JP3490099B2 - シート状樹脂成形物の製造方法 - Google Patents

シート状樹脂成形物の製造方法

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JP3490099B2
JP3490099B2 JP27541391A JP27541391A JP3490099B2 JP 3490099 B2 JP3490099 B2 JP 3490099B2 JP 27541391 A JP27541391 A JP 27541391A JP 27541391 A JP27541391 A JP 27541391A JP 3490099 B2 JP3490099 B2 JP 3490099B2
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憲治 串
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は装飾用の意匠物、及びレ
ンチキュラーレンズのような表面に精密な凹凸形状を有
する樹脂成形物の連続製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】表面に凹凸形状を設けたシートが、装飾
用やレンチキュラーレンズに使用されているが、凹凸形
状を精密に形成するのはかなりの困難を伴う。特に上記
のレンチキュラーレンズで立体写真用に使用されるもの
は高い精度が要求されるため低コストで生産するのは難
しいのが現状である。
【0003】立体写真用レンチキュラーシートは図8の
(a)に示すように、透明なシートの表面に微小なシリ
ンダ状の連続した凹凸形状を設けたものである。レンチ
キュラーシートに類似したものとして図8の(b)に示
すようなはえの目レンズシートと呼ばれるものがある。
これは微小な球面レンズを配列した凹凸形状を表面に有
する透明なシートであり、レンチキュラーシートと同様
に立体写真を形成するために使用される。レンチキュラ
ーシートによる立体写真は一方向のみ観察方向が異なる
立体像表示方法であるが、はえの目レンズシートによる
立体写真は二次元的にも観察方向が異なる立体像表示方
法である。
【0004】レンチキュラーシート及びはえの目レンズ
シートを用いた立体写真について簡単に説明する。ここ
ではレンチキュラーシートを用いた時の一方向のみにつ
いて説明するが、はえの目レンズシートを用いた二次元
の場合も基本的には同様である。図9は立体写真の原理
を説明するための図である。図9の(a)において、1
1はレンチキュラーシートであり、人間13がこれを観
察している。レンチキュラーシート11は図9の(b)
に示すように透明なシート11の観察側の表面21は微
小なシリンダを配列した凹凸形状をしており、裏面22
を結像位置とするシリンドリカルレンズの働きをする。
裏面22の後には印画紙23が貼り付けてある。
【0005】この印画紙23は次のようにして製作され
る。まず立体写真で表わしたい対象物を視差を変えて撮
影する。そして印画紙23が貼り付けられたレンチキュ
ラーシートに向って、視差を保持しながら撮影した画像
を投影する。印画紙23には投影した画像が縮小されて
視差の順に記録される。この印画紙をはがして現像した
後、もとの位置に貼り付けることにより、図9の(b)
に示すように投影時の視差に対応した方向に像光が出力
される。
【0006】立体写真では対象物をどのような位置関係
で投影し、レンチキュラーシートをどのような位置関係
で観察するかを想定して、それに合った特性のレンチキ
ュラーシートを使用している。いま図10に示すように
シリンダ面21による結像位置と印画紙面である裏面2
2が、レンチキュラーシートの厚みの変動のため一致し
ない場合が生じたとする。すると図10に示すように本
来一点に記録されるべき画像にぼけが生じることにな
り、再生する立体像が劣化するという問題が生じる。こ
れはシリンダ面21の形状が変動した場合も同様であ
る。そのため立体写真用レンチキュラーシート及びはえ
の目レンズシートは、高い製作精度が要求される。
【0007】レンチキュラーシート及びはえの目レンズ
シートのような表面に凹凸を有するシート状樹脂成形物
を製造する方法としては、融解した合成樹脂を射出成型
する方法、樹脂板と型を当接させこれを加熱加圧するこ
とにより型の表面の凹凸形状を転写する押圧成型法等が
とられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の方
法で立体写真用レンチキュラーシート及びはえの目レン
ズシートを製作する場合、種々の問題がある。射出成型
法は、図11の(a)に示すように上型31と下型32
で形成される中空34中に注入口33を通して融解した
合成樹脂を射出して、固化した後に上型31と下型32
を分離して成型する方法である。しかしながら射出成型
法は型の摩耗が比較的早いため生産性やコストの点で問
題があるばかりでなく、大きなサイズのものの成形は難
しいため比較的小さなサイズの物にしか使用できない。
また図11の(b)に示す加熱加圧による押圧成型法で
は樹脂板及び型の加熱−冷却のサイクルに長時間を要す
るため樹脂成型物の大量生産のためには多数の型を用意
する必要があり、かつ大型の樹脂成形物を作るには装置
などに多大な費用がかかる。また図11の(b)でも明
らかなように、レンチキュラーシートやはえの目レンズ
シートの場合型の形状は鋭角的な突起部分があるため、
押圧による型の摩耗が早いという問題があった。さらに
これらの方法によって製造されたレンチキュラーシート
は、金型に対する転写性が必ずしも満足のゆくものでは
なく、レンチキュラーレンズの形状が設計値よりずれて
おり、画像がずれたり、画像に線が入ったり、画像がシ
ャープでなかったりした。
【0009】また押圧成型法でより生産性を向上させる
ため、図12に示すようにロール39の表面にシリンダ
の凹凸形状を設け、対向する支持ロール40との間に加
熱した樹脂板を挟んで連続して押圧成型する方法もある
が、上記の理由により型の損傷がいちじるしく、形状の
転写も不充分であるという問題がある。そこで本出願人
は、図13に示すような活性エネルギ線硬化型樹脂組成
物2をシート状の透明基材1に塗布した後、表面上に凹
凸形状の逆型の凹凸形状を有する回転ロール3に押し当
てた状態で、活性エネルギ線を樹脂組成物塗布面の反対
側から透明基材を通して照射することにより樹脂層を硬
化させる製造方法を特願平3−251554で提案して
いる。
【0010】本出願は上記製造方法を更に改良すること
を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は、上
記目的を達成するため、表面に凹凸形状の逆型を有する
回転ロールに活性エネルギ線硬化型樹脂組成物を塗布し
た後、シート状の透明基材を押し当てながら活性エネル
ギ線を照射する。すなわち本発明の第1の態様のシート
状樹脂成形物の製造方法は、表面に凹凸形状を有するシ
ート状樹脂成形物の製造方法であって、表面上に該凹凸
形状の逆型の凹凸形状を有する回転ロールに活性エネル
ギ線硬化型樹脂組成物を供給した後、該回転ロールの回
転速度と同一の速度で搬送されるシート状の透明基材
を、該回転ロールに供給された該活性エネルギ線硬化型
樹脂組成物に押し当てた状態で、活性エネルギ線の照射
領域の該透明基材の搬送方向の少なくとも上流側に遮蔽
部材を設け、活性エネルギ線を該樹脂組成物に押し当る
面の反対側から該透明基材を通して照射し該樹脂組成物
を賦型、硬化することを特徴とするまた、本発明の第
2の態様のシート状樹脂成形物の製造方法は、回転ロー
ルとして、表面上に該凹凸形状の逆型の凹凸形状を有
し、両端に凹凸形状の先端より突出した円筒部を設けた
回転ロールを使用することを特徴とする。
【0012】
【作用】図1は本発明の製造方法を説明するための図で
ある。図において、1はシート状の透明基材であり、搬
送手段により一定速度で搬送される。3は表面に凹凸形
状の逆型の形状を有するロールであり、透明基材1と同
一速度で回転する。2は活性エネルギ線硬化型樹脂組成
物であり、液体の状態で塗布手段7によりロール3の表
面に一定の厚さで塗布される。図1ではリップコーター
の例を示してある。4は活性エネルギ線の照射手段であ
り、透明基材1の下面側からロール3との接触部に向っ
て活性エネルギ線を照射する。図では硬化を更に完全に
するためロール3との接触が終了した後も、活性エネル
ギ線が照射される。8は活性エネルギ線の遮へい手段で
あり、樹脂組成物が透明基材1に接触する前に活性エネ
ルギ線が照射されて硬化するのを防止する。
【0013】樹脂組成物2はロール3に塗布されて透明
基材1に接触するが、ロール3は透明基材1に接触しな
い。またもし接触してもロール3の表面及び透明基材1
にはほとんど力は加えられないようにする。樹脂組成物
は、活性エネルギ線が照射されるまでは液状であり、樹
脂組成物が塗布されたロール3の表面が透明基材1に押
し当てられてもロール3の表面にはほとんど力が加えら
れずにロール3の表面の凹凸形状に沿った形状になる。
その状態で活性エネルギ線が照射されて硬化し、透明基
材1上に所望の凹凸形状が形成される。
【0014】従ってロール3の表面にはほとんど力が加
えられないため型が損傷することがない。しかもロール
3の回転に対応して透明基材1が搬送されるため生産効
率が良く、搬送方向には非常に長尺のものも生産可能で
ある。また液状の樹脂組成物2がロール3の形状に沿っ
たところで活性エネルギ線が照射されて硬化するため、
凹凸形状の転写性は非常に良好である。また既にシート
状に加工された透明基材1を用いるため、透明基材1の
下面とロール3との間隔を管理することが容易で、シー
ト状樹脂成形物の厚さが高精度のものが得られる。
【0015】そして図13に示したシート状の透明基材
1に樹脂組成物2を塗布してからロール3に押し当てる
方法と比較すると、透明基材1に比べて強固なロール3
に樹脂組成物を塗布するため、塗布層の厚さの制御が容
易で一定厚の樹脂組成物が得やすい。従ってロール3の
横方向への樹脂組成物のはみ出しも少なくなり、装置の
管理が容易である。更に樹脂組成物2は先にロール3に
塗布されて凹凸の型に沿っているため型の転写性も更に
改善される。
【0016】
【実施例】図2に示すようなレンチキュラーシートを製
作する実施例について説明する。ここではシリンダの方
向にシートが搬送されるものとするが、搬送方向に対し
てシリンダの方向が垂直のものも同様である。本発明に
おいて使用する透明基材としては板状あるいはフィルム
状の樹脂基材やガラス板等が使用しうる。なかでも、成
型物の連続生産性や成型物を巻き取って貯蔵しておくと
いう観点より厚さ1000μm以下の樹脂シート状基材
が望ましい。また、必要に応じて樹脂基材上には易接着
層、帯電防止層などを設けてもよい。
【0017】本発明を実施するに際して使用する活性エ
ネルギ線硬化型樹脂としては、例えば重合性基を有する
モノマー・オリゴマーを主体とした組成物、熱可塑性バ
インダー樹脂と重合性基を有するモノマー・オリゴマー
を主体とした組成物、光カチオン重合反応型エポキシ樹
脂系組成物、あるいはポリマーの主鎖、側鎖に重合性基
が結合している樹脂を主体とした組成物などを用いるこ
とが可能であり、比較的低粘度で活性エネルギ線により
硬化し得る樹脂であれば特にこれらの組成に限定されな
い。
【0018】重合性基を有するモノマー及びオリゴマー
としては特に限定されないが、常圧での沸点が100℃
以上で分子量が10000以下のものが用いられ、また
活性エネルギ線として紫外線を使用する場合には、重合
性基としてアクリロイルオキシ基またはメタクリロイル
オキシ基を有するモノマーおよびオリゴマーが好まし
い。このような(メタ)アクリロイルオキシ基を有する
モノマーおよびオリゴマーとしては、ポリエーテルアク
リレートもしくはポリエーテルメタクリレート系(以下
「アクリレートもしくはメタクリレート」を単に「(メ
タ)アクリレート」と略記する。)ポリエステル(メ
タ)アクリレート系、ポリオール(メタ)アクリレート
系、エポキシ(メタ)アクリレート系、アミドウレタン
(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレー
ト系、スピロアセタール(メタ)アクリレート系、ポリ
ブタジエン(メタ)アクリレート系などのモノマー・オ
リゴマーを挙げることができる。
【0019】熱可塑性バインダー樹脂と重合性基を有す
るモノマー・オリゴマーを主体とした組成物は、上記し
た重合性基を有するモノマー・オリゴマーと熱可塑性樹
脂を含有する組成物である。熱可塑性樹脂としては透明
性が高いものが好ましく、例えばポリエステル樹脂、
(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリビニルブチラール等を挙げることができる。
【0020】光カチオン重合反応型エポキシ樹脂系組成
物としては、樹脂としてビスフェノールAジグリシジル
エーテル、ノボラックグリシジルエーテル、ヘキサヒド
ロフタル酸グリシジルエステル、トリグリシジルイソシ
アヌレート、3,4エポキシシクロヘキシルメチルカル
ボキシレート等を用い光重合開始剤としてルイス酸の芳
香族ハロニウム塩からなるジアリールヨードニウム化合
物、ルイス酸の芳香族スルホニウム塩からなるトリアリ
ールスルホニウム化合物等を併用する樹脂を挙げること
ができる。
【0021】ポリマーの主鎖、側鎖に重合性基が結合し
ている樹脂の例としては、反応性の二重結合を有する不
飽和多塩基酸と多価アルコールの縮重合によって得られ
る不飽和ポリエステル樹脂等があり、具体的には、無水
マレイン酸/無水フタル酸/プロピレングリコール、無
水マレイン酸/イソフタル酸/プロピレングリコール、
マレイン酸/フマール酸/イソフタル酸/1,3−ブタ
ンジオール、マレイン酸/イソフタル酸/ネオペンチル
グリコール、無水マレイン酸/無水テトラヒドロフタル
酸/ジプロピレングリコールなどから得られる樹脂など
を挙げることができる。
【0022】また活性エネルギ線硬化型樹脂組成物層の
屈折率、可とう性、離型性、密着性、耐光性、制電性な
どを向上させる目的で、可塑剤、界面活性剤、離型剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色
剤、充填剤などを活性エネルギ線硬化型樹脂組成物に配
合しても良い。本発明において該樹脂組成物を硬化する
ためには、電子線、イオン線などの粒子線、γ線、X
線、紫外線、可視光線などの電磁波線などの活性エネル
ギ線が使用される。なかでも硬化速度、大型化した際の
設備の簡易さなどの点から紫外線を使用するのが好まし
い。活性エネルギ線として紫外線を使用する場合には、
光重合開始剤を全樹脂部にたいして0.01〜20重量
%添加する。
【0023】使用される光重合開始剤としては、ベイゾ
イン、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチ
ルケタール、エチルフェニルグリオキシレート、ジエト
キシアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノ
ン、4′−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル
プロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン/ジエタ
ノールアミン、4,4′−ビスジメチルアミノベンゾフ
ェノン、2−メチルチオキサントン、tert−ブチル
アントラキノン、ベンジル等のカルボニル化合物、テト
ラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラ
ムジスルフィドなどの硫黄化合物、アゾビスイソブチル
ニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル
などのアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t
ert−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化
合物が挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種
以上を併用して用いることができる。
【0024】本発明において活性エネルギ線硬化型樹脂
組成物を回転ロールに塗布するコーティング方法として
はロールコート法、ブレードコート法、バーコート法、
スプレーコート法、カーテンコート法、フローコート
法、ディップコート法などを挙げることができるが、作
業性を考慮すると樹脂組成物の粘度は低粘度であること
が望ましく、そのために該樹脂組成物に溶剤、例えばエ
チルアルコール、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸
エチル、ジメチルホルムアミドなどを配合し、適当な塗
工粘度に調整してもよい。なお、これらの溶剤を配合す
る場合には、樹脂組成物を塗布後に溶剤を揮散・乾燥す
る必要がある。
【0025】次に回転ロール上に塗布した活性エネルギ
線硬化型樹脂組成物にシート状の透明基材を接触させる
方法について説明する。基本的には図1で示したものと
同様であり、以下の図においては各部を表わす番号は共
通とする。本発明で使用する凹凸形状を賦形する型は、
その形状が凹凸形状を周囲に有するロールである。素材
は特に限定するものではないが、例えば金属、ガラス、
セラミックス、合成樹脂等を挙げることができる。
【0026】製造されるレンチキュラーシートは、表面
形状だけでなく透明基材を含めた厚さが立体写真の質に
大きく影響するため、厚さの管理が重要である。厚さを
一定にするには、ロールに塗布した樹脂組成物を透明基
材に接触させて硬化する時に透明基板の下面とロール表
面の位置関係を所定値に保持することが重要である。本
発明では、既にシート状に加工された透明基材を用い、
成型のために加熱して可塑性を持たせる必要がないた
め、張力により位置決めすることも可能であるが、より
厳密に厚さの管理を行なうためには、図3に示すように
透明基材1の下面を支持する支持ロール5を用いる。
【0027】ロール3と支持ロール5の間隔は、機械的
に高精度な位置関係が維持されるため一定厚のレンチキ
ュラーシートが得られる。但しこの場合支持ロール5が
存在するため、活性エネルギ線をロール3の接触部の真
下から照射することはできないため図3のように斜め方
向から照射する必要が生じる。そのため支持ロール5の
直径はできるだけ小さい方が望ましい。なお図3におい
ては、硬化した樹脂組成物がロール3の表面から分離し
た後も活性エネルギ線を照射して完全に硬化させてい
る。凹凸形状はロール3に接触している間の硬化により
定められるため、分離後の活性エネルギ線の照射により
凹凸形状が変わることはない。
【0028】図3に示す方法では、前述の通り活性エネ
ルギ線の照射が斜め方向でしか行なえない。そこでこれ
を改良したのが図4に示す例である。図4では支持ロー
ル5を活性エネルギ線に対して透明な材質、例えば活性
エネルギ線が紫外線である場合には石英ガラスで作り、
活性エネルギ線源4を支持ロール5内に設けるか又は支
持ロール5内に導いて、支持ロール5の内側から照射す
る。これによりロール3が樹脂組成物2に接触している
部分に効率良く活性エネルギ線を照射することが可能に
なる。この場合も遮へい8を設けて樹脂組成物2が透明
基材1に接触する前に硬化されるのを防ぐ必要がある。
【0029】図3及び図4に示した例では支持ロール5
を設けて厚みを管理した。しかし振動等により透明基材
1の下面が支持ロール5の表面から微小量離れる恐れが
ある。そこで実際には支持ロール5側に小さい角度だけ
でも巻き付けるようにすると良い。図5は図4の例で、
支持ロール5に巻き付けた例である。図1、図3から図
5に示した例では樹脂組成物2が透明基材1に接触する
のは接線上だけであり、接触している時間も短かい。そ
のため接触している時に強力な活性エネルギ線を照射し
て硬化させる必要がある。しかしこのような強力な活性
エネルギ線源が得にくい場合には、図6に示すように、
透明基材1をロール3に巻き付けるようにしても良い。
このようにすることでロール3の表面と樹脂組成物2及
び透明基材1が接触している時間が長いため、生産速度
をより速くすることができ、凹凸形状の転写性をより良
くすることができる。
【0030】しかし図6では透明基材1がロール3に付
勢されるため、ロール3の表面が透明基材1の表面に接
触することになる。その場合付勢力があまり大きくなけ
ればロール3の表面の損傷はあまり問題にならず、ロー
ル3の表面の凹凸形状の先端が透明基材1の表面に接触
するため、一定厚の透明基板を用いれば一定厚のレンチ
キュラーシートが得られる。
【0031】しかしロール3の表面の透明基材1との接
触により凹凸形状の型の損傷が問題になる場合には、図
7に示すようにロール3の両端に型の凹凸形状の先端よ
り若干大きな直径の円筒部9を設け、透明基材1をその
部分に巻き付けることで、型の部分に接触させることな
く間隔を精確に維持する。もちろん透明基材1の円筒部
9に巻き付く部分には樹脂組成物の塗布は行なわれず、
凹凸形状も形成されない。
【0032】なお金型に対する転写性と酸素による重合
阻害を考慮すると、活性エネルギ線は活性エネルギ線硬
化型樹脂組成物がロールに接触している部分の少なくと
も一部分に透明基材を通して照射する必要がある。以上
が本発明の製造方法の説明であるが、上記の製造方法で
製作したレンチキュラーシートについて説明する。
【0033】まず第一の例では、透明基材として厚さ1
88μmの易接着処理済ポリエステルフィルム「ルミラ
ーT93(東レ(株)製)」を使用した。活性エネルギ
線硬化型樹脂組成物としては、紫外線による開始剤を含
む下記組成物を用いた。 2,2′ビス(4−アクリロキシ・ジエトキシフェニル)プロパン 21.0重量部 フェノキシエチルアクリレート 9.0重量部 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 1.5重量部 シリコン系界面活性剤 SH28PA 0.1重量部 (東レ・ダウコーニング・シリコーン社製) メチルエチルケトン 4.0重量部 トルエン 1.0重量部 樹脂組成物をレンチキュラーレンズの逆型を有するロー
ル上にリップコーターで塗布した後、図1に示すように
樹脂組成物塗工面に上記フィルムを押しあてながら紫外
線を照射することにより、樹脂組成物を硬化させレンチ
キュラーレンズシートを得た。
【0034】得られたレンチキュラーレンズシートの厚
みは均一であった。さらにレンズ形状を表面粗さ測定器
(小坂研究所製 SE−30H)で測定したところ、ロ
ール金型のレンチキュラーレンズの形状を正確に転写し
ていた。第二の例では、透明基材として厚さ125μm
の易接着処理済ポリエステルフィルム「ルミラーT93
(東レ(株)製)」を使用した。活性エネルギ線硬化型
樹脂組成物としては、紫外線による開始剤を含む下記組
成物を用いた。
【0035】 2,2′ビス(4−アクリロキシ・ジエトキシフェニル)プロパン 21.0重量部 2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート 9.0重量部 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 1.5重量部 シリコン系界面活性剤 SH28PA 0.1重量部 (東レ・ダウコーニング・シリコーン社製) メチルエチルケトン 4.0重量部 トルエン 1.0重量部 樹脂組成物をロール上にリップコーターで塗布した後、
図6に示すように樹脂組成物塗工面に上記フィルムを押
しあてながら紫外線を照射することにより、樹脂組成物
を硬化させレンチキュラーレンズシートを得た。この場
合は第一の例の場合よりもより速くレンチキュラーレン
ズシートを製造することができた。また得られたレンチ
キュラーレンズシートの厚みは均一であった。さらにレ
ンズ形状を表面粗さ測定器(小坂研究所製 SE−30
H)で測定したところ、ロール金型のレンチキュラーレ
ンズの形状を正確に転写していた。
【0036】比較のため、厚み125μmのPMMAフ
ィルムにレンチキュラーレンズの型を賦型するために、
レンチキュラーレンズの形状を持った平板状の型をPM
MAフィルムに押しあてプレスした。室温ではプレスし
てもレンチキュラーレンズの型状を転写することができ
なかったが、フィルムおよび型を加熱する事により平板
プレス法でレンチキュラーレンズの型を転写することが
できた。しかしながら得られたレンチキュラーレンズシ
ートのレンズ形状を表面粗さ測定器(小坂研究所製 S
E−30H)で測定したところ、型のレンチキュラーレ
ンズの形状を正確には転写していなかった。
【0037】以上レンチキュラーシートの製造を例とし
て本発明の製造方法を説明したが、レンチキュラーシー
トに限らず他の凹凸形状を表面に有する、例えばはえの
目レンズシート等の製造にも当然適用可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明は以上詳述したような構成からな
るもので活性エネルギ線硬化型樹脂組成物を表面に凹凸
形状を有するロール状の型に塗布した後、透明基材に該
塗布面を押し当てた状態で活性エネルギ線を照射し該樹
脂層を硬化させるという工程を用いることにより、大き
なサイズの物への使用も容易にし、連続的に生産性よく
樹脂成型物を製造することができるばかりでなく、転写
性も非常に良好な樹脂成型物を得ることができ、その効
果はきわめて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート状樹脂成形物の製造方法の工程
を説明する図である。
【図2】実施例において製作しようとするレンチキュラ
ーシートを示す図である。
【図3】厚さ制御のため対向ロールを設けた実施例を示
す図である。
【図4】対向ロールを透明にして、対向ロールの内側よ
り活性エネルギ線を照射する実施例を示す図である。
【図5】図4の実施例でシート状の透明基材を対向ロー
ルに少量だけ巻き付け、厚さの制御を更に向上した実施
例を示す図である。
【図6】表面に転写する凹凸形状を有するロール側に巻
き付けて接触時間を増加させた実施例を示す図である。
【図7】図6においてロール表面と透明基材が接触せず
に厚さを高精度に制御するためにロール両端にガイド部
を設けた実施例を示す図である。
【図8】立体写真用のレンチキュラーシート及びはえの
目レンズシートを示す図である。
【図9】立体写真の原理説明図である。
【図10】レンチキュラーシート及びはえの目レンズシ
ートの厚さの変動による焦点位置のずれを説明する図で
ある。
【図11】表面に凹凸形状を有するシートの従来の製造
方法を示す図である。
【図12】図11の押圧成型法でロール状の型を用いて
連続成型する従来例を示す図である。
【図13】透明基材に活性エネルギ線硬化型樹脂組成物
を塗布した後に、凹凸形状の型を表面に有するロールに
押し当てた状態で活性エネルギ線を照射する方法を示す
図である。
【符号の説明】
1…透明基材 2…活性エネルギ線硬化型樹脂組成物 3…ロール 4…活性エネルギ線源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井関 隆幸 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイ ヨン株式会社中央研究所内 (72)発明者 藤原 匡之 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイ ヨン株式会社中央研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 39/10 B29C 59/04 B29C 59/16 G03B 35/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に凹凸形状を有するシート状樹脂成
    形物の製造方法であって、表面上に該凹凸形状の逆型の
    凹凸形状を有し、両端に型の凹凸形状の先端より若干大
    きな直径の円筒部を設けた回転ロールに活性エネルギ線
    硬化型樹脂組成物を塗布した後、該回転ロールの回転速
    度と同一の速度で搬送されるシート状の透明基材を、該
    回転ロールに塗布された該活性エネルギ線硬化型樹脂組
    成物に押し当てた状態で、活性エネルギ線を該樹脂組成
    物に押し当る面の反対側から該透明基材を通して照射し
    該樹脂組成物を賦型、硬化することを特徴とする表面に
    凹凸形状を有するシート状樹脂成形物の製造方法。
  2. 【請求項2】 活性エネルギ線の照射領域の該透明基材
    の搬送方向の少なくとも上流側に遮蔽部材を設けて、該
    活性エネルギ線を遮蔽することを特徴とする請求項1記
    載の表面に凹凸形状を有するシート状樹脂成形物の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 該透明基材の該樹脂組成物に押し当たる
    面の反対側の面は、該回転ロールとの間隔が精密に維持
    された回転支持ロールにより支持されていることを特徴
    とする請求項2又は3に記載の表面に凹凸形状を有する
    シート状樹脂成形物の製造方法。
  4. 【請求項4】 該回転支持ロールは、該活性エネルギ線
    に対して透過性であり、該活性エネルギ線の照射は該回
    転支持ロールの内側より行われることを特徴とする請求
    項3に記載の表面に凹凸形状を有するシート状樹脂成形
    物の製造方法。
  5. 【請求項5】 該透明基材を回転ロールに巻き付けた状
    態で、該活性エネルギ線の照射を行うことを特徴とする
    請求項1又は2のいずれかに記載の表面に凹凸形状を有
    するシート状樹脂成形物の製造方法。
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