JP3956349B2 - ガス圧力検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガス圧力検出装置に関するものであり、特に、ガス圧を圧力センサにより検出するようにしたガス圧力検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、高圧容器に圧力計を取り付け、圧力計の指針に従って高圧容器のガス充填量を測定したり充填時の満充填判定を行ったりすることがなされている。
近年、この種の高圧容器内の圧力を精度よく測定するために、ブルドン管計等の従来の機械式の圧力計に代えて電気抵抗値の変化を利用した圧力センサが用いられるようになっており、燃料電池の水素貯蔵タンクにおいてもこの種の圧力センサの採用が検討されている。前記圧力センサは、液体またはガスの圧力(ガス圧)を検出し、制御や計測に使いやすい電気信号に変換し伝送するものであり、感圧弾性素子のダイアフラム、ベローズなどの圧力変化またはひずみを、ひずみゲージ、拡散型半導体ゲージ、電気容量、差動変圧器などの変換器で電圧に変換し、圧力を指示する。
【0003】
圧力センサは、圧力センサに内蔵されているゲイン設定装置により圧力センサの感度が較正されていて、見かけ上の出力特性が、入力(圧力)の変化に対する出力(電圧)がリニアに変化するため、一つの圧力センサで高圧容器内の圧力を最小の圧力から最大圧力の範囲内で測定することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、圧力センサに施されている較正は、図6(a)に示すように、高圧容器の最大圧力をフルスケールとしたものであり、低圧域、中圧域の圧力に適した較正が施されていないので、中圧域、特に、低圧域の圧力に対する圧力センサの測定精度が低くなるという欠点がある。また、圧力センサの感度に対する誤差の絶対値がそれぞれ同じ1%でも、フルスケールが大きな圧力センサほど誤差の絶対値が大きくなる。このため、フルスケールの大きな高圧域用圧力センサで高圧域から低圧域までを測定しようとすると、低圧域、中圧域での測定精度は大幅に低下することになる。
従って、低圧域から高圧域まで検出できる圧力センサを燃料電池電気自動車の水素貯蔵タンクの充填量検出装置として組み込んで水素貯蔵タンクの満充填から空(エンプティ)までの圧力の変化を検出する場合、図6(a)において、右側の最大圧力点が満充填となり、左側の最小圧力が空となるが、水素ガスの消費により、実際の圧力が空に近く、残量がまだあると指示されている場合でも燃料電池が突然に停止してしまうことが想定される。また、その逆に、残量がない空と指示されている場合でも残量が充分にあることもある。もちろん、低圧域までを測定する圧力センサ(例えば10MPa用)では高圧域の圧力(例えば70MPa)を測定することはできないので、高圧域まで検出できる圧力センサで低圧域の圧力を測定せざるを得ない。
【0005】
また、燃料電池電気自動車などは、1回の水素充填で走行できる距離を長くするため、水素貯蔵タンクへのより高圧な充填が試みられている。
そこで、高圧容器の圧力を広い圧力領域で正確に検出できるようにするために解決すべき技術的課題が生じるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のガス圧力検出装置は、測定範囲の異なる複数の圧力センサを組み合わせて高圧容器内の圧力を検出するように構成すると共に、前記複数の圧力センサのうち、測定圧力域が最も高い圧力センサ以外の測定圧力域が低い側の圧力センサの受圧部と前記高圧容器との間に、圧力遮断手段をそれぞれ介設し、前記複数の圧力センサのうち、測定圧力域が最も高い圧力センサの検出値に基づいて前記圧力遮断手段が作動するように構成し、前記圧力遮断手段の作動に同期して、検出可能な前記複数の圧力センサのうち測定圧力域が最も低い圧力センサの検出値を切り換えて選択するように構成した。
このようにすると、それぞれ高圧容器内の圧力を精度よく出力するので、高圧容器の圧力が低圧域から高圧域までの全域に及んで精度よく検出される。
【0007】
また、ガス圧力検出装置は、複数の前記圧力遮断手段を備え、前記複数の圧力センサのうち、測定圧力域が最も高い圧力センサの検出値に対応する圧力遮断手段に開作動信号を出力するとともに、前記検出値に対応しない圧力遮断手段に閉作動信号を出力するように構成するのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を添付図面を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態に係る燃料電池システム1の構成を示す。図示されるように燃料電池システム1には、例えば、周知の固体高分子型燃料電池が備えられており、高圧容器としての水素貯蔵タンク2に水素ガスHが充填されている。燃料電池3のカソード極4には、コンプレッサ5により、燃料として加湿された空気Oが通流し、アノード極6にはエゼクタ7により燃料としての水素ガスHが通流しており、固体高分子型電解質膜8を介しての酸素と水素との電気化学反応により生成された電気はモータ等のパワープラント(図示せず)に供給される。
また、アノード極6に水素ガスHを供給するための水素供給ライン9には、エゼクタ7と水素貯蔵タンク2との間に、水素ガスHの圧力を調圧すべく減圧弁10が設けられる。
【0010】
前記水素貯蔵タンク2内には、高圧で水素ガスHが貯蔵されており、水素貯蔵タンク2内にはこの水素貯蔵タンク2内の圧力により水素ガスHの充填量を検出すべく圧力検出装置(ガス圧力検出装置)11が取り付けられる。
本実施の形態にあって、前記圧力検出装置11は、それぞれ周知のひずみゲージ式等の圧力センサから成る高圧域用圧力センサ12、低圧域用圧力センサ13及びその間の中圧域用圧力センサ14で構成されていて、前記した水素貯蔵タンク2内の圧力を高圧域、低圧域、その間の中圧域に分けて検出する。なお、前記ひずみゲージ式圧力センサは、ダイアフラム、ベローズなど感圧弾性素子のひずみを、ひずみゲージ(変換器)で電圧に変換し、変換した電圧を出力するもので、本実施の形態では、水素貯蔵タンク2内の圧力を電圧に変換し、変換した電圧を、充填量検知装置15を介して指示装置16に出力する。
【0011】
高圧域用圧力センサ12、中圧域用圧力センサ14、低圧域用圧力センサ13から成る前記圧力検出装置11は、前記水素貯蔵タンク2内の口元と、前記燃料電池システム1の水素供給ライン9の上流側端部との間に介設された管状の取り付け部材17に設置される。
【0012】
図2は前記取り付け部材17の内部を示し、図中、矢印は、水素貯蔵タンク2から水素供給ライン9への水素ガスの流れ方向を示す。
図2に示すように、取り付け部材17には、前記した高圧域用圧力センサ12、中圧域用圧力センサ14及び低圧域用圧力センサ13を取り付けるため圧力センサ取り付け部18,19,20が設けられている。各圧力センサ取り付け部18,19,20は、取り付け部材17内の軸心を通る内部通路21に開口して連通する有底筒体状に形成されており、取り付け部材17内の軸心を通る内部通路21を通じてそれぞれ前記水素貯蔵タンク2内と前記水素供給ライン9に連通する。前記高圧域用圧力センサ12、中圧域用圧力センサ14、低圧域用圧力センサ13は、それぞれ圧力センサ取り付け部18,19,20を圧力導入のための圧力取り出し部として圧力センサ取り付け部18,19,20の底部に取り付けられており、前記したように、前記高圧域用圧力センサ12、中圧域用圧力センサ14、低圧域用圧力センサ13の各感圧弾性素子に作用する圧力に対応した電圧を出力する。
【0013】
また、低圧域用圧力センサ13、中圧域用圧力センサ14が配置されている圧力センサ取り付け部20,19には、圧力センサ取り付け部20,19の入口を開閉すべくゲート(圧力遮断手段)が設けられている。
本実施の形態において、各ゲートは、内部通路21を挟んで各圧力センサ取り付け部20,19の反対側に設けられ、電磁ソレノイド(図示せず)により弁体26,25の開閉動を切り換える低圧域用電磁弁28と中圧域用電磁弁27で構成されており、低圧域用電磁弁28の弁体26と中圧域用電磁弁27の弁体25の先端部には各圧力センサ取り付け部20,19の弁座Sに着座する弁シートBSが設けられる。
【0014】
図3は前記圧力検出装置11を充填量検出部として水素貯蔵タンク2の充填量を検知する充填量検知装置15のブロック図である。
図3に示されているように、この充填量検知装置15は、切り換えスイッチ部SWと、切り換えスイッチ部SWにA/D変換器32を介して電気的に接続された充電量算出部30とから構成される。充填量算出部30には指示装置16が電気的に接続され、前記切り換えスイッチ部SWには、高圧域用圧力センサ12、中圧域用圧力センサ14及び低圧域用圧力センサ13が接続される。
切り換えスイッチ部SWは、高圧域用圧力センサ12から出力される電圧の大きさによって、現在の水素貯蔵タンク2内の圧力が、高圧域、中圧域、低圧域のいずれに該当するかを判定する判定機能と、判定結果に基づいて前記中圧域用電磁弁27、低圧域用電磁弁28に対して切り換え信号を出力することによって、高圧域用圧力センサ12、中圧域用圧力センサ14、低圧域用圧力センサ13の中から、現在の水素貯蔵容器2の圧力に対応した圧力センサを選択する圧力センサ選択機能と、選択した圧力センサの電圧のみを測定用として選択してこれをA/D変換器32を介して充填量算出部30に出力させる機能とを有している。なお、充填量検知装置15は、例えば、CPU、メモリ、ROM、RAM、I/O、バックアップ電源などを主要部とするコンピュータ(ECU)で構成される。
【0015】
次に、図1〜図4を参照して前記充填量検知装置15による圧力検出について説明する。充填量検知装置15が起動されると、まず、切り換えスイッチ部SWの初期設定がなされる。初期設定では、前記した中圧域用電磁弁27,低圧域用電磁弁28に閉作動信号を出力して、圧力センサ取り付け部19,20の入口を閉鎖する。低圧域用圧力センサ13、中圧域用圧力センサ14への圧力の入力が遮断されるので、低圧域用圧力センサ13、中圧域用圧力センサ14の受圧部に対する過大な圧力の入力が遮断されその損傷が防止される。また、切り換えスイッチ部SWは、初期設定時においては、高圧域用圧力センサ12が検出する電圧のみを充填量算出部30に出力し、不正確な信号の出力の出力を防止する。
【0016】
初期設定後、切り換えスイッチ部SWは、高圧域用圧力センサ12から常時出力される電圧により、水素貯蔵タンク2の現在の圧力が高圧域、中圧域、低圧域のいずれに該当するのかを判定する。
高圧域用圧力センサ12から出力される電圧の大きさが、水素貯蔵容器2の高圧域の充填圧に対応するとき、切り換えスイッチ部SWは、現在の測定に適する圧力センサとして高圧域用圧力センサ12を選択する。同時に、切り換えスイッチ部SWは、中圧域用電磁弁27及び低圧域用電磁弁28に閉作動信号を出力して前記圧力センサ取り付け部19,20の入口を閉鎖し、高圧域の過大な圧力から中圧域用圧力センサ14、低圧域用圧力センサ13の受圧部となるダイアフラム、ベローズなど感圧弾性素子を保護し、装置全体としての信頼性及び耐久性を向上する。
また、前記切り換えスイッチ部SWは、高圧域用圧力センサ12の選択に同期して、高圧域用圧力センサ12の電圧のみを選択してこれを充填量算出部30に出力させる。すなわち、低圧域用圧力センサ13、中圧域用圧力センサ14、高圧域用圧力センサ12の各圧力センサには、図4に示されるように、測定する圧力範囲に応じて高精度の領域と低精度の領域があり、高圧域用圧力センサ12ほど低圧の領域で精度が低下し、低圧域用圧力センサ13ほど高圧の領域で精度が低下する。しかし、水素貯蔵タンク2内の圧力が高圧域のときは、高圧域の圧力を高精度に検出する高圧域用圧力センサ12の電圧のみ充填量算出部30に出力され、充填量算出部30が高圧域用圧力センサ12からの電圧を指示装置16に対応した電気信号に変換して指示装置16に出力するので、高圧域において精度の高い測定値が指示される。
【0017】
運転時間が経過し、水素貯蔵タンク2内の圧力が減少し、高圧域用圧力センサ12が常時検出する電圧値の大きさが、水素貯蔵容器2の中圧域の圧力に該当するとき、切り換えスイッチ部SWは、中圧域用電磁弁27に開作動信号を、低圧域用電磁弁28に閉作動信号を出力して中圧域の過大な圧力から低圧域用圧力センサ13の受圧部を保護する。同時に、切り換えスイッチ部SWは、現在の水素貯蔵タンク2の圧力の測定に適した圧力センサとして中圧域用圧力センサ14を選択し、この選択に同期して、中圧域用圧力センサ14が検出した電圧のみを充填量算出部30に出力する。充填量算出部30は、中圧域用圧力センサ14から出力された電圧を前記指示装置16に対応した電気信号に変換してこれを指示装置16に出力する。前記したように、低圧域用圧力センサ13、中圧域用圧力センサ14、高圧域用圧力センサ12の各圧力センサには、それぞれ測定する圧力範囲に応じて高精度の領域と低精度の領域があるが(図4参照)、水素貯蔵タンク2内の圧力が中圧域のときは、切り換えスイッチ部SWが、中圧域の圧力を高精度に検出する中圧域用圧力センサ14を測定用として選択し、これに同期して中圧域用圧力センサ14が測定した電圧のみを現在の水素貯蔵タンク2の充填圧に対応した圧力として充填量算出部30に出力するので、中圧域でも精度の高い測定が実施される。
【0018】
燃料電池システム1の運転時間に対応して水素貯蔵タンク2の内圧がさらに減少し、高圧域用圧力センサ12から出力される電圧が図4に示す水素貯蔵容器2の低圧域の圧力に該当するとき、前記切り換えスイッチ部SWは、中圧域用電磁弁27に閉作動信号を、低圧域用電磁弁28に開作動信号を出力する。同時に、切り換えスイッチ部SWは、現在の水素貯蔵タンク2の圧力の測定に適した圧力センサとして低圧域用圧力センサ13を選択し、圧力センサの選択に同期して、低圧域用圧力センサ13が検出した電圧のみを充填量算出部30に出力する。充填量算出部30は、低圧域用圧力センサ13から出力された電圧を前記指示装置16に対応した電気信号に変換して指示装置16に出力する。図4に示したように、低圧域用圧力センサ13の高精度の領域は、低圧域に存在し、前記切り換えスイッチ部SWは、水素貯蔵タンク2内の圧力が低圧域のときは、低圧域の圧力を高精度に検出する低圧域用圧力センサ13が測定用として選択されると共に、これに同期して低圧域用圧力センサ13のみの電圧を現在の水素貯蔵タンク2の充填圧に対応した圧力として充填量算出部30に出力するので、低圧域でも精度の高い測定値が実施される。
【0019】
このため、水素貯蔵タンク2の圧力が高圧域から低圧域の広範囲に及んで精度よく検出され、指示装置16により水素貯蔵タンク2の残量が高精度に指示される。
【0020】
なお、前記圧力検出装置11は、前記燃料電池システム1の水素供給ライン9に取り付けられている減圧弁10よりも上流側で且つ水素貯蔵タンク2の下流側であればいずれの箇所に設置してもよい。また、本実施の形態の説明においては、各圧力センサ12,13,14にひずみゲージ式の圧力センサを用いる説明をしたが、拡散型半導体ゲージ、電気容量、差動変圧器などの変換器で電圧に変換し、圧力を指示する構造のものを用いてもよい。
このように、前記低圧域用圧力センサ13、中圧域用圧力センサ14、高圧域用圧力センサ12の各圧力センサは、測定する圧力範囲に応じて高精度の領域と低精度の領域があり、高圧域用圧力センサ12ほど低圧領域で精度が低下し、低圧域用圧力センサ13ほど測定範囲が狭く、高圧域での耐圧性が不足するが、測定領域の異なる複数の圧力センサ12〜14から水素貯蔵タンク2の圧力に対応した圧力センサを選択すると共に、他の圧力センサを水素貯蔵タンク2の圧力から保護するので、低圧から高圧の広範囲に及んで検出精度の高い測定が可能となる。
【0021】
(第2実施の形態)
図5は本発明の他の実施の形態を示す。この実施の形態は、前記低圧域用電磁弁28,中圧域用電磁弁27に代わる低圧域用開閉弁50、中圧域用開閉弁51を設けたものであり、他の構成は、図3で説明した構成と同じある。
前記低圧域用開閉弁50、中圧域用開閉弁51は、図5に示されるように、取り付け部材17の内部通路21を挟んで高圧域用圧力センサ12、中圧域用圧力センサ14、低圧域用圧力センサ13側と反対側に設けられており、低圧域用開閉弁50は、内部通路21を通る燃料としての水素ガスの圧力によって半径方向に進退移動するピストンロッド50aと、ピストンロッド50aを進出方向に付勢するリターンスプリング50bと、リターンスプリング50bの設定荷重を調節するアジャストスクリュー50cとから構成される。また、中圧域用開閉弁51は、同じく内部通路21を通る水素ガスの圧力によって半径方向に進退移動するピストンロッド51aと、ピストンロッド51aを進出方向に付勢するリターンスプリング51bと、リターンスプリング51bの設定荷重を調節するアジャストスクリュー5cとから構成される。
【0022】
ゲートであり、且つ、前記切り換えスイッチ部SWに対して入力部となる各ピストンロッド50a,51aのピストン部50d,51dは、取り付け部材17の内部通路21に開口する筒状の各弁取り付け部20,21にそれぞれ摺動自在に嵌合され、各アジャストスクリュー50c,51cは、内部通路21側と反対側から各弁取り付け部20,21に螺入される。
また、前記切り換えスイッチ部SWの切り換え作動部に対応する各リターンスプリング50b,51bは、それぞれ圧縮コイルばねで構成されていて、各ピストンロッド50a,51aのピストン部50d,51dとアジャストスクリュー50c,51cとに弾接している。そして、各ピストンロッド50a,51aの先端部には、球状の弁部50e,51eが一体に設けられる。なお、前記各弁部50e,51eの弁シートは、圧力センサ取り付け部17に設けられた弁座Sに係脱自在に着座する。
【0023】
前記低圧域用開閉弁50のピストン部50d、中圧域用開閉弁51のピストン部51dの受圧面積は、互いに等しく、低圧域用開閉弁50のリターンスプリング50bの設定荷重は、中圧域用開閉弁51のリターンスプリング51bの設定荷重よりも小さく設定される。
ここで、中圧域用開閉弁51のリターンスプリング51bの設定荷重は、水素貯蔵タンク2に連通する内部通路21内の圧力が高圧域よりも低下すると、弁部51eを弁座Sから離間させて開弁させるように定められる。
一方、低圧域用開閉弁50のリターンスプリング50bの設定荷重は、水素貯蔵タンク2に連通する内部通路21内の圧力が中圧域よりも低下すると、弁部50eを弁座Sから離間させて開弁させるように定められている。
【0024】
このため、高圧域では、低圧域用圧力センサ13及び中圧域用圧力センサ14には、高圧域での高い圧力は負荷されない。また、中圧域では低圧域用圧力センサ13には、中圧域での該センサ13にとっての高い圧力は負荷されない。よって、低圧域用圧力センサ13及び中圧域用圧力センサ14は、それぞれ適切な圧力のもとで作動することになる。
【0025】
従って、前記水素貯蔵タンク2内の水素ガスの充填量が高圧域のときは高圧域用圧力センサ12で、中圧域のときは中圧域用圧力センサ14で、低圧域のときは低圧域用圧力センサ13で水素貯蔵タンク2内の水素ガスの充填量が検出される。
このように、低圧域、中圧域、高圧域の各圧力域に対応して低圧域用開閉弁50、中圧域用開閉弁51が自動的に切り換えられても、図4で説明したように、低圧域用圧力センサ13、中圧域用圧力センサ14、高圧域用圧力センサ12の高精度の測定領域は、それぞれ低圧域、中圧域、高圧域に存在し、前記切り換えスイッチ部SWは、水素貯蔵タンク2内の圧力が低圧域のときは、測定用として低圧域の圧力を高精度に検出する低圧域用圧力センサ13の電圧が選択され、中圧域のときは、中圧域の圧力を高精度に検出する中圧域用圧力センサ14の電圧が選択され、高圧域のときは、中圧域の圧力を高精度に検出する中圧域用圧力センサ14の電圧が選択される。そして、前記切り換えスイッチ部SWは、圧力センサの選択に同期して、低圧域のときは低圧域用圧力センサ13のみの電圧、中圧域のときは中圧域用圧力センサ14のみの電圧、高圧域のときは、高圧域用圧力センサ12のみの電圧を、それぞれそのときの水素貯蔵タンク2の充填圧に対応した圧力として充填量算出部30に出力し、充填量算出部30から指示装置16に出力させる。この結果、第1の実施の形態と同様に、水素貯蔵タンク2の低圧域、中圧域、高圧域の各圧力域において、精度の高い測定値が実施される。つまり、この実施の形態における切り換えスイッチ部SWは、第1実施例のように、弁の開閉を制御する機能を持たないものの、他の機能は備えている。
このため、前記した第1の実施の形態及び第2の実施の形態によれば、水素貯蔵タンク2の残量を測定する場合と燃料を充填の双方において、充填量が広範囲に及んで且つ、正確に検出することができる。
また、前記した低圧域用開閉弁50、中圧域用開閉弁51は、水素貯蔵タンク2内の圧力に応じて、低圧域用圧力センサ13、中圧域用圧力センサ14、高圧域用圧力センサ12の各圧力センサを機械的に切り換えて、正確なデータのみを検出することになるので、データの信頼性が向上する。
さらに、前記ゲートは、現在の圧力に対応した圧力センサが選択され、他の圧力センサに過大な圧力が負荷されることがない圧力遮断手段としても機能するので、他の圧力センサの損傷を防止することができる。
【0026】
以上、前記した各実施の形態においては、水素貯蔵タンク2の残量を測定する場合を例示したが、燃料を充填する場合も、低圧域用圧力センサ13,中圧域用圧力センサ14を損傷させることなく、正確に水素ガスHを充填することができる。このため、本発明に係る圧力検出装置11を含む充填量検知装置15を燃料電池電気自動車の水素貯蔵タンク2の充填量検出装置として組み込んで水素貯蔵タンク2の満充填から空(エンプティ)までを検出する場合において、各圧力センサ12〜14が、図6(b)に示すように、高圧域、中圧域、低圧域でそれぞれ圧力の変化を高い精度で検出することになる。そして、低圧域では、測定精度の最も高い低圧域用圧力センサ13が水素ガスの充填量を検出して充填量算出部30から指示装置16に対応する電気信号が出力されるので、低圧域における実際の圧力の変化が高い精度で検出される。このため、水素貯蔵タンク2の水素の消費によって、水素貯蔵タンク2に残量がまだあると指示されているときに、燃料電池が不慮に停止してしまうこともなく、この逆に、残量がないと指示されている場合でも残量が充分にあるということもない。
このように、水素貯蔵タンク2に水素ガスを充填すると、指示装置16の指示に対して信頼性が向上するので、適切な水素の充填を行なうことができ、例えば、不慮の指示による燃料電池システム1の停止が防止される。
もちろん、この本発明の高圧容器の圧力検出装置によれば、高圧容器からの放出時ばかりでなく、充填時にも適切に圧力の検出を行なうことができる。
【0027】
また、前記した各実施の形態において、「圧力センサ」には、液体またはガスの圧力を検出し、制御や計測に使いやすい電気信号に変換し伝送するセンサ、例えば、ひずみゲージ式の圧力センサ、拡散型半導体ゲージ等が用いられる。
また、「複数の圧力センサ」は、低圧域用及び高圧域用の2種類でも、高圧域用、中圧域用及び低圧域用の3種類でも良い。また、4種類でも、それ以上でも良い。ちなみに、高圧域用、中圧域用及び低圧域用の3種類を「複数の圧力センサ」として使用する場合の「測定圧力が低い側の圧力センサ」は、中圧域用及び低圧域用が該当する。
また、「圧力遮断手段」は、実施の形態のような、リターンスプリングや電磁弁で作動して、圧力センサ(受圧部)を保護するものが該当する。
【0028】
【発明の効果】
以上、説明したことから明らかなように本発明によれば次の如き優れた効果を発揮する。
(1)測定圧力域に応じた適切な圧力の測定が可能になる。例えば、本実施の形態で詳述したように、低圧域の圧力を測定範囲とする圧力センサ、中圧域の圧力を測定範囲とする圧力センサ、高圧域の圧力を測定範囲とする圧力センサがそれぞれ高圧容器内の圧力を精度よく出力するので、高圧容器の圧力を低圧域から高圧域に及んで精度よく検出することができる。
【0029】
(2)測定圧力域が高い側の圧力センサの検出値に基づいて圧力遮断手段が作動するように構成したので、他の圧力センサを過大な圧力から保護することができる。
【0030】
(3)また、特定の圧力センサが検出する圧力に対応して複数の圧力センサの中から圧力検出に用いられる圧力センサが自動的に選択され、各圧力センサの測定範囲がそれぞれ検出すべき高圧容器の測定範囲に対応しているので、高圧容器の圧力を高精度で検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る燃料電池システムの構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係り、取り付け部材の内部と圧力センサ及び電磁弁の配置を示す解説図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係り、圧力検出装置を充填量検出部として水素貯蔵タンクの充填量を検知する充填量検知装置の構造を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係り、低圧域用圧力センサ、中圧域用圧力センサ、高圧域用圧力センサによる入力−出力特性を示す線図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係り、取り付け部材の内部と圧力センサ及び機械式の開閉弁の配置を示す解説図である。
【図6】高圧容器内の充填ガスの消費量の変化を一つの圧力センサと複数の圧力センサで検出した場合のそれぞれの圧力の変化を示す圧力センサの出力特性図である。
【符号の説明】
2 水素貯蔵タンク(高圧容器)
12 高圧域用圧力センサ
13 低圧域用圧力センサ
14 中圧域用圧力センサ
Claims (2)
- 測定圧力域の異なる複数の圧力センサを組み合わせて高圧容器内のガス圧を検出するように構成すると共に、前記複数の圧力センサのうち、測定圧力域が最も高い圧力センサ以外の測定圧力域が低い側の圧力センサの受圧部と前記高圧容器との間に、圧力遮断手段をそれぞれ介設して構成し、
前記複数の圧力センサのうち、測定圧力域が最も高い圧力センサの検出値に基づいて前記圧力遮断手段が作動するように構成し、
前記圧力遮断手段の作動に同期して、検出可能な前記複数の圧力センサのうち測定圧力域が最も低い圧力センサの検出値を切り換えて選択するように構成したことを特徴とするガス圧力検出装置。 - 複数の前記圧力遮断手段を備え、
前記複数の圧力センサのうち、測定圧力域が最も高い圧力センサの検出値に対応する一の圧力遮断手段に開作動信号を出力するとともに、前記検出値に対応しない他の圧力遮断手段に閉作動信号を出力するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のガス圧力検出装置。
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