付加するとともに、フレームの先頭および末尾に“0”に固定のスタートビットSTおよび“1”に固定のストップビットSPを付加してなる11ビット長のフレームである。
【0004】
そこでCPUでは、同一フレーム内の11ビットを内部に蓄積した時点でこれをDchフレームとして認識し、この11ビットのうちからDchデータを抽出していた。
【0005】
ところが以上のようなDchデータの抽出のためには、CPUは多数のタイマ動作を行うなど非常に多くの処理を行わなければならないため、CPUの大きな負荷となっていた。
【0006】
一方、主装置と端末との間の伝送路では、Dchの他に音声データなどを伝送するためのBチャネルなどが設定されており、これらが時分割多重され、8KHz周期の同期フレームを持った伝送フレームが構成される。この伝送フレームでは、1フレーム当り2ビットがDchに割り当てられている。従って、ピンポン伝送部で抽出されたシリアルDch信号は図6に示すような状態となり、16kbpsの伝送容量を持っている。
【0007】
しかしながら従来は、データ安定化のために、伝送フレームの2周期間は同一のビットを伝送するようにしていた。このため、図7に示すように、同一のビットが4回繰り返し伝送されることとなっており、Dchの伝送レートは伝送容量の1/4の4kbpsとなっていた。
【0008】
近年は高機能化のため、Dchにも高い伝送レートが要求されており、伝送容量を最大限に利用した16kbpsの伝送レートでシリアルDch信号の伝送を行うことが考えられているが、これに対応した端末は、上述のような伝送レートの異なる旧来からの主装置に接続することができなくなってしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来は、ディジタルボタン電話端末でのデータの取り込みをCPUのソフトウェア処理により行っていたため、そのためのCPUの負荷が非常に大きいという不具合があった。
【0010】
また従来は、データチャネルは単一の伝送レートにしか対応できず、データチャネルの伝送レートを向上した新系列のディジタルボタン電話端末にあっては、データチャネルの伝送レートが低い旧来からのシステムとの互換性が取れなくなってしまうという不具合があった。
【0011】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、CPUの負荷を低減することが可能であるとともに、複数のデータチャネル伝送レートに対応することが可能なディジタルボタン電話端末を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために本発明は、主装置から端末へのデータチャネルでのデータの伝送を、mビット(例えば8ビット)からなる実データに、先頭に配置されるスタートビットを少なくとも含む所定の付加ビットを付加してなるnビット(例えば11ビット)のフレーム構造をなすシリアル信号を伝送することで行うディジタルボタン電話システムで前記端末として使用されるディジタルボタン電話端末において、外部からの指定に応じてそれぞれ速度が異なる所定の複数のクロック信号を選択的に生成する例えば打ち抜きクロック生成回路などのクロック生成回路と、伝送されてくる前記シリアル信号から前記スタートビットを検出する例えばスタートビット検出回路などのスタートビット検出回路と、このスタートビット検出回路により前記スタートビットが検出されてからの前記クロック信号のクロック数をカウントするカウント回路と、前記クロック信号に同期した所定の取込みタイミングで前記シリアル信号を1ビットずつ取込み、最新のn−1回の前記取込みタイミングでそれぞれ取込んだn−1ビットをパラレルに出力する例えばシリアル/パラレル変換回路などのパラレル変換回路と、前記カウント回路のカウント値がnとなったタイミングに応じた所定の受信完了タイミングに、前記パラレル変換回路が出力するn−1ビットのうちの所定のmビットをそれぞれ取込んでラッチするラッチ回路と、前記受信完了タイミングに、前記シリアル信号の1フレーム分の受信が完了したことを示す完了通知信号を出力する例えばフラグ/割込発生回路などの受信完了通知回路と、前記受信完了タイミングに、前記パラレル変換回路が出力しているn−1ビットのうちの所定のビットの状態に基づいて前記シリアル信号の受信状態の監視を行い、この監視結果を示したフラグ信号を出力する例えばフラグ/割込発生回路などの受信状態監視回路とを備えた。
【0013】
このような手段を講じたことにより、主装置から伝送されてくるシリアル信号からスタートビットが検出されてからのクロック信号のクロック数をカウントすることでシリアル信号で到来しているビットが1フレーム内の何番目のビットであるかがカウントされる。一方、クロック信号に同期した所定の取込みタイミングでシリアル信号を1ビットずつ取込み、最新のn−1回の前記取込みタイミングでそれぞれ取込んだn−1ビットをパラレルに出力することで、連続するn−1ビットを抽出しておき、カウント値が1フレーム内のビット数nと同数になったとき、すなわち受信中の1フレームの全ビットの受信が完了したときに上述のように抽出されたn−1ビットのうちの所定のmビット(実データ部分)がラッチされる。そしてこのように実データがラッチされたのと並行して、シリアル信号の1フレーム分の受信が完了したことを示す完了通知信号が出力されるとともに、前記抽出されたn−1ビットのうちの所定のビットの状態に基づいて前記シリアル信号の受信状態の監視が行われて、この監視結果を示したフラグ信号も出力される。またクロック信号は、外部からの指定に応じてそれぞれ速度が異なる所定の複数のクロック信号を選択的に生成される。
【0014】
従ってCPUでは、完了通知信号に基づいて1フレームの受信完了を認識した後、都合の良い任意のタイミングでフラグ信号から受信状態を確認して、正常な受信状態である場合にのみラッチされている実データを取込めば良い。またシリアル信号でのビットレートに応じた速度のクロック信号を生成するように指定を行っておけば、そのビットレートでの1フレームを1単位としての受信処理が行われるので、いずれのビットレートの場合にもCPUでは上述の動作を行うのみで良い。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態につき説明する。
【0016】
図1は本実施形態に係るディジタルボタン電話端末の要部構成を示すブロック図である。
【0017】
この図において、破線で囲い、かつ符号1を付して示されるものがディジタルボタン電話端末であり、ボタン電話主装置2に接続されてボタン電話システムを構築している。
【0018】
同図に示すようにディジタルボタン電話端末1は、ピンポン伝送部11、通話処理部12、ハンドセット13、データチャネル処理部(以下、Dch処理部と称する)14、制御部15および操作パネル16を有している。
【0019】
ピンポン伝送部11は、ボタン電話主装置2との間でピンポン伝送により種々のデータの授受を行う。ピンポン伝送部11は、ボタン電話主装置2から送られてきた伝送信号中から、シリアル通話信号やシリアルDch信号を抽出し、シリアル通話信号を通話処理部12へ、またシリアルDch信号をDch処理部14へとそれぞれ与える。またピンポン伝送部11は、通話処理部12や制御部15から与えられるシリアルデータ信号を時分割多重して伝送信号を生成し、送信する。
【0020】
通話処理部12は、ピンポン伝送部から与えられるシリアル通話信号に含まれる通話データを取り出して、この通話データからアナログの受話音声信号を再生する。そして通話処理部12は、この再生した受話音声信号によりハンドセット13の受話器を駆動し、受話音声の出力を行わせる。また通話処理部12には、ハンドセット13の送話器で生成されたアナログの送話音声信号が入力される。通話処理部12は、この送話音声信号を所定形態のシリアル通話信号に変換して、ピンポン伝送部11へと与える。
【0021】
Dch処理部14は、後述するようなハードウェア回路により構成される。そしてDch処理部14は、ピンポン伝送部11から与えられるシリアルDch信号からのDchデータの抽出や、シリアルDch信号の受信状態の監視、あるいは制御部15に対するDchデータの受信完了通知のための割込み信号の発生などを行う。
【0022】
制御部15は、CPU、ROM、RAMなどを有して構成され、ソフトウェア処理により本ディジタルボタン電話端末1の各部の制御やボタン電話主装置2との間でのデータ通信処理を行う。
【0023】
操作パネル16は、キースイッチ群などの入力デバイスやLCDなどの表示デバイスを有し、ユーザによる制御部15に対する各種の指示入力を受け付けたり、ユーザに対する各種の情報報知を制御部15の制御の下に行う。
【0024】
図2はDch処理部14の詳細構成を示すブロック図である。
【0025】
この図に示すようにDch処理部14は、打ち抜きクロック生成回路21、スタートビット検出回路22、カウント回路23、シリアル/パラレル変換回路(以下、S/P変換回路と称する)24、ラッチ回路25、パリティ計算回路26およびフラグ/割込発生回路27を有している。
【0026】
打ち抜きクロック生成回路21には、制御部15から与えられる2本のスピード切替信号がそれぞれ入力されている。この2本のスピード切替信号は、一方がDchの伝送速度が4kbpsであるボタン電話システムで使用される状態を、他方がDchの伝送速度が16kbpsであるボタン電話システムで使用される状態をそれぞれ示し、いずれか一方が打ち抜きクロック生成回路21へと与えられる。そこで打ち抜きクロック生成回路21は、4kbpsを指定するスピード切替信号が与えられているときには4kHzの打ち抜きクロックを、また16kbpsを指定するスピード切替信号が与えられているときには16kHzの打ち抜きクロックをそれぞれ生成して出力する。この打ち抜きクロック生成回路21が出力する打ち抜きクロックは、カウント回路23およびS/P変換回路24へとそれぞれ与えられる。
【0027】
スタートビット検出回路22には、ピンポン伝送部11から与えられるシリアルDch信号が入力される。スタートビット検出回路22は、この与えられるシリアルDch信号を監視し、スタートビットの到来を検出する。そしてスタートビット検出回路22は、スタートビットの到来を検出したときに、カウント回路23へとリセット信号を与える。
【0028】
カウント回路23は、打ち抜きクロック生成回路21から与えられる打ち抜きクロックに同期してカウント動作を行う。そしてカウント回路23は、スタートビット検出回路22からリセット信号が与えられた時点でカウント値が「0」にリセットされ、その後カウント値が「11」となるまでカウント動作を行い、カウント値が「11」となってから所定時間後にのみパルスが生じるDchフレームタイミング信号を出力する。
【0029】
S/P変換回路24には、ピンポン伝送部11から与えられるシリアルDch信号が入力される。S/P変換回路24は、シリアルDch信号を打ち抜きクロック生成回路21から与えられる打ち抜きクロックに同期して1ビットずつ取込む。そしてS/P変換回路24は、取込んだ最新の10ビットを内部に保持しておき、これらを出力信号#1〜#10としてパラレルに出力する。なお、S/P変換回路24の10本の出力信号#1〜#10は、出力信号#1が最も古く取込んだ1ビットであり、以降#2,#3…,#10の順で取込みタイミングが新しくなる。
【0030】
ラッチ回路25には、S/P変換回路24の出力信号#1〜#10のうちの#1〜#8の8本がそれぞれ入力されている。そしてラッチ回路25は、カウント回路23から与えられるDchフレームタイミング信号に同期したラッチタイミングにS/P変換回路24の出力信号#1〜#8として到来している8ビットを一斉に取込み、この8ビットを次のラッチタイミングまで保持する。そしてラッチ回路25は、ラッチしている8ビットを受信済みのDchデータとして制御部15へと出力する。
【0031】
パリティ計算回路26には、S/P変換回路24の出力信号#1〜#10のうちの#1〜#9の9本がそれぞれ入力されている。そしてパリティ計算回路26は、これらの9本の信号#1〜#9として到来している9ビットのデータに基づき、信号#9として到来しているビットをパリティビットと見なしてのパリティ計算を常時行う。そしてパリティ計算回路26は、このパリティ計算の計算結果をフラグ/割込発生回路27へと与える。
【0032】
フラグ/割込発生回路27には、カウント回路23が出力するDchフレームタイミング信号およびパリティ計算回路26でのパリティ計算結果の他に、S/P変換回路24の出力信号#1〜#10のうちの#10の1本が入力されている。そしてフラグ/割込発生回路27は、Dchフレームタイミング信号に同期したタイミングでのS/P変換回路24の出力信号#10の状態に基づいてフレームエラーの有無の判定を行って、その判定結果を示したフレームエラーフラグを出力する。またフラグ/割込発生回路27は、Dchフレームタイミング信号に同期したタイミングでのパリティ計算結果を示したパリティフラグを出力する。これらフラグは、制御部15により任意に参照可能である。さらにフラグ/割込発生回路27は、Dchフレームタイミング信号に同期したタイミングで受信完了割込を制御部15に対して与える。
【0033】
次に以上のように構成されたディジタルボタン電話端末1の動作につき説明する。なお、通話などに係わる動作は従来よりある同種の端末と同様であるので説明を省略し、ここではDchの受信に関する動作につき詳しく説明することとする。
【0034】
まずピンポン伝送部11では、8kHz周期の伝送フレームの1フレーム当り2ビットの割合でボタン電話主装置2から離散的に送られてくるシリアルDch信号を抽出し、これを16kbpsの速度で各ビットを連続させた状態でDch処理部14へと与える。
【0035】
(16kbps動作)
さて、ディジタルボタン電話端末1が16kbpsのビットレートでシリアルDch信号の送信を行うボタン電話主装置2に接続される場合、制御部15に対しては例えば操作パネル16での所定の指示操作などによりその旨の指定がなされる。そしてこのような場合に制御部15は、16kbpsを指定するスピード切替信号をDch処理部14へと与える。
【0036】
このように制御部15から16kbpsを指定するスピード切替信号が与えられているとDch処理部14では打ち抜きクロック生成回路21が、シリアルDch信号に対して例えば図3に示すようなタイミングの16kHzの打ち抜きクロックを生成している。
【0037】
このためS/P変換回路24では、この16kHzの打ち抜きクロックに同期してシリアルDch信号が順次取込まれる。ここでボタン電話主装置2は16kbpsのビットレートでシリアルDch信号の送信を行うので、シリアルDch信号は図3に示すように1ビット周期毎に異なるビットが挿入されている。そこでS/P変換回路24は、これらの各ビットをそれぞれ取込むのである。
【0038】
そしてS/P変換回路24は、このように取込んだ最新のビットを出力信号#10として、1タイミング前に取込んだビットを出力信号#9として、2タイミング前に取込んだビットを出力信号#8として、3タイミング前に取込んだビットを出力信号#7として、4タイミング前に取込んだビットを出力信号#6として、5タイミング前に取込んだビットを出力信号#5として、6タイミング前に取込んだビットを出力信号#4として、7タイミング前に取込んだビットを出力信号#3として、8タイミング前に取込んだビットを出力信号#2として、9タイミング前に取込んだビットを出力信号#1としてそれぞれ出力する。従って、S/P変換回路24の出力信号#1〜#10は、図3に示すように#1,#2…,#10の順で1ビット分ずつ遅延した状態でシリアルDch信号が現れることとなる。
【0039】
一方、スタートビット検出回路22では、シリアルDch信号におけるDchフレームの先頭に設定されるスタートビットSTの検出を行っており、検出できたならばカウント回路23のリセットをかける。これによりカウント回路23のカウント値は「0」にリセットされる(図3中のT1時点)。
【0040】
カウント回路23は、打ち抜きクロックに同期してカウント値を「1」ずつインクリメントするカウント動作を行う。このためカウント回路23は、スタートビット検出回路22によりスタートビットSTの検出が行われた時点からの打ち抜きクロックのクロック数をカウントすることとなる。なお、スタートビット検出回路22は図3に示すように、スタートビットSTの到来後、スタートビットSTの取込みタイミングが到来する前にカウント回路23のリセットを行うものとなっているので、カウント回路23のカウント値は1つのDchフレームの各ビットのうちのS/P変換回路24への取込み済みビット数を示す値となる。そしてカウント回路23は、このカウント値が1つのDchフレームを構成するビット数である「11」にであるときに図3に示すようなタイミングでDchフレームタイミング信号にパルスを生じさせる(図3中のT2時点)。
【0041】
このT2時点は、1つのDchフレームの11番目のビット、すなわちストップビットSPをS/P変換回路24が取込んだ直後であり、S/P変換回路24の出力信号には、1つのDchフレーム内の11ビットのうちのスタートビットSTを除く10ビットが揃っている。
【0042】
そこでラッチ回路25がS/P変換回路24の出力信号#1〜#8をDchフレームタイミング信号に同期して取込むことで、受信中のDchフレームに含まれた8ビットのDchデータが取込まれ、ラッチされることとなる。
【0043】
一方この時には、ラッチ回路25にラッチされるDchデータの他に、そのDchデータと同一のDchフレームに負荷されたパリティビットPが信号#9としてパリティ計算回路26へと与えられている。パリティ計算回路26は、信号#9として到来しているビットをパリティビットと見なしてのパリティ計算を常時行っているので、この状態では受信中のDchフレームに関するパリティ計算が正しく行われることになる。
【0044】
そこでフラグ/割込発生回路27は、パリティ計算回路26の出力をDchフレームタイミング信号に同期して取込むことで、上述のように正しく行われたパリティ計算の結果を取得する。そしてフラグ/割込発生回路27は、この取得したパリティ計算結果を示すようにパリティフラグのセットを行う。
【0045】
またフラグ/割込発生回路27は、S/P変換回路24の出力信号#10をDchフレームタイミング信号に同期して取込む。T2時点での出力信号#10は、ストップビットSPとなっているので、フラグ/割込発生回路27はこのストップビットSPを取込むことになる。ストップビットSPは本来は“1”であるので、フラグ/割込発生回路27は上述のように取込んだストップビットが“1”になっているか否かを確認する。そして取込んだストップビットが“1”であるならばフレームエラー無しとして、また“0”であるならばフレームエラー有りとしてフレームエラーフラグを設定する。
【0046】
さらにフラグ/割込発生回路27は、以上のようにしてT2時点にて1つのDchフレームに関する受信が終了するので、そのことを制御部15に対して通知するべくDchフレームタイミング信号に同期したタイミングで受信完了割込を制御部15に対して与える。
【0047】
(4kbps動作)
一方、ディジタルボタン電話端末1が4kbpsのビットレートでシリアルDch信号の送信を行うボタン電話主装置2に接続される場合、制御部15に対しては例えば操作パネル16での所定の指示操作などによりその旨の指定がなされる。そしてこのような場合に制御部15は、4kbpsを指定するスピード切替信号をDch処理部14へと与える。
【0048】
このように制御部15から4kbpsを指定するスピード切替信号が与えられているとDch処理部14では打ち抜きクロック生成回路21が、シリアルDch信号に対して例えば図4に示すようなタイミングの4kHzの打ち抜きクロックを生成している。
【0049】
このためS/P変換回路24では、この4kHzの打ち抜きクロックに同期してシリアルDch信号が順次取込まれる。ここでボタン電話主装置2は4kbpsのビットレートでシリアルDch信号の送信を行うので、シリアルDch信号は図4に示すように4ビット周期の間に渡り同一のビットが挿入されている。そこでS/P変換回路24は、これらの4つ連続する同一ビットのうちから1ビットずつをそれぞれ取込むのである。そしてS/P変換回路24は、このように取込んだ最新のビットを前述の16kbps動作の場合と同様にしてそれぞれ出力する。従って、S/P変換回路24の出力信号#1〜#10は、図4に示すように#1,#2…,#10の順で4ビット分ずつ遅延した状態でシリアルDch信号が現れることとなる。
【0050】
スタートビット検出回路22は、前述の16kbps動作の場合と全く同様にスタートビットSTの検出を行っており、検出できたならばカウント回路23のリセットをかける。これによりカウント回路23のカウント値は「0」にリセットされる(図3中のT11時点)。
【0051】
カウント回路23は、打ち抜きクロックに同期してカウント値を「1」ずつインクリメントするカウント動作を行う。このためカウント回路23は、スタートビット検出回路22によりスタートビットSTの検出が行われた時点からの打ち抜きクロックのクロック数をカウントすることとなる。なお、スタートビット検出回路22は図4に示すように、スタートビットSTの到来後、スタートビットSTの取込みタイミングが到来する前にカウント回路23のリセットを行うものとなっているので、カウント回路23のカウント値は1つのDchフレームの各ビットのうちのS/P変換回路24への取込み済みビット数を示す値となる。そしてカウント回路23は、このカウント値が1つのDchフレームを構成するビット数である「11」にであるときに図4に示すようなタイミングでDchフレームタイミング信号にパルスを生じさせる(図4中のT12時点)。
【0052】
そしてこののち、ラッチ回路25、パリティ計算回路26およびフラグ/割込発生回路27では16kbps動作の時と同様な処理が行われる。
【0053】
以上のように本実施形態によれば、Dch処理部14では、各Dchフレームに含まれたDchデータの抽出およびラッチがなされる。またDch処理部14では、各Dchフレーム毎にパリティにより誤り検出およびフレームエラーの検出が行われ、その結果を示すフラグが出力される。そしてこれらと並行してDch処理部14から制御部15へは1つのDchフレームの受信が完了したことを通知するための割込がかけられる。
【0054】
従って制御部15は、受信完了割込がDch処理部14からかけられた後の都合の良いタイミングでフレームエラーフラグおよびパリティフラグを確認し、フレームエラーおよびパリティエラーのいずれも生じていない場合にラッチ回路25によりラッチされているDchデータを取込めばよい。このため、Dchデータの取得に関する制御部15の処理負担は非常に軽減され、上述のようにビットレートが16kbpsであっても問題なく処理可能となる。
【0055】
また本実施形態によれば、上述のようにして16kbpsのビットレートに対応する16kbps動作を実現していながら、打ち抜きクロックの周波数を変更するのみで4kbpsのビットレートに対応する4kbps動作をも行うことが可能となっているので、旧来より存在する低速なボタン電話主装置2に対しても適用することが可能な下位互換性を維持したディジタルボタン電話端末1を実現可能である。
【0056】
なお本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、図5に示すようなフレーム構造のDchフレームとしてDchでのデータ伝送を行うシステムで使用されることを前提としているが、他のフレーム構造に対応する構成とすることも可能である。
【0057】
また上記実施形態では、16kbpsおよび4kbpsの2種類のビットレートに対応する例を示しているが、3種類以上のビットレートに対応する構成とすることも可能であり、またビットレートも16kbpsおよび4kbpsには限らない。
【0058】
また上記実施形態では、フレームエラーのチェックとパリティチェックとを行ってそれらのチェック結果を示すフレームエラーフラグおよびパリティフラグをそれぞれ出力することとしているが、これらのいずれか一方のチェックのみを行うようにしても良いし、あるいは別のチェック処理を行うようにしても良い。
【0059】
このほか、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、主装置から伝送されてくるシリアル信号からスタートビットが検出されてからのクロック信号のクロック数をカウントすることでシリアル信号で到来しているビットが1フレーム内の何番目のビットであるかをカウントする。一方、クロック信号に同期した所定の取込みタイミングでシリアル信号を1ビットずつ取込み、最新のn−1回の前記取込みタイミングでそれぞれ取込んだn−1ビットをパラレルに出力することで、連続するn−1ビットを抽出しておき、カウント値が1フレーム内のビット数nと同数になったとき、すなわち受信中の1フレームの全ビットの受信が完了したときに上述のように抽出されたn−1ビットのうちの所定のmビット(実データ部分)をラッチする。そしてこのように実データがラッチされたのと並行して、シリアル信号の1フレーム分の受信が完了したことを示す完了通知信号を出力するとともに、前記抽出されたn−1ビットのうちの所定のビットの状態に基づいて前記シリアル信号の受信状態の監視を行って、この監視結果を示したフラグ信号を出力するので、CPUでは、完了通知信号に基づいて1フレームの受信完了を認識した後、都合の良い任意のタイミングでフラグ信号から受信状態を確認して、正常な受信状態である場合にのみラッチされている実データを取込めば良い。さらにクロック信号は、外部からの指定に応じてそれぞれ速度が異なる所定の複数のクロック信号を選択的に生成するので、シリアル信号でのビットレートに応じた速度のクロック信号を生成するように指定を行っておけば、そのビットレートでの1フレームを1単位としての受信処理が行われるので、いずれのビットレートの場合にもCPUでは上述の動作を行うのみで良い。この結果、CPUの負荷を低減することが可能であるとともに、複数のデータチャネル伝送レートに対応することが可能で下位互換性を確保することができるディジタルボタン電話端末となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るディジタルボタン電話端末の要部構成を示すブロック図。
【図2】図1中のDch処理部14の詳細構成を示すブロック図。
【図3】16kbps動作の際の動作タイミングを示すタイミング図。
【図4】4kbps動作の際の動作タイミングを示すタイミング図。
【図5】Dchで伝送されるシリアルDch信号のフレーム構造を示す図。
【図6】伝送フレームにおけるシリアルDch信号の挿入状況を模式的に示す図。
【図7】従来のボタン電話システムでのシリアルDch信号のビット配列の様子を示す図。
【符号の説明】
1…ディジタルボタン電話端末
2…ボタン電話主装置
11…ピンポン伝送部
12…通話処理部
13…ハンドセット
14…データチャネル処理部(Dch処理部)
15…制御部
16…操作パネル
21…打ち抜きクロック生成回路
22…スタートビット検出回路
23…カウント回路
24…S/P変換回路
25…ラッチ回路
26…パリティ計算回路
27…フラグ/割込発生回路
Claims (1)
- 主装置から端末へのデータチャネルでのデータの伝送を、mビットからなる実データに、先頭に配置されるスタートビットを少なくとも含む所定の付加ビットを付加してなるnビットのフレーム構造をなすシリアル信号を伝送することで行うディジタルボタン電話システムで前記端末として使用されるディジタルボタン電話端末において、
外部からの指定に応じてそれぞれ速度が異なる所定の複数のクロック信号を選択的に生成するクロック生成回路と、
伝送されてくる前記シリアル信号から前記スタートビットを検出するスタートビット検出回路と、
このスタートビット検出回路により前記スタートビットが検出されてからの前記クロック信号のクロック数をカウントするカウント回路と、
前記クロック信号に同期した所定の取込みタイミングで前記シリアル信号を1ビットずつ取込み、最新のn−1回の前記取込みタイミングでそれぞれ取込んだn−1ビットをパラレルに出力するパラレル変換回路と、
前記カウント回路のカウント値がnとなったタイミングに応じた所定の受信完了タイミングに、前記パラレル変換回路が出力するn−1ビットのうちの所定のmビットをそれぞれ取込んでラッチするラッチ回路と、
前記受信完了タイミングに、前記シリアル信号の1フレーム分の受信が完了したことを示す完了通知信号を出力する受信完了通知回路と、
前記受信完了タイミングに、前記パラレル変換回路が出力しているn−1ビットのうちの所定のビットの状態に基づいて前記シリアル信号の受信状態の監視を行い、この監視結果を示したフラグ信号を出力する受信状態監視回路とを具備したことを特徴とするディジタルボタン電話端末。
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