JP3959940B2 - メタルハライドランプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高輝度放電ランプ、特に、セラミック製の放電容器を持つDC型のメタルハライドランプに関連する。
【0002】
【従来の技術】
既存のAC型のメタルハライドランプおよびバラストのシステムには以下の欠点がある。
(a)米国特許第4,910,432号および4,935,668号とヨーロッパ特許公開公報第0,587,238A1とに開示されているように、石英およびセラミック製の放電容器を含むAC型のメタルハライドランプは、正負両極のサイクル中に平衡に保たれる同質の複数の電極を持つ。DC型のメタルハライドランプは、点灯用に最適化される設計による独自の陽極および陰極を有する。これは、ほぼ同じ演色評価数(CRI)および比較しうる類似性の相関色温度(CCT)を有するAC型のメタルハライドランプと比べたとき、DC型のメタルハライドランプに対する初期効率をより高くする(図4参照)。
(b)メタルハライドランプを従来の磁気バラストで点灯させると、初期ウォームアップおよび定常状態の点灯中に高い再点火電圧が生じる。ランプ電圧に対する再点火電圧の比が2以上になると、従来のランプ電源で点灯しているメタルハライドランプでは、立ち消えが起こる。
(c)AC型の電子バラストにはフルブリッジインバータが必要である。このため、部品コストが約25%増えるだけでなく、DC型の電子バラストに比べ回路がより複雑になる。
【0003】
石英製の放電容器を持つDC型(以下、DC石英型と呼ぶ)である既存のメタルハライドランプには以下の欠点がある。なお、DC石英型に対し、石英製の放電容器を持つAC型をAC石英型と呼ぶ。
(a)一般照明用のDC石英型のメタルハライドランプは、垂直点灯のいわゆる点灯位置のみに限定される。さらに、性能最適化のため、点灯中は陽極を下にしなければならない。もし陰極を下にすれば、プラズマ内の異なるエミッタが分離し、アークに色むらが生じるのが目に見えて分かるようになってしまう。実際的見地から、アーク管は、いわゆるベースアップおよびベースダウンでの使用に対して外管内に違えて格納されなければならない。DC石英型のメタルハライドランプは、垂直点灯の点灯位置で、AC石英型のメタルハライドランプに比べ、高効率および比較しうる類似の光束寿命(lumen maintenance) の特性を示すが、AC石英型のメタルハライドランプに対して共通である全点灯位置対応という利点に欠ける。
(b)赤外線反射膜がAC石英型のメタルハライドランプに必要となることは、当業者によく知られている。DC石英型のメタルハライドランプでは、垂直点灯のために陽極が下にされる。陽極の先端温度が点灯中に陰極のそれよりも高くなるので、DC石英型のメタルハライドランプの冷点温度は、端子かん(end bell)に赤外線反射膜を持たずに、所望の性能にとり十分高くなる。DC型のアーク管から放射された光は、赤外線反射膜で部分的に妨げられることがない。また、このことがDC石英型のメタルハライドランプのスループットを増加させる。
(c)多くの商品化されている石英製のアーク管は、充填物のひとつとしてヨウ化ナトリウムを含んでいる。ナトリウムは石英製の管壁を通じて移動する。NaIからナトリウム原子が失われて、分離したヨウ素がアーク管内で水銀と結合して、HgI2 となるために、始動が遅れたり、メタルハライドランプの色が変化したりする。アーク管がDC電源で駆動される間にNaが失われるのを防ぐ方法のひとつは、ガラススリーブをアーク管に対して電位が正となる点に接続することである。この方法では、米国特許第4,281,274号に開示されているように、ガラススリーブが紫外線光を遮断し、光電子からアーク管を保護するために、ナトリウムが失われない。しかしながら、ガラススリーブへの電子バイアスは、マウント構造およびバラスト回路設計を複雑にしてしまう。石英を使った場合とは対照的に、アルミナ製のアーク管ではアルミナ壁を通じたナトリウムの移動はほんのわずかである。セラミック製のアーク管ではNaの減少メカニズムが働かないので、セラミック製の放電容器を持つDC型(以下、DCセラミック型と呼ぶ)のメタルハライドランプでは、始動時の色の広がりが減少し、ランプ寿命全般で色の安定性が向上する。
(d)その陽極封止領域では、同じ長さのAC電極用のモリブデン箔/石英シールの限界温度を超えることがある。陽極プレス封止領域の石英シールに封着したモリブデン箔の温度は、その陽極と同じ長さを持つAC電極のプレス封止領域の温度よりもはるかに高いと予想される。適切な陽極の設計で、陽極の封止温度を石英―モリブデンシールに合うように下げることができる。しかし、そうすると比較的低い電流値での点灯に限られるため、DC石英型のメタルハライドランプは低電力の一般照明にしか適さなくなる。
(e)陽極と陰極との形状が非対称であるため、100W以上のランプ電力に対しては、陽極および陰極の封止用に異なるピッチのシールの設定および処理がその封止の質を確保するのに必要となる。これは、ランプ製造に対するコストを上昇させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
市場にある最も多くのDC型のメタルハライドランプは、米国特許第5,291,100号および第5,144,201号に開示されているように、プロジェクタ、車のヘッドランプ、光ファイバ照明などに使用される短アーク型である。現在までのところ、一般照明用のメタルハライドランプの大多数は、AC電源で駆動されている。電子バラストのコスト削減と照明系の効率改善に関する絶え間ない努力とに対する不変の要請のため、石英製の発光管(エンベロープ)を持つDC型、つまりDC石英型で低電力のメタルハライドランプが米国特許第4,281,274号に開示されているようにしばらく市場に存在している。
【0005】
しかしながら、市場にある現在のDC石英型のメタルハライドランプは、垂直点灯(±45°)の点灯位置に限定される。DC石英型のメタルハライドランプ、特にアーク管形式のものを水平位置で点灯させると、上方へのアーク膨出度が著しく増し、好ましくない熱点が部分的に生じ、その結果、相関色温度の著しい変動、ひいてはランプ寿命の短縮が引き起こされる。
【0006】
本発明の目的は、セラミック製の放電容器を持つDC型、つまりDCセラミック型であって、一般照明用途に使用可能で全点灯位置に対応可能なメタルハライドランプを提供することである。本発明に関しては、陰極側に金属製の熱シールドを用いたDCセラミック型のメタルハライドランプが全点灯位置対応用に適している。また、本発明によるDCセラミック型のメタルハライドランプは、AC点灯型の同種ランプに比べて優れた性能を示す。さらに、DC電子バラストではフルブリッジインバータが不要なので、電子バラストの部品コストを約25%削減することができる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、DC電流で駆動するメタルハライドランプであって、水銀、希ガスおよび金属ハロゲン化物を内部に有するセラミック製のアーク管を備え、このアーク管は陽極および陰極で封止されて発光管を形成し、この発光管は、少なくとも一つの金属製の熱シールドを前記アーク管の陰極側に有して成る。ここで、少なくとも一つの金属製の熱シールドを前記アーク管の陰極側に設けるのは、全ての点灯位置に対応するようにするためである。また、前記熱シールドは、モリブデン、ニッケル、ニオブ、コバールからなる群から選択される材料により箱状に形成され、前記アーク管の陰極側の端部に配置される。ここで、当該箱状の熱シールドの高さは、前記アーク管内における陰極の位置および金属ハロゲン化物の成分組成を基に調節されるべきものである。さらに、前記熱シールドは、前記アーク管の封止箇所から延びるセラミック製の細管の基部を囲む金属箔管をさらに備えて、前記陰極の端部に対して熱を保持する。ここで、前記陰極の端部に対して熱を保持することにより、前記陽極が下になる点灯位置のときに当該メタルハライドランプの動作可能領域において冷点温度を上昇させるようにする。これにより、当該メタルハライドランプの冷点温度の変化が、種々の点灯位置に対するACセラミック型のメタルハライドランプに等しくなる
【0010】
請求項記載の発明は、請求項記載のメタルハライドランプにおいて、前記陽極は先端が球状になったタングステン製であり、前記陰極はトリウムタングステン製のロッドおよびこのロッドに巻き回されたタングステン製のコイルにより形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項記載の発明は、請求項記載のメタルハライドランプにおいて、前記アーク管の外側に箔材が接続され、この箔材はモリブデン、ニッケル、ニオブ、コバール、タンタルおよび高温環境で使用可能な金属材料からなる群から選択されることを特徴とする。
【0012】
請求項記載の発明は、請求項記載のメタルハライドランプにおいて、前記熱シールドは前記陽極および陰極の両側に設けられることを特徴とする。
【0013】
請求項記載の発明は、請求項記載のメタルハライドランプにおいて、前記アーク管の陽極側の封止箇所から延びるセラミック製の細管を囲む金属管をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
請求項記載の発明は、請求項1記載のメタルハライドランプにおいて、前記アーク管は樽形であることを特徴とする。
【0015】
請求項記載の発明は、請求項1記載のメタルハライドランプにおいて、前記DC電流用のDC型の電子バラストをさらに備えることを特徴とする。
【0016】
請求項記載の発明は、DC電流で駆動するメタルハライドランプであって、水銀、希ガスおよび金属ハロゲン化物を内部に有するセラミック製で円筒状のアーク管を備え、このアーク管は陽極および陰極で封止されて発光管を形成し、この発光管は、少なくとも1つの金属製の熱シールドを前記アーク管の陰極側に有し、前記熱シールドは、モリブデン、ニッケル、ニオブ、コバールからなる群から選択される材料により箱状に形成され、前記アーク管の陰極側の端部に配置され、前記熱シールドは、前記アーク管の封止箇所から延びるセラミック製の細管の基部を囲む金属箔管をさらに備えて、前記陰極の端部に対して熱を保持し、前記陽極は先端が球状になったタングステン製であり、前記陰極はトリウムタングステン製のロッドおよびこのロッドに巻き回されたタングステン製のコイルにより形成されることを特徴とする。
【0018】
請求項記載の発明は、請求項記載のメタルハライドランプにおいて、前記アーク管は、円筒状、楕円球状、球状またはこれらの組合せであって円柱の中央部が膨出した形状に形成されていることを特徴とする。
【0019】
ここで、本発明では、例えば、セラミック製の放電容器において、陰極と陽極とが設けられ、放電スペースが具備され、ハロゲン化物および水銀の充填物が収納され、そして、特に金属製の熱シールドが異なる点灯位置で同等の冷点温度に維持するために陰極側に付加される。
【0020】
以下、本発明の概要を説明すると、本発明の第一の目的は、DC石英型のメタルハライドランプの欠点を克服したDCセラミック型のメタルハライドランプを提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、全点灯位置対応のような、低電力でAC型のメタルハライドランプの特性を備え、AC点灯の欠点を克服したDC型のメタルハライドランプを提供することである。
【0022】
本発明のさらに別の目的は、DC型の電子バラストで動作する低電力のメタルハライドランプを提供し、全体のコストを十分に引き下げることである。
【0023】
本発明のさらに別の目的は、全点灯位置対応および種々の相関色温度並びに種々の化学用のDCセラミック型のメタルハライドランプの設計特性を提供することである。
【0024】
これらの目的は、本発明によるセラミック製のアーク管、より好ましくはこれに限定されるものではないが樽状でセラミック製のアーク管を持つメタルハライドランプによって達成されるものである。アーク管には2つの電極が封止され、これら電極の一方は球状の先端を持つタングステン陽極であり、他方はロッドおよび巻きコイルを持つトリウムタングステン陰極である。アーク管には、一定量の希ガス、水銀および希土類物質が充填される。
【0025】
放射された電子の冷却効果のため、陰極を下にして点灯させたメタルハライドランプの冷点温度は、陽極を下にした場合より低い。冷点温度の低下を補うために、アーク管の陰極側にモリブデンまたはニオビウム箔の熱シールドを取り付ける。この方法では、赤外線放射がアーク管に再反射されて、アーク管本体の陰極側端部での熱損失が大幅に減少する。つまり、このアーク管は、種々の点灯位置で同等の冷点温度に維持するのである。
【0026】
本発明は、あらゆるAC型のメタルハライドランプ/バラストのシステムとDC石英型のメタルハライドランプ/バラストのシステムとに亘る数々の利点を提供する。
(a)本発明のDCセラミック型のメタルハライドランプは、ユニークな球状の陽極とコイルが巻かれたロッドの陰極とを有している。両電極は、DC点灯用に最適化されている。この全体的なランプ性能は、セラミック製の放電容器を持つAC型、つまりACセラミック型のメタルハライドランプよりも相対的に優れていることが示された。
(b)金属製の熱シールドは熱保持のために陰極側に特別に付加される。この熱シールドは、点灯位置の変化による冷点温度の変動を最小限に抑える。DCセラミック型のメタルハライドランプは、金属製の熱シールドを持たないと、種々の点灯位置に対して大幅な色温度変化をみせる。
(c)陰極側に金属製の熱シールドを持つDCセラミック型のメタルハライドランプは全点灯位置対応のすべての条件を満たす。しかし、金属製の熱シールドを設けるのは陰極側に限定されるものではない。陽極の設計および封止配置が変化すれば、陽極側の細管に金属製で管状の熱シールドを設けて、全点灯位置対応用とすることもある。
(d)アルミナ製のアーク管壁を通じてのナトリウムの移動はごく僅かである。アルミナはタングステンに殆ど溶け込むことがないので、希土類元素とアルミナの反応は自己制限される。したがって、充填されている金属の損失が最小限に抑えられる。Naおよびその他の金属の損失メカニズムが抑制されることで、ハロゲン化物の組成が一定に保たれ、その結果、始動時の色の広がりが小さくなるとともに、セラミック製のアーク管で寿命全般にわたり極めて良好な色安定性が得られる。
(e)DCセラミック型のメタルハライドランプはDC石英型のメタルハライドランプに比べてはるかにコンパクトな形状である。DCセラミック型のメタルハライドランプのアーク長は、DC石英型のメタルハライドランプのアーク長より短い。DCセラミック型のメタルハライドランプの場合、陰極を下にして点灯させたときも、目に見える色分離はない。これに対して、DC石英型のメタルハライドランプの場合、陰極を下にして点灯すると、アーク内で目に見える色分離が起こることが多い。
(f)放電容器の冷点領域は電極の背後に位置するため、その領域を覆う金属製の熱シールドは放射される可視光のほんの一部を遮るだけである。しかし、熱シールドを持つDCセラミック型のメタルハライドランプの全体的な効率は、それと同等のACセラミック型のメタルハライドランプより高い。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の目的は、DC型の電子バラストで駆動されるセラミック製の容器を持つ高圧放電のメタルハライドランプを提供することである。以下、このメタルハライドランプの実施形態について説明する。
【0028】
本実施形態のメタルハライドランプは、全ての点灯位置に対応可能であり、同仕様のAC型に比べて高性能である。図1に示すように、放電容器は、球状端1を有するタングステン製の陽極と、ロッドおよび巻きコイル2を持つトリウムタングステン製の陰極とを備えている。
【0029】
陽極のロッドの直径は0.50〜0.65mm、タングステン製の球状端1の直径は0.95〜1.10mm、タングステン製の陽極の長さは3.0〜3.5mmである。タングステン製の陽極は、直径0.55〜0.70mmの耐ハロゲン性の金属ワイヤ3に溶接される。次に、金属線3のもう一端は直径0.95〜1.15mmのニオブ製のワイヤ4に溶接される。
【0030】
陰極のロッドの直径は0.33〜0.38mm、陰極の先端部の直径は0.75〜0.85mm、トリウムタングステン製の陰極の長さは3.0〜3.5mmである。トリウムタングステン製の陰極は、直径0.35〜0.40mmの耐ハロゲン性の金属ワイヤ5に溶接される。次に、金属ワイヤ5のもう一端が、直径0.90〜0.95mmのニオブ製のワイヤ6に溶接される。
【0031】
セラミック製の放電容器、すなわちアーク管7は樽形である。望ましいのは樽形であるが、本発明は特定の形状に限定されるものではない。放電容器の中央部の直径は11.5〜12.5mm、小径部の直径は6.0〜6.8mmである。各小径部の長さは、大径部の長さの約25〜30%である。各封止領域から延びる細管の外径は、陰極側が3.0〜3.4mm、陽極側が3.4〜3.8mmである。放電容器の壁厚は1.0〜1.1mmである。放電容器内には、100〜140torrの範囲内の希ガス、6.0〜6.8mgの水銀、および5.0〜6.5mgの希土類物質が充填される。
【0032】
放射された電子の冷却効果のため、陰極を下にした点灯時の冷点温度は、陽極を下にした点灯時のそれよりも低くなる。冷点温度の低下を補償するために、金属箔により成る箱状の熱シールド8と金属製で管状の熱シールド9をアーク管の陰極側に設ける。この結果、赤外線放射はアーク管に再反射され、陰極側のアーク管本体の端部の熱損失が大幅に抑制される。熱シールドの材料には、モリブデン、ニッケル、ニオブ、コバール(kovar) およびその他の比較的高温領域での利用に適している金属を用いる。その金属シートまたは金属箔の厚さは、好ましくは0.1mm〜0.5mmである。それによる熱シールドによって、部分的または完全にアーク管端部の表面が覆われる。小径部の周囲を覆う熱シールドの長さは、好ましくは0.5mm〜3.0mmである。熱シールドは、放電容器の両端に取り付けられたモリブデン製のワイヤまたはニオブ製のスターティングワイヤによって一箇所に固定してもよい。なお、図1の10は放電スペースである。
【0033】
図2に金属製の熱シールドを持たないDCセラミック型のメタルハライドランプの全点灯位置での分光出力特性図を示す。陰極端部に付加される金属製の熱シールドを持たないDCセラミック型のメタルハライドランプでは、図2に示すように、陰極が下になるベースダウンの点灯位置OP13および水平の点灯位置OP12において、全可視領域に亘り連続放射がかなり低い。さらに、535.05nmに強い輝線の放射があり、メタルハライドランプが緑味がかって見える。これは、陽極が下になるベースアップの点灯位置OP11に比べると、陰極を下にあるいは水平にしたいずれの点灯位置でも、冷点が変化することによるものである。
【0034】
陰極端部に付加される金属製の熱シールドを持つセラミック製のアーク管では、ベースアップ、ベースダウン、水平および45度傾斜の様々な点灯位置で、相関色温度の変化は250K以内である。これは、種々の方向で点灯されるACセラミック型のメタルハライドランプの通常変動内である。陰極端部に付加される金属製の熱シールドを持つDCセラミック型のメタルハライドランプでは、図3に示すように、種々の点灯位置、つまりベースアップの点灯位置OP21、水平の点灯位置OP22およびベースダウンの点灯位置OP23において、スペクトルは、互いにきわめて接近している。このことは、そのメタルハライドランプが種々の点灯位置に対して許容できる性能差を持つことを示している。
【0035】
さらに、アーク管の形状は樽形が望ましい。この特定の形状により、アーク管から放射された光が良好に熱を保持する金属製の熱シールドによって遮光される量を最小にすることができる。樽形のアーク管を有するDCセラミック型のメタルハライドランプの効率は、同形状のアーク管を有するACセラミック型のメタルハライドランプのそれよりも約8%向上する。
【0036】
本発明の第二の目的は、電子バラストの部品および製造コストを25%以上削減することである。DC型の電子バラストではフルブリッジインバータが不要になる。そのブリッジ回路が不要になることと併せれば、電子バラストの設計および製造が簡略になり、電子バラストに対する25%以上のコスト削減が達成可能である。
【0037】
ACおよびDCセラミック型のメタルハライドランプの有意な性能比較を行うため、双方に同一の化学物質を使用した。良好な演色性と高効率を実現可能な希土類物質を使用した。以下の表1に、ベースアップ(BU)、ベースダウン(BD)および水平(HOR)の各点灯位置で100時間(hrs.)、ACおよびDCセラミック型のメタルハライドランプを点灯させて得た性能表を示す。
【0038】
【表1】
Figure 0003959940
【0039】
この表1から分かるように、ACセラミック型のメタルハライドランプによる点灯性能が、DCセラミック型のメタルハライドランプで維持されている。例えば、単位がルーメン/ワットの発光効率εについて、ACセラミック型のメタルハライドランプを示す「AC」の場合、BUで82.0、BDで83、HORで85となって変動幅が小さいことから、全点灯位置に対応しているのが分かり、DCセラミック型のメタルハライドランプを示す「DC」の場合、BUで84.9、BDで89.6、HORで86.2となって変動幅が小さいことから、全点灯位置に対応しているのが分かる。さらに、いくつかの場合で、DCセラミック型のメタルハライドランプの性能がACセラミック型のメタルハライドランプの性能を上回っている。先の図4において、ACおよびDC石英型のメタルハライドランプについての寿命試験の結果により、DC型のメタルハライドランプの寿命がAC型のメタルハライドランプを上回っていることを既に示した。その理由についてはすでに簡単に説明してあるが、繰り返すならば、再点火が不要であること(その結果、スパッタリングも不要になった)、イオンと電子の捕集用に最適化された、非平衡の電極設計が、優れた性能をもたらした要因である。
【0040】
ところで、図4において、LT1は、当研究所で設計された出力150WのDC石英型のメタルハライドランプの動程特性であり、LT2は、ゼネラルエレクトリック社製で出力150WのAC石英型のメタルハライドランプの動程特性であり、LT3は、ヴェンチャーライティング社製で出力150WのAC石英型のメタルハライドランプの動程特性である。各製品について12個のランプを用意し、10時間オンにして2時間オフにするエージングサイクルで試験を行った。すべての試験では、電子バラストでエージングされる新品ランプを使用した。図から分かるように、150WのDC石英型のメタルハライドランプは、市販されているAC石英型のメタルハライドランプと比較したとき、高効率で同等の寿命を示す。なお、これらすべてのランプには、ナトリウム/スカンジウム化学物質が充填されている。
【0041】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、本発明によれば、一般照明用途に使用可能で全点灯位置に対応可能な、セラミック製の放電容器を持つDC型のメタルハライドランプを提供することができる。また、AC点灯型の同種ランプに比べて優れた性能が得られるメタルハライドランプを提供することができる。さらに、電子バラストの部品コストを約25%削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るメタルハライドランプのアーク管の側断面図である。
【図2】金属製の熱シールドを持たないDCセラミック型のメタルハライドランプの全点灯位置での分光出力特性図である。
【図3】金属製の熱シールドを持つDCセラミック型のメタルハライドランプの全点灯位置での分光出力特性図である。
【図4】当研究所で設計されたDC石英型のメタルハライドランプと市販のAC型のメタルハライドランプとについての効率に対する動程特性図である。
【符号の説明】
1 球状端
2 巻きコイル
3 金属ワイヤ
4 ワイヤ
5 金属ワイヤ
6 ワイヤ
7 アーク管
8 熱シールド
9 熱シールド
10 放電スペース

Claims (9)

  1. DC電流で駆動するメタルハライドランプであって、水銀、希ガスおよび金属ハロゲン化物を内部に有するセラミック製のアーク管を備え、このアーク管は陽極および陰極で封止されて発光管を形成し、この発光管は、少なくとも一つの金属製の熱シールドを前記アーク管の陰極側に有して成り、
    前記熱シールドは、モリブデン、ニッケル、ニオブ、コバールからなる群から選択される材料により箱状に形成され、前記アーク管の陰極側の端部に配置され、
    前記熱シールドは、前記アーク管の封止箇所から延びるセラミック製の細管の基部を囲む金属箔管をさらに備えて、前記陰極の端部に対して熱を保持する
    ことを特徴とするメタルハライドランプ。
  2. 前記陽極は先端が球状になったタングステン製であり、前記陰極はトリウムタングステン製のロッドおよびこのロッドに巻き回されたタングステン製のコイルにより形成されていることを特徴とする請求項記載のメタルハライドランプ。
  3. 前記アーク管の外側に箔材が接続され、この箔材はモリブデン、ニッケル、ニオブ、コバール、タンタルおよび高温環境で使用可能な金属材料からなる群から選択されることを特徴とする請求項記載のメタルハライドランプ。
  4. 前記熱シールドは前記陽極および陰極の両側に設けられることを特徴とする請求項記載のメタルハライドランプ。
  5. 前記アーク管の陽極側の封止箇所から延びるセラミック製の細管を囲む金属管をさらに備えることを特徴とする請求項記載のメタルハライドランプ。
  6. 前記アーク管は樽形であることを特徴とする請求項1記載のメタルハライドランプ。
  7. 前記DC電流用のDC型の電子バラストをさらに備えることを特徴とする請求項1記載のメタルハライドランプ。
  8. DC電流で駆動するメタルハライドランプであって、
    水銀、希ガスおよび金属ハロゲン化物を内部に有するセラミック製で円筒状のアーク管を備え、このアーク管は陽極および陰極で封止されて発光管を形成し、この発光管は、少なくとも1つの金属製の熱シールドを前記アーク管の陰極側に有し、
    前記熱シールドは、モリブデン、ニッケル、ニオブ、コバールからなる群から選択される材料により箱状に形成され、前記アーク管の陰極側の端部に配置され、
    前記熱シールドは、前記アーク管の封止箇所から延びるセラミック製の細管の基部を囲む金属箔管をさらに備えて、前記陰極の端部に対して熱を保持し、
    前記陽極は先端が球状になったタングステン製であり、前記陰極はトリウムタングステン製のロッドおよびこのロッドに巻き回されたタングステン製のコイルにより形成される
    ことを特徴とするメタルハライドランプ。
  9. 前記アーク管は、円筒状、楕円球状、球状またはこれらの組合せであって円柱の中央部が膨出した形状に形成されていることを特徴とする請求項記載のメタルハライドランプ
JP2000254439A 1999-08-24 2000-08-24 メタルハライドランプ Expired - Fee Related JP3959940B2 (ja)

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