JP3960463B2 - リサイクル原料のサンプリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はリサイクル原料処理装置に関し、より特定すれば、リサイクル原料を処理する過程において、リサイクル原料を自動的にサンプリングするサンプリング装置に関する。
【0002】
近年、精錬、加工工程で発生する金属スクラップや使用済みの電子機器から取り出す金属を銅精錬などの原料として活用し、資源の有効活用と精錬事業のコスト削減を進めることが行われている。
【0003】
【従来の技術】
近年の銅精錬では、リサイクル原料が用いられる。リサイクル原料は例えば、金銀滓、電気部品屑、メッキ屑などである。このようなリサイクル原料は所定の大きさに切出され、自溶炉や転炉(PSコンバータ)に供給される。自溶炉には主に切出された粉状原料や塊状原料が供給され、転炉には塊状原料やメッキ屑が供給される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような銅精錬においては、切出されたリサイクル原料をサンプリングして、切出されたリサイクル原料の状態(品位)を定期的にチェックする必要がある。従来は、切出したリサイクル原料のサンプリングを人手で行っていた。つまり、スコップで切出されたリサイクル原料をすくったり、塊を手で拾い上げたりしてサンプリングをする。このようなサンプリング方法では、人間の手を介するため公平性に欠けると指摘される。
【0005】
従って、本発明は上記従来技術の問題点を解決し、原料を均一かつ自動でサンプリングできる公平性の高いリサイクル原料のサンプリング装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、リサイクル原料をより小さいサイズの所定量だけ切出して搬送する切出し手段を具備する原料処理装置において、前記切出し手段から切出されたリサイクル原料の一部を回収して搬送する第1の回収部と、該第1の回収部からリサイクル原料の一部を定期的に回収する第2の回収部とを有し、前記第1の回収部は、前記切出されたリサイクル原料を定期的により小さいサイズの所定量だけ更に切出す手段をし、前記第2の回収部は、定期的に所定方向に移動して前記第1の回収部の前記切出す手段からのリサイクル原料を回収する手段を具備することを特徴とする原料のサンプリング装置である。このように、2段階に分けて原料をサンプリングするため、原料を均一かつ自動でサンプリングすることができ、原料の品位を的確に把握することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1ないし図6は、本発明の一実施の形態によるリサイクル原料のサンプリング装置を備えたリサイクル原料処理装置を示す図である。図1は、サンプリング装置を備えたリサイクル原料処理装置の要部側面図、図2は平面図、図3ないし図6はそれぞれ、図2に示すA,B,C及びDから見た正面図である。
【0013】
リサイクル原料処理装置は、その基本構成として、受入れホッパー10、1次切出しフィーダ20、第1排出コンベア30及び第2排出コンベア40を具備する。このリサイクル原料処理装置に対して、サンプリング装置が備え付けられている。サンプリング装置は、第1の回収部として機能する2次切出しフィーダ50、及び第2の回収部として機能するサンプリングボックス装置60を具備する。
【0014】
まず、リサイクル原料処理装置の上記基本構成について説明する。
【0015】
受入れホッパー10は、4つの支軸で支持されている。図1には、2つの支軸81、82のみが図示されている。受入れホッパー10は、後述するリフト等のリサイクル原料搬送手段で搬送されて来たリサイクル原料を蓄積する。受入れホッパー10の底部は、1次切出しフィーダ20に連通している。リサイクル原料は例えば、金銀滓、電気部品屑、メッキ屑などである。金銀滓は例えば、低水分の粉状である。電気部品屑は例えば、ICチップ屑、基板屑、コンデンサー類、前処理品などである。メッキ屑は例えば、リードフレーム屑やメッキ打抜き屑などである。後述するように、リサイクル原料処理装置はリサイクル原料の種類に応じて、複数個の処理システムを具備することが好ましい。このような処理システムにおいては、図1〜図6は一系統の処理システムを示していると言える。
【0016】
1次切出しフィーダ20は、受入れホッパー10の下部に配置されたマルチスクリュー(図示を省略する)などの切出し手段27(図6参照)を有し、受入れホッパー10に蓄積されたリサイクル原料を所定量だけ切出す。所定量は例えば、リサイクル原料の切出し断面で定義できる。一例として、切出し部は、切出された各原料片が50〜150mm×1000mmの切出し断面を有するように、リサイクル原料を切出す。
【0017】
1次切出しフィーダ20は、所定の量に切出されたリサイクル原料を図2に示すX1軸方向に搬送する。図1に示すように、1次切出しフィーダ20は搬送ベルト21、2つのローラ22、23、ローラの軸に係合してこれを駆動するモータ25及びシュート26を有する。搬送ベルト21はフラットで、例えばSUSで形成されている。搬送ベルト21上の切出しリサイクル原料は、ローラ22上を通る際、搬送ベルト21のX1軸方向端部からシュート26を通って垂直に落下し、第1排出コンベア30に受け取られる。モータ25は、ギヤ等を介してローラ32と33のいずれかの軸を駆動する構成であっても良い。
【0018】
第1排出コンベア30は、搬送ベルト21から落下した切出しリサイクル原料を受け取り、1次切出しフィーダ20と直行するY1軸方向に、受け取った切出しリサイクル原料を搬送する。図5に示すように、第1排出コンベア30は、搬送ベルト31、2つのローラ32、33、シュート34及びローラの軸を駆動するモータ(図示を省略してある)を具備する。
【0019】
第2排出コンベア40は、第1排出コンベア30のY1軸方向端部から垂直に落下する切出しリサイクル原料を受け取り、X1軸方向に受け取った切出しリサイクル原料を搬送する。第2排出コンベア40は、切出しリサイクル原料を受け取る側が低くなるように傾斜配置されている。第2排出コンベア40で搬送された切出しリサイクル原料は、やがてその端部からヤードに向けて落下する。
【0020】
このような基本構成に対し、リサイクル原料をサンプリングするサンプリング装置が以下の通り設けられている。
【0021】
サンプリング装置は、リサイクル原料を2段階に分けて定期的かつ自動的にサンプリングする。前述したように、サンプリング装置は2次切出しフィーダ50とサンプリングボックス装置60とを有する。
【0022】
図1及び図2に示すように、2次切出しフィーダ50は回収ボックス51、ガイドレール52、カムフォロア53、エアーシリンダ54、及び搬送ベルト55を具備して構成されている。搬送ベルト55はX1−X2軸方向に位置決めされている。つまり、第1排出コンベア30と同じ方向に配置されている。
【0023】
回収ボックス51は、X1−X2軸方向に移動可能であり、1次切出しフィーダ20から落下してくる切出しリサイクル原料を、1次切出しフィーダ20の全方向全体にわたり取得する。この動作を可能とするため、2次切出しフィーダ20は、第1の排出コンベア30よりも高い位置に設けられている。
【0024】
図1に示す回収ボックス51の位置がホームポジションである。切出しリサイクル原料を取得する場合には、回収ボックス51は図1の矢印方向(X2軸方向)に移動し、シュート26の真下かつ第2排出コンベア40の真上に位置する。この位置をサンプリング位置として、図1の参照番号51aで示す。回収ボックス51のY1−Y2方向の幅は、1次切出しフィーダ20の幅よりも若干長い。これは、1次切出しフィーダ20からシュート26を通って落下する切出しリサイクル原料を、その幅方向全体に亘り取得可能とするためである。このようにして取得した切出しリサイクル原料を、1次サンプリング原料と言う。
【0025】
回収ボックス51は、複数のカムフォロア53を介してガイドレール52に係合しており、X1−X2軸方向に摺動可能である。回収ボックス51は、エアーシリンダ54に結合している。回収ボックス51は、このエアーシリンダ54の作用でX1−X2軸方向に往復運動することができる。
【0026】
回収ボックス51は例えば、30秒に1回サンプリング動作を行ない、3秒間だけサンプリング位置51aに留まる。つまり、回収ボックス51は1分間に6秒間だけサンプリング位置51aに留まり、切出しリサイクル原料をサンプリングする。
【0027】
回収ボックス51の下部には、マルチスクリュー(図示を省略する)などの切出し手段(図示を省略する)が設けられている。切出し手段は、既に1次切出しフィーダ20で切出されたリサイクル原料を更に切出す。切出しサイズは例えば、100mmx150mmである。
【0028】
このようにして切出されたリサイクル原料は搬送ベルト55でY1軸方向に搬送され、第2排出コンベア40に排出されるか、又は以下に説明するサンプリングボックス装置60でサンプリングされる。サンプリングボックス装置60は、2次切出しフィーダ50と一直線状に配置され、定期的に2次切出しフィーダ50から排出される切出しサンプリング原料をサンプリングする。
【0029】
図2及び図4に示すように、サンプリングボックス装置60は、サンプリングボックス61、ガイドレール62及びエアーシリンダ63を有する。サンプリングボックス61は、図示を省略するカムフォロアを介して、ガイドレール62に摺動可能に係合している。エアーシリンダ63はサンプリングボックス61に結合しており、Y1−Y2軸方向に往復運動することができる。
【0030】
サンプリングボックス61は、図2及び図4に示すホームポジションから、参照番号61aに示すサンプリングポジション61aに、定期的に移動する。サンプリングポジション61aにおいて、サンプリングボックス61は、シュート56の真下、かつ第2排出コンベア40の真上に位置する。サンプリングボックス61は、サンプリングポジション61aにおいて、2次切出しフィーダ55からシュート56を通って排出される切出しリサイクル原料を取得する。
【0031】
サンプリングボックス61は例えば、30秒に1回サンプリング動作を行ない、3秒間だけサンプリング位置61aに留まる。つまり、サンプリングボックス61は1分間に6秒間だけサンプリング位置61aに留まり、切出しリサイクル原料をサンプリングする。
【0032】
図4に示す作業台70上のオペレータは、サンプリングされたリサイクル原料をサンプリングボックス61から取り出し、サンプリング状態を目視で検査することができる。
【0033】
このように、本実施の形態によるサンプリング装置によれば、切出されたリサイクル原料を2段階に分けて自動的かつ定期的にサンプリングすることができるため、均一なサンプリングが可能であり、サンプリングの公平性が高い。従って切出されたリサイクル原料の品位を的確に把握することができる。
【0034】
第1のサンプリングは2次切出しフィーダ50を用いたサンプリングで、第2のサンプリングはサンプリングボックス装置60を用いたサンプリングである。サンプリング動作に着目すれば、2次切出しフィーダ50は1次サンプリング装置(第1の回収部)として機能し、サンプリングボックス装置60は2次サンプリング装置(第2の回収部)として機能する。第1及び第2サンプリング装置はそれぞれ30秒に3秒のサンプリング動作を行う、つまりサンプリング対象の1/10をサンプリングする。従って、第1及び第2サンプリング装置全体では、サンプリング対象であるリサイクル原料の1/100がサンプリングされる。
【0035】
仮に、一度に1/100をサンプリングしてしまうと、サンプリングに片寄りが生じてしまう可能性がある。2段階のサンプリング動作はこのような問題点を持たない。
【0036】
サンプリング周期は、エアーシリンダ54及び63の動作周期を調整することで任意に設定することができる。例えば、リサイクル原料の種類に応じて、適切なサンプリング周期を設定することができる。エアーシリンダ54及び63の動作周期は、これらのアクチュエータを制御するCPUの動作パラメータを変更することで調整することができる。2次切出しフィーダ50とサンプリングボックス装置60のサンプリング周期は同一である必要はなく、異なっていても良い。
【0037】
なお、上記構成では、第2切出しフィーダ50は切出し手段を具備していたが、サンプリング装置を構成する必須の構成要素ではなく、省略しても良い。
【0038】
図7及び図8は、本発明の第2の実施の形態を示す図である。より特定すれば、図7は本発明の第2の実施の形態によるサンプリング装置を備えたリサイクル原料処理装置の平面図、及び図8は同装置の右側面図である。
【0039】
本発明の第2の実施の形態は、図1〜図6に示すサンプリング装置を備えたリサイクル原料処理装置を2つ具備することを特徴とする。換言すれば、図7及び図8に示すリサイクル原料処理装置は、2系統のリサイクル処理システムを備える。図7及び図8において、図1〜図6に示す構成要素と同一のものには同一の参照番号にA及びBの記号を加えた符号を用いている。符号AとBはそれぞれ、上記2系統のリサイクル処理システムを意味している。
【0040】
第1のリサイクル処理システムは、受入れホッパー10A、1次切出しフィーダ20A、第1排出コンベア30A、第2排出コンベア40A、2次切出しフィーダ50A、サンプリングボックス装置60A及び作業台70Aを具備する。同様に、第2のリサイクル処理システムは、受入れホッパー10B、1次切出しフィーダ20B、第1排出コンベア30B、第2排出コンベア40B、2次切出しフィーダ50B、サンプリングボックス装置60B及び作業台70Bを具備する。第1の受入れホッパー10Aには、2つのタンブルリフト91A及び92Aが備え付けられ、ドラム缶に収容されているリサイクル原料が受入れホッパー10A内に供給される。同様に、第2の受入れホッパー10Bには、2つのタンブルリフト91B及び92Bが備え付けられ、ドラム缶に収容されているリサイクル原料が受入れホッパー10B内に供給される。
【0041】
第1及び第2のリサイクルシステム10A、10Bは、異なる種類のリサイクル原料を処理する。例えば、第1のリサイクルシステム10Aは塊状のリサイクル原料を処理し、第2のリサイクルシステム10Bは粉状のリサイクル原料を処理する。
【0042】
第1のリサイクルシステム10Aが処理するリサイクル原料は、例えばICチップ屑、基板屑、コンデンサー類、前処理品などの塊状原料である電気部品屑である。また、リードフレーム屑や塊状のメッキ打ち抜き屑などのメッキ屑である。これらのリサイクル原料は2段階のサンプリング工程を経て、サンプリングボックス装置60Aでサンプリングされる。切出されたサンプリング原料は、転炉に供給される。
【0043】
また、第2のリサイクルシステム10Bが処理するリサイクル原料は、例えば低水分の粉状の金銀滓である。このリサイクル原料は2段階のサンプリング工程を経て、サンプリングボックス装置60Bでサンプリングされる。切出されたサンプリング原料は、自溶炉に供給される。
【0044】
このように、本発明のサンプリング装置を異なる処理システム毎に設けることで、各処理システム毎に、切出されたサンプリング原料を均一にサンプリングすることができる。従って、サンプリングの公平性は極めて高く、原料品位を的確に把握することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、2段階に分けて原料をサンプリングするため、原料を均一かつ自動でサンプリングすることができ、原料の品位を的確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による原料のサンプリング装置を備えた原料処理装置の側面図である。
【図2】図1に示す装置の平面図である。
【図3】図1の位置Aから見た装置の正面図である。
【図4】図1の位置Bから見た装置の正面図である。
【図5】図1の位置Cから見た装置の正面図である。
【図6】図1の位置Dから見た装置の正面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態による原料のサンプリング装置を備えた原料処理装置の平面図である。
【図8】図7に示す装置の右側面図である。
【符号の説明】
10 受入れホッパー
20 1次切出しフィーダ
30 第1排出コンベア
40 第2排出コンベア
50 2次切出しフィーダ(第1の回収部)
60 サンプリングボックス装置(第2の回収部)
Claims (1)
- リサイクル原料をより小さいサイズの所定量だけ切出して搬送する切出し手段を具備する原料処理装置において、
前記切出し手段から切出されたリサイクル原料の一部を回収して搬送する第1の回収部と、
該第1の回収部からリサイクル原料の一部を定期的に回収する第2の回収部とを有し、
前記第1の回収部は、定期的に所定方向に移動して前記切出されたリサイクル原料をより小さいサイズの所定量だけ更に切出す手段を具備し、
前記第2の回収部は、定期的に所定方向に移動して前記第1の回収部の前記切出す手段からのリサイクル原料を回収する手段を具備することを特徴とする原料のサンプリング装置。
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