JP3963815B2 - 釣竿及び釣竿用尻栓 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は魚釣に用いられる釣竿、特に、竿体の竿尻部に尻栓が挿嵌された釣竿、及び、釣竿用尻栓に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、リールを装着して使用する釣竿は、穂先側に向けて先細りに形成された竿体と、該竿体の竿尻側寄りに設けられリールが装着可能なリール装着部と、竿体の竿尻部に取付られた尻栓とを備えている。
【0003】
また、図5に示す如く、尻栓200は、竿体100の竿尻から突出した尻栓本体201と、尻栓本体201から穂先側に向けて延設されて竿体100の竿尻部102に嵌入された嵌入部202とを備えている。嵌入部202は、略円柱状に形成されており、嵌入部202の外周面全体が竿体100の内周面と接触することにより、尻栓200が竿体100の竿尻部102に固定されている。
【0004】
また、尻栓本体201には、竿体100径方向からの外力を受け得る支持部203が設けられており、釣竿は、尻栓本体201の支持部203を上側にして尻栓本体201を釣人(釣竿の使用者)の腹部に当てて支持すると共に、竿体100のリール装着部近傍に設けられた把持部を片手又は両手で把持することによって保持される(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
そして、保持された釣竿に魚が掛かったときは、竿体100の穂先が魚に引っ張られることによって当該穂先に下向きの引張力が作用して、把持部を支点として穂先が下方に下降しようとする。しかし、竿体100の竿尻部102に設けられた尻栓本体201が釣人の腹部で支持されているので穂先の下降が防止される。即ち、尻栓本体201の支持部203で前記引張力に対する下向きの支持力F1を受けることにより、穂先の下降が防止されて竿体100を一定状態で保持することができる。
【0006】
上述のように、尻栓本体201の支持部203に下向きの支持力F1が作用すると、竿尻部102では、竿尻後端104(竿体100の最も竿尻側で嵌入部202と竿体100とが接触している部分)を支点として、竿尻部102に嵌入されている嵌入部202の上面部205に支持力F1に対する反力Rが下向きに作用する。そして、この反力Rは、嵌入部202の竿尻側から穂先側にいくにつれて大きくなり、嵌入部202の先端で最大となる。
【0007】
また、竿尻後端104を支点とした支持力F1と反力Rの釣り合いから、嵌入部202の長さが短くなるほど反力Rが大きくなる。そして、嵌入部202に作用する反力Rが大きくなると、嵌入部202及び該嵌入部202が嵌入されている竿体100の竿尻部102が破損する虞があるため、嵌入部202の長さはできる限り長尺に形成して、反力Rを小さくすることが好ましい。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−201588号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、釣竿は、仕掛けを投げ込む為に振り回したり、魚の当たりを待つために長時間持ち続けたりすることからできるだけ軽量のものが要望されている。しかしながら、上述のように、竿尻部102の強度を向上させるべく嵌入部202を長尺にするほど尻栓200が重たくなって釣竿の重量が増加してしまうという問題があった。
【0010】
本発明は、斯かる実情に鑑み、重量の増加が抑制しつつ、竿尻部の強度を向上することができる釣竿、及び、釣竿用尻栓を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る釣竿は、請求項1に記載の如く、竿尻部10に尻栓2が取付られてなる釣竿であって、尻栓2は、竿体1より突出した尻栓本体21と、尻栓本体21から延設されて竿体1の竿尻部10に嵌入された嵌入部20とを備え、尻栓本体21は、竿体1の径方向から作用する外力F1を受け得る支持部24を備えていると共に、支持部24が上側となるように竿体1をその軸線を水平にして配置したときに、嵌入部20の先端部は、周方向のうち上側が竿体1の内周面と接触しており、且つ、下側が竿体1の内周面と非接触であることを特徴とする。
【0012】
かかる請求項1に記載の釣竿によれば、例えば、尻栓本体21の支持部24が上側となるようにして尻栓本体21を釣人の腹部に当て、竿体1を手で把持することで保持する。この保持した釣竿に魚が掛かって竿体1の穂先が下側に引っ張られると、尻栓本体21が釣人の腹部で支持されているので、釣竿を支えるために尻栓本体21の支持部24に下向きの外力F1が作用する。このとき、竿尻部10では、支持部24に作用する下向きの外力F1に対する下向きの反力が嵌入部20に発生する。この反力は嵌入部20において周方向のうち上側に作用し下側には反力が作用しない。さらに、上述の如く、嵌入部20の上側において竿体1と接触している位置が支点より離れているほど反力は小さくなるが、嵌入部20は支点から最も離れた先端部23において周方向のうち上側が竿体1の内周面と接触しているので、嵌入部20に作用する反力の大きさが効率的に小さくなっている。そして、該嵌入部20を従来の釣竿に比して長く形成することで反力の大きさをさらに小さくして竿尻部10の強度を向上させることができる。
【0013】
一方、先端部23においての反力作用しない下側は、竿体1の内周面と非接触であるので、嵌入部202の外周面全体が竿体100と接触している従来の釣竿に比して嵌入部20の体積を小さくすることができ、嵌入部20を長く形成しても従来の釣竿に比して重量の増加を抑制することができる。
【0014】
請求項2に記載の釣竿は、竿体1の径方向における先端部23の断面積が竿尻側から穂先側に向けて漸減していることを特徴とする。
【0015】
嵌入部20に作用する曲げモーメントによって当該嵌入部20には竿体1の径方向に曲げ応力が発生するが、嵌入部20の断面積がある部分で急激に変化していると、その部分の曲げ応力が他の部分に比べて高くなる。即ち、断面積が急激に変化している部分に、いわゆる応力集中が発生してその部分が破損し易くなる。そこで、請求項2に記載の発明によれば、嵌入部20を基端部22側から先端部23側に向けて断面積が漸減するように形成することにより、嵌入部20に作用する応力の変化を緩やかにして応力集中の発生を抑制し、嵌入部20の破損を防止することができる。
【0016】
また、本発明に係る釣竿用尻栓は、請求項3に記載の如く、釣竿の竿体1の竿尻部10に取付けられる釣竿用尻栓であって、尻栓本体21と、尻栓本体21から軸方向に延設されて竿体1の竿尻部10に嵌入可能な嵌入部20とを備え、尻栓本体21は、軸方向と直交する方向から作用する外力F1を受け得る支持部24を有し、該支持部24が上側となるように軸線を水平にして配置したときに、嵌入部20の先端部は、周方向のうち上側が竿体1の内周面と接触可能であり、且つ、下側が竿体1の内周面と接触不能な形状に形成されていることを特徴とする。
【0017】
かかる請求項3に記載の釣竿用尻栓によれば、竿体1に取付けられたとき、上述した請求項1に記載の発明と同様に、嵌入部20は支点から最も離れた先端部23において周方向のうち上側が竿体1の内周面と接触可能な形状に形成されているので、嵌入部20に作用する反力の大きさが効率的に小さくなっている。そして、該嵌入部20を従来の釣竿に比して長く形成することで反力の大きさをさらに小さくして竿尻部10の強度を向上させることができる。
【0018】
一方、先端部23において反力が作用しない下側は、竿体1の内周面と接触不能に形成されているので、嵌入部202の外周面全体が竿体100と接触可能に形成されている従来の尻栓200に比して嵌入部20の体積を小さくすることができ、嵌入部20を長く形成しても従来の尻栓に比して重量の増加を抑制することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。本実施形態に係る釣竿は、図1に示す如く、穂先側が先細りに形成された竿体1と、リール4が装着可能なリール装着部3と、竿体1の竿尻部10に取付られた尻栓2とを備えている。
【0020】
竿体1は、穂先側に向けて小径化する先細りテーパー状に形成された複数の竿部材11,12,13からなり、該竿部材11,12,13は最も竿尻側に配置された元竿11と、最も穂先側に配置された穂先竿13と、元竿11と穂先竿13との間に配置された複数の中竿12,…とで構成されている。穂先竿13除く各竿部材11,12、即ち、元竿11及び中竿12,…は、中空の管状に形成されており、元竿11、中竿12,…及び穂先竿13の互いの竿先側端部と竿尻側端部とを順次連結することで長尺の竿体1が形成されている。即ち、各竿部材11,12,13をいわゆる並継式に連結することで竿体1が形成されている。各竿部材11,12,13は、それぞれ炭素繊維又はガラス繊維などの強化繊維に合成樹脂を含浸させたプリプレグを用いて成型し、硬化させるべく焼成することによって形成されている。
【0021】
また、各竿部材11,12,13の外周面には、釣糸40を挿通可能なリング状の釣糸ガイド14,…が設けられている。そして、リール装着部3に装着されたリール4から穂先側に向かって釣糸40を引き出し、順次釣糸ガイド14,…に挿通することによって、該釣糸40が穂先まで案内されるように構成されている。
【0022】
前記リール装着部3は、固定フード30と、竿体1の軸方向に移動可能で且つ軸方向の任意の位置で姿勢維持が可能な可動フード31とを備え、該固定フード30及び可動フード31でリール4の脚部を挟持した状態で、可動フード31を姿勢維持することでリール4が竿体1に装着されている。尚、本実施形態において、リール4は両軸受リールが例示されており、リール装着部3は、周方向のうち竿体1の上側に設けられている。
【0023】
また、竿体1のリール装着部3近傍には、把持部32が設けられており、該把持部32を片手又は両手で把持することにより、竿体1を保持するように構成されている。
【0024】
前記尻栓2は、図2又は図3に示す如く、竿体1の竿尻から突出した尻栓本体21と、該尻栓本体21から水平方向に向かって延設された略円柱状の嵌入部20とを備え、嵌入部20は元竿の竿尻部10に嵌入可能に形成されている。
【0025】
尻栓本体21は、上側となる面に支持部24を備えている。即ち、支持部24は、周方向において前記リール装着部3と、同方位位置に設けられている。そして、該支持部24は嵌入部20の軸方向から尻栓本体21に作用する支持力(外力)F1を受け得るように構成されている。具体的には、釣人(釣竿の使用者)が釣竿を保持する場合、例えば、前記把持部32を片手又は両手で把持すると共に、尻栓本体21を腹部(ヘソの近傍)に当てて支持する。このとき、尻栓本体21に作用する支持力F1を支持部24で受けることにより釣竿が保持される。
【0026】
また、支持部24には凹状に形成された凹状溝25が設けられている。該凹状溝25は、嵌入部20の軸線に対して直交する方向に延びるように、支持部24に凹設されている。そして、該凹状溝25をピトンと呼ばれる釣竿保持具など(図示省略)に引っかけることにより該凹状溝25に支持力F1が作用する。
【0027】
詳細に説明すると、前記釣竿保持具は、前記凹状溝25が係合可能な棒状の竿尻支持体と、元竿11を載置可能な略U字状のアーム体とを備え、釣場の岩などに固定可能に構成されている。そして、竿尻支持体の下方から当該竿尻支持体に前記凹状溝25を係合させると共に、元竿11のリール装着部3より竿尻側をアーム部に載置することで釣竿が釣竿保持具に保持される。即ち、アーム部を支点として穂先側が竿尻側よりも重くなるため、穂先側が下方、竿尻側が上方に移動しようとするが、竿尻側において凹状溝25と竿尻支持体とが係合しているために、凹状溝25に下向きの支持力F1が作用して釣竿が一定の姿勢で釣竿保持具に支持される。
【0028】
また、尻栓本体21には貫通穴26が穿設されている。該貫通穴26は、尻栓本体において、支持部24が設けられた面と該支持部24に対向する面とを貫通するように設けられている。即ち、支持部24を上側にしたときに、上下方向に貫通している。詳しくは、かかる貫通穴26は前記凹状溝25に設けられ、好ましくは、凹状溝25の略中央に配置する。貫通穴26はその直径が凹状溝25の幅と略同一、又は凹状溝25の幅よりも若干小さくなるように形成されている。そして、貫通穴26に紐などを挿通し、該紐を前記釣竿保持具や釣人に締結することにより、釣竿が海中へ不用意に転落することを防止することができる。
【0029】
嵌入部20は、尻栓本体21側を基端部22として先端部23が竿体1の穂先側に向かって延設され、その径寸法が竿体1の内部空間の径寸法と略同一に形成されており、先端部23において周方向のうち上側が竿体1の内周面と接触可能であり、且つ、下側が竿体1の内周面と接触不能な形状に形成されている。詳細に説明すると、嵌入部20の先端部23は、嵌入部20の軸線に対して傾斜した平面で切断した形状に形成された、截頭円柱状に形成されている。言い換えると、嵌入部20はその周方向で上側が下側に比して長尺に形成されている。即ち、嵌入部20において周方向のうち軸方向の長さが最も長く形成された長尺側27が前記支持部24と周方向で同方位位置に設けられており、短尺側28(嵌入部20において周方向のうち軸方向の長さが最も短く形成された部分)が前記支持部24と周方向で対向位置に設けられている。
【0030】
かかる尻栓2は、PBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート)やABS樹脂などの合成樹脂、木材、或いはステンレスやアルミなどの金属で形成され、本実施形態においては、天然木によって形成されている。
【0031】
そして、尻栓2は、嵌入部20を竿尻部10に嵌入して接着剤で竿体1の内周面と接着することで、竿尻部10に固定されている。尚、本実施形態においては、接着剤としてエポキシ系接着剤が使用されている。
【0032】
本実施形態に係る釣竿は、以上の如く構成され、釣人が釣竿を保持する場合は、リール4を操作するために、リール4を上側(釣人の上半身側)に向けて一方の手で把持部32を把持し、尻栓本体21を釣人の腹部に当てて支持する。リール4と支持部24は、周方向で同方位位置に設けられているので支持部24も上側となる。
【0033】
そして、このように保持された釣竿に魚が掛かると、魚に引っ張られることによって竿体1の穂先に下向きの引張力F2が作用する。尻栓本体21が、腹部で支持されているので、把持部32を支点として支持部24に下向きの支持力F1が作用することにより釣竿が一定位置で保持することができる。尚、本実施形態に係る釣竿を、前記釣竿保持具に保持させた場合も釣人が釣竿を保持する場合と同様、魚が掛かると釣竿保持具のアーム部を支点として、竿尻支持体に係合している支持部24の凹状溝25に下向きの支持力F1が作用することにより釣竿が一定位置で保持される。
【0034】
そしてこのとき、図2に示す如く、竿体1の竿尻部10においては、支持力F1によって嵌入部20に反力Rが発生する。詳しくは、支持部24に下向きの支持力F1が作用すると、竿体1の竿尻後端(嵌入部20の最も竿尻側で竿体1と嵌合している部分)を支点として、周方向のうち嵌入部20の上側(長尺側27)に下向きの反力Rが発生する。該長尺側27は、嵌入部20の周方向のうちで最も長尺に形成されているので、反力Rを軸方向に分散させて小さくすることができる。
【0035】
また、反力Rは嵌入部20の基端部22から先端部23に向かうにつれて大きくなり、竿尻後端(支点)から最も離れた位置で竿体1の内周面と接触している部分に最も大きな反力Rが作用する。また、この最も大きな反力Rが作用する部分が支点より離れているほど嵌入部20に作用する反力Rが全体的に小さくなる。そして、長尺側27は、支点から最も離れた先端部23が竿体1の内周面と接触しているので、全体的な反力Rの大きさを効率的に小さく抑えることが可能となる。
【0036】
上述の如く、本実施形態に係る釣竿は、嵌入部20の長尺側27と支持部24とを周方向の同方位位置に設けて長尺側27で反力Rを受けることにより、反力Rの大きさを効率的に小さく抑えることができる。そして、嵌入部20をより長尺に形成すれば、反力Rをさらに小さくして竿尻部10の強度を向上させることができる。
【0037】
そして、反力Rが作用しない短尺側28の先端部23を竿体1の内周面と非接触に形成し、長尺側27に比して短く形成することで、嵌入部20を長尺に形成しても尻栓2の体積の増加を抑制して、竿尻部10の重量の増加を抑制することができる。
【0038】
また、本実施形態の尻栓2において、嵌入部20の長尺側27の長さが従来の尻栓の嵌入部と同一長さである場合は、従来の尻栓と略同一の強度を維持しながら、短尺側28が長尺側27に比して短い寸法に形成されているので、従来の尻栓に比して軽量な尻栓2及び釣竿を得ることができる。
【0039】
また、嵌入部20の先端部23は、截頭円柱状に形成されているので、嵌入部20に反力R作用したときに、嵌入部20に応力集中が発生して当該嵌入部20が破損することを防止することができる。詳細に説明すると、嵌入部20の長さを長尺に形成した場合であっても、当該嵌入部20において、基端部22から先端部23に向かうにつれて軸方向の断面が急激に変化していると、この部分の応力が高くなって破損する恐れがある。従って、嵌入部20を基端部22側から先端部23側に向けて断面積が漸減する截頭円柱状に形成することにより、嵌入部20に作用する応力の変化を緩やかにして応力集中の発生を抑制し、嵌入部20の破損を防止することができる。
【0040】
尚、本発明の釣竿は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、本実施形態において、竿体1は、外周面に釣糸ガイド14を備えたものであるが、竿体1が管状に形成され、リール4から引き出された釣糸40が竿体1内を通って穂先から導出するように構成された所謂中通し竿であってもよい。
【0041】
また、竿体1は、並継式以外に振出式であってもよいし、竿体1が一体に成形されたものであってもよい。
【0042】
尻栓2の嵌入部20の形状は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、図4に示す如く、嵌入部20の先端部23をかまぼこ状に形成してもよい。即ち、嵌入部20は、円柱がその周方向の下側でかまぼこ状に切断された形状であってもよい。この場合も、先端部23が竿体1の内周面と接触している嵌入部20の長尺側27と、支持部24とを同方位位置に形成することで、該長尺側27で反力Rを受けることができる。そして、反力Rが作用しない短尺側28は、先端部23が竿体1の内周面と非接触に形成されているので、尻栓2の重量の増加が抑制される。
【0043】
また、本実施形態においては、リール4として両軸受リールを例示し、リール装着部3と嵌入部20の長尺側27とが周方向の同方位位置に設けられているが、リール4はスピニングリールなどであってもよく、この場合は支持部24が上側になるように竿体1の軸線を水平にして釣竿を配置したとき、リール装着部3及びリール4が竿体1の下側に配置されるため、嵌入部20の長尺側27はリール装着部3と周方向で対向側に設けられる。即ち、支持部24と嵌入部20の長尺側27が周方向の同方位位置に設けられていればよい。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る釣竿は、尻栓本体の支持部が上側となるように竿体の軸線を水平方向に向けて配置したときに、尻栓の嵌入部は周方向のうち上側、即ち、反力を受ける側において、支点となる位置から最も離れた先端部が竿体の内周面と接触しているため、反力の大きさを効率的に小さく抑えることができる。竿尻部の強度を向上させることができる。
【0045】
さらに、嵌入部は周方向のうち下側、即ち、反力を受けない側において、先端部が竿体の内周面と非接触であるため、嵌入部の外周面全体が竿体の内周面と接触している従来の釣竿に比して尻栓の体積の増加が抑制してされる。そのため、嵌入部を長く形成しても従来の釣竿に比して竿尻部の重量の増加を抑制することが可能となる。
【0046】
また、本発明に係る釣竿用尻栓は、竿体に取付けることで、前記同様、嵌入部を長く形成することで反力を小さくして竿尻部の強度を向上させることができると共に、嵌入部の外周面全体が竿体の内周面と接触可能な従来の釣竿用尻栓に比して尻栓の体積の増加を抑制できるので、嵌入部を長く形成しても従来の尻栓に比して竿尻部の重量の増加を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる釣竿の側面図を示す。
【図2】同釣竿の竿尻部近傍の断面図を示す。
【図3】同釣竿の竿尻部の分解斜視図を示す。
【図4】尻栓の他形状の側面図を示す。
【図5】従来の釣竿における竿尻部近傍の断面図を示す。
【符号の説明】
1…竿体、2…尻栓、3…リール装着部、4…リール、10…竿尻部、11…元竿、12…中竿、13…穂先竿、14…釣糸ガイド、20…嵌入部、21…尻栓本体、22…基端部、23…先端部、24…支持部、25…凹状溝、26…貫通穴、27…長尺側、28…短尺側、30…固定フード、31…可動フード、32…把持部、40…釣糸、F1…支持力(外力)、F2…引張力、R…反力
Claims (3)
- 竿尻部(10)に尻栓(2)が取付られてなる釣竿であって、尻栓(2)は、竿体(1)より突出した尻栓本体(21)と、尻栓本体(21)から延設されて竿体(1)の竿尻部(10)に嵌入された嵌入部(20)とを備え、尻栓本体(21)は、竿体(1)の径方向から作用する外力(F1)を受け得る支持部(24)を備えていると共に、支持部(24)が上側となるように竿体(1)をその軸線を水平にして配置したときに、嵌入部(20)の先端部は、周方向のうち上側が竿体(1)の内周面と接触しており、且つ、下側が竿体(1)の内周面と非接触であることを特徴とする釣竿。
- 嵌入部(20)の先端部(23)は、竿体(1)の径方向における断面積が竿尻側から穂先側に向けて漸減していることを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
- 釣竿の竿体(1)の竿尻部(10)に取付けられる釣竿用尻栓であって、尻栓本体(21)と、尻栓本体(21)から軸方向に延設されて竿体(1)の竿尻部(10)に嵌入可能な嵌入部(20)とを備え、尻栓本体(21)は、軸方向と直交する方向から作用する外力(F1)を受け得る支持部(24)を有し、該支持部(24)が上側となるように軸線を水平にして配置したときに、嵌入部(20)の先端部は、周方向のうち上側が竿体(1)の内周面と接触可能であり、且つ、下側が竿体(1)の内周面と接触不能な形状に形成されていることを特徴とする釣竿用尻栓。
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