JP3958042B2 - ディジタル・アナログ・コンバータ、電流源及び差動アンプ - Google Patents

ディジタル・アナログ・コンバータ、電流源及び差動アンプ Download PDF

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    • H03M1/745Simultaneous conversion using current sources as quantisation value generators with weighted currents

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル・アナログ・コンバータ、電流源及び差動アンプに係り、より詳しくは、電流駆動型のディジタル・アナログ・コンバータ及び当該ディジタル・アナログ・コンバータに好適に用いることができる電流源及び差動アンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、代表的な電流駆動型のディジタル・アナログ・コンバータ(以下、「DAコンバータ」ともいう。)として、電流セルマトリクス型DAコンバータがある。なお、電流セルマトリクス型DAコンバータについては、David Johns著書“ANALOG INTEGRATED CIRCUIT DESIGN”p477〜p478に詳述されているので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0003】
図9には、電流セルマトリクス型DAコンバータの回路構成例が示されている。このDAコンバータは、同図左側に示される回路構成の電流セル(ディジタルコード1ビット(bit)に対応する部分。)が同図右側に示されるようにマトリクス状に配置されて構成されている。
【0004】
電流セルマトリクス型DAコンバータは、ディジタルコードと電流量を対応させたDAコンバータであって、DAコンバータを構成するMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)の素子間のバラツキに対して、出力電流のバラツキが小さいことが特長とされている。よって、このDAコンバータは、高い変換精度を有するDAコンバータとして広く認知されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような電流セルマトリクス型DAコンバータでは、対応するディジタルコードのビット数が増加するに従って当該DAコンバータを構成する電流セルの数が指数関数的に増大するので、当該DAコンバータを多ビット構成のディジタルコードに対応するものとして構成する場合にはモジュールサイズが大きくなってしまう、という問題点があった。DAコンバータを半導体集積回路として1チップ構成する場合、当該チップ内におけるDAコンバータの占有面積には制限があることから、この問題点は深刻である。
【0006】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、多ビットのディジタルコードに対応するものとして構成する場合であってもモジュールサイズの大型化を防止することができるディジタル・アナログ・コンバータと、これに好適に用いることができる電流源及び差動アンプとを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載のディジタル・アナログ・コンバータは、電流駆動型のディジタル・アナログ・コンバータであって、アナログ信号への変換対象とするディジタルコードの最下位ビットに対応する電流を流す定電流源と、前記ディジタルコードの最下位ビットを除くビットに対応する電圧を発生するための抵抗と、前記抵抗により発生された電圧が制御端子に印加されると共に、前記ディジタルコードの最下位ビットを除くビットに対応する電流を流す電界効果トランジスタと、前記抵抗との組み合わせにより前記電界効果トランジスタの制御端子に印加される電圧を、当該電界効果トランジスタをサブスレッショルド領域で動作させることができる電圧で、かつ当該電界効果トランジスタが対応するビットに対応する電流を流す電圧とするための電流源と、前記電界効果トランジスタにより流される電流及び前記定電流源により流される電流に基づいて前記アナログ信号を生成する生成手段と、を備えている。
【0008】
請求項1に記載のディジタル・アナログ・コンバータによれば、アナログ信号への変換対象とするディジタルコードの最下位ビット(LSB(Least Significant Bit))に対応する電流が定電流源によって流され、上記ディジタルコードの最下位ビットを除くビットに対応する電圧が抵抗によって発生され、上記抵抗により発生された電圧が制御端子に印加される電界効果トランジスタによって上記ディジタルコードの最下位ビットを除くビットに対応する電流が流される。
【0009】
ここで、上記最下位ビットを除くビットのビット数は1ビットに限らず、複数ビットとすることができる。この場合、本発明の抵抗は、当該複数ビットに各々対応する異なる大きさの電圧を発生する必要があり、本発明の電界効果トランジスタも当該複数ビットに各々対応する異なる大きさの電流を流す必要がある。従って、本発明の抵抗及び電界効果トランジスタは当該複数ビットのビット数だけ必要とされ、各電界効果トランジスタの制御端子には、各々異なる抵抗によって発生された異なる大きさの電圧の何れかが印加されることになる。
【0010】
なお、上記電界効果トランジスタには、MOSFET、HEMT(High Electron Mobility Transistor、高電子移動度トランジスタ)等が含まれる。また、上記制御端子は電界効果トランジスタのゲート端子に相当する。
【0011】
ここで、請求項1記載の発明では、電流源により、上記抵抗との組み合わせによって上記電界効果トランジスタの制御端子に印加される電圧が、当該電界効果トランジスタをサブスレッショルド領域(Sub-threshold region)で動作させることができる電圧で、かつ当該電界効果トランジスタが対応するビットに対応する電流を流す電圧とされ、生成手段により、上記電界効果トランジスタにより流される電流及び上記定電流源により流される電流に基づいて上記アナログ信号が生成される。
【0012】
なお、本発明の生成手段としては、例えば、上記ディジタルコードのLSB以外のビットについてはハイレベルとなっているビットに対応する電界効果トランジスタによって流される電流のみを有効とし、LSBについてはハイレベルとなっている場合のみに定電流源によって流される電流を有効として、有効とした電流の合計電流値となるようにアナログ信号を生成する形態を適用することができる。このとき、電流を有効とするか否かの制御は、本発明の電界効果トランジスタによって流される電流を流すか否かを切り替えるスイッチング素子(電界効果トランジスタ等)を用いて、電流を有効とする場合のみ当該電流を流すようにスイッチング素子を制御する形態や、CPU(中央演算処理装置)によりディジタルコードの状態に応じて有効とする電流を判断する形態等が適用できる。
【0013】
すなわち、本発明では、ディジタルコードは1ビット桁がずれる毎に2のべき乗(累乗)だけ重み値が変化する点と、電界効果トランジスタのサブスレッショルド領域は、図2に示されるように、ゲート・ソース間電圧の線形変化に対してドレイン電流の対数が線形変化する領域である点と、に着目し、本発明の電界効果トランジスタの制御端子(ゲート端子)に印加する電圧の電圧値を、当該電界効果トランジスタをサブスレッショルド領域で動作させることができる値で、かつ当該電界効果トランジスタが対応するビットに対応する電流を流すことができる値とすることにより、ディジタルコードのLSB以外の各ビットに対応する電流値の電流を、各々1つの電界効果トランジスタ及び1つの抵抗により得ることができるようにしている。なお、本発明では、ディジタルコードのLSBに対応する電流は定電流源によって流されるので、当該電流は常時安定したものとされる。
【0014】
従って、ディジタル・アナログ・コンバータを多ビットのディジタルコードに対応するものとして構成する場合であっても、ディジタル−アナログ変換に寄与する部分の電界効果トランジスタの数をディジタルコードのビット数に対応する数とすることができ、前述の電流セルマトリクス型DAコンバータに比較して、モジュールサイズの大型化を防止することができる。
【0015】
このように請求項1に記載のディジタル・アナログ・コンバータによれば、アナログ信号への変換対象とするディジタルコードの最下位ビットに対応する電流を定電流源によって流し、上記ディジタルコードの最下位ビットを除くビットに対応する電圧を抵抗によって発生し、発生した電圧が制御端子に印加される電界効果トランジスタによって上記ディジタルコードの最下位ビットを除くビットに対応する電流を流すと共に、電流源によって上記抵抗との組み合わせにより上記電界効果トランジスタの制御端子に印加される電圧を、当該電界効果トランジスタをサブスレッショルド領域で動作させることができる電圧で、かつ当該電界効果トランジスタが対応するビットに対応する電流を流す電圧とし、更に、上記電界効果トランジスタにより流される電流及び上記定電流源により流される電流に基づいて上記アナログ信号を生成しているので、多ビットのディジタルコードに対応するものとして構成する場合であってもモジュールサイズの大型化を防止することができる。
【0016】
本発明に係るディジタル・アナログ・コンバータによるモジュールサイズの大型化の防止効果は、変換されるべきディジタルコードの桁数が大きいほど顕著である。
【0017】
例えば、n桁のディジタルコードを前述の電流セルマトリクス型DAコンバータで変換する場合、2n個の電流セルが必要であるのに対して、本発明のディジタル・アナログ・コンバータでは、n個の電流セルでまかなうことができる。よって、10ビットのディジタルコードをディジタル・アナログ変換する場合、本発明のディジタル・アナログ・コンバータは、電流セルマトリクス型DAコンバータに比べて、概算で1/100の面積に抑えることができる。
【0018】
一方、請求項2記載のディジタル・アナログ・コンバータは、請求項1記載の発明において、出力段に電界効果トランジスタを備え、かつ当該電界効果トランジスタが飽和領域で動作されると共に、前記定電流源により流される電流に基づいて前記抵抗に前記ディジタルコードの最下位ビットを除くビットに対応する電圧を発生させるための電流を供給する差動アンプを更に備えたものである。
【0019】
請求項2に記載のディジタル・アナログ・コンバータによれば、請求項1に記載の発明において、出力段に電界効果トランジスタを備えた差動アンプにより、上記定電流源により流される電流に基づいて上記抵抗に上記ディジタルコードの最下位ビットを除くビットに対応する電圧を発生させるための電流が供給される。
【0020】
ここで、本発明に係る差動アンプでは、出力段に備えられた電界効果トランジスタが飽和領域で動作される。
【0021】
すなわち、本発明では、上記抵抗に対して上記ディジタルコードのLSBを除くビットに対応する電圧を発生させるための電流を、出力段に備えられた電界効果トランジスタが飽和領域で動作される差動アンプにより供給しており、これによって温度変化や湿度変化等の環境変化等に起因する当該電流の変動を抑制するようにし、この結果として最終的に得られるアナログ信号の精度を向上するようにしている。
【0022】
このように請求項2に記載のディジタル・アナログ・コンバータによれば、請求項1記載の発明と同様の効果を奏することができると共に、出力段に飽和領域で動作される電界効果トランジスタを備えた差動アンプにより、本発明の定電流源により流される電流に基づいて本発明の抵抗にディジタルコードの最下位ビットを除くビットに対応する電圧を発生させるための電流を供給しているので、アナログ信号の精度を向上させることができる。
【0023】
ところで、請求項2に記載の発明では、差動アンプの出力段に備えられた電界効果トランジスタは飽和領域で動作させ、最下位ビットを除くビットに対応する電流を流す電界効果トランジスタはサブスレッショルド領域で動作させるため、これらの電界効果トランジスタ毎に異なる電圧源が必要となる。しかしながら、複数の電圧源を用いることは、ノイズ源の増加及びモジュールサイズの大型化を招くので不利である。
【0024】
そこで、請求項3記載のディジタル・アナログ・コンバータは、請求項2記載の発明において、前記差動アンプの出力段に備えられた電界効果トランジスタを、ニューロンMOS電界効果トランジスタとしたものである。
【0025】
ニューロンMOS電界効果トランジスタ(以下、「ニューロンMOSFET」ともいう。)は、1989年に、柴田直教授(現 東京大学)により発明された機能素子である。ニューロンMOSFETの詳細については、文献「岩田あつし監修 CMOSアナログ回路設計技術」の251頁〜268頁に詳述されているので詳細な説明は省略するが、図6に示すように、この電界効果トランジスタは入力用ゲート端子と制御用ゲート端子を有しており、制御用ゲート端子の電位に応じて電界効果トランジスタの閾値電圧のみを制御可能とするものである。なお、ここでいう閾値電圧は、一例として図8に示すように、ドレイン電流が流れ出すゲート・ソース間電圧の外挿値である。
【0026】
従来のMOSFETにおける閾値電圧は、プロセス条件によって一意的に決定されるものであった。これに対し、ニューロンMOSFETでは、制御用ゲート端子の電位を制御することで闘値電圧のみが制御できる。
【0027】
本発明では、差動アンプの出力段にニューロンMOSFETを備えることにより、ニューロンMOSFETの制御用ゲート端子に印加する電圧を制御することで閾値電圧を加減し、これによってソース電圧が低い場合であってもニューロンMOSFETを飽和領域で動作させることを可能としている。これにより、差動アンプの出力段に備えられたニューロンMOSFETのための電圧源と、最下位ビットを除くビットに対応する電流を流す電界効果トランジスタのための電圧源とを共通化することができる。
【0028】
このように請求項3に記載のディジタル・アナログ・コンバータによれば、請求項1記載の発明と同様の効果を奏することができると共に、差動アンプの出力段にニューロンMOS電界効果トランジスタを備えているので、電圧源を単一化することが可能となり、大型化を防止することができる。
【0029】
ところで、動作時の温度が高くなるほど抵抗の抵抗値は低くなり、抵抗に流れる電流の電流値が大きくなることが知られている。しかしながら、本発明に係る抵抗の当該電流値が温度に応じて変化することは、生成されるアナログ信号の精度を劣化させるので不利である。
【0030】
そこで、請求項4記載のディジタル・アナログ・コンバータは、請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の発明において、前記電流源を、温度が上昇するに従って流れる電流の電流値が減少するものとしたものである。
【0031】
すなわち、本発明では、温度の変化に応じて本発明の抵抗を流れる電流の電流値が変化した場合、電流源によって流される電流の電流値が上記抵抗とは逆方向に変化されるようにしており、これによって本発明の抵抗によって発生される電圧の温度変化に起因する変動を抑制することができる。
【0032】
このように請求項4に記載のディジタル・アナログ・コンバータによれば、請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の発明と同様の効果を奏することができると共に、本発明の電流源を、温度が上昇するに従って流れる電流の電流値が減少するものとしたので、本発明の抵抗によって発生される電圧の温度変化に起因する変動を抑制することができ、この結果として、アナログ信号の精度を向上させることができる。
【0033】
更に、請求項5記載のディジタル・アナログ・コンバータは、請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の発明において、前記ディジタルコードの最下位ビットを除くビットに対応する電流を流す電界効果トランジスタをニューロンMOS電界効果トランジスタとしたものである。
【0034】
従って、請求項5に記載のディジタル・アナログ・コンバータによれば、請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の発明と同様の効果を奏することができると共に、ディジタルコードの最下位ビットを除くビットに対応する電流を流す電界効果トランジスタをニューロンMOS電界効果トランジスタとしたので、当該ニューロンMOS電界効果トランジスタの制御用ゲート端子に印加する電圧を制御することによって当該ニューロンMOS電界効果トランジスタのドレイン電流を独立に制御することができ、この結果としてデバイス製作後にディジタル・アナログ変換精度を調整することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、ここでは、本発明のディジタル・アナログ・コンバータを、MOSFETを用いて構成した場合の形態例について説明する。すなわち、ここでは、対応するディジタルコードのビット数に等しい個数のMOSFETで、ディジタル−アナログ変換(以下、「DA変換」という。)に寄与する部分の回路モジュールを構成して電流駆動型DAコンバータを構成した場合について説明する。
【0038】
〔第1実施形態〕
図1には、本第1実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Aの回路構成が示されている。同図に示すように、本第1実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Aは、対応するディジタルコードのビット数に応じた個数とされたMOSFET1、2、・・・、11及び抵抗12、13、・・・、16と、1つの差動アンプ19と、1つの定電流源17と、1つの電流源18と、所定の電圧Vddl及び電圧Vddlより高い電圧である電圧Vddhを各々出力する2つの定電圧源20及び21と、を含んで構成されている。なお、MOSFET1、2、4、6、8、10はPチャネル型のMOSFETであり、MOSFET3、5、7、9、11はNチャネル型のMOSFETである。
【0039】
同図に示すように、MOSFET1のソース端子は定電圧源20の電圧出力端子に接続されており、ドレイン端子は定電流源17を介して接地されると共に、MOSFET1自身及びMOSFET2のゲート端子と差動アンプ19の非反転入力端子とに接続されている。
【0040】
また、MOSFET2のソース端子は定電圧源20の電圧出力端子に接続されており、ドレイン端子はMOSFET3のソース端子に接続されている。更に、MOSFET3のゲート端子は、変換対象とするディジタルコードのLSB1ビットの信号が入力される端子b0に接続されており、ドレイン端子は抵抗16を介して接地されると共に、電流駆動型DAコンバータ10Aの出力端子に接続されている。
【0041】
なお、MOSFET1及びMOSFET2のサブストレートは各々自身のソース端子に接続されており、MOSFET3のサブストレートは接地されている。
【0042】
一方、差動アンプ19の反転入力端子は自身の出力端子に接続されており、電源端子は定電圧源21の電圧出力端子に接続されている。また、差動アンプ19の出力端子は、抵抗12、13、14、・・・、15が直列に接続されて構成された直列回路の抵抗12側の一端に接続されており、当該直列回路の抵抗15側の他端は電流源18を介して接地されている。なお、上記直列回路を構成する抵抗の個数は、電流駆動型DAコンバータ10Aが対応しているディジタルコードのビット数からLSB1ビットに対応する‘1’を減算して得られた数とされている。
【0043】
また、上記直列回路を構成する抵抗12〜15において、抵抗12の出力側端子はMOSFET4のゲート端子に、抵抗13の出力側端子はMOSFET6のゲート端子に、抵抗14の出力側端子はMOSFET8のゲート端子に、抵抗15の出力側端子はMOSFET10のゲート端子に、各々接続されている。なお、MOSFET4、6、8、10の各々のソース端子は定電圧源20の電圧出力端子に、サブストレートは自身のソース端子に、各々接続されている。
【0044】
一方、MOSFET4のドレイン端子はMOSFET5のソース端子に、MOSFET6のドレイン端子はMOSFET7のソース端子に、MOSFET8のドレイン端子はMOSFET9のソース端子に、MOSFET10のドレイン端子はMOSFET11のソース端子に、各々接続されており、MOSFET5、7、9、11の各々のドレイン端子は電流駆動型DAコンバータ10Aの出力端子に接続されている。なお、MOSFET5、7、9、11の各々のサブストレートは接地されている。
【0045】
更に、MOSFET5のゲート端子は変換対象とするディジタルコードのLSBから2ビット目の信号が入力される端子b1に、MOSFET7のゲート端子は上記ディジタルコードのLSBから3ビット目の信号が入力される端子b2に、MOSFET9のゲート端子は上記ディジタルコードのLSBから4ビット目の信号が入力される端子b3に、MOSFET11のゲート端子は上記ディジタルコードのMSB(Most Significant Bit)の信号が入力される端子bm(mは、変換対象とするディジタルコードのビット数から‘1’を減算して得られた値。)に、各々接続されている。
【0046】
なお、抵抗14と抵抗15との間には、電流駆動型DAコンバータ10Aが対応するディジタルコードのビット数によって決定される個数の抵抗が直列接続されているので、これらの各抵抗の出力側端子にも、上述と同様にPチャネル型MOSFET及びNチャネル型MOSFETにより構成される直列回路の一端が接続されており、当該直列回路の各々の他端が電流駆動型DAコンバータ10Aの出力端子に接続されており、更に各Nチャネル型MOSFETのゲート端子は、上記ディジタルコードのLSBから5ビット目以降の信号が入力される端子b4、b5、・・・、bm-1(図示省略)に各々接続されている。
【0047】
電流駆動型DAコンバータ10AのLSBに対応する電流の大きさは定電流源17によって決定される。定電流源17に流れる電流を、本実施の形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Aでは、図2に示されるMOSFETのドレイン電流Ids−ゲート・ソース間電圧Vgs特性(以下、単に「Ids−Vgs特性」という。)の電流I1とする。電流I1は、Ids−Vgs特性のサブスレッショルド領域の電流である。
【0048】
上記サブスレッショルド領域では、ドレイン電流Idsとゲート・ソース間電圧Vgsの間には、次の(1)式の関係が成り立つ。
【0049】
【数1】
Figure 0003958042
【0050】
ここで、W:MOSFETのゲート幅
L:MOSFETのゲート長
Ids0:逆方向飽和電流
Cox:ゲート酸化膜の容量
Cdepl:空亡層容量
k:ボルツマン定数(≒1.38×10-23(J/K))
T:絶対温度
q:電子1個の電荷量(≒1.602×10-19(C))
である。
【0051】
(1)式から、定電流源17に電流I1が流れているとき、MOSFET1のゲート・ソース間電圧Vgs1は次の(2)式で示される。
【0052】
【数2】
Figure 0003958042
【0053】
ゲート・ソース間電圧Vgs1は、差動アンプ19の非反転入力端子に入力されて、反転入力端子が差動アンプ19の出力端子に結線される。よって、差動アンプ19の出力端子の電位はゲート・ソース間電圧Vgs1となる。
【0054】
一方、電流駆動型DAコンバータ10Aで適用する差動アンプ19には、図3に示すように、出力段にPチャネル型のMOSFET22が設けられている。ここで、本実施の形態では、抵抗12、13、14、・・・、15に供給する電流を安定化するために、MOSFET22を飽和領域で動作させる。このため、MOSFET22のソース端子電圧をMOSFET1のソース端子電圧より高電位とする必要がある。よって、差動アンプ19の電源としてMOSFET1のソース端子電圧(電圧Vddl)より高い電圧Vddhを出力する定電圧源21を用いている。
【0055】
また、MOSFET3がオンすれば、電流I1がMOSFET2及びMOSFET3に流れる。そして、Nチャネル型のMOSFET5、7、9、・・・、11に、各々2I1、221、231、・・・、2m1の電流が流れるようにするために、Pチャネル型のMOSFET4、6、8、10の各々のゲート・ソース間電圧Vgsを、次の(3)式〜(6)式で示されるゲート・ソース間電圧Vgs4、Vgs6、Vgs8、Vgs10のように各々設定する。
【0056】
【数3】
Figure 0003958042
【0057】
【数4】
Figure 0003958042
【0058】
【数5】
Figure 0003958042
【0059】
【数6】
Figure 0003958042
【0060】
以上から、DA変換されるべきディジタルコードにおいて、各ビットに対応するPチャネル型のMOSFETのゲート・ソース間電圧Vgsは、ディジタルコードが1桁(1ビット)変わるごとに、(nkT/q)×Ln2≒27mV(T=300Kと仮定)の電位が変化することになる。
【0061】
よって、ディジタルコードの各ビットに対応する端子b0、b1、b2、b3、・・・、bmの状態に応じて、電流駆動型DAコンバータ10Aの出力端子から出力される電圧Voutは、抵抗16の抵抗値をRaとしたとき、次の(7)式で示されるものとなる。
【0062】
【数7】
Figure 0003958042
【0063】
なお、(7)式におけるb0、b1、b2、・・・、bmは、各々対応する端子に入力されるディジタルコードの値を表わしている。
【0064】
次に、(nkT/q)×Ln2≒27mV(T=300Kと仮定)の電位を、個々の抵抗12、13、14、・・・、15と電流源18により生成できることを示す。抵抗12、13、14、・・・、15の各々の抵抗値を全て等しい値R(T)とし、かつ電流源18に流れる電流をI2(T)としたとき、抵抗値R(T)及び電流I2(T)には次の(8)式の関係式が成り立つ。
【0065】
【数8】
Figure 0003958042
【0066】
ここで、抵抗値R(T)及び電流I2(T)は、抵抗値R及び電流I2が絶対温度Tの関数であることを示している。
【0067】
一般的に、金属の抵抗の温度依存性は、R(T)=ρ0+ρT(ρ>0)と表せるから、電流源18に流れる電流I2(T)は、(8)式から次の(9)式のように書き換えられる。
【0068】
【数9】
Figure 0003958042
【0069】
ここで、ρ0は当該金属の絶対零度における抵抗率(外挿値)を、ρは当該金属の抵抗率を、各々表わす。
【0070】
(9)式で示されるような温度依存性を有する電流源を用いることにより、(nkT/q)×Ln2≒27mV(T=300Kと仮定)の電位を、個々の抵抗12、13、14、・・・、15と電流源18により生成することができる。
【0071】
(9)式は、T=ρ0/ρ(アルミニウムの場合、−214℃(59K)に相当)を漸近線とする温度Tの分数関数である。回路を実際に使用する温度領域(−50℃<T<130℃)においては、温度Tの上昇に対して、電流I2は単調に減少する。温度の上昇に対して減少する物理量で知られているものとして、ダイオードの端子間電圧がある。
【0072】
図4には、電流源18の回路例が示されている。同図に示すように、この回路では、定電流源23とバイポーラトランジスタ24のコレクタ端子を結線し、バイポーラトランジスタ24のベース端子をNチャネル型のMOSFET25のゲート端子に結線して、バイポーラトランジスタ24のベース・エミッタ間電圧VbeをMOSFET25のゲート端子に印加する。なお、定電流源23は従来から一般に広く用いられている温度依存性のない定電流源である。
【0073】
MOSFET25を飽和領域で動作させれば、MOSFET25のドレイン電流Ids(図1における電流I2に相当。)は、ゲート・ソース間電圧Vgs(バイポーラトランジスタ24のベース・エミッタ間電圧Vbeに相当。)で制御される。この結果、温度上昇に対して、MOSFET25のドレイン電流Idsを減少させることができる。
【0074】
定電流源17が本発明の定電流源に、電流源18が本発明の電流源に、抵抗12〜15が本発明の抵抗に、MOSFET4、6、8、・・・、10が本発明の電界効果トランジスタに、MOSFET3、5、7、9、・・・、11及び抵抗16が本発明の生成手段に、各々相当する。
【0075】
次に、本実施の形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Aの作用を説明する。なお、ここでは、定電流源17により、電流I1がIds−Vgs特性のサブスレッショルド領域の電流値となるように設定されていると共に、電流源18により、MOSFET4、6、8、10の各々のゲート・ソース間電圧Vgsを、各々上記(3)式〜(6)式で示されるゲート・ソース間電圧Vgs4、Vgs6、Vgs8、Vgs10とするように設定されていることを前提に説明する。
【0076】
まず、端子b0、b1、b2、・・・、bmに対してアナログ信号への変換対象とするディジタルコードをビット毎に入力する。
【0077】
すると、端子b0に入力されたディジタルコードがハイレベルである場合のみMOSFET3がオン状態となって電流I1が流れる。また、端子b1〜bmの各々については、入力されたディジタルコードがハイレベルである場合のみ、当該端子にゲート端子が接続されたMOSFETに、対応するビットに対応する大きさの電流(例えば、MOSFET5では電流値2×I1の電流、MOSFET7では電流値22×I1の電流)が流れる。
【0078】
従って、抵抗16には、変換対象とするディジタルコードにおいてハイレベルとなっているビットに対応する全ての電流が流入し、電流駆動型DAコンバータ10Aの出力端子の電圧Voutは(7)式によって示されるものとなり、入力されたディジタルコードによって示される値に応じた大きさとなる。
【0079】
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Aでは、アナログ信号への変換対象とするディジタルコードのLSBに対応する電流を定電流源17によって流し、上記ディジタルコードのLSBを除くビットに対応する電圧を抵抗12、13、14、・・・、15によって発生し、発生した電圧がゲート端子に印加されるMOSFET4、6、8、・・・、10によって上記ディジタルコードのLSBを除くビットに対応する電流を流すと共に、電流源18によって上記抵抗12〜15との組み合わせにより上記MOSFETのゲート端子に印加される電圧を、当該MOSFETをサブスレッショルド領域で動作させることができる電圧で、かつ当該MOSFETが対応するビットに対応する電流を流すことができる電圧とし、更に、上記MOSFETにより流される電流及び上記定電流源17により流される電流に基づいて上記アナログ信号を生成しているので、多ビットのディジタルコードに対応するものとして構成する場合であってもモジュールサイズの大型化を防止することができる。
【0080】
また、本実施の形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Aでは、出力段に飽和領域で動作されるMOSFET22を備えた差動アンプ19により、定電流源17により流される電流I1に基づいて抵抗12、13、14、・・・、15にディジタルコードのLSBを除くビットに対応する電圧を発生させるための電流を供給しているので、アナログ信号の精度を向上させることができる。
【0081】
更に、本実施の形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Aでは、電流源18を、温度が上昇するに従って流れる電流の電流値が減少するものとしたので、抵抗12、13、14、・・・、15によって発生される電圧の温度変化に起因する変動を抑制することができ、この結果として、アナログ信号の精度を向上させることができる。
【0082】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Aでは、差動アンプ19の出力段のMOSFET22を飽和領域で動作させるため、MOSFET22のソース端子電圧をMOSFET1のソース端子電圧より高電位とする必要があり、このために定電圧源を出力電圧の異なる定電圧源20及び21の2つ設ける必要があった。これに対し、本第2実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Bは、定電圧源の単一化を実現するものである。
【0083】
まず、図5を参照して、本第2実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Bの構成を説明する。なお、図5における図1と同一の構成要素には図1と同様の符号を付して、その説明を省略する。
【0084】
同図に示すように、本第2実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Bは、差動アンプ19に代えてニューロンMOSFETを出力段に備えた差動アンプ44を適用した点、及び定電圧源21を除いた点のみが上記第1実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Aと異なっている。
【0085】
本第2実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Bでは、MOSFET1、2、4、6、8、10の各々のソース端子と差動アンプ44の電源端子は全て定電圧源20の電圧出力端子に接続されており、上記ソース端子及び上記電源端子には単一の電圧Vddlが印加されることになる。
【0086】
一方、図6には電流駆動型DAコンバータ10Bで用いられる差動アンプ44の概略構成が示されている。同図に示すように、この差動アンプ44には、出力段にニューロンMOSFET46が備えられており、当該ニューロンMOSFET46に備えられた制御用ゲート端子は、差動アンプ44の外部に設けられた端子CONT(図5参照)に接続されている。
【0087】
本実施の形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Bでは、差動アンプ44の出力端子が電源電圧近傍においても、ニューロンMOSFET46の制御用ゲート端子に印加する電圧、すなわち端子CONTに印加する電圧を制御することで、ニューロンMOSFET46を飽和領域で動作させる。なお、端子CONTに印加する電圧の制御は電流駆動型DAコンバータ10Bの作動を制御するために設けられた不図示のDSP(Digital Signal Processor)等によって行われる。
【0088】
なお、本第2実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10BのDA変換動作に関する作用は、上記第1実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Aと同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0089】
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Bでは、上記第1実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Aと同様の効果を奏することができると共に、差動アンプ44の出力段に備えられたMOSFETを、ニューロンMOSFET46としているので、電圧源を単一化することが可能となり、DAコンバータの大型化を防止することができる。
【0090】
〔第3実施形態〕
本第3実施形態では、LSB以外のDA変換に寄与する電流を、サブスレッショルド領域で動作するニューロンMOSFETで生成する場合について説明する。
【0091】
まず、図7を参照して、本第3実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Cの構成を説明する。なお、図7における図1と同一の構成要素には図1と同様の符号を付して、その説明を省略する。
【0092】
同図に示すように、本第3実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Cは、差動アンプ19が用いられていない点、MOSFET4、6、8、・・・、10に代えてニューロンMOSFET53、54、・・・、55が用いられている点、及び電流源18に代えて可変電流源61が用いられている点が上記第1実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10と大きく異なる点である。
【0093】
電流駆動型DAコンバータ10Cにおいて、MOSFET1のソース端子は定電圧源20の電圧出力端子に接続されており、ドレイン端子は定電流源17を介して接地されると共に、MOSFET1自身及びMOSFET2のゲート端子とニューロンMOSFET53、54、・・・、55の各々の入力用ゲート端子に接続されている。
【0094】
一方、抵抗56、57、・・・、58が直列に接続されて構成された直列回路の抵抗56側の一端は定電圧源20及びニューロンMOSFET53の制御用ゲート端子に接続されており、当該直列回路の抵抗58側の他端は可変電流源61を介して接地されている。なお、上記直列回路を構成する抵抗の個数は、電流駆動型DAコンバータ10Cが対応しているディジタルコードのビット数からLSB1ビットに対応する‘1’を減算して得られた数とされている。
【0095】
また、上記直列回路を構成する抵抗56〜58において、抵抗56の出力側端子はニューロンMOSFET54の制御用ゲート端子に、抵抗58の出力側端子はニューロンMOSFET55の制御用ゲート端子に、各々接続されている。なお、ニューロンMOSFET53、54、・・・、55の各々のソース端子は定電圧源20の電圧出力端子に、サブストレートは自身のソース端子に、各々接続されている。
【0096】
本第3実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Cは、ニューロンMOSFET53〜55によって変換対象とするディジタルコードのビットに対応した電流を生成することを特徴としている。
【0097】
ニューロンMOSFET53〜55の各々の入力用ゲート端子には同電位の電圧が印加され、制御用ゲート端子にはディジタルコードの各ビットに応じた電圧が印加される。各制御用ゲート端子に印加される電圧は、同一の抵抗値を有する抵抗56〜58、及び可変電流源61により生成される。
【0098】
ニューロンMOSFET53〜55のフローティングゲートには、入力用ゲート端子と制御用ゲート端子に印加される各々の電圧の線形和により決定される電荷量の電荷が誘起される。そして、個々のフローティングゲート内の電荷量に応じて、個々のニューロンMOSFETに流れるドレイン電流の電流量が変わる。このことを利用して、個々のニューロンMOSFET53〜55が、サブスレッショルド領域で動作されるように可変電流源61に流れる電流及び各抵抗56〜58の抵抗値を設定する。
【0099】
なお、本第3実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10CのDA変換動作に関する作用は、上記第1実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0100】
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Cでは、上記第1実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Aと同様の効果を奏することができると共に、ディジタルコードのLSBを除くビットに対応する電流を流すMOSFETをニューロンMOSFET53、54、・・・、55としたので、当該ニューロンMOSFETの制御用ゲート端子に印加する電圧を制御することによって当該ニューロンMOSFETのドレイン電流を独立に制御することができ、この結果としてデバイス製作後にディジタル・アナログ変換精度を調整することができる。
【0101】
【発明の効果】
本発明に係るディジタル・アナログ・コンバータによれば、アナログ信号への変換対象とするディジタルコードの最下位ビットに対応する電流を定電流源によって流し、上記ディジタルコードの最下位ビットを除くビットに対応する電圧を抵抗によって発生し、発生した電圧が制御端子に印加される電界効果トランジスタによって上記ディジタルコードの最下位ビットを除くビットに対応する電流を流すと共に、電流源によって上記抵抗との組み合わせにより上記電界効果トランジスタの制御端子に印加される電圧を、当該電界効果トランジスタをサブスレッショルド領域で動作させることができる電圧で、かつ当該電界効果トランジスタが対応するビットに対応する電流を流す電圧とし、更に、上記電界効果トランジスタにより流される電流及び上記定電流源により流される電流に基づいて上記アナログ信号を生成しているので、多ビットのディジタルコードに対応するものとして構成する場合であってもモジュールサイズの大型化を防止することができる、という効果が得られる。
【0102】
また、本発明に係る電流源によれば、本発明に係るディジタル・アナログ・コンバータに適用されることによって、当該ディジタル・アナログ・コンバータの抵抗によって発生される電圧の温度変化に起因する変動を抑制することができ、この結果として、アナログ信号の精度を向上させることができる、という効果が得られる。
【0103】
更に、本発明にかかる差動アンプによれば、本発明に係るディジタル・アナログ・コンバータに適用されることによって、電圧源を単一化することが可能となり、大型化を防止することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Aの回路構成を示す回路図である。
【図2】MOSFETのドレイン電流Ids−ゲート・ソース間電圧Vgs特性の一例を示すグラフである。
【図3】第1実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Aで用いられている差動アンプ19の構成を示す概略図である。
【図4】第1、第2実施形態に係る電流駆動型DAコンバータにおいて用いられる電流源18の回路構成例を示す回路図である。
【図5】第2実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Bの回路構成を示す回路図である。
【図6】第2実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Bで用いられる差動アンプ44の構成を示す概略図である。
【図7】第3実施形態に係る電流駆動型DAコンバータ10Cの回路構成を示す回路図である。
【図8】MOSFETの閾値電圧の説明に供するグラフである。
【図9】従来技術の説明に供する図であり、従来の電流セルマトリクス型DAコンバータの回路構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
1〜11 MOSFET
10A、10B、10C 電流駆動型DAコンバータ
12〜16 抵抗
17 定電流源
18 電流源
19 差動アンプ
20、21 定電圧源
22 MOSFET
23 定電流源
24 バイポーラトランジスタ
25 MOSFET
44 差動アンプ
46 ニューロンMOSFET
53〜55 ニューロンMOSFET
56〜58 抵抗

Claims (5)

  1. 電流駆動型のディジタル・アナログ・コンバータであって、
    アナログ信号への変換対象とするディジタルコードの最下位ビットに対応する電流を流す定電流源と、
    前記ディジタルコードの最下位ビットを除くビットに対応する電圧を発生するための抵抗と、
    前記抵抗により発生された電圧が制御端子に印加されると共に、前記ディジタルコードの最下位ビットを除くビットに対応する電流を流す電界効果トランジスタと、
    前記抵抗との組み合わせにより前記電界効果トランジスタの制御端子に印加される電圧を、当該電界効果トランジスタをサブスレッショルド領域で動作させることができる電圧で、かつ当該電界効果トランジスタが対応するビットに対応する電流を流す電圧とするための電流源と、
    前記電界効果トランジスタにより流される電流及び前記定電流源により流される電流に基づいて前記アナログ信号を生成する生成手段と、
    を備えたディジタル・アナログ・コンバータ。
  2. 出力段に電界効果トランジスタを備え、かつ当該電界効果トランジスタが飽和領域で動作されると共に、前記定電流源により流される電流に基づいて前記抵抗に前記ディジタルコードの最下位ビットを除くビットに対応する電圧を発生させるための電流を供給する差動アンプ
    を更に備えた請求項1記載のディジタル・アナログ・コンバータ。
  3. 前記差動アンプの出力段に備えられた電界効果トランジスタを、ニューロンMOS電界効果トランジスタとした
    請求項2記載のディジタル・アナログ・コンバータ。
  4. 前記電流源を、温度が上昇するに従って流れる電流の電流値が減少するものとした
    請求項1乃至請求項3の何れか1項記載のディジタル・アナログ・コンバータ。
  5. 前記ディジタルコードの最下位ビットを除くビットに対応する電流を流す電界効果トランジスタをニューロンMOS電界効果トランジスタとした
    請求項1乃至請求項4の何れか1項記載のディジタル・アナログ・コンバータ。
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