JP3961762B2 - 合成樹脂製容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器本体内に内容物を収容する合成樹脂製の容器にあって、特に、他の商品との識別機能に優れた合成樹脂製容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂製の容器は、様々な形態に加工することができ、しかも製造コストが安価であることから、飲料水、家庭用洗剤、化粧品などの内容物を収容する容器として、日常生活のあらゆるものに利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、様々な商品が市場に流通されている現代にあっては、例えば、シャンプーやリンスなどの容器として外形形状の類似した合成樹脂製容器が用いられてしまうことが起こり得る。この場合、消費者がシャンプーとリンスを間違って使用してしまうなどの不都合が生じるため、消費者が商品識別機能の高い合成樹脂製容器を要求していることは事実である。
【0004】
また合成樹脂製容器を利用するメーカー各社も、近年、合成樹脂製容器の外形を変更することにより、他社との差別化を図ろうとする傾向にあるため、商品識別機能の高い合成樹脂製容器を要求していることも事実である。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解消するためになされたものであって、消費者やメーカーの要求に答えた商品識別機能の高い合成樹脂製容器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、第1発明に係る、合成樹脂製容器は、容器本体内に内容物を収容する合成樹脂製の容器であって、この合成樹脂製容器は、容器本体の表面と一体になり、その先端部を加飾面とする突状部を備えることを特徴とするものである。
【0007】
この場合、容器本体の表面と一体の突状部と、その先端部の加飾面とによって、外観および質感の両面から他の容器と識別できる。従って本発明によれば、消費者やメーカーなどが要求する商品識別機能の高い合成樹脂製容器を提供することができる。
【0008】
第2発明に係る、合成樹脂製容器は、第1発明において、前記突状部は、少なくとも1つの直線からなるものである。この場合、突状部の形状を変更することにより、消費者やメーカーなどからのさらに細かなニーズに合せた合成樹脂製容器を提供することができる。
【0009】
第3発明に係る、合成樹脂製容器は、第1発明において、前記突状部は、少なくとも1つの曲線からなるものである。この場合も、第2発明と同様に、突状部の形状を変更することにより、消費者やメーカーなどからのさらに細かなニーズに合せた合成樹脂製容器を提供することができる。
【0010】
第4発明に係る、合成樹脂製容器は、第1発明において、前記突状部は、局所的に配した少なくとも1つの突起からなるものである。この場合も、第2発明および第3発明と同様に、突状部の形状を変更することにより、消費者やメーカーなどからのさらに細かなニーズに合せた合成樹脂製容器を提供することができる。
【0011】
第5発明に係る、合成樹脂製容器は、第1発明乃至第4発明のいずれか一発明において、前記加飾面は、ローラ部材によって印刷を施した印刷面である。この加飾面は、1回の工程で、仕上げ面の美しい加飾が突状部の先端部に容易に施されるものである。従って第5発明に係る合成樹脂製容器は、1回の工程で、仕上げ面の美しい加飾が施されたものであるから、第1発明乃至第4発明のいずれか一発明に係る合成樹脂製容器の大量生産品として都合がよい。
【0012】
更に、第1発明に係る、合成樹脂製容器は、前記容器本体のパーティングラインを、前記加飾面の縁から外側の位置となる前記突状部のコーナー部に配したものである。この場合、加飾面に当たる位置にはパーティングラインが存在しないから、仕上げ面の美しい加飾を突状部の先端部に容易に施すことができる。従ってかかる構成によれば、容器本体の表面と一体になり、その先端部を加飾面とする突状部を備える合成樹脂製容器、これに従う第2発明乃至第5発明のいずれか一発明に係る容器の大量生産が可能となる。加えて、かかる構成によれば、薄肉となりやすく、且つ、成形時に空気が逃げないために正確に出にくかった突状部の形状を、肉厚が均等な状態で正確に出すことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づき詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る、合成樹脂製容器の第1の実施形態であって、(a)は第1実施形態を示す斜視図、(b)は図(a)のX−X断面図である。図2は、第1の実施形態を別角度から示すものであって、(a)は図1(a)をA方向から示す平面図、(b)は図1(a)をB方向から示す平面図である。
【0015】
第1実施形態10は、飲料水、洗剤、乳液、化粧水などを内容物として収容する容器本体11と、この容器本体11の口部11mに取り付けられるキャップ60とからなる合成樹脂製のボトル型容器である。このボトル型容器10は、容器本体11の表面と一体に成形された1つの突状部12と、この突状部12の先端部12eに施された加飾面13とを備える。
【0016】
突状部12は、ボトル軸線O1に沿って延在する直線からなるものであり、先端部12eに向かって傾斜するテーパ面12tを有する。加飾面13は、赤、青、黄などの単色または複数色によって装飾された部分である。
【0017】
このボトル型容器10は、容器本体11の表面と一体の突状部12と、その先端部12eの加飾面13とによって、外観および質感の両面から他の容器と識別できる。従ってボトル型容器10によれば、消費者やメーカーなどが要求する商品識別機能の高い合成樹脂製容器を提供することができる。
【0018】
特にボトル型容器10の場合、突状部12は、少なくとも1つの直線からなるものである。この場合、突状部の形状を変更することにより、消費者やメーカーなどからのさらに細かなニーズに合せた合成樹脂製容器を提供することができる。
【0019】
また、容器本体11は、図1に示す如く、加飾面13の縁13eから外側の位置となる突状部12のコーナー部にパーティングラインLが位置するように成形されている。このパーティングラインLは、金型の分割線で、多少の成形材料のはみ出しが起こるため、容器に印刷などの加飾を行う場合には、このパーティングラインや突起部がある箇所は印刷がのりにくいため、該箇所を避けて加飾が施されているのが一般的である。
【0020】
これに対し、本実施形態の場合、加飾面13に当たる位置にはパーティングラインLが存在しないから、仕上げ面の美しい加飾を突状部12の先端部12eに容易に施すことできる。従ってパーティングラインLを加飾面13の縁13eから外側の位置に配したボトル型容器10によれば、商品識別機能の高い合成樹脂製容器の大量生産が可能となる。加えて、上記ボトル型容器10のようにパーティングラインLを突状部のコーナー部に設けることにより、薄肉となりやすく、且つ、成形時に空気が逃げないために正確に出にくかった突状部12の形状を、肉厚が均等な状態で正確に出すことができる。
【0021】
図3は、本発明に係る、合成樹脂製容器の第2の実施形態を示す斜視図である。
【0022】
第1実施形態20は、第1実施形態と同様に、飲料水、洗剤、乳液、化粧水などを内容物として収容する容器本体21と、この容器本体21の口部に取り付けられるキャップ60とからなる合成樹脂製のボトル型容器である。このボトル型容器20は、容器本体21の表面と一体に成形された2つの突状部22と、これら突状部22の先端部22eに施された加飾面23とを備える。
【0023】
突状部22は、ボトル軸線O2に直交する容器本体21の円周周りに沿って延在する直線からなるものであり、ボトル軸線O2に沿った容器本体21の端部両側にそれぞれ設けられている。加飾面23は、赤、青、黄などの単色または複数色によって装飾された部分である。
【0024】
このボトル型容器20は、容器本体21の表面と一体の突状部22と、その先端部22eの加飾面23とによって、外観および質感の両面から他の容器と識別できる。従ってボトル型容器20によれば、ボトル型容器10と同様に、消費者やメーカーなどが要求する商品識別機能の高い合成樹脂製容器を提供することができる。
【0025】
特にボトル型容器20の場合、ボトル型容器10と同様に、突状部22は、少なくとも1つの直線からなるものである。この場合、突状部の形状を変更することにより、消費者やメーカーなどからのさらに細かなニーズに合せた合成樹脂製容器を提供することができる。
【0026】
図4は、本発明の第3の実施形態を示す斜視図である。
【0027】
第1実施形態30は、第1または第2実施形態と同様に、飲料水、洗剤、乳液、化粧水などを内容物として収容する容器本体31と、この容器本体31の口部に取り付けられるキャップ60とからなる合成樹脂製のボトル型容器である。このボトル型容器30は、容器本体31の表面と一体に成形された複数の突状部32と、これら突状部32の先端部32eに施された加飾面33とを備える。
【0028】
突状部32は、ボトル軸線O3に沿って延在する曲線からなるものであり、これら突状部32は、ボトル軸線O3に沿って延在する螺旋となる。また、容器本体31の表面の一部には、商品名などを表示するラベルを貼り付けるための面31fを備える。加飾面33は、ボトル型容器10,20と同様に、赤、青、黄などの単色または複数色によって装飾された部分である。
【0029】
このボトル型容器30は、容器本体31の表面と一体の突状部32と、その先端部32eの加飾面33とによって、外観および質感の両面から他の容器と識別できる。従ってボトル型容器30によれば、ボトル型容器10,20と同様に、突状部の形状を変更することにより、消費者やメーカーなどが要求する商品識別機能の高い合成樹脂製容器を提供することができる。
【0030】
特にボトル型容器30の場合、突状部32は、ボトル軸線O3に沿って延在する少なくとも1つの曲線からなるものである。この場合も、ボトル型容器10,20と同様に、消費者やメーカーなどからのさらに細かなニーズに合せた合成樹脂製容器を提供することができる。
【0031】
図5は、本発明の第4の実施形態を示す斜視図である。
【0032】
第1実施形態40は、第1または第2実施形態と同様に、飲料水、洗剤、乳液、化粧水などを内容物として収容する容器本体41と、この容器本体41の口部41mに取り付けられるキャップ60とからなる合成樹脂製のボトル型容器である。このボトル型容器40は、容器本体41の表面と一体に成形された複数の突状部42と、これら突状部42の先端部42eに施された加飾面43とを備える。
【0033】
突状部42は、ボトル軸線O4に直交する容器本体41の円周周りに沿って延在する曲線からなるものであり、これら突状部42は、容器本体41の円周周りに沿って延在する波形となる。また、加飾面43は、ボトル型容器10,20,30と同様に、赤、青、黄などの単色または複数色によって装飾された部分である。
【0034】
このボトル型容器40は、容器本体41の表面と一体の突状部42と、その先端部42eの加飾面43とによって、外観および質感の両面から他の容器と識別できる。従ってボトル型容器40によれば、ボトル型容器10,20,30と同様に、消費者やメーカーなどが要求する商品識別機能の高い合成樹脂製容器を提供することができる。
【0035】
特にボトル型容器40の場合、突状部32は、容器本体41の円周周りに沿って延在する少なくとも1つの曲線からなるものである。この場合も、突状部の形状を変更することにより、ボトル型容器10,20,30と同様に、消費者やメーカーなどからのさらに細かなニーズに合せた合成樹脂製容器を提供することができる。なお、前述の第1〜第4の実施形態における先端面を加飾面とする突状部を、不連続或いは点在する突起部に変更することも可能である。
【0036】
ところで、合成樹脂製容器の加飾は、通常、シルクスクリーン印刷などで行っているが、突状部12,22,32,42の先端部13e,23e,33e,43eなどの凹凸がある部分は、シルクスクリーン印刷などが一般的に困難であるため、こうした部分を回避して印刷を行うことが一般的である。
【0037】
このため、本発明に係る、加飾面13,23,33,43は、赤、青、黄色などのインクを含んだローラ部材によって印刷を施した印刷面であることが好ましい。
【0038】
図6は、突状部に加飾を施す装置を説明する概略図である。この図では、ボトル型容器40を例にして、突状部42の先端部42eに加飾を施す工程を説明する。
【0039】
この装置は、赤、青、黄色などのインクを含んだローラ部材50を備えるものであり、加飾されていない容器本体41がボトル軸線O4周りの回転が可能になるように取り付けられた後、ローラ部材50を容器本体41の外形部分に押し当てて容器本体41およびローラ部材50を相対回転させることにより、突状部42の先端部42eに加飾面44を形成する。この装置によれば、1回の工程で、仕上げ面の美しい加飾を突状部42の先端部42eに容易に施すことできる。
【0040】
従って加飾面44を有するボトル型容器40は、1回の工程で、仕上げ面の美しい加飾が施されたものであるから、商品識別機能の高い合成樹脂製容器の大量生産品として都合がよい。なお、上記装置は、ローラ部材50の形状を変更することにより、ボトル型容器10,20,30にも適用させて、これらのボトル型容器の表面と一体な突状部の先端部に加飾を施すこともできる。
【0041】
【発明の効果】
上述したことから明らかな如く、第1発明は、容器本体の表面と一体の突状部と、その先端部の加飾面とによって、外観および質感の両面から他の容器と識別できる。従って本発明によれば、消費者やメーカーなどが要求する商品識別機能の高い合成樹脂製容器を提供することができる。
【0042】
第2発明は、第1発明において、前記突状部は、少なくとも1つの直線からなるものであるから、突状部の形状を変更することにより、消費者やメーカーなどからのさらに細かなニーズに合せた合成樹脂製容器を提供することができる。
【0043】
第3発明は、第1発明において、前記突状部は、少なくとも1つの曲線からなるものであるから、第2発明と同様に、突状部の形状を変更することにより、消費者やメーカーなどからのさらに細かなニーズに合せた合成樹脂製容器を提供することができる。
【0044】
第4発明は、第1発明において、前記突状部は、局所的に配した少なくとも1つの突起からなるものであるから、第2発明および第3発明と同様に、突状部の形状を変更することにより、消費者やメーカーなどからのさらに細かなニーズに合せた合成樹脂製容器を提供することができる。
【0045】
第5発明は、第1発明乃至第4発明のいずれか一発明において、前記加飾面は、ローラ部材によって印刷を施した印刷面である。この加飾面は、1回の工程で、仕上げ面の美しい加飾が突状部の先端部に容易に施されるものである。従って第5発明に係る合成樹脂製容器は、1回の工程で、仕上げ面の美しい加飾が施されたものであるから、第1発明乃至第4発明のいずれか一発明に係る合成樹脂製容器の大量生産品として都合がよい。
【0046】
更に、第1発明に係る、合成樹脂製容器は、前記容器本体のパーティングラインを、前記加飾面の縁から外側の位置となる前記突状部のコーナー部に配したものである。この場合、加飾面に当たる位置にはパーティングラインが存在しないから、仕上げ面の美しい加飾を突状部の先端部に容易に施すことができる。従ってかかる構成によれば、容器本体の表面と一体になり、その先端部を加飾面とする突状部を備える合成樹脂製容器、これに従う第2発明乃至第5発明のいずれか一発明に係る容器の大量生産が可能となる。加えて、かかる構成によれば、薄肉となりやすく、且つ、成形時に空気が逃げないために正確に出にくかった突状部の形状を、肉厚が均等な状態で正確に出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る、合成樹脂製容器の第1の実施形態であって、(a)は第1実施形態を示す斜視図、(b)は図(a)のX−X断面図である。
【図2】同実施形態を別角度から示すものであって、(a)は図1(a)をA方向から示す平面図、(b)は図1(a)をB方向から示す平面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す斜視図である。
【図4】本発明の第3の実施形態を示す斜視図である。
【図5】本発明の第4の実施形態を示す斜視図である。
【図6】突状部に加飾を施す装置を説明する概略図である。
【符号の説明】
10 ボトル型容器(第1の実施形態)
11 容器本体
12 突状部
13 加飾面
20 ボトル型容器(第2の実施形態)
21 容器本体
22 突状部
23 加飾面
30 ボトル型容器(第3の実施形態)
31 容器本体
32 突状部
33 加飾面
40 ボトル型容器(第4の実施形態)
41 容器本体
42 突状部
43,44 加飾面
50 ローラ部材
60 キャップ
O1,O2,O3,O4 ボトル軸線
O5 ローラ軸線
L パーティングライン
Claims (5)
- 容器本体内に内容物を収容する合成樹脂製の容器であって、
この合成樹脂製容器は、容器本体の表面と一体になり、その先端部を加飾面とする突状部を備えると共に、前記容器本体のパーティングラインを、前記加飾面の縁から外側の位置となる前記突状部のコーナー部に配したことを特徴とする合成樹脂製容器。 - 前記突状部は、少なくとも1つの直線からなるものである請求項1に記載の容器。
- 前記突状部は、少なくとも1つの曲線からなるものである請求項1に記載の容器。
- 前記突状部は、局所的に配した少なくとも1つの突起からなるものである請求項1に記載の容器。
- 前記加飾面は、ローラ部材によって印刷を施した印刷面である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の容器。
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