JP3961751B2 - 位相復調方法、位相復調装置及び情報記録再生装置 - Google Patents

位相復調方法、位相復調装置及び情報記録再生装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラックに位相変調からなるアドレス情報を含むウォブルを持つDVD−RW(Digital Video又はVersatile Disk−ReWritable)ディスク等のメディアに対する情報記録再生装置及びこの装置でのアドレス復調のための位相復調装置並びにその位相復調方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
記録系メディアでは一般的に予め製造時に各半径位置における線速度を正確に検出するために、CLV(線速度一定)回転制御を行った時にウォブリング信号周波数が一定になるようにトラックをウォブリング(蛇行)させるフォーマットを採用している。よって、その情報記録再生装置ではこのウォブリング信号を検出してメディアの回転を制御したり、記録用クロックを生成したりしている。また、未記録領域での記録位置の特定が可能なように、アドレス情報も必要であるが、CD−R(Compact Disk−Recodable)では、上述したトラックのウォブルに周波数変調を施してアドレスデータを重畳している。具体的には、搬送波として22.05kHzを用い、±1kHzの周波数変化でデータの1又は0を作り出している。
【0003】
一方、新しいアドレス情報の重畳方法として、例えば、特開平10−69646号公報に示されているように、ウォブルに位相変調を施す方法が考えられている。この位相変調方法もさらに細かく方式を分類できるが、他の変調方法と同様に必要情報量と検出信号のS/N(Signal Noise ratio)がトレードオフになっている。光ディスクではメディアから得られる信号品質が悪いため、高いS/Nを得ることができる2相位相変調方式(BPSK又はDPSK、0゜と180゜との2値変調)が最もよい。この変調方式は高いS/Nが必要とされるシステムに用いられるため、通常は複数の搬送波領域(時間)でデータ1bitを表す。
【0004】
復調方法としては、例えば特公平6−19898号公報に示される復調装置の従来技術(位相変調信号からキャリア信号を抽出し、位相変調信号とキャリア信号との位相を比較することで変調データを復調する方法)や一般的な位相復調方法として教科書などに示されている方式が有効である。しかし、この2相変調方式は4相位相変調方式などに比べると単位時間当たりの情報量が少ない欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなことから、位相変調されたアドレス情報(ウォブリング信号)の位相復調装置としては、位相変調形態を持つトラックのウォブリングで記録されているメディア上から得られたウォブリング信号に基づきその搬送波を生成する搬送波生成回路と、ウォブリング信号と搬送波生成回路により生成された搬送波とを乗算する乗算器と、この乗算器による乗算結果を積算する積算器とを備え、積算器による積算結果に基づき位相復調信号を得るようにしたものが提案されている。
【0006】
しかし、ウォブリング信号にノイズが重畳した低品質の信号の場合、位相復調の性能が落ち誤検出を頻繁に発生するようになる。特に、光ディスクのデータ記録後の領域では、電源系のノイズだけでなくデータ成分がウォブリング信号にノイズとして重畳され非常に低い信号品質しか得られないことが多い。このノイズがまれに大きな振幅となると、位相変調されたウォブリング信号の位相変化を抽出するべき信号に漏れ込み、誤検出を招き、アドレス情報の検出精度を悪化させてしまう。
【0007】
そこで、本発明は、低品質の位相変調信号であっても誤検出の少ない復調を行うことができる位相復調方法、位相復調装置及び情報記録再生装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、トラックに位相変調からなるアドレス情報を含むウォブリングを有するメディアから得られたウォブリング信号の変調成分を取り除いて搬送波を生成する搬送波生成回路と、前記ウォブリング信号から所定の振幅レベルを超えるノイズを除去するために、前記搬送波の振幅よりも大きな所定の振幅レベルに前記ウォブリング信号の振幅を制限するリミッタと、前記リミッタにより振幅が制限されたウォブリング信号と前記搬送波生成回路により生成された前記搬送波とを乗算する乗算器と、この乗算器による乗算結果を積算する積算器とを備え、前記積算器の出力に基づき位相復調信号を得るようにした。
【0009】
従って、大振幅であるが故に影響が大きいノイズ成分の位相情報を表す信号への混入を最小限に抑えることができ、低品質の位相変調信号であっても誤検出の少ない復調が可能となる。また、初期段階で振幅を制限しているので、ノイズによる大振幅成分を考慮して後段回路の入力レンジを不必要に広げる必要がなく、低ポテンシャル回路での実現や、ダイナミックレンジを有効に使用して高分解能の信号処理を行うことができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記搬送波生成回路により生成される搬送波の半周期間の前記積算器の積算結果に対して所定レベルで振幅を制限するリミッタをさらに備えるようにした。
【0011】
従って、搬送波は正弦波形状のため、1周期内の前半周期と後半周期とでは正負の電圧が反転する特徴があるために半周期毎に検出した各々の位相情報を加算することにより、1周期を通じた位相情報検出が行える点に着目し、特に搬送波生成回路により生成される搬送波の半周期間の積算器の積算結果に対して所定レベルで振幅を制限するリミッタを備えることにより、最も効率的にノイズの影響を抑制することができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、トラックに位相変調からなるアドレス情報を含むウォブリングを有するメディアから得られたウォブリング信号の変調成分を取り除いて搬送波を生成する搬送波生成回路と、前記搬送波の振幅よりも大きな所定レベルで前記ウォブリング信号の振幅を制限するリミッタと、前記リミッタにより振幅が制限されたウォブリング信号と前記搬送波生成回路により生成された前記搬送波とを乗算する乗算器と、この乗算器による乗算結果を積算する積算器と、前記搬送波生成回路により生成される搬送波の半周期間毎の前記積算器の積算結果を記憶する記憶手段と、前記搬送波の1周期間に得られた2回分の半周期間の積算結果同士を比較する比較手段と、この比較手段による比較結果に基づき位相復調信号の確からしさを判定する判定手段とを備え、前記積算器による積算結果に基づき位相復調信号を得る。
【0013】
従って、1周期内の2つの半周期積算結果同士が同一となった場合は復調情報の正確性が増し、異なる場合は誤っている確率が高くなる点に着目し、搬送波の半周期間毎の積算値を記憶し、1周期間に得られた2回分の半周期間の積算値を比較することによって、復調情報の確からしさを判定するようにしたので、重要なデータの場合など再読み込み要求や前後情報による補完要求などの対策を行うべきかどうかの判断基準が得られる。
【0014】
請求項4記載の発明は、前記乗算器の前段側で前記ウォブリング信号の振幅を一定に保つ利得調整回路をさらに備える。
【0015】
従って、乗算器の出力以降の復調動作に対する悪影響をさらに低減させることができる。
【0016】
請求項5記載の発明は、メディア上に光ビームを集光し、前記メディアからの反射光を受光素子上に集光させる光学系と、前記受光素子から前記メディア上の情報を検出する再生回路と、集光された光ビームの前記メディア上の位置データを前記受光素子から検出し、前記位置データに基づき前記メディア上の光ビームの位置を制御するサーボ回路と、レーザ光の位置を移動させる機構系と、前記メディア上の前記光ビームの位置情報として位相復調信号を検出する。
【0017】
従って、位相復調装置として請求項1乃至4のいずれかの項に記載の位相復調装置を用いているので、記録済メディアなど低品質のウォブリング信号からでも正確に位相変調情報を復調することができる。
【0018】
請求項6記載の発明は、トラックに位相変調からなるアドレス情報を含むウォブリングを有するメディアから位相情報を検出する位相調方法であって、前記メディアから得られるウォブリング信号の変調成分を取り除いて搬送波を生成する搬送波生成工程と、前記搬送波の振幅よりも大きな所定レベルで前記ウォブリング信号の振幅を制限する振幅制限工程と、前記振幅制限工程により振幅が制限された前記ウォブリング信号と前記搬送波生成工程により生成された前記搬送波とを乗算する乗算工程と、この乗算工程による乗算結果を積算する積算工程とを備え、前記積算工程による積算結果に基づき位相復調信号を得る。
【0019】
従って、大振幅であるが故に影響が大きいノイズ成分の位相情報を表す信号への混入を最小限に抑えることができ、低品質の位相変調信号であっても誤検出の少ない復調が可能となる。また、初期段階で振幅を制限しているので、ノイズによる大振幅成分を考慮して後段回路の入力レンジを不必要に広げる必要がなく、低ポテンシャル回路での実現や、ダイナミックレンジを有効に使用して高分解能の信号処理を行うことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図5に基づいて説明する。
まず、後述する実施の形態でも共通に使用される情報記録再生装置である光ディスク装置の概略構成及び作用について図1により説明する。
【0027】
半導体レーザ等の光源1から出射された光はカップリングレンズ2、ビームスプリッタ3、1/4波長板4、対物レンズ5による光学系6によってメディア7上の記録面7aに集光させる。記録面7aでの反射光は再び上述の光学系6に戻り、ビームスプリッタ3を通過し集光レンズ8で受光素子9上に集光し電気信号に変換される。受光素子9の出力は、通常、I/Vアンプ10で電流から電圧に変換され各種演算が行われるが、電流のまま演算を行う場合もある。通常、受光素子9及びI/Vアンプ10は複数に分割されており、メディア面と光スポット焦点との距離を表すフォーカスエラー信号や、メディア面上にあるトラックと光スポットの位置を示すトラックエラー信号、メディア7の記録面7a上に記録されている情報を検出するRF信号などの演算が行われる。図1ではフォーカスエラー信号とトラックエラー信号はサーボ回路11において演算され、位置データから機構系12を駆動して光スポットを目標位置に移動する。また、メディア7の記録面7a上の情報は再生回路13においてRF信号に演算され、後段の信号処理(図示せず)へ送られる。なお、14は光源1を駆動するためのレーザドライバである。
【0028】
本実施の形態や後述の他の実施の形態で使用する位相変調信号は、受光素子9の分割形状によって検出方法が異なるため再生信号から得られると記述しておくが、最も簡易な例としてトラックに沿った受光素子分割線左右の差分から得られるプッシュプル信号(トラックエラー信号の一つである)から検出する場合であるので、以下の説明では、サーボ回路11から出力されたプッシュプル信号を元に復調回路(位相復調装置)15が動作する前提で説明する。ここに、この復調回路15が各実施の形態毎に特徴的に構成されている。
【0029】
まず、本実施の形態の復調回路15の構成例を図2に基づいて説明する。光学系6から得られたウォブリング信号から位相変調成分を抽出するためには、ウォブリング信号と同じ周波数、位相で変調が施されていない搬送波を生成し、この搬送波とウォブリング信号との位相を比較することが一般的である。そこで、復調回路15の基本的な位相復調動作を図2に示すブロック図、図3及び図4に示す位相復調信号波形図を参照して説明する。
【0030】
まず、ウォブリング信号からノイズや位相変調成分を取り除くためにBPF(帯域通過フィルタ)16などの帯域制限フィルタ及び安定した信号を発生させるためのPLL(Phase Locked Loop)17とにより形成された搬送波生成回路18を用いて搬送波信号を生成する。この搬送波信号はウォブリング信号と同じ周波数で、位相も安定している。振幅はウォブリング信号の基本波(ノイズを除いた正弦波成分)と同じ値が望ましい。一方、ウォブリング信号は例えば重畳されている高域のノイズ成分のみを除去するためのLPF(低域通過フィルタ)(図示せず)を通過させた後、乗算器19により搬送波生成回路18による搬送波信号と乗算演算を行う。乗算器19の出力信号を積算器20、サンプル&ホールド(S/H)回路21等に入力することにより位相復調情報を得る。本回路例の場合、乗算器19の出力や積算器20の出力が位相情報を表す信号に値する。
【0031】
なお、積算器20のクリアタイミングやS/H回路21のサンプルホールドタイミング等のタイミング信号は搬送波生成回路18による搬送波を基にタイミング回路22により生成される。
【0032】
このような基本的な構成において、例えば一定位相領域、同期領域及びデータ領域からなる位相変調情報に基づき位相変調が施されているウォブリング信号と搬送波信号と乗算器19の出力と積算器20の出力とS/H回路21の出力と復調された位相復調情報との関係を示す。位相復調情報はS/H回路21出力を基準レベルで2値化したものである。このうち、図3は品質の良いウォブリング信号を復調している状態を示し、位相変調情報と同じ位相復調情報が得られていることが分かる。なお、回路構成上、データは1周期遅れて検出されている。一方、図4は品質の悪いウォブリング信号を復調している状態を示し、位相復調情報に誤り(網掛けで示す部分)が発生している状況を示している。
【0033】
そこで、本実施の形態では、低品質のウォブリング信号を復調する場合にも位相変調情報と同じ位相復調情報が得られるように、ウォブリング信号に重畳されている位相変調成分の復調を行う前に、メディア7から得られるウォブリング信号の搬送波成分の振幅よりも大きな所定レベルでウォブリング信号の振幅を制限するようにしたものである。このため、乗算器19の前段側にはリミッタ23が設けられている。このリミッタ23は、図5に示すように、ウォブリング信号の搬送波周波数成分の振幅をA(A:定数)ピークtoピークとした場合、所定レベルとして+A/2+αの正リミッタ電圧と、−A/2−αの負リミッタ電圧を超える+側若しくは−側に大きな信号成分を除去し、上下限を制限するように構成されている。αはノイズやウォブリン信号の振幅変動によって適正な値に設定する。なお、ウォブリング信号は事前に振幅を一定に保つ利得調整回路を通過してきていることが望ましい。
【0034】
このようにリミッタ23を設けることにより、例えば、図4に示したようなデータ成分が振幅の大きなノイズとして重畳されているような低品質のウォブリング信号からの復調の場合であっても、図5に示すように、ウォブリング信号の所定レベル以上のノイズ成分をリミッタ23により除去しているので、乗算器19出力以降の復調動作に対する悪影響を低減させることができ、位相変調情報通りに位相復調情報を安定して復調させることができる。
【0035】
また、このリミッタ23によって後段回路(後述するADCや乗算器19、積算器20など)の想定入力レベルが確定できるため、入力レンジが狭い低ポテンシャルの回路(アンプなど)が使用できるようになる。また、ADCなどを用いて離散的なサンプリングを行う場合、ダイナミックレンジをリミッタ23の回路電圧に設定できるため、分解能を最大限に上げ効率的に信号成分を復調する構成を採ることができる。
【0036】
なお、復調動作の前にウォブリング信号の振幅を制限するだけでなく、メディア7から得られたウォブリング信号に重畳されている位相変調成分の復調過程で検出された位相情報を表す信号に対して所定レベルの振幅制限をかけるようにしてもよい。このため、図2中に示すように、位相情報を表す乗算器19の出力や積算器20の出力に対して振幅を制限するリミッタ24を設けるようにしてもよい。この場合の振幅の制限レベルは、例えば、図5中に乗算器19の出力や積算器20の出力中に一点鎖線で示すレベルに設定すればよい。このようなリミッタ24によれば、復調過程に存在する信号増幅ポイントにおいてノイズ成分が増幅された場合の影響を最小限に抑えることもできる。
【0037】
なお、図3ないし図5に示した波形は、図2に示した復調回路15をアナログ的に構成した場合の動作例であるが、離散的なサンプリングによって処理する回路例としては、ウォブリング信号をアナログ/デジタルコンバータ(ADC)25を量子化手段として用いて量子化した後、信号を処理することが挙げられる。
【0038】
本発明の第二の実施の形態を図6ないし図9に基づいて説明する。情報記録再生装置の全体構成及び第一の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の実施の形態でも同様とする)。
【0039】
まず、本実施の形態の着想について説明する。一般的に位相復調における位相変化単位は1周期である。復調性能を上げるために複数周期をセットにして変化させることもあるが、1周期を単位とした整数周期が用いられる。搬送波は正弦波形状のため、1周期内の前半周期と後半周期では正負の電圧が反転する特徴がある。このために復調回路15は半周期毎に検出した各々の位相復調情報を加算することにより、1周期を通じた位相復調情報の検出が行えるはずである。
【0040】
正常な状態は前半周期と後半周期とは同じ結果を示すはずである。図6及び図7にその様子を示す。図6に示す高品質の場合の半周期積算器出力をみると、1周期の前半周期と後半周期は同じ結果を示しており、その加算結果である1周期積算結果も当然同様の正負の値を示している。しかし、図7に示す低品質の場合をみると、符号Aで示した部分を除けば積算結果にバラツキを持つものの誤りはなく復調が行えているが、符号Aで示した部分だけは特異点となる大きなノイズ成分により、位相復調情報に誤りが発生していることが分かる。
【0041】
この影響はデジタル的に処理する場合に起こりやすい。その様子を図8に示す。デジタル処理を行うため、離散的なサンプリングをADC25などで行うが、そのサンプルタイミングで大きなノイズが入力信号に重畳していると、そのサンプリング値が他の通常振幅のサンプリング値と積算されていく場合に寄与度が大きい。サンプリング回数が少ない場合には、より寄与度が高くなる。このノイズのサンプリング値の大きさによっては、他のサンプリング値の積算結果を覆すことになる場合がある。図7,図8(B)に示す場合がそうである。特に、図7の場合は半周期結果だけでなく1周期積算結果すら覆しているため、位相復調情報に誤りが発生している。
【0042】
このような場合、データの誤りは1周期内の2つの半周期積算結果が同一となった場合は復調情報の正確性が増し、異なる場合は誤っている確率が高くなる。本実施の形態では、このことを利用し、得られた位相復調情報の確からしさを判定するようにしたものである。このため、回路的には図9に示すように構成されている。ここでは、復調過程における積算器20以降の構成例を示しており、搬送波信号の半周期間毎のタイミングで積算器20から出力させてS/H回路21によりサンプルホールドさせるとともに、その半周期毎の積算器20の積算結果を記憶手段26に記憶させ、この記憶手段26に記憶された積算結果とS/H回路21から得られる積算結果とを1周期間に得られた2回分の半周期間の積算結果として比較手段27により比較し、この比較手段27による比較結果に基づき位相復調信号の確からしさを判定手段28より判定するように構成されている。
【0043】
従って、1周期内の2つの半周期積算結果同士が同一となった場合は復調情報の正確性が増し、異なる場合は誤っている確率が高くなる点に着目し、搬送波の半周期間毎の積算値を記憶し、1周期間に得られた2回分の半周期間の積算値を比較することによって、復調情報の確からしさを判定するようにしたので、図7に示したような場合であれば比較手段27よる比較結果が異なるので誤っていると判定することとなり、重要なデータの場合など再読み込み要求や前後情報による補完要求などの対策を行うべきかどうかの判断基準が得られる。
【0044】
本発明の第三の実施の形態を図10に基づいて説明する。本実施の形態も基本的には第二の実施の形態の場合と同様であるが、特に、ADC25を用いてウォブリング信号を離散的なサンプリングによって量子化し、信号処理を行う場合を想定したものである。即ち、波形的には図8に示したような場合を想定している。
【0045】
つまり、サンプリングを行って信号処理を行う場合、特異点的な大きなノイズをサンプリングしたとき、図8(B)で前述のように他ポイントの積算結果を覆してしまう危険性がある。そこで、本実施の形態では、このような特異点を発見すべく、時系列的に隣り合うサンプリング値の変動量(差)の上下限を定めておき、他のサンプリング値の積算結果を特異点のデータのみでは覆さないようにする。このため、本実施の形態では、図10に示すように、ADC25によるサンプリング結果を記憶する記憶手段29と、この記憶手段29に記憶されたデータとADC25から得られるデータ、即ち、時系列的に隣り合うサンプリング値同士の差を検出する差検出手段30と、この差検出手段30により得られる差信号が予め設定されている所定レベルよりも大きい場合にはその差を所定レベルに制限するようにしてADC25からの出力に制限を課す差リミッタ手段31とを備えている。
【0046】
従って、本実施の形態によれば、時系列的に隣り合うサンプリング値の変動量(差)の上下限を差リミッタ手段31により定めておき、他のサンプリング値の積算結果を特異点のデータのみでは覆さないようにしたので、ノイズなどに起因する少数の特異点的な大振幅信号のサンプリング値により、他のサンプリングポイントの積算結果を覆し復調誤りを発生させることを防ぐことができる。
【0047】
本発明の第四の実施の形態を図11及び図12に基づいて説明する。本実施の形態では、前述の第三の実施の形態をさらに発展させて、特異点のサンプリングデータを時系列的に前後のサンプリングデータに基づき補正するようにしたものである。このため、ADC25の出力側には時系列的に異なる3つのサンプリングデータを各々記憶する記憶手段32a,32b,32cが設けられている。記憶手段32aが最も古いデータ、記憶手段2bが対象となる今回のデータ、記憶手段32cが次のデータを各々記憶することとなる。これらの記憶手段32a,32b,32cに記憶された時系列的に異なる3つのサンプリングデータに基づき今回のデータが特異点のデータであるか否かを検出する特異点検出手段33が設けられ、この結果に基づき記憶手段32bから出力される今回のデータに対して補正を加える補正手段34が設けられている。
【0048】
例えば、図12に示すように、サンプリング値の変動量(差)にあたるaとbを計算しながら、a及びbが所定値を超えた場合、特異点検出手段33によりそのサンプリング値は特異点であると認識し、補正手段34では前後のサンプリングデータの平均値に置き換える補正をする。これにより、積算値出力は図12中に太線で示すように本来のプラス側となり、特異点によるデータ誤りは補正される。
【0049】
従って、本実施の形態によれば、ノイズなどに起因する少数の特異点的な大振幅信号のサンプリング値により、他のサンプリングポイントの積算結果を覆し復調誤りを発生させることを防ぐことができるだけでなく、少数の特異点的な大振幅信号の積算結果に対する影響を最大限に抑え、復調誤りを発生させることを防ぐことができる。
【0050】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の位相復調方法によれば、メディアから得られるウォブリング信号の搬送波成分の振幅よりも大きな所定レベルでウォブリング信号の振幅を制限した後、ウォブリング信号に重畳されている位相変調成分の復調を行うようにしたので、大振幅であるが故に影響が大きいノイズ成分の位相情報を表す信号への混入を最小限に抑えることができ、低品質の位相変調信号であっても誤検出の少ない復調が可能となり、また、初期段階で振幅を制限しているので、ノイズによる大振幅成分を考慮して後段回路の入力レンジを不必要に広げる必要がなく、低ポテンシャル回路での実現や、ダイナミックレンジを有効に使用して高分解能の信号処理を行うことができる。
【0051】
請求項2記載の発明の位相復調方法によれば、搬送波は正弦波形状のため、1周期内の前半周期と後半周期とでは正負の電圧が反転する特徴があるために半周期毎に検出した各々の位相情報を加算することにより、1周期を通じた位相情報検出が行える点に着目し、特に搬送波生成回路により生成される搬送波の半周期間の積算器の積算結果に対して所定レベルで振幅を制限するリミッタを備えることにより、最も効率的にノイズの影響を抑制することができる。
【0052】
請求項3記載の発明の位相復調装置によれば、1周期内の2つの半周期積算結果同士が同一となった場合は復調情報の正確性が増し、異なる場合は誤っている確率が高くなる点に着目し、搬送波の半周期間毎の積算値を記憶し、1周期間に得られた2回分の半周期間の積算値を比較することによって、復調情報の確からしさを判定するようにしたので、重要なデータの場合など再読み込み要求や前後情報による補完要求などの対策を行うべきかどうかの判断基準が得られる。
【0053】
請求項4記載の発明によれば、乗算器の前段側でウォブリング信号の振幅を一定に保てるので、乗算器の出力以降の復調動作に対する悪影響をさらに低減させることができる。
【0054】
請求項5記載の発明によれば、位相復調装置として請求項1乃至4のいずれかの項に記載の位相復調装置を用いているので、記録済メディアなど低品質のウォブリング信号からでも正確に位相変調情報を復調することができる。
【0055】
請求項6記載の発明の位相復調装置によれば、乗算器又は積算器から得られる位相情報を表す信号に対して所定レベルで振幅を制限するリミッタを備えるので、大振幅であるが故に影響が大きいノイズ成分の位相情報を表す信号への混入をリミッタにより最小限に抑えることができ、低品質の位相変調信号であっても誤検出の少ない復調が可能となり、また、復調過程に存在する信号増幅ポイントにおいてノイズ成分が増幅された場合の影響を最小限に抑えることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施の形態に共通な光ディスク装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態の復調回路の構成例を示すブロック図である。
【図3】高品質の場合の位相復調を示すその信号波形説明図である。
【図4】低品質の場合の従来の位相復調を示すその信号波形説明図である。
【図5】低品質の場合の本実施間の形態の位相復調を示すその信号波形説明図である。
【図6】本発明の第二の実施の形態を説明するために高品質信号の場合を示す信号波形説明図である。
【図7】本発明の第二の実施の形態を説明するために低品質信号の場合を示す信号波形説明図である。
【図8】デジタル処理による場合を説明するために高品質信号と低品質信号の場合とを対比して示す信号波形説明図である。
【図9】本発明の第二の実施の形態の復調回路の一部を抽出した構成例を示すブロック図である。
【図10】本発明の第三の実施の形態の復調回路の一部を抽出した構成例を示すブロック図である。
【図11】本発明の第四の実施の形態の復調回路の一部を抽出した構成例を示すブロック図である。
【図12】その信号波形説明図である。
【符号の説明】
6 光学系
7 メディア
9 受光素子
11 サーボ回路
12 機構系
13 再生回路
15 位相復調装置
18 搬送波生成回路
19 乗算器
20 積算器
23 リミッタ
24 リミッタ
25 量子化手段
26 記憶手段
27 比較手段
28 判定手段
30 差検出手段
31 差リミッタ手段
33 特異点検出手段
34 補正手段

Claims (6)

  1. トラックに位相変調からなるアドレス情報を含むウォブリングを有するメディアから得られたウォブリング信号の変調成分を取り除いて搬送波を生成する搬送波生成回路と、
    前記ウォブリング信号から所定の振幅レベルを超えるノイズを除去するために、前記搬送波の振幅よりも大きな所定の振幅レベルに前記ウォブリング信号の振幅を制限するリミッタと、
    前記リミッタにより振幅が制限されたウォブリング信号と前記搬送波生成回路により生成された前記搬送波とを乗算する乗算器と、
    この乗算器による乗算結果を積算する積算器と
    を備え、前記積算器の出力に基づき位相復調信号を得る位相復調装置。
  2. 前記搬送波生成回路により生成される搬送波の半周期間の前記積算器の積算結果に対して所定レベルで振幅を制限するリミッタをさらに備える請求項1に記載の位相復調装置。
  3. トラックに位相変調からなるアドレス情報を含むウォブリングを有するメディアから得られたウォブリング信号の変調成分を取り除いて搬送波を生成する搬送波生成回路と、
    前記搬送波の振幅よりも大きな所定レベルで前記ウォブリング信号の振幅を制限するリミッタと、
    前記リミッタにより振幅が制限されたウォブリング信号と前記搬送波生成回路により生成された前記搬送波とを乗算する乗算器と、
    この乗算器による乗算結果を積算する積算器と、
    前記搬送波生成回路により生成される搬送波の半周期間毎の前記積算器の積算結果を記憶する記憶手段と、
    前記搬送波の1周期間に得られた2回分の半周期間の積算結果同士を比較する比較手段と、
    この比較手段による比較結果に基づき位相復調信号の確からしさを判定する判定手段と
    を備え、前記積算器の出力に基づき位相復調信号を得る位相復調装置。
  4. 前記乗算器の前段側で前記ウォブリング信号の振幅を一定に保つ利得調整回路をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の位相復調装置。
  5. メディア上に光ビームを集光し、前記メディアからの反射光を受光素子上に集光させる光学系と、
    前記受光素子から前記メディア上の情報を検出する再生回路と、
    集光された光ビームの前記メディア上の位置データを前記受光素子から検出し、前記位置データに基づき前記メディア上の光ビームの位置を制御するサーボ回路と、
    レーザ光の位置を移動させる機構系と、
    前記メディア上の前記光ビームの位置情報として位相復調信号を検出する請求項1ないしのいずれかの項に記載の位相復調装置と
    を備えることを特徴とする情報記録再生装置。
  6. トラックに位相変調からなるアドレス情報を含むウォブリングを有するメディアから位相情報を検出する位相調方法であって、
    前記メディアから得られるウォブリング信号の変調成分を取り除いて搬送波を生成する搬送波生成工程と、
    前記搬送波の振幅よりも大きな所定レベルで前記ウォブリング信号の振幅を制限する振幅制限工程と、
    前記振幅制限工程により振幅が制限された前記ウォブリング信号と前記搬送波生成工程により生成された前記搬送波とを乗算する乗算工程と、
    この乗算工程による乗算結果を積算する積算工程と
    を備え、前記積算工程で得られる出力に基づき位相復調信号を得ることを特徴とする位相復調方法。
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