JP3964727B2 - 加工フィルムの製造方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、厚さの均一性に優れるフィルムの量産性に優れる加工フィルムの製造方法及びその装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
従来、透明フィルム上に紫外線硬化樹脂等からなる表面コートなどを設けてなる加工フィルムの製造方法としては、透明フィルム上に紫外線硬化型樹脂等を塗布してそれを一定の間隙で配置した円柱ロールと均一径のニップロールの間に導入して通過させた後、紫外線等を照射して塗布層を硬化させる方法が知られていた。
【0003】
しかしながら円柱ロールとニップロール間における間隙の変動で形成される加工フィルムの厚さがバラツキやすくて、均一性に乏しい問題点があった。円柱ロールとニップロール間における間隙の変動は、エア等を介したニップロールの駆動においてエア等の圧力変動による押圧力の変動、円柱ロールの回転軸ブレ、硬化型樹脂の供給量の変動などにより発生する。
【0004】
【発明の技術的課題】
本発明は、厚さの均一性に優れる加工フィルムを量産性よく得ることができ、付加するコート層に所定の形状を付与することも容易な製造方法の開発を課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】
本発明は、両端部の半径を中央部の半径よりも大きくしたニップロールをその両端部の外周を介し円柱ロールの外周に接触させて形成した、当該ニップロールの中央部外周と円柱ロール外周との間隙に、活性エネルギー線硬化型樹脂を塗布した透明フィルムをその塗布層が円柱ロールと接触するように導入して当該間隙を通過させた後、その透明フィルム側から活性エネルギー線を照射して当該塗布層を硬化させることを特徴とする加工フィルムの製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、ニップロールをその両端部を介し円柱ロールに部分的に接触させたことで、押圧力の変動や回転軸ブレなどにより硬化型樹脂の塗布層を成形する間隙が変動しにくく、また樹脂供給量の変動に対しても当該間隙が塗布量を平準化して厚さのバラツキが少なくて厚さの均一性に優れる加工フィルムを量産性よく得ることができる。また円柱ロールの表面に所定の形状を付与することで、その付与形状を介して当該塗布層を成形でき、表面に凹凸等の所定形状を有する加工フィルムも容易に製造効率よく得ることができる。
【0007】
【発明の実施形態】
本発明による製造方法は、両端部の半径を中央部の半径よりも大きくしたニップロールをその両端部の外周を介し円柱ロールの外周に接触させて形成した、当該ニップロールの中央部外周と円柱ロール外周との間隙に、活性エネルギー線硬化型樹脂を塗布した透明フィルムをその塗布層が円柱ロールと接触するように導入して当該間隙を通過させた後、その透明フィルム側から活性エネルギー線を照射し当該塗布層を硬化させて加工フィルムを得るものである。
【0008】
前記方法の実施は、例えば軸回転する円柱ロール、中央部よりも大きい半径の両端部を有してその両端部の外周を介し前記円柱ロールの外周と接触して軸回転するニップロール、活性エネルギー線硬化型樹脂の塗布手段、その硬化型樹脂を塗布した透明フィルムを前記円柱ロールとニップロールの中央部とにおける間隙に導入後、当該透明フィルムをその塗布層を介し円柱ロールに密着させて通過させる搬送手段、その円柱ロールに密着する透明フィルムに対して透明フィルム側から活性エネルギー線を照射する硬化手段、及びその硬化処理後の透明フィルムを円柱ロールより剥離する回収手段を有する製造装置などを用いて行うことができる。
【0009】
図1に前記の製造装置を例示した。1が円柱ロール、3がニップロール、4が透明フィルム、5が活性エネルギー線照射装置、6が剥離ロール、12が活性エネルギー線硬化型樹脂、41が加工フィルムである。ニップロール3は、両端部31の半径が中央部31の半径よりも大きく形成されている。なお図中の2は、多数の微細凸部21を分散分布させてなる状態の成形パターンを有する成形型である。
【0010】
ニップロール3は、中央部32よりも半径を大きくした両端部31の外周を介して円柱ロール1の外周と部分的に接触するように配置されており、円柱ロールの軸回転と連動して逆方向に軸回転するようになっている。従ってニップロールにおける両端部と中央部との半径差に基づいてニップロールの中央部と円柱ロールとの間に間隙が形成されると共に、前記接触状態の維持で当該間隙が一定にいじされる。
【0011】
活性エネルギー線硬化型樹脂の塗布手段は、ポンプ10とノズル11からなり、タンクに溜めた活性エネルギー線硬化型樹脂12をポンプ10にて吸上げて、ノズル11を介し連続的に供給するようになっており、これにより活性エネルギー線硬化型樹脂12が透明フィルム4上に塗布される。
【0012】
硬化型樹脂12が塗布された透明フィルム4は、図外の搬送手段を介して、その塗布層が円柱ロール側となるように前記した円柱ロール1とニップロール3の中央部32との間、及び円柱ロールと剥離ロール6との間に順次誘導されて通過するようになっている。
【0013】
前記により、円柱ロールとニップロール中央部の間の間隙を介して、仮に硬化型樹脂の供給量に変動がある場合にも、その樹脂は透明フィルムの幅方向にレベリングされて塗布厚が平準化され厚さの変動が抑制されるなどして、塗布量の過不足やその厚さ等の塗布状態が制御され、当該間隙厚を高精度に反映した厚さに調節されつつ、その塗布層を介して透明フィルムが円柱ロールの外周に密着し、軸回転する円柱ロールに沿って移動する。従って前記したロール接触方式にて当該間隙の一定性が高度に維持されることより、得られる加工フィルムの厚さのバラツキが格別に抑制される。なお前記塗布状態の制御は、塗布層中に混入した気泡の押圧による押出にも有効である。
【0014】
ついで円柱ロール1と共に密着移動する透明フィルム4に対しては、その透明フィルム側から硬化手段5を介して活性エネルギー線が照射され、フィルム内側の硬化型樹脂塗布層が硬化処理されて加工フィルム41とされた後、軸回転する剥離ロール6等からなる回収手段を介しその加工フィルムが円柱ロール1より剥離されて、必要に応じ図外の巻取りロール等に巻き取られる。
【0015】
従って上記の製造装置により、円柱ロール1の外周に両端部を太くしたニップロール3の外周31を接触させて、そのニップロールの中央部外周32と円柱ロール外周との間に形成した間隙に、活性エネルギー線硬化型樹脂12を塗布した透明フィルム4をその塗布層が円柱ロールと接触するように導入して当該間隙を通過させた後、その透明フィルム側から活性エネルギー線5を照射し当該塗布層を硬化させて加工フィルム41を連続的に得る、本発明による加工フィルムの連続製造方法が実施される。
【0016】
なお前記した円柱ロール1とニップロール3と剥離ロール6の軸回転には、例えば搬送手段を介した透明フィルム4の移動力ではその軸回転力に不足する場合などに、その1体又は2体以上のロールを軸回転させるための駆動源が必要に応じて用いられる。また図例では、硬化手段としての活性エネルギー線照射装置5として紫外線照射ランプが用いられており、従って活性エネルギー線硬化型樹脂としては、紫外線硬化型樹脂が用いられている。
【0017】
円柱ロールやニップロールは、例えばアルミニウムやニッケル、コバルトや銅や鋼の如き金属やそれらの合金類、シリコーン系樹脂やウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂やフッ素系樹脂の如き樹脂などの適宜な材料にて形成することができる。強度ないし耐久性や加工精度等の点よりは金属ないし合金からなることが好ましい。剥離ロールの場合も同様である。
【0018】
両端部と中央部に段差を設けたニップロールは、例えばロールの中央部を切削する方式や、ロールの両端部にスリーブを付加する方式などの適宜な方式で形成でき、その形成方式について特に限定はない。両端部と中央部に付与する段差(半径差)は、その段差を介した円柱ロールとの間隙調整にて加工フィルムの厚さが制御されることより、透明フィルムの厚さに目的とするコート層の厚さを加えた大きさとされ、その大きさは、目的とするコート層の厚さに応じて適宜に決定することができる。なおコート層の厚さは、1μm〜1mm、就中2〜500μm、特に5〜100μmが一般的であるが、これに限定されない。
【0019】
ニップロールは、その両端部を円柱ロールの外周に接触させうる長さに形成される。従ってニップロールの長さは、円柱ロールと同じかそれよりも短いことが普通であるが、これに限定されない。ニップロールの中央部の幅は、搬送する透明フィルムが通過可能な幅で適宜に決定でき、特に限定はない。なおロールの異径化による間隙調節は、円柱ロールの両端部の径を太くすることにても達成でき、円柱ロールとニップロールの両方を異径化することもできる。
【0020】
円柱ロールは、表面が平滑な均一径のロールであってもよいし、表面に活性エネルギー線硬化型樹脂の塗布層を成形するための加工層を有するものであってもよい。前者では表面が平滑なコート層を形成でき、後者では活性エネルギー線の照射を加工層を介した当該塗布層の成形層に対して行うことで、その加工層に対応した表面形状を有するコート層付の加工フィルムを得ることができる。
【0021】
前記の加工層を有する場合、上記した塗布樹脂の透明フィルムの幅方向へのレベリングによる塗布厚の平準化作用は、成形に有効に寄与して加工層の形状転写を高精度に行うことができる。従ってその場合、ニップロールにおける小半径の中央部の幅を、加工層における実質的な形状転写部分の幅よりも広いが加工層の全幅よりは狭いものとして、前記したレベリング現象を強制的に生じさせる方式とすることもできる。
【0022】
加工層に設ける形状は、任意であり、例えばエンボス加工パターンや光拡散機能の付与を目的とした微細凹凸パターン、ドットパターンや多孔パターン、プリズムパターンや波形パターン、溝型パターンや突起パターンなどの、加工フィルムの使用目的に応じて適宜な型ないしパターンを設けることができる。
【0023】
従って平面形状が長方形の微細凸部の多数が分散分布した形態を具備する加工層を表面に有する円柱ロールとすることもできる。斯かる分散分布形態をその各微細凸部の長辺方向を総和して平均した全微細凸部に基づく平均長辺方向が円周方向となる状態で有する場合、本発明においてはその状態の加工層を有する円柱ロール具備の製造装置として形成される。
【0024】
前記した平面形状が長方形の微細凸部の多数が形成する分散分布形態は、任意である。従って各微細凸部の長辺方向を総和して平均した全微細凸部に基づく平均長辺方向は、例えば微細凸部がその長辺方向に基づいて平行な状態で分散分布する場合には、各微細凸部の長辺方向は一定であるから、その総和を平均しても同じ方向となり、全微細凸部に基づく平均長辺方向は、各微細凸部の長辺方向と同じとなる。
【0025】
一方、各微細凸部の長辺方向がランダムである場合には、その各微細凸部の長辺方向を総和してその平均方向を決定することとなる。その決定は例えば、基準線を想定してその基準線に対する各微細凸部の長辺方向の傾斜角を正負の区別を付けて測定し、その測定値を総和して微細凹凸数で除して平均値を算出する。そしてその平均値が平均傾斜角であるから、前記基準線(0度)に対してその平均傾斜角の方向を全微細凸部に基づく平均長辺方向として決定することができる。
【0026】
ちなみに長辺方向が直交する関係で同数の微細凸部が存在する場合にも、前記の決定法によれば平均傾斜角が45度となって、全微細凸部に基づく平均長辺方向を決定することができる。なお平面形状が長方形の微細凸部の多数が形成する一般的な分散分布形態は、微細凸部の長辺方向が一辺に対して平行、又は70度以下、就中50度以下、特に0〜45度の範囲で傾斜するものである。
【0027】
前記した全微細凸部に基づく平均長辺方向を円柱ロールの円周方向と揃えることにより、活性エネルギー線硬化型樹脂が円柱ロール上の微細凸部の多数からなる形態上を流れる際の速度に違いが生じ難くて気泡が滞留し難く、また押し出されやすい。ちなみに微細凸部の長辺方向が樹脂の流れ方向に対して垂直にあると、凸部の上り斜面と下り斜面とでは樹脂の流動圧に相違を生じて気泡が滞留しやすく、60度以上の急峻な斜面ではその圧力差が顕著となって気泡がより滞留しやすくなる。
【0028】
前記の点より当該全微細凸部に基づく平均長辺方向と、円柱ロールの円周方向との一致性、すなわち当該平均長辺方向と円周方向との交差角は、±20度以内、就中±10度以内、特に±5度以内にあることが好ましい。
【0029】
長方形の微細凸部の寸法は、加工フィルムの使用目的等に応じて適宜に決定しうる。一般には長方形の長辺長が10〜200μm、就中15〜150μm、特に20〜100μmであり、短辺長及び凸部の高さが2〜30μm、就中3〜20μm、特に5〜15μmの微細凸部とされる。
【0030】
また微細凸部の横断面形態も適宜に決定しうるが、一般には三角形〜五角形とされ、さらに得られる加工フィルムに基づいてそのフィルム面に対する傾斜角が60度以上、就中65〜90度の斜面を1面又は2面以上有する横断面形態の凹部を形成しうる微細凸部とされる。
【0031】
上記した全微細凸部に基づく平均長辺方向が円周方向となるように設定した円柱ロールを具備する製造装置は、急峻なプリズム斜面を不連続に有する形態を転写する場合などにも気泡混入の硬化樹脂が形成され難く、品質の良好な加工フィルムを量産性よく得ることができる。
【0032】
そして前記の加工フィルムは、それを例えば液晶表示パネルの視認側又は背面側に配置して、パネル側面よりの入射光を視認方向に効率よく光路変換するフロントライト機構又はバックライト機構を形成でき、薄型軽量で明るくて見易い表示の液晶表示装置を形成するための光学フィルムとして好ましく用いることができる。図2に円柱ロール表面の微細凸部からなる形態を転写して、平面形状が長方形の微細凹部の多数が分散分布した形態を表面に有する加工フィルム41の例を示した。42が微細凹部である。
【0033】
前記において側面入射光を液晶表示パネル等の法線方向に指向性よく出射させ、液晶セルを効率よく照明して明るくて見やすい液晶表示を達成する点より好ましい加工フィルムとしての光学フィルムは、フィルム面に対する傾斜角が35〜48度、就中38〜45度、特に40〜43度の光路変換斜面を具備する微細凹部の多数が分散分布した形態を有するものである。その微細凹部は、円柱ロールの表面に微細凸部を分散分布させることにより形成することができる。
【0034】
前記の微細凹部は、光出射手段を形成するものであり、長辺方向に基づいて平行に分布していてもよいし、不規則に分布していてもよい。さらに仮想中心に対してピット状(同心円状)に配置された分布状態にあってもよい。加工フィルムにおける光出射手段の形成面に占める光出射手段の投影面積に基づく占有面積は、明るい表示の達成性等の点より1/100〜1/8、就中1/50〜1/10、特に1/30〜1/15が好ましい。
【0035】
また微細凹部の横断面形状は、その傾斜角等が加工フィルムの全面で一定な形状であってもよいし、吸収ロスや先の光路変換による伝送光の減衰に対処して加工フィルム上での発光の均一化を図ることを目的に、光が入射する側の側面から遠離るほど微細凹部を大きくしてもよい。
【0036】
さらに一定ピッチの微細凹部とすることもできるし、光が入射する側の側面から遠離るほど徐々にピッチを狭くして、微細凹部の分布密度を多くしたものとすることもできる。さらにランダムピッチにて加工フィルム上での発光の均一化を図ることもでき、ランダムピッチは画素との干渉によるモアレの防止の点よりも有利である。よって光出射手段は、ピッチに加えて形状等も異なる微細凹部の組合せからなっていてもよい。
【0037】
微細凹部における上記した光路変換斜面は、液晶セルの側面方向より入射させる光の方向に対面していることが出射効率の向上の点より好ましい。従って線状光源を用いる場合の光路変換斜面は、一定の方向を向いていることが好ましい。また発光ダイオード等の点状光源を用いる場合の光路変換斜面は、その点状光源の発光中心の方向を向いていることが好ましい。
【0038】
上記したように微細凹部のピット状配置は、点状光源を液晶表示パネルの側面等に配置し、その点状光源による側面方向からの放射状の入射光ないしその伝送光を光路変換斜面を介し光路変換して加工フィルムを可及的に均一に発光させ、液晶セル等に対し法線方向の指向性に優れる光を光源光の利用効率よく加工フィルムから出射させることを目的とする。
【0039】
従って前記のピット状配置は、点状光源の配置が容易となるように加工フィルムの端面又はその外側に、仮想中心が形成されるように行うことが好ましい。仮想中心は、同じ又は異なる加工フィルム端面に対して、一箇所又は二箇所以上設けることができる。
【0040】
なお上記において山型ないし凸型のパターンを設けた加工層に基づいて、溝型ないし孔型のパターンを有するコート層を形成する場合には、ニップロールにおける両端部と中央部の半径差(段差)を当該凸部の高さと透明フィルムの厚さとの和以上、就中、当該凸部高さの1.1〜500倍、特に1.5〜200倍と透明フィルム厚の和とすることが好ましい。これにより目的とする当該凹部パターンを有するコート層の形成に必要な間隙、すなわち円柱ロールとニップロール中央部との間における間隙を形成することができる。
【0041】
円柱ロールの表面に設ける加工層は、例えば円柱ロールの表面に直接形成する方式や、成形型として円柱ロールの表面に装着する方式、それらを併用する方式などの適宜な方式にて円柱ロール表面の一部又は全体に付与することができる。ちなみに図1の例においては、微細凸部21の多数が分散分布した形態を有する加工層が、その形態を有する柔軟な平板型(成形型)2として円柱ロール1の外周の一部に固定することにより形成されている。
【0042】
成形型の場合、ニップロールの両端部と中央部の段差が型の上を通過するようにすれば、型が円柱ロールの全体に取付けられていなくても、型が有る部分と無い部分で、形成される加工フィルムに厚さの差が生じない。またニップロールの両端部が成形型の上を通過することによって、型取付け時のひずみや浮き等の、厚さのバラツキの原因となる要因を排除でき、厚さの安定した加工フィルムを得ることができる。
【0043】
成形型は、上記の円柱ロール等で例示した適宜な材料にて形成することができる。ちなみに多数の微細凸部の分散分布形態などの、目的とする成形パターンを有する柔軟な平板型の形成は、例えば先ず樹脂板にレーザー光によるドライエッチング法を適用して、目的とする成形パターンに対応した微細凹部を有する母型を形成し、その母型に電気鋳造法を適用して微細凸部からなる目的とする成形パターンを有する柔軟な電鋳金型を形成する方式などにより行うことができる。また表面に成形パターンを直接形成した円柱ロールは、例えば切削法などにより製造することができる。
【0044】
平板型等の成形型の厚さは、円柱ロールの径や機械的強度などに応じて適宜に決定しうる。就中、必要な強度を満たす範囲で、可及的に薄いことが柔軟性に基づく円柱ロール面へのフィット性等の点より好ましい。型が厚すぎると円柱ロールに取付けた際に発生する型との境目が樹脂剥離性を低下させたり、樹脂残りなどが生じやすくて、加工フィルムの外観を損なう場合がある。
【0045】
成形型の一般的な厚さは、耐久性やハンドリング性などの点より、凸部又は凹部を有しない部分の厚さに基づいて0.02〜3mm、就中0.05〜1mm、特に0.1〜0.5mmとされる。なお成形型の円柱ロールに対する固定は、例えば接着剤等を介した接着方式やネジ等を介した治具固定方式、真空吸着方式などの適宜な方式を採ることができ、特に限定はない。
【0046】
透明フィルム上に塗布する活性エネルギー線硬化型樹脂としては、例えばアクリル系やウレタン系、エボキシ系やシリコーン系などの、電磁波等の活性エネルギーで硬化処理できる適宜な樹脂の1種又は2種以上を用いうる。就中、モノマーやオリゴマー等からなって流動性に優れ、透明性に優れる硬化体を形成しうるものが好ましい。また短時間硬化等の点よりは、X線を含む紫外域以下の波長の活性エネルギー線で硬化できるものが好ましく、特に紫外線又は電子線で硬化処理できる紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂が装置の簡便化等の点より好ましい。
【0047】
透明フィルム上に活性エネルギー線硬化型樹脂を塗布する方式は、任意であり、適宜な方式を採ることができる。従って例えば図例の如きノズル供給方式やロールコート方式、バーコート方式やドクターブレード方式等を含む適宜な展開方式で透明フィルム上に塗布することができる。塗布量は、形成目的のコート層の厚さなどに応じて適宜に決定することができる。
【0048】
硬化型樹脂の塗布を受ける透明フィルムとしては、活性エネルギー線透過性の適宜なものを用いうる。ちなみにその例としては、アクリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂やポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂やノルボルネン系樹脂、ウレタン系樹脂やポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂やポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂やエポキシ系樹脂などからなるフィルムがあげられる。フィルム厚は、任意であるが、ハンドリング性や強度などの点より一般には500μm以下、就中5〜300μm、特に10〜200μmとされる。斯かる厚さとすることで、打ち抜き処理等によるサイズ加工も容易に行うことができる。
【0049】
必要に応じ加工層を介し活性エネルギー線硬化型樹脂の流動性に基づいて円柱ロール表面の形状を転写して成形層とした当該樹脂の塗布層の硬化処理には、その樹脂の種類に応じた紫外線や電子線やX線等の活性エネルギー線を照射する適宜な装置の1種又は2種以上を用いうる。なお活性エネルギー線の照射は、透明フィルム側より行われ、形成されたコート層付の加工フィルムは、剥離ロール等の適宜な手段を介して円柱ロールより剥離回収することができる。
【0050】
なお加工フィルムの製造の際に用いた透明フィルムは、付加したコート層と固着一体化させることもできるし、分離可能なものとすることもできる。従って後者の場合には、コート層からなるフィルムのみが実用に供される。透明フィルムとそれに付加したコート層との分離は、例えば透明フィルムを剥離剤で表面処理する方式などの適宜な方式にて達成することができる。
【0051】
【実施例】
参考例
厚さ25μmのポリイミドフィルムに所定のマスクを介し波長248nmのエキシマレーザー光を照射してアブレーション加工によりドライエッチングを施し、横断面三角形の微細凹部の複数を縦横等間隔で整列した分布状態で有する絶縁性フィルムを形成した。その微細凹部は、長辺長100μm、短辺長10μm、深さ10μmで、フィルム面に対する傾斜角が42度の斜面と、それに対面する傾斜角が75度の立面を有するものからなる。次いで前記絶縁性フィルムの凹部付き面に電鋳法によりニッケルを充填して厚さが約500μmの金属層を形成した後、それより絶縁性フィルムを剥離して、前記凹部と同寸法の凸部を同じ分布状態で有する形成面具備の電鋳金型を得た。
【0052】
実施例1
図1に準じて、参考例で得た電鋳金型2を、その微細凸部21の長辺方向が円周方向と一致するように円柱ロール1の外周に接着層を介して固定し、それにロール間の間隙が100μmとなるように両端部の径を太くしたニップロール3と、高圧水銀灯(120W/cm,1灯)からなる紫外線照射ランプ5と剥離ロール6を配置して製造装置を形成した。
【0053】
次に、前記の円柱ロールとニップロールの間隙に、厚さ70μmの透明なPC(ポリカーボネート)フィルム(4)を、その上にポンプ(10)を介してアクリル系紫外線硬化型樹脂(12)を約40μmの厚さとなるように連続供給しつつ、1.0m/分の速度で搬送手段を介して導入し、その樹脂塗布層に加工層の微細凸部形態を転写して成形層とした後、それにPCフィルム側より紫外線を30秒間照射して硬化させ、剥離ロールを介し形成された加工フィルム(41)を剥離して、目的物を連続的に製造した。
【0054】
得られた加工フィルムは、フィルム面に対する傾斜角が42度の斜面と、それに対面する傾斜角が75度の立面を有する、長辺長100μm、短辺長と深さ10μmの微細凹部の複数が縦横等間隔で整列した分布状態で有し、これは参考例の絶縁性フィルムに設けた微細凹部及び電鋳金型に設けた微細凸部と高精度に対応するものであった。
【0055】
比較例
ニップロールを均一径とし、それを円柱ロールに対して間隙が100μmとなるように設置したほかは実施例1に準じて加工フィルムを得た。
【0056】
評価試験
実施例、比較例で得た加工フィルムより切り出した幅30cm×長さ(流れ方向)100cmのフィルムについて、その幅方向及び長さ方向の10cm毎に、デジタルダイアルゲージ(ソニー社製、DZ−501)にて厚さ(μm)を測定した。その結果を次表に示した。
【0057】
Figure 0003964727
【0058】
表より、厚さのバラツキが実施例1では100〜102μmであるのに対し、比較例では102〜115μmであり、これより実施例では比較例に比べて目的とした厚さを高精度に達成できて、かつ厚さのバラツキも少ない加工ラィルムの得られていることが判る。なお実施例では気泡の混入も全く認めらなかった。以上より本発明の方法、特に製造装置によれば、急峻な斜面の多数を不連続に有する形態のコート層を形成する場合にも、厚さの精度とその均一性に優れて気泡の混入が殆ど無い高品質の加工フィルムを製造効率よく得られることが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造装置例の斜視説明図
【図2】加工フィルムの斜視説明図
【符号の説明】
1:円柱ロール
2:成形型(加工層)
3:ニップロール
31:両端部
32:中央部
4:透明フィルム
5:活性エネルギー線照射装置(硬化手段)
6:剥離ロール(回収手段)
11:ノズル(塗布手段)
12:活性エネルギー線硬化型樹脂
41:加工フィルム
42:微細凹部

Claims (6)

  1. 両端部の半径を中央部の半径よりも大きくしたニップロールをその両端部の外周を介し円柱ロールの外周に接触させて形成した、当該ニップロールの中央部外周と円柱ロール外周との間隙に、活性エネルギー線硬化型樹脂を塗布した透明フィルムをその塗布層が円柱ロールと接触するように導入して当該間隙を通過させた後、その透明フィルム側から活性エネルギー線を照射して当該塗布層を硬化させることを特徴とする加工フィルムの製造方法。
  2. 請求項1において、活性エネルギー線硬化型樹脂が紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂であり、それを硬化させる活性エネルギー線が紫外線又は電子線である加工フィルムの製造方法。
  3. 請求項1又は2において、円柱ロールがその表面に活性エネルギー線硬化型樹脂の塗布層を成形するための加工層を有して、活性エネルギー線の照射をその加工層を介した当該塗布層の成形層に対して行う加工フィルムの製造方法。
  4. 請求項3において、加工層が円柱ロールの表面に形成されてなる、又は成形型として円柱ロールの表面に装着されてなる加工フィルムの製造方法。
  5. 軸回転する円柱ロール、中央部よりも大きい半径の両端部を有してその両端部の外周を介し前記円柱ロールの外周と接触して軸回転するニップロール、活性エネルギー線硬化型樹脂の塗布手段、その硬化型樹脂を塗布した透明フィルムを前記円柱ロールとニップロールの中央部とにおける間隙に導入後、当該透明フィルムをその塗布層を介し円柱ロールに密着させて通過させる搬送手段、その円柱ロールに密着する透明フィルムに対して透明フィルム側から活性エネルギー線を照射する硬化手段、及びその硬化処理後の透明フィルムを円柱ロールより剥離する回収手段を有することを特徴とする加工フィルムの製造装置。
  6. 請求項5において、円柱ロールがその表面に、平面形状が長方形の微細凸部の多数が分散分布した形態を有するものである加工フィルムの製造装置。
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