JP3961375B2 - 筒形防振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、筒形防振装置に係り、特に、自動車のエンジンマウント等として好適に採用される筒形防振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体の一種として、例えば、防振連結される一方の部材に取り付けられる内筒金具の外周側に離隔して、防振連結される他方の部材に取り付けられる外筒金具を配設すると共に、内筒金具と外筒金具の軸直角方向の対向面間に本体ゴム弾性体を配設せしめてそれら両金具を弾性的に連結した筒形防振装置が知られている。かかる筒形防振装置は、一般に、防振連結される一方の部材に固設された取付軸を内筒金具に挿通して取付軸の先端にナットを螺着して締め付けることにより、内筒金具を取付軸に取り付ける一方、防振連結される他方の部材に設けられた装着孔に外筒金具を圧入固定することによって、防振連結すべき部材間に装着されるようになっている。
【0003】
ところで、上述の如き筒形防振装置においては、内筒金具に挿通された1本の取付軸だけで防振連結される一方の部材に取り付けられるようになっていることから、防振連結される一方の部材における取付軸の立設部位に荷重が集中して作用することとなり、防振連結される一方の部材において、筒形防振装置の取付部位の強度を確保することが難しいという問題があった。
【0004】
また、上述の如き筒形防振装置においては、防振連結される一方の部材の強度特性や筒形防振装置の配設スペース等の関係から、防振連結される一方の部材における筒形防振装置の取付部位に対して筒形防振装置の配設位置を離隔して設定せざるを得ないこともあるが、筒形防振装置の形状や内外筒金具の相対的な配設位置が要求される防振特性によって制限されることから、そのような防振連結される一方の部材における取付部位と配設スペースの位置ずれに対して、筒形防振装置自体の設計変更で対応することが極めて困難であるという問題もあった。
【0005】
そこで、このような問題に対処し、防振連結される一方の部材における筒形防振装置の取付部位への応力集中を軽減すると共に、筒形防振装置の配設位置を防振連結される一方の部材における取付部位から離隔して設定することを可能にするための一つの方策として、ブラケットを採用し、かかるブラケットを介して、内筒金具を防振連結される一方の部材に取り付けるようにすることが考えられる。
【0006】
しかしながら、ブラケットを介して内筒金具を防振連結される一方の部材に取り付けるためには、内筒金具をブラケットに取り付けるための固定手段に加えて、ブラケットを防振連結される一方の部材に固定するための複数の固定手段が必要となることから、内筒金具をブラケットを介して防振連結される一方の部材に取り付けるために部品点数が多くなると共に、構造も複雑となって、取付作業も面倒で時間がかかる等という不具合があった。また、ブラケットに長尺の取付ボルトを植設して内筒金具に挿通される取付軸を構成した場合には、かかる取付ボルトの頭部が、ブラケットにおいて防振連結される一方の部材に重ね合わせられる取付面側に突出せしめられることから、ブラケットや防振連結される一方の部材を特別な形状に加工等して内筒金具に挿通されるボルトの頭部がブラケットの取付面から突出しないようにする必要もあった。
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、簡単な構造と良好な取付作業性をもって、防振連結される一方の部材に対してブラケットを介して取り付けることが出来る、新規な構造の筒形防振装置を提供することにある。
【0008】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0009】
先ず、本発明の第一の態様は、防振連結される一方の部材に取り付けられるインナ軸部材の外周側に離隔して、防振連結される他方の部材に取り付けられるアウタ筒部材を配設すると共に、該インナ軸部材と該アウタ筒部材の軸直角方向対向面間に本体ゴム弾性体を配設せしめてそれら両部材を弾性的に連結した筒形防振装置において、前記防振連結される一方の部材に対して複数の箇所で固定される複数の固定手段を備えた取付部材を採用すると共に、それら複数の固定手段の一つを構成する固定ボルトにセレーション加工を施して該取付板部材に穿孔した取付孔に対して該固定ボルトを圧入固定する一方、該固定ボルトを一体的に軸方向外方に延び出させて該固定ボルトの頭部に挿通ボルトを一体形成して、該固定ボルトに対して前記インナ軸部材を一体構造又は別体構造で固定することにより、該インナ軸部材を該取付部材を介して該防振連結される一方の部材に対して複数の箇所で固定して支持せしめるようにする一方、該挿通ボルトの延び出した先端側にストッパプレートを締結固定せしめて該ストッパプレートを前記アウタ筒部材に対して軸方向で対向位置せしめることにより軸方向のストッパ機構を構成したことを、特徴とする。
【0010】
このような本態様に係る筒形防振装置においては、ブラケットとしての取付部材に備えられた複数の固定手段の一つを固定ボルトで構成し、かかる固定ボルトを巧く利用して、インナ軸部材を取付部材を介して防振連結される一方の部材に固定して支持せしめるようになっていることから、インナ軸部材を取付部材に固定するための特別な部材を取付部材と別途設ける必要がなく、簡単な構造と良好な作業性をもって筒形防振装置を構成するインナ軸部材を防振連結すべき一方の部材に取り付けることが出来るのである。
【0011】
また、本態様においては、取付部材が防振連結される一方の部材に対して複数箇所で固定されるようになっていることから、防振連結される一方の部材における取付部材の取付部位に対して筒形防振装置を通じて及ぼされる荷重を分散せしめることが可能となり、それによって、防振連結される一方の部材における耐荷重強度を有利に確保することが出来るのである。なお、本態様においては、平板形状の取付部材が防振連結される一方の部材に対して広い領域で略密接に重ね合わせられた状態で取り付けられることが望ましく、それによって、取付部材自体の耐荷重強度と併せて防振連結される一方の部材における取付部材の取付部位の耐荷重強度を一層有利に確保することが出来るのである。
【0012】
さらに、本態様においては、インナ軸部材が取付部材を介して防振連結される一方の部材に固定されることから、取付部材上でのインナ軸部材の取付位置を適当に変更設定することによって、防振連結される部材における取付部材の固定位置から離れた位置に筒形防振装置を配設することが可能となるのであり、筒形防振装置の配設スペースが防振連結される部材への取付位置から離れている場合においても、有利に対応することが出来る。また、本態様に従う構造とされた筒形防振装置においては、取付板部材に対する固定ボルトの取り付けを容易に行うことが出来る。
【0013】
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る筒形防振装置において、前記インナ軸部材を筒形状とする一方、前記固定ボルトを軸方向外方に向かってストレートに延び出させて該固定ボルトの頭部に挿通ボルトを一体形成し、該挿通ボルトを該インナ軸部材の中心孔に挿通して締付ナットで固定することにより、該固定ボルトに対して該インナ軸部材を別体構造で固定したことを、特徴とする。このような本態様に従えば、目的とする筒形防振装置を有利に実現することが出来る。
【0014】
また、本発明の第三の態様は、前記第一の態様に係る筒形防振装置において、前記インナ軸部材を中実ロッド形状とすると共に、該インナ軸部材を、前記固定ボルトの頭部を軸方向外方に向ってストレートに延び出させることによって、該固定ボルトに対して一体構造で固定したことを、特徴とする。このような本態様に従えば、目的とする筒形防振装置を有利に実現することが出来る。
【0015】
また、本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れか一つの態様に係る筒形防振装置において、前記固定ボルトにおける前記挿通ボルトの基端部分において、前記インナ軸部材の中心孔よりも大径の基台部を形成し、該基台部を該インナ軸部材の軸方向端部と前記取付部材の間で挟圧位置せしめたことを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされた筒形防振装置においては、基台部の大きさを変更設定することによって筒形防振装置の軸方向の位置調節が可能となり、防振連結される一方の部材における取付部材の取付面と防振連結される他方の部材との取付面間距離が特定される場合においても、有利に対処することが出来るのである。また、本態様においては、取付部材に対する固定ボルトの軸方向の位置決めを容易に且つ確実に行うことが出来る。
【0017】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0018】
先ず、図1及び図2には、本発明の一実施形態としての筒形防振装置を構成するエンジンマウント10の単体図が示されており、図3及び図4には、かかるエンジンマウント10の取付状態が示されている。このエンジンマウント10は、互いに径方向で離隔配置されたインナ軸部材としての内筒金具12とアウタ筒部材としての外筒金具14が、それら両金具12,14の間に介装された本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結された構造とされており、取付部材としてのクロスメンバ側ブラケット18に複数備えられた複数の固定手段としての複数本(本実施形態では3本)のボルト20a〜cの一つを構成する固定ボルトとしての取付ボルト20cに対して内筒金具12を固定することにより、内筒金具12をクロスメンバ側ブラケット18を介して防振連結される一方の部材としてのクロスメンバ(サブフレーム)24に対して複数箇所で固定して支持せしめる一方、外筒金具14をパワーユニット側ブラケット26を介して防振連結される他方の部材としての後輪駆動の自動車のパワーユニットを構成するミッションユニット28に対して固定することにより、ミッションユニット28をクロスメンバ24に対して防振支持せしめるようになっている。
【0019】
より詳細には、内筒金具12は、一定の内外形寸法で延びるストレートな円筒形状を有している。また、内筒金具12の軸方向一方(図1中、下方)の端面には、支持板30が固定的に設けられている。この支持板30は、金属材によって形成されており、小判形状の平板とされている。また、支持板30の中央部分には、貫通孔32が形成されている。そして、支持板30は、貫通孔32が内筒金具12の中心孔34と同一中心軸上に位置せしめられるように重ね合わせられた状態で内筒金具12に溶着固定されている。
【0020】
一方、外筒金具14は、内筒金具12よりも薄肉大径でストレートに延びる筒状部36を有しており、かかる筒状部36は内筒金具12よりも軸方向長さが短くされている。また、外筒金具14の筒状部36の軸方向一方(図1中上方)の端部には、径方向内方に広がる内フランジ38が一体形成されている一方、筒状部36の軸方向他方(図1中下方)の端部には、径方向外方に略小判形状をもって広がる外フランジ40が一体形成されている。このような構造とされた外筒金具14は、内筒金具12に外挿されて略同心軸上で内筒金具12の径方向外方に離隔して位置せしめられており、かかる配設状態下において、外筒金具14に設けられた外フランジ40は、内筒金具12に固着された支持板30に対向位置せしめられている。そして、これら内筒金具12と外筒金具14の対向面間には、本体ゴム弾性体16が介在せしめられており、かかる本体ゴム弾性体16によって内筒金具12と外筒金具14が弾性的に連結されている。
【0021】
本体ゴム弾性体16は、全体として厚肉の略円筒形状を有しており、その内周面に対して内筒金具12が加硫接着されていると共に、その外周面に対して外筒金具14が加硫接着されている。また、本体ゴム弾性体16は、外フランジ40と支持板30の対向面間にも延び出しており、かかる延出部分の軸方向一方(図1中上方)の面は、外フランジ40に加硫接着されていると共に、軸方向他方(図1中下方)の面は、支持板30に加硫接着されている。なお、上述の説明から明らかなように、本実施形態では、本体ゴム弾性体16は、内外筒金具12,14および支持板30を備えた一体加硫成形品として形成されている。
【0022】
これにより、本実施形態のエンジンマウント10は、図2中の上下方向と左右方向でばね特性が異なるように設定されている。また、本実施形態では、内外筒金具12,14の軸方向の荷重に対して、本体ゴム弾性体16における支持板30と外フランジ40の対向面間に延び出した部分が圧縮/引張変形せしめられるようになっている。なお、本体ゴム弾性体16における軸方向一方(支持板30が固定されていない側)の端部には、軸方向一方に開口して略一定の断面形状で周方向に連続して延びるスリット42が形成されて、ばね特性が調整されている。また、本体ゴム弾性体16は、内フランジ38の上面にまで延び出しており、かかる延出部分によって緩衝ゴム44が内フランジ38の上面に突出して被着形成されている。
【0023】
このような構造とされたエンジンマウント10は、図3及び図4に示されているように、外筒金具14がパワーユニット側ブラケット26を介してミッションユニット28に取り付けられるようになっていると共に、内筒金具12がクロスメンバ側ブラケット18を介してクロスメンバ24に取り付けられるようになっており、それによって、ミッションユニット28をクロスメンバ24に対して防振支持せしめるようになっている。このパワーユニット側ブラケット26は、固定筒部46に対して一対の取付部48,48が固定的に設けられた構造とされている。固定筒部46は、金属材によって形成されており、外筒金具14の筒状部36の軸方向長さと略同じ軸方向長さを有する円筒形状とされている。一方、一対の取付部48,48は、それぞれ、金属材によって形成されており、板状の本体部50の長手方向一方(図3中上方)の端部に対して板状の固定部52が本体部50の厚さ方向一方に突出するようにして一体形成された構造とされている。ここにおいて、本実施形態では、固定部52は、本体部50の長手方向(図3中上下方向)に直交する方向に対して僅かに傾斜した状態で一体形成されており、それによって、固定部52に形成された貫通孔54の中心軸が本体部50の長手方向に対して僅かに傾斜するようになっている。また、各取付部48の幅方向両端部分には、補強用のリブ56が設けられている。更に、本体部50の幅方向中央部分は、円弧状に湾曲せしめられている。そして、これら一対の取付部48,48は、それぞれ、本体部50の円弧状に湾曲せしめられた部分が固定筒部46に重ね合わせられた状態で、固定筒部46に溶着されており、それによって、パワーユニット側ブラケット26が構成されている。また、かかる固定状態下において、一対の取付部48,48は、固定筒部46の中心軸を挟んで径方向で対向位置せしめられている。
【0024】
一方、クロスメンバ側ブラケット18は、金属材によって形成されており、全体として平板形状とされている。また、クロスメンバ側ブラケット18には、複数本(本実施形態では3本)のボルト20a〜cが固定的に設けられている。ここにおいて、本実施形態では、それら複数本のボルト20a〜cのうちの1本のボルト20cは、他のボルト20a,20bと異なった構造を有する取付ボルト20cとされている。この取付ボルト20cは、図5にも示されているように、取付ボルト20cを軸方向外方に向ってストレートに延び出させて、かかる取付ボルト20cの頭部に挿通ボルト58を一体形成した構造とされており、本実施形態では、鍛造品によって形成されている。また、取付ボルト20cには、挿通ボルト58の基端部分において、内筒金具12の中心孔34よりも大きな外形寸法を有する大径の基台部としての円環ブロック形状の突起60が一体形成されている。更に、取付ボルト20cの基端部側(頭部側)の外周面には、所定長さで軸方向に延びるセレーション部62が形成されている。そして、クロスメンバ側ブラケット18に穿孔された取付孔64に対して取付ボルト20cに形成されたセレーション部62が圧入されることによって、取付ボルト20cがクロスメンバ側ブラケット18に対して固定的に組み付けられている。なお、取付ボルト20cにおけるセレーション部62は、鍛造等の公知の方法で形成され得る。
【0025】
そして、パワーユニット側ブラケット26は、固定筒部46に対して外筒金具14が圧入固定されることによってエンジンマウント10に対して固定的に組み付けられており、かかる組付け状態下において、一対の取付部48,48にそれぞれ設けられた貫通孔54,54に挿通されるボルト66,66によって、パワーユニット側ブラケット26がミッションユニット28に固定されるようになっており、また、クロスメンバ側ブラケット18は、取付ボルト20cに一体形成された挿通ボルト58が内筒金具12の中心孔34に挿通されて締付ナット68が螺着されることによって内筒金具12に対して固定的に組み付けられており、かかる組付け状態下において、クロスメンバ側ブラケット18がクロスメンバ24に重ね合せられて、かかるクロスメンバ側ブラケット18に設けられた複数本のボルト20a〜cがクロスメンバ24に形成された貫通孔70に挿通されてナット72が螺着されることにより、内筒金具12がクロスメンバ側ブラケット18を介してクロスメンバ24に取り付けられている。これによって、エンジンマウント10がミッションユニット28とクロスメンバ24の間に装着されて、ミッションユニット28がクロスメンバ24に対して防振支持せしめられるようになっている。
【0026】
また、上述のように内筒金具12がクロスメンバ側ブラケット18に取り付けられた状態下において、挿通ボルト58の先端側には、ストッパプレート74が外挿されて、かかるストッパプレート74が内筒金具12の軸方向一方の端部側に締付固定されている。このストッパプレート74は、薄肉の略小判形状を有しており、円弧状に湾曲せしめられた外周縁部が外筒金具14の内フランジ38の軸方向上方に位置せしめられて、内フランジ38上に突設された緩衝ゴム44に対して、軸方向上方に離隔して対向位置せしめられている。要するに、このストッパプレート74が緩衝ゴム44を介して、外筒金具14の内フランジ38に当接することにより、内外筒金具12,14間の軸方向の相対的な変位量ひいてはミッションユニット28のクロスメンバ24に対する軸方向の相対的な変位量が、緩衝的に制限されるようになっている。また、取付ボルト20cに設けられた突起60は、支持板30を介して内筒金具12の軸方向端部とクロスメンバ側ブラケット18に挟圧位置せしめられている。なお、図面上には明示されていないが、そのような装着状態下、外筒金具14はミッションユニット28の分担荷重が軸方向に入力されて本体ゴム弾性体16が弾性変形せしめられることにより、図3中下方に所定量だけ変位せしめられることとなる。
【0027】
このような構造とされたエンジンマウント10においては、クロスメンバ側ブラケット18をクロスメンバ24に固定するためのボルト20a〜cの一つを構成する取付ボルト20cを巧く利用して、内筒金具12をクロスメンバ側ブラケット18に取り付けるようになっていることから、簡単な構造と優れた作業性をもって、内筒金具12をクロスメンバ側ブラケット18を介してクロスメンバ24に取り付けることが出来るのである。
【0028】
また、本実施形態では、クロスメンバ側ブラケット18がクロスメンバ24に重ね合せられて複数本のボルト20a〜cによってクロスメンバ24に固定されるようになっていることから、クロスメンバ24のクロスメンバ側ブラケット18の固定部位における強度を有利に確保することが出来るのである。
【0029】
また、本実施形態では、クロスメンバ側ブラケット18を介して内筒金具12をクロスメンバ24に取り付けるようになっていることから、エンジンマウント10の配設スペースが制限される場合においても、有利に対処することが出来る。
【0030】
また、本実施形態では、取付ボルト20cに突起60が設けられており、かかる突起60が支持板30を介して内筒金具12とクロスメンバ側ブラケット18に挟圧位置せしめられた状態で、内筒金具12がクロスメンバ側ブラケット18に取り付けられていることから、エンジンマウント10の軸方向位置を調節することが可能となり、それによって、エンジンマウント10の配設スペースが制限される場合においても、有利に対処することが出来る。
【0031】
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これは、あくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
【0032】
例えば、前記実施形態では、内外筒金具12,14の軸方向荷重に対して圧縮/引張変形せしめられる本体ゴム弾性体16を備えた筒形防振装置に対して本発明を適用したものの具体例が示されていたが、本発明は、特開平8−210407号公報等に記載されているように、インナ軸部材およびアウタ筒部材の軸方向の荷重に対して圧縮/引張変形しない本体ゴム弾性体を備えた筒形防振装置や、特開平11−190383号公報等に記載されているように、防振連結される一方の部材に取り付けられるインナ軸部材の外周側に離隔して、防振連結される他方の部材に取り付けられるアウタ筒部材を配設せしめて、それらインナ軸部材とアウタ筒部材を本体ゴム弾性体によって弾性的に連結すると共に、該インナ軸部材と該アウタ筒部材の間への振動入力時に相対的な圧力変動が生ぜしめられる複数の流体室を形成して、それら複数の流体室を相互に接続するオリフィス通路を形成した流体封入式の筒形防振装置に対しても、適用することが出来る。
【0033】
また、前記実施形態では、内筒金具12が中心孔34を備えた円筒形状とされていたが、内筒金具12を中実ロッド形状として、かかる内筒金具12自体を、取付ボルト20cの頭部を延び出させることで、取付ボルト20cに対して一体構造で固定することも、勿論、可能である。このように内筒金具12を取付ボルト20cと一体構造とすれば、内筒金具12がクロスメンバ側ブラケット18に対して直接に固定されることとなって、部品点数が削減されると共に、エンジンマウント10のクロスメンバ側ブラケット18への組付作業も容易となる。
【0034】
さらに、前記実施形態では、挿通ボルト58の基端部分において、突起60が形成されていたが、かかる突起60は必ずしも設ける必要はない
【0037】
また、前記実施形態では、支持板30の厚さ寸法を変化せしめることによって、エンジンマウント10の軸方向位置を調節することも可能である。
【0038】
加えて、前記実施形態では、後輪用の自動車のパワーユニットを構成するミッションユニットを支持するエンジンマウントに対して本発明を適用したものの具体例が示されていたが、本発明は、その他、パワーユニットを構成するエンジンユニットを支持するエンジンマウントやメンバマウント,ボデーマウント,キャブマウント等の他、自動車以外の各種装置における筒形防振装置に対して、何れも、適用可能である。
【0039】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた筒形防振装置においては、取付部材を防振連結される一方の部材に固定する複数の固定手段の一つを構成する固定ボルトを巧く利用することにより、少ない部品点数と簡単な構造により優れた取付作業性をもって、インナ軸部材を取付部材を介して防振連結される一方の部材に対して取り付けることが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのブラケット付きエンジンマウントを構成するマウント単体の縦断面図であり、図2におけるI−I断面に相当する図である。
【図2】図1における平面図である。
【図3】図1に示されたマウント単体を用いて構成されたブラケット付きエンジンマウントの自動車への装着状態を説明するための説明図であって、図4におけるIII−III断面に相当する図である。
【図4】図3における平面図である。
【図5】図3に示されたブラケットを構成する取付ボルトを示す正面図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント(マウント単体)
12 内筒金具
14 外筒金具
16 本体ゴム弾性体
18 クロスメンバ側ブラケット
20a ボルト
20b ボルト
20c 取付ボルト
24 クロスメンバ
28 ミッションユニット

Claims (5)

  1. 防振連結される一方の部材に取り付けられるインナ軸部材の外周側に離隔して、防振連結される他方の部材に取り付けられるアウタ筒部材を配設すると共に、該インナ軸部材と該アウタ筒部材の軸直角方向対向面間に本体ゴム弾性体を配設せしめてそれら両部材を弾性的に連結した筒形防振装置において、
    前記防振連結される一方の部材に対して複数の箇所で固定される複数の固定手段を備えた取付部材を採用すると共に、それら複数の固定手段の一つを構成する固定ボルトにセレーション加工を施して該取付板部材に穿孔した取付孔に対して該固定ボルトを圧入固定する一方、該固定ボルトを一体的に軸方向外方に延び出させて該固定ボルトの頭部に挿通ボルトを一体形成して、該固定ボルトに対して前記インナ軸部材を一体構造又は別体構造で固定することにより、該インナ軸部材を該取付部材を介して該防振連結される一方の部材に対して複数の箇所で固定して支持せしめるようにする一方、該挿通ボルトの延び出した先端側にストッパプレートを締結固定せしめて該ストッパプレートを前記アウタ筒部材に対して軸方向で対向位置せしめることにより軸方向のストッパ機構を構成したことを特徴とする筒形防振装置。
  2. 前記アウタ筒部材において該アウタ筒部材から径方向外方に広がる外フランジを設けると共に、前記インナ軸部材において該外フランジに対向位置せしめられる支持板を設けて、これら外フランジと支持板との対向面間に前記本体ゴム弾性体を配設せしめたことを特徴とする請求項1に記載の筒形防振装置。
  3. 前記インナ軸部材を筒形状とする一方、前記固定ボルトを軸方向外方に向かってストレートに延び出させて該固定ボルトの頭部に挿通ボルトを一体形成し、該挿通ボルトを該インナ軸部材の中心孔に挿通して締付ナットで固定することにより、該固定ボルトに対して該インナ軸部材を別体構造で固定した請求項1又は2に記載の筒形防振装置。
  4. 前記固定ボルトにおける前記挿通ボルトの基端部分において、前記インナ軸部材の中心孔よりも大径の基台部を形成し、該基台部を該インナ軸部材の軸方向端部と前記取付部材の間で挟圧位置せしめた請求項1乃至3の何れか一項に記載の筒形防振装置。
  5. 前記取付板部材を前記防振連結される一方の部材に固定する前記複数の固定手段として複数の固定ボルトを採用し、その一つの固定ボルトに対して前記挿通ボルトを一体形成すると共に、該挿通ボルトが形成された固定ボルトにおける前記基台部を、他の固定ボルトの頭部の突出高さよりも大きな軸方向高さ寸法としたことを特徴とする請求項4に記載の筒形防振装置。
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