JP3957258B2 - バリア容器用開封構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジュース等を収納する紙製のバリア容器の帯状の開封構造に関し、特に水蒸気バリア性に優れた帯状の開封構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ジュース等を収納する紙製のバリア容器の帯状の開封構造として、例えば、図5に示すような開封構造が知られている。これは、複合板紙の表裏からそれぞれ位置を違えて2本の平行な半切れ線を形成させ、複合板紙の内面の2本の半切れ線(a、a)を覆うようにポリエチレンフィルム、未延伸ポリプロピレンフィルム等の熱可塑性樹脂フィルムからなる保護テープ(30)を溶着させたもので、2本の半切れ線に挟まれた帯状部分を半切れ線と平行方向に引き剥がせば、帯状部分が半切れ線で切り取られ、容器が開口するというものであった。
【0003】
この開封構造は、容器内側の半切れ線は保護テープで覆われているため、内容物の液体が板紙に浸透するということはなく、耐内容物バリア性は優れたものであった。
しかしながら、熱可塑性樹脂フィルムからなる保護テープを複合板紙の内面に溶着させるという工程が必要になり、コスト高になるし見栄えも良くないという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、紙製のバリア容器の帯状の開封構造に関する以上のような問題点に着目してなされたもので、保護テープを必要としない帯状のバリア容器用開封構造を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の発明は、少なくとも紙の内面に熱可塑性樹脂層が積層されたバリア容器用複合板紙の内面に、内面の熱可塑性樹脂層を貫通し、紙の略層央部分にまで達する2本の平行な半切れ線が形成され、該複合板紙の外面には、前記内面に形成された2本の平行な半切れ線の幅よりも広幅の、紙の略層央部分にまで達する別の2本の平行な半切れ線が形成され、各々の半切れ線は相互に若干の離隔幅が設けられて帯状の開封片が形成された開封機構の、内面に形成された2本の平行な半切れ線の先端部分が、前記熱可塑性樹脂層の上に被覆層を転写させた閉鎖手段により閉鎖されていることを特徴とするバリア容器用開封構造である。
【0006】
このように、複合板紙の内面には、内面の熱可塑性樹脂層を貫通し、紙の略層央部分にまで達する2本の平行な半切れ線が形成され、該複合板紙の外面には、前記内面に形成された2本の平行な半切れ線の幅よりも広幅の紙の略層央部分にまで達する別の2本の平行な半切れ線が形成され、各々の半切れ線は相互に若干の離隔幅が設けられて帯状の開封片が形成された開封機構の、内面に形成された2本の平行な半切れ線の先端部分が、前記熱可塑性樹脂層の上に被覆層を転写させた閉鎖手段により閉鎖されているので、開封片を半切れ線と平行に引き剥がせば、帯状部分は半切れ線により切り取られ、容器は容易に開口する。
また、内面に形成された半切れ線の先端部分は熱可塑性樹脂層の上に被覆層を転写させて閉鎖されているので、内容液が紙に浸透することはない。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記帯状の開封機構がバリア容器側壁の水平方向に設けられることを特徴とするバリア容器用開封構造である。
【0012】
このように、帯状の開封機構はバリア容器側壁の水平方向に設けられるので、容器から開封片を切り取っても内容液が飛び出すことはない。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のバリア容器用開封構造の実施の形態を図面に基づいて以下に詳細に説明する。
図1は、半切れ線の先端部分を閉鎖する前の開封構造の状態を示す、(a)は平面説明図であり、(b)は断面説明図である。
【0014】
本発明のバリア容器用開封構造は、例えば、図1(a)、(b)に示すように、紙(11)の内面に、熱可塑性樹脂層(12)が積層されたバリア容器用複合板紙(10)の内面に、熱可塑性樹脂層(12)を貫通し、紙の層央部分にまで達する2本の平行な半切れ線(a、a)が形成され、複合板紙の外面には、内面に形成された2本の平行な半切れ線(a、a)の幅よりも広幅の、紙の層央部分にまで達する別の2本の平行な半切れ線(b、b)が形成され、各々の半切れ線は相互に若干の離隔幅が設けられて帯状の開封片(13)が形成された開封機構の、内面に形成された2本の平行な半切れ線(a、a)の先端部分が閉鎖(A)された構造を有するものである。
【0015】
紙(11)は、バリア容器用複合板紙の基材となるもので、容器にした際の保形性を維持する役割を担っている。剛性等容器として必要な一般的な特性のはかに充填される内容物によっては、耐水性、耐油性等の特殊な特性を必要とする場合もある。白板紙、ミルクカートン原紙のほか折り曲げ加工適性に富んだカップ原紙等が好ましく使用できる。
【0016】
紙の内面に積層される熱可塑性樹脂層(12)は、収納する内容物が直接、接する面となるため、耐内容物性を有する必要があるほか、容器として組み立てる際には、内面同士あるいは外面と熱接着させて容器として密封させる役割を果たす。
このため、熱融着性に富んだポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂のほか、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が好ましく使用できる。
【0017】
必要に応じて紙の外面に別の熱可塑性樹脂層(14)を設けても良い。この場合の熱可塑性樹脂としては、作業性等を考慮すると前記の熱可塑性樹脂と同一の熱可塑性樹脂であることが好ましい。
【0018】
また、紙の内面に積層される熱可塑性樹脂層(12)と紙(11)の間に、バリア層(図示せず)を設けても良い。バリア層は、複合板紙にバリア性を付与する層で、アルミニウム箔、ポリエチレンテレフタレートフィルム、あるいはポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に真空蒸着法等の方法により、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の無機化合物の蒸着薄膜を形成させた蒸着フィルム等公知のバリアフィルムを用いることができる。
【0019】
上記層構成の複合板紙は、押出しラミネート法及びドライラミネート法等の公知のラミネート法により作製することができる。そして上記複合板紙を所定形状に打ち抜きブランクとする。
【0020】
そしてこのブランクの必要箇所に、先ず内面から紙の略層央部分にまで達する2本の平行な半切れ線(a、a)を形成させる。
2本の平行な半切れ線(a、a)は連続線としてもミシン目状の不連続線としても構わない。
【0021】
つぎにこのブランクの外面から、先に内面から形成させた2本の平行な半切れ線(a、a)の幅よりも広幅の、紙の略層央部分にまで達する別の2本の平行な半切れ線(b、b)を形成させる。
この別の2本の平行な半切れ線(b、b)も連続線としてもミシン目状の不連続線としても構わない。
【0022】
各々の半切れ線の間には、相互に若干の離隔幅が設けられて帯状の開封片(13)が形成される。
【0023】
最後に、複合板紙の内面から紙の略層央部分にまで達する2本の半切れ線(a、a)の先端(表面)部分を、下記する手段によって閉鎖して、図2に示すような本発明のバリア容器用開封構造が出来上がる。
【0024】
複合板紙の内面に形成された2本の半切れ線(a、a)の表面を閉鎖する手段としては、例えば、半切れ線を形成させた熱可塑性樹脂層の上から、フッ素樹脂加工を施したヒートシールバーを直接から打ちする、あるいは、ホットエアーを吹き付ける、ないしは、ホットエアーとヒートシールバーを併用する、等の手段があり、熱可塑性樹脂層の表面を溶融して半切れ線の表面を潰すことにより、半切れ線の先端(表面)が閉鎖(A)される。
【0025】
熱可塑性樹脂として低密度ポリエチレン樹脂を用いた場合、熱可塑性樹脂層の厚みが比較的薄い場合に効果がある。より具体的には、20μmでは効果があり、60μmでは開封片を摘んで開封する際、糸引き現象が生じ不調であった。
【0026】
閉鎖手段として下記する方法を採用しても良い(図3参照)。
すなわち、ポリエステル樹脂等からなる支持テープ(21)に熱可塑性樹脂層(12)と接着性の良い被覆層(22)を転写層(23)を介して形成させた転写テープ(20)を、半切れ線(a、a)を形成させた熱可塑性樹脂層の上にあてがい、加熱、加圧等して転写テープに接着していた被覆層(22)を半切れ線を形成させた熱可塑性樹脂層の上に転写接着させて、半切れ線(a、a)の表面を覆うことにより半切れ線の先端部分が閉鎖(A)される。
【0027】
このようにして作製した内面の半切れ線の先端が閉鎖された本発明の開封構造を有する所定寸法のブランクを、例えば、図4に示すような、直径60mm、高さ113mmの円筒状の容器に成形し実施例のバリア容器とした。
なお、内面の半切れ線の先端が閉鎖されていない以外は実施例と同一材料、同一寸法の円筒状容器を作製して比較例の容器とした。
【0028】
実施例と比較例の容器の水蒸気バリア性を下記する方法により測定した。その結果を表1に示す。
水蒸気バリア性の測定方法 ‥ 容器に塩化カルシウムを100グラム入れ、40°C、90%R.H.で保存した時の水蒸気吸収による重量増加量を14日間測定した(n=5)。
【0029】
【表1】
【0030】
この結果から、実施例の1パック・1日当たりの重量増加量は、0.067グラムであるのに対し、比較例の1パック・1日当たりの重量増加量は、0.840グラムとなって、半切れ線の先端を閉鎖することにより、十分な水蒸気バリア性が得られることが判明した。
【0031】
【発明の効果】
上記のように、本発明のバリア容器用開封構造は、新たな部材を用意しなくてもハーフカット部分の水蒸気バリア性を損なうことのない開封構造である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 半切れ線の先端部分を閉鎖する前の開封構造の状態を示す、(a)は平面説明図であり、(b)は断面説明図である。
【図2】 本発明の開封構造の一例を示す断面説明図であり、熱可塑性樹脂層に被覆層を接着させて半切れ線を閉鎖した状態を示す。
【図3】 本発明の開封構造に使用する半切れ線の、閉鎖手段の一例を示す説明図である。
【図4】 本発明の開封構造を用いたバリア容器の一例を示す斜視説明図である。
【図5】 従来のバリア容器用開封構造の一例を示す断面説明図である。
Claims (2)
- 少なくとも紙の内面に熱可塑性樹脂層が積層されたバリア容器用複合板紙の内面に、内面の熱可塑性樹脂層を貫通し、紙の略層央部分にまで達する2本の平行な半切れ線が形成され、該複合板紙の外面には、前記内面に形成された2本の平行な半切れ線の幅よりも広幅の、紙の略層央部分にまで達する別の2本の平行な半切れ線が形成され、各々の半切れ線は相互に若干の離隔幅が設けられて帯状の開封片が形成された開封機構の、内面に形成された2本の平行な半切れ線の先端部分が、前記熱可塑性樹脂層の上に被覆層を転写させた閉鎖手段により閉鎖されていることを特徴とするバリア容器用開封構造。
- 前記帯状の開封機構がバリア容器側壁の水平方向に設けられることを特徴とする請求項1記載のバリア容器用開封構造。
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