JP3957589B2 - 音声処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル信号処理技術に関し、符号化信号、特にオーディオ圧縮符号化信号を復号し、帯域拡張処理を行うことにより高音質再生を実現する音声処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
帯域拡張処理を行うことにより高音質再生を実現する方法としては、様々な方法が提案されているが、そのなかで、例えば、復号処理されたサンプリング周波数FsのPCM信号に対して、N倍(Nは、N≧2である整数)のオーバーサンプリング処理を施し、そのオーバーサンプリング処理されたN×Fsのサンプリング周波数のPCM信号に対して、帯域がFs/2からN×Fs/2までの帯域成分を持つノイズ信号を付加することにより、帯域拡張を実現し高音質再生を実現する方法ある。この方法は、例えば、図23に示すような構成を有する音声処理装置によって実現される。
【0003】
この音声処理装置10000は、デコード処理部1100と、オーバーサンプリング部1200と、拡張帯域生成部1300と、バンドパスフィルタ1400とで構成される。
【0004】
デコード処理部1100は、外部より入力される符号化されたオーディオストリームを復号しPCMデータを生成する機能を有する。オーバーサンプリング部1200は、デコード処理部1100により復号処理されたPCMデータを入力することでN倍のオーバーサンプリング処理を行ない、N倍にオーバーサンプリングされたPCMデータを出力する。拡張帯域生成部1300は、オーバーサンプリング部1200によりオーバーサンプリング処理されたPCMデータに対して帯域拡張成分を生成する機能を有する。バンドパスフィルタ1400は、拡張帯域生成部1300によって生成される帯域拡張成分に対して、Fs/2付近からN×Fs/2付近までの帯域の成分を通過させるフィルタである。
【0005】
尚、ここでは、説明を容易にするために、デコード処理部1100は、DVD−Video規格に対応するデコーダであり、本例ではDVD−Video規格リニアPCMに準じたオーディオビットストリームが入力された場合について説明する。ここで、入力されるオーディオビットストリームはサンプリング周波数が48KHzとする。また、オーバーサンプリング部1200は、デコード処理部1100から出力されるサンプリング周波数48KHzのPCMデータに対し、各PCMデータ間に1サンプルずつ「0」データを挿入して、オーバーサンプリングを行い、アンチエリアジングフィルタによってノイズ除去を行うことで、サンプリング周波数96kHzのPCMデータを生成するものとする。また、拡張帯域生成部1300は、オーバーサンプリング部1200によりオーバーサンプリング処理された96kHzのPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波帯域拡張成分を生成する機能を有し、バンドパスフィルタ1400は、拡張帯域生成部1300によって生成される帯域拡張成分に対して、24kHz付近から48kHz未満の帯域を通過させるバンドパスフィルタであるものとする。
【0006】
図23に示すように、まず、DVD−Video規格のリニアPCMによるオーディオビットストリームがデコード処理部1100へ入力されると、デコード処理部1100は、プライベートヘッダで示される符号化モードに基づくサンプリング周波数、チャンネルモード、量子化ビット長にてPCMデータを生成し出力する。ここで生成されるPCMデータは、サンプリング周波数が48kHzであること、さらには入力ビットストリームデータが非圧縮であり可逆可能な符号化信号であることから、ナイキスト条件により最大24kHzまでの帯域特性を持つことが可能な信号である。
【0007】
次に、オーバーサンプリング部1200は、デコード処理部1100で生成されたPCMデータに対して、各PCMデータ間に1サンプルずつ「0」データの挿入を行い、アンチエリアジングフィルタによってサンプリング周波数96kHzのPCMデータに変換する。このとき、PCMデータの帯域特性は、アンチエリアジングフィルタによってエイリアジングノイズが除去されるので、入力PCMデータと同様に24kHz以下である。
【0008】
一方、拡張帯域生成部1300は、オーバーサンプリング部1200で処理されたサンプリング周波数96kHzのPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波で構成される帯域拡張成分を生成し出力する。ここで生成される帯域拡張成分のサンプリング周波数は、オーバーサンプリング部1200で処理されたPCMデータと同様に96kHzである。拡張帯域生成部1300で生成された帯域拡張成分は、バンドパスフィルタ1400によって、24kHz付近からから48kHz未満の帯域に制限され、その出力データは、オーバーサンプリング部1200で処理されたPCMデータと加算されて、外部に出力される。
【0009】
このような音声処理装置の場合、入力される符号化データが、DVD−Video規格のリニアPCMによるオーディオストリームのように、非圧縮で可逆可能な符号化音声信号である場合は、帯域拡張成分としてナイキスト条件をもとに設計することが可能であり、上記のようにターゲットとする帯域拡張領域を固定的に設定することが可能でるため、効果的な帯域拡張効果が期待できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年急速に市場に普及されているDVD規格のオーディオ符号化信号をターゲットとした音声処理装置の場合は、デコード処理の対象となる符号化信号は、リニアPCMに限らず、例えばドルビー社のドルビーディジタル符号化方式(AC3)やMPEGオーディオ規格などの様に、情報圧縮を伴う符号化信号の入力も想定される。しかも、これらの符号化方式は、基本的に、人間の聴覚特性やマスキング効果等をもとに情報圧縮された非可逆な符号化信号あり、エンコード前のソース音源がサンプリング周波数48kHzのリニアPCMの場合は、エンコード後は10〜20パーセントに圧縮される場合が多く、符号化前のソース音源に、ナイキスト条件(Fs/2)である24kHz付近に帯域成分が含まれる場合でも、符号化された時点で欠落してしまう場合がほとんどである。
【0011】
こうした符号化信号が入力される場合は、上記のような音声処理装置では、デコード処理部1100により復号化されたPCMデータがナイキスト条件付近の帯域成分をほとんど含んでいない場合が多いため、たとえ上記のような帯域拡張処理を行ったとしても、周波数軸上で線形的な帯域拡張が行われないため、デコード処理部1100により復号化されたPCMデータの帯域上限からナイキスト周波数(Fs/2)付近までの帯域成分が欠落してしまうため、十分な帯域拡張効果が得られない。
【0012】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、たとえ入力符号化信号の帯域特性がナイキスト周波数(Fs/2)以下で欠落してしまうような場合であっても、復号処理されるPCMデータの性質に応じて帯域拡張を行い、高音質再生を実現することができる音声処理装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
前記の目的を達成するため、本発明に係る第1の音声処理装置は、符号化された音声信号を復号し再生する音声処理装置であって、外部から入力される符号化音声信号を復号しPCMデータを生成するデコード処理部と、デコード処理部により復号処理されたPCMデータに対して帯域拡張成分を生成する拡張帯域生成部と、拡張帯域生成部からの帯域拡張成分を入力とし、通過帯域を可変して出力する帯域可変バンドパスフィルタと、デコード処理部からのPCMデータと帯域可変バンドパスフィルタからの出力データを加算する加算器と、デコード処理部より得られる前記符号化音声信号の復号情報を帯域判定情報として、帯域拡張成分に対する前記帯域可変バンドパスフィルタの通過帯域を決定する帯域判定部と、帯域判定部からの指示に応じて、帯域可変バンドパスフィルタの通過帯域の制御を行うバンドパスフィルタコントローラとを備えたことを特徴とする。
【0019】
前記の目的を達成するため、本発明に係る第2の音声処理装置は、符号化された音声信号を復号し再生する音声処理装置であって、外部から入力される符号化音声信号を復号しPCMデータを生成するデコード処理部と、デコード処理部により復号処理されたPCMデータに対してオーバーサンプリング処理を行うオーバーサンプリング部と、オーバーサンプリング部によりオーバーサンプリング処理されたPCMデータに対して帯域拡張成分を生成する拡張帯域生成部と、拡張帯域生成部からの帯域拡張成分を入力とし、通過帯域を可変して出力する帯域可変バンドパスフィルタと、オーバーサンプリング部からの出力データと帯域可変バンドパスフィルタからの出力データを加算する加算器と、デコード処理部より得られる前記符号化音声信号の復号情報を帯域判定情報として、帯域拡張成分に対する帯域可変バンドパスフィルタの通過帯域を決定する帯域判定部と、帯域判定部からの指示に応じて、帯域可変バンドパスフィルタの通過帯域の制御を行うバンドパスフィルタコントローラとを備えたことを特徴とする。
【0020】
前記の目的を達成するため、本発明に係る第3の音声処理装置は、第1または第2の音声処理装置において、帯域判定部は、デコード処理部によって生成されるPCMデータのスペクトル解析を行うスペクトルアナライザを含み、スペクトルアナライザの解析結果を帯域判定情報として帯域拡張成分に対する通過帯域を決定することを特徴とする。
【0021】
上記の構成によれば、帯域可変バンドパスフィルタと、帯域判定部と、バンドパスフィルタコントローラとを設け、帯域判定部にスペクトルアナライザを設けることで、外部からのコントロールを必要とすることなく、自動的に拡張帯域をコントロールすることが可能となるので、その分良好な高音質再生を実現することができる。
【0022】
また、前記の目的を達成するため、本発明に係る第4の音声処理装置は、第1または第2の音声処理装置において、デコード処理部は、符号化音声信号の補助情報の解析を行う補助情報解析部と、補助情報に基づいてスペクトルデータを生成するスペクトルデータ生成部と、スペクトルデータを変換しPCMデータを生成するPCMデータ生成部と、スペクトルデータ生成部で生成されるスペクトルデータのスペクトル情報を外部に送信するスペクトル情報送信部とを含み、帯域判定部は、スペクトル情報送信部から送信されるスペクトル情報を受信するスペクトル情報受信部を含み、スペクトル情報を帯域判定情報として帯域拡張成分に対する通過帯域を決定することを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、デコード処理部にスペクトル情報送信部を、帯域判定部にスペクトル情報受信部を設けることで、外部からのコントロールを必要とすることなく、自動的に拡張帯域をコントロールすることが可能である。更に、デコード処理部による復号処理で生成されるスペクトル情報を用いて帯域判定処理を実施しているため、帯域判定部にスペクトルアナライザを設ける必要がなく、帯域判定に要する処理量を削減することができる。
【0024】
また、前記の目的を達成するため、本発明に係る第5の音声処理装置は、第1または第2の音声処理装置において、デコード処理部は、符号化音声信号の補助情報の解析を行う補助情報解析部と、補助情報に基づいて、サブバンドデータを生成するサブバンドデータ生成部と、サブバンドデータを帯域合成しPCMデータを生成するPCMデータ生成部と、サブバンドデータ生成部により生成されるサブバンドデータの振幅情報を外部に送信するサブバンド振幅情報送信部とを含み、帯域判定部は、サブバンド振幅情報送信部から送信されるサブバンド振幅情報を受信するサブバンド振幅情報受信部を含み、サブバンド振幅情報を帯域判定情報として帯域拡張成分に対する通過帯域を決定することを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、デコード処理部にサブバンド振幅情報送信部を、帯域判定部にサブバンド振幅情報受信部を設けることで、外部からのコントロールを必要とすることなく、自動的に拡張帯域をコントロールすることが可能である。更に、デコード処理部による復号処理で生成されるサブバンド振幅情報を用いて帯域判定処理を実施しているため、帯域判定部にスペクトルアナライザを設ける必要がなく、帯域判定に要する処理量を削減することができる。
【0026】
【0027】
【0028】
また、前記の目的を達成するため、本発明に係る第6の音声処理装置は、第1または第2の音声処理装置において、デコード処理部は、符号化音声信号の補助情報の解析を行う補助情報解析部と、補助情報に基づいて、復号処理を行いPCMデータを生成するデコードコア部と、補助情報解析部により抽出されるビットレート情報を外部に送信するビットレート情報送信部とを含み、前記帯域判定部は、前記ビットレート情報送信部から送信されるビットレート情報を受信するビットレート情報受信部と、特定のビットレート情報を前記PCMデータの特定の周波数特性に対応付けた第1のテーブルとを含み、前記第1のテーブルを用いて生成した前記帯域判定情報により前記帯域拡張成分に対する通過帯域を決定することを特徴とする。
【0029】
この構成によれば、デコード処理部にビットレート情報送信部を、帯域判定部にビットレート情報受信部を設けることで、外部からのコントロールを必要とすることなく、自動的に拡張帯域をコントロールすることが可能である。また、デコード処理部による復号処理で生成されるビットレート情報を用いて帯域判定処理を実施しているため、帯域判定部にスペクトルアナライザを設ける必要がなく、帯域判定に要する処理量を削減することができる。更に、ビットレート情報を特定の周波数特性に対応付けることによって、固定ビットレートによるエンコードが行われている場合は、固定的に帯域拡張領域が設定されるので、比較的安定した帯域拡張処理が実現できる。
【0030】
また、前記の目的を達成するため、本発明に係る第7の音声処理装置は、第6の音声処理装置において、デコード処理部は、前記補助情報解析部により抽出されるサンプリング周波数情報を外部に送信するサンプリング周波数情報送信部を含み、帯域判定部は、サンプリング周波数情報送信部から送信されるサンプリング周波数情報を受信するサンプリング周波数情報受信部と、サンプリング周波数情報およびビットレート情報の組み合わせにより帯域判定情報を生成する帯域判定情報生成部と、前記第1のテーブルの代わりに、特定のビットレート情報と特定のサンプリング周波数との組み合わせをポインタ情報として表わした第2のテーブルとを含み、前記帯域判定情報生成部が前記第2のテーブルを用いて生成した帯域判定情報により帯域拡張成分に対する通過帯域を決定することを特徴とする。
【0031】
この構成によれば、デコード処理部にサンプリング周波数情報送信部を、また帯域判定部にサンプリング周波数情報受信部を設け、帯域判定部にサンプリング周波数情報およびビットレート情報の組み合わせにより帯域判定情報を生成する帯域判定情報生成部を設けることで、外部からのコントロールを必要とすることなく、サンプリング周波数とビットレートに応じて拡張帯域を自動的にコントロールすることが可能である。さらに、本構成の音声処理装置は、サンプリング周波数情報とビットレート情報を組み合わせて帯域判定処理を行うので、第6の音声処理装置と比較した場合、サンプリング周波数情報が加わる分、より正確な帯域判定を実現できる。
【0032】
また、前記の目的を達成するため、本発明に係る第8の音声処理装置は、第7の音声処理装置において、デコード処理部は、前記補助情報解析部により抽出されるレイヤー情報を外部に送信するレイヤー情報送信部を含み、帯域判定部は、レイヤー情報送信部から送信されるレイヤー情報を受信するレイヤー情報受信部と、レイヤー情報、サンプリング周波数情報、およびビットレート情報の組み合わせにより帯域判定情報を生成する帯域判定情報生成部と、前記第2のテーブルの代わりに、特定のビットレート情報、特定のサンプリング周波数、特定のレイヤー情報の組み合わせをポインタ情報として表わした第3のテーブルとを含み、前記帯域判定情報生成部が前記第3のテーブルを用いて生成した帯域判定情報により帯域拡張成分に対する通過帯域を決定することを特徴とする。
【0033】
この構成によれば、デコード処理部にレイヤー情報送信部を、帯域判定部にレイヤー情報受信部を、レイヤー情報、サンプリング周波数情報、およびビットレート情報の組み合わせにより帯域判定情報を生成する帯域判定情報生成部を設けることで、外部からのコントロールを必要とすることなく、レイヤー、サンプリング周波数、およびビットレートに応じて拡張帯域を自動的にコントロールすることが可能である。さらに、本構成の音声処理装置は、レイヤー情報、サンプリング周波数情報、およびビットレート情報を組み合わせて帯域判定処理を行うので、第7の音声処理装置と比較した場合、レイヤー情報が加わる分、より正確な帯域判定を実現できる。
【0034】
また、前記の目的を達成するため、本発明に係る第9の音声処理装置は、第1から第8のいずれかの音声処理装置において、帯域判定部は、デコード処理部より送信される帯域判定情報の変化を自動的に平滑化する帯域判定スムージング部を備え、帯域判定スムージング部により平滑処理された帯域判定情報により帯域拡張成分に対する通過帯域を決定することを特徴とする。
【0035】
この構成によれば、帯域判定スムージング部を設けることで、再生されるPCMデータの周波数特性変化が急激な場合でも、帯域判定の揺らぎによる帯域拡張成分の音質変化を平滑することが可能となるので、結果として比較的安定した帯域拡張処理を実現することが可能となる。
【0036】
また、前記の目的を達成するため、本発明に係る第10の音声処理装置は、第1から第8のいずれかの音声処理装置において、帯域判定部における帯域判定処理の時間間隔を外部からの信号に応じて設定する帯域判定インターバル設定部を備えることを特徴とする。
【0037】
この構成によれば、帯域判定インターバル設定部を設けることで、再生されるPCMデータの特徴やユーザーの好み等に応じて、帯域拡張処理の追従性を調整することが可能となる。
【0038】
また、前記の目的を達成するため、本発明に係る第11の音声処理装置は、第3または第4の音声処理装置において、帯域判定部における帯域判定処理の各帯域に対するスペクトル情報の有無を判別するためのレベル閾値を外部からの信号に応じて設定する帯域判定スレッショルド設定部を備えることを特徴とする。
また、前記の目的を達成するため、本発明に係る第12の音声処理装置は、第5の音声処理装置において、帯域判定部における帯域判定処理の各帯域に対するサブバンド振幅の有無を判別するためのレベル閾値を外部からの信号に応じて設定する帯域判定スレッショルド設定部を備えることを特徴とする。
【0039】
この構成によれば、帯域判定スレッショルド設定部を設けることで、再生されるPCMデータの特徴やユーザーの好み等に応じて、帯域拡張処理の拡張帯域を調整することが可能となる。
【0040】
また、前記の目的を達成するため、本発明に係る第13の音声処理装置は、第1から第12のいずれかの音声処理装置において、デコード処理部は、少なくとも2種類以上の符号化方式のデコード処理に対応し、外部より指定されるデコーダ情報に基づいてデコード処理を切り換え、帯域判定部は、外部より指定されるデコーダ情報に応じて帯域判定処理を切り替えるデコーダ別帯域判定切り替え手段を含んで構成されることを特徴とする。
【0041】
また、前記の目的を達成するため、本発明に係る第14の音声処理装置は、第13の音声処理装置において、帯域可変バンドパスフィルタに使用するフィルタ係数を格納したフィルタ係数テーブルを備え、デコーダ別帯域判定切り替え手段は、デコーダ毎に個別に帯域を指定するデコーダ別帯域判定情報指定テーブルであり、帯域判定部は、外部より指定されるデコーダ情報に応じてデコーダ別帯域判定情報指定テーブルより帯域判定を行い、バンドパスフィルタコンローラに対し、フィルタ係数テーブルのポインタ情報として帯域判定情報を送信することを特徴とする。
【0042】
第13および第14の音声処理装置の構成によれば、デコーダ別帯域判定切り替え手段であるデコーダ別帯域判定情報指定テーブルを設けることで、異なる複数のデコード処理に対応した場合でもそれぞれのデコード処理に応じた帯域判定処理を行うことが可能となるので、その分、より最適な帯域拡張処理を自動的に実現することが容易となる。
【0043】
さらに、第14の音声処理装置の構成によれば、デコーダ別帯域判定情報指定テーブルとフィルタ係数テーブルとを分離して構成し、帯域判定情報をフィルタ係数テーブルのポインタ情報として利用することで、帯域判定処理が異なるデコーダ処理に応じた帯域判定処理の場合でもフィルタタップ係数を共用することが可能となるので、フィルタタップ係数を共用できる分、フィルタタップ係数にかかるメモリ資源を削減することが可能となる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0045】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る音声処理装置1000の一構成例を示す回路ブロック図である。尚、本実施の形態では、MPEGオーディオ規格符号化方式でエンコードされたオーディオ符号化信号を入力して音声信号に復号する場合について説明する。MPEGオーディオ規格についての詳細は、ISO/IEC 11172−3:1993及び13818−3:1996に示されている。ここで入力されるオーディオビットストリームは、いずれの場合も、サンプリング周波数を48KHzとする。
【0046】
図1において、音声処理装置1000は、デコード処理部1100と、拡張帯域生成部1300と、帯域可変バンドパスフィルタ1500と、バンドパスフィルタコントローラ1600とで構成される。
【0047】
デコード処理部1100は、外部より入力されるオーディオストリームを復号しPCMデータを生成するモジュールであり、少なくともMPEGオーディオ規格符号化方式でエンコードされたオーディオ符号化信号のデコード機能を有する。
【0048】
拡張帯域生成部1300は、デコード処理部1100により復号処理されたPCMデータに対して帯域拡張成分を生成する機能を有する。本実施の形態における拡張帯域生成部1300は、サンプリング周波数48kHzのPCMデータに基づいて、24kHz付近の成分までの高調波を含む帯域拡張成分を生成し出力する。ここで生成される帯域拡張成分のサンプリング周波数は、デコード処理部1100により復号処理されたPCMデータと同様に48kHzである。
【0049】
帯域可変バンドパスフィルタ1500は、拡張帯域生成部1300によって生成される帯域拡張成分に対して、外部からのコントロールにより通過帯域の下限周波数を可変的に設定できるフィルタである。尚、本実施の形態では、通過帯域の下限周波数FcLをFL1からFL2(FL1<FL2、FL2<Fs/2)まで設定することが可能であり、通過帯域の上限周波数はFcH(FL2<FcH<Fs/2)で固定されているものとする。
【0050】
バンドパスフィルタコントローラ1600は、外部からの指示に応じて帯域可変バンドパスフィルタ1500の通過帯域の制御を行うコントローラである。尚、本実施の形態では、説明を容易にするため、バンドパスフィルタコントローラ1600は、帯域可変バンドパスフィルタ1500の通過帯域の下限周波数FcLをコントロールするものとし、FcLの可変範囲をFL1からFL2の間でコントロールできるよう設定されているものとする。
【0051】
次に、このように構成された音声処理装置1000における再生処理について、MPEGオーディオ規格符号化方式でエンコードされたオーディオ符号化信号を入力して音声信号に復号する場合について説明する。
【0052】
一般に、MPEGオーディオ規格符号化方式でエンコードされたオーディオ符号化信号で構成されるオーディオビットストリームは、エンコード時に設定されるビットレート等の設定に応じて圧縮符号化処理が必須となるため、人間の聴覚特性やマスキング効果等に基づき情報圧縮されるので、エンコード前のソース音源がサンプリング周波数48kHzのリニアPCMの場合は、符号化前のソース音源に、ナイキスト条件(Fs/2)である24kHz付近の帯域成分が含まれる場合でも、符号化された時点で欠落してしまう。本実施の形態では、説明を容易にするため、エンコード時の圧縮符号化処理によって帯域特性が16kHz以下に劣化しているものとする。
【0053】
この場合、本実施の形態におけるデコード処理部1100によって復号されるPCMデータは、上記のエンコード条件から帯域特性が16kHz以下となる。
【0054】
同様に、拡張帯域生成部1300は、デコード処理部1100で処理されたサンプリング周波数48kHzのPCMデータに基づいて、24kHz付近の成分までの高調波を含む帯域拡張成分を生成し出力する。ここで生成される帯域拡張成分のサンプリング周波数は、デコード処理部1100で処理されたPCMデータと同様に48kHzである。
【0055】
一方、バンドパスフィルタコントローラ1600は、外部からの指示に応じて通過帯域の下限周波数FcLを可変的に調整する機能を有する。この場合は、外部から通過帯域の下限周波数FcLを16kHz付近に設定することで効果的な帯域拡張再生ができる。この時、帯域可変バンドパスフィルタ1500では、通過帯域がFL2からFcHの範囲となるので、その通過成分とデコード処理部1100から出力されるPCMデータとを加算することで、16kHz付近までのソース音源の帯域に対し、線形的でより自然な帯域特性にて帯域拡張される。
【0056】
もし、拡張帯域生成部1300の出力に対するバンドパスフィルタ処理の下限周波数FcLが従来技術と同様に固定値であり、たとえば18kHz付近に設定されているとすれば、バンドパスフィルタからの出力とオーバーサンプリング部の出力との加算による出力信号の帯域特性は、16kHzから18kHzまでの帯域が欠落してしまうので、良好な高音質再生が行われたものとは言いがたい。また、下限周波数FcLが12kHz付近に設定されているとすれば、バンドパスフィルタからの出力とオーバーサンプリング部の出力との加算による出力信号の帯域特性は、12kHzから16kHzまでの帯域が重なってしまうことで余分な帯域信号を負荷することとなり、やはり良好な高音質再生が行われたものとは言いがたい。
【0057】
しかし、本実施の形態によれば、帯域可変バンドパスフィルタ1500と、バンドパスフィルタコントローラ1600を構成要素として導入することによって、拡張帯域をコントロールすることが可能となるので、その分良好な高音質再生を実現することができる。
【0058】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図である。図2において、音声処理装置2000は、デコード処理部1100と、オーバーサンプリング部1200と、拡張帯域生成部1300と、帯域可変バンドパスフィルタ1500と、バンドパスフィルタコントローラ1600とで構成される。
【0059】
デコード処理部1100、拡張帯域生成部1300、帯域可変バンドパスフィルタ1500、およびバンドパスフィルタコントローラ1600はそれぞれ実施の形態1と同様の機能を有するものであるため、ここでの詳しい説明は省略する。
【0060】
オーバーサンプリング部1200は、デコード処理部1100で復号処理されたPCMデータを入力として、N倍のオーバーサンプリング処理を行ない、N倍にオーバーサンプリングされたPCMデータを出力する。ここで、本実施の形態におけるオーバーサンプリング部1200のオーバーサンプリング処理は、デコード処理部1100から出力されるサンプリング周波数48KHzのPCMデータに対し、各PCMデータ間に1サンプルずつ「0」データを挿入し、オーバーサンプリングを行い、アンチエリアジングフィルタによってノイズ除去を行うことで、サンプリング周波数が96kHzのPCMデータを生成するものとする。
【0061】
拡張帯域生成部1300は、オーバーサンプリング部1200によりオーバーサンプリング処理されたPCMデータに対して帯域拡張成分を生成する機能を有する。本実施の形態における拡張帯域生成部1300は、オーバーサンプリング部1200で処理されたサンプリング周波数96kHzのPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波を含む帯域拡張成分を生成し出力する。ここで生成される帯域拡張成分のサンプリング周波数は、オーバーサンプリング部1200で処理されたPCMデータと同様に96kHzである。
【0062】
次に、このように構成された音声処理装置2000における再生処理のうち、まず、DVD−Video規格リニアPCM方式に準じたサンプリング周波数が48kHzのオーディオビットストリームが入力された場合について説明する。
【0063】
一般に、DVD−Video規格リニアPCM方式に準じたオーディオビットストリームは、エンコード前のソース音源と同一のサンプリング周波数を有する場合、ソース音源に対して非圧縮によるエンコードが行われるため、ソース音源と同じ帯域特性であり、最大24kHz付近まで期待できる。
【0064】
このような条件から、本実施の形態におけるデコード処理部1100によって復号されるPCMデータは、ソース音源の帯域特性を忠実に再現することができる。この場合、ソース音源の周波数帯域がナイキスト条件である24kHz付近まで存在する場合は、復号されるPCMデータの周波数特性も同様に24kHz付近まで存在する。
【0065】
この場合、オーバーサンプリング部1200は、デコード処理部1100から出力されるPCMデータに対してオーバーサンプリング処理を施すため、オーバーサンプリング処理後のPCMデータはサンプリング周波数が96kHzであり、帯域特性は入力されるPCMデータとほぼ同様の帯域特性を有することになり、最大24kHz付近までの帯域が保持される。
【0066】
また、拡張帯域生成部1300は、オーバーサンプリング部1200で処理されたサンプリング周波数96kHzのPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波を含む帯域拡張成分を生成し出力する。ここで生成される帯域拡張成分のサンプリング周波数は、オーバーサンプリング部1200で処理されたPCMデータと同様に96kHzである。
【0067】
一方、バンドパスフィルタコントローラ1600に対しては、外部から通過帯域の下限周波数FcLを可変帯域の最高周波数であるFL2(この場合は、24kHz付近)を指定することで効果的な帯域拡張再生ができる。この場合、帯域可変バンドパスフィルタ1500では、通過帯域がFL2からFcHの範囲となるので、その通過成分とオーバーサンプリング部1200から出力されるPCMデータとを加算することで24kHz付近までのソース音源の帯域に対し、線形的でより自然な帯域特性にて帯域拡張されるので、高音質再生を実現することができる。
【0068】
次に、MPEGオーディオ規格符号化方式でエンコードされたオーディオ符号化信号を入力して音声信号に復号する場合について説明する。
【0069】
一般に、MPEGオーディオ規格符号化方式でエンコードされたオーディオ符号化信号で構成されるオーディオビットストリームは、エンコード時に設定されるビットレート等の設定に応じて圧縮符号化処理が必須となるため、人間の聴覚特性やマスキング効果等に基づき情報圧縮されるので、エンコード前のソース音源がサンプリング周波数48kHzのリニアPCMの場合は、符号化前のソース音源に、ナイキスト条件(Fs/2)である24kHz付近の帯域成分が含まれる場合でも、符号化された時点で欠落してしまう。本実施の形態では、説明を容易にするため、エンコード時の圧縮符号化処理によって帯域特性が16kHz以下に劣化しているものとする。
【0070】
この場合、本実施の形態におけるデコード処理部1100によって復号されるPCMデータは、上記のエンコード条件から帯域特性が16kHz以下となる。
【0071】
同様に、オーバーサンプリング部1200は、デコード処理部1100から出力されるPCMデータに対してオーバーサンプリング処理を施すため、オーバーサンプリング処理後のPCMデータはサンプリング周波数が96kHzであるが、帯域特性は入力されるPCMデータとほぼ同様の帯域特性を有することになるので、オーバーサンプリング処理後のPCMデータは16kHz以下のままである。
【0072】
また、拡張帯域生成部1300は、オーバーサンプリング部1200で処理されたサンプリング周波数96kHzのPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波を含む帯域拡張成分を生成し出力する。ここで生成される帯域拡張成分のサンプリング周波数は、オーバーサンプリング部1200で処理されたPCMデータと同様に96kHzである。
【0073】
一方、バンドパスフィルタコントローラ1600は、外部からの指示に応じて通過帯域の下限周波数FcLを可変的に調整する機能を有する。この場合は、外部から通過帯域の下限周波数FcLを16kHz付近に設定することで効果的な帯域拡張再生ができる。この時、帯域可変バンドパスフィルタ1500では、通過帯域がFL2からFcHの範囲となるので、その通過成分とオーバーサンプリング部1200から出力されるPCMデータとを加算することで、16kHz付近までのソース音源の帯域に対し、線形的でより自然な帯域特性にて帯域拡張される。
【0074】
もし、拡張帯域生成部1300の出力に対するバンドパスフィルタ処理の下限周波数FcLが従来技術と同様に固定値であり、例えば、ナイキスト条件に従って24kHz付近に設定されているとすれば、バンドパスフィルタからの出力とオーバーサンプリング部の出力との加算による出力信号の帯域特性は、16kHzから24kHzまでの帯域が欠落してしまうので、良好な高音質再生が行われたものとは言いがたい。しかし、本実施の形態によれば、帯域可変バンドパスフィルタ1500と、バンドパスフィルタコントローラ1600を構成要素として導入することによって、拡張帯域をコントロールすることが可能となるので、その分良好な高音質再生を実現することができる。
【0075】
尚、本実施の形態ではオーバーサンプリング部1200を含んで構成される場合について説明したが、オーバーサンプリング部を含まない場合においても、上限周波数FcHをデコード処理部1100に対するナイキスト条件に従って24kHz付近を上限とすることで、上記の実施の形態に比べ拡張帯域は限定される以外は、同様の効果を得ることができる。しかもオーバーサンプリング部1200を含まない場合は、オーバーサンプリング部の処理と構成が削除されるばかりか、デコード処理部1100以降の処理するPCMデータのサンプリング周波数がオーバーサンプリング部1200を含む場合に比べると1/2になるので、その分処理量を削減できるので、特に低消費電力が求められるような小規模システムに実装する場合においてはより有効的である。
【0076】
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図である。図4において、音声処理装置4000は、デコード処理部1100と、オーバーサンプリング部1200と、拡張帯域生成部1300と、帯域可変バンドパスフィルタ1500と、バンドパスフィルタコントローラ1600と、帯域判定部1700とで構成される。
【0077】
デコード処理部1100、オーバーサンプリング部1200、拡張帯域生成部1300、および帯域可変バンドパスフィルタ1500はそれぞれ実施の形態1と同様の機能を有するものであるため、ここでの詳しい説明は省略する。
【0078】
帯域判定部1700は、デコード処理部1100からのPCMデータの周波数分析により帯域判定を行い、バンドパスフィルタコントローラ1600に帯域判定情報を送信する機能を有する。本実施の形態における帯域判定部1700は、図5に示す音声処理装置5000のように、内部にPCMデータの周波数分析を行うスペクトルアナライザ1710を有する。
【0079】
バンドパスフィルタコントローラ1600は、帯域判定部1700から送信される帯域判定情報に応じて、帯域可変バンドパスフィルタ1500の通過帯域の制御を行うコントローラである。尚、本実施の形態では、実施の形態1の場合と同様に、バンドパスフィルタコントローラ1600は、帯域可変バンドパスフィルタ1500の通過帯域の下限周波数FcLをコントロールするものとし、FcLの可変範囲をFL1からFL2の間でコントロールできるよう設定されているものとする。
【0080】
次に、このように構成された音声処理装置について、本実施の形態では、サンプリング周波数が48kHzであるMPEG1オーディオ規格の符号化方式でエンコードされたオーディオ符号化信号を入力して音声信号に復号する場合について説明する。尚、本実施の形態では、説明を容易にするため、エンコード時の圧縮符号化処理によって帯域特性が16kHz以下に劣化しているものとする。
【0081】
この場合、本実施の形態におけるデコード処理部1100によって復号されるPCMデータは、上記のエンコード条件から帯域特性が16kHz以下であり、オーバーサンプリング部1200によるオーバーサンプリング処理、拡張帯域生成部1300による帯域拡張成分の生成は、いずれも実施の形態1の場合と同様に実施されるので、詳しい説明は省略する。
【0082】
帯域判定部1700は、デコード処理部1100からのPCMデータに対して、スペクトルアナライザ1710(図5)を用いることによって周波数分析を行い、その分析結果からPCMデータに対する帯域判定情報を生成し、バンドパスフィルタコントローラ1600に対して帯域判定情報を送信する。
【0083】
バンドパスフィルタコントローラ1600は、帯域判定部1700から通信される帯域判定情報に基づいて、帯域可変バンドパスフィルタ1500の通過帯域の下限周波数FcLを可変的に調整する機能を有する。この場合は、帯域判定情報によって、通過帯域の下限周波数FcLが16kHz付近に自動的に設定される。この時、帯域可変バンドパスフィルタ1500では、通過帯域がFL2からFcHの範囲となるので、その通過成分とオーバーサンプリング部1200から出力されるPCMデータとを加算することで、16kHz付近までのソース音源の帯域に対し、線形的でより自然な帯域特性にて帯域拡張される。
【0084】
このように、本実施の形態によれば、帯域判定部1700と、帯域可変バンドパスフィルタ1500と、バンドパスフィルタコントローラ1600とを構成要素として導入することによって、拡張帯域をコントロールすることが可能となるので、その分良好な高音質再生を実現することができる。しかも、帯域判定部1700内部にはスペクトルアナライザ1710含まれるため、外部からのコントロールを必要とすることなく、自動的に拡張帯域をコントロールすることが可能である。
【0085】
尚、本実施の形態ではオーバーサンプリング部1200を含んで構成される場合について説明したが、図3に示す音声処理装置3000のように、オーバーサンプリング部を含まない場合においても、実装の形態2と同様、上限周波数FcHをデコード処理部1100に対するナイキスト条件に従って24kHz付近を上限とすることで、上記の実施の形態に比べ拡張帯域は限定される以外は、同様の効果を得ることができる。
【0086】
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図である。図6において、音声処理装置6000は、実施の形態3の場合と同様に、デコード処理部1100と、オーバーサンプリング部1200と、拡張帯域生成部1300と、帯域可変バンドパスフィルタ1500と、バンドパスフィルタコントローラ1600と、帯域判定部1700とで構成される。
【0087】
本実施の形態が実施の形態3の場合と異なる点は、デコード処理部1100および帯域判定部1700が、図7に示されるような構成になっている点にある。
【0088】
図7において、デコード処理部1100は、補助情報解析部1110と、スペクトルデータ生成部1120と、PCMデータ生成部1130と、スペクトル情報送信部1140とを含んで構成される。
【0089】
補助情報解析部1110は、入力符号化信号の復号情報となる補助情報の解析を行うブロックであり、例えば、MPEGオーディオ規格に準ずる符号化信号に対しては、ストリームヘッダ情報(サンプリング周波数情報、ビットレート情報、レイヤー情報など)の解析や復号情報(各オーディオ量子化データのビット割付情報や、逆量子化処理のためのスケールファクタなど)の抽出を行うブロックである。
【0090】
スペクトルデータ生成部1120は、補助情報解析部1110によって抽出される補助情報に基づいて、スペクトルデータを生成するブロックであり、例えば量子化オーディオサンプルの切り出しや逆量子化処理等により、スペクトル情報を生成する機能を有する。
【0091】
PCMデータ生成部1130は、スペクトルデータからPCMデータを生成するブロックであり、各スペクトル情報に対してIMDCT(逆変形離散コサイン変換)処理やポリフェーズフィルタバンク方式等による処理を行うことによって、スペクトルデータをPCMデータに変換する機能を有する。
【0092】
また、スペクトル情報送信部1140は、スペクトルデータ生成部1120で生成されるスペクトルデータのスペクトル情報を外部に送信する機能を有する。
【0093】
帯域判定部1700は、デコード処理部1100内部のスペクトル情報送信部1140から送信されるスペクトル情報を受信するスペクトル情報受信部1720を含んで構成される。
【0094】
次に、このように構成された音声処理装置について、本実施の形態では、サンプリング周波数が48kHzであるMPEG1オーディオ規格の符号化方式でエンコードされたオーディオ符号化信号を入力して音声信号に復号する場合について説明する。尚、本実施の形態では、説明を容易にするため、上記符号化方式はMPEG1オーディオ規格のうち、レイヤー3で符号化されたビットストリームであるとし、更にエンコード時の圧縮符号化処理によって帯域特性が16kHz以下に劣化しているものとする。
【0095】
この場合、本実施の形態におけるデコード処理部1100に、MPEG1オーディオ規格レイヤー3によって符号化されたオーディオ符号化信号が入力されると、まず、補助情報解析部1110にて、入力符号化信号の復号情報となる補助情報の解析を行う。次に、スペクトルデータ生成部1120では、補助情報解析部1110で解析されたストリームヘッダ情報と復号情報に基づいて、ハフマン符号化されたオーディオ量子化信号の読み込み、更にオーディオ量子化信号の逆量子化処理を行うことによって、スペクトルデータの生成を行う。このとき、スペクトルデータ生成部1120では、スペクトル信号を出力するとともに、スペクトルデータのスペクトル情報をスペクトル情報送信部1140へ出力する。更に、スペクトル情報送信部1140は、スペクトル情報の送信を帯域判定部1700に対して実施する。
【0096】
PCMデータ生成部1130は、スペクトルデータ生成部1120から出力されるスペクトルデータに対してIMDCT処理により、32個のサブバンド信号を生成し、更に帯域合成演算によってPCMデータを生成する。
【0097】
この場合、本実施の形態におけるデコード処理部1100によって復号されるPCMデータは、上記のエンコード条件から帯域特性が16kHz以下であり、オーバーサンプリング部1200によるオーバーサンプリング処理、拡張帯域生成部1300による帯域拡張成分の生成は、いずれも実施の形態2及び3の場合と同様に実施されるので、詳しい説明は省略する。
【0098】
帯域判定部1700は、デコード処理部1100のスペクトル情報送信部1140から送信されるスペクトル情報を内部のスペクトル情報受信部1720で受け取り、スペクトル情報から帯域判定情報を生成し、バンドパスフィルタコントローラ1600に対して帯域判定情報を送信する。
【0099】
以降は、実施の形態3の場合と同様に、バンドパスフィルタコントローラ1600にて、帯域判定部1700から通信される帯域判定情報に基づいて、通過帯域の下限周波数FcLを可変的に調整を行い、帯域可変バンドパスフィルタ1500の通過帯域をコントロールし、16kHz以上の帯域成分が拡張帯域信号として、オーバーサンプリング部1200から出力されるPCMデータと加算される。このようにして、16kHz付近までのソース音源の帯域に対し、線形的でより自然な帯域特性にて帯域拡張処理が実現される。
【0100】
このように、本実施の形態によれば、帯域判定部1700と、帯域可変バンドパスフィルタ1500と、バンドパスフィルタコントローラ1600とを構成要素として導入することによって、拡張帯域をコントロールすることが可能となるので、その分良好な高音質再生を実現することができる。
【0101】
しかも、デコード処理部1100にスペクトル情報送信部1140を、帯域判定部1700にスペクトル情報受信部1720を設けることで、外部からのコントロールを必要とすることなく、自動的に拡張帯域をコントロールすることが可能である。
【0102】
更に、本実施の形態では、デコード処理部1100による復号処理で生成されるスペクトル情報を用いて帯域判定処理を実施しているため、実施の形態3の場合のようにスペクトルアナライザ1710を新たに用いて帯域判定情報を生成しているわけではないので、帯域判定に要する処理量を削減することができる。
【0103】
尚、本実施の形態ではオーバーサンプリング部1200を含んで構成される場合について説明したが、オーバーサンプリング部を含まない場合においても、実装の形態2及び3と同様、上限周波数FcHをデコード処理部1100に対するナイキスト条件に従って24kHz付近を上限とすることで、上記の実施の形態に比べ拡張帯域は限定される以外は、同様の効果を得ることができる。
【0104】
(実施の形態5)
図8は、本発明の実施の形態5に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図である。図8において、音声処理装置7000は、実施の形態3及び4の場合と同様に、デコード処理部1100と、オーバーサンプリング部1200と、拡張帯域生成部1300と、帯域可変バンドパスフィルタ1500と、バンドパスフィルタコントローラ1600と、帯域判定部1700とで構成される。
【0105】
本実施の形態が実施の形態3及び4の場合と異なる点は、デコード処理部1100および帯域判定部1700が、図9で示されるような構成になっている点にある。
【0106】
図9において、デコード処理部1100は、補助情報解析部1110と、サブバンドデータ生成部1150と、PCMデータ生成部1130と、サブバンド振幅情報送信部1160とを含んで構成される。
【0107】
補助情報解析部1110は、実施の形態4の場合と同様に、入力符号化信号の復号情報となる補助情報の解析を行うブロックであり、例えば、MPEGオーディオ規格に準ずる符号化信号に対しては、ストリームヘッダ情報(サンプリング周波数情報、ビットレート情報、レイヤー情報など)の解析や復号情報(各オーディオ量子化データのビット割付情報や、逆量子化処理のためのスケールファクタなど)の抽出を行うブロックである。
【0108】
サブバンドデータ生成部1150は、補助情報解析部1110によって抽出される補助情報に基づいて、サブバンドデータを生成するブロックであり、例えば量子化オーディオサンプルの抽出と逆量子化処理等により、サブバンドデータを生成する機能を有する。
【0109】
PCMデータ生成部1130は、サブバンドデータからPCMデータを生成するブロックであり、各サブバンド信号に対してポリフェーズフィルタバンク方式等の帯域合成処理を行うことによって、サブバンドデータをPCMデータに変換する機能を有する。
【0110】
また、サブバンド振幅情報送信部1160は、サブバンドデータ生成部1150で生成される各帯域のサブバンドデータの振幅情報を外部に送信する機能を有する。
【0111】
帯域判定部1700は、デコード処理部1100内部のサブバンド振幅情報送信部1160から送信されるサブバンドデータの振幅情報を受信するサブバンド振幅情報受信部1730を含んで構成される。
【0112】
次に、このように構成された音声処理装置について、本実施の形態では、サンプリング周波数が48kHzであるMPEG1オーディオ規格の符号化方式でエンコードされたオーディオ符号化信号を入力して音声信号に復号する場合について説明する。尚、本実施の形態では、説明を容易にするため、上記符号化方式はMPEG1オーディオ規格のうち、レイヤー2で符号化されたビットストリームであるとし、更にエンコード時の圧縮符号化処理によって帯域特性が16kHz以下に劣化しているものとする。
【0113】
この場合、本実施の形態におけるデコード処理部1100に、MPEG1オーディオ規格レイヤー2によって符号化されたオーディオ符号化信号が入力されると、まず、補助情報解析部1110にて、入力符号化信号の復号情報となる補助情報の解析を行う。次に、サブバンドデータ生成部1150では、補助情報解析部1110で解析されたストリームヘッダ情報と復号情報に基づいて、オーディオ量子化信号の抽出と、該オーディオ量子化信号の逆量子化処理を行うことによって、32個のサブバンドデータを生成する。このとき、サブバンドデータ生成部1150では、サブバンドデータを出力するとともに、32個のサブバンドデータの振幅情報をサブバンド振幅情報送信部1160へ出力する。更に、サブバンド振幅情報送信部1160は、サブバンドデータの振幅情報の送信を帯域判定部1700に対して実施する。
【0114】
PCMデータ生成部1130は、サブバンドデータ生成部1150から出力される32個のサブバンドデータに対して帯域合成処理を施し、PCMデータを生成する。
【0115】
この場合、本実施の形態におけるデコード処理部1100によって復号されるPCMデータは、上記のエンコード条件から帯域特性が16kHz以下であり、オーバーサンプリング部1200によるオーバーサンプリング処理、拡張帯域生成部1300による帯域拡張成分の生成は、いずれも実施の形態2から4の場合と同様に実施されるので、詳しい説明は省略する。
【0116】
帯域判定部1700では、デコード処理部1100のサブバンド振幅情報送信部1160から送信されるサブバンド振幅情報を内部のサブバンド振幅情報受信部1730で受け取り、サブバンド振幅情報から帯域判定情報を生成し、バンドパスフィルタコントローラ1600に対して帯域判定情報を送信し、以降は実施の形態4の場合と同様の動作が実施される。
【0117】
このように、本実施の形態によれば、帯域判定部1700と、帯域可変バンドパスフィルタ1500と、バンドパスフィルタコントローラ1600とを構成要素として導入することによって、拡張帯域をコントロールすることが可能となるので、その分良好な高音質再生を実現することができる。
【0118】
しかも、デコード処理部1100にサブバンド振幅情報送信部1160を、帯域判定部1700にサブバンド振幅情報受信部1730を設けることで、外部からのコントロールを必要とすることなく自動的に拡張帯域をコントロールすることが可能である。
【0119】
更に、本実施の形態では、デコード処理部1100による復号処理で生成されるサブバンド振幅情報を用いて帯域判定処理を実施しているため、実施の形態3の場合のようにスペクトルアナライザを新たに用いて帯域判定情報を生成しているわけではないので、帯域判定に要する処理量を削減することができる。
【0120】
尚、本実施の形態ではオーバーサンプリング部1200を含んで構成される場合について説明したが、オーバーサンプリング部を含まない場合においても、実装の形態2から4と同様、上限周波数FcHをデコード処理部1100に対するナイキスト条件に従って24kHz付近を上限とすることで、上記の実施例に比べ拡張帯域は限定される以外は、同様の効果を得ることができる。
【0121】
【0122】
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
【0127】
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
【0133】
【0134】
【0135】
【0136】
【0137】
(実施の形態
図10は、本発明の実施の形態に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図である。図10において、音声処理装置9000は、実施の形態3からの場合と同様に、デコード処理部1100と、オーバーサンプリング部1200と、拡張帯域生成部1300と、帯域可変バンドパスフィルタ1500と、バンドパスフィルタコントローラ1600と、帯域判定部1700とで構成される。
【0138】
本実施の形態が実施の形態3から6の場合と異なる点は、デコード処理部1100および帯域判定部1700が、図11に示されるような構成になっている点にある。
【0139】
図11において、デコード処理部1100は、補助情報解析部1110と、デコードコア部1170と、ビットレート情報送信部1190とを含んで構成される。
【0140】
補助情報解析部1110は、実施の形態4から6の場合と同様に、入力符号化信号の復号情報となる補助情報の解析を行うブロックであり、例えば、MPEGオーディオ規格に準ずる符号化信号に対しては、ストリームヘッダ情報(サンプリング周波数情報、ビットレート情報、レイヤー情報など)の解析や復号情報(各オーディオ量子化データのビット割付情報や、逆量子化処理のためのスケールファクタなど)の抽出を行うブロックであり、少なくともビットレート情報の抽出と、ビットレート情報送信部1190への出力とを行う。
【0141】
デコードコア部1170は、実施の形態6の場合と同様に、補助情報解析部1110によって抽出される補助情報に基づいて、復号処理を行いPCMデータを生成する。
【0142】
また、ビットレート情報送信部1190は、補助情報解析部1110で生成されるビットレート情報を外部に送信する機能を有する。
【0143】
帯域判定部1700は、デコード処理部1100内部のビットレート情報送信部1190から送信されるビットレート情報を受信するビットレート情報受信部1750を含んで構成される。
【0144】
次に、このように構成された音声処理装置について、本実施の形態では、サンプリング周波数が48kHzであるMPEG1オーディオ規格の符号化方式でエンコードされたオーディオ符号化信号を入力して音声信号に復号する場合について説明する。
【0145】
この場合、本実施の形態におけるデコード処理部1100に、MPEG1オーディオ規格レイヤー2によって符号化されたオーディオ符号化信号が入力されると、まず、補助情報解析部1110にて、入力符号化信号の復号情報となる補助情報の解析を行う。このとき、補助情報解析部1110では、少なくともビットレート情報の抽出と、ビットレート情報送信部1190への出力とが実施される。
【0146】
次に、デコードコア部1170は、補助情報解析部1110によって抽出される補助情報に基づいて、復号処理を行いPCMデータを生成する。
【0147】
この場合、本実施の形態におけるデコード処理部1100によって復号されるPCMデータは、上記のエンコード条件から帯域特性が16kHz以下であり、オーバーサンプリング部1200によるオーバーサンプリング処理、拡張帯域生成部1300による帯域拡張成分の生成は、いずれも実施の形態2〜6の場合と同様に実施されるので、詳しい説明は省略する。
【0148】
帯域判定部1700では、デコード処理部1100のビットレート情報送信部1190から送信されるビットレート情報を内部のビットレート情報受信部1750で受け取り、ビットレート情報から帯域判定情報を生成し、バンドパスフィルタコントローラ1600に対して帯域判定情報を送信し、以降は、実施の形態4の場合と同様の動作が実施される。
【0149】
尚、ビットレート情報と復号処理されるPCMデータの周波数特性は、一般的に、ビットレートが大きくなるにつれて周波数レンジが広くなる傾向になるが、必ずしも特定のビットレートに対して特定の周波数特性のレンジが定義されるわけではない。しかし、特定のビットレート情報に対して、特定の周波数特性への対応付けを行うことによって、例えば、固定ビットレートによるエンコードが行われている場合は、固定的に帯域拡張領域が設定されるので、比較的安定した帯域拡張処理が施されることとなる。
【0150】
このように、本実施の形態によれば、帯域判定部1700と、帯域可変バンドパスフィルタ1500と、バンドパスフィルタコントローラ1600とを構成要素として導入することによって、拡張帯域をコントロールすることが可能となるので、その分良好な高音質再生を実現することができる。
【0151】
しかも、デコード処理部1100にビットレート情報送信部1190を、帯域判定部1700にビットレート情報受信部1750を設けることで、外部からのコントロールを必要とすることなく、自動的に拡張帯域をコントロールすることが可能である。
【0152】
更に、本実施の形態では、デコード処理部による復号処理で生成されるビットレート情報を用いて帯域判定処理を実施しているため、実施の形態3の場合のようにスペクトルアナライザを新たに用いて帯域判定情報を生成しているわけではないので、帯域判定に要する処理量を削減することができる。
【0153】
また、上記のように、ビットレート情報を特定の周波数特性に対応付けることによって、固定ビットレートによるエンコードが行われている場合は、固定的に帯域拡張領域が設定されるので、比較的安定した帯域拡張処理が実現できる。
【0154】
尚、本実施の形態ではオーバーサンプリング部1200を含んで構成される場合について説明したが、オーバーサンプリング部を含まない場合においても、実装の形態2から6と同様、上限周波数FcHをデコード処理部1100に対するナイキスト条件に従って24kHz付近を上限とすることで、上記の実施の形態に比べ拡張帯域は限定される以外は、同様の効果を得ることができる。
【0155】
(実施の形態
図12は、本発明の実施の形態に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図である。図12において、音声処理装置9100は、実施の形態3からの場合と同様に、デコード処理部1100と、オーバーサンプリング部1200と、拡張帯域生成部1300と、帯域可変バンドパスフィルタ1500と、バンドパスフィルタコントローラ1600と、帯域判定部1700とで構成される。
【0156】
本実施の形態が実施の形態3からの場合と異なる点は、デコード処理部1100および帯域判定部1700が、図13に示されるような構成になっている点にある。
【0157】
図13において、デコード処理部1100は、補助情報解析部1110と、デコードコア部1170と、ビットレート情報送信部1190と、サンプリング周波数情報送信部1191とを含んで構成される。
【0158】
補助情報解析部1110は、実施の形態4から7の場合と同様に、入力符号化信号の復号情報となる補助情報の解析を行うブロックであり、例えば、MPEGオーディオ規格に準ずる符号化信号に対しては、ストリームヘッダ情報(サンプリング周波数情報、ビットレート情報、レイヤー情報など)の解析や復号情報(各オーディオ量子化データのビット割付情報や、逆量子化処理のためのスケールファクタなど)の抽出を行うブロックであり、少なくともビットレート情報の抽出と、ビットレート情報送信部1190への出力とを行う。
【0159】
デコードコア部1170は、実施の形態6の場合と同様に、補助情報解析部1110によって抽出される補助情報に基づいて、復号処理を行いPCMデータを生成する。
【0160】
また、ビットレート情報送信部1190は、実施の形態の場合と同様に、補助情報解析部1110で生成されるビットレート情報を外部に送信する機能を有する。
【0161】
また、サンプリング周波数情報送信部1191は、補助情報解析部1110で生成されるサンプリング周波数情報を外部に送信する機能を有する。
【0162】
帯域判定部1700は、デコード処理部1100内部のビットレート情報送信部1190から送信されるビットレート情報を受信するビットレート情報受信部1750と、デコード処理部1100内部のサンプリング周波数情報送信部1191から送信されるサンプリング周波数情報を受信するサンプリング周波数情報受信部1760と、帯域判定情報生成部1770とを含んで構成される。
【0163】
ビットレート情報受信部1750は、実施の形態の場合と同様に、補助情報解析部1110で生成されるビットレート情報を受信する機能を有する。
【0164】
また、サンプリング周波数情報受信部1760は、補助情報解析部1110で生成されるサンプリング周波数情報を受信する機能を有する。
【0165】
また、帯域判定情報生成部1770は、ビットレート情報受信部1750に送信されるビットレート情報と、サンプリング周波数情報受信部1760に送信されるサンプリング周波数情報との組み合わせから最適な帯域判定情報を生成するものであり、たとえばビットレート情報、サンプリング周波数の組み合わせをポインタ情報として帯域判定情報をテーブル化することで実現される。
【0166】
次に、このように構成された音声処理装置について、本実施の形態では、サンプリング周波数が48kHzであるMPEG1オーディオ規格の符号化方式でエンコードされたオーディオ符号化信号を入力して音声信号に復号する場合について説明する。
【0167】
この場合、本実施の形態におけるデコード処理部1100に、MPEG1オーディオ規格レイヤー2によって符号化されたオーディオ符号化信号が入力されると、まず、補助情報解析部1110にて、入力符号化信号の復号情報となる補助情報の解析を行う。このとき、補助情報解析部1110では、少なくともビットレート情報の抽出と、ビットレート情報送信部1190への出力、サンプリング周波数情報の抽出と、サンプリング情報送信部1191への出力とが実施される。
【0168】
次に、デコードコア部1170は、補助情報解析部1110によって抽出される補助情報に基づいて、復号処理を行いPCMデータを生成する。
【0169】
この場合、本実施の形態におけるデコード処理部1100によって復号されるPCMデータは、上記のエンコード条件から帯域特性が16kHz以下であり、オーバーサンプリング部1200によるオーバーサンプリング処理、拡張帯域生成部1300による帯域拡張成分の生成は、いずれも実施の形態2〜7の場合と同様に実施されるので、詳しい説明は省略する。
【0170】
帯域判定部1700では、デコード処理部1100のビットレート情報送信部1190から送信されるビットレート情報を内部のビットレート情報受信部1750で受け取り、同様にサンプリング情報送信部1191から送信されるサンプリング周波数情報を内部のサンプリング周波数情報受信部1760で受け取る。
【0171】
次に、帯域判定情報生成部1770は、ビットレート情報受信部1750に送信されるビットレート情報と、サンプリング周波数情報受信部1760に送信されるサンプリング周波数情報との組み合わせから最適な帯域判定情報を生成し、バンドパスフィルタコントローラ1600に対して帯域判定情報を送信し、以降は、実施の形態4の場合と同様の動作が実施される。
【0172】
尚、ビットレート情報と復号処理されるPCMデータの周波数特性は、一般的に、ビットレートが大きくなるにつれて周波数レンジが広くなる傾向になるが、必ずしも特定のビットレートに対して特定の周波数特性のレンジが定義されるわけではない。しかし、特定のビットレート情報に対して、特定の周波数特性への対応付けを行うことによって、例えば、固定ビットレートによるエンコードが行われている場合は、固定的に帯域拡張領域が設定されるので、比較的安定した帯域拡張処理が施されることとなる。
【0173】
しかも、本実施の形態では、サンプリング周波数情報もあわせて帯域判定情報を生成するので、ビットレート情報のみの帯域判定処理の場合よりもさらに最適な帯域判定が可能となる。
【0174】
このように、本実施の形態によれば、帯域判定部1700と、帯域可変バンドパスフィルタ1500と、バンドパスフィルタコントローラ1600とを構成要素として導入することによって、拡張帯域をコントロールすることが可能となるので、その分良好な高音質再生を実現することができる。
【0175】 しかも、デコード処理部1100にビットレート情報送信部1190およびサンプリング周波数情報送信部1191を設け、また帯域判定部1700にビットレート情報受信部1750、サンプリング周波数情報受信部1760、および帯域判定情報生成部1770を設けることで、外部からのコントロールを必要とすることなく、自動的に拡張帯域をコントロールすることが可能である。
【0176】
更に、本実施の形態では、デコード処理部による復号処理で生成されるビットレート情報とサンプリング周波数情報を用いて帯域判定処理を実施しているため、実施の形態3の場合のようにスペクトルアナライザを新たに用いて帯域判定情報を生成しているわけではないので、帯域判定に要する処理量を削減することができる。
【0177】
また、上記のように、ビットレート情報を特定の周波数特性に対応付けることによって、固定ビットレートによるエンコードが行われている場合は、固定的に帯域拡張領域が設定されるので、比較的安定した帯域拡張処理が実現できる。
【0178】
尚、本実施の形態ではオーバーサンプリング部1200を含んで構成される場合について説明したが、オーバーサンプリング部を含まない場合においても、実装の形態2から7と同様、上限周波数FcHをデコード処理部1100に対するナイキスト条件に従って24kHz付近を上限とすることで、上記の実施の形態に比べ拡張帯域は限定される以外は、同様の効果を得ることができる。
【0179】
(実施の形態
図14は、本発明の実施の形態9に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図である。図14において、音声処理装置9200は、実施の形態3から8の場合と同様に、デコード処理部1100と、オーバーサンプリング部1200と、拡張帯域生成部1300と、帯域可変バンドパスフィルタ1500と、バンドパスフィルタコントローラ1600と、帯域判定部1700とで構成される。
【0180】
本実施の形態が実施の形態3からの場合と異なる点は、デコード処理部1100および帯域判定部1700が、図15に示されるような構成になっている点にある。
【0181】
図15において、デコード処理部1100は、補助情報解析部1110と、デコードコア部1170と、ビットレート情報送信部1190と、サンプリング周波数情報送信部1191と、レイヤー情報送信部1192とを含んで構成される。
【0182】
補助情報解析部1110は、実施の形態4から8の場合と同様に、入力符号化信号の復号情報となる補助情報の解析を行うブロックであり、例えば、MPEGオーディオ規格に準ずる符号化信号に対しては、ストリームヘッダ情報(サンプリング周波数情報、ビットレート情報、レイヤー情報など)の解析や復号情報(各オーディオ量子化データのビット割付情報や、逆量子化処理のためのスケールファクタなど)の抽出を行うブロックであり、少なくともビットレート情報の抽出と、ビットレート情報送信部1190への出力とを行う。
【0183】
デコードコア部1170は、実施の形態6および7の場合と同様に、補助情報解析部1110によって抽出される補助情報に基づいて、復号処理を行いPCMデータを生成する。
【0184】
また、ビットレート情報送信部1190は、実施の形態の場合と同様に、補助情報解析部1110で生成されるビットレート情報を外部に送信する機能を有する。
【0185】
また、サンプリング周波数情報送信部1191は、補助情報解析部1110で生成されるサンプリング周波数情報を外部に送信する機能を有する。
【0186】
また、レイヤー情報送信部1192は、補助情報解析部1110で生成されるレイヤー情報を外部に送信する機能を有する。
【0187】
帯域判定部1700は、デコード処理部1100内部のビットレート情報送信部1190から送信されるビットレート情報を受信するビットレート情報受信部1750と、デコード処理部1100内部のサンプリング周波数情報送信部1191から送信されるサンプリング周波数情報を受信するサンプリング周波数情報受信部1760と、デコード処理部1100内部のレイヤー情報送信部1192から送信されるレイヤー情報を受信するレイヤー情報受信部1780と、帯域判定情報生成部1770とを含んで構成される。
【0188】
ビットレート情報受信部1750は、実施の形態の場合と同様に、補助情報解析部1110で生成されるビットレート情報を受信する機能を有する。
【0189】
また、サンプリング周波数情報受信部1760は、補助情報解析部1110で生成されるサンプリング周波数情報を受信する機能を有する。
【0190】
また、レイヤー情報受信部1780は、補助情報解析部1110で生成されるレイヤー情報を受信する機能を有する。
【0191】
また、帯域判定情報生成部1770は、ビットレート情報受信部1750に送信されるビットレート情報と、サンプリング周波数情報受信部1760に送信されるサンプリング周波数情報と、レイヤー情報受信部1780に送信されるレイヤー情報との組み合わせから最適な帯域判定情報を生成するものであり、例えばビットレート情報、サンプリング周波数、レイヤー情報の組み合わせをポインタ情報として帯域判定情報をテーブル化することで実現される。
【0192】
次に、このように構成された音声処理装置について、本実施の形態では、サンプリング周波数が48kHzであるMPEG1オーディオ規格の符号化方式でエンコードされたオーディオ符号化信号を入力して音声信号に復号する場合について説明する。
【0193】
この場合、本実施の形態におけるデコード処理部1100に、MPEG1オーディオ規格レイヤー2によって符号化されたオーディオ符号化信号が入力されると、まず、補助情報解析部1110にて、入力符号化信号の復号情報となる補助情報の解析を行う。このとき、補助情報解析部1110では、少なくともビットレート情報の抽出と、ビットレート情報送信部1190への出力、サンプリング周波数情報の抽出と、サンプリング情報送信部1191への出力、レイヤー情報の抽出と、レイヤー情報送信部1192への出力とが実施される。
【0194】
次に、デコードコア部1170は、補助情報解析部1110によって抽出される補助情報に基づいて、復号処理を行いPCMデータを生成する。
【0195】
この場合、本実施の形態におけるデコード処理部1100によって復号されるPCMデータは、上記のエンコード条件から帯域特性が16kHz以下であり、オーバーサンプリング部1200によるオーバーサンプリング処理、拡張帯域生成部1300による帯域拡張成分の生成は、いずれも実施の形態2〜の場合と同様に実施されるので、詳しい説明は省略する。
【0196】
帯域判定部1700では、デコード処理部1100のビットレート情報送信部1190から送信されるビットレート情報を内部のビットレート情報受信部1750で受け取り、サンプリング周波数情報送信部1191から送信されるサンプリング周波数情報を内部のサンプリング周波数情報受信部1760で受け取り、同様にレイヤー情報送信部1192から送信されるレイヤー情報をレイヤー情報受信部1780で受け取る。
【0197】
次に、帯域判定情報生成部1770は、ビットレート情報受信部1750に送信されるビットレート情報と、サンプリング周波数情報受信部1760に送信されるサンプリング周波数情報と、レイヤー情報受信部1780に送信されるレイヤー情報との組み合わせから最適な帯域判定情報を生成し、バンドパスフィルタコントローラ1600に対して帯域判定情報を送信し、以降は、実施の形態4の場合と同様の動作が実施される。
【0198】
尚、ビットレート情報と復号処理されるPCMデータの周波数特性は、一般的に、ビットレートが大きくなるにつれて周波数レンジが広くなる傾向になるが、必ずしも特定のビットレートに対して特定の周波数特性のレンジが定義されるわけではない。しかし、特定のビットレート情報に対して、特定の周波数特性への対応付けを行うことによって、例えば、固定ビットレートによるエンコードが行われている場合は、固定的に帯域拡張領域が設定されるので、比較的安定した帯域拡張処理が施されることとなる。
【0199】
しかも、本実施の形態では、実施の形態の場合と比較した場合、レイヤー情報もあわせて帯域判定情報を生成するので、その分、最適な帯域判定が可能となる。例えば、MPEGオーディオ規格ISO/IEC11172−3:1993及び13818−3:1996によれば、レイヤー2の場合とレイヤー3の場合とでは、同じビットレートインデックス値でもビットレートが異なるので、レイヤー情報を帯域判定の材料に活用することで、より正確な帯域判定が可能となる。
【0200】
このように、本実施の形態によれば、帯域判定部1700と、帯域可変バンドパスフィルタ1500と、バンドパスフィルタコントローラ1600とを構成要素として導入することによって、拡張帯域をコントロールすることが可能となるので、その分良好な高音質再生を実現することができる。
【0201】
しかも、デコード処理部1100にビットレート情報送信部1190、サンプリング周波数送信部1191、およびレイヤー情報送信部1192を設け、また帯域判定部1700にビットレート情報受信部1750、サンプリング周波数情報受信部1760、レイヤー情報受信部1780、および帯域判定情報生成部1770を設けることで、外部からのコントロールを必要とすることなく、自動的に拡張帯域をコントロールすることが可能である。
【0202】
更に、本実施の形態では、デコード処理部による復号処理で生成されるビットレート情報、サンプリング周波数情報、およびレイヤー情報を用いて帯域判定処理を実施しているため、実施の形態3の場合のようにスペクトルアナライザを新たに用いて帯域判定情報を生成しているわけではないので、帯域判定に要する処理量を削減することができる。
【0203】
また、上記のように、ビットレート情報を特定の周波数特性に対応付けることによって、固定ビットレートによるエンコードが行われている場合は、固定的に帯域拡張領域が設定されるので、比較的安定した帯域拡張処理が実現できる。
【0204】
尚、本実施の形態ではオーバーサンプリング部1200を含んで構成される場合について説明したが、オーバーサンプリング部を含まない場合においても、実装の形態1から5と同様、上限周波数FcHをデコード処理部1100に対するナイキスト条件に従って24kHz付近を上限とすることで、上記の実施の形態に比べ拡張帯域は限定される以外は、同様の効果を得ることができる。
【0205】
(実施の形態
図16は、本発明の実施の形態に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図である。図16において、音声処理装置9300は、デコード処理部1100と、オーバーサンプリング部1200と、拡張帯域生成部1300と、帯域可変バンドパスフィルタ1500と、バンドパスフィルタコントローラ1600と、帯域判定部1700とを含んで構成される点においては、実施の形態3から9の場合と同様である。
【0206】
本実施の形態が実施の形態3からの場合と異なる点は、帯域判定部1700内部に帯域判定情報スムージング部1910が構成要素として含まれている点にある。
【0207】
帯域判定情報スムージング部1910は、デコード処理部1100より送信される帯域判定情報の平滑化処理を実施する機能を有するものであり、帯域判定情報が急激な変動した場合にでも、平滑化処理により変化の度合いを押さえる働きをもつ。平滑化処理については、例えば時定数回路のようにIIRフィルタを用い、前処理データを一定割合ミキシングする構成にすることにより容易に実現可能である。
【0208】
次に、このように構成された音声処理装置の動作について説明する。この場合、本実施の形態におけるデコード処理部1100に、オーディオ符号化信号が入力されると、本実施の形態におけるデコード処理部1100によって復号されPCMデータが出力される。尚、本実施の形態では説明を容易にするため、帯域判定情報をスペクトル情報とする。
【0209】
一方、帯域判定部1700は、デコード処理部1100からのPCMデータに対して、デコード処理部1100からのデコード情報に基づいて周波数分析を行い、その分析結果からPCMデータに対する帯域判定情報を生成し、さらに帯域判定情報スムージング部1910によって平滑化処理を実施した後、バンドパスフィルタコントローラ1600に対して帯域判定情報を送信する。
【0210】
ここで、帯域判定部1700では、帯域判定情報スムージング部1910による平滑化処理によって、デコード処理部1100によって復号されるPCMデータの周波数特性に対する帯域拡張処理の追従性は低くなるが、例えば、PCMデータの周波数特性が著しく変化するような場合は、帯域拡張領域の変動が少なくなり、比較的安定した帯域拡張処理が実現できる。
【0211】
このように、帯域判定情報スムージング部1910を設けることによって、再生されるPCMデータの周波数変動に対して、自動的に帯域拡張領域の過度の変化を押さえることが可能となるので、比較的容易に安定した帯域拡張再生が実現できる。
【0212】
(実施の形態10
図17は、本発明の実施の形態10に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図である。図17において、音声処理装置9400は、デコード処理部1100と、オーバーサンプリング部1200と、拡張帯域生成部1300と、帯域可変バンドパスフィルタ1500と、バンドパスフィルタコントローラ1600と、帯域判定部1700とを含んで構成される点においては、実施の形態3〜10の場合と同様である。
【0213】
本実施の形態が実施の形態3からの場合と異なる点は、音声処理装置9400に更に、帯域判定インターバル設定部1800が構成要素として含まれている点にある。
【0214】
帯域判定インターバル設定部1800は、帯域判定部1700における帯域判定処理の時間間隔を外部の入力に応じて設定する機能を有し、帯域判定部1700は、帯域判定インターバル設定部1800から指示される帯域判定のインターバル時間に合わせて帯域判定処理を実施する。
【0215】
次に、このように構成された音声処理装置の動作について説明する。この場合、本実施の形態におけるデコード処理部1100に、オーディオ符号化信号が入力されると、本実施の形態におけるデコード処理部1100によって復号されPCMデータが出力される。
【0216】
一方、帯域判定部1700は、デコード処理部1100からのPCMデータに対して、デコード処理部1100からのデコード情報に基づいて周波数分析を行い、その分析結果からPCMデータに対する帯域判定情報を生成し、バンドパスフィルタコントローラ1600に対して帯域判定情報を送信する。
【0217】
ここで、帯域判定部1700には、予め外部から帯域判定インターバル設定部1800を介して帯域判定処理の時間間隔が設定されている。
【0218】
よって、外部から指示される時間間隔が短めに設定されている場合は、結果として、デコード処理部1100からのデコード情報に対して敏感に応答することになるので、その分、デコード処理部1100によって復号されるPCMデータの周波数特性に対する帯域拡張処理の追従性が高くなる。
【0219】
一方、外部から指示される時間間隔が長めに設定されている場合は、デコード処理部1100によって復号されるPCMデータの周波数特性に対する帯域拡張処理の追従性は低くなるが、例えば、PCMデータの周波数特性が著しく変化するような場合は、逆に帯域判定処理のインターバルが長くなる分、帯域拡張領域の変動が少なくなり、比較的安定した帯域拡張処理が実現できる。
【0220】
このように、帯域判定インターバル設定部1800を設けることによって、再生されるPCMデータの特徴やユーザーの好み等に応じて、帯域拡張処理を調整することが可能となる。
【0221】
(実施の形態11
図18は、本発明の実施の形態12に係る音声処理装置の一構成例を示すブロック図である。図18において、音声処理装置9500は、デコード処理部1100と、オーバーサンプリング部1200と、拡張帯域生成部1300と、帯域可変バンドパスフィルタ1500と、バンドパスフィルタコントローラ1600と、帯域判定部1700とを含んで構成される点においては、実施の形態3〜11の場合と同様である。
【0222】
本実施形態が実施の形態3から10の場合と異なる点は、音声処理装置9500には更に、帯域判定スレッショルド設定部1900が構成要素として含まれている点にある。
【0223】
帯域判定スレッショルド設定部1900は、帯域判定部1700における帯域判定処理の各帯域に対するサブバンド振幅もしくはスペクトル情報の有無を判別するためのレベル閾値を外部の入力に応じて設定する機能を有し、帯域判定部1700は、帯域判定スレッショルド設定部1900から指示される帯域判定のレベル閾値に応じて帯域判定処理を実施する。
【0224】
次に、このように構成された音声処理装置の動作について説明する。この場合、本実施の形態におけるデコード処理部1100にオーディオ符号化信号が入力されると、本実施の形態におけるデコード処理部1100によって復号されPCMデータが出力される。
【0225】
一方、帯域判定部1700は、デコード処理部1100からのPCMデータに対して、デコード処理部1100からのデコード情報に基づいて周波数分析を行い、その分析結果からPCMデータに対する帯域判定情報を生成し、バンドパスフィルタコントローラ1600に対して帯域判定情報を送信する。
【0226】
ここで、帯域判定部1700には、予め外部から帯域判定スレッショルド設定部1900を介して、帯域判定処理の各帯域に対するサブバンド振幅もしくはスペクトル情報の有無を判別するためのレベル閾値が設定されている。
【0227】
よって、外部から指示されるレベル閾値が低めに設定されている場合は、結果として、デコード処理部1100からのデコード情報に対して、デコード処理部1100から出力されるPCMデータに対する帯域特性の最高帯域が高めに設定されることとなるので、その分、デコード処理部1100によって復号されるPCMデータの周波数特性に対する帯域拡張処理の拡張帯域が狭く設定されることとなる。
【0228】
一方、外部から指示されるレベル閾値が高めに設定されている場合は、結果として、デコード処理部1100からのデコード情報に対して、デコード処理部1100から出力されるPCMデータに対する帯域特性の最高帯域が低めに設定されることとなるので、その分、デコード処理部1100によって復号されるPCMデータの周波数特性に対する帯域拡張処理の拡張帯域が広く設定されることとなる。
【0229】
このように、帯域判定スレッショルド設定部1900を設けることによって、再生されるPCMデータの特徴やユーザーの好み等に応じて、帯域拡張処理の効果の大小を調整することが可能となる。
【0230】
(実施の形態12
図19は、本発明の実施の形態12に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図である。図19において、音声処理装置9600は、デコード処理部1100と、オーバーサンプリング部1200と、拡張帯域生成部1300と、帯域可変バンドパスフィルタ1500と、バンドパスフィルタコントローラ1600と、帯域判定部1700とを含んで構成される点においては、実施の形態3〜12の場合と同様である。
【0231】
本実施形態が実施の形態3から11の場合と異なる点は、音声処理装置9600に、フィルタ係数テーブル1920が構成要素として含まれている点と、帯域判定部1700内部にデコーダ別帯域判定切り替え手段としてデコーダ別帯域判定情報指定テーブル1790を備えている点にある。
【0232】
尚、本実施の形態では説明を容易とするために、デコード処理部1100および帯域判定部1700は図20に示す構成であるものとする。
【0233】
フィルタ係数テーブル1920には、複数の組み合わせからなる、帯域可変バンドパスフィルタ1500で使用するフィルタタップ係数が格納されており、フィルタタイプをポインタ情報として指定することにより、異なるフィルタ特性のタップ係数を帯域可変バンドパスフィルタ1500へロードすることが可能である。
【0234】
図20において、デコード処理部1100は、デコード部1193およびデコードパラメータ情報送信部1194を含んでおり、更にデコード部1193は内部にデコーダ切り換え手段1195、MPEGオーディオデコード手段1196、AC3デコード手段1197を含んで構成される。
【0235】
デコード部1193は、外部から入力されるオーディオビットストリームをデコード処理する機能を有しており、内部のデコーダ切り換え手段1195によりデコード手段の特定と切り換えを実施し、デコード処理を行うと同時にデコードパラメータ情報をデコードパラメータ情報送信部1194へ送信する。
【0236】
本実施の形態では、説明を容易とするため、デコード部1193内部にMPEGオーディオデコード手段1196、AC3デコード手段1197を含むこととしているが、MPEGオーディオデコード手段1196は、MPEGオーディオ方式により符号化されたオーディオビットストリームをデコードする手段であり、更にデコード処理と平行してデコードパラメータ情報としてサンプリング周波数情報、ビットレートインデックス情報、レイヤー情報をデコードパラメータ情報送信部1194に送信する機能を有し、AC3デコード手段1197は、ドルビーAC3方式により符号化されたオーディオビットストリームをデコードする手段であり、更にデコード処理と平行してデコードパラメータ情報としてサンプリング周波数情報とスペクトル情報をデコードパラメータ情報送信部1194へ送信する機能を有するものとする。
【0237】
デコードパラメータ情報送信部1194は、デコード部1193から送られるデコードパラメータ情報を外部に送信する機能を有する。
【0238】
帯域判定部1700は、デコードパラメータ情報受信部1792と、デコーダ指定情報受信部1791と、デコーダ別帯域判定情報指定テーブル1790とを含んで構成される。
【0239】
デコードパラメータ情報受信部1792は、デコード処理部1100内部のデコードパラメータ情報送信部1194から送信されるデコードパラメータ情報を受信し、デコーダ別帯域判定情報指定テーブル1790へ送信する機能を有する。
【0240】
デコーダ指定情報受信部1791は、外部から指定されるデコーダ指定情報を受信し、デコーダ別帯域判定情報指定テーブル1790へ送信する機能を有する。
【0241】
デコーダ別帯域判定情報指定テーブル1790は、デコードパラメータ情報受信部1792から送信されるデコードパラメータ情報と、デコーダ指定情報受信部1791から送信されるデコーダ指定情報とによって、フィルタ係数テーブル1920のフィルタ係数ポインタ情報を生成するものである。
【0242】
また、本実施の形態の説明を容易とするため、デコーダ別帯域判定情報指定テーブル1790およびフィルタ係数テーブル1920のテーブルデータ構成例をそれぞれ図21および図22に示している。
【0243】
図21は、デコーダ別帯域判定情報指定テーブル1790のうち、MPEGオーディオとAC3の場合のテーブル構成を示しており、MPEGオーディオの場合には、サンプリング情報、ビットレートインデックス情報、レイヤー情報の組み合わせから、フィルタ係数テーブル1920のフィルタ係数ポインタ情報としてTBL0からTBL9いずれかの値を生成する構成となっており、AC3の場合には、スペクトル情報から、同様にフィルタ係数テーブル1920のフィルタ係数ポインタ情報としてTBL0からTBL9いずれかの値を生成する構成となっている。
【0244】
尚、図21では、指定されるデコーダがMPEGオーディオの場合とAC3の場合を例として記述しているが、本システムが対応するデコーダの分だけデコーダ毎のテーブルが存在するのは言うまでもない。
【0245】
図22は、フィルタ係数テーブル1920のデータ構成を示しており、デコーダ別帯域判定情報指定テーブル1790によって指定されるTBL0からTBL9のフィルタ係数ポインタ情報から、帯域可変バンドパスフィルタ1500へロードするフィルタタップ係数を指定するテーブルである。
【0246】
このように構成された音声処理装置について、本実施の形態では、まずサンプリング周波数が44.1kHz、ビットレートインデックス情報が9であるレイヤー2のMPEGオーディオ規格の符号化方式でエンコードされたオーディオ符号化信号を入力して音声信号に復号する場合について説明する。
【0247】
本実施の形態におけるデコード処理部1100に、MPEG1オーディオ規格レイヤー2によって符号化されたオーディオ符号化信号が入力されると、デコード部1193では、デコーダ切り換え手段1195によりデコーダをMPEGオーディオと限定し、MPEGオーディオデコード手段1196により復号処理を実施し、PCMデータを生成すると同時に、デコードパラメータ情報送信部1194に対してサンプリング周波数情報、ビットレートインデックス情報、レイヤー情報を送信する。
【0248】
この場合、本実施の形態におけるデコード処理部1100によって復号されるPCMデータは、オーバーサンプリング部1200によるオーバーサンプリング処理、拡張帯域生成部1300による帯域拡張成分の生成は、いずれも実施の形態2からの場合と同様に実施されるので、詳しい説明は省略する。
【0249】
帯域判定部1700では、デコードパラメータ情報送信部1194から送信されるデコードパラメータ情報をデコードパラメータ情報受信部1792によって受信する。また、ここで、デコーダ指定情報受信部1791では、外部よりデコーダ指定情報として“MPEGオーディオ”が指定されている。
【0250】
次に、デコーダ別帯域判定情報指定テーブル1790では、デコーダ指定情報をデコーダ指定情報受信部1791から、またデコードパラメータ情報をデコードパラメータ情報受信部1792から受け取り、デコーダ指定情報がMPEGオーディオであること、デコードパラメータ情報としてサンプリング周波数情報が“44.1kHz”、レイヤー情報が“レイヤー2”、ビットレートインデックス情報が“9”であることから、図21で示される通り、フィルタ係数ポインタ情報として“TBL5“をバンドパスフィルタコントローラ1600へ送信する。
【0251】
更に、バンドパスフィルタコントローラ1600では、フィルタ係数ポインタ情報が“TBL5“であることから、図22に示すフィルタ係数テーブル1920によって、フィルタタップ係数Coeff[51]〜Coeff[5n]の帯域可変バンドパスフィルタ1500へのロード処理を行い、以降は、実施の形態3〜12の場合と同様の動作が実施される。
【0252】
次に、本実施の形態では、AC3規格の符号化方式でエンコードされたサンプリング周波数48kHzのオーディオ符号化信号を入力して音声信号に復号する場合について説明する。
【0253】
本実施の形態におけるデコード処理部1100に、AC3によって符号化されたオーディオ符号化信号が入力されると、デコード部1193ではデコーダ切り換え手段1195によりデコーダをAC3と限定し、AC3デコード手段1196により復号処理を実施し、PCMデータを生成すると同時に、デコードパラメータ情報送信部1194に対してサンプリング周波数情報とスペクトル情報を送信する。ここで、本実施の形態の説明を容易とするため、AC3デコード手段1197により生成されるスペクトル情報は、インデックス化された10段階の値のうちのひとつであるとし、この場合は“1”が生成されたものとする。
【0254】
この場合、本実施の形態におけるデコード処理部1100によって復号されるPCMデータは、オーバーサンプリング部1200によるオーバーサンプリング処理、拡張帯域生成部1300による帯域拡張成分の生成は、いずれも本実施の形態のMPEGオーディオの場合と同様に実施される。
【0255】
帯域判定部1700では、デコードパラメータ情報送信部1194から送信されるデコードパラメータ情報をデコードパラメータ情報受信部1792によって受信する。また、ここで、デコーダ指定情報受信部1791では外部よりデコーダ指定情報として“AC3”が指定されている。
【0256】
次に、デコーダ別帯域判定情報指定テーブル1790では、デコーダ指定情報をデコーダ指定情報受信部1791から、またデコードパラメータ情報をデコードパラメータ情報受信部1792から受け取り、デコーダ指定情報が“AC3”であること、デコードパラメータ情報としてサンプリング周波数情報が“48kHz”、スペクトル情報が“1”であることから、図21で示される通り、フィルタ係数ポインタ情報として“TBL3“をバンドパスフィルタコントローラ1600へ送信する。
【0257】
更に、バンドパスフィルタコントローラ1600では、フィルタ係数ポインタ情報が“TBL3“であることから、図22に示すフィルタ係数テーブル1920によって、フィルタタップ係数Coeff[31]〜Coeff[3n]の帯域可変バンドパスフィルタ1500へのロード処理を行い、以降は、実施の形態3〜11の場合と同様の動作が実施される。
【0258】
このように、本実施の形態によれば、デコーダ別帯域判定情報指定テーブル1790を設けることで、異なる複数のデコード処理に対応した場合でもそれぞれのデコード処理に応じた帯域判定処理を行うことが可能となるので、その分、より最適な帯域拡張処理を自動的に実現することが容易となる。
【0259】
しかも、本実施の形態によれば、デコーダ別帯域判定情報指定テーブル1790とフィルタ係数テーブル1920とを分離して構成することで、帯域判定処理が異なるデコーダ処理に応じた帯域判定処理の場合でも、フィルタタップ係数を共用できる構成で実現している。その結果として、フィルタタップ係数を共用できる分、フィルタタップ係数に要するメモリ資源を削減することが可能となる。
【0260】
尚、本実施の形態ではオーバーサンプリング部1200を含んで構成される場合について説明したが、オーバーサンプリング部を含まない場合においても、実装の形態2から11と同様、上限周波数FcHをデコード処理部1100に対するナイキスト条件に従って24kHz付近を上限とすることで、上記の実施の形態に比べ拡張帯域は限定される以外は、同様の効果を得ることができる。
【0261】
以上の各実施の形態では、帯域圧縮されたPCM音声信号の場合を例示および説明したが、本発明はリニアPCM音声信号であっても種々の周波数特性を有する音源を扱う場合などにも有効であることは言うまでもない。
【0262】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、入力符号化信号の帯域特性がナイキスト周波数(Fs/2)以下で欠落してしまうような場合や種々の周波数特性を有するリニアPCM音声信号の場合にも、PCMデータの性質に応じて帯域拡張を行うことで、高音質再生を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図
【図2】 本発明の実施の形態2に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図
【図3】 本発明の実施の形態3に係る音声処理装置の変形例を示す回路ブロック図
【図4】 本発明の実施の形態3に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図
【図5】 本発明の実施の形態3ににおける帯域判定部にスペクトルアナライザを含む例を示す回路ブロック図
【図6】 本発明の実施の形態4に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図
【図7】 本発明の実施の形態4におけるデコード処理部および帯域判定部の内部構成を示すブロック図
【図8】 本発明の実施の形態5に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図
【図9】 本発明の実施の形態5におけるデコード処理部および帯域判定部の内部構成を示すブロック図
【図10】 本発明の実施の形態6に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図
【図11】 本発明の実施の形態6におけるデコード処理部および帯域判定部の内部構成を示すブロック図
【図12】 本発明の実施の形態7に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図
【図13】 本発明の実施の形態7におけるデコード処理部および帯域判定部の内部構成を示すブロック図
【図14】 本発明の実施の形態8に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図
【図15】 本発明の実施の形態8におけるデコード処理部および帯域判定部の内部構成を示すブロック図
【図16】 本発明の実施の形態9に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図
【図17】 本発明の実施の形態10に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図
【図18】 本発明の実施の形態11に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図
【図19】 本発明の実施の形態12に係る音声処理装置の一構成例を示す回路ブロック図
【図20】 本発明の実施の形態12におけるデコード処理部および帯域判定部の内部構成を示すブロック図
【図21】 本発明の実施の形態12における帯域判定部内に含まれるデコーダ別帯域判定情報指定テーブルのテーブルデータ構成例を示す図
【図22】 本発明の実施の形態12におけるフィルタ係数テーブルのテーブルデータ構成例を示す図
【図23】 従来の音声処理装置の構成例を示す回路ブロック図
【符号の説明】
1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、9000、9100、9200、9300、9400、9500、9600、10000 音声処理装置
1100 デコード処理部
1110 補助情報解析部
1120 スペルトルデータ生成部
1130 PCMデータ生成部
1140 スペルトル情報送信部
1150 サブバンドデータ生成部
1160 サブバンド情報送信部
1190 ビットレート情報送信部
1191 サンプリング周波数情報送信部
1192 レイヤー情報送信部
1193 デコード部
1194 デコードパラメータ情報送信部
1195 デコーダ切り換え手段
1196 MPEGオーディオデコード手段
1197 AC3デコード手段
1200 オーバーサンプリング部
1300 拡張帯域生成部
1500 帯域可変バンドパスフィルタ
1600 バンドパスフィルタコントローラ
1700 帯域判定部
1710 スペクトルアナライザ
1720 スペクトル情報受信部
1730 サブバンド振幅情報受信部
1750 ビットレート情報受信部
1760 サンプリング周波数情報受信部
1770 帯域判定情報生成部
1780 レイヤー情報受信部
1790 デコーダ別帯域判定情報指定テーブル
1791 デコーダ指定情報受信部
1792 デコードパラメータ情報受信部
1800 帯域判定インターバル設定部
1900 帯域判定スレッショルド設定部
1910 帯域判定情報スムージング部
1920 フィルタ係数テーブル

Claims (14)

  1. 符号化された音声信号を復号し再生する音声処理装置であって、
    外部から入力される前記符号化音声信号を復号しPCMデータを生成するデコード処理部と、
    前記デコード処理部により復号処理されたPCMデータに対して帯域拡張成分を生成する拡張帯域生成部と、
    前記拡張帯域生成部からの帯域拡張成分を入力とし、通過帯域を可変して出力する帯域可変バンドパスフィルタと、
    前記デコード処理部により復号処理されたPCMデータと前記帯域可変バンドパスフィルタからの出力データを加算する加算器と、
    前記デコード処理部より得られる前記符号化音声信号の復号情報を帯域判定情報として、前記帯域拡張成分に対する通過帯域を決定する帯域判定部と、
    前記帯域判定部からの指示に応じて、前記帯域可変バンドパスフィルタの通過帯域の制御を行うバンドパスフィルタコントローラとを備えたことを特徴とする音声処理装置。
  2. 符号化された音声信号を復号し再生する音声処理装置であって、
    外部から入力される前記符号化音声信号を復号しPCMデータを生成するデコード処理部と、
    前記デコード処理部により復号処理されたPCMデータに対してオーバーサンプリング処理を行うオーバーサンプリング部と、
    前記オーバーサンプリング部によりオーバーサンプリング処理されたPCMデータに対して帯域拡張成分を生成する拡張帯域生成部と、
    前記拡張帯域生成部からの帯域拡張成分を入力とし、通過帯域を可変して出力する帯域可変バンドパスフィルタと、
    前記オーバーサンプリング部からの出力データと前記帯域可変バンドパスフィルタからの出力データを加算する加算器と、
    前記デコード処理部より得られる前記符号化音声信号の復号情報を帯域判定情報として、前記帯域拡張成分に対する通過帯域を決定する帯域判定部と、
    前記帯域判定部からの指示に応じて、前記帯域可変バンドパスフィルタの通過帯域の制御を行うバンドパスフィルタコントローラとを備えたことを特徴とする音声処理装置。
  3. 前記帯域判定部は、前記デコード処理部によって生成されるPCMデータのスペクトル解析を行うスペクトルアナライザを含み、前記スペクトルアナライザの解析結果を前記帯域判定情報として、前記帯域拡張成分に対する通過帯域を決定することを特徴とする請求項1または2記載の音声処理装置。
  4. 前記デコード処理部は、前記符号化音声信号の補助情報の解析を行う補助情報解析部と、前記補助情報に基づいてスペクトルデータを生成するスペクトルデータ生成部と、前記スペクトルデータを変換しPCMデータを生成するPCMデータ生成部と、前記スペクトルデータ生成部で生成されるスペクトルデータのスペクトル情報を外部に送信するスペクトル情報送信部とを含み、
    前記帯域判定部は、前記スペクトル情報送信部から送信されるスペクトル情報を受信するスペクトル情報受信部を含み、前記スペクトル情報を前記帯域判定情報として、前記帯域拡張成分に対する通過帯域を決定することを特徴とする請求項1または2記載の音声処理装置。
  5. 前記デコード処理部は、前記符号化音声信号の補助情報の解析を行う補助情報解析部と、前記補助情報に基づいて、サブバンドデータを生成するサブバンドデータ生成部と、前記サブバンドデータを帯域合成しPCMデータを生成するPCMデータ生成部と、前記サブバンドデータ生成部により生成されるサブバンドデータの振幅情報を外部に送信するサブバンド振幅情報送信部とを含み、
    前記帯域判定部は、前記サブバンド振幅情報送信部から送信されるサブバンド振幅情報を受信するサブバンド振幅情報受信部を含み、前記サブバンド振幅情報を前記帯域判定情報として、前記帯域拡張成分に対する通過帯域を決定することを特徴とする請求項1または2記載の音声処理装置。
  6. 前記デコード処理部は、前記符号化音声信号の補助情報の解析を行う補助情報解析部と、前記補助情報に基づいて、復号処理を行いPCMデータを生成するデコードコア部と、前記補助情報解析部により抽出されるビットレート情報を外部に送信するビットレート情報送信部とを含み、
    前記帯域判定部は、前記ビットレート情報送信部から送信されるビットレート情報を受信するビットレート情報受信部と、特定のビットレート情報を前記PCMデータの特定の周波数特性に対応付けた第1のテーブルとを含み、前記第1のテーブルを用いて生成した前記帯域判定情報により前記帯域拡張成分に対する通過帯域を決定することを特徴とする請求項1または2記載の音声処理装置。
  7. 前記デコード処理部は、前記補助情報解析部により抽出されるサンプリング周波数情報を外部に送信するサンプリング周波数情報送信部を含み、
    前記帯域判定部は、前記サンプリング周波数情報送信部から送信されるサンプリング周波数情報を受信するサンプリング周波数情報受信部と、前記サンプリング周波数情報および前記ビットレート情報の組み合わせにより前記帯域判定情報を生成する帯域判定情報生成部と、前記第1のテーブルの代わりに、特定のビットレート情報と特定のサンプリング周波数との組み合わせをポインタ情報として表わした第2のテーブルとを含み、前記帯域判定情報生成部が前記第2のテーブルを用いて生成した前記帯域判定情報により前記帯域拡張成分に対する通過帯域を決定することを特徴とする請求項記載の音声処理装置。
  8. 前記デコード処理部は、前記補助情報解析部により抽出されるレイヤー情報を外部に送信するレイヤー情報送信部を含み、
    前記帯域判定部は、前記レイヤー情報送信部から送信される前記レイヤー情報を受信するレイヤー情報受信部と、前記レイヤー情報、前記サンプリング周波数情報、および前記ビットレート情報の組み合わせにより前記帯域判定情報を生成する帯域判定情報生成部と、前記第2のテーブルの代わりに、特定のビットレート情報、特定のサンプリング周波数、特定のレイヤー情報の組み合わせをポインタ情報として表わした第3のテーブルとを含み、前記帯域判定情報生成部が前記第3のテーブルを用いて生成した前記帯域判定情報により前記帯域拡張成分に対する通過帯域を決定することを特徴とする請求項記載の音声処理装置。
  9. 前記帯域判定部は、前記デコード処理部より送信される前記帯域判定情報の変化を自動的に平滑化する帯域判定スムージング部を備え、前記帯域判定スムージング部により平滑処理された帯域判定情報により前記帯域拡張成分に対する通過帯域を決定することを特徴とする請求項1からのいずれか一項記載の音声処理装置。
  10. 前記音声処理装置は、前記帯域判定部における帯域判定処理の時間間隔を外部からの信号に応じて設定する帯域判定インターバル設定部を備えたことを特徴とする請求項1からのいずれか一項記載の音声処理装置。
  11. 前記音声処理装置は、前記帯域判定部における帯域判定処理の各帯域に対するスペクトル情報の有無を判別するためのレベル閾値を外部からの信号に応じて設定する帯域判定スレッショルド設定部を備えたことを特徴とする請求項3または4記載の音声処理装置。
  12. 前記音声処理装置は、前記帯域判定部における帯域判定処理の各帯域に対するサブバンド振幅の有無を判別するためのレベル閾値を外部からの信号に応じて設定する帯域判定スレッショルド設定部を備えたことを特徴とする請求項5記載の音声処理装置。
  13. 前記デコード処理部は、少なくとも2種類以上の符号化方式のデコード処理に対応し、外部より指定されるデコーダ情報に基づいてデコード処理を切り換え、
    前記帯域判定部は、外部より指定されるデコーダ情報に応じて帯域判定処理を切り替えるデコーダ別帯域判定切り替え手段を含んで構成されることを特徴とする請求項1から のいずれか一項記載の音声処理装置。
  14. 前記音声処理装置は、前記帯域可変バンドパスフィルタに使用するフィルタ係数を格納したフィルタ係数テーブルを備え、
    前記デコーダ別帯域判定切り替え手段は、デコーダ毎に個別に帯域を指定するデコーダ別帯域判定情報指定テーブルであり、前記帯域判定部は、外部より指定されるデコーダ情報に応じて前記デコーダ別帯域判定情報指定テーブルより帯域判定を行い、前記バンドパスフィルタコンローラに対し、前記フィルタ係数テーブルのポインタ情報として帯域判定情報を送信することを特徴とする請求項13記載の音声処理装置。
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