JP2000192789A - 構築部材の接合構造 - Google Patents

構築部材の接合構造

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JP2000192789A
JP2000192789A JP10369361A JP36936198A JP2000192789A JP 2000192789 A JP2000192789 A JP 2000192789A JP 10369361 A JP10369361 A JP 10369361A JP 36936198 A JP36936198 A JP 36936198A JP 2000192789 A JP2000192789 A JP 2000192789A
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Minoru Yamamoto
稔 山本
Susumu Kaneyasu
進 金安
Takeshi Ishihara
武 石原
Hiroshi Sato
宏志 佐藤
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TOKYO MET GOV CHIKATETSU KENSETSU KK
Kubota Corp
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TOKYO MET GOV CHIKATETSU KENSE
TOKYO MET GOV CHIKATETSU KENSETSU KK
Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合部に加わる剪断力等の外力に対して有効
に抵抗すると共に、接合部に生じる腐食等を抑制し得る
構築部材の接合構造を提供する。 【解決手段】 第1構築部材K1と第2構築部材K2と
を接合する際に、第1構築部材K1の接合部に形成した
接合用凹部1と、第2構築部材K2の接合部に形成した
接合用凸部2とを嵌合させる構築部材の接合構造であっ
て、第1(第2)構築部材K1,K2の内部に延出する
アンカー部4を備え、かつ、自身の端面P1a,P2a
を接合用凹部1(凸部2)の表面1a(2a)と面一な
状態に露出させると共に、端面P1a,P2a以外の部
分を接合用凹部1(凸部2)の表面1a(2a)から離
間する状態に配置する第1(第2)板状部材P1,P2
を、第1(第2)構築部材K1,K2の接合部に少なく
とも一枚埋設してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばトンネルの
シールド工法におけるライニング等に使用するコンクリ
ート製の構築部材において、第1構築部材と第2構築部
材とを接合する際に、前記第1構築部材の接合部に形成
した接合用凹部と、前記第2構築部材の接合部に形成し
た接合用凸部とを嵌合させる構築部材の接合構造に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の構築部材の接合構造とし
ては、図5に示すごとく、第1構築部材K1の接合部に
形成した接合用凹部1と、第2構築部材K2の接合部に
形成した接合用凸部2とに、板状補強材15を取り付け
たものがあった。当該板状補強材15は、前記接合用凹
部1および前記接合用凸部2の表面を形成する板状部材
である。当該板状補強材15を設けることで、例えば、
トンネル完成後に第1構築部材K1と第2構築部材K2
との間にせん断力が作用したとしても、前記板状補強材
15は、前記接合部を形成するコンクリートの特定箇所
に集中しようとする荷重を適度に分散させると共に、前
記せん断力の一部を板状補強材15の面外応力として負
担させることで接合部が損傷するのを防止しようとする
ものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
の接合構造では、過大なせん断力が接合部に作用した場
合に、例えば前記板状補強材15の近傍に位置するコン
クリートが一部破損し、当該接合部に作用するせん断力
が前記板状補強材15に集中する事態が生じることがあ
る。当該板状補強材15は、接合部のコンクリートと略
一体的に構築されている場合には、せん断力をコンクリ
ート部分に適度に分散させるなど有効に機能するもの
の、周辺のコンクリートが破損して板状補強材15が曲
がり変形したような状態では、所期の応力伝達機能を発
揮することができなくなる。この場合、前記変形した板
状補強材15が他のコンクリート部分を局部的に押圧し
て、さらに当該コンクリート部分の破損を誘発する事態
が生じ、結果として接合部の強度が極端に低下すること
となる。
【0004】また、一般に前記板状補強材15は金属製
であるので、接合部の延出方向広域に亘って露出させた
状態に取り付けた場合には、トンネル外部から侵入する
地下水等によって板状補強材15が腐食し易くなる。こ
の結果、板状補強材15による接合部の補強効果を長期
間維持することが困難になるという不都合も生じてい
た。
【0005】本発明の目的は、上記従来の問題点を解消
し、接合部に加わるせん断力等の外力に対して有効に抵
抗すると共に、接合部に生じる腐食等を抑制し得る構築
部材の接合構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】(構成1)本発明に係る
構築部材の接合構造は、請求項1に記載したごとく、第
1構築部材の内部に延出するアンカー部を備え、かつ、
自身の端面を接合用凹部の表面と面一な状態に露出させ
ると共に、当該端面以外の部分を前記接合用凹部の表面
から離間する状態に配置する第1板状部材を、前記第1
構築部材の接合部に少なくとも一枚埋設して構成した点
に特徴を有する。 (作用・効果)本発明のごとく、前記第1構築部材の接
合部に第1板状部材を埋設すると共に、当該第1板状部
材の端面を接合用凹部の表面と面一な状態に露出させて
おき、しかも、前記端面以外の部分を接合用凹部の表面
から離間する状態に配置しておけば、当該第1構築部材
と接合した第2構築部材の接合部は、第1板状部材の端
面と当接することとなる。この状態で、第1構築部材と
第2構築部材との間にせん断力が作用すると、第2構築
部材からのせん断力は、第1板状部材に対して自身の面
内方向に沿う状態に作用する。一般に、板状部材に外力
が作用する場合には、面外方向からの外力に対する抵抗
力よりも、面内方向からの外力に対する抵抗力の方が大
きい。このように、本発明に係る構築部材の接合構造に
おいては、第1板状部材が負担し得る応力が従来の板状
補強材が有する耐力に比べて格段に大きなものとなり、
より強い外力に対して抵抗することができるのである。
【0007】尚、本発明の場合には、第1板状部材とコ
ンクリートとの間で滑りが生じ易いとの懸念が生じる。
しかし、前記第1板状部材に備えたアンカー部材が当該
滑りを有効に阻止することができるし、前記第1板状部
材の表裏面とコンクリートとの付着力によっても前記滑
りが阻止される。
【0008】また、本願発明の構成では、第1板状部材
の端部のみが接合用凹部の表面に露出しているにすぎな
い。よって、良好な防錆効果も期待できる。
【0009】(構成2)本発明に係る構築部材の接合構
造は、請求項2に記載したごとく、第2構築部材の内部
に延出するアンカー部を備え、かつ、自身の端面を接合
用凸部の表面と面一な状態に露出させると共に、当該端
面以外の部分を前記接合用凸部の表面から離間する状態
に配置する第2板状部材を、前記第2構築部材の接合部
に少なくとも一枚埋設して構成した点に特徴を有する。 (作用・効果)本構成の場合にも、上記構成1に係る作
用効果で述べたのと同様に、第2板状部材は、せん断力
等の外力に対して高い耐力を有すると共に、良好な防錆
効果を発揮するものである。
【0010】(構成3)本発明に係る構築部材の接合構
造は、請求項3に記載したごとく、前記第1構築部材お
よび前記第2構築部材を、型枠の内部に形成素材を充填
して製造するものとし、前記第1板状部材の表面あるい
は裏面のうち何れか一方の面に、および、前記第2板状
部材の表面あるいは裏面のうち何れか一方の面に、これ
ら第1板状部材および第2板状部材を前記型枠に仮固定
するための固定具を設けて構成することができる。 (作用・効果)本構成のごとく、第1板状部材および第
2板状部材を型枠に仮固定するための固定具を、これら
第1・第2板状部材に設けることで、第1構築部材およ
び第2構築部材の製造作業が効率的なものとなる。
【0011】(構成4)本発明に係る構築部材の接合構
造は、請求項4に記載したごとく、前記アンカー部を、
前記第1板状部材および前記第2板状部材の夫々の表面
および裏面に設けてあり、前記第1板状部材および前記
第2板状部材の夫々において、前記表面に設けたアンカ
ー部と前記裏面に設けたアンカー部とを異なる方向に延
出させて構成することができる。 (作用・効果)本構成のごとく、前記第1板状部材およ
び前記第2板状部材の夫々に、延出方向が異なる二本の
アンカー部を設けることで、第1・第2板状部材の埋設
強度を高めることができる。即ち、個々のアンカー部
は、特に、その延出方向に対して直角な方向からの外力
に対して良好に抵抗する。そこで、本構成のごとく、二
本のアンカー部の延出方向を異ならせて、大きな抵抗を
発揮し得る方向を交差させることで、第1・第2板状部
材が様々な方向からの外力に対して良好に抵抗し得るも
のにしてある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 (概要)本発明に係る構築部材の接合構造を図1および
図2に示す。本実施形態では、第1構築部材K1と第2
構築部材K2とを接合する際に、前記第1構築部材K1
の接合部に形成した接合用凹部1と、前記第2構築部材
K2の接合部に形成した接合用凸部2とを嵌合させて行
う。これら接合用凹部1および接合用凸部2は、第1構
築部材K1および第2構築部材K2の厚み方向Zにおけ
る略中央部に形成してある。本実施形態では、前記第1
構築部材K1および前記第2構築部材K2が、例えば、
トンネルの内壁を構築するためのコンクリート製のセグ
メントである例を示す。図1は、トンネルの周方向に第
1構築部材K1と第2構築部材K2とを接合する状態を
示している。本実施形態では、説明の便宜上、前記第1
構築部材K1と前記第2構築部材K2とを互いに近接さ
せる方向を接合方向Xと称し、当該接合方向Xと略直角
な方向であって前記接合用凹部1あるいは前記接合用凸
部2の延出している方向を幅方向Yと称する。尚、図1
および図2に示すごとく、前記接合用凹部1あるいは前
記接合用凸部2に沿って形成した溝部は、第1構築部材
K1と第2構築部材K2とを接続した際に、両者の隙間
を密封するためにシール部材を取付けるためのシール用
溝部3である。
【0013】(第1板状部材、第2板状部材)図1およ
び図2に示すごとく、第1構築部材K1の接合用凹部1
には、第1板状部材P1を埋設し、第2構築部材K2の
接合用凸部2には第2板状部材P2を埋設してある。こ
れら第1板状部材P1および第2板状部材P2は、例え
ば鋼材等の各種の金属によって形成することができる。
これら第1板状部材P1および第2板状部材P2は、夫
々の接合部において少なくとも一枚埋設する。
【0014】前記第1板状部材P1の一つの端面P1a
は接合用凹部1の表面1aと面一な状態に露出させてあ
り、前記第2板状部材P2の一つの端面P2aは接合用
凸部2の表面2aと面一な状態に露出させてある。これ
ら第1板状部材P1および第2板状部材P2のうち前記
端面以外の部分は、前記接合用凹部1および接合用凸部
2に対して離間する状態となるように埋設してある。本
実施形態では、前記第1板状部材P1および第2板状部
材P2は、その面の法線方向が前記幅方向Yと略平行と
なるように埋設してある。
【0015】第1構築部材K1と第2構築部材K2とが
接合した状態では、前記第1板状部材P1は第2構築部
材K2の接合用凸部2と当接し、前記第2板状部材P2
は第1構築部材K1の接合用凹部1と当接する。第1板
状部材P1および第2板状部材P2は、第1構築部材K
1と第2構築部材K2とを接続した際に、両構築部材の
間に作用する、例えばせん断力等を伝達する機能を有す
る。このとき、第1板状部材P1の埋設方向を前述のご
とく設定したことで、外力に対する第1板状部材P1お
よび第2板状部材P2の耐力を向上させることができ
る。これは、一般に、板状部材に外力が作用する場合に
は、面外方向からの外力に対する抵抗力よりも、面内方
向からの外力に対する抵抗力の方が大きいため、第1板
状部材P1等が負担し得る応力が、前述した従来の板状
補強材が有する耐力に比べて格段に大きなものとなるか
らである。
【0016】前記第1板状部材P1等は接合部に対して
少なくとも一枚埋設するが、複数の第1板状部材P1等
を適度の間隔を有した状態で接合部に埋設することとす
れば、接合部の強度を向上させることができる。つま
り、例えば隣接する二枚の第1板状部材P1で挟まれた
コンクリートは、これらの第1板状部材P1によって拘
束をうけるから、コンクリートの圧縮強度が大幅に向上
し、当該コンクリート部分に外力が作用した場合でもコ
ンクリートの圧壊が抑制されるからである。
【0017】尚、本発明の場合には、第1板状部材P1
とコンクリートとの間で滑りが生じ易いとの懸念が生じ
るが、前記第1板状部材P1に備えた後述のアンカー部
4が当該滑りを有効に阻止することができるし、前記第
1板状部材P1の表裏面とコンクリートとの付着力によ
っても前記滑りが阻止される。
【0018】(アンカー部)図1乃至図3に示すごと
く、前記第1板状部材P1および前記第2板状部材P2
には、アンカー部4を備えている。当該アンカー部4
は、例えば棒状に形成しており、第1板状部材P1およ
び第2板状部材P2の夫々の表面および裏面に設けてあ
る。板状部材とアンカー部4とは、溶接等によって一体
化するものであってもよいし、鋳造等によって当初から
一体的に形成するものであってもよい。
【0019】前記アンカー部4は、前記第1構築部材K
1あるいは前記第2構築部材K2の内部に延出させると
共に、一つの板状部材に設けた二本のアンカー部4は互
いに異なる方向に延出させてある。本構成のごとく、棒
状のアンカー部4を使用する場合、その延出方向に対し
て直角な方向からの外力には良好に抵抗することができ
るが、当該延出方向と略平行な方向からの外力に対する
抵抗力は若干劣るものとなる。即ち、同方向からの外力
によってアンカー部4がコンクリートに対して滑り易く
なるからである。そこで、本発明では、例えば第1板状
部材P1に設けた二本のアンカー部4をクロス状に配置
してある。本構成であれば、大きな抵抗を発揮し得る方
向が交差し、第1板状部材P1および第2板状部材P2
が様々な方向からの外力に対して良好に抵抗することが
できる。
【0020】(固定具)前記第1構築部材K1および前
記第2構築部材K2が、例えばコンクリート製のセグメ
ントである場合、前記第1構築部材K1等は、型枠5の
内部に形成素材であるコンクリートを充填して製造され
る。この場合には、前記型枠5に対して前記第1板状部
材P1および第2板状部材P2を仮固定することが必要
となる。そこで、本発明においては、図3に示すごと
く、前記第1板状部材P1および前記第2板状部材P2
の夫々に対し、表面あるいは裏面のうち何れか一方の面
に、これら第1板状部材P1および第2板状部材P2を
前記型枠5に仮固定するための固定具6を設けてある。
【0021】例えば、第1板状部材P1を第1構築部材
K1に埋設するために、当該第1板状部材P1の一方の
面に前記固定具6を取り付ける。前記固定具6は、例え
ば袋状ナット6aで形成する。当該袋状ナット6aは溶
接等によって固定する。コンクリートを充填する際に
は、前記型枠5に固定用ボルト7を貫通させ、当該固定
用ボルト7を前記袋状ナット6aに螺合させる。コンク
リートの固化後には、前記固定用ボルト7は取り外す。
【0022】尚、当該固定用ボルト7の取り外しを容易
にするために、前記袋状ナット6aのねじ孔6bは前記
接合用凹部1の表面1aに対して面一となるように仮固
定しておく。本構成であれば、型枠5にコンクリート充
填するに際して、固定用ボルト7の表面にコンクリート
が付着するのを防止できるからである。
【0023】(連結態様)本発明に係る構築部材の接合
構造によれば、第1構築部材K1と第2構築部材K2と
の間にせん断力が作用した場合に、当該せん断力は、第
1板状部材P1あるいは第2板状部材P2に面内応力を
発生させることとなる。板状の部材は、面内方向の外力
に対しては強い耐力を発揮するから、本構成の場合に
は、接合部を構成する第1板状部材P1および第2板状
部材P2が有する耐力を有効に発揮させることができ、
高い強度を有する接合部を得ることができる。
【0024】尚、板状の部材は、面外方向から外力を受
けた場合には曲がり変形を生じ易い。しかし、本発明で
は、当該曲がり変形はコンクリートによって確実に阻止
されるから、第1板状部材P1および第2板状部材P2
はせん断力に対して良好に抵抗し得るものとなる。
【0025】また、本発明の接合構造では、上記のごと
く第1板状部材P1等がせん断力の一部を負担すると共
に、前記せん断力の一部は、第1板状部材P1等の周辺
であって内部のコンクリート部分に適度に分散されるか
ら、前記接合用凹部1の表面あるいは前記接合用凸部2
の表面を構成するコンクリート部分が負担すべき応力が
低減される。この結果、前記接合用凹部1等のコンクリ
ートが破損し難くなり、信頼性の高い接合部を得ること
ができる。
【0026】本発明の接合構造では、第1板状部材P1
と第2板状部材P2とが必ずしも当接する必要はない。
つまり、両者が当接していなくても、上記のごとくコン
クリート部分が負担すべきせん断力をある程度低減させ
ることができるからである。しかし、第1板状部材P1
と第2板状部材P2とを当接させる構成とした場合に
は、より強固な接合部を得ることができる。即ち、第1
板状部材P1と第2板状部材P2とを当接させるという
ことは、接合部表面のコンクリートが前記第1板状部材
P1等から直接外力を受けないことと同義である。本構
成であれば、仮に第1板状部材P1が前記接合用凹部1
から僅かに突出している等の取り付け誤差を生じている
場合でも、前記第1板状部材P1の端部が接合用凸部2
のコンクリート部分に食い込む等の不都合は生じない。
よって、第1板状部材P1等によってコンクリート部分
が積極的に破損されるような事態が生じるのを確実に防
止して、より強固な接合部を得ることができる。
【0027】(効果)以上のごとく、本発明に係る構築
部材の接合構造であれば、第1板状部材P1等に面内応
力を発生させて、第1板状部材P1等が有する耐力を有
効に発揮させることができ、強度の高い接合部を得るこ
とができる。また、せん断力は、前記第1板状部材P1
等を介して内部のコンクリート部分にも分散されるか
ら、接合部の表面を構成するコンクリート部分が負担す
べきせん断力を低減させ、破損等が生じ難く、より高い
強度を有する接合部を得ることができる。さらに、本発
明の接合構造であれば、第1板状部材P1の端面P1a
等のみが接合部に露出しているから、構築後において良
好な防錆効果が発揮され、構築部材どうしの健全な接合
状態を長期に亘って維持することができる。
【0028】(実施例)本実施例では、前記第1構築部
材K1等としてのコンクリートセグメントによってトン
ネル内壁を構築する場合の例を図4に示す。図4におい
て、第1セグメント本体S1及び第2セグメント本体S
2は、既に構築されたトンネル壁部であって、トンネル
周方向X1に連続した一単位であるトンネルリングの一
部をなす。図4は、これら第1セグメント本体S1及び
第2セグメント本体S2に対して新たに第3セグメント
本体S3を連結する場合を示している。尚、前記第1セ
グメント本体S1の側が、トンネルの抗口側であり、そ
の反対側はトンネルを掘削するトンネルシールドの切羽
側である。
【0029】当該第3セグメント本体S3に係る四つの
端面のうち、トンネル長手方向X2に垂直な二つの面を
リング継手面Frと称し、トンネル周方向X1に垂直な
二つの面をセグメント継手面Fsと称する。当該第3セ
グメント本体S3においては、第1セグメント本体S1
の側のリング継手面Frに前記接合用凹部1を設けてあ
り、前記第1セグメント本体S1とは反対側のリング継
手面Frに接合用凸部2を設けてある。
【0030】図4に示すごとく、第3セグメント本体S
3は、第1セグメント本体S1及び第2セグメント本体
S2に対して千鳥状に連結する。これにより、セグメン
ト本体どうしの継手部を分散させて強固なトンネル壁を
構築することができる。前記接合用凹部1に対しては、
二枚の第1板状部材P1を一組として、四組の第1板状
部材P1を埋設してある。前記接合用凸部2に対しても
同様に、四箇所に第2板状部材P2を埋設してある。例
えば、四組の第1板状部材P1に注目すると、そのうち
二組が第1セグメント本体S1に対する連結に用いら
れ、他の二組は第2セグメント本体S2に対する連結に
用いられる。このため、第3セグメント本体S3におけ
る両端の第1板状部材P1および第2板状部材P2は、
前記セグメント継手面Fsからは離間した位置に埋設さ
れることとなる。このような位置に第1板状部材P1及
び第2板状部材P2を埋設することで、トンネル長手方
向X2にセグメント本体を順次連結する場合に、一方の
セグメント本体に埋設した第1板状部材P1と他方のセ
グメント本体に埋設した第2板状部材P2とを確実に連
結することができる。よって、本実施例の場合には、第
1セグメント本体S1と第3セグメント本体S3との連
結が終了した状態では、対向する第1板状部材P1と第
2板状部材P2とが互いに当接することとなる。本構成
の場合には、第1セグメント本体S1と第3セグメント
本体S3との間に、および、第2セグメント本体S2と
第3セグメント本体S3との間に作用するせん断力等
が、前記第1板状部材P1等を介して伝達されるので、
セグメント本体どうしの継ぎ手部が最も強固に形成され
る。尚、当該図4では、前記アンカー部4および前記固
定具6は省略してある。
【0031】第3セグメント本体S3の連結作業は、さ
らに詳細には以下のごとく行う。前記第3セグメント本
体S3は、図示は省略するがトンネルシールドのエレク
ター等によって把持し、前記第1セグメント本体S1お
よび前記第2セグメント本体S2に対して所定の位置に
セッティングする。前記第1セグメント本体S1および
前記第2セグメント本体S2と、前記第3セグメント本
体S3とは、仮固定ボルトB1及び軸方向連結ボルトB
2を用いて連結する。前記仮固定ボルトB1を用いるた
めに、夫々のセグメント本体には仮固定ボルト挿通孔8
と仮固定用雌ねじ部9とを形成してある。第3セグメン
ト本体S3を例にとると、前記接合用凹部1に対しては
前記仮固定用雌ねじ部9を開口させた状態に形成する。
当該仮固定用雌ねじ部9はコンクリート部分に直に雌ね
じ部を形成するものであってもよいし、別途雌ねじ部を
形成した筒状金物を埋設するものであってもよい。当該
仮固定用雌ねじ部9の軸心方向は、前記仮固定ボルトB
1をトンネル内方側の空間から挿通する都合上、所定の
角度だけ傾斜させてある。一方、前記仮固定ボルトB1
層通孔としては、単に仮固定ボルトB1を挿通させるた
めのバカ孔を形成する。当該仮固定ボルトB1層通孔
は、コンクリートに直に穿孔するものであってもよい
し、別途筒状の金物を埋設するものであってもよい。当
該仮固定ボルト挿通孔8の両端部のうち、トンネル内方
側の端部には、仮固定ボルトB1のヘッド部分が収まる
ようにボルトボックス10を形成してある。以上の構成
により、例えば、前記仮固定ボルトB1を、前記第2セ
グメント本体S2に設けた仮固定ボルト挿通孔8から挿
入し、第3セグメント本体S3に設けた仮固定用雌ねじ
部9に螺合させて、第2セグメント本体S2と第3セグ
メント本体S3とを仮固定する。第1セグメント本体S
1と第3セグメント本体S3との仮固定も同様に行う。
【0032】これに引き続き、前記軸方向連結ボルトB
2を用いて第1セグメント本体S1および第2セグメン
ト本体S2と第3セグメント本体S3との最終連結を行
う。当該軸方向連結ボルトB2は、例えば、前記第3セ
グメント本体S3を連結するのに二本用いる。そのため
には、第3セグメント本体S3に、軸方向連結ボルトB
2を挿通させるための連結ボルト層通孔11を形成して
おく。当該連結ボルト層通孔11も単なるバカ孔で構成
し、前記接合用凸部2と前記接合用凹部1とに亘って貫
通させた状態に形成する。図4は、新たな軸方向連結ボ
ルトB2を挿入する状態を示している。
【0033】当該軸方向連結ボルトB2のヘッド部12
には、他の軸方向連結ボルトB2の端部に形成した雄ね
じ部13が螺合可能なヘッド雌ねじ部14を形成してあ
る。つまり、当該新たな軸方向連結ボルトB2を、既に
第2セグメント本体S2に固定してある他の軸方向連結
ボルトB2のヘッド雌ねじ部14に螺合することで、第
2セグメント本体S2と第3セグメント本体S3との連
結を行うのである。本構成により、トンネル長手方向X
2に沿って軸方向連結ボルトB2が順次連結されるの
で、例えば第1セグメント本体S1と第3セグメント本
体S3とに対して、互いをトンネル長手方向X2に沿っ
て離間させる方向の外力が作用した場合にも、当該外力
に確実に対抗することができる。そのためにも、前記軸
方向連結ボルトB2は高張力鋼等で構成するのが望まし
い。
【0034】前記軸方向連結ボルトB2を締結すること
で、前記第3セグメント本体S3の連結が終了するが、
このあと前記仮固定ボルトB1をそのまま残置するか除
去するかは任意である。
【0035】例えば第3セグメント本体S3において
は、二つのリング継手面Frおよび二つのセグメント継
手面Fsであって、トンネル外方側に変位した位置に前
記シール用溝部3を構成してある。つまり、当該シール
用溝部3は、例えば前記第3セグメント本体S3の周囲
を取り巻く状態に形成され、トンネル壁が構築された後
において、地下水などがトンネル内方側に漏洩するのを
防止する。
【0036】また、本実施形態では、前記第3セグメン
ト本体S3に係る二つのセグメント継手面Fsは、前記
シール用溝部3を形成する他は平面状に形成する。図示
は省略するが、セグメント継手面Fsどうしの連結は、
前記仮固定ボルトB1に係るものと同様の構成によって
行う。勿論、二箇所の前記セグメント継手面Fsに対し
て接合用凹部1及び接合用凸部2を振り分けて形成する
ものであってもよい。
【0037】尚、特許請求の範囲の項に、図面との対照
を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明
は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る構築部材の接合構造を示す説明図
【図2】本発明に係る構築部材の接合構造を示す断面図
【図3】本発明に係る構築部材を製造する状況を示す説
明図
【図4】本発明に係る構築部材の接合構造についての実
施例を示す説明図
【図5】従来の構築部材の接合構造を示す説明図
【符号の説明】
1 接合用凹部1 1a 接合用凹部1の表面 2 接合用凸部2 2a 接合用凸部2の表面 4 アンカー部 5 型枠 6 固定具 K1 第1構築部材 K2 第2構築部材 P1 第1板状部材P1 P1a 第1板状部材P1の端面 P2 第2板状部材P2 P2a 第2板状部材P2の端面
フロントページの続き (72)発明者 金安 進 東京都練馬区高松4―3―19 (72)発明者 石原 武 大阪府大阪市大正区南恩加島7丁目1番22 号 株式会社クボタ恩加島工場内 (72)発明者 佐藤 宏志 東京都中央区日本橋室町3丁目1番3号 株式会社クボタ東京本社内 Fターム(参考) 2D055 BA01 GC01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1構築部材(K1)と第2構築部材
    (K2)とを接合する際に、前記第1構築部材(K1)
    の接合部に形成した接合用凹部(1)と、前記第2構築
    部材(K2)の接合部に形成した接合用凸部(2)とを
    嵌合させる構築部材の接合構造であって、 前記第1構築部材(K1)の内部に延出するアンカー部
    (4)を備え、かつ、自身の端面(4)を前記接合用凹
    部(1)の表面と面一な状態に露出させると共に、当該
    端面(4)以外の部分を前記接合用凹部(1)の表面か
    ら離間する状態に配置する第1板状部材(P1)を、前
    記第1構築部材(K1)の接合部に少なくとも一枚埋設
    してある構築部材の接合構造。
  2. 【請求項2】 第1構築部材(K1)と第2構築部材
    (K2)とを接合する際に、前記第1構築部材(K1)
    の接合部に形成した接合用凹部(1)と、前記第2構築
    部材(K2)の接合部に形成した接合用凸部(2)とを
    嵌合させる構築部材の接合構造であって、 前記第2構築部材(K2)の内部に延出するアンカー部
    (4)を備え、かつ、自身の端面(4)を前記接合用凸
    部(2)の表面と面一な状態に露出させると共に、当該
    端面(4)以外の部分を前記接合用凸部(2)の表面か
    ら離間する状態に配置する第2板状部材(P2)を、前
    記第2構築部材(K2)の接合部に少なくとも一枚埋設
    してある構築部材の接合構造。
  3. 【請求項3】 前記第1構築部材(K1)および前記第
    2構築部材(K2)が、型枠 (5)の内部に形成素材
    を充填して製造されるものであり、 前記第1板状部材(P1)の表面あるいは裏面のうち何
    れか一方の面に、および、前記第2板状部材(P2)の
    表面あるいは裏面のうち何れか一方の面に、これら第1
    板状部材(P1)および第2板状部材(P2)を前記型
    枠(5)に仮固定するための固定具(6)を設けてある
    請求項1又は2に記載の構築部材の接合構造。
  4. 【請求項4】 前記アンカー部(4)が、前記第1板状
    部材(P1)および前記第2板状部材(P2)の夫々の
    表面および裏面に設けてあり、 前記第1板状部材(P1)および前記第2板状部材(P
    2)の夫々において、前記表面に設けたアンカー部
    (4)と前記裏面に設けたアンカー部(4)とを異なる
    方向に延出させてある請求項1から3の何れかに記載の
    構築部材の接合構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102691510A (zh) * 2012-06-15 2012-09-26 中铁第四勘察设计院集团有限公司 盾构隧道中对接段衬砌结构
CN113775356A (zh) * 2021-09-01 2021-12-10 中建交通建设集团有限公司 一种盾构地下对接段二次衬砌结构

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