JP3963743B2 - トンネル用セグメントの連結用バックアップ材とトンネル用セグメントの連結方法 - Google Patents
トンネル用セグメントの連結用バックアップ材とトンネル用セグメントの連結方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル周方向で隣り合うセグメントどうしの突合せ部の各々に、トンネル長手方向に沿うセグメント側嵌合面を、当該セグメントのトンネル周方向内方側に向けて形成してあり、前記両セグメントに亘ってトンネル長手方向から押し込んでそれらのセグメントどうしを連結する連結具に、各セグメントのセグメント側嵌合面に各別に嵌合させる一対の連結具側嵌合面をトンネル周方向で対向するように形成してあり、前記セグメント側嵌合面と連結具側嵌合面との各嵌合部どうしのトンネル周方向の間隔は、前記連結具の押し込み方向下手側ほど広くなるように設けてあり、前記連結具を各連結具側嵌合面が対応するセグメント側嵌合面に嵌合するようにトンネル長手方向から押し込んで、前記セグメントどうしをトンネル周方向に引き寄せながら連結するときに、前記連結具の押し込み力が所定の大きさを越えると、バックアップ材本体をその押し込み力で圧縮変形させて、前記セグメントどうしの引き寄せ力を略一定に保持できるようにしてあるトンネル用セグメントの連結用バックアップ材、及び、連結具を各連結具側嵌合面が対応するセグメント側嵌合面に嵌合するようにトンネル長手方向から押し込んで、セグメントどうしをトンネル周方向に引き寄せながら連結するときに、連結具の押し込み力が所定の大きさを越えると、連結用バックアップ材のバックアップ材本体をその押し込み力で圧縮変形させて、前記セグメントどうしの引き寄せ力を略一定に保持しながら前記セグメントどうしを連結するトンネル用セグメントの連結方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
トンネル周方向で隣り合うセグメントどうしの突合せ部の各々に、トンネル長手方向に沿うセグメント側嵌合面を、当該セグメントのトンネル周方向内方側に向けて形成するとともに、両セグメントに亘ってトンネル長手方向から押し込んでそれらのセグメントどうしを連結する連結具に、各セグメントのセグメント側嵌合面に各別に嵌合させる一対の連結具側嵌合面をトンネル周方向で対向するように形成し、セグメント側嵌合面と連結具側嵌合面との各嵌合部どうしのトンネル周方向の間隔を、連結具の押し込み方向下手側ほど広くなるように設けて、連結具の各連結具側嵌合面が対応するセグメント側嵌合面に嵌合するように、連結具をトンネル長手方向からジャッキなどで単に一定押し込み量で押し込んで、トンネル用セグメントどうしをトンネル周方向に引き寄せながら連結すると、連結具側嵌合面やセグメント側嵌合面の加工精度などに起因して、セグメントどうしの引き寄せ力が過大になったり不足するおそれがある。
【0003】
上記トンネル用セグメントの連結用バックアップ材(以下、単にバックアップ材という) は、このような場合でも、セグメントどうしの引き寄せ力を過不足無く作用させることができるように、連結具をトンネル長手方向から押し込んで、セグメントどうしを引き寄せながら連結するときに、連結具の両セグメントに対する押し込み力が所定の大きさを越えると、バックアップ材本体をその押し込み力で圧縮変形させて、連結具の押し込み量を抑制し、セグメントどうしの引き寄せ力を略一定に保持できるようにしたものである。
【0004】
従来のバックアップ材は、圧縮変形を生じさせる前の未圧縮状態におけるバックアップ材本体の圧縮方向の軸芯周りに沿う外形を、圧縮方向の全長に亘って略一定の外形に形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この為、バックアップ材の押し込み方向と、圧縮変形を生じさせるときのバックアップ材本体の圧縮方向とがずれているような場合、バックアップ材本体が所定の圧縮変形を開始する前の押し込み力、つまり、連結具の両セグメントに対する押し込み力が、バックアップ材本体が所定の圧縮変形を開始する大きさとして設定した所定の押し込み力を越える前の小さな押し込み力で、バックアップ材本体が圧縮変形よりも先に全体に座屈変形して、連結具の押し込み量が抑制されてしまい、セグメントどうしの引き寄せ力を所望の略一定の大きさに保持できないおそれがある。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、バックアップ材の押し込み方向と、圧縮変形を生じさせるときのバックアップ材本体の圧縮方向とが多少ずれているような場合でも、セグメントどうしの引き寄せ力を所望の略一定の大きさに保持できるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の特徴構成は、トンネル周方向で隣り合うセグメントどうしの突合せ部の各々に、トンネル長手方向に沿うセグメント側嵌合面を、当該セグメントのトンネル周方向内方側に向けて形成してあり、前記両セグメントに亘ってトンネル長手方向から押し込んでそれらのセグメントどうしを連結する連結具に、各セグメントのセグメント側嵌合面に各別に嵌合させる一対の連結具側嵌合面をトンネル周方向で対向するように形成してあり、前記セグメント側嵌合面と連結具側嵌合面との各嵌合部どうしのトンネル周方向の間隔は、前記連結具の押し込み方向下手側ほど広くなるように設けてあり、前記連結具を各連結具側嵌合面が対応するセグメント側嵌合面に嵌合するようにトンネル長手方向から押し込んで、前記セグメントどうしをトンネル周方向に引き寄せながら連結するときに、前記連結具の押し込み力が所定の大きさを越えると、バックアップ材本体をその押し込み力で圧縮変形させて、前記セグメントどうしの引き寄せ力を略一定に保持できるようにしてあるトンネル用セグメントの連結用バックアップ材であって、前記圧縮変形を生じさせる前の未圧縮状態における前記バックアップ材本体の圧縮方向の軸芯周りに沿う外形を、圧縮方向中間位置において、圧縮方向端部における前記外形よりも径方向外方に膨出させて形成してある点にある。
【0008】
〔作用〕
セグメントどうしの引き寄せ力を略一定に保持できるように圧縮変形を生じさせる前の未圧縮状態におけるバックアップ材本体の圧縮方向の軸芯周りに沿う外形を、圧縮方向中間位置において、圧縮方向端部における外形よりも径方向外方に膨出させて形成してあるので、バックアップ材本体の座屈荷重を大きくすることができ、つまり、バックアップ材本体が全体に座屈変形するに要する押し込み力を大きくすることができ、バックアップ材の押し込み方向と、圧縮変形を生じさせるときのバックアップ材本体の圧縮方向とが多少ずれているような場合でも、バックアップ材本体が全体に座屈変形する前に、バックアップ材本体を圧縮変形させ易い。
【0009】
〔効果〕
バックアップ材の押し込み方向と、圧縮変形を生じさせるときのバックアップ材本体の圧縮方向とが多少ずれているような場合でも、バックアップ材本体を座屈変形させずに圧縮変形させ易いので、バックアップ材本体が変形を開始するときの押し込み力の大きさを略一定化することができ、セグメントどうしの引き寄せ力を所望の略一定の大きさに保持できる。
【0010】
請求項2記載の発明の特徴構成は、前記バックアップ材本体を、筒軸芯方向の中間位置が径方向外方に膨出する筒状に形成してある点にある。
【0011】
〔作用〕
連結具の両セグメントに対する押し込み力が所定の大きさを越えると、筒状のバックアップ材本体をその押し込み力で、筒軸芯方向の中間位置が径方向外方に膨出するように、筒軸芯方向に圧縮変形させて、連結具の押し込み量を抑制できる。
【0012】
〔効果〕
バックアップ材の押し込み方向と、圧縮変形を生じさせるときのバックアップ材本体の圧縮方向とが多少ずれているような場合でも、バックアップ材本体が全体に座屈変形しにくくなるように、その外径を大きくしながら、バックアップ材本体を筒状に形成するので、圧縮変形を開始するときの押し込み力の大きさを精度良く設定し易い。
【0013】
請求項3記載の発明の特徴構成は、トンネル周方向で隣り合うセグメントどうしの突合 せ部の各々に、トンネル長手方向に沿うセグメント側嵌合面を、当該セグメントのトンネル周方向内方側に向けて形成してあり、前記両セグメントに亘ってトンネル長手方向から押し込んでそれらのセグメントどうしを連結する連結具に、各セグメントのセグメント側嵌合面に各別に嵌合させる一対の連結具側嵌合面をトンネル周方向で対向するように形成してあり、前記セグメント側嵌合面と連結具側嵌合面との各嵌合部どうしのトンネル周方向の間隔は、前記連結具の押し込み方向下手側ほど広くなるように設けてあり、前記連結具を各連結具側嵌合面が対応するセグメント側嵌合面に嵌合するようにトンネル長手方向から押し込んで、前記セグメントどうしをトンネル周方向に引き寄せながら連結するときに、前記連結具の押し込み力が所定の大きさを越えると、バックアップ材本体をその押し込み力で圧縮変形させて、前記セグメントどうしの引き寄せ力を略一定に保持しながら前記セグメントどうしを連結するトンネル用セグメントの連結方法であって、前記連結具として、前記圧縮変形を生じさせる前の未圧縮状態における前記バックアップ材本体の圧縮方向の軸芯周りに沿う外形を、圧縮方向中間位置において、圧縮方向端部における前記外形よりも径方向外方に膨出させて形成してある連結用バックアップ材を装着したものを使用して、前記セグメントどうしを連結する点にある。
【0014】
〔作用〕
連結具として、セグメントどうしの引き寄せ力を略一定に保持できるように圧縮変形を生じさせる前の未圧縮状態におけるバックアップ材本体の圧縮方向の軸芯周りに沿う外形を、圧縮方向中間位置において、圧縮方向端部における外形よりも径方向外方に膨出させて形成してある連結用バックアップ材を装着したものを使用して、セグメントどうしを連結するので、バックアップ材本体の座屈荷重を大きくすることができ、つまり、バックアップ材本体が全体に座屈変形するに要する押し込み力を大きくすることができ、バックアップ材の押し込み方向と、圧縮変形を生じさせるときのバックアップ材本体の圧縮方向とが多少ずれているような場合でも、バックアップ材本体が全体に座屈変形する前に、バックアップ材本体を圧縮変形させ易い。
【0015】
【0016】
〔効果〕
バックアップ材の押し込み方向と、圧縮変形を生じさせるときのバックアップ材本体の圧縮方向とが多少ずれているような場合でも、バックアップ材本体を座屈変形させずに圧縮変形させ易いので、バックアップ材本体が変形を開始するときの押し込み力の大きさを略一定化することができ、セグメントどうしの引き寄せ力を所望の略一定の大きさに保持できるように、セグメントどうしを連結できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、六個のトンネル用セグメント1を後述する連結具2でトンネル周方向に互いに引き寄せて連結してある筒状のセグメントリングRを示しており、このセグメントリングRの複数を、抗口側に設置済みのセグメントリングRに対してシールドマシン等による切羽側から、トンネル周方向での連結箇所が隣り合うセグメントリングRにおける連結箇所に対して周方向にずれるように、トンネル長手方向に順次連結してトンネルTを構築するようにしてある。
【0018】
前記セグメントリングRは、周方向で隣り合うセグメント1どうしを連結しながら、同時に、既設のセグメントリングRの切羽側に連結して順次連結してあり、図2に示すように、既設のセグメントリングRの切羽側下部に対して、中央セグメントa(1) を最初に連結した後、その中央セグメントa(1) の両側に側部セグメントb(1) と上部セグメントc(1) とを順次連結し、左右の上部セグメントc(1) 間にキーセグメントd(1) を嵌合して、筒状に連結してある。
【0019】
上記セグメント1の連結構造を、中央セグメントaと、その中央セグメントaにトンネル周方向で隣り合う側部セグメントbとの連結構造を例示して説明する。
【0020】
前記中央セグメントaは、図3に示すように、セグメント外周側にグラウト材を注入するためのグラウト注入孔3を中央部に備え、抗口側に向けて設置する抗口側端面4には、既設のセグメントリングRの切羽側に向けて設置してある切羽側端面5に対する連結用の複数のリング継手6を設け、切羽側端面5には、切羽側で隣り合うセグメント1のリング継手6が抜け止め状態で嵌合する複数のジョイント受け口7を設けてある。
【0021】
また、中央セグメントaの側部セグメントbとの各突合せ部8には、一端が抗口側端面4に開口する抗口側蟻溝部9と一端が切羽側端面5に開口する切羽側蟻溝部10との二個の蟻溝部11を設けてある。
【0022】
前記蟻溝部11(9,10) の各々には、図5にも示すように、セグメント厚み方向で対向する状態でトンネル長手方向に沿う二つのセグメント側嵌合面12を、当該中央セグメントaのトンネル周方向内方側に向けて、かつ、切羽側ほどトンネル周方向内方側に向けて入り込むように傾斜させて形成してある。
【0023】
前記側部セグメントbは、図4に示すように、中央セグメントaとの突合せ部13に、中央セグメントaに設けたものと同様の、一端が抗口側端面4に開口する抗口側蟻溝部14と一端が切羽側端面5に開口する切羽側蟻溝部15との二個の蟻溝部11を設け、切羽側蟻溝部15の抗口側端部に、連結具2をトンネル周方向から入り込ませる連結具挿入用開口16を形成してある。
【0024】
前記中央セグメントaと側部セグメントbとをトンネル周方向に互いに引き寄せながら連結する連結具2について説明する。
前記連結具2は、図6に示すように、中央セグメントa及び側部セグメントbのセグメント側嵌合面12に各別に嵌合させる一対の連結具側嵌合面17をトンネル周方向に対向するように、かつ、蟻溝部11に対する押し込み方向下手側ほど連結具側嵌合面17間の間隔が広くなるように表裏に形成してある。
【0025】
そして、連結具2を両セグメント1(a,b) の蟻溝部11に亘ってトンネル長手方向から押し込んで、連結具2の一対の連結具側嵌合面17を両セグメント1(a,b) のセグメント側嵌合面12に各別に嵌合させた状態で、セグメント側嵌合面12と連結具側嵌合面17との各嵌合部どうしのトンネル周方向の間隔が、連結具2の押し込み方向下手側ほど広くなるように設けて、各連結具側嵌合面17が対応するセグメント側嵌合面12に嵌合するようにトンネル長手方向から蟻溝部11に押し込むに伴って、セグメント1(a,b) どうしをトンネル周方向に引き寄せながら連結できるようにしてある。
【0026】
また、連結具2を各連結具側嵌合面17が対応するセグメント側嵌合面12に嵌合するようにトンネル長手方向から押し込んで、セグメント1(a,b) どうしをトンネル周方向に引き寄せながら連結するときに、連結具2の押し込み力が所定の大きさを越えると、その押し込み力で圧縮変形させる純銅や例えば黄銅等の銅合金,アルミニュウム合金,鉛などの軟質金属製の本発明に係るバックアップ材18を、連結具2の押し込み方向上手側端面にねじ込み固定して、セグメント1(a,b) どうしの引き寄せ力を略一定に保持できるようにしてある。
【0027】
前記バックアップ材18は、図7(イ) に示すように、押し込み力で圧縮変形させる複数個(本実施形態では二個) の筒状のバックアップ材本体19を同芯状に一体に備え、押し込み力又はその反力が作用する各バックアップ材本体19の端部とバックアップ材本体19どうしの接続部との各々に変形規制用の鍔部20を一体連設し、一方のバックアップ材本体19の端部に雄ネジ部21を筒軸芯Xと同芯状に一体連設して、連結具2に形成してある雌ネジ孔22にねじ込み固定できるようにしてある。
【0028】
前記バックアップ材本体19の各々は、圧縮変形を生じさせるときの圧縮方向の筒軸芯X周りに沿う外形を、圧縮方向中間位置における筒軸芯X周りに沿う外形が、圧縮方向両端部における筒軸芯X周りに沿う外形よりも径方向外方に膨出する円筒状に形成してある。
【0029】
つまり、図8に示すように、内外径が一定の円筒体23の筒軸芯X方向の両端部と中間部とに鍔部20を形成するとともに、一端側の鍔部20(20a) に雄ネジ部21を筒軸芯Xと同芯状に一体形成してあるバックアップ材素材24を製作し、このバックアップ材素材24を筒軸芯X方向に圧縮することにより、鍔部20間の筒体部分25を塑性変形させて、圧縮方向中間位置における筒軸芯X周りに沿う外形が、圧縮方向両端部における外形よりも径方向外方に膨出する複数個(本実施形態では二個) のバックアップ材本体19を形成してある。
【0030】
前記連結具2を使用して中央セグメントaと側部セグメントbとを連結する手順を説明する。
尚、中央セグメントaの両突合せ部8に側部セグメントbを左右対称に連結するので、中央セグメントaと一方の側部セグメントbとの連結手順について説明する。
【0031】
図5で仮想線で示すように、連結具2を、バックアップ材18を抗口側に向けて、一方の連結具側嵌合面17が中央セグメントaのセグメント側嵌合面12に嵌合するように、抗口側蟻溝部9には抗口側端面4の開口部から装着しておき、切羽側蟻溝部10には切羽側端面5の開口部から装着しておく。
【0032】
そして、図2にも示すように、中央セグメントaを、各リング継手6が既設のセグメントリングRの切羽側に設けてある所定のジョイント受け口7に入り込むように、シールドマシンに装備してあるジャッキJなどで既設のセグメントリングR側に押し付けて、図9に示すように、中央セグメントaをリング継手6で既設のセグメントリングRに連結する。
【0033】
次に、図9に示すように、中央セグメントaの切羽側蟻溝部10に装着した連結具2の他方の連結具側嵌合面17が、連結具挿入用開口16を通して側部セグメントbの切羽側蟻溝部15に入り込むように、両セグメント1(a,b) の突合せ部8,13どうしをトンネル長手方向に位置をずらして突き合わせる。
【0034】
そして、この突き合わせ状態で、図10に示すように、中央セグメントaの切羽側蟻溝部10に装着した連結具2の他方の連結具側嵌合面17が、側部セグメントbの切羽側蟻溝部15に形成したセグメント側嵌合面12に嵌合し、かつ、中央セグメントaの抗口側蟻溝部9に装着した連結具2の他方の連結具側嵌合面17が、側部セグメントbの抗口側蟻溝部14にその抗口側端面4に開口している開口部から入り込んで嵌合するように、側部セグメントbを既設のセグメントリングR側に押し込んで、側部セグメントbをリング継手6で既設のセグメントリングRに連結するとともに、中央セグメントaと側部セグメントbとをトンネル周方向に引き寄せて連結する。
【0035】
前記連結具2に固定してあるバックアップ材18のうち、抗口側蟻溝部9,14に装着した連結具2のバックアップ材18は、図7(ロ) や図10に示すように、既設のセグメントリングRの切羽側端面5に押し付けられることにより圧縮されて、連結具2の対応するセグメント側嵌合面12に対する押し込み力が所定の大きさを越えると塑性圧縮変形し、また、切羽側蟻溝部10,15に装着した連結具2のバックアップ材18は、切羽側蟻溝部10内の抗口側終端面26に押し付けられることにより圧縮されて、連結具2の対応するセグメント側嵌合面12に対する押し込み力が所定の大きさを越えると塑性圧縮変形して、セグメント1(a,b) どうしの引き寄せ力を略一定に保持できるようにしてある。
【0036】
〔第2実施形態〕
図11は、中央セグメントaと側部セグメントbの各突合せ部8,13に設けた切羽側蟻溝部10,15(11) の別実施形態を示し、セグメント厚み方向で対向する状態でトンネル長手方向に沿う二つのセグメント側嵌合面12を、各セグメントa,bのトンネル周方向内方側に向けて、かつ、抗口側ほどトンネル周方向内方側に向けて入り込むように傾斜させて形成してある。
【0037】
そして、連結具2を、バックアップ材18を切羽側に向けて、一方の連結具側嵌合面17が側部セグメントbのセグメント側嵌合面12に嵌合するように、側部セグメントbの切羽側蟻溝部15に装着しておき、両セグメント1(a,b) の突合せ部8,13どうしをトンネル長手方向に位置をずらして突き合わせた状態で、側部セグメントbの切羽側蟻溝部15に装着した連結具2の他方の連結具側嵌合面17が、中央セグメントaの切羽側蟻溝部10に形成したセグメント側嵌合面12に嵌合するように、側部セグメントbを既設のセグメントリングR側にジャッキJで押し込んで、切羽側蟻溝部10,15に装着した連結具2のバックアップ材18がジャッキJに押し付けられることにより圧縮されて塑性変形して、セグメント1(a,b) どうしの引き寄せ力を略一定に保持できるようにしてある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0038】
〔その他の実施形態〕
1.本発明によるトンネル用セグメントの連結用バックアップ材は、中実の部材で形成したバックアップ材本体を備えたものであっても良い。
2.本発明によるトンネル用セグメントの連結用バックアップ材は、中空或いは中実の球状に形成してあっても良い。
3.本発明によるトンネル用セグメントの連結用バックアップ材は、圧縮変形を生じさせるときの圧縮方向の軸芯周りに配置した複数の部材の端部どうしを一体に連結してあるバックアップ材本体を備えたものであっても良い。
4.本発明によるトンネル用セグメントの連結用バックアップ材は、圧縮変形を生じさせるときの筒軸芯方向の中間位置が径方向外方に膨出する角筒状に形成したバックアップ材本体を備えたものであっても良い。
5.本発明によるトンネル用セグメントの連結用バックアップ材は、圧縮変形を生じさせるときの圧縮方向の軸芯周りに沿う外形を、圧縮方向中間位置における外形が、圧縮方向端部の一方における外形に対してのみ、その外形よりも径方向外方に膨出するように形成してあるバックアップ材本体を備えていても良い。
6.本発明によるトンネル用セグメントの連結用バックアップ材は、単一のバックアップ材本体を備えたものであっても良い。
7.本発明によるトンネル用セグメントの連結用バックアップ材は、セグメント側に装着して使用するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トンネル用セグメントの連結構造の概要を示す斜視図
【図2】 連結手順を説明する展開図
【図3】 (イ) はトンネル用セグメントの内面側を示す平面図、(ロ) は切羽側端面の側面図
【図4】 トンネル用セグメントの内面側を示す平面図
【図5】 要部の断面図
【図6】 連結具の斜視図
【図7】 バックアップ材の側面図
【図8】 バックアップ材素材の縦断面図
【図9】 連結手順の説明図
【図10】 連結手順の説明図
【図11】 第2実施形態の説明図
【符号の説明】
1 セグメント
2 連結具
8 突合せ部
12 セグメント側嵌合面
13 突合せ部
17 連結具側嵌合面
19 バックアップ材本体
X 圧縮方向の軸芯
Claims (3)
- トンネル周方向で隣り合うセグメントどうしの突合せ部の各々に、トンネル長手方向に沿うセグメント側嵌合面を、当該セグメントのトンネル周方向内方側に向けて形成してあり、
前記両セグメントに亘ってトンネル長手方向から押し込んでそれらのセグメントどうしを連結する連結具に、各セグメントのセグメント側嵌合面に各別に嵌合させる一対の連結具側嵌合面をトンネル周方向で対向するように形成してあり、
前記セグメント側嵌合面と連結具側嵌合面との各嵌合部どうしのトンネル周方向の間隔は、前記連結具の押し込み方向下手側ほど広くなるように設けてあり、
前記連結具を各連結具側嵌合面が対応するセグメント側嵌合面に嵌合するようにトンネル長手方向から押し込んで、前記セグメントどうしをトンネル周方向に引き寄せながら連結するときに、前記連結具の押し込み力が所定の大きさを越えると、バックアップ材本体をその押し込み力で圧縮変形させて、前記セグメントどうしの引き寄せ力を略一定に保持できるようにしてあるトンネル用セグメントの連結用バックアップ材であって、
前記圧縮変形を生じさせる前の未圧縮状態における前記バックアップ材本体の圧縮方向の軸芯周りに沿う外形を、圧縮方向中間位置において、圧縮方向端部における前記外形よりも径方向外方に膨出させて形成してあるトンネル用セグメントの連結用バックアップ材。 - 前記バックアップ材本体を、筒軸芯方向の中間位置が径方向外方に膨出する筒状に形成してある請求項1記載のトンネル用セグメントの連結用バックアップ材。
- トンネル周方向で隣り合うセグメントどうしの突合せ部の各々に、トンネル長手方向に沿うセグメント側嵌合面を、当該セグメントのトンネル周方向内方側に向けて形成してあり、
前記両セグメントに亘ってトンネル長手方向から押し込んでそれらのセグメントどうしを連結する連結具に、各セグメントのセグメント側嵌合面に各別に嵌合させる一対の連結具側嵌合面をトンネル周方向で対向するように形成してあり、
前記セグメント側嵌合面と連結具側嵌合面との各嵌合部どうしのトンネル周方向の間隔は、前記連結具の押し込み方向下手側ほど広くなるように設けてあり、
前記連結具を各連結具側嵌合面が対応するセグメント側嵌合面に嵌合するようにトンネル長手方向から押し込んで、前記セグメントどうしをトンネル周方向に引き寄せながら連結するときに、前記連結具の押し込み力が所定の大きさを越えると、バックアップ材本体をその押し込み力で圧縮変形させて、前記セグメントどうしの引き寄せ力を略一定に保持しながら前記セグメントどうしを連結するトンネル用セグメントの連結方法であって、
前記連結具として、前記圧縮変形を生じさせる前の未圧縮状態における前記バックアップ材本体の圧縮方向の軸芯周りに沿う外形を、圧縮方向中間位置において、圧縮方向端部における前記外形よりも径方向外方に膨出させて形成してある連結用バックアップ材を装着したものを使用して、前記セグメントどうしを連結するトンネル用セグメントの連結方法。
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JP2002065347A Expired - Lifetime JP3963743B2 (ja) | 2002-03-11 | 2002-03-11 | トンネル用セグメントの連結用バックアップ材とトンネル用セグメントの連結方法 |
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2002
- 2002-03-11 JP JP2002065347A patent/JP3963743B2/ja not_active Expired - Lifetime
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