JP3967174B2 - 防水シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維材料で構成された基布の両表面にポリエステル系エラストマーからなるフィルムが被覆された、高い剥離強度を有する、テントや建築資材などの用途に適した防水シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、テントや建築資材用防水シートにおいては、雨がテント内に入ることを防ぐ機能(防水性)が必要とされている。一般に、基布の繊維組織だけで満足な防水性を得ることが難しいため、繊維材料からなる基布の片側表面に、ポリテトラフルオロエチレンやポリウレタン系エラストマーなどからなるフィルムをラミネートする方法、または、ポリウレタン系エラストマーなどをコーテイングする方法などが採用されてきた。
【0003】
しかしながら、このようにして得られた防水シートは、廃棄されて燃焼される際、使用される樹脂が人体に対して毒性のあるガスを発生するなどの環境問題を有していた。
【0004】
そのため、本発明者は、特願2002−000377において、ポリエーテル−エステル系エラストマー(PEE)で基布の表面を被覆することを提案した。
【0005】
しかるに、かかる防水シートでは、廃棄されて燃焼される際、人体に対して毒性のあるガスを発生することがなく、高い耐水圧を有するものの、使用目的によってはさらに高い剥離強度が求められることが判明した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の背景のもとになされたものであり、その課題は、廃棄されて燃焼される際、使用される樹脂が人体に対して毒性のあるガスを発生することなく、かつ、被覆されたフィルムが基布に対して優れた剥離強度を有する防水シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、基布にポリエステル系樹脂を含浸させ、前記基布の両表面に被覆されたフィルムを、ともに該ポリエステル系樹脂に少なくとも一部接合させることにより、廃棄されて燃焼される際、使用される樹脂が人体に対して毒性のあるガスを発生することなく、被覆されたフィルムが基布に対して優れた剥離強度を有する防水シートが得られることを知り、本発明を完成するに至った。
【0008】
かくして、本発明として「繊維材料で構成され、かつポリエステル系樹脂が含浸された基布の両表面がポリエステル系エラストマーからなるフィルムで被覆されてなる防水シートであって、該ポリエステル系樹脂の含浸量が基布の重量に対して20重量%以上であり、前記基布の両表面に被覆されたフィルムが、ともに前記ポリエステル系樹脂に少なくとも一部接合してなることを特徴とする防水シート。」が提供される。(以下、第2の防水シートと称する。)
【0009】
そして、本発明の防水シートにおいては、基布が、カバーファクター(CF)が800〜2000の範囲にある織物であることが好ましい。
【0010】
また、これらの防水シートにおいて、基布を構成する繊維材料が下記(1)〜(4)を同時に満足するポリエステル繊維であることが好ましい。
(1)0.95≧固有粘度[η]F≧0.70
(2)3.3≧単繊維繊度(dtex)≧0.5
(3)破断伸度(cN/dtex)≧5.3
(4)破断伸度(%)≧20
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明の第1の防水シートにおいて、繊維材料から構成された基布の両表面が、ポリエステル系エラストマーフィルムで被覆され、かつ該基布のどちらか一表面に被覆されたフィルムが、該基布をはさんで、基布の反対側表面に被覆されたフィルムと少なくとも一部接合している。かかる接合は、基布の空隙を通して、両方のフィルムが少なくとも一部直接接合されている。そして、該接合の方法としては、接着剤による接合でもよいが、剥離強度の点で熱融着によるものが特に好ましい。また、接合部の面積については特に限定されないが、剥離強度の点で、接合部の面積がフィルムの面積に対して50%以上(より好ましくは60%以上)であることが好ましい。
【0012】
次に、本発明の第1の防水シートに用いる基布を構成する材料は特に限定されるものではなく、綿、絹、麻等の天然繊維、レーヨンなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、さらには、ポリエチレンテレフタレートやポリ乳酸に代表されるポリエステル繊維、ポリエーテルエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ポリベンズイミダゾール繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維、炭素繊維、フェノール繊維、ポリビニル系繊維などの合成繊維が例示される。これらの繊維は1種でもよいし、複数の組合せであってもよい。使用する繊維材料の種類により、高強度、耐摩耗性、難燃性、生分解性等の機能を本発明の防水シートに付加することも可能になる。
【0013】
これらの繊維は長繊維や短繊維、または、それらの複合繊維の加工糸、紡績糸等の糸条となし、これらの糸条を用いて公知の繊維集合体である織編物や不織布等の基布の形態となして用いられる。また、これらの基布を2種以上貼り合わせて多層基布としてもよい。
【0014】
本発明の第1の防水シートにおいて、前記基布の形態としては、カバーファクター(CF)が500〜1500(より好ましくは800〜1200)の範囲にある織物であることが好ましい。該CFが500未満であると防水シートの耐破れ性が低下する恐れがある。逆に、該CFが1500を越えると、両表面のフィルム同士が接合しにくくなり、満足な剥離強度が得られない恐れがある。なお、本発明でいうカバーファクター(CF)は、下記式で算出される。
CF=(0.9×DP)1/2×MP+(0.9×DF)1/2×MF
ただし、DPは経糸総繊度(dtex)、MPは経糸密度(本/2.54cm)、DFは緯糸総繊度(dtex)、MFは緯糸密度(本/2.54cm)である。
【0015】
さらに、本発明の第1の防水シートにおいて、基布の空隙率は、5〜50%の範囲にあることが、満足な剥離強度を得る上で好ましい。なお、本発明でいう空隙率とは、基布の厚み方向に沿って裁断したときの断面を、電子顕微鏡によって1500倍に拡大したものを20ケ所撮影し、繊維部面積(A1)、ポリエステル系樹脂部面積(A2)、空隙部面積(A3)の各平均値を用いて、下記式により算出するものである。
空隙率(%)=A3/(A1+A2+A3)×100
【0016】
また、前記の繊維の中でも、下記(1)〜(4)を同時に満足するポリエステル繊維を主たる構成繊維とすることが特に好ましい。基布を構成する主たる繊維材料として、かかるポリエステル繊維を使用することにより、防水シートの耐破れ性を向上させることが可能となる。
(1)0.95≧固有粘度[η]F≧0.70
(2)3.3≧単繊維繊度(dtex)≧0.5
(3)破断強度(cN/dtex)≧5.3
(より好ましくは、破断強度(cN/dtex)≧5.6)
(4)破断伸度(%)≧20
(より好ましくは、破断伸度(%)≧25)
【0017】
ここで、固有粘度[η]Fは、強伸度特性、すなわちタフネス及び耐破れ性に影響を及ぼす重要な要素であり、該固有粘度[η]Fが0.70未満の場合では、防水シートの耐破れ性が低下する恐れがある。逆に、該固有粘度[η]Fが0.90を越える場合には、ポリエステル繊維を製糸する際、糸毛羽や糸切れが発生し易くなり、製糸性が低下する恐れがある。
【0018】
前記単繊維繊度が0.5dtex未満では、単繊維自体の強力が小さいため、防水シートの耐破れ性が低下する恐れがある。逆に、該単繊維繊度が3.3dtexを越えると基布が粗硬となる恐れがある。
【0019】
さらに、前記破断強度が5.3cN/dtex未満の場合には、防水シートを例えば屋外で使用して風をはらんだ際、防水シートが破裂する恐れがある。前記破断伸度が20%未満の場合も同様に、弾力性が低下して一気に破裂する恐れがある。
【0020】
また、基布を構成した後の仕上げ性および風合いの点で、前期ポリエステル繊維の沸水収縮率は3〜6%の範囲にあることが好ましい。
【0021】
なお、前記の「主たる」とは、基布を構成する全繊維に対して60重量%以上(好ましくは80重量%以上)を意味する。
【0022】
前記のポリエステル繊維を構成するポリマーとしては、分子鎖中にエチレンテレフタレート繰り返し単位を90モル%以上(好ましくは95モル%以上)含むポリエステルが例示される。
【0023】
かかるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートが好適であるが、10モル%未満(好ましくは5モル%未満)の割合で他の共重合成分を含んでいてもよい。このような共重合成分としては、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、オキシ安息香酸、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメット酸、ペンタエリスリトール等が挙げられる。なお、これらのポリエステルには、安定剤、着色剤、制電剤等の添加剤が含まれていてもよい。
【0024】
そして、前記のポリエステル繊維を製造する方法としては、例えば固有粘度[η]C0.8〜1.1程度のポリエステルチップを溶融し、口金からポリマーを吐出して溶融紡糸し、口金直下の雰囲気を積極加熱したゾーンを経由した後、冷却、油剤付与し、引き取りローラーを経由して巻き取り、次いで延伸するか、あるいは引き取りローラーからただちに延伸する方法が例示される。
【0025】
次に、本発明の第1の防水シートにおいて使用されるポリエステル系エラストマーについて説明する。かかるポリエステル系エラストマーとしては、ポリエステル単位からなる高融点の結晶性重合体(ハードセグメント)、並びに、ポリエーテル単位及び/又はポリエステル単位からなる低融点重合体(ソフトセグメント)とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体であればよい。
【0026】
好ましいハードセグメントとしては、テレフタル酸、ナフタレン2,6−ジカルボン酸等のジカルボン酸成分を全ジカルボン酸成分に対して60モル%以上含むジカルボン酸成分と、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール等の主鎖における炭素数が2〜6の脂肪族ジオール、1,4−ジシクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル等の芳香族ジオール等のジオール成分が全ジオール成分に対して60モル%以上含むポリエステル単位からなるものが挙げられる。なかでもポリブチレンテレフタレートが特に好ましい。
【0027】
一方、好ましいソフトセグメントとしては、分子量1000以上のポリエチレングリコールやポリテトラメチレングリコールなどのポリアルキレングリコールからなるポリエーテル単位、或いは、主鎖における炭素数が2〜15の脂肪族ジオールと、芳香族ジカルボン酸成分又は主鎖における炭素数が2〜15の脂肪族ジカルボン酸を主たる構成成分とする、低融点もしくは非晶性のポリエステル単位を例示することができる。
【0028】
このようなポリエステル系エラストマーの中でも、特にテレフタル酸成分及びテトラメチレングリコール成分以外の共重合成分が、全ジカルボン酸成分に対して40モル%以下であるポリブチレンテレフタレート系ポリエステル単位をハードセグメント(H)とし、芳香族ジカルボン酸成分及びヒドロキシル基とヒドロキシル基との間の炭素原子数が5〜15の長鎖ジオールとから主として構成され、融点が100℃未満又は非晶性のポリエステル単位をソフトセグメント(S)とし、かつ両者の重量比(H:S)が20:80〜70:30の範囲であるものが、該エラストマー自体の耐汚染性や耐候性が高く最も好ましい。
【0029】
このようなエラストマーの製造は、まずソフトセグメント(S)及びハードセグメント(H)を構成するポリエステルをそれぞれ作製し、ついで両者を溶融混合して、得られるエラストマーの融点が前記ハードセグメントを構成するポリエステルの融点よりも低くなるように調整すればよい。
【0030】
この融点は混合温度と時間によって変化するので、目的の融点を示す状態になった時点で、リンオキシ酸等の触媒失活剤を添加して触媒を失活させる方法も採用される。例えば、ハードセグメント(H)用ポリマーとソフトセグメント(S)用ポリマーを重合させる段階で、触媒として添加されている、チタンや錫化合物等の金属原子数と等モル数以上(好ましくは1.2倍以上3倍未満)の燐酸、亜燐酸、有機スルホン酸等が加えられる。
【0031】
最終的に得られるエラストマーは、35℃オルトクロルフェノール中で測定した固有粘度が、0.6以上、特に0.8〜1.5の範囲にあることが好ましい。
【0032】
なお、このようなラストマー中には、安定剤、顔料、染料、核剤、滑剤、難燃剤などの各種機能剤が添加されていてもよい。
【0033】
次に、本発明の第1の防水シートにおいて、前記の基布に前記のポリエステル系エラストマーからなるフィルムを被覆する方法について説明する。まず、周知の手段で前記のポリエステル系エラストマーからなるフィルムを得る。そして、前記の基布に必要に応じてプレセット処理(乾熱処理)を施した後、基布の両表面に該フィルムが被覆されるように配し、常法の熱カレンダー法により、前記基布のどちらか一表面に被覆されたフィルムが、該基布をはさんで、基布の反対側表面に被覆されたフィルムと少なくとも一部熱融着させる方法が好ましい。
【0034】
本発明の第1の防水シートにおいて、前記フィルムの厚みは、得られる防水シートの柔軟性の点から250μm以下が好ましく、また防水性の点から10μm以上が好ましい。
【0035】
次に、本発明の第2の防水シートにおいて、繊維材料で構成され、かつポリエステル系樹脂が含浸された基布の両表面がポリエステル系エラストマーからなるフィルムで被覆されており、前記基布の両表面に被覆されたフィルムが、ともに前記ポリエステル系樹脂に少なくとも一部接合している。そして、該接合の方法としては、接着剤による接合でもよいが、剥離強度の点で熱融着によるものが特に好ましい。また、接合部の面積については特に限定されないが、剥離強度の点で、接合部の面積がフィルムの面積に対して50%以上(より好ましくは60%以上)であることが好ましい。
【0036】
次に、本発明の第2の防水シートに用いる基布を構成する繊維材料は特に限定されるものではなく、本発明の第1の防水シートの基布を構成する繊維材料として例示した前記のものが使用できる。また、かかる繊維材料の繊度も第1の防水シートと同様でよい。
【0037】
本発明の第2の防水シートにおいて、前記基布の形態としては、前記カバーファクター(CF)が800〜2000(より好ましくは1000〜1500)の範囲にある織物であることが好ましい。該CFが800未満であると基布にポリエステル系樹脂を含浸させる際、繊維の目曲がり等の加工性に問題が発生する恐れがある。逆に、該CFが2000を越えると、フィルムと接合するのに充分な樹脂量を含浸できない恐れがある。
【0038】
さらに、本発明の第2の防水シートにおいても、基布の空隙率は、5〜50%の範囲にあることが、満足な剥離強度を得る上で好ましい。
【0039】
本発明の第2の防水シートにおいて、前記の基布にポリエステル系樹脂が含浸されている。かかるポリエステル系樹脂としては、融点が50〜130℃(より好ましくは70〜110℃)の範囲にあるものが好ましい。この範囲の融点を有するポリエステル系樹脂を使用することにより、基布を構成する繊維材料を溶解させずに、該ポリエステル樹脂と前記フィルムとを熱接合させることが可能となり、好ましい。
【0040】
前記ポリエステル系樹脂としては、ポリアルキレングリコール残基(PAG)、アルキレングリコール残基(AG)、およびジカルボン酸残基(DC)からなるポリエーテル−エステル系エラストマー(PEE)が好適に例示される。
【0041】
PEEを構成するPAGとしては、ポリテトラメチレングリコール残基を90重量%以上含んでいることが好ましく、ポリエチレングリコール残基、ポリ1,2−プロピレングリコール残基、ポリ1,3−プロピレングリコール残基、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体の残基、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体の残基ばどが一部配されていてもよい。また、該PAGの数平均分子量については、600〜8000の範囲が適当である。
【0042】
PEEを構成するAGとしては、エチレングリコール残基、プロピレングリコール残基、テトラメチレングリコール残基などがあげられる。
【0043】
PEEを構成するDCとしては、テレフタル酸残基、イソフタル酸残基、フタル酸残基、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸残基、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸残基、ジフェニル−4−4’−ジカルボン酸残基、ジフェノキシエタンジカルボン酸残基、3−スルホイソフタル酸ナトリウム等の芳香族ジカルボン酸残基、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸残基等の脂環式ジカルボン酸残基、コハク酸残基、シュウ酸残基、アジピン酸残基、セバシン酸残基、ドデカンジ酸残基、ダイマー酸残基、これらの誘導体残基等の脂肪族ジカルボン酸残基からなる群より選択された少なくとも1種があげられ、特にテレフタル酸残基、イソフタル酸残基、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸残基、これらの誘導体残基からなる群より選択された少なくとも1種が特に好ましくあげられる。
【0044】
さらに、前記PEEにおいて、PAGとAGおよびDCとの重量比(PAG:(AG+DC))が30:70〜70:30(より好ましくは40:60〜60:40)の範囲にあることが好ましい。PAGの重量がかかる範囲よりも大きいと、得られたPEEの融点が低くなり易く、逆にPAGの重量がかかる範囲よりも小さいと、充分な柔軟性が発現されない恐れがある。
【0045】
該ポリエステル系樹脂の、基布への含浸量は、基布の重量に対して20〜80重量%(より好ましくは40〜60重量%)が適当である。
【0046】
次に、本発明の第2の防水シートにおいて使用されるポリエステル系エラストマーからフィルムは、前記の第1の防水シートと同様のものが使用できる。
【0047】
次に、本発明の第2の防水シートにおいて、前記の基布に前記のポリエステル系エラストマーからなるフィルムを被覆する方法について説明する。まず、有機溶剤に前記のポリエステル系樹脂を溶解させた溶液を、例えば常法のパデイング法で基布に含浸させた後、70〜170℃(好ましくは75〜150℃)の乾熱下で有機溶剤を除去させる。他方、周知の手段で前記のポリエステル系エラストマーからなるフィルムを得る。そして、基布の両表面に該フィルムが被覆されるように配した後、常法の熱カレンダー法により、前記基布の両表面に被覆されたフィルムが、ともに前記基布中に含浸されたポリエステル系樹脂に少なくとも一部熱融着させる方法が好ましい。なお、前記の有機溶剤としては、エチレンホルマール、ジメチルホルムアルデヒド、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレンの1種もしくは2種以上の有機溶剤があげられる。
【0048】
本発明の第2の防水シートにおいて、前記フィルムの厚みは、得られる防水シートの柔軟性の点から250μm以下が好ましく、また防水性の点から10μm以上が好ましい。
【0049】
以上のようにして得られた本発明の防水シートは、フィルムが基布から容易には剥離されないという優れた剥離強度を有するものである。その際、防水シートの剥離強度が、10N/cm以上(より好ましくは15N/cm以上)であることが好ましい。かかる高い剥離強度を有する防水シートは、テント用布帛等の用途に好適に使用される。
【0050】
また、本発明の防水シートは、従来のように塩化ビニル樹脂を使用していないため、廃棄されて燃焼される際、使用される樹脂が人体に対して毒性のあるガスを発生することもない。
【0051】
以上、本発明の防水布帛およびその製造方法について説明したが、本発明の防水シートは、単独で使用されてもよいし、他の布帛と組合わせて使用されてもよい。
【0052】
【実施例】
次に本発明の実施例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
<固有粘度>フェノールとテトラクロロエタンとの混合溶剤(重量比=6:4)を用い、35℃の温度条件下で固有粘度を測定した。
<繊維強伸度>インストロン型の測定器を用い、試料長20cm、引張り速度10cm/分で測定を行った。測定器に試料をセットする際には、試料下端に10cN/dtexの荷重をかけながら糸のゆるみがないようにセットする。強度は破断時の強力を繊度で割った値(cN/dtex)、伸度は破断時の伸張度(%)である。この測定を5回行い、その平均値を求めた。
<融点>示差走査型熱量計(TA instrument製 DSC29290)を用いて、窒素気流中10℃/分の昇温速度で測定した。
<カバーファクター(CF)>下記式により求めた。
CF=(0.9×DP)1/2×MP+(0.9×DF)1/2×MF
ただし、DPは経糸総繊度(dtex)、MPは経糸密度(本/2.54cm)、DFは緯糸総繊度(dtex)、MFは緯糸密度(本/2.54cm)である。
<空隙率>作製したサンプルの厚み方向に沿って裁断したときの断面を、電子顕微鏡によって1500倍に拡大したものを20ケ所撮影し、繊維部面積(A1)、ポリエステル系樹脂部面積(A2)、空隙部面積(A3)の各平均値を用いて、下記式により空隙率を算出した。
空隙率(%)=A3/(A1+A2+A3)×100
<接合部の面積>作製したサンプルからフィルムを剥離させ、フィルムの面積あたりの接合部面積(%)を測定した。
<耐破れ性>作製したサンプルから6.3cm×10cmの試験片をたて方向とよこ方向に採取し、エレメンドルフ型引き裂き試験機を用いて、試験片の両つかみの中央で直角に2cmの切れ目を入れ、残り4.3cmを引き裂いた時に示す荷重強さ(N)を測り、たて方向とよこ方向の引き裂き強さをあわせて平均値を求めた。評価は、該平均値が10N以上であれば○、10N未満5N以上であれば△、5N未満であれば×とした。
<剥離試験>K−6301を参考にし、作製したサンプルから各試験片(1cm×9cm)を採取し、この試験片と同サイズの熱融着テープ(サン化成株式会社製MELCO−BWII)を熱風型ヒートシール機を用いて150℃で試験片の両表面に貼り合わせた後、両融着テープを引張り試験機の相互に向い合ったチャック間(2cm)にセットし、50mm/minの引張り速度でチャック間の距離を広げることで基布とフィルムを剥離させ、その時の強度(N/cm)を測定した。この測定を5回行い、その平均値を求めた。
<防水性>作製した各サンプルをJIS L−1092法の高水圧法に基づき、防水性を評価した。評価は、防水性が3000mmH2O以上であれば○、3000mmH2O未満であれば×とした。
【0053】
[実施例1]
(ポリエステル系エラストマーTPEAの作製)
イソフタル酸ジメチル180重量部、セバシン酸ジメチル20重量部、ヘキサメチレングリコール170重量部をジブチル錫ジアセテート触媒でエステル交換反応後、減圧下で重縮合して、固有粘度1.06のポリエステル(ソフトセグメント)を得た。このポリエステル(ソフトセグメント)に、固有粘度0.98のポリブチレンテレフタレート(ハードセグメント)の乾燥チップを107重量部添加し、240℃で更に45分反応させた後、フェニルフォスフォン酸を0.1重量部添加して、反応を停止させた。このエラストマーはソフトセグメントがポリエステル単位からなるものであって融点は204℃、固有粘度は1.07であった。
(防水シートの作製)
固有粘度[η]F0.80、総繊度44dtex、単糸繊度2.2dtex、破断強度5.8cN/dtex、破断伸度25%であるポリエチレンテレフタレートのマルチフィラメントを用い、打ち込み本数が経緯それぞれ2.54cmあたり63本の織物(基布)を作製し(CF=796)、180℃の乾熱でプレセット処理した後、該織物の両表面に前記のポリエステル系エラストマーTPEAからなる厚さ25μmのフィルムを、温度170℃のカレンダーを用いて貼り合わせた。得られた防水シートは、高い剥離強度を有するものであった。評価結果を表1に示す。
【0054】
[実施例2]
織物(基布)を構成するマルチフィラメントの破断強度を5.1cN/dtex、破断伸度を30%に変える以外は、実施例1と同様にして防水シートを得た。評価結果を表1に示す。
【0055】
[実施例3]
織物(基布)を構成するマルチフィラメントの破断強度を6.2cN/dtex、破断伸度を18%に変える以外は、実施例1と同様にして防水シートを得た。評価結果を表1に示す。
【0056】
[実施例4]
織物(基布)の打ち込み本数を経緯それぞれ2.54cmあたり39本(CF=493)に変える以外は、実施例1と同様にして防水シートを得た。評価結果を表1に示す。
【0057】
[実施例5]
織物(基布)の打ち込み本数を経緯それぞれ2.54cmあたり75本(CF=949)に変える以外は、実施例1と同様にして防水シートを得た。評価結果を表1に示す。
【0058】
[実施例6]
織物(基布)の打ち込み本数を経緯それぞれ2.54cmあたり100本(CF=1265)に変える以外は、実施例1と同様にして防水シートを得た。評価結果を表1に示す。
【0059】
[実施例7]
織物(基布)の打ち込み本数を経緯それぞれ2.54cmあたり126本(CF=1594)に変える以外は、実施例1と同様にして防水シートを得た。評価結果を表1に示す。
【0060】
[実施例8]
(ポリエステル系樹脂及びポリエステル系樹脂溶液の作製)
イソフタル酸ジメチル(IMT)31.5重量部、テトラメチレングリコール(TMG)18.1重量部、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)32.7重量部を反応容器内に仕込んで、エステル交換反応を行いモノマーを得た。その後昇温減圧しつつ重縮合反応を行ってポリエステル系樹脂としてポリエーテルエステル(PEE)を得た。なお、PTMGは数平均分子量1000のものを用いた。このPEEの融点は107℃であった。該PEEのポリマーチップ25重量部を60℃に加熱されたエチレンホルマール75重量部に完全に溶解させ、室温で冷却し、ポリエステル系樹脂溶液とした。
(防水シートの作製)
固有粘度[η]F0.80、総繊度44dtex、単糸繊度2.2dtex、破断強度5.8cN/dtex、破断伸度25%であるポリエチレンテレフタレートのマルチフィラメントを用い、打ち込み本数が経緯それぞれ2.54cmあたり75本の織物(基布)を作製し(CF=949)、前記のポリエステル系樹脂溶液を常法のデイップ法で、ポリエステル系樹脂の含浸量が固形分で30g/m2となるようデイップし、180℃の乾熱でプレセット処理した後、該織物の両表面に実施例1と同じフィルムを、温度170℃のカレンダーを用いて貼り合わせた。基布にポリエステル系樹脂溶液を含浸させる際、繊維の目曲がりが少し発生し、加工性にやや難点があるものの、得られた防水シートは高い剥離強度を有するものであった。評価結果を表1に示す。
【0061】
[実施例9]
織物(基布)の打ち込み本数を経緯それぞれ2.54cmあたり100本(CF=1265)に変える以外は、実施例8と同様にして防水シートを得た。評価結果を表1に示す。加工性に問題なく、得られた防水シートは高い剥離強度を有するものであった。評価結果を表1に示す。
【0062】
[実施例10]
織物(基布)の打ち込み本数を経緯それぞれ2.54cmあたり140本(CF=1770)に変える以外は、実施例8と同様にして防水シートを得た。評価結果を表1に示す。加工性に問題なく、得られた防水シートは高い剥離強度を有するものであった。評価結果を表1に示す。
【0063】
[実施例11]
織物(基布)の打ち込み本数を経2.54cmあたり208本緯2.54cmあたり153本(CF=2283)に変える以外は、実施例8と同様にして防水シートを得た。評価結果を表1に示す。加工性に問題はなかった。評価結果を表1に示す。
【0064】
[実施例12]
(ポリエステル系エラストマーTPEBの作製)
ソフトセグメントとなるポリテトラメチレングリコール(数平均分子量1000)120重量部、ハードセグメントとなるテレフタル酸ジメチル65重量部とテトラメチレングリコール61重量部をテトラブトキシチタネートを触媒として、常法により重合して、ポリエステル系エラストマーを得た。このエラストマーはソフトセグメントがポリエーテル単位からなるものであって、固有粘度は1.42であった。
(防水シートの作製)
上記TPEBからなる厚さ25μmのフィルムを用いる以外は、実施例1と同様にして防水シートを得た。評価結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、被覆フィルムが基布に対して優れた剥離強度を有する防水シートが得られる。かかる防水シートは廃棄されて燃焼される際、使用される樹脂が人体に対して毒性のあるガスを発生することもなく、テント用布帛などの用途に極めて好適である。
Claims (7)
- 繊維材料で構成され、かつポリエステル系樹脂が含浸された基布の両表面がポリエステル系エラストマーからなるフィルムで被覆されてなる防水シートであって、該ポリエステル系樹脂の含浸量が基布の重量に対して20重量%以上であり、前記基布の両表面に被覆されたフィルムが、ともに前記ポリエステル系樹脂に少なくとも一部接合してなることを特徴とする防水シート。
- 前記の基布が、カバーファクター(CF)が800〜2000の範囲にある織物である請求項1に記載の防水シート。
- 防水シートの剥離強度が、10N/cm以上である請求項1または2に記載の防水シート。
- 基布を構成する繊維材料が下記(1)〜(4)を同時に満足するポリエステル繊維である請求項1〜3のいずれかに記載の防水シート。
(1)0.95≧固有粘度[η]F≧0.70
(2)3.3≧単繊維繊度(dtex)≧0.5
(3)破断伸度(cN/dtex)≧5.3
(4)破断伸度(%)≧20 - ポリエステル系エラストマーが、下記のハードセグメント(H)とソフトセグメント(S)とを含み、かつ両者の重量組成比(H:S)が20:80〜70:30の範囲にある請求項1〜4のいずれかに記載の防水シート。
・ハードセグメント(H):テレフタル酸成分及びテトラメチレングリコール成分が各々全ジカルボン酸成分、全アルキレングリコール成分に対して60モル%以上であるポリブチレンテレフタレート系ポリエステル単位からなる。
・ソフトセグメント(S):芳香族ジカルボン酸成分と、ヒドロキシル基とヒドロキシル基との間の主鎖中の炭素原子数が5〜15の長鎖ジオール成分からなり、融点が100℃未満または非晶性であるポリエステル単位からなる。 - 基布の空隙率が5〜50%である請求項1〜5のいずれかに記載の防水シート。
- 接合部の面積がフィルム面積に対して50%以上である請求項1〜6のいずれかに記載の防水シート。
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