JP3965594B2 - 少なくとも１つの針床を持つ横編機 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、少なくとも１つの針床と、針床に沿って移動可能なキヤリジと、針床に沿って移動可能に支持される少なくとも１つの機能素子特に糸道とを持っている、横編機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
横編機では、糸道及び押下げ片等のような他の機能素子は、一般にキヤリジに固定的に結合される連行装置により駆動される。これらの連行装置は制御される爪を持ち、これらの爪が機能素子に作用して、これらの機能素子を同じ方向にキヤリジと同じ速度でキヤリジと共に動かす。しかしキヤリジにあるこれらの連行装置は、上から針空間への接近を妨げるので、どこでも使用することはできない。
【０００３】
更に自動的に駆動される糸道を持つ横編機が公知である。この公知の横編機では、糸道も同様に公知の糸案内レール上を摺動するが、電動機を介して駆動される歯付きベルト結合されている。糸道は、各編成方向において、精確に規定される間隔をおいて編成カム中心の後を追って移動せねばならないので、この横編機では、糸道のために電動機の費用のかかる制御が必要である。電動機自体は非常に速く加速されねばならず、従って高価である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の基礎になっている課題は、小形の付加的な電動機を必要とするが、キヤリジに固定的に結合される連行装置を必要としない、糸道のような機能素子用の駆動装置を持つ横編機を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
最初にあげた種類の横編機において、この課題を解決するため本発明によれば、機能素子が、キヤリジに固定的に結合されておらずかつ機能素子に係合可能な少なくとも１つの連行素子を介して、キヤリジ駆動装置により、キヤリジに同期して駆動可能である。こうして今やキヤリジ駆動装置は１つ又は複数の機能素子も駆動し、そのためにキヤリジと機能素子との直接結合を行う必要はない。
【０００６】
特にキヤリジ駆動装置は、機能素子に係合可能な少なくとも１つの連行素子を、キヤリジに同期して駆動することができる。この連行素子はキヤリジには結合されず、例えば針床に対して平行にレールに案内されることができる。連行素子は、例えばキヤリジ駆動装置に連結される鎖、ベルト又は綱により駆動可能である。その際連行素子が、２つの転向ローラを介して案内される無端鎖又は無端歯付きベルトに設けられ、転向ローラの少なくとも１つがキヤリジ駆動装置の電動機軸により駆動可能である。これは、１つ又は複数の連行素子の構造的に極めて簡単な同期駆動の可能性を与える。
【０００７】
特に機能素子が糸道である場合、連行素子の垂直な中心軸線がキヤリジの給糸点の垂直な中心軸線と一致するように、連行素子がキヤリジに同期して駆動可能であるようにすることができる。それにより、糸道箱の適当に幅広い連行切欠きによって、キヤリジ中心に対し所定の間隔をおいて糸道の必要な後追いを従来のように保証することができる。
【０００８】
連行素子は、複数の機能素子と係合可能である。このため 連行素子が、変位可能に支持される制御可能な１つ又は複数の摺動片を持ち、摺動片がその動作位置で少なくとも１つの機能素子のストツパ面に作用することができる。
【０００９】
本発明による駆動装置によって、連行素子だけでなく、例えば鋏、変位可能なストツパ素子、押下げ片、編目形成素子、編目形成制御素子のような横編機の他の機能素子も、キヤリジに同期して動かすことができる。
【００１０】
次に図面に基いて、本発明による横編機の糸道の駆動装置の実施例を詳細に説明する。
【００１１】
【実施例】
図１は、１つ又は複数のここには示してない針床の頂部の上方に間隔をおいて平行に設けられている糸道レール１を側面図で示している。図３の断面図に示すように、糸道レール１はその前側及び後ろ側に、ここには図示してない糸道箱用案内軌道としてのダブテール案内部１２及び１３を持っている。更に糸道レール１は、連行素子２ここでは糸道連行片用の案内部としての案内軌道１４を持ち、この案内軌道１４は図示した例では偏平案内部である。しかしこの案内部１４は、他のいかなる適当な形状も持つことができる。レール１の下側には、連行片２用駆動ベルト３のための凹所１５が設けられている。連行片２は駆動ベルト３に固定的に結合され、この駆動ベルト３は無端ベルトとして構成され、図１に示すように２つの転向ローラ６及び７を介して案内されている。
【００１２】
連行片２は、糸道レール１の案内部１４を包囲して長さ方向移動可能にこのレール１上に設けられるように構成されている。図３に示すように、連行片２は２つの側方摺道片２１及び２２を持ち、摺動片２１は動作位置で示され、摺動片２２は不動作位置で示されている。両方の摺動片２１及び２２は、図示しない切換え装置により動作位置又は不動作位置へもたらされる。動作位置で摺動片２１及び２２は糸道箱へはまって、駆動ベルト３が動かされる時、この糸道箱を連行する。
【００１３】
駆動ベルト３の駆動は、別の駆動ベルト又は鎖９を介してキヤリジ５０（図１）用の図示しない駆動電動機の軸３０に結合されるローラ６を介して行われる。キヤリジ５０自体も同様に、無端ベルトとして構成される駆動ベルト５１を介して駆動される。図２に示すように、キヤリジ駆動ベルト５１と連行片２の駆動ベルト３は、異なる垂直面に設けられている。このためキヤリジ５０用駆動装置と連行片２用駆動装置との間の結合ベルト９は、電動機軸３０上に設けられかつキヤリジ駆動ベルト５１を案内するベルト車３２に対して側方にずれているベルト車３１を介して案内される。連行片側で結合ベルト８は、連行片２用駆動ベルト３を案内する転向ローラ６と同じ軸４上にあるベルト車８を介して案内される。キヤリジ５０と連行片２との同期駆動を保証するため、ベルト車３２と６及びベルト車３１と８は、それぞれ同じ有効直径を持っていなければならない。その際連行片２の垂直な中心軸線５５がキヤリジの給糸点の垂直な中心軸線５５と一致するように、連行片が駆動ベルト３に設けられている。それにより、位置５０′へ距離Ａだけキヤリジ５０が移動する際、連行片２及びその作用を受ける糸道も、距離Ａだけ位置２′へ動かされる。
【００１４】
こうしてすべてレール１又はこれに対して平行な別のレール上に案内される複数の連行片２も駆動できることは自明である。連行片は、編機にある給糸点と少なくとも同じ数の摺動片２１，２２を持つことができる。これにより比較的長い連行片２が生じる。その代わりに複数の短い連行片２を駆動ベルト３に取付けることもでき、その場合連行片２は２つの摺動片２１，２２のみを持っている。
【００１５】
キヤリジ５０と連行片２とのベルト連結の代わりに、鎖連結又は歯車連結も行うことができる。更にキヤリジ５０及び連行片２用の駆動装置を無端ベルトの形に構成することも必要ではない。駆動装置は例えば無端の綱又は鎖巻取り及び巻戻しによっても行われる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による横編機を前から見た方向におけるキヤリジ及び糸道の駆動装置の正面図である。
【図２】図１の装置を矢印ＩＩの方向に見た図である。
【図３】図１の装置のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿う断面図である。
【符号の説明】
３０ キヤリジ駆動装置
５０ キヤリジ

Claims (7)

1. 少なくとも１つの針床と、針床に沿って移動可能なキヤリジ（５０）と、針床に沿って移動可能に支持される少なくとも１つの機能素子とを持っている、横編機において、機能素子が、キヤリジに固定的に結合されておらずかつ機能素子に係合可能な少なくとも１つの連行素子（２）を介して、キヤリジ駆動装置（３０）により、キヤリジ（５０）に同期して駆動可能であることを特徴とする、横編機。
2. 連行素子（２）が、針床に対して平行にレール（１）に案内されていることを特徴とする、請求項１に記載の横編機。
3. 連行素子（２）が、キヤリジ駆動装置（３０）に連結される鎖、ベルト（３）又は綱により駆動可能であることを特徴とする、請求項１又は２に記載の横編機。
4. 連行素子（２）が、２つの転向ローラ（６，７）を介して案内される無端鎖又は無端歯付きベルト（３）に設けられ、転向ローラ（６，７）の少なくとも１つがキヤリジ駆動装置の電動機軸（３０）により駆動可能であることを特徴とする、請求項３に記載の横編機。
5. 連行素子（２）の垂直な中心軸線（５５）がキヤリジ（５０）の給糸点の垂直な中心軸線（５５）と一致するように、連行素子（２）がキヤリジ（５０）に同期して駆動可能であることを特徴とする、請求項１〜４の１つに記載の横編機。
6. 連行素子（２）が複数の機能素子と係合可能であることを特徴とする、請求項１に記載の横編機。
7. 連行素子（２）が、変位可能に支持される制御可能な１つ又は複数の摺動片（２１，２２）を持ち、摺動片（２１，２２）がその動作位置で少なくとも１つの機能素子のストツパ面に作用することを特徴とする、請求項１〜６の１つに記載の横編機。

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