JP3964135B2 - 流動剤含有冶金用鉄基組成物及びその使用方法 - Google Patents

流動剤含有冶金用鉄基組成物及びその使用方法 Download PDF

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、冶金用鉄基(鉄ベース, iron-based)粉末組成物に関する。詳しくは、本発明は、粉末組成物の、特に上昇した処理温度での流動特性を改良する流動剤を含有するそのような組成物に関する。
【0002】
(背景技術)
粉末冶金技術では、充分確立された技術に従い、金属部品を製造するのに冶金用粉末組成物を用いている。一般に、冶金用粉末を成形(compaction)用ダイス中に注ぎ、高圧下で、或る場合には上昇させた温度で成形し、成形部品(compacted part)、即ち、未焼結部品(“green”part)を形成する。この未焼結部品を次に焼結して凝集金属部品を形成する。焼結操作は、どのような有機材料でも、例えば、ダイス潤滑剤又は内部潤滑剤の残留物を金属材料から燃焼除去する。
【0003】
そのような部品を製造することができる速度及び効率は、冶金用粉末の流動特性によって影響を受ける。殆どの製造処理技術では、冶金用粉末は、重力により貯蔵ビン(bin)から容器、又はシュー(shoe)中へ流動しなければならず、そのシューは粉末を貯蔵場所からダイスへ輸送する。次に粉末をシューからダイス空洞中へ注入する。粉末が流れることができる速度は、多くの場合、部品製造の律速段階である。
【0004】
現在、温間(warm)プレス条件で行われる成形操作で用いることができる粉末冶金用組成物、特に鉄基粉末組成物に対する需要が増大しつつある。そのような成形操作で有用な改良された粉末組成物は、ラッツ(Rutz)及びルーク(Luk)による米国特許第5,154,881号明細書(これに言及することによって、その全内容を本明細書に組み入れる)に記載されている。一般に粉末及び(又は)ダイス空洞は、成形のためには約370℃までの温度に加熱される。或る場合には、そのような成形処理の効率を大きくするため、少なくとも約150℃以上に粉末組成物を予め加熱することが望ましい。しかし、或る鉄基粉末組成物の流動能力は、これらの処理温度によって悪影響を受けることが見出されている。
【0005】
従って、改良された流動特性を有する冶金用鉄基粉末組成物を製造する粉末冶金技術の必要性が存在する。温間成形操作に伴われる上昇した温度で、改良された流動特性を有するそのような鉄基粉末組成物を製造する特別な必要性が存在する。
【0006】
(発明の開示)
本発明は、優れた流動特性を、特に温間成形操作に伴われる上昇させた温度で、有することを特徴とする冶金用鉄基粉末組成物を与える。本発明は、成形部品を製造するためにそれら粉末組成物を使用する方法も与える。本発明によれば、鉄基粉末組成物に流動剤を配合する。流動剤の存在は、粉末組成物の流動性を、特に上昇した温度で増大する。
【0007】
流動剤材料は、種々の金属及びそれら酸化物のナノ粒子である。典型的には、それら金属及び金属酸化物粉末は約500nm未満の平均粒径を有する。本発明の一つの態様として、鉄基粉末組成物を珪素酸化物流動剤と混合する。珪素酸化物流動剤は、得られる粉末組成物の約0.005〜約2重量%の量で鉄基粉末と混合されるのが好ましい。好ましい珪素酸化物は、約40nm未満の平均粒径を有する。
【0008】
本発明の別の態様では、鉄基粉末組成物を鉄酸化物流動剤と混合する。好ましい鉄酸化物流動剤は約500nm未満の平均粒径を有する。鉄酸化物流動剤は、得られる粉末組成物の約0.01〜約2重量%の量で鉄基粉末と混合するのが好ましい。珪素酸化物流動剤と鉄酸化物流動剤とを混合するのが特に有利である。
【0009】
流動剤の添加は、温間成形処理で用いられるこれらの鉄基粉末組成物の流動特性を向上させるのに特に有利である。そのようなものとして、組成物はそのような温間成形用途のために特別に設計された潤滑剤、必要な場合にはそのような用途のために特に設計された結合剤も含んでいるのが好ましい。
【0010】
流動剤を添加すると、ダイスから成形部品を取り出すに必要な射出力を予想外に低下することも見出されている。従って、本発明の流動剤を添加することは、ダイスの摩耗を減少させると考えられる。
【0011】
(本発明の詳細な説明)
本発明は、優れた流動特性を、特に上昇させた温度で有する改良された冶金用粉末組成物を与える。それら冶金用粉末組成物は、一般に鉄基粉末、及び場合により潤滑剤粉末及び(又は)結合剤を含有するものであり、規定された粒径分布を有する流動剤粉末を更に添加することにより改良されている。
【0012】
本発明の主題である金属粉末組成物は、粉末冶金法で一般に用いられている種類の鉄基粉末を含有する。ここで用いられる用語である「鉄基」粉末の例は、実質的に純粋な鉄の粉末;最終製品の強度、硬化性、電磁気性、又は他の希望の性質を向上させる他の元素(例えば、鋼製造用元素)と予め合金化した鉄の粒子;そのような他の元素が拡散結合されている鉄の粒子;及びそのような合金用元素の粒子と混合した鉄の粒子;である。鉄基粉末は、一般に金属粉末組成物の少なくとも約85重量%、一層一般的には少なくとも約90重量%を構成する。
【0013】
本発明で用いることができる実質的に純粋な鉄粉末は、通常の不純物の含有量が約1.0重量%以下、好ましくは約0.5重量%以下である鉄粉末である。そのような極めて圧縮性の冶金級鉄粉末の例は、ニュージャージー州リバートンのヘゲネス社(Hoeganaes Corporation)から入手できるアンコールスチール(ANCORSTEEL)1000シリーズの純鉄粉末、例えば、1000、1000B及び1000C、及びスウェーデンのヘゲネスABから入手することができる同様な粉末である。例えば、アンコールスチール1000鉄粉末は、No.325篩(米国篩系)より小さい粒子約22重量%、及びNo.100篩より大きな粒子約10重量%、及びそれら二つの粒径の間に入る残余(No.60篩より大きなものは微量)からなる典型的な篩分け分布を有する。アンコールスチール1000粉末は、約2.85〜3.00g/cm3、典型的には2.94g/cm3の見掛けの密度を有する。本発明で用いることができる他の鉄粉末は、ヘゲネスのアンコール(ANCOR)MH−100粉末のような、典型的なスポンジ状鉄粉末である。
【0014】
鉄基粉末は、一種以上の合金用元素と混合されているか、予め合金化されているか、又は拡散結合されている、好ましくは実質的に純粋な鉄である鉄を含んでいてもよい。鉄粒子と一緒にすることができる合金用元素の例には、次のものが含まれるが、それらに限定されるものではない:モリブデン;マンガン;マグネシウム;クロム;珪素;銅;ニッケル;金;バナジウム;コロンビウム(ニオブ);黒鉛;燐;アルミニウム;銅と、錫又は燐との二成分系合金;マンガン、クロム、硼素、燐又は珪素の鉄合金;炭素と、鉄、バナジウム、マンガン、クロム、及びモリブデンの中の二種又は三種との低融点三元及び四元共融物;タングステン又は珪素の炭化物;窒化珪素;酸化アルミニウム;及びマンガン又はモリブデンの硫化物;及びそれらの組合せ。典型的には、合金用元素は鉄粉末、好ましくは実質的に純粋な鉄粉末と、約7重量%以下の量、一層好ましくは約0.25重量%〜約5重量%、一層好ましくは約0.25重量%〜約4重量%の量で一般に一緒にされているが、或る特別な用途では、合金用元素は、鉄粉末と合金用元素との約7重量%〜約15重量%の量で存在していてもよい。
【0015】
従って、鉄基粉末は、合金用粉末の形になっている合金用元素を混合した鉄粒子を含んでいてもよい。ここで用いられる用語「合金用粉末」とは、前に述べたように、鉄粒子と物理的に混合されたどのような粒状の元素又は化合物でもよく、その元素又は化合物は最終的に鉄粉末と合金化していても、していなくてもよい。合金用元素粒子は、一般に約100μ未満、好ましくは約75μ未満、一層好ましくは約30μ未満の重量平均粒径を有する。合金用粉末が鉄粉末から分離したり粉塵になったりしないように、鉄粒子と合金用粉末との混合物中に結合剤を含有させるのが好ましい。一般に用いられる結合剤の例には、米国特許第4,483,905号及び第4,676,831号明細書〔両方共エングストレーム(Engstroem)による〕及び米国特許第4,834,800号明細書〔セメル(Semel)による〕(これに言及することによって、その全てを本明細書に組み入れる)に記載されているものが含まれる。結合剤は金属粉末組成物中に、鉄及び合金用粉末の重量に基づき約0.005〜3重量%、好ましくは約0.05〜1.5重量%、一層好ましくは約0.1〜1重量%の量で混合することができる。
【0016】
鉄基粉末は、更に、一種以上の合金用元素と予め合金化した鉄の形になっていてもよい。予め合金化した粉末は、鉄と希望の合金用元素との溶融物を作り、次にその溶融物を噴霧し、それによって噴霧された液滴が固化して粉末を形成することにより製造することができる。配合する合金用元素(一種又は多種)の量は、最終的金属部品に望まれる性質に依存する。そのような合金用元素を配合した予め合金化した鉄粉末は、ヘゲネス社からそのアンコールスチール系粉末の一部として入手することができる。
【0017】
鉄基粉末の更に別な例は、拡散結合した鉄基粉末であり、その例は、鋼製造用元素及び上述の合金用元素のような一種類以上の他の金属の層又は被覆がそれらの外側表面中に拡散した実質的に純粋な鉄粒子である粉末である。そのような市販の粉末には、ニッケルを約1.8%、モリブデンを約0.55%、及び銅を約1.6%含有するヘゲネス社からのディスタロイ(DISTALOY)4600A拡散結合粉末;並びに、ニッケルを約4.05%、モリブデンを約0.55%、及び銅を約1.6%含有するヘゲネス社からのディスタロイ4800A拡散結合粉末;が含まれる。同様な等級の粉末は、スエーデンのヘゲネスABからも入手することができる。
【0018】
好ましい鉄基粉末は、モリブデン(Mo)と予め合金化された鉄からなる。その粉末は、Moを約0.5重量%〜約2.5重量%含有する実質的に純粋な鉄の溶融物を噴霧することにより製造されている。そのような粉末の一例は、ヘゲネスのアンコールスチール85HP鋼粉末であり、それはMoを約0.85重量%含み、マンガン、クロム、珪素、銅、ニッケル、モリブデン、又はアルミニウムのような他の材料を合計約0.4重量%未満、炭素を約0.02重量%未満含有する。そのような粉末の別の例は、ヘゲネスのアンコールスチール4600V鋼粉末であり、それはモリブデンを約0.5〜0.6重量%、ニッケルを約1.5〜2.0重量%、マンガンを約0.1〜0.25重量%、及び炭素を約0.02重量%未満含有する。
【0019】
本発明で用いることができる別の予め合金化した鉄基粉末は、コーストン(Causton)による「鉄合金の明確に予め合金化した粉末を含む鋼粉末混合物」(Steel Powder Admixture Having Distinct Pre-alloyed Powder of Iron Alloys)と題する米国特許第5,108,93 号明細書(これに言及することにより、その全内容を本明細書に組み入れる)に記載されている。この鋼粉末組成物は、二種の異なった予め合金化した鉄基粉末の混合物であり、一つはモリブデンを0.5〜2.5重量%含む鉄のプレアロイであり、他方は炭素と、遷移元素成分 少なくとも約25重量%との鉄のプレアロイであり、後者の成分はクロム、マンガン、バナジウム、及びニオブからなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む。この混合物は、鋼粉末組成物に対し遷移元素成分を少なくとも約0.05重量%与える割合になっている。そのような粉末の一例は、ヘゲネスのアンコールスチール41AB鋼粉末として市販されており、それはモリブデンを約0.85重量%、ニッケルを約1重量%、マンガンを約0.9重量%、クロムを約0.75重量%、及び炭素を約0.5重量%含む。
【0020】
本発明の実施で有用な他の鉄基粉末は、強磁性体粉末である。一例は、少量の燐と予め合金化された鉄の粉末と混合した実質的に純粋な鉄粉末からなる組成物である。
【0021】
本発明の実施で有用な更に別の鉄基粉末は、ラッツ(Rutz)等の米国特許第5,198,137号明細書(これに言及することにより、その全内容を本明細書に組み入れる)に記載されているような、熱可塑性材料の実質的に均一な被覆を与えるように、熱可塑性材料で被覆した鉄粒子である。各粒子は、芯の鉄粒子の周りを取り巻く実質的に均一な被覆を有するのが好ましい。被覆された鉄粒子の約0.001〜15重量%の被覆を与えるのに充分な熱可塑性材料が用いられている。一般に、熱可塑性材料は、被覆した粒子の少なくとも0.2重量%、好ましくは約0.4〜2重量%、一層好ましくは約0.6〜0.9重量%の量で存在する。約10,000〜50,000の範囲の重量平均分子量を有する、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、又はポリフェニレンエーテルのような熱可塑性物が好ましい。他の重合体で被覆された鉄基粉末には、ラッツその他による米国特許第5,063,011号明細書(これに言及することにより、その全内容を本明細書に組み入れる)に記載されているような、燐酸鉄の内部被覆を有するものが含まれる。
【0022】
純粋な鉄、予め合金化された鉄、拡散結合された鉄、又は熱可塑性物被覆鉄の粒子は、1μ以下、又は約850〜1000μまでのように小さい重量平均粒径を有することができるが、一般に粒子は約10〜500μの範囲の重量平均粒径を有する。約350μ以下、好ましくは50〜150μの最大数平均粒径を有するものが好ましい。
【0023】
鉄基粉末組成物の流動挙動は重要な物理的特性である。なぜならそれは、慣用的粉末冶金技術を用いて部品を製造する速度に直接影響を与えるからである。本発明は、一般に用いられている既知の鉄基粉末の流動性を粒状流動剤を配合することにより改良するものである。規定された粒径分布を持つ流動剤が存在すると、金属粉末組成物の流動特性、特に上昇した温度での流動特性を向上することが判明した。流動剤は粉末組成物の成形性に悪影響を及ぼしてはならず、成形体(粉体)、又は得られる部品の焼結性に悪影響を与えてはならない。
【0024】
本発明の流動剤は、それらが粒状物質であり、その粉末の大部分が1μ未満の粒径を有する点で「ナノ粒子」と呼ぶことができる。流動剤の粒径分布は、種々の方法により決定することができる。本発明に関して用いられる用語「平均粒径」とは、重量基準で、式(I)に従って決定される:
APS=6/(ρ×SA) (I)
式中、APS=平均粒径
ρ=粉末の密度
SA=粉末の表面積
【0025】
粉末の密度は、標準試験法ASTM D70に記載されている方法のような標準的方法を用いて決定する。表面積は、ASTM D4820に記載されている方法のような標準的方法を用いて決定されたBET(ブルーナウアー、エメット、テラー)表面積である。粒径分布は、粉末の粒径を目で見て調べるのに用いることができる電子顕微鏡によって証明することができる。
【0026】
流動剤は、平均粒径が約500nm未満であり、好ましくは約250nm未満であり、一層好ましくは約100nm未満である金属及び金属酸化物から選択することができ、従って、これらはナノ粒子材料と呼ばれる。金属又は金属酸化物の形態でナノ粒子材料として用いることができる代表的金属には、珪素、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、チタン、金、銀、白金、パラジウム、ビスマス、コバルト、マンガン、マグネシウム、鉛、錫、バナジウム、イットリウム、ニオブ、タングステン、及びジルコニウムが含まれる。そのような材料はウルトラム・インターナショナル(ULTRAM International)から市販されている。これらのナノ粒子材料は、冶金用組成物の全重量に基づき、約0.005〜約2重量%、好ましくは約0.01〜約1重量%、一層好ましくは約0.025〜約0.5重量%の量で冶金用組成物中に存在する。好ましい流動剤は珪素の酸化物であり、他のナノ粒子材料は、有利な仕方として珪素酸化物と混合し、冶金用粉末組成物の流動性を更に向上することができる。
【0027】
本発明の実施で特に有用な珪素酸化物は、比表面積が約75〜約600m2/g、好ましくは約100〜約500m2/g、一層好ましくは約150〜約500m2/gであるものである。珪素酸化物の密度は、好ましくは約0.02〜約0.15g/cm3、好ましくは約0.035〜約0.1g/cm3、一層好ましくは約0.04〜約0.08g/cm3である。珪素酸化物は、上記式(I)に従って決定して、約40nm未満であり、有利には約1〜約35nm、好ましくは約1〜約25nm、一層好ましくは約5〜約20nmの平均粒径(一般に電子顕微鏡による肉眼検査で決定した数平均粒径)を有する。珪素酸化物の粒径分布は、粒子数に基づいて、約90%が約100nm未満であり、好ましくは75nm未満であり、一層好ましくは約50nm未満であるような分布であるのが好ましい。
【0028】
珪素酸化物は、冶金用組成物の全重量に基づき、約0.05〜約2重量%、好ましくは約0.01〜約1重量%、一層好ましくは約0.025〜約0.5重量%の量で冶金用組成物中に存在する。好ましい珪素酸化物は親水性型及び疎水性型の両方の二酸化珪素材料であり、デガッサ社(Degussa Corporation)からエアロシル(Aerosil)200及びR812製品のようなエアロシル系二酸化珪素として市販されている。
【0029】
流動剤の別の好ましい種類は鉄の酸化物である。本発明の実施で有用な鉄酸化物は、約2〜約150m2/g、好ましくは約5〜約50m2/g、一層好ましくは約5〜約20m2/gの比表面積を有するものである。珪素酸化物の密度は、一般に約3〜約5g/cm3、好ましくは約4〜約5g/cm3、一層好ましくは約4.4〜約4.7g/cm3である。鉄酸化物は、上記式(I)に従って決定して、好ましくは約500nm未満であり、有利には約10〜約400nm、好ましくは約25〜約300nm、一層好ましくは約40〜約200nmの平均粒径(一般に電子顕微鏡による肉眼検査で決定した数平均粒径)を有する。鉄酸化物の粒径分布は、粒子数に基づいて、約90%が約1μ未満であり、好ましくは750nm未満であり、一層好ましくは500nm未満であるような分布であるのが好ましい。
【0030】
鉄酸化物は、全冶金用組成物に基づき約0.01〜約2重量%、好ましくは約0.05〜約1重量%、一層好ましくは約0.05〜約0.5重量%の量で冶金用組成物中に存在する。好ましい鉄酸化物はFe34材料である。例えば、有用な鉄酸化物は、マイルズ社(Miles Inc.)からバイフェロックス(Bayferrox)318M及び330顔料製品のようなバイフェロックス系鉄酸化物として市販されているものである。金属粉末組成物に相乗的流動向上性を与えるため、珪素酸化物材料と一緒に鉄酸化物材料を用いるのが好ましい。
【0031】
本発明の金属粉末組成物は、ダイス空洞から成形部品を取り出すのに必要な射出力を減少させるため潤滑剤を更に含んでいてもよい。典型的な粉末冶金潤滑剤の例には、ステアリン酸塩、一般にはステアリン酸亜鉛及びステアリン酸リチウム;硫化モリブデン、窒化硼素、及び硼酸のような潤滑剤と一緒にした、エチレンビスステアルアミドのような合成ワックス;が含まれる。潤滑剤は、一般に金属粉末組成物の約15重量%まで、好ましくは約0.1〜約10重量%、一層好ましくは約0.1〜2重量%、最も好ましくは約0.2〜1重量%の量で金属粉末組成物中に存在する。
【0032】
本発明の金属粉末組成物は、標準的冶金技術に従ってダイス中で成形される。典型的な成形圧力は、約5〜200t/in2(tsi)(69〜2760MPa)、好ましくは約20〜100tsi(276〜1379MPa)、一層好ましくは約25〜60tsi(345〜828MPa)の範囲にある。成形に続き、その部品を、標準的冶金技術に従い、鉄基粉末組成物に適切な温度及び他の条件で焼結することができる。熱可塑性被覆を有する金属粉末組成物は、一般に成形に続き焼結されることはないが、むしろオリバー(Oliver)及びクリスビー(Clisby)による米国特許第5,225,459号明細書(これに言及することによって、その全内容を本明細書に組み入れる)に記載されているような成形後熱処理にかける。
【0033】
本発明の酸化物流動剤は、「温間」温度条件で成形するために設計された金属粉末組成物の流動特性を有利に改良することが判明している。温間温度法に従う成形は、一般に金属粉末組成物を約370℃(700°F)までの成形温度(組成物が成形されつつある時のその温度として測定される)で圧縮されることを必要としていた。成形は、一般に100℃(212°F)より高く、普通には約125℃(260°F)より高い温度で行い、好ましくは約150℃(300°F)〜約370℃(700°F)、一層好ましくは約175℃(350°F)〜約260℃(500°F)の温度で行う。温間成形条件で使用するように設計された金属粉末組成物は、高温成形に適合する潤滑剤を含んでいるのが好ましい。温間成形しようとする鉄基粉末が合金用元素粒子を含む種類のものである場合、その組成物は通常凝離及び粉塵化を防ぐため結合剤を含んでいる。温間成形のために考えられたそのような組成物中で充分性能を果たす有用な高温潤滑剤及び種々の結合剤は、ルークの米国特許第5,368,630号明細書(これに言及することによって、その全内容を本明細書に組み入れる)に記載されている。
【0034】
米国特許第5,368,630号明細書に記載されている高温潤滑剤はポリアミド潤滑剤であり、それは本質的に高融点ワックスである。縮合反応により形成された潤滑剤は、一つの融点ではなく、融点範囲を有することを特徴とするポリアミドである。反応生成物は、一般に分子量、従ってそれに依存する性質が変化する部分の混合物であることを当業者は認めるであろう。全体としてポリアミド潤滑剤は、約150℃(300°F)〜260℃(500°F)、好ましくは約200℃(400°F)〜約260℃(500°F)の温度で溶融し始める。ポリアミドは、一般にこの初期溶融温度より約250℃高い温度で完全に溶融するが、ポリアミド反応生成物は約100℃以下の範囲にわたって溶融することが好ましい。好ましい潤滑剤は、オハイオ州シンシナチのモルトン・インターナショナル(Morton International)から販売されているアドバワックス(ADVAWAX)450又はプロモールド(PROMOLD)450ポリアミドとして市販されており、それは約200℃〜300℃の初期融点を有するエチレンビスステアルアミドである。高温潤滑剤は、一般に固体粒子の形で組成物に添加される。潤滑剤の粒径は変化していてもよいが、約100μ未満であるのが好ましい。最も好ましくは、潤滑剤粒子は約10〜50μの重量平均粒径を有する。
【0035】
米国特許第5,368,630号明細書に記載されている結合剤は、水に可溶性か又は不溶性の重合体樹脂材料であるが、樹脂は水に不溶性であるのが好ましい。樹脂は、鉄基粉末及び合金用粉末の周りに、その自然の液体状態又は溶媒に溶解した状態でフイルムを形成する能力を有するのが好ましい。結合剤樹脂は、それが上昇させた温度での成形工程に悪影響を与えないように選択されることが重要である。好ましい結合剤には、約30,000〜70,000の数平均分子量(MW)を有する酢酸セルロース、約10,000〜100,000のMWを有する酪酸酢酸セルロース、約10,000〜100,000のMWを有するプロピオン酸酢酸セルロースのようなセルロースエステル樹脂及びそれらの混合物が含まれる。約10,000〜80,000のMWを有する高分子量熱可塑性フェノール樹脂、及びアルキル部分が1〜4個の炭素原子を有する約50,000〜1,200,000のMWを有するヒドロキシアルキルセルロース樹脂及びそれらの混合物も有用である。他の好ましい結合剤はポリビニルピロリドンであり、それは、米国特許第5,432,223号に記載されているような、PEG、グリセロール及びそのエステル、有機二酸のエステル、ソルビトール、燐酸エステル、セルロースエステル、アリールスルホンアミド・ホルムアルデヒド樹脂及び長鎖アルコールのような可塑剤と組合せて用いるのが好ましい。
【0036】
本発明の流動剤は、慣用的混合技術により鉄基粉末と混合して冶金用組成物を形成することができる。一般に、鉄基粉末は、場合により存在する合金用粉末を含有するが、本発明の流動剤、潤滑剤、結合剤のいずれとも任意の順序で混合する。結合剤及び潤滑剤と共に合金用粉末と混合された鉄の粉末である鉄基粉末を金属粉末が含有する場合の態様では、米国特許第5,368,630号明細書に記載されている方法に従って金属粉末混合物を調製することができる。一般に結合剤は液体状でそれら粉末と、良好な粉末の濡れを達成するのに充分な時間混合するのが好ましい。結合剤は有機溶媒中に溶解するか又は分散させ、粉末混合物中に結合剤を一層よく分散させ、それによって混合物全体に亙って結合剤を実質的に均一に分布させるのが好ましい。潤滑剤は、一般に結合剤を添加する前、又は添加後に、その乾燥粒子状態で添加することができる。好ましくは、鉄基粉末と一緒に潤滑剤を先ず乾式混合し、然る後、結合剤を金属粉末組成物に適用し、溶媒を除去し、次に流動剤を乾式混合により添加する。
【0037】
結合剤及び潤滑剤の添加順序は、粉末組成物の最終的特性を変化させるため変えることができる。潤滑剤を鉄基粉末と混合した後に結合剤を添加する記載の混合法の外に、二つの他の混合法を用いることができる。好ましい方法として、約50〜約99重量%、好ましくは約75〜約95重量%の一部の潤滑剤を鉄基粉末に添加し、次に結合剤を添加し、次に溶媒を除去し、続いて残りの潤滑剤を金属粉末組成物に添加する。他の方法は、先ず鉄基粉末に結合剤を添加し、溶媒を除去し、次に潤滑剤の全量を添加する。次に流動剤を、このようにして形成された金属粉末組成物に混合する。
【0038】
本発明の流動剤は、それらがダイス空洞から成形部品を取り出すのに必要な最大射出力及び最大射出圧力の両方を減少する点で成形工程中に付加的利点を与えることが判明している。そのようなものとして、流動剤は成形工程中の内部潤滑剤としての機能を果たすこともできる。
【0039】
温間成形する目的から特に上昇させた温度での流動特性に関して記述してきたが、本発明による流動剤を結合粉末混合物に用いた場合、周囲温度でも、流動剤を含まない結合混合物と比較して、ダイス空洞の充填に予想外の利点が得られることも強調しておきたい。そのような利点の例は、異なった大きさの空洞中に一層均一な充填密度が得られ、プレス中、シュー供給速度を増大して向上した性能が得られることである。従って、結合粉末混合物に流動剤を添加することにより、複雑な形の成形部品で一層均一な密度が得られ、一層大きな速度で粉末冶金部品を製造することができる。
【0040】
【実施例】
例1
流動剤として二酸化珪素粉末を配合することによる金属粉末組成物の流動特性の改良について研究した。流動性は標準的試験方法ASTM B213−77に従って決定し、この場合流動装置を温度制御室内に維持した。
【0041】
表1.1に記載したような組成を有する金属粉末組成物を調製した。この粉末は、アンコールスチール1000B粉末、黒鉛粉末、約90重量%の潤滑剤粉末を、標準実験室用ボトル混合装置中で約15〜30分混合することにより調製した。アセトン中に溶解した結合剤(結合剤約10重量%)を、次に混合物中へ注入し、適当な大きさの鋼ボール中で、粉末が充分濡れるまでへらで混合した。次に空気乾燥により溶媒を除去し、混合物を60メッシュの篩に通して、乾燥中に形成された可能性のある大きな凝集物を全て破壊するようにしたが、顕著な凝集は認められなかった。最後に、残りの潤滑剤を粉末組成物と混合した。混合は、粉末組成物が実質的に均一な状態に到達するまで行なった。
【0042】
Figure 0003964135
【0043】
1−純粋鉄粉:ヘゲネス社。
2−アスベリー(Asbury)3203:アスベリー・グラファイト・ミルズ社(Asbury Graphite Mills, Inc.)。
3−プロモールド450;モルトン・インターナショナル。
4−酪酸酢酸セルロースCAB−381;イーストマン・ケミカル・プロダクツ社(Eastman Chemical Products, Inc.)。
【0044】
表1.1に記載した金属粉末組成物は、対照粉末としての働きをした。次にその対照粉末に、対照粉末組成物の重量%として表1.2に示した量で二種類の異なった二酸化珪素粉末を少量混合した。混合物Aは、流動剤エアロシル200(平均粒径=12nm)を用い、混合物Bは、流動剤エアロシルR812(平均粒径=7nm)を用い、それらは両方共デガッサ社から入手された。流動特性の結果は非溶1.2に記載されており、金属粉末の流動特性が両方の流動剤の添加により95℃(200°F)を越えて拡大されていることが示されている。そのような拡大により、成形前のダイス温度に近い一層高い温度まで粉末を加熱するのが望ましい温間成形処理で、それら粉末組成物を用いることができるようになっている。記号NFは、記載した条件下で粉末が流動しなかったことを意味している。
【0045】
Figure 0003964135
【0046】
例2
本発明による流動剤を添加することによりフェロホスホル(ferrophosporus)合金用粉末を含有する粉末組成物の流動特性の改良について研究した。表2.1に記載したような基準粉末組成物を対照粉末として用い、この場合潤滑剤及び結合剤は例1の場合と同じものであった。この粉末は、アンコールスチール1000B粉末とフェロホスホル粉末(15〜16重量%のP;スウェーデン、ヘゲネス)と乾式混合し、次にアセトン中に溶解した結合剤(結合剤約10重量%)を混合し、適当な大きさの鋼ボール中で、粉末が充分濡れるまでへらで混合した。次に空気乾燥により溶媒を除去し、混合物を60メッシュの篩に通して、乾燥中に形成された可能性のある大きな凝集物を全て破壊するようにしたが、顕著な凝集は認められなかった。最後に潤滑剤を全量粉末組成物と混合した。混合は、粉末組成物が実質的に均一な状態に到達するまで行なった。
【0047】
Figure 0003964135
【0048】
例1で用いたような流動剤エアロシル200二酸化珪素粉末を、表2.2に記載した(対照粉末組成物の)重量%として種々の量で基準混合物中に混合し、混合物C〜Eを形成した。流動特性の結果を表2.2に記載するが、基準粉末の流動特性は、二酸化珪素粉末の添加により著しく改良されたことが示されている。
【0049】
Figure 0003964135
【0050】
例3
二酸化珪素流動剤を含有する金属粉末組成物の流動特性を、更に酸化鉄、Fe34流動剤の添加により向上した。マイルズ社から入手したバイフェロックス318M及び330顔料の二種類の異なったFe34粉末を用いた。318M粉末(平均粒径=100nm)は、混合物F−Gに用い、330粉末(平均粒径=200nm)は混合物Hに用いた。ボトル混合法を用いて例2からの混合物CとFe34粉末とを混合することにより粉末組成物を調製した。混合物F及びHは、混合物Cの重量に基づき、0.08重量%の酸化鉄を含み、混合物Gは0.12重量%の酸化物を含んでいた。これらの混合物の流動性を表3.1に記載する。
【0051】
Figure 0003964135
【0052】
流動剤添加により、金属粉末組成物は次第に高くした温度で処理することができる。
【0053】
例4
ダイス空洞から成形部品を取り出すのに必要な射出力に対する効果を研究し、流動剤の添加が最大射出力及び最大射出圧力の両方を著しく減少することが予想外に発見された。最大射出力は、ダイスから成形部品を射出する間に記録されたダイス空洞の単位断面積当たりの最大力として定義される。これは、ダイス空洞から成形部品を押し出すためにパンチに適用された最大力の測定値である。最大射出圧力は、ダイス表面と接触している部品の全断面積で、射出中の最大荷重を割った商として計算される。これは、射出過程を完了するために克服しなければならない成形部品とダイスの表面間の最大摩擦力の測定値でもある。
【0054】
例2で用いたのと同じFeP粉末、潤滑剤、及び結合剤を用いて、表4.1に記載したような基準組成混合物を調製した。例2〜3の混合物C〜Fのような流動剤(一種又は多種)を同じ量含有する実験混合物C1、D1、E1、及びF1を調製した。即ち、エアロシル200二酸化珪素粉末を0.04重量%、0.08重量%、及び0.12重量%、基準混合物に添加して、夫々混合物C1、D1、及びE1を形成し、0.04重量%のエアロシル200粉末及び0.08重量%のバイフェロックス318M Fe34粉末を基準混合物に添加して混合物F1を形成した。
【0055】
Figure 0003964135
【0056】
次にそれら混合物を、約150℃(300°F)の温度で50t/in2(tsi)の圧力で成形した。最大射出力及び最大射出圧力を表4.2に示す。流動剤の存在は、射出力及び圧力を著しく減少し、それにより金属粉末組成物中へそれらを配合することから一層の利点が得られた。
【0057】
Figure 0003964135
【0058】
例5
流動剤を添加することによる金属粉末の流動特性に与える利点を研究した。この場合、鉄基粉末は予め合金化した鉄材料であった。この実験で用いた鉄基粉末はヘゲネス85HP粉末であり、対照粉末の組成を表5.1に記載する。黒鉛、潤滑剤及び結合剤は、例1の場合と同じ材料であった。この対照粉末に0.04重量%のエアロシル200二酸化珪素粉末を添加して試験混合物Iを調製した。
【0059】
Figure 0003964135
【0060】
1−INCOニッケル粉末123;INCO社(INCO Ltd.)
【0061】
種々の温度でのこれら二種類の粉末の流動特性を表5.2に記載する。流動剤の導入は、粉末が流動する温度範囲を著しく拡大した。
【0062】
Figure 0003964135
【0063】
例6
次の例は、結合鉄粉末混合物を、シュー充填速度を増大させながら、ダイス充填シミュレータでの試験にかけた場合の改良された流動及び充填特性を実証している。種々の大きさの研磨された矩形空洞及び矩形充填用シューを用いたダイス充填シミュレータを用いて、表6.1に記載の基準組成物を含む粉末を研究した。11.7cm3及び1.8cm3の測定体積を夫々有する二種類の大きさの空洞(L=30mm、H=30mm、W=13mm)による結果をこの研究で用いた。シュー充填方向と平行に配向された空洞を用いて充填を行なった。二つの空洞の充填密度についてのデーターは、次の式に従って処理した:
充填指数=(FDmax−FDmin)/FDmax (II)
式中、
FDmax=大きい方の空洞の充填密度(g/cm3
FDmin=小さい方の空洞の充填密度(g/cm3
このように、充填指数が小さい程、一層均一な充填が行われ、即ち、粉末は、空洞規模による影響を受けにくくなる。
【0064】
Figure 0003964135
【0065】
1−純粋鉄粉:スウェーデン、ヘゲネスAB。
2−黒鉛;C−uf4;ドイツ、グラフィトウェルク・クロプミュールAG(Grafitwerk Kropfmuehl AG)。
3−エチレンビス−ステアルアミド;ドイツ、ヘキスト・ワックス・C・ミクロパウダーPM(Hoechst Wax C Micropowder PM);クラリアント(Clariant)GmbH。
4−ポリ酢酸ビニル;ビナック(Vinac)B15;米国エアー・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社(Air Products and Chemicals Inc.)。
5−銅;Cu−200;英国マルキン(Makin)。
【0066】
表6.2の結果は、上記結合混合物に0.04%のエアロシル200を添加したことによる影響を実証している。大きなシュー充填速度で、一層小さな充填指数、即ち一層均一な充填、及び一層良好な一層均等な性能の二つの効果が認められる。
【0067】
Figure 0003964135

Claims (7)

  1. 85重量%以上の鉄基金属粉末と、0.005〜3重量%の結合剤と、0.1〜2重量%の潤滑剤と、0.005〜2重量%の粒状二酸化珪素とを含んでなり、該粒状二酸化珪素が40nm未満の平均粒径を有する、冶金用粉末組成物。
  2. 黒鉛、熱可塑性材料及び可塑剤からなる群から選択された添加剤を更に含有する、請求項1に記載の冶金用粉末組成物。
  3. 粒状二酸化珪素、潤滑剤及び結合材の外に、
    可塑剤を0〜0.5重量%、
    黒鉛を0.01〜3重量%、
    熱可塑性材料を0〜2重量%、及び
    合金用元素を0〜7重量%含有し;残余が、本質的に純粋な鉄粉末、部分的に予め合金化された鉄粉末、及び予め合金化された鉄粉末から選択された鉄粉末である、請求項2記載の冶金用粉末組成物。
  4. 潤滑剤が、アミド含有ワックス又は金属ステアリン酸塩からなる群から選択され;結合剤が、トール油、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、セルロースエステル、又は他の樹脂、メタクリレート重合体又は共重合体、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂以外のポリエステル樹脂、又はポリビニルピロリドン、からなる群から選択され;可塑剤が、ポリエチレングリコール、グリセロール及びそのエステル、有機二酸のエステル、ソルビトール、燐酸エステル、セルロースエステル、アリールスルホンアミド・ホルムアルデヒド樹脂、又は長鎖アルコールからなる群から選択され;熱可塑性材料が、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、又はポリフェニレンエーテルからなる群から選択され;粒状二酸化珪素が1〜25nmの平均粒径を有する;請求項3記載の冶金粉末組成物。
  5. 成形粉末冶金部品の製造方法において、
    (a) 85重量%以上の鉄基金属粉末と、0.005〜3重量%の結合剤と、0.1〜2重量%の潤滑剤と、0.005〜2重量%の粒状二酸化珪素とを含んでなり、該粒状二酸化珪素が40nm未満の平均粒径を有する、冶金用粉末組成物を与え、
    (b) 前記冶金用粉末組成物をダイス中で69〜2760MPaの圧力で成形し、前記部品を形成する、
    諸工程を含む、上記製造方法。
  6. 成形は、70℃より高く、好ましくは125℃より高い温度で行う、請求項5記載の方法。
  7. 成形は、125〜370℃で行う、請求項6記載の方法。
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