JP3958873B2 - サイディング端部の目地構造およびサイディング用目地役物 - Google Patents

サイディング端部の目地構造およびサイディング用目地役物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅の外壁面を覆うサイディングの端部の目地構造と、サイディングの端部間の隙間、あるいはサイディングと開口部建具枠あるいは躯体との間の隙間を気水密構造で覆う目地役物に関する。
【0002】
【従来の技術】
住宅の外壁を覆うサイディングの端部間の隙間には、この部分からの水の浸入や空気の出入りを防止するため、目地材が設けられる。従来は一般にこの目地材としてシリコン樹脂からなる湿式のシール材が用いられてきた。一方、乾式のものとして、図7の水平断面図に示す構造のものが、特開平8−135132号公報に開示されている。
【0003】
図7において、35は柱、36は間柱、37はこれらの室外側に張られたシート状の防水材、38は柱35や間柱36に釘等の固定具により固定されるスペーサである。39は柱35にねじ等の固定具により固定される形材でなる取付部材、40、41は取付部材39の溝部42の両面に設けたスポンジ等の軟質部材、44は目地かくし部材である。サイディング6の取付けは、その一端を矢印aに示すように一方の軟質部材40に押しつけ、その後、サイディング6の他端を矢印bに示すように他方の軟質部材41に対向するように押し込み、その後軟質部材40、41の圧縮度が均等になるように矢印cのように動かしてねじや釘等の固定具によりスペーサ38に固定する。その後、サイディング6、6間の隙間を覆うため、目地かくし部材44の支持部45を前記溝部42に押し込む。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術のうち、サイディング間等にシリコン樹脂等のシール材を充填する湿式の目地材は、シール材の乾燥に時間を要し、施工に時間がかかるという問題点がある。
【0005】
また、図7のように、取付部材39、39間のサイディング6を軟質部材40、41を介して押し込む構造のものは、軟質部材40、41の圧縮度が低くなり、気水密性が低下するという問題点がある。特にサイディング6が窯業系のものである場合、工場出荷時に15%程度の含水率を有するものが、最終的には含水率が10%程度に低下し、これに伴い3000mm程度の長さのサイディングの場合、2〜3mmの収縮を生じ、例えば10mm幅の軟質部材40、41のものを3mm程度圧縮させて使用すると、圧縮度の低下やばらつきにより、水密性を低下させるおそれがある。また、一たんサイディング6を施工した後、部分的に軟質部材40、41の損傷あるいは劣化が生じて交換しようとしても、軟質部材40、41の交換のためには、サイディング6を取り外し、取付部材39もスペーサ37から取り外さなければならないため、非常に交換が困難であるという問題点がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑み、施工が早く、メンテナンスが容易であり、気水密性すなわち雨仕舞が充分な構成のサイディング端部の目地構造およびサイディング用目地役物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1のサイディング端部の目地構造は、室外側向きに開口された係合溝を備えた取付部材を躯体に取付け、
該取付部材の係合溝に、片面に軟質部材を固着した2つの目地部材を、各軟質部材がそれぞれ隣接するサイディングの端面に対向するように装着し、
前記2つの目地部材間に、目地かくし部材の支持部を圧入して前記目地部材を前記取付部材の係合溝に係止させると共に、該支持部に設けた被係止部を前記目地部材に設けた係止部に係止させて目地かくし部材を抜け止めし、
前記目地かくし部材の屋外片によりサイディング間の隙間を覆い、
前記2つの目地部材にそれぞれ固着した軟質部材をそれぞれ対向するサイディングの端面と前記目地部材との間で圧縮してなるサイディング用目地役物を備えた
ことを特徴とする。
【0008】
請求項2のサイディング端部の目地構造は、室外側向きに開口された係合溝を備えると共に、前記係合溝よりも室外側に突出した突出片を有する取付部材を躯体に取付け、
該取付部材の係合溝に、片面に軟質部材を固着した目地部材を、該軟質部材がサイディングの端面に対向するように装着し、
前記突出片と前記目地部材との間に、目地かくし部材の支持部を圧入して前記目地部材を前記取付部材の係合溝に係止させると共に、該支持部に設けた被係止部を前記突出片または前記目地部材の少なくともいずれか一方に設けた係止部に係止させて該目地かくし部材を抜け止めし、
前記目地かくし部材の屋外片によってサイディング端部と躯体との間の隙間を覆い、
前記目地部材に固着した軟質部材を対向するサイディングの端面と前記目地部材との間で圧縮してなるサイディング用目地役物を備えた
ことを特徴とする。
【0009】
請求項3のサイディング端部の目地構造は、室外側向きに開口された係合溝を備えると共に、前記係合溝よりも室外側に突出した突出片を有する取付部材を、開口部建具枠を設ける躯体に取付け、
該取付部材の係合溝に、片面に軟質部材を固着した目地部材を、該軟質部材がサイディングの端面に対向するように装着し、
前記突出片と前記目地部材との間に、目地かくし部材の支持部を圧入して前記目地部材を前記取付部材の係合溝に係止させると共に、該支持部に設けた被係止部を前記突出片または前記目地部材の少なくともいずれか一方に設けた係止部に係止させて該目地かくし部材を抜け止めし、
前記目地かくし部材の屋外片によってサイディング端部と前記開口部建具枠との隙間を覆い、
前記目地部材に固着した軟質部材を対向するサイディングの端面と目地部材との間で圧縮してなるサイディング用目地役物を備えた
ことを特徴とする。
【0010】
請求項4のサイディング用目地役物は、開口部建具枠に、室外側向きに開口された係合溝と、該係合溝よりも室外側に突出した突出片を設け、
前記開口部建具枠の係合溝に、片面に軟質部材を固着した目地部材を、該軟質部材がサイディングの端面に対向するように装着し、
前記突出片と前記目地部材との間に、目地かくし部材の支持部を圧入して前記目地部材を前記取付部材の係合溝に係止させると共に、該支持部に設けた被係止部を前記突出片または前記目地部材の少なくともいずれか一方に設けた係止部に係止させて該目地かくし部材を抜け止めし、
前記目地かくし部材の屋外片によってサイディング端部と前記開口部建具枠との隙間を覆うと共に、
前記目地部材に固着した軟質部材を対向するサイディングの端面と目地部材との間で圧縮した
ことを特徴とする。
【0011】
本発明においては、軟質部材を固着した2つの目地部材間(請求項1)、または目地部材と取付部材の突出片との間(請求項2、3)、もしくは目地部材と開口部建具枠に設けた突出片との間(請求項4)に、目地かくし部材の支持部を押し込むことによって目地かくし部材を固定し、これにより軟質部材をサイディング端面に押しつけるようにしたので、軟質部材の圧縮度が上がる。また、軟質部材を固着した目地部材は、取付部材に対して着脱自在であるため、軟質部材を取付部材と共に交換することが可能であり、メンテナンスが容易となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のサイディング端部の目地構造の適用例を示す建物壁面の斜視図である。図1において、6は住宅の外壁を覆うサイディングである。30はサイディング6、6間に設けられた目地役物、31は屋根52の軒からの突出部の下面に設けられるプレート48と最上部サイディング6の上端部との間に設けられた目地役物、34はサイディング6の端部と開口部建具32の枠33との間に設けられた目地役物である。
【0013】
図2(A)〜(D)は、図1に示したサイディング6、6間に設けられる本発明によるサイディング用目地役物30の一実施の形態を、組立工程と共に示す水平断面図である。図2(A)において、35は柱、36は間柱、37はこれらの室外側に張られたシート状の防水材、38は柱35や間柱36に釘等の固定具により固定されるスペーサである。
【0014】
1は柱35にねじ等の固定具46により固定された押出形材からなる取付部材であり、該取付部材1は、例えば建物の外壁面のサイディング6の取付面の上下方向の全長にわたって設けられる。2は取付部材1に室外側に向けて開口された係合溝である。
【0015】
3は押出形材でなる目地部材であり、該目地部材3もサイディング取付面の上下方向全長にわたって設けられる。各目地部材3の片面にはスポンジ等の軟質部材4が固着される。各目地部材3の室内側端部には、前記係合溝2に係止する係止部3aを有し、室外側端部には、後述の目地かくし部材5の支持部5aの先端に設けた被係止部5bを係止する係止部3bを有する。目地かくし部材5も硬質塩化ビニル等の合成樹脂製あるいは硬質ゴム製押出形材でなり、取付面の上下方向の全長にわたり設けられる。目地かくし部材5の屋外片5cはサイディング6、6間の隙間を覆うことができる幅を有する。
【0016】
この目地役物は、図2(A)に示すように、柱35に取付部材1を固定具46により固定すると共に、サイディング6をスペーサ37にブラケットや固定具(いずれも図示せず)により固定しておく。
【0017】
次に図2(B)に示すように、サイディング6、6間より、目地部材3、3を、軟質部材4がサイディング6の端面に対向するように、それぞれその先端の係止部3aを取付部材1の係合溝2に係止する。
【0018】
次に図2(B)、(C)に示すように、ゴム等の伸縮部材でなるバックアップ材7を、2つの目地部材3、3をドライバ等の工具でこじあけてその間に押し込むことにより、目地部材3、3間に隙間をあける。これにより、目地部材3の係止部3の係止部3aが係合溝2、2間の係止部10に係止され、抜け止めされる。なお、このバックアップ材7は、例えば5cm程度の短いものを間隔をおいて配置する。
【0019】
そして図2(C)、(D)に示すように、目地かくし部材5の支持部5aを目地部材3、3間に弾発的に押し込み、目地かくし部材5の支持部5aの先端の被係止部5bを目地部材3の係止部3bに係止させ、サイディング6、6間の隙間を目地かくし部材5で覆う。この状態では、軟質部材4はサイディング6の端面に押しつけられ圧縮され、図1に示したサイディング6、6間の目地役物30が完成する。
【0020】
このような構造においては、湿式の場合のようにシール材の乾燥を待つ必要がなく、工期が短縮される。また、軟質部材4は後付けされるバックアップ材7や目地かくし部材5によってサイディング6の端面に押し付けられるので、図7に示したように、サイディング6を軟質部材40、41間に嵌め込む場合に比較して圧縮度が向上し、気水密性が向上する。
【0021】
また、目地かくし部材5やバックアップ材7を除去すれば、目地部材3を取り外すことができ、軟質部材4を目地部材3と共に交換することが可能であり、メンテナンスが容易となる。
【0022】
なお、バックアップ材7は目地かくし部材5を目地部材3、3間に押し込む作業を容易化するためのものであり、必ずしも必要となるものではない。
【0023】
図3(A)、(B)はそれぞれ図2の変形例を示すもので、図3(A)の例は、取付部材1Aの係合溝2A、2Aが両側に拡がる形状に形成し、取付部材3A、3Aは、これらの係合溝2A、2Aにそれぞれ嵌まって抜け止めされるように、曲成された突部を係止部3c、3cとしたものである。
【0024】
図3(B)の例は、取付部材1Bに片側に拡がる係合溝2Aを設け、一方の目地部材3Aには前記と同様に係合溝2Aに嵌まる曲成された係止部3cを形成し、他方の目地部材3BはL字形に形成し、まずL字形の目地部材3Bを先行して係合溝2A内に入れ、後で突状の係止部3cを有する目地部材3Aを挿入し、後で入れる目地部材3Aの係止部3cで先に入れた目地部材3Bの曲成された先端部3dを押さえる。そして、前記同様にバックアップ材7や目地かくし部材5を両目地部材3A、3B間に押し込むことにより、目地部材3Aの係止部3cが係合溝2Aに係止されると同時に、目地部材3Bの先端部3dが目地部材3Aの係止部3cに押えられて両目地部材3A、3Bが抜け止めされるように構成したものである。
【0025】
図3(A)、(B)の構造においても、図2に示したものと同様の工程によってサイディング6、6間の隙間が目地かくし部材5により覆われ、工期短縮、気水密性の向上、メンテナンスの容易化の効果が得られる。ただし、これらの例においては、前記側方に拡大された係合溝2Aに係止部3cが係止されるという構造を採用しているので、図2のように、中央に係止部10を有するものに比較して取付部材1A、1Bの幅が広くなり、取付部材1A、1Bの取付けに障害物がある場合に図2の例に比較して取付けが困難になる場合がある。
【0026】
図4は本発明の他の実施の形態であり、図1に示したように屋根52の軒からの突出部の下面に設けられるプレート48と最上部サイディング6の上端部との間に設けられる目地役物31として施工されるものである。
【0027】
図4において、1Dは住宅外壁部を構成する躯体49に固定具46により取付けられる取付部材である。該取付部材1Dは、室外側向きに開口されかつ下方に拡げられた係合溝2Bを備える。また、該取付部材1Dは、前記係合溝2Bよりも室外側に突出した突出片9を有する。
【0028】
この目地役物31は、取付部材1Dの係合溝2Bに、片面に軟質部材4を固着した目地部材3Dを、該軟質部材4がサイディング6の上端面に対向するように抜け止め構造により装着する。すなわち、目地部材3Dの曲成された係止部3eを係合溝2Bに係止させて抜け止めする。
【0029】
そしてバックアップ材7を突出片9と目地部材3Dとの間に嵌めておき、突出片9と目地部材3Dとの間に、目地かくし部材5Aの支持部5dを圧入し、かつ該支持部5dに設けた被係止部5eを前記突出片9および前記目地部材3Dにそれぞれ設けた係止部9a、3fに係止させて該目地かくし部材5Aを前記突出片9と前記目地部材3D間に装着して目地部材3Dを係合溝2Bから抜け止めする。
【0030】
これにより前記目地かくし部材5Aの屋外片5fによってサイディング6の上端部と支持部材48でなる躯体との間の隙間を覆う。また、目地かくし部材5Aの圧入により、前記目地部材3Dに固着した軟質部材4を対向するサイディング6の上端面と目地部材3Dとの間で圧縮する。なお、50は取付部材1Dと屋根等の支持部材48との間の隙間を閉塞するために設けたゴムやスポンジ等の軟質部材でなるパッキング材である。
【0031】
このような構造によっても、サイディングの端部の目地役物として、前記同様の効果をあげることができる。
【0032】
図5(A)〜(D)は、図1に示した開口部建具32の枠33とサイディング6との間の隙間を覆う目地役物34を組立工程と共に示す図であり、図5の例は、図4の例と向きが異なるだけで基本構造は同様である。図5(A)、(B)において、1Dは建具枠33を固定する柱35に固定具46により固定される取付部材であり、室外側に開口しかつ側方に拡げて係止部とした係合溝2Bを有する。また、該取付部材1Dは、室外側に突出した突出片9を有する。
【0033】
この目地役物は、図5(B)に示すように、取付部材1Dを柱35に固定具46により固定しておき、取付部材1Dの係合溝2Bに、図5(B)、(C)に示すように、片面に軟質部材4を固着した目地部材3Dを、該軟質部材4がサイディング6の端面に対向するように装着する。このとき、目地部材3Dの曲成された係止部3eを係合溝2Bに係止させる。
【0034】
そして図5(C)に示すようにバックアップ材7を突出片9と目地部材3Dとの間に嵌めておき、図5(D)に示すように、突出片と9と目地部材3Dとの間に、目地かくし部材5Bの支持部5fを圧入し、かつ該支持部5fに設けた被係止部5gを前記突出片9および前記目地部材3Dにそれぞれ設けた係止部9a、3fに係止させて該目地かくし部材5Bを前記突出片9と前記目地部材3D間に装着する。これにより、目地部材3Dは係合溝2Bから抜け止めされる。
【0035】
また、前記目地かくし部材5Bの屋外片5hによってサイディング6の端部と建具枠33との間の隙間を覆う。また、目地かくし部材5Bの圧入により、前記目地部材3Dに固着した軟質部材4を対向するサイディング6の端面と目地部材3Dとの間で圧縮する。51は取付部材1Dと建具枠33との間の隙間を閉塞するために設けたゴムやスポンジ等の軟質部材でなるパッキング材である。
【0036】
このような構造により、建具32の枠33とサイディング6の端部との間の隙間を覆うことができ、前記工期短縮、気水密性の向上、メンテナンスの容易化の効果を得ることができる。
【0037】
図6は、前記建具枠33の構造を変えることにより、建具枠33が前記取付部材1Dの役目も果たすように構成したものである。すなわち、図6(A)に示すように、建具枠33に、室外側向きに開口された係合溝2Dを備えると共に、前記係合溝2Dよりも室外側に突出した突出片9Aを有する取付部33aを設ける。
【0038】
そして、図6(B)、(C)に示すように、前記枠33の係合溝2Dに、片面に軟質部材4を固着した目地部材3Eを、該軟質部材4がサイディング6の端面に対向するように装着する。このとき目地部材3Dに設けた曲成された係止部3gを、係合溝2Dの側方への拡がり部に係止させる。
【0039】
そして図6(D)に示すように、前記突出片9Aと前記目地部材3Eとの間に、目地かくし部材5Dの支持部5iを圧入し、かつ該支持部5iに設けた被係止部5jを、前記突出片9Aおよび前記目地部材3Eに設けた係止部9b、3hに係止させて該目地かくし部材5Dを前記突出片9Aと前記目地部材3E間に装着する。
【0040】
これにより前記目地かくし部材5Dの屋外片5kによってサイディング6の端部と前記開口部建具枠33との隙間を覆う。また、前記目地部材3Eに固着した軟質部材4を対向するサイディング6の端面と目地部材3Eとの間で圧縮する。
【0041】
図5の目地役物と図6の目地役物とを比較した場合、図5のように取付部材1Dを建具枠33と別体に構成すれば、既設の建具枠33にも本発明を適用できるという利点がある。また、図6のように建具枠33に目地部材3Eや目地かくし部材5Dの取付部33aを構成すれば、部品点数が低減され、構成が簡単になるという利点がある。
【0042】
本発明は、サイディング6が縦向きに施工される場合にも適用でき、また、サイディングが金属製である場合にも適用できる。なお、目地かくし部材5、5A、5Bの材質は、図2、図3の実施例では硬質塩化ビニル樹脂製であり、図4、図5の実施例ではアルミニウム合金製押出形材であるが、しかし、他の材質のものも用いることができる。また、図4ないし図6の実施例において、突出片9、9Aと目地部材3D、3Eの双方に係止部9a、9bおよび3f、3hを設けるのではなく、いずれか一方のみを設けてもよい。また、本発明において、取付部材、目地部材、目地かくし部材、サイディング、建具枠等について種々の変更、付加が可能である。
【0043】
【発明の効果】
請求項1によれば、室外側向きに開口された係合溝を備えた取付部材を躯体に取付け、該取付部材の係合溝に、片面に軟質部材を固着した2つの目地部材を、各軟質部材がそれぞれ隣接するサイディングの端面に対向するように装着し、前記2つの取付部材間に、目地かくし部材の支持部を圧入して前記目地部材を前記取付部材の係合溝に抜け出し不能に係止させると共に、該支持部に設けた被係止部を前記目地部材に設けた係止部に係止させて目地かくし部材を抜け止めし、前記目地かくし部材の屋外片によりサイディング間の隙間を覆い、前記2つの目地部材にそれぞれ固着した軟質部材をそれぞれ対向するサイディングの端面と前記目地部材との間で圧縮したので、乾式目地が構成され、施工を早く行うことができる。また、部材の支持部を屋外側から押し込むことによって軟質部材が圧縮されるので、気水密性が上り、雨仕舞が良好となる。また、軟質部材を固着した目地部材が交換可能であるため、メンテナンスが容易となる。
【0044】
請求項2によれば、取付部材に突出片を設け、該突出片と目地部材との間に前記目地かくし部材を装着し、サイディングの端部と屋根等のコーナー部との間を目地かくし部材で覆ったので、サイディング端部に設ける目地役物において、請求項1と同様の工期短縮、気水密性の向上、メンテナンスの容易化の効果をあげることができる。
【0045】
請求項3によれば、建具枠を設ける躯体に、突出片を有する取付部材を固定し、該突出片と目地部材との間に前記目地かくし部材を装着し、サイディングの端部と建具枠との間の隙間を目地かくし部材で覆ったので、建具枠とサイディング端部に設ける目地役物において、請求項1、2と同様の工期短縮、気水密性の向上、メンテナンスの容易化の効果をあげることができる。また、取付部材が建具枠と別体であるから、既設の建具枠に対して施工が可能である。
【0046】
請求項4によれば、開口部建具枠に、突出片と係合溝を有する取付部を設け、前記係合溝に取付ける目地部材と前記突出片との間に前記目地かくし部材を装着し、サイディングの端部と建具枠との間の隙間を目地かくし部材で覆ったので、建具枠とサイディング端部に設ける目地役物において、請求項1、2と同様の工期短縮、気水密性の向上、メンテナンスの容易化の効果をあげることができる。また、建具枠に目地部材や目地かくし部材の取付部を設けたので、部品点数が低減され、構造が簡単となり、価格の低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のサイディング端部の目地構造の適用例を示す建物壁面の斜視図である。
【図2】(A)〜(D)は本発明によるサイディング端部の目地構造の一実施の形態を組立工程と共に示す水平断面図である。
【図3】(A)、(B)はそれぞれ図2の変形例を示す水平断面図である。
【図4】本発明によるサイディング端部の目地構造の他の実施の形態を示す縦断面図である。
【図5】(A)〜(D)は本発明によるサイディング端部の目地構造の他の実施の形態を組立工程と共に示す水平断面図である。
【図6】(A)〜(D)は本発明によるサイディング端部の目地構造の他の実施の形態を組立工程と共に示す水平断面図である。
【図7】公知のサイディング端部の目地構造を示す水平断面図である。
【符号の説明】
1、1A〜1D:取付部材、2、2A〜2D:係合溝、3、3A〜3E:目地部材、3a、3b、3c、3e、3f、3g、3h:(目地部材に設けた)係止部、4:軟質部材、5:目地かくし部材、5a、5d、5f、5i:支持部、5b、5e、5g、5j:被係止部、5c、5f、5h、5k:屋外片、6:サイディング、7:バックアップ材、9、9A〜9D:突出片、9a、9b:(突出片に設けた)係止部、30、31、34:目地役物、33:開口部建具枠、33a:取付部

Claims (4)

  1. 室外側向きに開口された係合溝を備えた取付部材を躯体に取付け、
    該取付部材の係合溝に、片面に軟質部材を固着した2つの目地部材を、各軟質部材がそれぞれ隣接するサイディングの端面に対向するように装着し、
    前記2つの目地部材間に、目地かくし部材の支持部を圧入して前記目地部材を前記取付部材の係合溝に係止させると共に、該支持部に設けた被係止部を前記目地部材に設けた係止部に係止させて目地かくし部材を抜け止めし、
    前記目地かくし部材の屋外片によりサイディング間の隙間を覆い、
    前記2つの目地部材にそれぞれ固着した軟質部材をそれぞれ対向するサイディングの端面と前記目地部材との間で圧縮してなるサイディング用目地役物を備えた
    ことを特徴とするサイディング端部の目地構造
  2. 室外側向きに開口された係合溝を備えると共に、前記係合溝よりも室外側に突出した突出片を有する取付部材を躯体に取付け、
    該取付部材の係合溝に、片面に軟質部材を固着した目地部材を、該軟質部材がサイディングの端面に対向するように装着し、
    前記突出片と前記目地部材との間に、目地かくし部材の支持部を圧入して前記目地部材を前記取付部材の係合溝に係止させると共に、該支持部に設けた被係止部を前記突出片または前記目地部材の少なくともいずれか一方に設けた係止部に係止させて該目地かくし部材を抜け止めし、
    前記目地かくし部材の屋外片によってサイディング端部と躯体との間の隙間を覆い、
    前記目地部材に固着した軟質部材を対向するサイディングの端面と前記目地部材との間で圧縮してなるサイディング用目地役物を備えた
    ことを特徴とするサイディング端部の目地構造
  3. 室外側向きに開口された係合溝を備えると共に、前記係合溝よりも室外側に突出した突出片を有する取付部材を、開口部建具枠を設ける躯体に取付け、
    該取付部材の係合溝に、片面に軟質部材を固着した目地部材を、該軟質部材がサイディングの端面に対向するように装着し、
    前記突出片と前記目地部材との間に、目地かくし部材の支持部を圧入して前記目地部材を前記取付部材の係合溝に係止させると共に、該支持部に設けた被係止部を前記突出片または前記目地部材の少なくともいずれか一方に設けた係止部に係止させて該目地かくし部材を抜け止めし、
    前記目地かくし部材の屋外片によってサイディング端部と前記開口部建具枠との隙間を覆い、
    前記目地部材に固着した軟質部材を対向するサイディングの端面と目地部材との間で圧縮してなるサイディング用目地役物を備えた
    ことを特徴とするサイディング端部の目地構造
  4. 開口部建具枠に、室外側向きに開口された係合溝と、該係合溝よりも室外側に突出した突出片を設け、
    前記開口部建具枠の係合溝に、片面に軟質部材を固着した目地部材を、該軟質部材がサイディングの端面に対向するように装着し、
    前記突出片と前記目地部材との間に、目地かくし部材の支持部を圧入して前記目地部材を前記取付部材の係合溝に係止させると共に、該支持部に設けた被係止部を前記突出片または前記目地部材の少なくともいずれか一方に設けた係止部に係止させて該目地かくし部材を抜け止めし、
    前記目地かくし部材の屋外片によってサイディング端部と前記開口部建具枠との隙間を覆うと共に、
    前記目地部材に固着した軟質部材を対向するサイディングの端面と目地部材との間で圧縮した
    ことを特徴とするサイディング用目地役物。
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