JP3958813B2 - 室温硬化性低分子量フッ化ビニリデンコポリマーおよびその製造方法 - Google Patents
室温硬化性低分子量フッ化ビニリデンコポリマーおよびその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温度でゴム状マテリアルを形成するような硬化性を有する、フッ化ビニリデン(VF2 )の低分子量コポリマーに関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子量フルオロエラストマーは、優れた耐熱性および耐薬品性を示す。従って、これらは、高温および腐蝕性ガスにさらされる装置中のシール、ワイヤーコーティング、およびダイヤフラムの高分子成分として有用であることが知られている。所望の物性を十分に発展させるために、フルオロエラストマーは、比較的高温、100℃を超えて、架橋剤の存在下で加硫される。コーティングおよびシーラント組成物は、一般に、低温で硬化される低分子量のポリマー組成物を基にしている。高分子量のフルオロエラストマーの耐熱性および耐薬品性を示すが、周囲温度で、好ましくは溶剤のない状態で硬化される利用可能なコーティングおよびシーラント組成物を有することが、望まれる。そのような組成物は、商業的に入手可能ではなかった。
【0003】
VF2 、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、および式
【0004】
【化7】
【0005】
[式中、n=2〜12]
で表されるペルフルオロ(アルキルビニル)エーテルのコポリマーは、英国特許第1,145,445号に開示されている。これらの組成物は、高分子量生成物であり、この生成物は、室温で固体であり、温度50℃で開始剤として過硫酸アンモニウムを用いる乳化共重合によって製造される。これらの組成物は高分子量であるので、低温度で硬化された無溶剤のシーラント中ではこれらの使用は許されない。
【0006】
HFPに対するVF2 の割合が70:30〜45:55の範囲であることを特徴とする分子量1,000〜22,000である、低分子量のVF2 とHFPのコポリマーも、よく知られている。例えば、米国特許第3,069,401号では、温度100〜250℃でペルオキシ開始剤の存在下で、VF2 /HFPコポリマーの製造を開示している。そのような組成物は、フルオロカーボンエラストマー中での可塑剤として有用であり、そこではその組成物は、加工処理方法を改善するように機能する。低分子量のコポリマーは、150℃を超える温度で、フルオロカーボンエラストマーと、共に加硫される。そのような組成物は、ゴム状マテリアルを生成するのに周囲温度では硬化できず、従ってこれらは、低温度適用で設計されたシーラントおよびコーティングでの使用に適していない。
【0007】
室温で液体のヨウ素含有VF2 コポリマーは、VF2 と1つ以上の他のフルオロオレフィンの共重合によって得ることができる。ここでいう他のフルオロオレフィンには、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニル、クロロトリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ペルフルオロシクロブチレン、ペルフルオロ(メチルビニル)エーテル、ペルフルオロ(エチルビニル)エーテルまたはペルフルオロ(プロピルビニル)エーテルのようなものがある。そのような液体コポリマーは、米国特許第4,361,678号に記載されている。これらのコポリマーは、VF2 10〜90(好ましくは40〜80)モル%および末端ヨウ素を含み、そして分子量900〜10,000である。これらは、有機過酸化物、ポリヒドロキシ化合物、およびポリアミンによって架橋される。ところが、架橋工程は、100℃で行われ、室温硬化は適応されない。加えて、米国特許第4,361,678号に開示されている方法では低収率という結果を得る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
低温で硬化性を有し、耐熱性および耐蝕性シーラント、ならびに保護コーティングの成分として有用なエラストマーを与える、つまり、低温で、ゴム状マテリアルを形成するような硬化性を有するフッ化ビニリデンの低分子量コポリマーおよびその製造方法を提供すること。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、
(1)数平均分子量2,500〜15,000を有する低分子量のフッ化ビニリデンコポリマーを含有する組成物であり、このコポリマーは、
a)フッ化ビニリデン、b)式
【0010】
【化8】
−CF2 CFQ−
[式中、Q=F、Cl、CF3 、OCF3 、OC2 F5 、またはOC3 F7 ]
の第二のコモノマー単位、c)式
【0011】
【化9】
−CF2 CFORf ′−
[式中、Rf ′=(CF2 )3 COOR、(CF2 )5 COOR、(CF2 )3 OCF(CF3 )COOR、R=C1 〜C6 アルキル]
を有する第三のコモノマー単位の共重合単位を有し、そしてこのフッ化ビニリデン、第二のコモノマー、および第三のコモノマーの共重合単位のモル比が、それぞれ(15〜120):(3.5〜32.5):(1.5〜4.0)であることを特徴とする組成物、および、
(2)数平均分子量2,500〜15,000を有する低分子量のフッ化ビニリデンコポリマーの製造方法であり、このコポリマーが、
a)フッ化ビニリデン、b)式
【0012】
【化10】
−CF2 CFQ−
[式中、Q=F、Cl、CF3 、OCF3 、OC2 F5 、またはOC3 F7 ]
の第二のコモノマー単位、c)式
【0013】
【化11】
−CF2 CFORf ′−
[式中、Rf ′=(CF2 )3 COOR、(CF2 )5 COOR、(CF2 )3 OCF(CF3 )COOR、R=C1 〜C6 アルキル]
を有する第三のコモノマー単位の共重合単位を有し、そしてこのフッ化ビニリデン、第二のコモノマー、および第三のコモノマーの共重合単位のモル比が、それぞれ(15〜120):(3.5〜32.5):(1.5〜4.0)であり、式
【0014】
【化12】
[C2 F5 (CF2 OC(CF3 )F)x COO]2
[式中、x=1〜3]
の開始剤の存在下、温度20〜100℃で、不活性溶剤中で溶液中のフッ化ビニリデン、および第二、第三コモノマーを接触させる工程を備えており、フッ化ビニリデン、前記第二のコモノマー、および前記第三のコモノマーのモル比は、1:(1.2〜0.1):(0.02〜0.1)であることを特徴とする製造方法、
を提供することである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の組成物は、低分子量のフッ化ビニリデンのコポリマーであり、室温で流体であり、溶剤なし、または少量の溶剤で使用でき、優れた耐燃料油性および耐薬品性を有するシーラントおよびコーティングを製造するのに使用される。加えて、コポリマーは、周囲温度を含む比較的低温で硬化性があり、成形品を製造するのに用いられる。無溶剤のシーラントが、望ましい。その理由は、溶剤の存在によって、収縮および巣が生じるからである。そのような問題は、加硫が高められた温度で起こるときに顕著となる。
【0016】
本発明のコポリマーは、フッ化ビニリデン、ハロゲン化されたオレフィンまたはフッ素化されたエーテルである第二のコモノマー、およびフッ素化されたエステルである第三のコモノマーのターポリマーである。第二のコモノマーは、塩素化されたまたはフッ素化された1,1,2−トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ペルフルオロ(メチルビニル)エーテル、ペルフルオロ(エチルビニル)エーテル、またはペルフルオロ(プロピルビニル)エーテルである。第三のコモノマーは、エステル部分を有するペルフルオロビニルエーテルの誘導体である。これらのコモノマーは、硬化サイトとして働き、式
【0017】
【化13】
CF2 CFORf ′F
[式中、Rf ′=(CF2 )3 COOR、(CF2 )5 COOR、(CF2 )3 OCF(CF3 )COOR、R=C1 〜C6 アルキル]
で表される化合物よりなる群から選ばれる。そのようなコモノマーの特に好ましい例は、CF2 CFO(CF2 )3 COOCH3 、CF2 CFO(CF2 )5 COOCH3 、およびCF2 CFO(CF2 )3 OCF(CF3 )COOCH3 である。
【0018】
本発明のポリマーの数平均分子量は、2,500〜15,000、好ましくは3,000〜7,000である。15,000を超える数平均分子量を有するコポリマーは、溶剤なしでコーキング材として用いるには高すぎる粘度を有する。
【0019】
コポリマーは、遊離ラジカル開始剤の存在下で不活性溶媒中、バッチ方法または連続方法によって製造される。例えば、一つの好ましい方法は、フッ化ビニリデンおよび前述した第二のコモノマーと第三のコモノマーを、構造式
【0020】
【化14】
[C2 F5 (CF2 OC(CF3 )F)x COO]2
[式中、x=1〜3]
で表されるビス−(ペルフルオロポリオキサアルカノイル)過酸化物のような過酸化物開始剤の存在下で、接触させる工程を含む。ターポリマーの製造に用いるのに適している他の過酸化物開始剤は、一般式
【0021】
【化15】
[Rf COO]2
[式中、Rf は、ペルフルオロクロロアルキルラジカルまたはペルフルオロクロロシクロアルキルラジカルである。]
で表されるこれらの過酸化物を含む。
【0022】
攻撃的な媒体、例えば、ガス状のフッ素に対する改善された耐性をもつコポリマーを得るために、式
【0023】
【化16】
Rf Brx
[式中、x=1または2、Rf は、ペルフッ素化されたアルキルラジカル]
で表される連鎖移動剤の存在下で重合化を行うことが好ましい。好ましくは、連鎖移動剤は、1,2−ジブロモテトラフルオロエタンである。一般に、1,2−ジブロモテトラフルオロエタンは、モノマーに対する臭素化されたテトラフルオロエタンのモル比が、(0.2〜2.2):1であるような量で存在する。
【0024】
反応は、撹拌しながら0.8MPa以下の圧力で行われる。反応時間4〜6時間は、通常十分で、収率70〜90%が、通常達成される。
【0025】
共重合反応での開始剤として使用するのに適切なビス−(ペルフルオロポリオキサアルカノイル)過酸化物は、A.S.SibertおよびD.Swern によってAnalytical Chemistry,30,No.3,385(1958)に記載された方法で製造される。この方法は、酸フッ化物と過酸化水素を水酸化カリウムの存在下でCFC−113中、−10℃で反応させる工程からなる。
【0026】
ターポリマーは、硬化サイトとして働くエステル部分を含む。ポリアミンは、周囲温度で、ポリマーを架橋するのに有用である。適切なポリアミンは、キシリレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、およびジエチレントリアミンのような、脂肪族および脂肪芳香族ジアミンおよびポリアミンを含む。一般に、約3〜8部のポリアミン硬化剤は、ポリマー100部あたりに対して有用である。硬化は、周囲温度で、数時間にわたって起こる。例えば、ターポリマーは、5〜20分内で、ポリアミン硬化剤と混合される。得られた混合物は、ほぼ18〜24時間の間に例えば10MPaの圧力下に保持された型に導入される。室温で170時間までのより長い期間が、架橋ネットワークをより十分に発展させるのに適用される。
【0027】
本発明の硬化されたポリマーは、コーティングまたは接着配合物の成分としての使用に適している。そのような用途に利用するとき、ポリマー組成物は、充填剤、酸化防止剤、オゾン亀裂防止剤、溶剤、遅延剤、耐蝕性添加剤、顔料、および接着剤樹脂のような種々の慣用の添加剤と配合される。一般に、そのような添加剤は、ポリマー100部あたり1〜150部、好ましくはポリマー100部あたり5〜50部の量で存在する。種々の添加剤と混合する際の組成物の可使時間は、一般に、室温で8時間より少ないことはない。コポリマー配合物が、コーティング用途で用いられたとき、コポリマー配合物は、ブラシ、スプレーを用いて、または浸漬することによって塗布される。例えば、H(CF2 CF2 )n CH2 OH[式中、nは1〜4である。]のようなフッ素化されたアルコールは、特に、本発明の液体コポリマーに対して遅延剤として用いられ、可使時間を調節したり、物性を高めるのに用いられる。そのようなフッ素化されたアルコールが存在するとき、可使時間は、典型的に、引張り強さを失うことなしに数オーダーの規模に拡大される。
【0028】
【実施例】
本発明は、次の実施例で説明され、そのなかで特に断りのない限り全ての部は、重量である。
【0029】
〈テスト方法〉
数平均分子量は、ペンタフルオロクロロベンゼン中に測定された量のコポリマーを溶解させることによって、沸点法で決定された。
【0030】
コポリマーの動粘度は、へプラー粘度計で測定された。
【0031】
19FNMRスペクトルは、使用振動数476MHzを用いてAM−500Brucker装置に記録された。コポリマーのNMRスペクトルは、ヘキサフルオロベンゼン中で使用された。
【0032】
〈実施例1〉
フッ化ビニリデン(VF2 )37.6g(0.59モル)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)51.8g(0.345モル)、CF2 =CFO(CF2 )5 COOCH3 (PFVE−II)19.0g(0.047モル)、Freon113(登録商標)冷媒(E.I.DuPont de Nemours & Co より入手)中の式
【0033】
【化17】
[C2 F5 CF2 OC(CF3 )FCOO]2
のビス(ペルフルオロポリオキサアルカノイル)過酸化物の0.34M溶液110ml(0.037モル)、および追加のFreon113(登録商標)234gの混合物が、排気され冷却された圧力反応器に挿入された。この反応器は、ステンレス鋼で被覆されており、容量が0.5リットルで、撹拌機を設けていた。VF2 :HFP:PFVE−IIのモル比は、1:0.59:0.079であり、モノマーの総量に対する過酸化物のモル比は、0.038:1であった。重合化は、温度40℃で行われた。初期圧力は、0.7MPaであり、5時間の経過で0.18MPaに減少した。圧力降下が、終了した後、反応塊は、1時間にわたって40℃で撹拌され、回転蒸発器のフラスコに排出された。溶剤および、揮発物は、圧力3〜5mmHgの減圧下で取り除かれ、同時に、フラスコの内容物を徐々に加熱し、150℃にした。コポリマー生成物は、150〜160℃で1時間にわたって減圧下で加熱された。粘性の半透明な液体のコポリマーは、検量して98gを得られた。このことは、収率91%ということである。コポリマーは、50℃での動粘度(η)45Pa.s、数平均分子量(Mn )4100であった。コポリマー生成物は、VF2 、HFP、PFVE−IIおよび[C2 F5 CF2 OCF(CF3 )]の共重合単位より構成されており、そのモル比は4.40:1.0:0.34:0.32であるということが、19FNMR分析よりわかった。これは、(VF2 )27.2(HFP)6.2 (PFVE−II)2.1 および[C2 F5 CF2 OCF(CF3 )]−末端基1.98の共重合単位を有するコポリマーに一致する。この組成物のポリマーに対して重量%で計算された組成は、C:29.9、F:65.4、H:1.49である。実測値はC:30.3、F:65.2、H:1.4である。
【0034】
〈実施例2〉
VF2 40.8g(0.64モル)、HFP57.4g(0.38モル)、CF2 =CFO(CF2 )3 COOCH3 (PFVE−I)6.24g(0.02モル)の混合物は、Freon113(登録商標)冷媒中の式
【0035】
【化18】
[C2 F5 CF2 OC(CF3 )FCOO]2
の過酸化物の0.23M溶液31.8ml(0.0073モル)の存在下で共重合された。この反応混合物はまた、追加のFreon113(登録商標)386gを含んでいた。反応条件は、実施例1に記載したのとほぼ等しかった。VF2 :HFP:PFVE−Iのモル比は、1:0.60:0.031であり、モノマーの総量に対する過酸化物のモル比は、0.007:1であった。共重合化は、4時間にわたって温度30℃で行われ、コポリマーグリース生成物80gが単離され、Mn 15,000、収率77%であった。コポリマー生成物は、VF2 、HFP、PFVE−Iおよび[C2 F5 CF2 OCF(CF3 )]の共重合単位より構成されており、そのモル比は3.71:1.0:0.12:0.06であるということが、19FNMR分析よりわかった。これは、(VF2 )120.7 (HFP)32.5(PFVE−I)3.9 および[C2 F5 CF2 OCF(CF3 )]−末端基1.95の共重合単位を有するコポリマーに一致する。この組成物のポリマーに対して重量%で計算された組成は、C:31.0、F:65.4、H:1.69である。実測値はC:31.3、F:65.9、H:1.6である。
【0036】
〈実施例3〉
VF2 40.4g(0.63モル)、HFP56.6g(0.38モル)、CF2 =CFO(CF2 )3 COOCH3 (PFVE−I)10.8g(0.035モル)の混合物は、Freon113(登録商標)冷媒中の式
【0037】
【化19】
[C2 F5 CF2 OC(CF3 )FCOO]2
の過酸化物の0.355M溶液44.8ml(0.016モル)の存在下で共重合された。この反応混合物はまた、追加のFreon113(登録商標)341gおよび1,2−ジブロモテトラフルオロエタン59.8g(0.23モル)を含んでいた。反応条件は、実施例1に記載したのとほぼ等しかった。VF2 :HFP:PFVE−Iのモル比は、1:0.60:0.056であり、モノマーの総量に対する過酸化物のモル比は、0.015:1であり、モノマーの総量に対するジブロモテトラフルオロエタンのモル比は、0.22:1であった。共重合化は、4時間にわたって温度40℃で行われた。初期圧力0.75MPaは、0.18MPaに減少し、より低圧に達した後、反応塊は、40℃で追加の1時間撹拌された。実施例1に記載されたように溶剤および揮発物をほぼ取り除いた後、粘性の半透明な液体のコポリマー生成物83gが単離され、Mn 5500、収率77%であった。コポリマーは、50℃での動粘度(η)62Pa.sを有した。コポリマー生成物は、VF2 、HFP、PFVE−Iおよび[C2 F5 CF2 OCF(CF3 )]の共重合単位より構成されており、そのモル比は3.32:1.0:0.25:0.09であるということが、19FNMR分析よりわかった。これは、(VF2 )37.2(HFP)11.2(PFVE−I)2.8 および[C2 F5 CF2 OCF(CF3 )]−末端基1.01の共重合単位を有するコポリマーに一致する。加えて、元素分析によって、コポリマーがBr1.5重量%を含むとわかった。この組成物のポリマーに対して重量%で計算された組成は、C:29.8、F:64.2、H:1.50である。実測値はC:29.2、F:64.3、H:1.6である。
【0038】
〈実施例4〉
実施例3の方法を用いて、VF2 38.7g(0.60モル)、ペルフルオロ(プロピルビニル)エーテル(PPVE)94.6g(0.36モル)、CF2 =CFO(CF2 )3 COOCH3 (PFVE−I)14.7g(0.048モル)の混合物は、Freon113(登録商標)冷媒中の式
【0039】
【化20】
[C2 F5 CF2 OC(CF3 )FCOO]2
の過酸化物の0.31M溶液48.8ml(0.015モル)の存在下で共重合された。この反応混合物はまた、追加のFreon113(登録商標)248gおよび1,2−ジブロモテトラフルオロエタン57.7g(0.22モル)を含んでいた。VF2 :PPVE:PFVE−Iのモル比は、1:0.59:0.079であり、モノマーの総量に対する過酸化物のモル比は、0.015:1であり、モノマーの総量に対するジブロモテトラフルオロエタンのモル比は、0.22:1であった。共重合化は、4時間にわたって温度40℃で行われた。実施例3に記載されたように溶剤および揮発物をほぼ取り除いた後、コポリマーグリース生成物120gが単離され、Mn 8400、収率81%であった。コポリマーは、50℃での動粘度(η)92Pa.sを有していた。コポリマー生成物は、VF2 、PPVE、PFVE−Iおよび[C2 F5 CF2 OCF(CF3 )]の共重合単位より構成されており、そのモル比は2.33:1.0:0.13:0.06であるということが、19FNMR分析よりわかった。これは、(VF2 )40.9(PPVE)17.5(PFVE−I)2.3 および[C2 F5 CF2 OCF(CF3 )]−末端基1.05の共重合単位を有するコポリマーに一致する。加えて、元素分析によって、コポリマーがBr0.9重量%を含むとわかった。この組成物のポリマーに対して重量%で計算された組成は、C:27.4、F:65.8、H:1.05である。実測値はC:27.9、F:65.3、H:1.2である。
【0040】
〈実施例5〉
実施例3の方法を用いて、VF2 42.8g(0.67モル)、HFP59.4g(0.40モル)、CF2 =CFO(CF2 )5 COOCH3 (PFVE−II)17.5g(0.043モル)の混合物は、Freon113(登録商標)冷媒中の式
【0041】
【化21】
[C2 F5 CF2 OC(CF3 )FCOO]2
の過酸化物の0.355M溶液23.4ml(0.008モル)の存在下で共重合された。この反応混合物はまた、追加のFreon113(登録商標)258gおよび1,2−ジブロモテトラフルオロエタン203g(0.78モル)を含んでいた。VF2 :HFP:PFVE−IIのモル比は、1:0.59:0.064であり、モノマーの総量に対する過酸化物のモル比は、0.0072:1であり、モノマーの総量に対するジブロモテトラフルオロエタンのモル比は、0.7:1であった。共重合化は、6時間にわたって温度25℃で行われた。実施例3に記載されたように溶剤および揮発物をほぼ取り除いた後、粘性の半透明な液体のコポリマー生成物89gが単離され、Mn 4500、収率77%であった。コポリマーは、50℃での動粘度(η)51Pa.sを有していた。コポリマー生成物は、VF2 、HFP、PFVE−IIおよび[C2 F5 CF2 OCF(CF3 )]の共重合単位より構成されており、そのモル比は3.28:1.0:0.32:0.07であるということが、19FNMR分析よりわかった。これは、(VF2 )27.8(HFP)8.5 (PFVE−II)2.7 および[C2 F5 CF2 OCF(CF3 )]−末端基0.59の共重合単位を有するコポリマーに一致する。加えて、元素分析によって、コポリマーがBr2.5重量%を含むとわかった。この組成物のポリマーに対して計算された組成は、C:29.3、F:63.7、H:1.42である。実測値はC:29.8、F:64.0、H:1.5である。
【0042】
〈実施例6〉
実施例3の方法を用いて、VF2 40.1g(0.63モル)、HFP55.8g(0.37モル)、CF2 =CFO(CF2 )3 OCF(CF3 )COOCH3 (PFVE−III)25.4g(0.060モル)の混合物は、Freon113(登録商標)冷媒中の式
【0043】
【化22】
[C2 F5 CF2 OC(CF3 )FCOO]2
の過酸化物の0.375M溶液21.2ml(0.008モル)の存在下で共重合された。この反応混合物はまた、1,2−ジブロモテトラフルオロエタン401g(1.54モル)を含んでいた。VF2 :HFP:PFVE−IIIのモル比は、1:0.59:0.096であり、モノマーの総量に対する過酸化物のモル比は、0.0075:1であり、モノマーの総量に対するジブロモテトラフルオロエタンのモル比は、1.46:1であった。共重合化は、6時間にわたって温度25℃で行われた。実施例3に記載されたように溶剤および揮発物をほぼ取り除いた後、粘性の半透明な液体のコポリマー生成物90gが単離され、Mn 2500、収率74%であった。コポリマーは、50℃での動粘度(η)12Pa.sを有していた。コポリマー生成物は、VF2 、HFP、PFVE−IIIおよび[C2 F5 CF2 OCF(CF3 )]の共重合単位より構成されており、そのモル比は4.30:1.0:0.50:0.06であるということが、19FNMR分析よりわかった。これは、(VF2 )15.0(HFP)3.5 (PFVE−III)1.7 および[C2 F5 CF2 OCF(CF3 )]−末端基0.21およびBr末端基1.75の共重合化された単位を有するコポリマーに一致する。加えて、元素分析によって、コポリマーがBr5.6重量%を含むとわかった。この組成物のポリマーに対して重量%で計算された組成は、C:28.2、F:60.2、H:1.40である。実測値はC:28.5、F:60.1、H:1.4である。
【0044】
〈実施例7〉
実施例3の方法を用いて、VF2 40.8g(0.64モル)、ペルフルオロ(メチルビニル)エーテル(PMVE)53.0g(0.32モル)、CF2 =CFO(CF2 )3 COOCH3 (PFVE−I)14.6g(0.048モル)の混合物は、Freon113(登録商標)冷媒中の式
【0045】
【化23】
[C2 F5 CF2 OC(CF3 )FCOO]2
の過酸化物の0.145M溶液13.8ml(0.002モル)の存在下で共重合された。この反応混合物はまた、1,2−ジブロモテトラフルオロエタン580g(2.23モル)を含んでいた。VF2 :PMVE:PFVE−Iのモル比は、1:0.50:0.075であり、モノマーの総量に対する過酸化物のモル比は、0.0002:1であり、モノマーの総量に対するジブロモテトラフルオロエタンのモル比は、2.22:1であった。共重合化は、4時間にわたって温度30℃で行われた。実施例3に記載されたように溶剤および揮発物をほぼ取り除いた後、粘性の半透明な液体のコポリマー生成物77gが単離され、Mn 4800、収率71%であった。コポリマーは、50℃での動粘度(η)53Pa.sを有していた。コポリマー生成物は、VF2 、PMVE、およびPFVE−Iの共重合単位より構成されており、そのモル比は2.66:1.0:0.14であるということが、19FNMR分析よりわかった。これは、(VF2 )31.9(PMVE)12.6(PFVE−I)1.7 およびBr末端基1.98の共重合単位を有するコポリマーに一致する。加えて、元素分析によって、コポリマーがBr3.3重量%を含むとわかった。この組成物のポリマーに対して重量%で計算された組成は、C:28.4、F:61.2、H:1.43である。実測値はC:29.2、F:61.0、H:1.5である。
【0046】
〈コポリマー加硫〉
実施例1〜7のコポリマー生成物は、室温で、ポリマー100部あたり3〜8部の脂肪族または脂肪芳香族ジアミンおよびポリアミンの添加によって硬化される。実施例1〜7のコポリマーはそれぞれ、3〜5分間にわたって室温でキシリレンジアミン(メタおよびパラ異性体を75:25で混合したもの)硬化剤を4〜7重量部とそれぞれ混合された。実施例2および4のコポリマーの場合、酢酸エチル10〜20部が、追加的に存在した。そうして、組成物は、型の中に置かれ、18〜24時間にわたって室温で圧力10MPaの条件下に保たれた。このようにして得られた加硫物は、ゴム状マテリアルであり、室温で120〜170時間経ったのち、または70℃で簡単な熱サイクルの間、最大の物理力学的特性に達した。硬化された組成物の物理力学的テストの結果は、表1に示す。1,2−ジブロモテトラフルオロエタンの存在下で調製された実施例3〜7のコポリマーは、実施例1および5のポリマーに対してゲージ圧力0.05MPa、20℃に120時間にわたってさらされた結果によって説明されたようにガス状のフッ素に対して増加された耐性を示す。結果は、表2に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】
前記の通り、本願発明において、エステル官能価を有するフッ素化されたモノマーをともなう低分子量フッ化ビニリデンコポリマーおよびその製造方法を提供することにより、耐熱性および耐蝕性シーラント、ならびに保護コーティングの成分として有用なエラストマーを製造できる。
Claims (2)
- 数平均分子量2,500〜15,000を有する低分子量のフッ化ビニリデンコポリマーであり、このコポリマーは、
a)フッ化ビニリデン、
b)式
−CF2 CFQ−
[式中、Q=F、Cl、CF3 、OCF3 、OC2 F5 、またはOC3 F7 ]
の第二のコモノマー単位、
c)式
−CF2 CFORf ′−
[式中、Rf ′=(CF2 )3 COOR、(CF2 )5 COOR、(CF2 )3 OCF(CF3 )COOR、R=C1 〜C6 アルキル]
を有する第三のコモノマー単位の共重合単位を有し、フッ化ビニリデン、前記第二のコモノマー、および前記第三のコモノマーの共重合単位のモル比が、それぞれ(15〜120):(3.5〜32.5):(1.5〜4.0)であることを特徴とするフッ化ビニリデンコポリマー。 - 数平均分子量2,500〜15,000を有する低分子量のフッ化ビニリデンコポリマーの製造方法であり、このコポリマーが、
a)フッ化ビニリデン、
b)式
−CF2 CFQ−
[式中、Q=F、Cl、CF3 、OCF3 、OC2 F5 、またはOC3 F7 ]
の第二のコモノマー単位、
c)式
−CF2 CFORf ′−
[式中、Rf ′=(CF2 )3 COOR、(CF2 )5 COOR、(CF2 )3 OCF(CF3 )COOR、R=C1 〜C6 アルキル]
を有する第三のコモノマー単位の共重合単位を有し、このフッ化ビニリデン、前記第二のコモノマー、および前記第三のコモノマーの共重合単位のモル比が、それぞれ(15〜120):(3.5〜32.5):(1.5〜4.0)であり、式
[C2 F5 (CF2 OC(CF3 )F)x COO]2
[式中、x=1〜3]
の開始剤の存在下、温度20〜100℃で、不活性溶剤中で溶液中のフッ化ビニリデン、および前記第二、第三コモノマーを接触させることを特徴とする製造方法。
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