JP3965987B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ファクシミリ装置などで使用されるプリンタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザやLEDプリンタでは、ドット自体に階調性を持たせて、多階調のプリントが可能となっているものがある。例えば、LEDプリントヘッドでは、多値の画像データを入力し、LEDの駆動電流を画素毎に調整できるもの(特開平9−11540号)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記した従来のプリントヘッドでは、多階調と言っても、階調数(16、32等)は限られている。一方、スキャナで読み取られた画像データについては、256階調、512階調あるいはそれ以上の階調が実現されている。そこで、このような多階調のデータを単純にプリンタの階調に比例配分(単純比例配分の階調を図5に示す)してプリントすると、図7に例示するように、見た目にはかえって画質が低下したようになってしまい、2値のプリンタで疑似多階調処理(網点処理)したよりも画質が低くなる場合がある、という問題点がある。
【0004】
この発明は上記問題点に着目してなされたものであって、あたかも網点処理したかの如く見せ、実際、見た時の階調性を向上させることのできる画像形成装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の画像形成装置は、2m階調の画像データを2n階調(n<m)以下の階調の画像形成部で記録媒体に記録する画像形成装置において、mビットの画像データのうちの上位m−nビットの値と記憶部に記憶されたm−nビットの第1の閾値とを比較する第1の比較部と、前記mビットの画像データのうち下位nビットの値と記憶部に記憶されたnビットの第2の閾値とを比較する第2の比較部と、前記第1の比較部と前記第2の比較部の出力を入力に受け、前記第 1 の比較部の出力が前記画像データの上位m―nビットの値が第1の閾値より大きいことを示す場合にnビットの全黒画像データを出力し、前記第1の比較部の出力が前記画像データの上位m―nビットの値が前記第1の閾値未満を示す場合にnビットの全白画像データを出力し、前記第1の比較部の出力が前記画像データの上位m―nビットの値が前記第1の閾値と等しいことを示す場合に、前記第2の比較部の出力が前記画像データの下位nビットの値が前記第2の閾値より大きいことを示す場合には前記画像データの下位nビットを画像データとして出力し、前記第2の比較部の出力が前記画像データの下位nビットの値が前記第2の閾値以下であることを示す場合にはnビットの全白画像データを出力するデータ出力回路と、を備えている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態により、この発明を更に詳細に説明する。図1、図2に、この発明の実施形態画像形成装置全体の概略構成を示すブロック図を示す。
【0008】
この画像形成装置は、ファクシミリ機能とコピー機能とを備えたいわゆる複合機として構成したもので、MPU1、NCU(網制御回路:Network Control Unit)2、MODEM3、ROM4、RAM5、画像メモリ(DRAM)6、CODEC(符号化・復号器:Coder and Decoder )7、操作部8、スキャナ9、パーソナルコンピュータ11が接続されたプリンタI/F(インタフェイス)10、プリンタ10aを備える。
【0009】
MPU1は、この装置を構成する各回路部を制御する機能を有する。NCU2は、電話回線網(PSTN)との接続を制御すると共に、相手先の電話番号(FAX番号を含む)に対応したダイヤル信号を送出する機能及び着信を検出するための機能を備えている。MODEM3は、ITU(国際電気通信連合)−T勧告T.30に従ったファクシミリ伝送制御手順に基づいて、V.17、V.27ter、V.29等に従った送信データの変調及び受信データの復調を行う。或いは、これらに加えてV.34に従った送信データの変調及び受信データの復調を行う。
【0010】
ROM4は、この装置を制御するためのプログラムを記憶する。RAM5は、データ等を一時的に記憶する。画像メモリ6は、受信画像データやスキャナ9で読み取った画像データを一時的に記憶する。CODEC7は、読み取った画像データを送信するためにMH、MR、MMR方式等により符号化(エンコード)し、受信画像データを復号(デコード)する。操作部8は、ユーザがFAX送信・受信、プリント等の指示をするためのものである。スキャナ9は、FAX送信又はコピーするときに原稿の画像データを読み取り、2値又は多値の画像データを生成する。
【0011】
この装置におけるプリンタ10aは、プリンタ各部を制御するプリンタコントローラ(制御部)12を備える。プリンタコントローラ12は、階調処理回路12aを有する。階調処理回路12aについては、後に詳述する。
【0012】
プリンタ内部には、感光体として外周面に光導電膜を有する感光ドラム13が配置され、感光ドラム13は、駆動源(図示せず)により回転される。この感光ドラム13の周囲には、ブラシローラ式の帯電器として帯電ブラシ14が配置され、この帯電ブラシ14には帯電バイアス印加回路15により所定の帯電バイアス電圧が印加される。帯電バイアス電圧が印加された帯電ブラシ14は、回転しながら感光ドラム13の外周面を一様に帯電させる。
【0013】
感光ドラム13の周囲に配置された露光部としてのLEDプリントヘッド16は、多数のLEDを並設してなり、入力された画像情報に基づき感光ドラム13の外周面に光を照射し、外周面に画像情報に対応する静電潜像を形成する。
【0014】
更に、感光ドラム13の周囲に配置された現像器は、供給ローラ17、現像ローラ18、ブレード19及び現像器バイアス印加回路20等により構成される。供給ローラ17は、トナーを入れたトナーケース(図示せず)からトナーを帯電させつつ現像ローラ18に供給するもので、この供給ローラ17と感光ドラム13に接触して配置された現像ローラ18には、現像器バイアス印加回路20により所定のバイアス電圧が印加される。
【0015】
ブレード19は、現像ローラ18の外周面に弾性的に接触し、現像ローラ18の外周面に付着したトナーの層厚を均一にするもので、このブレード19には現像器バイアス印加回路20により所定のバイアス電圧が印加される。
【0016】
更に感光ドラム13の周囲に配置された転写器としての転写ローラ21は、用紙搬送路Pを挟んで感光ドラム13の外周面と接触するように配置され、メインモータ31により回転される。この転写ローラ21には転写バイアス印加回路22により所定のバイアス電圧が印加される。転写ローラ21の電流は、電流検出部35により検出され、検出された電流値はプリンタコントローラ12に保持される。プリンタコントローラ12は、プリント時に転写バイアス決定テーブルを参照して、電流値に対応する転写電圧を得、転写バイアス印加回路22はそのバイアス電圧を転写ローラ21に印加する。
【0017】
用紙搬送路の用紙送り出し側に配置された定着器は、ハロゲンランプ等のヒータを有する加熱ローラ23、ヒータ駆動回路24及びプレスローラ25等で構成される。加熱ローラ23のヒータはヒータ駆動回路24により所定の温度に加熱される。加熱ローラ23とプレスローラ25は、転写ローラ21による転写後の用紙を加熱圧接することにより、用紙上のトナー画像を定着させる。また、加圧ローラ23の近傍に定着温度検出用の温度センサ29を設けている。
【0018】
この装置では、感光ドラム13の周囲にメモリ除去ブラシ26が配置されている。このメモリ除去ブラシ26は、転写後にも感光ドラム13の外周面に画像の輪郭に沿って残るトナー画像(メモリ画像)を除去するためのもので、メモリ除去ブラシ26にはメモリ除去ブラシ電圧印加回路27により所定のバイアス電圧が印加される。
【0019】
更にこの装置には、用紙搬送路において、感光ドラム13及び転写ローラ21の上流側に、用紙が給紙カセット(図示せず)から送られてきたかどうかを検出するセンサとしてPSS(Paper Supply Sensor )30が配置されている。後記の動作でも説明するように、PSS30は、用紙が給紙カセット(図示せず)から送られてくるとONになる。
【0020】
給紙側においては、給紙カセットにセットされた用紙を1枚ずつ取り出すための用紙搬送機構部が設けられている。この用紙搬送機構部では、給紙ローラ33とメインモータ(例えばステッピングモータ)31がクラッチ32を介して連結され、給紙カセットから用紙を取り出すときは、クラッチ32により給紙ローラ33がメインモータ31に接続され、給紙ローラ33が回転することで、給紙カセットの用紙が1枚ずつ取り出される。給紙開始は、プリンタコントローラ12からの指令によって開始される。
【0021】
上記のように構成された画像形成装置において、プリント動作は周知であるが、概説すると、帯電ブラシ14により感光ドラム13が一様に帯電され、その感光ドラム13にLEDプリントヘッド16により画像情報に対応する静電潜像が形成され、現像ローラ18により感光ドラム13上の静電潜像にトナーが吸着されて、感光ドラム13上にトナー画像が形成される。そして、転写ローラ21により感光ドラム13上のトナー画像が用紙に転写される。転写後は、加熱ローラ23とプレスローラ25により用紙が加熱・加圧され、用紙にトナー画像が定着される。
【0022】
図3は、階調処理回路12aの回路構成を示すブロック図である。この階調処理回路12aは、8ビットの画像データの上位4ビットの閾値を記憶するレジスタ41と、8ビットの画像データの下位4ビットの閾値を記憶するレジスタ42と、レジスタ41に記憶する閾値と入力画像データDi7〜Di0の上位4ビットであるDi7〜Di4とを比較し、比較結果として入力画像データの上位4ビットがレジスタ41の閾値より大なる場合信号「1」を、大きくない場合に信号「0」を出力する出力端O1と、等しい場合に「1」を出力する出力端O2を有する比較回路43と、レジスタ42に記憶する閾値と入力画像データDi7〜Di0の下位4ビットであるDi3〜Di0とを比較し、比較結果を出力する比較回路44と、この比較回路44の出力を、それぞれの入力の一端に受け、画像データの下位4ビットであるDi3〜Di0をそれぞれの入力の他端に個別に受けるAND回路45、46、47、48と、これらAND回路45、46、47、48の各出力をそれぞれ個別に入力の一端に受け、比較回路43の出力端O2からの信号を他方の入力端に共通的に受けるAND回路49、50、51、52と、これらAND回路49、50、51、52の各出力をそれぞれ個別に入力の一端に受け、比較回路43の出力端O1からの信号を入力の他端に共通的に受けるOR回路53、54、55、56とから構成されている。OR回路53、54、55、56から、4ビットのデータDo0、Do1、Do2,Do3を出力する。
【0023】
この、階調回路12aの処理動作を図4のフロー図を参照して説明する。先ずステップST1において、LEDの階調ビット数(例えば4ビット)=色(画像)データの下位ビット数=(閾値の下位ビット数)となるように、上位、下位に、つまり図3における入力データの上位ビット数4、下位ビット数4、閾値のビット数4となるように分ける。続いて、ステップST2において、色(画像)データの上位ビットDi7〜Di4>閾値の上位ビット(レジスタ41に記憶されている閾値)であるか否か判定する。この判定は比較回路43で行われる。
【0024】
ここで、色(画像)データの上位ビットDi7〜Di4の方が大であると、次にステップST3において、画データを1(ON)とし、階調データ(Do3〜Do0)をFULL DUTYとする。この処理は比較回路43の出力端O1の出力を「1」とし、OR回路53、・・・・、56の出力D03、・・・・D00をすべて「1」とすることにより達成する。一方、ステップST2において、上位ビットDi7〜Di4の方がレジスタ41の閾値より大でない場合、ステップST4において(色データの上位ビット)=(閾値の上位ビット)かを判定する。ここで、判定YESの場合は比較回路43の出力端O2より、信号「1」を出力し、ステップST5へ移行する。一方、判定NOの場合は、ステップST7へ移行する。この処理は、比較回路43のO2出力により行う。判定NOでは出力端O2より信号「0」が出力され、この信号「0」がAND回路49、50、51、52の一方端に入力されるので、AND回路49、50、51、52の各出力は「0」となる。比較回路43の出力端O1の出力も「0」なので、OR回路53、54、55、56の入力にはいずれも「0」が入力され、画データが0(OFF)となる。つまりOR回路53、・・・・、56の出力D00〜D03が「0」となる。これにより、全白のデータが出力される。
【0025】
ステップST5においては(色データの下位ビット)>(閾値の下位ビット)かの判定を行う。この判定は、比較回路44によって行われる。色(画像)データの下位ビットDi3〜Di0が大きい場合は、ステップST6において階調データ、つまり色データの下位ビットDi3〜Di0に応じたDUTYにセットする。この処理は、比較回路44が、(色データの下位ビット)>(閾値の下位ビット)の判定がYESで、信号「1」を出力し、AND回路45、46,47,48の各入力の一端に加えるので、AND回路45、46,47,48の各入力の他端に入力されている画像データの下位ビットDi3〜Di0は、そのまま、AND回路45、46,47,48、AND回路49、50、51、52、及びOR回路53、54、55、56をへて出力信号Do3〜Do0として出力することにより、達成される。
一方、色(画像)データの下位ビットDi3〜Di0が大きくない場合、つまり閾値の下位ビット以下の場合には、ステップST7において、画像データを0とする。この処理は、比較回路44が、(色データの下位ビット)>(閾値の下位ビット)の判定がNOで、信号「0」を出力し、AND回路45、46,47,48の各入力の一端に加えるので、AND回路45、46,47,48の各出力が「0」となり、OR回路53、54、55、56がそれぞれ信号「0」を出力することにより達成される。これにより、OR回路53、54、55、56の各出力Do3〜Do0は「0」となる。つまり、全白のデータが出力される。
【0026】
この実施形態での階調変換後の例を、従来の単純比例配分による図7の変換に対応させて示すと、図6に示すものとなり、見た目に自然な感じの階調表示となる。
【0027】
【発明の効果】
この発明によればmビットの画像データのうち、上位m‐nビットの値が第1の閾値より大の時は下位nビットを強制的に全黒とし、上位m‐nビットの値が、第1の閾値未満のときは強制的に全白とするので、あたかも網点処理したかのように、実際、見たときの階調性を向上させることができる。また上位m‐nビットが第1の閾値と等しいときは下位nビットの値が第2の閾値より大のときはそのまま画像データとして出力し、階調性を確保し、第2の閾値以下のときには強制的に全白とするので、画像の階調性を確保出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態である画像形成装置の全体の概略構成ブロック図(一部分)である。
【図2】同画像形成装置の全体の概略構成ブロック図(残部分)である。
【図3】同画像形成装置の階調処理回路の構成を示すブロック図である。
【図4】同階調処理回路の処理動作を説明するためのフロー図である。
【図5】単純比例配分を示すチャートである。
【図6】上記実施形態画像形成装置による階調処理画面の例を示す図である。
【図7】単純比例配分による階調処理画面の例を示す図である。
【符号の説明】
12 プリンタコントローラ
12a 階調処理回路
41、42 レジスタ
43、44 比較回路
45、……、52 AND回路
53、……、56 OR回路
Claims (1)
- 2m階調の画像データを2n階調(n<m)以下の階調の画像形成部で記録媒体に記録する画像形成装置において、
mビットの画像データのうちの上位m−nビットの値と記憶部に記憶されたm−nビットの第1の閾値とを比較する第1の比較部と、
前記mビットの画像データのうち下位nビットの値と記憶部に記憶されたnビットの第2の閾値とを比較する第2の比較部と、
前記第1の比較部と前記第2の比較部の出力を入力に受け、前記第 1 の比較部の出力が前記画像データの上位m―nビットの値が第1の閾値より大きいことを示す場合にnビットの全黒画像データを出力し、前記第1の比較部の出力が前記画像データの上位m―nビットの値が前記第1の閾値未満を示す場合にnビットの全白画像データを出力し、前記第1の比較部の出力が前記画像データの上位m―nビットの値が前記第1の閾値と等しいことを示す場合に、前記第2の比較部の出力が前記画像データの下位nビットの値が前記第2の閾値より大きいことを示す場合には前記画像データの下位nビットを画像データとして出力し、前記第2の比較部の出力が前記画像データの下位nビットの値が前記第2の閾値以下であることを示す場合にはnビットの全白画像データを出力するデータ出力回路と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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