JP3959800B2 - 糸色設定装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、刺繍を形成するための刺繍データの作成・編集を行う際に、刺繍の縫製に用いられる複数色の刺繍糸の糸色を設定する糸色設定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、刺繍ミシンで縫製される刺繍データを容易に作成するための刺繍作成装置が、職業用あるいは個人用途にも供されている。このような刺繍データ作成装置は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータ本体に、イメージスキャナ、キーボード、ハードディスクドライブ、CRTディスプレイ等を接続して構成されており、種々の刺繍図柄の原稿からその模様をトレースしたり模様の輪郭を自動抽出する等して、図柄を構成する刺繍の縫製領域を多数設定し、それらに各々刺繍縫い目の形式や使用する糸色の設定を行うことで、所望の刺繍データを作成できるようになっている。この場合、各縫製領域に設定する糸色は、利用者が刺繍図柄に応じて美的見地から好ましい糸色をそれぞれ選んで設定する。
【0003】
例として、図1に示す花の図柄について、このような刺繍データ作成装置により、ミシンで対応する刺繍縫い目を形成するための刺繍データを作成する場合について、概略を説明する。ここで、花の図柄の刺繍の縫製領域は同図に示すように、5つの花弁と、1つの花芯と、1つの茎と、2つの葉とに分かれており、それぞれ図に示すような糸色によって各領域を縫い埋める刺繍の縫い目が形成される。各縫製領域に使われる刺繍の糸色は、次のように設定するものとする。
【0004】
R1: 赤
R2: 桃
R3: 赤
R4: 赤
R5: 桃
R6: 黄
R7: 黄緑
R8: 緑
R9: 緑
このとき、これら各縫製領域の刺繍の糸色を設定する具体的な手順としては以下のように行われる。
【0005】
例えば、縫製領域R1については、作成装置の編集画面上に表示されたR1の領域をマウス等のポインティングデバイスでクリックして選択し、その後に、糸色の設定モードに入ることで、図13に示すような糸色のための入力ボックスが画面に現れ、そこで設定したい所望の糸色(この場合、赤)を一覧からマウスクリックによりを選ぶことで行われる。なお、その外に、タタミ縫いやサテン縫い等の縫い目形式についても、別に設定を行う必要があるが、それについては説明を省く。同様にして、他の縫製領域R2〜R9についても同様な操作をそれぞれくり返して各縫製領域に所望の糸色を設定することで、同図の花の図柄に対する刺繍縫い目の設定が行われ、刺繍データが出来上がる。糸色設定がなされた縫製領域は、作成装置の編集画面上に同色で表示され、刺繍図柄の配色具合を視覚的に確認することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、設定した糸色によって出来上がった刺繍の図柄の色の具合が気に入らなかったり、図柄の全体的な色の配色を少し変えて、異なった雰囲気の刺繍デザインにしたいということはよくあることである。そのような場合には、再び、先の従来例に示した手順に従って、縫製領域の其々に使う糸色を設定し直せばよいのであるが、糸色を逐一1色ずつ変更していくことは、全体の配色バランスが把握しにくく、糸色の設定が試行錯誤により繰り返しやり直すことになりがちである。また、刺繍図柄の色合いを全体的に明るくする、赤っぽくする、あるいはモノトーンにする等の変更を行おうとすると、かなりの色操作についての知識と習熟が要求され、そうでなければ手間をかけて苦労して糸色の設定をし直した末に配色バランスが崩れてしまうことが多い。
【0007】
そして、一方、近年では、需要者の嗜好の多様化、高級化、刺繍ミシンの性能の向上等の諸事情を背景にして、家庭内でも、刺繍データの編集作成機能を有する刺繍ミシンや刺繍データを簡易に作成する機能を内蔵したパーソナルコンピュータが使用されるようになってきている。このため、上述のような使いにくさや操作の難しさを解消することは、大変重要なポイントとなっている。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、図柄を形成する刺繍データを作成・編集する場合において、複数色の刺繍糸を使うように作成された刺繍縫製データに対して図柄の全体の配色を設定するにあたり、糸色を個別に逐一設定し直すことを必要とせず、利用者が意図する配色を感覚的な言葉で表現したものを入力するだけで図柄の全体が所望の配色となるように刺繍糸の糸色が設定されるようにすることで、色操作についての専門的な知識や習熟のない初心者でも簡便に刺繍デザインの多彩な配色変更を行うことができる、親しみ易くて操作性の高い糸色設定装置を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の糸色設定装置は、図柄の画像に基づいて対応する刺繍を形成するための刺繍データに含まれる複数色の刺繍糸の糸色を表現するための糸色データを設定するものを対象として、特に、前記複数色の糸色の全体を対象としてその全体の糸色の程度や状態等の特性を表現する感性語、及び前記感性語に対応させて糸色の成分の数値を変更する糸色変更規則を記憶する糸色変更規則記憶手段と、予め設定された前記複数色の糸色の全体を所望の配色に変更するために前記糸色変更規則記憶手段に記憶された前記複数の感性語の中から所望の感性語を指定する感性語指定手段と、前記感性語指定手段によって指定された前記所望の感性語に対応する前記糸色変更規則に基づいて前記複数色の糸色の全体を対象としてその各糸色の成分の数値を変更する糸色変更指定手段と、前記糸色変更指定手段によって得られた各糸色の数値を、予め各糸色毎に設定された糸色の成分の数値に参照させて、前記得られた数値に最も近い前記設定された数値に対応する糸色を以って前記複数色の糸色の全体を変更後の前記所望の配色とする糸色変更手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
従って、以上のように構成された糸色設定装置によれば、予め設定された前記複数色の糸色の全体を対象としてその全体の糸色を所望の配色に変更するために前記糸色変更規則記憶手段に記憶された前記複数の感性語の中から所望の感性語を前記感性語指定手段によって指定することにより、その指定された前記所望の感性語に対応する前記糸色変更規則に基づいて前記色変更指定手段が前記複数色の糸色の全体を対象としてその複数色の糸色の成分の数値を変更する。そして、前記糸色変更手段が、前記糸色変更指定手段によって得られた数値を、予め各糸色毎に設定された糸色の成分の数値に参照させて、前記得られた数値に最も近い前記設定された数値に対応する糸色を以って前記複数色の糸色の全体を変更後の前記所望の配色とする。従って、日常的に用いる簡単な言葉としての前記感性語を指定するだけで、刺繍データに含まれる複数色の糸色の全体を対象としてその全体の配色を自動的に変更するので、使用されている複数色の糸色に対して逐一糸色変更の操作を行うことなく、複数色の刺繍データの全体を簡単に所望の配色に変更することができる。
【0011】
また、請求項2に記載の糸色設定装置は、特に、前記糸色の成分は、明度、色度及び彩度であることを特徴とする。
【0012】
従って、糸色の成分として、明度、色度及び彩度を用いることにより、糸色を容易に数値化することができる。
【0013】
また、請求項3に記載の糸色設定装置は、特に、前記糸色変更手段が、前記刺繍データに含まれる縫製属性に基づいて、前記糸色変更規則を適用するように構成されたことを特徴とする。
【0014】
従って、前記縫製属性の異なる部分に其々異なる糸色変更を加えることにより、柔軟性のある多彩な配色変更を行うことができる。
【0015】
また、請求項4に記載の糸色設定装置は、特に、特定の糸色を示す糸色コードと、少なくとも1つの糸色の特性値とを対応付けて記憶する糸色コード記憶手段をさらに備え、前記糸色データとして、前記糸色コードを記憶するように構成されたことを特徴とする。
【0016】
従って、糸色を色相や彩度等の特性値で表現することが可能であり、さらに、特定の糸色を簡単な糸色コードで記憶することができる。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の糸色設定装置を具体化した実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態の説明では、下絵の図柄に対応する幾つかの刺繍領域を設定し、それらに対して刺繍の縫い方と糸色を指示することによって刺繍データの編集作成を行う刺繍データ作成装置を挙げ、その一部として組み込まれた本発明の糸色設定装置の説明を行う。
【0026】
先ず、刺繍ミシンについて簡単に触れておく。図示はしないが、刺繍ミシンは、ミシンベッド上に配置され、かつ刺繍が施される加工布を保持する刺繍枠を、水平移動機構により装置固有のX、Y座標系で示される所定位置に移動させつつ、縫い針及び釜機構による縫製動作を行うことにより、その加工布に所定の図柄の刺繍を施すようになっている。
【0027】
この場合、前記水平移動機構や針棒等は、ミシンに内蔵されたマイクロコンピュータ等から構成される制御装置により制御されるようになっており、従って、一針毎の加工布のX、Y方向の移動量、即ち、針落ち位置を指示する刺繍データ(ステッチデータ)が与えられることにより、制御装置は、刺繍動作を自動的に実行することが可能となるのである。また、本実施の形態では、刺繍ミシンにはフラッシュメモリ装置が設けられ、後述するフラッシュメモリ(カードメモリ)12により、外部から刺繍データが与えられるように構成されている。本実施の形態の説明で示す刺繍データ作成装置は、このような刺繍データを編集作成する機能を有するものである。
【0028】
次に、刺繍データ作成装置の全体構成について、図2及び図3を参照して述べる。図2は刺繍データ作成装置の外観を示し、また、図3はその電気的構成のブロック図を表している。ここで、刺繍データ作成装置本体1は汎用のパーソナルコンピュータよりなり、その内部は、CPU2、ROM(読み取り専用メモリ)3、RAM(読み書き可能メモリ)4、表示制御装置5、ディスク制御装置6、入出力インターフェース7が其々バスを介して相互に接続された構成となっている。表示制御装置5には、編集作成する刺繍データや各種メッセージの表示を行うための表示装置(CRTディスプレイ)8が接続されている。
【0029】
また、入出力インターフェース7には、作業者が刺繍領域形状の入力や編集操作、あるいはコマンド指示等を行うためのマウス9、処理の選択やキーワードの入力を行うためのキーボード10、そして、フラッシュメモリ12を装着してそこに作成した刺繍データを書き込むためのカードコネクタ11が其々接続されている。さらに、ディスク制御装置6には、刺繍データ編集に関する制御を行うプログラムコードや、作成した刺繍データを保存しておくための固定ディスク装置13が接続されている。
【0030】
この刺繍データ作成装置1が起動されると、ROM3に格納された初期プログラムローダの働きによって、ディスク制御装置6から固定ディスク装置13に予め格納されているCPU2を制御する刺繍データ作成プログラムコードがRAM4にロードされてそのプログラムコードに制御が渡ることにより、刺繍データ編集作成の各種機能が刺繍データ作成装置1で利用可能になる。
【0031】
以下に、作業者が従来技術の説明にも挙げた図1に示す花の図柄に対する刺繍データ作成における糸色設定部分を例に挙げて、本実施の形態の糸色設定装置の動作を図4のフローチャートを参照しながら詳述する。なお、同図中の符号Sは処理のステップを示す。
【0032】
先ず、ステップ1で、縫製データを入力する。ここでは、先ず、図1の花の図柄を表わす刺繍の縫製領域を規定する外形線を入力する。これは、作業者がマウス9やキーボード10を用いてトレース入力するか、あるいは固定ディスク装置13内の既存データを読み込む等によって、RAM4上の所定領域に縫製データとして格納される。この縫製データの形式を図5に示す。これは、その刺繍図柄デザインを形成する縫製領域の個数分の領域縫製データが縫製順に並んで構成されている。各領域縫製データは、糸色データ、縫い目様式データ、領域形状データの3つの種類のデータから成る。
【0033】
縫い目様式データと領域形状データについては詳しく図示することはしないが、概略を述べると、縫い目様式データは、縫い目形態(タタミ、サテン等)、縫い目方向、糸密度等の縫製属性の項目を有する。また、領域形状データは、その領域の外形線を表す多角形の各頂点の数及び座標値の配列及び縫い目形態(ハシリ、チドリ等)である。この場合、縫い目様式データは外形線が入力されると共に、所定の既定値で初期化される。なお、縫い目様式データ、領域形状データに対しては通常、別に編集機能を利用して使用者により種々の変更を加えられるが、この部分については本発明の本質的な部分ではないので、説明を割愛する。
【0034】
一方、糸色データはその縫製領域を縫製するのに使用する糸色を刺繍ミシンに指示するための情報であり、この値も先の縫い目様式データと同様に、外形線が入力される際に所定の既定値(ここでは「黒」)で初期化される。
【0035】
次に、ステップ2では、ステップ1で既定値で初期化された糸色について、図柄を構成する縫製領域の刺繍縫製に使用する糸色をそれぞれ設定する。これは、先の従来技術の説明と全く同様な手順によるものであるので、ここではその詳細を繰り返すことは省く。また、ここでR1〜R9にそれぞれ設定する糸色は、先の従来技術に示したものとする。
【0036】
なお、ステップ1及びステップ2において縫製データを作成する過程を示したが、既に存在する縫製データを読み込むようにしてもよい。
【0037】
そして、このように縫い設定された各縫製領域からなる花の図柄が、設定された糸色に基づいて表示装置8の画面に表示される(ステップ3)。ここで、R1〜R9にそれぞれ設定された糸色が、使用者の所望する配色であるか否かを問い合わせる(ステップ4)。もし、ここで、設定された糸色が所望する配色であった場合、縫製データの作成(ステップ7)へ移行する。もし、設定された糸色が所望する配色で無かった場合、例えば、図6に示すような感性語の入力ボックスを画面に表示し、使用者の所望する配色へ変更するための感性語を入力する。図6の例では感性語を程度と状態に分け、予め用意してあるいくつかの感性語を使用者に提示し、使用者が所望する変更の程度と状態を選択して入力するようになっている(ステップ5)。この処理が本発明の感性語指定手段として機能する。
【0038】
ここで、入力された感性語を基に、ステップ6で糸色の置き換えを行う。糸色の置き換えの例として、「少し」及び「淡く」と入力された場合について説明する。先ず、糸の色を、色を数値化する際によく知られているL*a*b*表色系を用いて、明度、色度及び彩度で表す。例えば、糸の色が緑であった時、L*=50、a*=−60、b*=0のような値になる。ここで、入力されている感性語は「少し」「淡く」なので、色の成分の内、色度と彩度について減少させるような糸色変更規則を適用し、a*とb*の値に0.8を掛ける。これは本発明の糸色変更指定手段として機能するものである。この値はそれぞれの感性語に対して糸色変更規則として予め設定されているものである(図7)。これは本発明の糸色変更規則記憶手段として機能するものである。
【0039】
前記糸色変更規則を適用した結果、変更後の値はL*=50、a*=−48、b*=0となる。しかし、ここで、変更後の糸色を持った糸が存在するか否かという問題がある。そこで、存在する糸色について図8に示すような糸色テーブルを作成しておき、存在する糸のL*、a*、b*の値を持つようにする。また、それぞれの糸色を表現するためにそれぞれの糸色に固有の糸色コードを持つようにする。これは本発明の糸色コード記憶手段として機能するものである。そして、変更後の値と糸色テーブルに存在する全ての色のL*、a*、b*の値を照らし合わせ、最も近い値を持つ糸色テーブル内の糸色を以って置き換える。これは本発明の糸色変更手段として機能するものである。二つの糸色間の距離については次式を用いて計算できる。次式の計算結果の値が最も小さいものが、最も近い色である。
【0040】
【数1】
Figure 0003959800
【0041】
ここで、計算の結果最も近い糸色が元の糸色であった場合、糸色の置き換えを行わないようにしてもよい。
【0042】
ここでは、色を数値表現する方法としてL*a*b*表色系を用いたが、この方法に限ることなく、L*C*h表色系、ハンターLab表色系、マンセル表色系、XYZ表色系等、色を数値表現する方法であればどのような方法であってもよい。
【0043】
図柄を構成する縫製領域の刺繍縫製に使用する糸色全てについて置き換えの処理を行った後、ステップ3に戻る。
【0044】
ステップ4での使用者の所望する配色であるか否かの問い合わせに対して、「使用者の所望する配色である」を選択した時、ステップ7へ移行する。このステップ7では、縫製データの作成を行う。縫製データは前述したように図5に示す縫製データの形式について、刺繍図柄デザインを形成する縫製領域の個数分の領域縫製データが縫製順に並んで構成されており、各領域縫製データは、糸色データ、縫い目様式データ、領域形状データの3つの種類のデータから成る。ここで、ステップ6で変更された糸色を、領域縫製データの糸色データと置き換えることで、新たな刺繍データを作成する。そして、RAM4上の所定領域に格納されている縫製データをカードコネクタ11を介してフラッシュメモリ12に書き込む。
【0045】
ステップ6で、糸色を変更する際、輪郭線だけをハッキリさせたい、または、領域内を明るくしたいという場合がある。そのような場合、糸色の変更を面縫い部または線縫い部のどちらか一方にだけ適用するようにしてもよい。これは本発明の請求項3に相当するものである。ここで、面縫い部とは縫製領域の内部を繍うように設定された部分であり、縫い目様式データの縫い目形態が、タタミ、サテン等の縫製属性に設定されている。また、線縫い部とは縫製領域の外形線上を繍うように設定された部分であり、領域形状データの縫い目形態がハシリ、チドリ等の縫製属性に設定されている。例えば、図9(a)に示すような線縫い部及び面縫い部からなる刺繍図柄があるとする。ここで、ステップ5で糸色変更のための感性語を入力する際、同時に線縫い部と面縫い部とのどちらに対して(もしくは両方)、糸色変更を施すかを使用者に問い合わせる(図10)。
【0046】
ここで、面縫い部のみ糸色変更が選択された時、縫製データの中で、面縫い部にあたるデータに関してのみ色データの変更を施すようにする。また、同様に、線縫い部のみ糸色変更が選択された時、縫製データの中で、線縫い部にあたるデータに関してのみ色データの変更を施すようにする。図9(b)では、縫製データの中で線縫い部のみを濃い色に糸色変更した例を示している。
【0047】
また、使用者が糸色を変更した後、元の色に戻したい場合がある。そこで、RAM4上の所定領域に元の色のデータを格納しておき(図11)、使用者が元の色に戻す操作を行った時(図12)、変更された縫製データの糸色データを元の色のデータと置き換えるようにする。
【0048】
ここで、本実施の形態においては、刺繍データ処理装置1で作成した刺繍の縫い目データを刺繍ミシンに受け渡す方法として、フラッシュメモリ12を介する方法を示したが、これ以外でもフロッピーディスクや光磁気ディスク等、着脱可能な記録媒体であれば何を用いてもよい。また、刺繍データ処理装置1から刺繍ミシンへ、有線または無線回線で刺繍の縫い目データを転送することで、フラッシュメモリ12を用いた場合と同様に刺繍の縫い目データを刺繍ミシンに受け渡す事ができる。
【0049】
さらに、前記実施の形態の刺繍データ処理装置1は、糸色設定プログラムがROM9に予め格納されたものであるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、これらのプログラムをフロッピーディスクやCD−ROM等に格納したものを読取装置により読み取って、固定ディスク上にインストールさせてパーソナルコンピュータ等の汎用電子演算処理装置上で動作させることができる。また、有線若しくは無線回線を使用して外部情報処理装置からプログラムを読み込んで汎用電子演算処理装置上で動作させることができる。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1に記載の糸色設定装置によれば、図柄の画像に基づいて対応する刺繍を形成するための刺繍データに含まれる複数色の刺繍糸の糸色を表現するための糸色データを設定するものを対象として、特に、前記複数色の糸色の全体を対象としてその全体の糸色の程度や状態等の特性を表現する感性語、及び前記感性語に対応させて糸色の成分の数値を変更する糸色変更規則を記憶する糸色変更規則記憶手段と、予め設定された前記複数色の糸色の全体を所望の配色に変更するために前記糸色変更規則記憶手段に記憶された前記複数の感性語の中から所望の感性語を指定する感性語指定手段と、前記感性語指定手段によって指定された前記所望の感性語に対応する前記糸色変更規則に基づいて前記複数色の糸色の全体を対象としてその各糸色の成分の数値を変更する糸色変更指定手段と、前記糸色変更指定手段によって得られた各糸色の数値を、予め各糸色毎に設定された糸色の成分の数値に参照させて、前記得られた数値に最も近い前記設定された数値に対応する糸色を以って前記複数色の糸色の全体を変更後の前記所望の配色とする糸色変更手段とを備えたので、日常的に用いる簡単な言葉としての前記感性語を指定するだけで、刺繍データに含まれる複数色の糸色の全体を対象としてその全体の配色を自動的に変更することができ、使用されている複数色の糸色に対して逐一糸色変更の操作を行うことなく、複数色の刺繍データの全体を簡単に所望の配色に変更することができる。
【0051】
また、請求項2に記載の糸色設定装置によれば、特に、前記糸色の成分は、明度、色度及び彩度としたので、糸色の成分として、明度、色度及び彩度を用いることにより、糸色を容易に数値化することができる。
【0052】
また、請求項3に記載の糸色設定装置によれば、特に、糸色変更手段は、前記刺繍データに含まれる縫製属性に基づいて、前記糸色変更規則を適用するように構成したので、縫製属性の異なる部分に其々異なる糸色変更を加えることにより、柔軟性のある多彩な配色変更を行うことができる。
【0053】
また、請求項4記載の糸色設定装置によれば、特に、特定の糸色を示す糸色コードと、少なくとも1つの糸色の特性値を対応付けて記憶する糸色コード記憶手段をさらに備え、前記糸色データとして、前記糸色コードを記憶するように構成したので、糸色を色相や彩度等の特性値で表現することができ、さらに、特定の糸色を簡単な糸色コードで記憶することができる。
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】 刺繍図柄の例を示す図である。
【図2】 本実施の形態を適用した刺繍データ処理装置の外観を示す図である。
【図3】 本実施の形態を適用した刺繍データ処理装置の構造を示すブロック図である。
【図4】 本実施の形態の刺繍データ処理の働きを示すフロチャートである。
【図5】 縫製データの形式の例を示す図である。
【図6】 感性語の入力ボックスの例を示す図である。
【図7】 感性語と糸色変更規則の対応の例を示す図である。
【図8】 糸色テーブルの例を示す図である。
【図9】 刺繍図柄の例を示す図である。
【図10】 糸色変更の問い合わせの例を示す図である。
【図11】 元色データの格納の例を示す図である。
【図12】 元の色に戻す操作の例を示す図である。
【図13】 糸色入力ボックスの例を示す図である。
【符号の説明】
2 CPU
3 ROM
4 RAM
8 表示装置
9 マウス
10 キーボード
12 フラッシュメモリ
13 固定ディスク装置

Claims (4)

  1. 図柄の画像に基づいて対応する刺繍を形成するための刺繍データに含まれる複数色の刺繍糸の糸色を表現するための糸色データを設定する糸色設定装置であって、
    前記複数色の糸色の全体を対象としてその全体の糸色の程度や状態等の特性を表現する感性語、及び前記感性語に対応させて糸色の成分の数値を変更する糸色変更規則を記憶する糸色変更規則記憶手段と、
    予め設定された前記複数色の糸色の全体を所望の配色に変更するために前記糸色変更規則記憶手段に記憶された前記複数の感性語の中から所望の感性語を指定する感性語指定手段と、
    前記感性語指定手段によって指定された前記所望の感性語に対応する前記糸色変更規則に基づいて前記複数色の糸色の全体を対象としてその各糸色の成分の数値を変更する糸色変更指定手段と、
    前記糸色変更指定手段によって得られた各糸色の数値を、予め各糸色毎に設定された糸色の成分の数値に参照させて、前記得られた数値に最も近い前記設定された数値に対応する糸色を以って前記複数色の糸色の全体を変更後の前記所望の配色とする糸色変更手段と、
    を備えることを特徴とする糸色設定装置。
  2. 前記糸色の成分は、明度、色度及び彩度であることを特徴とする請求項1に記載の糸色設定装置。
  3. 前記糸色変更手段は、前記刺繍データに含まれる縫製属性に基づいて、前記糸色変更規則を適用するように構成されたことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の糸色設定装置。
  4. 特定の糸色を示す糸色コードと、少なくとも1つの糸色の特性値とを
    対応付けて記憶する糸色コード記憶手段をさらに備え、
    前記糸色データとして、前記糸色コードを記憶するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の糸色設定装置。
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