JP3962177B2 - 難燃焼物バーナー - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、すす、悪臭等の発生を抑制して難燃焼物をより確実に燃焼するバーナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般的なバーナーとして、内部に燃焼室を有し、燃焼室内の炎を放出するための火口を有するハウジングを備えたものが知られている。ここでこのハウジングは、燃焼室内に着火が容易な石油、灯油、LPG等の燃料を供給する燃料供給手段を有するとともに、燃焼室内に空気を供給する空気供給手段を有している。
【0003】
このような一般的なバーナーでは、燃料を気化したり噴霧したりして、燃料と空気とを混合することで燃焼が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の一般的なバーナーでは、着火が容易な燃料を使用してバーナーを構成していたため、燃焼にかかるコストが高くなる。
この点、仮に着火が困難な重油やタール分等の難燃焼物を燃料とすれば、難燃焼物は一般的には石油等に比べて安価であるため、燃焼にかかるコストの低廉化を実現することができる。
【0005】
しかしながら、難燃焼物は燃えにくいので、難燃焼物のみでは燃焼が行われ難い。このため迅速なバーナーの使用が困難である。
本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされたものであって、燃焼コストの低廉化を実現できるとともに、迅速な使用に便宜なバーナーを提供することを解決すべき課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明者らは、難燃焼物を燃焼する方法として、蓄熱体に難燃焼物を供給し、蓄熱体を加熱することで難燃焼物をより確実に燃焼させる方法が有効であることを見出し、難燃焼物を供給した蓄熱体を加熱する方法を用いたバーナーとすることで上記課題を解決できることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明の難燃焼物バーナーは、一端に開口部を有する本体と、本体の開口部に出口端側が位置するように本体部内に回転自在に保持され入口端側から出口端側に延びる多数の通孔を有する柱状の蓄熱体と、蓄熱体を回転駆動させる駆動手段と、本体に保持され蓄熱体の入口端の回転中心より遠心方向側に偏芯した位置に燃焼ガスを供給する燃焼手段と、本体に保持され、蓄熱体の入口端の回転中心より異なる遠心方向側に偏芯し回転により燃焼ガスが供給された入口端の部分に難燃焼物を供給する難燃焼物供給手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の難燃焼物バーナーは、多数の通孔を有する柱状の蓄熱体を回転させる構造をもつ。先ず、燃焼ガスを蓄熱体に供給して蓄熱体を加熱する。次に蓄熱体が回転することで、この蓄熱体に燃焼ガスが供給された位置に難燃焼物が供給される。難燃焼物は、加熱された蓄熱体により燃焼が助けられ、より確実に燃焼する。このためこのバーナーは、すす、悪臭の発生を極力抑えて難燃焼物を燃焼することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の難燃焼物バーナーは、本体と蓄熱体と駆動手段と燃焼手段と難燃焼物供給手段とで構成されている。
本体は、一端に開口部を有し、他端に閉そく壁を有する筒部材である。この本体は、剛性を有する部材であればよく、低い熱伝導性や高い耐熱性をもつ金属製容器やセラミック容器が好ましい。
【0010】
蓄熱体は、本体の開口部に出口端側が位置するように本体部内に回転自在に保持されてる。この蓄熱体は、一方を入口端とし、他方を出口端とする柱状部材から成る。この蓄熱体は、入口端側から出口端側に挿通する多数の通孔をもつ。この通孔は、蓄熱体を貫通する通孔であれば直線的な通孔や曲線的な通孔でも良く、空隙と空隙とを繋げて形成したものでも良い。
【0011】
蓄熱体は、剛性を有する耐熱、耐酸化性部材で形成されていることが好ましく、セラミック又は耐熱性金属、耐酸化性金属より成るペレット、ハニカム体をあげることができる。さらにこの蓄熱体は、本体の筒部材と同じ中心軸で軸支された回転軸をもち、この回転軸と一体化した構成としてもよい。そしてこの回転軸は、本体の閉そく壁を貫通して蓄熱体に設置されている。
【0012】
駆動手段は、蓄熱体を回転駆動する手段で、蓄熱体を回転させる。例えば、回転軸の一端にギアを固定し、モータによってワームギアを介して回転軸が回転したり、また、直接、モータによって回転軸が回転したりすることで蓄熱体を回転することが可能である。この駆動手段は、難燃焼物の燃焼量や燃焼性に合わせて、蓄熱体の回転速度を変えるようにするのが好ましい。
【0013】
燃焼手段は、本体に保持され、蓄熱体の入口端の回転中心より遠心方向側に偏芯した位置に燃焼ガスを供給する手段である。この手段は、第1空気供給部とこの第1空気供給部内に燃料を供給する燃料供給部とによって、空気と燃料とを混合し、この混合物を着火装置によって燃焼することで燃焼ガスを発生させる。ここで第1空気供給部にはブロアー等を用いることが好ましく、さらに空気供給量を調節できる機能を備えていることが好ましい。また、燃料供給部は燃料ポンプ等を用いることが好ましく、燃料を第1空気供給部内に噴霧する機能や、燃料の供給量を調節する機能を有していることが好ましい。さらに燃料供給部は、燃料を着火する着火装置を有することが好ましく、燃料を着火することで燃焼ガスが発生する。この燃焼ガスは蓄熱体に供給される。
【0014】
難燃焼物供給手段は、本体に保持され、蓄熱体の入口端の回転中心より異なる遠心方向側に偏芯し回転により燃焼ガスが供給された入口端の部分に難燃焼物を供給する手段である。この手段は、第2空気供給部とこの第2空気供給部内に難燃焼物を供給する難燃焼物供給部とによって、難燃焼物を拡散する。そしてこの拡散した難燃焼物を蓄熱体に供給する。ここで第2空気供給部にはブロアー等を用いることが好ましく、さらに空気供給量を調節できる機能を備えていることが好ましい。また、難燃焼物供給部はポンプ等を用いることが好ましく、難燃焼物を第2空気供給部内に噴霧する機能や、難燃焼物の供給量を調節する機能を有していることが好ましい。
【0015】
ここで蓄熱体は、回転駆動しているので、燃焼ガスを供給した入口端が、難燃焼物を供給することができる位置に移動する。ここで難燃焼物は、燃焼ガスによって加熱された蓄熱体の熱によって燃焼される。
このため本発明の難燃焼物バーナーは、蓄熱体に燃焼ガスと難燃焼物とを供給することによって難燃焼物をより確実に燃焼し、すす、悪臭の発生を極力おさえることができる。
【0016】
【実施例】
以下、実施例を用いて説明する。
本発明の実施例として、難燃焼物を燃焼するバーナーを作製した。
(実施例)
本実施例の難燃焼物バーナーは、図1に示すように、一端が閉じて他端が開口する円筒部材10で構成される本体5と、円筒部材10の開口部14に設置される蓄熱体20と、蓄熱体20の駆動手段としてのモーター28及びギア26と、燃焼手段としての第1空気供給管30及び燃料供給管32と、難燃焼物供給手段としての第2空気供給管40及び難燃焼物供給管42とで構成されている。
【0017】
円筒部材10は、一端を閉そく壁12で閉じ他端を開口した有底筒状で、耐熱鋼で作られている。この円筒部材10の奥側の上壁には第1空気供給管30が設置され、また円筒部材10の奥側の下壁には第2空気供給管40が設置されている。円筒部材10の開口部14には蓄熱体20が設置されていて、第1空気供給管30と第2空気供給管40とから空気が蓄熱体20に供給されるようになっている。
【0018】
この蓄熱体20は、一方を入口端22とし他方を出口端24とした円柱状で、入口端22から出口端24に向かって多数の通孔26が延びるチタン酸アルミニウム製のハニカム体で構成されている。この蓄熱体20は、入口端22が円筒部材10内の中心に位置し、出口端24が円筒部材10の開口部14に位置するように設置され、円筒部材10の内径とほぼ同じ大きさの外径を有する。そして開口部14の外側に蓄熱体20が突出しないように固定リング部材27で係止されている。さらに出口端24の中心から入口端22の中心を通り円筒部材10の閉そく壁12の中心を貫通して回転軸50が設置されていて、この回転軸50は蓄熱体20に固定されて一体化している。
【0019】
ここで駆動手段であるギア54とモータ56によって回転軸50とともに蓄熱体20が回転させられる。このギア54は円筒部材10の閉そく壁12を貫通した回転軸50の先端に固定され、このギア54に繋がっているモータ56は円筒部材10の閉そく壁12の外側に固定されている。
ところで燃焼手段として第1空気供給管30の供給口31は、円筒部材10内で蓄熱体20の回転中心より上方の入口端22に近接するように開口している。この第1空気供給管30はブロアー(図略)に繋がっている。ここで第1空気供給管30が円筒部材10に設置されている位置より僅かに開口部14側に寄った位置に燃料供給管32が設置されている。ここで燃料供給管32は燃料ポンプ(図略)に繋がっている。燃料供給管32は、第1空気供給管30の上壁を貫通し、この空気供給管30内に燃料供給口33を配置している。そして燃料供給口33は、供給口31側を向いて開口している。さらに燃料供給口33の先端には着火トーチ34が設置されている。
【0020】
一方、難燃焼物供給手段として第2空気供給管40の供給口41は、円筒部材10内で蓄熱体20の回転中心より下方の入口端22に近接するように開口している。この第2空気供給管40はブロアー(図略)に繋がっている。ここで第2空気供給部40が円筒部材10に設置されている位置より僅かに開口部14側に寄った位置に難燃焼物供給管42が設置されている。ここで難燃焼物供給管42は、ポンプ(図略)に繋がっている。難燃焼物供給管42は、第2空気供給管40の下壁を貫通し、この第2空気供給管40内に難燃焼物供給口43を配置している。そして難燃焼物供給口43は、供給口41側を向いて開口している。
【0021】
本実施例の難燃焼物バーナーは上述した構成をもつので、次にこの難燃焼物バーナーの機能を説明する。
先ず、ブロアー(図略)から送られた空気が、第1空気供給管30内を通る。この空気によって、燃料を燃やすために必要な酸素が供給される。第1空気供給管30内には燃料供給管32から燃料が供給される。第1燃料供給管32内の燃料供給口33付近に設置された着火トーチ34によって、燃料が着火され燃焼する。このとき、燃焼ガスが発生する。この燃焼ガスは第1空気供給管30内から供給口31を通って蓄熱体20の回転中心より上方の入口端22に供給され、蓄熱体20を加熱する。
【0022】
ここで蓄熱体20は、モータ56によってギア54を介して回転軸50が回転し、回転軸50とともに蓄熱体20が回転する。そして燃焼ガスが供給された蓄熱体20の入口端22の位置が下方に移動する。
この下方に移動した入口端22の位置には、第2空気供給管40の供給口42が配置されている。ブロアー(図略)から送られた空気が、この第2空気供給管40内を通る。この空気供給管40内には難燃焼供給管42から難燃焼物が供給される。この難燃焼物は、空気供給管40の空気によって拡散される。そして難燃焼物は、上述した燃焼ガスが供給された蓄熱体20の入口端22の位置に空気とともに供給される。ここで難燃焼物は加熱され、このとき発生する蒸気が空気と混合し、可燃ガス混合気ができる。蓄熱体はこの可燃ガス混合気の引火点まで十分に加熱しているので、可燃ガス混合気は燃焼する。
【0023】
また、仮にここで難燃焼物が十分に燃焼しなかったとしても、蓄熱体20が回転し、難燃焼物が供給されて位置が第1空気供給管30の供給口31の位置まで移動して、ここでさらに燃焼ガスが供給される。この燃焼ガスによって、燃え残った難燃焼物がさらに加熱され、可燃ガス混合気が発生する。この可燃ガス混合気は、燃焼ガスによってほぼ確実に燃焼される。
【0024】
本実施例のバーナーは、1つの蓄熱体に燃焼ガスと難燃焼物とを交互に供給することによって、難燃焼物はほとんど残ることなく、ほぼ確実に燃焼することができる。
さらに難燃焼物としては、重油、タール分等の燃えにくい石油残留分が代表的であるが、本実施例の難燃焼物バーナーによれば、難燃焼物に代えて従来のバーナーに用いられ着火が容易な燃料を用いても、すす、悪臭を極力抑えて、より確実に燃焼することができる。
【0025】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の難燃焼物バーナーは、燃焼ガスと難燃焼物とを交互に蓄熱体に供給し、加熱した蓄熱体の熱を利用することによって難燃焼物を確実に燃焼することができる。このため、すす、悪臭の発生を極力抑えるという効果がある。また、難燃焼物の燃焼量や燃焼性に合わせて蓄熱体の回転速度を変えることができるのでより確実に難燃焼物を燃焼することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の難燃焼物バーナーの構成を示す縦断面図
【符号の説明】
5:円筒部材
10:本体 12:閉そく壁
14:開口部 20:蓄熱体
22:入口端 24:出口端
26:通孔 27:固定リング部材
30:第1空気供給管
31、41:供給口
32:燃料供給管 33:燃料供給口
34:着火トーチ 40:第2空気供給管
42:難燃焼物供給管 43:難燃焼物供給口
50:回転軸 51:バネ固定金具
52:バネ 54:ギア
56:モータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、すす、悪臭等の発生を抑制して難燃焼物をより確実に燃焼するバーナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般的なバーナーとして、内部に燃焼室を有し、燃焼室内の炎を放出するための火口を有するハウジングを備えたものが知られている。ここでこのハウジングは、燃焼室内に着火が容易な石油、灯油、LPG等の燃料を供給する燃料供給手段を有するとともに、燃焼室内に空気を供給する空気供給手段を有している。
【0003】
このような一般的なバーナーでは、燃料を気化したり噴霧したりして、燃料と空気とを混合することで燃焼が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の一般的なバーナーでは、着火が容易な燃料を使用してバーナーを構成していたため、燃焼にかかるコストが高くなる。
この点、仮に着火が困難な重油やタール分等の難燃焼物を燃料とすれば、難燃焼物は一般的には石油等に比べて安価であるため、燃焼にかかるコストの低廉化を実現することができる。
【0005】
しかしながら、難燃焼物は燃えにくいので、難燃焼物のみでは燃焼が行われ難い。このため迅速なバーナーの使用が困難である。
本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされたものであって、燃焼コストの低廉化を実現できるとともに、迅速な使用に便宜なバーナーを提供することを解決すべき課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明者らは、難燃焼物を燃焼する方法として、蓄熱体に難燃焼物を供給し、蓄熱体を加熱することで難燃焼物をより確実に燃焼させる方法が有効であることを見出し、難燃焼物を供給した蓄熱体を加熱する方法を用いたバーナーとすることで上記課題を解決できることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明の難燃焼物バーナーは、一端に開口部を有する本体と、本体の開口部に出口端側が位置するように本体部内に回転自在に保持され入口端側から出口端側に延びる多数の通孔を有する柱状の蓄熱体と、蓄熱体を回転駆動させる駆動手段と、本体に保持され蓄熱体の入口端の回転中心より遠心方向側に偏芯した位置に燃焼ガスを供給する燃焼手段と、本体に保持され、蓄熱体の入口端の回転中心より異なる遠心方向側に偏芯し回転により燃焼ガスが供給された入口端の部分に難燃焼物を供給する難燃焼物供給手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の難燃焼物バーナーは、多数の通孔を有する柱状の蓄熱体を回転させる構造をもつ。先ず、燃焼ガスを蓄熱体に供給して蓄熱体を加熱する。次に蓄熱体が回転することで、この蓄熱体に燃焼ガスが供給された位置に難燃焼物が供給される。難燃焼物は、加熱された蓄熱体により燃焼が助けられ、より確実に燃焼する。このためこのバーナーは、すす、悪臭の発生を極力抑えて難燃焼物を燃焼することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の難燃焼物バーナーは、本体と蓄熱体と駆動手段と燃焼手段と難燃焼物供給手段とで構成されている。
本体は、一端に開口部を有し、他端に閉そく壁を有する筒部材である。この本体は、剛性を有する部材であればよく、低い熱伝導性や高い耐熱性をもつ金属製容器やセラミック容器が好ましい。
【0010】
蓄熱体は、本体の開口部に出口端側が位置するように本体部内に回転自在に保持されてる。この蓄熱体は、一方を入口端とし、他方を出口端とする柱状部材から成る。この蓄熱体は、入口端側から出口端側に挿通する多数の通孔をもつ。この通孔は、蓄熱体を貫通する通孔であれば直線的な通孔や曲線的な通孔でも良く、空隙と空隙とを繋げて形成したものでも良い。
【0011】
蓄熱体は、剛性を有する耐熱、耐酸化性部材で形成されていることが好ましく、セラミック又は耐熱性金属、耐酸化性金属より成るペレット、ハニカム体をあげることができる。さらにこの蓄熱体は、本体の筒部材と同じ中心軸で軸支された回転軸をもち、この回転軸と一体化した構成としてもよい。そしてこの回転軸は、本体の閉そく壁を貫通して蓄熱体に設置されている。
【0012】
駆動手段は、蓄熱体を回転駆動する手段で、蓄熱体を回転させる。例えば、回転軸の一端にギアを固定し、モータによってワームギアを介して回転軸が回転したり、また、直接、モータによって回転軸が回転したりすることで蓄熱体を回転することが可能である。この駆動手段は、難燃焼物の燃焼量や燃焼性に合わせて、蓄熱体の回転速度を変えるようにするのが好ましい。
【0013】
燃焼手段は、本体に保持され、蓄熱体の入口端の回転中心より遠心方向側に偏芯した位置に燃焼ガスを供給する手段である。この手段は、第1空気供給部とこの第1空気供給部内に燃料を供給する燃料供給部とによって、空気と燃料とを混合し、この混合物を着火装置によって燃焼することで燃焼ガスを発生させる。ここで第1空気供給部にはブロアー等を用いることが好ましく、さらに空気供給量を調節できる機能を備えていることが好ましい。また、燃料供給部は燃料ポンプ等を用いることが好ましく、燃料を第1空気供給部内に噴霧する機能や、燃料の供給量を調節する機能を有していることが好ましい。さらに燃料供給部は、燃料を着火する着火装置を有することが好ましく、燃料を着火することで燃焼ガスが発生する。この燃焼ガスは蓄熱体に供給される。
【0014】
難燃焼物供給手段は、本体に保持され、蓄熱体の入口端の回転中心より異なる遠心方向側に偏芯し回転により燃焼ガスが供給された入口端の部分に難燃焼物を供給する手段である。この手段は、第2空気供給部とこの第2空気供給部内に難燃焼物を供給する難燃焼物供給部とによって、難燃焼物を拡散する。そしてこの拡散した難燃焼物を蓄熱体に供給する。ここで第2空気供給部にはブロアー等を用いることが好ましく、さらに空気供給量を調節できる機能を備えていることが好ましい。また、難燃焼物供給部はポンプ等を用いることが好ましく、難燃焼物を第2空気供給部内に噴霧する機能や、難燃焼物の供給量を調節する機能を有していることが好ましい。
【0015】
ここで蓄熱体は、回転駆動しているので、燃焼ガスを供給した入口端が、難燃焼物を供給することができる位置に移動する。ここで難燃焼物は、燃焼ガスによって加熱された蓄熱体の熱によって燃焼される。
このため本発明の難燃焼物バーナーは、蓄熱体に燃焼ガスと難燃焼物とを供給することによって難燃焼物をより確実に燃焼し、すす、悪臭の発生を極力おさえることができる。
【0016】
【実施例】
以下、実施例を用いて説明する。
本発明の実施例として、難燃焼物を燃焼するバーナーを作製した。
(実施例)
本実施例の難燃焼物バーナーは、図1に示すように、一端が閉じて他端が開口する円筒部材10で構成される本体5と、円筒部材10の開口部14に設置される蓄熱体20と、蓄熱体20の駆動手段としてのモーター28及びギア26と、燃焼手段としての第1空気供給管30及び燃料供給管32と、難燃焼物供給手段としての第2空気供給管40及び難燃焼物供給管42とで構成されている。
【0017】
円筒部材10は、一端を閉そく壁12で閉じ他端を開口した有底筒状で、耐熱鋼で作られている。この円筒部材10の奥側の上壁には第1空気供給管30が設置され、また円筒部材10の奥側の下壁には第2空気供給管40が設置されている。円筒部材10の開口部14には蓄熱体20が設置されていて、第1空気供給管30と第2空気供給管40とから空気が蓄熱体20に供給されるようになっている。
【0018】
この蓄熱体20は、一方を入口端22とし他方を出口端24とした円柱状で、入口端22から出口端24に向かって多数の通孔26が延びるチタン酸アルミニウム製のハニカム体で構成されている。この蓄熱体20は、入口端22が円筒部材10内の中心に位置し、出口端24が円筒部材10の開口部14に位置するように設置され、円筒部材10の内径とほぼ同じ大きさの外径を有する。そして開口部14の外側に蓄熱体20が突出しないように固定リング部材27で係止されている。さらに出口端24の中心から入口端22の中心を通り円筒部材10の閉そく壁12の中心を貫通して回転軸50が設置されていて、この回転軸50は蓄熱体20に固定されて一体化している。
【0019】
ここで駆動手段であるギア54とモータ56によって回転軸50とともに蓄熱体20が回転させられる。このギア54は円筒部材10の閉そく壁12を貫通した回転軸50の先端に固定され、このギア54に繋がっているモータ56は円筒部材10の閉そく壁12の外側に固定されている。
ところで燃焼手段として第1空気供給管30の供給口31は、円筒部材10内で蓄熱体20の回転中心より上方の入口端22に近接するように開口している。この第1空気供給管30はブロアー(図略)に繋がっている。ここで第1空気供給管30が円筒部材10に設置されている位置より僅かに開口部14側に寄った位置に燃料供給管32が設置されている。ここで燃料供給管32は燃料ポンプ(図略)に繋がっている。燃料供給管32は、第1空気供給管30の上壁を貫通し、この空気供給管30内に燃料供給口33を配置している。そして燃料供給口33は、供給口31側を向いて開口している。さらに燃料供給口33の先端には着火トーチ34が設置されている。
【0020】
一方、難燃焼物供給手段として第2空気供給管40の供給口41は、円筒部材10内で蓄熱体20の回転中心より下方の入口端22に近接するように開口している。この第2空気供給管40はブロアー(図略)に繋がっている。ここで第2空気供給部40が円筒部材10に設置されている位置より僅かに開口部14側に寄った位置に難燃焼物供給管42が設置されている。ここで難燃焼物供給管42は、ポンプ(図略)に繋がっている。難燃焼物供給管42は、第2空気供給管40の下壁を貫通し、この第2空気供給管40内に難燃焼物供給口43を配置している。そして難燃焼物供給口43は、供給口41側を向いて開口している。
【0021】
本実施例の難燃焼物バーナーは上述した構成をもつので、次にこの難燃焼物バーナーの機能を説明する。
先ず、ブロアー(図略)から送られた空気が、第1空気供給管30内を通る。この空気によって、燃料を燃やすために必要な酸素が供給される。第1空気供給管30内には燃料供給管32から燃料が供給される。第1燃料供給管32内の燃料供給口33付近に設置された着火トーチ34によって、燃料が着火され燃焼する。このとき、燃焼ガスが発生する。この燃焼ガスは第1空気供給管30内から供給口31を通って蓄熱体20の回転中心より上方の入口端22に供給され、蓄熱体20を加熱する。
【0022】
ここで蓄熱体20は、モータ56によってギア54を介して回転軸50が回転し、回転軸50とともに蓄熱体20が回転する。そして燃焼ガスが供給された蓄熱体20の入口端22の位置が下方に移動する。
この下方に移動した入口端22の位置には、第2空気供給管40の供給口42が配置されている。ブロアー(図略)から送られた空気が、この第2空気供給管40内を通る。この空気供給管40内には難燃焼供給管42から難燃焼物が供給される。この難燃焼物は、空気供給管40の空気によって拡散される。そして難燃焼物は、上述した燃焼ガスが供給された蓄熱体20の入口端22の位置に空気とともに供給される。ここで難燃焼物は加熱され、このとき発生する蒸気が空気と混合し、可燃ガス混合気ができる。蓄熱体はこの可燃ガス混合気の引火点まで十分に加熱しているので、可燃ガス混合気は燃焼する。
【0023】
また、仮にここで難燃焼物が十分に燃焼しなかったとしても、蓄熱体20が回転し、難燃焼物が供給されて位置が第1空気供給管30の供給口31の位置まで移動して、ここでさらに燃焼ガスが供給される。この燃焼ガスによって、燃え残った難燃焼物がさらに加熱され、可燃ガス混合気が発生する。この可燃ガス混合気は、燃焼ガスによってほぼ確実に燃焼される。
【0024】
本実施例のバーナーは、1つの蓄熱体に燃焼ガスと難燃焼物とを交互に供給することによって、難燃焼物はほとんど残ることなく、ほぼ確実に燃焼することができる。
さらに難燃焼物としては、重油、タール分等の燃えにくい石油残留分が代表的であるが、本実施例の難燃焼物バーナーによれば、難燃焼物に代えて従来のバーナーに用いられ着火が容易な燃料を用いても、すす、悪臭を極力抑えて、より確実に燃焼することができる。
【0025】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の難燃焼物バーナーは、燃焼ガスと難燃焼物とを交互に蓄熱体に供給し、加熱した蓄熱体の熱を利用することによって難燃焼物を確実に燃焼することができる。このため、すす、悪臭の発生を極力抑えるという効果がある。また、難燃焼物の燃焼量や燃焼性に合わせて蓄熱体の回転速度を変えることができるのでより確実に難燃焼物を燃焼することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の難燃焼物バーナーの構成を示す縦断面図
【符号の説明】
5:円筒部材
10:本体 12:閉そく壁
14:開口部 20:蓄熱体
22:入口端 24:出口端
26:通孔 27:固定リング部材
30:第1空気供給管
31、41:供給口
32:燃料供給管 33:燃料供給口
34:着火トーチ 40:第2空気供給管
42:難燃焼物供給管 43:難燃焼物供給口
50:回転軸 51:バネ固定金具
52:バネ 54:ギア
56:モータ
Claims (3)
- 一端に開口部を有する本体と、
該本体の該開口部に出口端側が位置するように該本体部内に回転自在に保持され入口端側から該出口端側に延びる多数の通孔を有する柱状の蓄熱体と、
該蓄熱体を回転駆動させる駆動手段と、
該本体に保持され該蓄熱体の該入口端の回転中心より遠心方向側に偏芯した位置に燃焼ガスを供給する燃焼手段と、
該本体に保持され、該蓄熱体の該入口端の回転中心より異なる遠心方向側に偏芯し回転により該燃焼ガスが供給された該入口端の部分に難燃焼物を供給する難燃焼物供給手段と、
を有することを特徴とする難燃焼物バーナー。 - 前記燃焼手段は、空気を供給する第1空気供給部と、該第1空気供給部内に燃料を供給する燃料供給部と、を有する請求項1記載の難燃焼物バーナー。
- 前記難燃焼物供給手段は、空気を供給する第2空気供給部と、該第2空気供給部内に前記難燃焼物を供給する難燃焼物供給部と、を有する請求項1記載の難燃焼物バーナー。
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JP14983799A JP3962177B2 (ja) | 1999-05-28 | 1999-05-28 | 難燃焼物バーナー |
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-
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