JP3960075B2 - 吊り下げパウチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液状物や流動状(粉)等の粘稠体を充填するパウチに関し、特にボトル等に詰め替える必要がなく、パウチからそのまま直接取り出せる粘稠体等のの吊り下げパウチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、石鹸等に替わるボディシャンプーや洗剤等の液状物や流動状の粘稠体を充填して、基のボトルに入った洗剤等が無くなった場合の予備として樹脂シートを袋状に形成した詰替用スタンディングパウチ等が知られている。すなわち、ボトルに入った洗剤等は買い替えの際に値段も高く、しかも空いたボトルを一回毎に捨てることは環境問題にも影響する。そこでボトルを複数回使用する等、節約と資源の無駄を省くために、近年詰替用パウチが数多く市販されている。
【0003】
例えば、一例を示すならば図3に示すように、四方をヒートシールしたスタンディングパウチ(30)の場合、天部の一部分に凹部(35)を形成しその側端部に内容物の注出口(33)と所定の位置にノッチ部(34)を設けて詰替用パウチとして市販されている。そして使用する際は、注出口(33)のノッチ部(34)を切断してこの箇所からボトル等の容器に詰め替える。しかしながら、これらのパウチは詰替用であり、スタンディングパウチからそのまま内容物を取り出して使用することは定量機能がないために難しかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、従来の詰替用のパウチはボトルへの詰替に手間がかかる等の問題があり、しかもノッチ部を切り取り、容器であるボトルに詰め替えをしないと一回分の所定の量の内容物を取り出す容器として使用することは難しかつた。
そこで本発明は上記の問題を解決するために、パウチに好みの量を取り出せる定量機能を持たせ、かつボトルに詰め替えしなくともその都度直接使用可能で、しかも安価に製造できる吊り下げパウチを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の請求項1に係る発明は、方形状の樹脂シートの四方周辺と、その四方周辺より内側の下方部分とにヒートシール等によりシール部(11)を形成して密封することにより、この四方周辺シール部(11)より内側に底辺を斜めに傾斜させた粘稠体の収納部(12)を形成し、その収納部(12)の傾斜する底辺の下方端の角部と連結部(15)を介して、その四方周辺シール部のうち下部シール部(11)に沿って横方向に、先端を細くした注出管(13)を形成してなるパウチ(10)であって、前記パウチの四方周辺のシール部(11)のうち少なくとも前記四方周辺に形成したシール部(11)の天部シール部の中央部と、天部シール部と注出管先端方向の側部シール部とに挟まれた角部と、注出管先端方向の前記側部シール部の中央近傍とに各々吊り下げ孔(17)を設け、前記収納部(12)内の粘稠体の残量に合わせて吊り下げ位置を変えて、内容物が注出管(13)の出口から流れ出ないようにしたことを特徴とする吊り下げパウチである。
【0006】
本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る吊り下げパウチにおいて、前記収納部(12)と注出管(13)との連結部(15)に、一乃至二箇所の幅を狭くした流路箇所を設けたことを特徴とする吊り下げパウチである。
【0007】
本発明の請求項3に係る発明は、上記請求項1又は2に係る吊り下げパウチにおいて、前記注出管(13)の細くした前記先端が掛かるように、前記四方周辺に形成したシール部(11)の下方角部にノッチ部(14)を設けたことを特徴とする吊り下げパウチである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の吊り下げパウチは、方形状の樹脂シートの四方をヒートシール等により密封し、この中央部分に粘稠体の収納部(12)と、その下方に収納部と連結させて先端を細くした注出管(13)を横方向に形成してなるパウチ(10)であって、前記パウチ周辺のシール部(11)の複数箇所に吊り下げ孔(17)を設けたことを特徴とするものである。これは収納部(12)に充填した粘稠体等の内容物の残量に合わせて吊り下げ位置を変えて内容物が注出管(13)の出口から流れ出ないようにしたものである。
【0010】
図に基づき本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施例における吊り下げパウチの一例を示す説明図であり、また、図2は、本発明の実施例における吊り下げパウチの吊り下げ位置を変えることにより、注出管の出口位置の変化を示す説明図である。
【0011】
【実施例】
図1に示すように、本発明の吊り下げパウチは、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、あるいはこれらの蒸着フィルム、或いはこれらの積層体からなる方形状の樹脂シートの四方をヒートシール等により密封して、この中央部分に底辺を斜めに傾斜させた粘稠体の収納部(12)を設け、その下方の収納部(12)角部と連結させて先端を細くした注出管(13)を横方向に形成してなるパウチ(10)である。また、このパウチ周辺のシール部(11)の複数箇所に吊り下げ孔(17)を設けたことを特徴とするものである。この吊り下げ孔は、図に示すように、少なくとも天部中央部のシール部の吊り下げ孔(17)と、一方のシール部(図の右端)角部の吊り下げ孔(17a)と、一方のシール部側辺部の中央近傍に吊り下げ孔(17b)を設けたものである。
【0012】
このように複数個の吊り下げ孔(17,17a,17b)を設けることは、収納部(12)に充填した粘稠体等の内容物の残量に合わせてそれぞれの吊り下げ孔の使用する位置を変えることにより、内容物が注出管(13)の出口(13a)から流れ出ないようにしたものである。
【0013】
また、前記収納部(12)と注出管(13)との連結部(15)の流路は幅狭にして内容物が下方の注出管に流れる圧力を弱くするためのものである。このため流路は、一箇所だけでなく二箇所の幅を狭くした流路箇所を設けてもよい。
【0014】
また、前記収納部(12)と連結部(15)を介して下方に向かって横方向に注出管(13)を設けたもので、この先端を細くしてパイプ管形状としたものである。この注出管の形成はエンボス成形も可能で、エンボス成形によりパイプ管形状も容易となり、また、この注出管(13)のパイプ管部分に目盛り等を設けることも可能となる。さらに、細くした注出管(13)の出口(13a)先端が掛かるようにシール部(11)下方角部にノッチ部(14)を設けることで、この部分を切断した際に、内容物を取り出す出口(13a)を形成することができる。
【0015】
次に、この吊り下げ孔(17,17a,17b)を複数個設けることは、収納部(12)に充填した粘稠体等の内容物の残量に合わせて吊り下げ位置を変えることにより、内容物が注出管(13)の出口(13a)から流れ出ないようにしたものである。すなわち、内容物の液面レベルを調整するように吊り下げ孔の使用する位置を変えることにより、注出管(13)の出口(13a)の位置を徐々に上方に向かうようにすることにより、出口(13a)を閉めることなく内容物は流れ出ないようにしたもので、また、吊り下げることにより内容物が下方に集まり最後まで使用できる。従って、図2(A)に示すように、この吊り下げパウチを使用する場合は、天部中央の吊り下げ孔(17)を使って吊り下げノッチ部を切断して注出管の出口(13a)を設け、この注出管を指で挟んで横方向に絞り所定の量(好みの量)の内容物を絞り出す。次に図2(B)に示すように、内容物が多い場合は圧力が高いので側辺のシール部に設けた吊り下げ孔(17b)を用いることにより、注出管の出口も上方に向いて内容物が出口から流れ出ることはない。内容物を所定の量だけ取り出す場合は、前記同様に指で注出管を挟んで好みの量絞り出す。さらに、図2(C)に示すように、内容物が減ってきた場合には、吊り下げ孔(17a)を使用すると良い。尚、これは限定するものではなく、吊り下げ孔の使用する位置は内容物が流れ出なければよいので、内容物を好みの量絞り出し易い位置の吊り下げ孔を使用することが好ましい。
【0016】
本発明の吊り下げパウチを従来のスタンディングパウチやボトルとの対比表を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
表1に示すように、本発明の吊り下げパウチは、詰替用スタンディングパウチや勿論ボトル容器に比較して安価に、そして容易に加工することができ、しかもボトル容器同様に定量機能を備えている。
【0019】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
すなわち、本発明の吊り下げパウチは、内容物の残量に合わせて吊り下げ位置を変えることで注出管の出口から流れ出ないように吊り下げ孔を複数個設けたものであり、また内容物を充填する収納部と注出管を繋ぐ連結部の流路を狭くして内容物が少ししずつ注出管に流れるようにしたものである。従って、この吊り下げパウチは、ボトル等に詰め替えることなく直接内容物を取り出せるもので、注出管を絞るようにすることで任意の量(好みの量)を取り出すことができる。
さらに、このパウチは吊り下げることで内容物が下方に集まり、最後の一滴まで取り出し使用することができる等の種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における吊り下げパウチの一例を示す説明図である。
【図2】本発明の実施例における吊り下げパウチの吊り下げ位置を変えることにより、注出管の出口位置の変化を示すもので、(A)は天部中央の吊り下げ孔を使用した場合であり、(B)はパウチの一方の角部の吊り下げ孔を使用した場合で、(C)は側辺のシール部に設けた吊り下げ孔を用いた場合の説明図である。
【図3】従来の詰替用パウチの一例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
10……吊り下げパウチ
11……シール部
12……内容物の収納部
13……注出管
13a…注出管の出口
14……ノッチ部
15……連結部
17,17a,17b…吊り下げ孔
30……スタンディングパウチ
31……シール部
32……孔
33……注出口
34……ノッチ部
35……凹部
Claims (3)
- 方形状の樹脂シートの四方周辺と、その四方周辺より内側の下方部分とにヒートシール等によりシール部(11)を形成して密封することにより、この四方周辺シール部(11)より内側に底辺を斜めに傾斜させた粘稠体の収納部(12)を形成し、その収納部(12)の傾斜する底辺の下方端の角部と連結部(15)を介して、その四方周辺シール部のうち下部シール部(11)に沿って横方向に、先端を細くした注出管(13)を形成してなるパウチ(10)であって、前記パウチの四方周辺のシール部(11)のうち少なくとも前記四方周辺に形成したシール部(11)の天部シール部の中央部と、天部シール部と注出管先端方向の側部シール部とに挟まれた角部と、注出管先端方向の前記側部シール部の中央近傍とに各々吊り下げ孔(17)を設け、前記収納部(12)内の粘稠体の残量に合わせて吊り下げ位置を変えて、内容物が注出管(13)の出口から流れ出ないようにしたことを特徴とする吊り下げパウチ。
- 前記収納部(12)と注出管(13)との連結部(15)に、一乃至二箇所の幅を狭くした流路箇所を設けたことを特徴とする請求項1記載の吊り下げパウチ。
- 前記注出管(13)の細くした前記先端が掛かるように、前記四方周辺に形成したシール部(11)の下方角部にノッチ部(14)を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の吊り下げパウチ。
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