JP3960873B2 - 広帯域用分散シフト光ファイバ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長分割多重(WDM)伝送等の光伝送を広帯域(300nm以上)で実現するための光ファイバおよびその光ファイバを用いた光通信システムに関するものである。
【0002】
【背景技術】
光ファイバ伝送特性は、光ファイバの損失と帯域(分散)特性による。単一モード光ファイバでは伝播モードが単一であり、モード分散がないので、材料分散と構造分散により伝送帯域が決まる。従来型のシングルモード光ファイバでは、これらの分散の和が波長1.3m付近でゼロとなるが、一方光損失は波長1.5μm帯で最小となる。そこで全分散がゼロとなる波長をこの波長帯にシフトする1.5μm帯ゼロ分散光ファイバ(DSF:Dispersion-Shifted Fiber)が提案された。ゼロ分散波長を1.3μm帯から1.5μm帯にシフトさせるには、材料分散はあまり変えられないので、構造分散の値を変えて全分散をシフトさせる。即ち、コアクラッドの屈折率プロファイルを調整することでゼロ分散を1.5μm帯にシフトさせている。
【0003】
光ファイバの伝送特性は、一般的にこのように波長分散が小さいほど良好であるが、光ファイバにWDM光を入射した時、波長分散が小さいとファイバ内で四光波混合現象(FWM:Four-Wave Mixing)により不要波が発生し、チャネル間のクロストークの問題が生ずる。この問題点を解決するファイバとして、適度の波長分散値を有する非ゼロ分散シフトファイバ(NZDSF:Non-Zero Dispersion Shifted Fiber)が提案された。
【0004】
そして、今日のWDM伝送技術の研究開発の一つとして、伝送帯域の拡大が追求されている。これまでの使用波長帯域は、C−band(1530−1565nm)とL−band(1565−1625nm)が中心であり、伝送用光ファイバの特性もこの帯域で最適化されている。近年、S−band(1460−1530nm)伝送も考慮した分散スロープ低減型非ゼロDSF(NZ−DSF)が提案されている(特願2001−100422)。
【0005】
しかし、分散スロープ低減型のNZ−DSFであっても、ゼロ分散波長により短波長側に制限を受け、累積分散の関係から長波長側に制限を受け、伝送可能な波長帯域は200nm程度に限られていた。また、ラマン増幅を考慮した場合、NZ−DSFのゼロ分散波長がラマン励起帯域を制限することになり、とくにS−band帯域でのラマン増幅は困難であった。
【0006】
従って、本発明の目的は、WDM伝送システムにおいてE−bandからU−band迄の波長範囲をカバーできるより広い伝送帯域を可能にする光ファイバを提供することである。又、同時にS−band帯域での分布ラマン増幅を可能にする光ファイバを提供することを目的とする。更に又、非線形現象が抑制され、曲げ損失の小さいケーブルを同時に実現することを目的とする。
【0007】
【発明の概要】
本発明に従い光ファイバは波長1400〜1700nm(幅300nm)において、分散値Dが2≦D≦8(ps/nm/km)でありかつ、同波長帯域に波長分散が極値をもつものである。
【0008】
具体的光ファイバの構造の1つのタイプは、隣り合った層同士で組成の異なる多層のガラス層を持ち、これらのガラス層のうち、屈折率分布の基準となるクラッド層である基準層の内側に複数のコアガラス層が形成されている光ファイバであって、該光ファイバの最も内側に形成されている第1ガラス層、順に外側に向かって第2ガラス層、第3ガラス層、第4ガラス層の前記クラッド層の屈折率との比屈折率差をそれぞれΔ1、Δ2、Δ3、Δ4、とし、クラッド層の比屈折率差を0とすると、Δ1>Δ3>Δ4>0>Δ2となっている。
【0009】
具体的光ファイバ構造の他のタイプは、隣り合った層同士で組成の異なる多層のガラス層を持ち、これらのガラス層のうち、屈折率分布の基準となるクラッド層である基準層の内側に複数のコアガラス層が形成されている光ファイバであって、該光ファイバの最も内側に形成されている第1ガラス層、順に外側に向かって第2ガラス層、第3ガラス層、第4ガラス層、第5ガラス層の前記クラッド層の屈折率との比屈折率差をそれぞれΔ1、Δ2、Δ3、Δ4、Δ5とし、クラッド層の比屈折率差を0とすると、Δ1>Δ4>Δ5>0>Δ3>Δ2となっている。しかしながら、本発明の光ファイバの構造はこれらのタイプに限定されるものではない。
【0010】
本発明の光ファイバのゼロ分散波長が1350nm以下であり、1400〜1700nmという広い帯域においてFWM発生を抑制でき、かつ累積分散を抑制できる分散特性をもつ。これまで提案されていた分散スロープ低減型のNZ−DSFでは、S、C、L−band全帯域(1460〜1625nm)にわたって伝送可能な分散特性をもっていたが、本発明のNZ−DSFはさらに、長波長側のU−band(1625〜1675nm)全域、短波長側のE−band(1360〜1460nm)のほぼ全域も含めたより広い帯域(1365〜1700nm)において分散値Dが2≦D≦8(ps/nm/km)であり、FWM発生を抑制できかつ累積分散を抑制できる分散特性を持つ。
【0011】
本発明の光ファイバを伝送路として適用したとき、分布型ラマン増幅器と、S、C、L−bandのうち少なくとも一つのバンド帯域の増幅に集中型アンプを併用することで、S、C、L−band全帯域(1460〜1625nm)のロスを補償できる。伝送路としてのNZ−DSFの分散スロープをゼロにしたことで、ゼロ分散波長が分散スロープ低減型のNZ−DSFのゼロ分散波長に比べてもより一層短波長側にシフトした(1360nm以下;好ましくは1340nm以下)ため、S−band伝送を増幅するためのラマン励起帯域においても、FWM発生による干渉を抑制できる。
【0012】
また、EDFA(Erbium Doped Fiber Amplifier)、TDFA(Thulium doped Fiber Amplifier)や集中型ラマン増幅器を併用するとき、非線形現象による障害を抑制するために、1550nmにおける有効コア断面積Aeffを40μm以上(好ましくは45μm以上)とした。また、少なくともC−band伝送でシングルモード動作をするために、ケーブルカットオフ波長を1550nm以下とした。ケーブル化をすることを考慮し、波長1550nmにおける直径20mmでの曲げ損失を5dB/m以下とした。
【0013】
上述の分散特性の光ファイバからなる伝送路及び該伝送路中に配置されたS−band用分布ラマン増幅器とからなる光通信システムが構成される。本発明の光ファイバを用いて光通信システムを構成することにより、高品質のWDM伝送を行うことが可能な優れた光通信システムとが実現される。特にメトロでの通信システムのような、比較的短距離の伝送に適した光ファイバである。
【0014】
【実施例の説明】
以下に本発明に係る光ファイバの実施形態タイプを図面に基づき説明する。図1、2に本発明の屈折率プロファイルを示す。光ファイバの屈折率分布のプロファイルとしては様々な形態の屈折率プロファイルが可能であるが、本実施形態タイプとして、図1、2に示すような4層構造および5層構造のプロファイルを採用している。
【0015】
図1で示されるような屈折率プロファイルを持つ光ファイバは、隣り合った層同士で組成の異なる多層(4層)のガラス層(第1ガラス層1、第2ガラス層2、第3ガラス層3、第4ガラス層4、基準層=クラッド層)からなり、これらのガラス層は同心円状に形成されている。基準層は上記4層のガラス層に対して、屈折率分布の基準となる層であり、ここをクラッド層とする。このクラッド層の内側に第1〜第4の4層のガラス層(コア層)が形成されている。
【0016】
本実施形態例の4層構造のファイバは、基準層(クラッド層)との比屈折率差を内側の層からそれぞれΔ1、Δ2、Δ3、Δ4としたとき、Δ1>Δ3>Δ4>0>Δ2となる。また、第1ガラス層1の屈折率分布形状はα乗を呈している。(クラッドのΔを0とする)
【0017】
図2に本発明のもう一つの屈折率プロファイルを示す。図2で示されるような屈折率分布を持つ光ファイバは、隣り合った層同士で組成の異なる多層(5層)のガラス層(第1〜第5のガラス層1〜5、基準層=クラッド層)からなり、これらのガラス層は同心円状に形成されている。図1と同様、基準層をクラッド層とし、このクラッド層の内側に第1〜第5の5層のガラス層(コア層)が形成されている。
【0018】
本実施形態例の5層構造のファイバは、基準層(クラッド層)との比屈折率差を内側の層からそれぞれΔ1、Δ2、Δ3、Δ4、Δ5としたとき、Δ1>Δ4>Δ5>0>Δ3>Δ2となる。また、第1ガラス層1の屈折率分布形状はα乗を呈している。(クラッドのΔを0とする)図1のプロファイルと比較すると、クラッド層より屈折率の低い(Δがマイナス符号となる)層が一つ増えた点で異なる。
【0019】
なお本明細書においては、第1ガラス層1の屈折率をn、第2ガラス層2の屈折率をn、第3ガラス層3の屈折率をn、第4ガラス層の屈折率をnとし、第5ガラス層の屈折率をnとし基準層(クラッド層)の屈折率をnとしたときに、上記各比屈折率差Δ1、Δ2、Δ3、Δ4、Δ5を以下の各式(1)〜(5)式により定義している。
Δ1(%)={(n −n )/2×n }×100・・・・(1)
Δ2(%)={(n −n )/2×n }×100・・・・(2)
Δ3(%)={(n −n )/2×n }×100・・・・(3)
Δ4(%)={(n −n )/2×n }×100・・・・(4)
Δ5(%)={(n −n )/2×n }×100・・・・(5)
また、図1、2に示すように、1層目の直径をa、2層目の直径をb、以下順に3、4、5層目の直径をそれぞれc、d、eとしている。
【0020】
図1に示した屈折率プロファイルにおいて各比屈折率差Δ1、Δ2、Δ3、Δ4、Δ5、第1ガラス層1の屈折率分布形状α、および各径a、b、c、d、eをパラメータとしてシミュレーションを行い、最適解を求めた。このときの条件として、上記分散特性(波長1400nm〜1700nmにおいて2≦D≦8(ps/nm/km))を満たし、Aeff(波長1550nmで40μ以上)と曲げ損失値(波長1550nmで5dB/m以下)との関係、さらにカットオフ波長が実際のファイバのケーブルカットオフで1550nm以下になるよう解を本実施形態例の最適プロファイルとした。その設計内容を図3の表1に#1、#2及び#3として示す。
【0021】
本発明では、波長1400nm〜1700nmにおける分散値Dが2≦D≦8(ps/nm/km)で、かつ同波長帯域に波長分散が少なくとも1つの極値を持つ光ファイバで、基本的に分散補償器なしでWDM伝送を可能とする光ファイバを実現し、さらにS−band伝送を分布ラマン増幅することも含め、広帯域での増幅が比較的容易にできる。
【0022】
本発明の光ファイバの特性・構造として波長1310nmにおける分散値Dが−4≦D≦4(ps/nm/km)、ケーブルカットオフ波長が1550nm以下、波長1550nmにおける直径20mmでの曲げ損失が5dB/m以下、波長1550nmにおいて実効コア断面積が40μm以上、波長1550nmにおける偏波モード分散PMDが0.1ps/√km以下、波長1310nmにおける分散値Dが−2≦D≦2(ps/nm/km)、及びゼロ分散波長が1350nm以下であるような値がより好ましいものとして選択される。
【0023】
図1のタイプの4層構造からなる光ファイバにおいて、一例として最も内側に形成されている第1ガラス層の基準層に対する比屈折率差Δ1が0.3〜0.7%であり、屈折率分布形状を表すα定数が4以上であって、直径125μmのファイバにしたとき、第1ガラス層の直径が7.0〜10μmであるよう選択される。
【0024】
又、図1のタイプの4層構造からなる光ファイバにおいて、一例として内側から2層目に形成されている第2ガラス層の基準層に対する比屈折率差Δ2が−0.6〜−0.2%、1層目の直径に対する2層目の直径が1.2〜1.7倍であり、内側から3層目に形成されている第3ガラス層の基準層に対する比屈折率差Δ3が0.25〜0.5%、1層目の直径に対する3層目の直径が1.8〜2.2倍であって、かつ内側から4層目に形成されている第4ガラス層の基準層に対する比屈折率差Δ4が0.05〜0.2%、1層目の直径に対する4層目の直径が2.0〜2.5倍であるよう選択される。
【0025】
図2のタイプの5層構造からなる光ファイバにおいて、一例として最も内側に形成されている第1ガラス層の基準層に対する比屈折率差Δ1が0.3〜0.7%であり、屈折率分布形状を表すα定数が4以上であって、直径125μmのファイバにしたとき、第1ガラス層の直径が6.5〜10μmであるよう選択される。
【0026】
図2のタイプの多層構造からなる光ファイバにおいて、一例として内側から2層目に形成されている第2ガラス層の基準層に対する比屈折率差Δ2が−0.6〜−0.2%、1層目の直径に対する2層目の直径が1.2〜1.7倍であり、内側から3層目に形成されている第3ガラス層の基準層に対する比屈折率差Δ3が−0.15〜−0.05%、1層目の直径に対する3層目の直径が1.8〜2.2倍であり、内側から4層目に形成されている第4ガラス層の基準層に対する比屈折率差Δ4が0.25〜0.65%、1層目の直径に対する4層目の直径が2.0〜2.5倍であって、かつ内側から5層目に形成されている第5ガラス層の基準層に対する比屈折率差Δ5が0.05〜0.50%、1層目の直径に対する5層目の直径が2.2〜3.0倍である。
【0027】
本発明の光ファイバを光伝送路として適用したとき、分布型ラマン増幅器と、S、C、L−bandのうち少なくとも一つのバンド帯域の増幅に集中型アンプを併用した光通信システムが構成される。
【0028】
(実例)
実際の光ファイバを図3の表1に示す内容に沿って作成した。そしてほぼ設計どうりの分散特性等が得られた。#1と#2は図2の5層タイプであり、#3は図1の4層タイプである。表1において、分散は波長1500nmおよび1550nmでの分散値、スロープは波長1500nmおよび1550nmでの分散スロープ、Aeffは波長1500nmおよび1550nmでの実効コア断面積、λはケーブルカットオフ波長、曲げは波長1500nmおよび1550nmで直径20mmの曲げ損失、λはゼロ分散波長、コア径は図1におけるd、または図2におけるeの径である。図4は波長に対するファイバ#1、#2及び#3の分散特性であるが、図4に示すように、表1のファイバ#1〜#3は3つとも波長1400〜1700nmでの分散値Dは全て2≦D≦8(ps/nm/km)であり、かつ同波長帯域において波長分散が極値をもつ。(スロープに注目すると、波長1500nmではプラスの値であるのに対し、波長1550nmではマイナスの値となり、この間で分散が極値をもっている)。また、ケーブルカットオフ波長が1.55μm以下、かつ波長1550nmで直径20mmの曲げ損失が5dB/m以下となった。図4に示すように、ゼロ分散波長λが1350nm以下となり、ラマン増幅をできる伝送帯域がS−bandまで拡大した。さらに、実行コア断面積Aeff40μm以上(好ましくは45μm以上)を維持したことで、従来のDSF並みの非線形現象抑制が期待できる。
【0029】
図4は、表1の#1〜#3の光ファイバの波長に対する分散曲線を示す。波長分散が指定した帯域において少なくとも1つの極値をもつことから、分散曲線が従来技術の光ファイバ(#4:分散スロープ低減型NZ−DSF−分散スロープ0.020ps/nm/km@1550nm及び#5:True Wave(登録商標)RS−分散スロープ0.045ps/nm/km@1550nm)のような単調増加あるいは単調減少とはならないため、FWMを制御でき、且つ累積分散が大きすぎない2〜8ps/nm/kmの所望の分散値を満たす波長帯域がより広くなった。(図3参照)ここで、波長1400〜1700nmでの分散値は2〜8ps/nm/kmであり、同波長帯域においてFWM発生を抑制でき、累積分散も抑制できる。従って、同波長帯域においては基本的に分散補償器を要さずに伝送可能となる。これまで提案されているNZ−DSFは、帯域が広いものでも(図3の#4)S、C、L−band(1460−1625nm)伝送を考慮したものであったが、本発明のNZ−DSFでは上記3−bandに加えて、さらにU−band(1625−1675nm)、E−band(1360−1460nm)での伝送も可能となる分散特性をもつ。現時点でU−band伝送を制限するのは、主にこの波長帯域におけるロス増の問題(曲げ損失、赤外吸収)であり、E−band伝送を制限するのは主に波長1385nm付近に現れるOH基ロスの問題である。この二つの問題を解決すれば、本発明のNZ−DSFはU、E−band伝送が可能な分散特性をもつ。(U−bandにおいても基本的には分散補償器が不要)また、分散曲線が比較的フラットであることも本発明の特徴である。特に図4の#3の分散特性においては、S、C、L−band(1460〜1625nm)における分散の差が1ps/nm/km以下(0.7以下)となり、広い帯域において分散が非常にフラットであるといえる。
【0030】
同ファイバを伝送路として用いたシステムに分布ラマン増幅を適用することを考慮しても、S−band伝送のラマン励起帯域の最短波長である1350〜1360nmでの分散値は2ps/nm/km以上となり、FWM発生を回避できる分散特性である。即ち、S−bandの最短波長1460nmを励起するラマン増幅のポンプ光信号の帯域は1350〜1360nmであるが、本ファイバのこの帯域で適度の分散2ps/nm/km程を有し、ポンプ光信号間のFWMを制御することができ、S−bandのラマン増幅が可能となる。C、L−band伝送のラマン励起帯域の分散値はいうまでもなく2ps/nm/km以上であるからこれらの図3の#1〜#3のNZ−DSFは、S、C、L−bandでの伝送において分布ラマン増幅が可能な分散特性となった。
【0031】
本発明の光ファイバは、S、C、L−band全ての帯域で分布ラマン増幅が可能となる分散特性を持つことが示された。しかし、S、C、L−band全てを一括でラマン増幅することは伝送帯域と励起帯域が重なってしまうため困難である。この問題を解決するために例えばSとC−bandに分布ラマン増幅器、L−bandに集中ラマン増幅器あるいはEDFAを併用することで全ての帯域をカバーできる。
【0032】
本発明の光ファイバを伝送路として用いて光通信システム構成を図5Aと図5Bに示す。図5Aの構成は、S−bandに分布ラマン増幅器、C−band及びL−bandにEDFAまたは集中ラマン増幅器を用いた例である。伝送帯域をS,C,L−band(1460nm〜1625nm)とすると、そのラマン励起帯域は1360nm〜1525nmである。本発明の光ファイバはラマン励起帯域で2〜7(ps/nm/km)の分散値を有し、FWMを制御できるのでS−bandを含む全ての伝送帯域について分布ラマン増幅が可能である。図5Bの構成は、S−band及びC−bandに分布ラマン増幅器を用い、L−bandにEDFA又は集中ラマン増幅器を用いた例である。
【0033】
図5Aにおいて、分波器501により光信号からC−band信号とL−band信号が分離され、それぞれEDFAのような集中型光増幅で増幅される。合波器504において増幅されたC−band信号とL−band信号は増幅器をバイパスした他の信号と合体される。NS−DSFファイバ505、S−bandラマン増幅用励起光源506A及び分波器から分布ラマン増幅器が構成され、S−band信号がラマン増幅される。分波器508、S−band用DCF(Dispersion Compensation Fiber:分散保証ファイバ)509と損失補償用光増幅器512、C−band用DCF510と損失補償用光増幅器513、L−band用DCF511と損失補償用光増幅器514;及び合波器515からなる分散補償部により、増幅された光信号における累積分散を補償している。
【0034】
図5Bに於いて、図5Aと同じ構成については同じ符号が付されている。C−bandとS−bandラマン増幅用励起光源506Bが設けられている。
【0035】
図5A、図5Bは分散補償部を示しているが、本発明の分散特性を有する光ファイバは累積分散が小さいから、短距離の光ファイバ伝送ラインの場合は分散補償部は不要である。その場合の図5Aの構成を変形した通信システム構成を図5Cに示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバ構造の1つのタイプ(4層コア)の屈折率プロファイルを示す図である。
【図2】本発明の光ファイバの他のタイプ(5層コア)屈折率プロファイルを示す図である。
【図3】本発明の試作された光ファイバ#1、#2、及び#3の特性を示す表である。
【図4】本発明の光ファイバ#1、#2及び#3の波長に対する分散特性を示す図である。
【図5A】本発明の光ファイバを用いて構成したWDM伝送システムの例の1を示す図である。
【図5B】本発明の光ファイバを用いて構成したWDM伝送システムの例の2を示す図である。
【図5C】本発明の光ファイバを用いて構成したWDM伝送システムの例の3を示す図である。
【符号の説明】
1〜5 コア
501,507,508 分波器
502,503 集中型光増幅器
504,515 合波器
505 NZ−DSF
506A,506B ラマン増幅用励起光源
509,510,511 DCF
512,513,514 損失補償用光増幅器

Claims (5)

  1. 波長1400〜1700nmにおいて、分散値Dが2≦D≦8(ps/nm/km)でありかつ、同波長帯域に波長分散が少なくとも1つの極値を持つ光ファイバにおいて、
    隣り合った層同士で組成の異なる多層のガラス層を持ち、これらのガラス層のうち、屈折率分布の基準となるクラッド層である基準層の内側に複数のコアガラス層が形成されている光ファイバであって、該光ファイバの最も内側に形成されている第1ガラス層、順に外側に向かって第2ガラス層、第3ガラス層、第4ガラス層の前記クラッド層の屈折率との比屈折率差をそれぞれΔ1、Δ2、Δ3、Δ4、とし、クラッド層の比屈折率差を0とすると、Δ1>Δ3>Δ4>0>Δ2であり、
    最も内側に形成されている第1ガラス層の基準層に対する比屈折率差Δ1が0.3〜0.7%であり、屈折率分布形状を表すα定数が4以上であって、第1ガラス層の直径が7.0〜10μmであることを特徴とした光ファイバ。
  2. 請求項1に記載した多層構造からなる光ファイバにおいて、内側から2層目に形成されている第2ガラス層の基準層に対する比屈折率差Δ2が−0.6〜−0.2%、1層目の直径に対する2層目の直径が1.2〜1.7倍であり、内側から3層目に形成されている第3ガラス層の基準層に対する比屈折率差Δ3が0.25〜0.5%、1層目の直径に対する3層目の直径が1.8〜2.2倍であって、かつ内側から4層目に形成されている第4ガラス層の基準層に対する比屈折率差Δ4が0.05〜0.2%、1層目の直径に対する4層目の直径が2.0〜2.5倍であることを特徴とした光ファイバ。
  3. 波長1310nmにおける分散値Dが−4≦D≦4 (ps/nm/km) である光ファイバにおいて、
    隣り合った層同士で組成の異なる多層のガラス層を持ち、これらのガラス層のうち、屈折率分布の基準となるクラッド層である基準層の内側に複数のコアガラス層が形成されている光ファイバであって、該光ファイバの最も内側に形成されている第1ガラス層、順に外側に向かって第2ガラス層、第3ガラス層、第4ガラス層、第5ガラス層の前記クラッド層の屈折率との比屈折率差をそれぞれΔ1、Δ2、Δ3、Δ4、Δ5とし、クラッド層の比屈折率差を0とすると、Δ1>Δ4>Δ5>0>Δ3>Δ2である光ファイバ。
  4. 請求項3に記載した多層構造からなる光ファイバにおいて、最も内側に形成されている第1ガラス層の基準層に対する比屈折率差Δ1が0.3〜0.7%であり、屈折率分布形状を表すα定数が4以上であって、直径125μmのファイバにしたとき、第1ガラス層の直径が6.5〜10μmであることを特徴とした光ファイバ。
  5. 請求項3に記載した多層構造からなる光ファイバにおいて、内側から2層目に形成されている第2ガラス層の基準層に対する比屈折率差Δ2が−0.6〜−0.2%、1層目の直径に対する2層目の直径が1.2〜1.7倍であり、内側から3層目に形成されている第3ガラス層の基準層に対する比屈折率差Δ3が−0.15〜−0.05%、1層目の直径に対する3層目の直径が1.8〜2.2倍であり、内側から4層目に形成されている第4ガラス層の基準層に対する比屈折率差Δ4が0.25〜0.65%、1層目の直径に対する4層目の直径が2.0〜2.5倍であって、かつ内側から5層目に形成されている第5ガラス層の基準層に対する比屈折率差Δ5が0.05〜0.50%、1層目の直径に対する5層目の直径が2.2〜3.0倍であることを特徴とした光ファイバ。
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