JP3955806B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に関し、特には埋め込み配線を有する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の製造工程では、化学的機械研磨(Chemical Mechamical Polishing:以下、CMPと記す)法を用いて埋め込み配線を形成する方法の開発が進められている。この方法では、先ず、絶縁膜に形成した溝パターン内を埋め込む状態で絶縁膜上に導電層を成膜した後、CMP法によって絶縁膜上面が露出するまで上記導電層を研磨する。この研磨によって、溝パターン内にのみ残った導電層を配線とする。この方法では、腐食性のエッチングガスを用いることなくかつ基板温度を上昇させることなく導電層のパターニングを行うことができるため、配線の信頼性を向上させることが可能になると共に、近年配線材料として注目されている銅のパターン加工が容易になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記半導体装置の製造方法では、CMP法における研磨の終点検出方法が確立されていないため、研磨時間を多めに設定して絶縁膜上の導電層を完全に除去するようにしている。このため、絶縁膜に形成した溝パターン内の導電層にまで研磨が達する。このように、溝パターン内にまで研磨が達した場合には、溝パターンの開口線幅に依存して導電層の研磨が多く進むいわゆるディッシング現象が生じるため、埋め込み配線の上面に窪みが形成される。このディッシングによる窪みは、10μm以上の配線幅の埋め込み配線では150nm以上の深さになる。したがって、研磨表面を平坦化することができない。
【0004】
そして、例えば上記研磨表面上に層間絶縁膜を成膜すると、この層間絶縁膜の表面に研磨表面の窪み形状が現れる。このような表面形状の層間絶縁膜に、上記と同様の手順でCMP法を用いて上層埋め込み配線を形成すると、層間絶縁膜に形成した溝パターン内の他に上記窪み形状内にも導電層が残る。そして、溝パターン内の導電層すなわち上層埋め込み配線間に上記窪み形状が位置する場合、この窪み形状内に残った導電層によって上層埋め込み配線間がショートしてしまう。したがって、多層配線構造の信頼性を確保することが困難になる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明の半導体装置は、溝パターンを備えた絶縁層と、当該溝パターン内に埋め込まれた導電材料からなる配線とを有する半導体装置である。そして特に、溝パターン内には、互いに離間し、それぞれが前記配線の上面に露出する高さを有した絶縁材料により形成される複数のラインパターンが設けられていることを特徴としている。
【0006】
また本発明の半導体装置は、半導体基板、この半導体基板上に形成される第1溝パターンを備えた第1絶縁層、第1溝パターン内に埋め込まれた導電材料からなる第1配線、第1溝パターンより離間して配置されるとともに、前記第1配線の上面に露出する高さを有した絶縁材料より形成された複数のラインパターン、第1絶縁層および前記第1配線上に設けられ、第2溝パターンと前記第1配線を露出させるスルーホールとを備えた第2絶縁層、さらにはスルーホールおよび前記第2溝パターン内に埋め込まれた第2配線、を有することを特徴としたものでもある。
【0007】
これらの半導体装置では、絶縁層(第1絶縁層)の溝パターン(第1溝パターン)に埋め込まれた配線(第1配線)の内部に、溝パターンの底面から配線の上面高さに達するラインパターンが配置されていることから、溝パターンの部分的な開口幅が狭くなる。このため、配線は、開口幅が広い溝パターン内の導電層が絶縁層よりも速く研磨されるディッシング現象を防止した化学的機械研磨によって形成されたものになる。
【0008】
しかも、配線の短手方向がラインパターンによって遮断された状態になる。これにより、エレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションによって配線にボイドが形成された場合に、このボイドが配線の短手方向を横断することが防止され、配線が断線することを防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1(1)〜(3)は、本発明の半導体装置の製造方法の一例を示す要部断面図であり、特に図1(3)は本発明の半導体装置の一例を示す要部断面図となっている。ここでは、先ず、これらの図を用いて、本発明の半導体装置の製造方法の第1実施例を説明する。
【0010】
先ず、図1(1)に示す第1工程では、例えば、シリコンのような半導体からなる基板11上に絶縁層12を成膜する。この絶縁層12としては、酸化シリコン系の膜,窒化シリコン系の膜またはその他の絶縁性材料で構成される膜が用いられ、ここでは酸化シリコン膜を用いることとする。次いで、リソグラフィー法によって、ここでは図示しないレジストパターンを絶縁層12上に形成する。その後、このレジストパターンをマスクにしたエッチングによって、絶縁層12に溝パターン13を形成すると共に、溝パターン13内に絶縁層12からなる複数の島パターン14を残す。
【0011】
上記溝パターン13は、パッド部分や配線部分を含む埋め込み配線形成用のものであり、例えば開口幅W=10μm,深さD=0.35μmで形成する。そして、上記島パターン14は、例えば上面が0.3μm×0.3μmの広さの正方形であり、長手方向及び短手方向に隣接する島パターン14間及び溝パターン13の側壁との間に、所定間隔d1,d2で規則正しく配置される。
【0012】
ここで図2には、上記溝パターン内の埋め込み配線と絶縁層とをCMP法によって研磨する際の、溝パターンの開口幅とディッシング現象によって溝パターン内の導電層表面に生じる窪みの深さとの関係を示す。このグラフから、溝パターンの開口幅が1μm以下の範囲では当該溝パターン内の埋め込み配線にはディッシング現象による窪みが生じないことがわかる。このため、図1(1)に示した各島パターン14間の間隔をd1,d2=0.71μmに設定し、各島パターン14間が1μm以下になるようにする。但し、簡略化のため図面上では溝パターン13の短手方向に3列の島パターンを配列した状態を示したが、短手方向には13列の島パターンが配列されることになる。
尚、島パターン14の上面の形状及び上面積は限定されるものではない。また、島パターン14の配置間隔も、後の工程で行われる導電層の研磨量によって、溝パターン13内の導電層にディッシング現象による窪みが生じない間隔であれば、上記に限定される値ではない。
【0013】
次に、溝パターン13の内壁及び島パターン14の露出表面を含む絶縁層12の上面に、ここでは図示しない下地層を成膜する。この下地層は、次の工程で成膜する導電層と絶縁層12との密着層及び拡散防止層になる材質を用いることとし、上記導電層として例えば銅を用いる場合には、上記下地層には、例えばCVD法によって30nmの膜厚に成膜した窒化チタン膜を用いる。
【0014】
次に、図1(2)に示す第2工程では、溝パターン13内を埋め込む状態で、絶縁層12上に導電層15を成膜する。導電層15としては、アルミニウム,銅,不純物を拡散させたポリシリコン等が用いられ、ここでは銅を用いることとする。この場合、スパッタ法によって0.4μmの膜厚で銅からなる導電層15を成膜した後、ここで用いたスパッタ装置内の真空を破壊することなく450℃の温度で30分間の熱処理を行う。これによって、導電層15を溝パターン13内にフローさせて当該導電層15の表面を平坦化する。
【0015】
その後、図1(3)に示す第3工程では、絶縁層12の上面が露出するまでCMP法によって導電層15を上面から研磨する。ここでは、絶縁層12上面の導電層15及び上記下地層が完全に除去されるまで導電層15及び当該下地層を研磨して溝パターン13内にのみ導電層15を残す。これによって、導電層15からなる埋め込み配線(配線)16が形成される。この埋め込み配線16は、溝パターン13の底面から絶縁層12の上面高さに達すると共に絶縁層12と同様の材質からなる島パターン14が所定間隔d1,d2で配置されたものになる。
【0016】
上記方法では、島パターン14の配置間隔を上記のように設定したことによって、溝パターン13の部分的な開口幅が1μm以下になり、溝パターン13内の導電層15すなわち埋め込み配線16にディッシング現象を発生させることなく研磨が進行する。したがって、研磨表面17を平坦に保って埋め込み配線16を形成することが可能になる。
【0017】
このため、図3に示すように、埋め込み配線16の上面を含む絶縁層12上に成膜した層間絶縁層31の表面が平面形状になる。そして、この層間絶縁膜31に溝パターン32とここでは図示しない埋め込み配線16を露出させるスルーホールとを形成した後、上記図1(2),(3)に示した第2工程及び第3工程と同様にCMP法を用いて溝パターン32内に上層埋め込み配線33を形成した場合、層間絶縁層31の表面上の一部分に導電層が残ることはない。このため、上層埋め込み配線33間が導電層残りによってショートすることが防止される。したがって、埋め込み配線16及び上層埋め込み配線33で構成された多層配線構造の信頼性を確保することが可能になる。
また、上層埋め込み配線33が形成される溝パターン32内に、上記の図1(1)の第1工程で示したと同様にして島パターンを形成することによって、さらに多層化が進んだ場合の多層配線の信頼性を確保できる。
尚ここでは、絶縁層12が請求項に示す第1絶縁層に、溝パターン13が請求項に示す第1溝パターンに、埋め込み配線16が請求項に示す第1配線に、層間絶縁膜31が請求項に示す第2絶縁膜に、そして溝パターン32が請求項に示す第2溝パターンにそれぞれ対応し、第2絶縁層として形成された層間絶縁膜31に上記スルーホールが形成されることになる。
【0018】
以上のように、信頼性の高い埋め込み配線の形成が可能になることから、ドライエッチングによる加工では信頼性に課題があった銅配線をドライエッチングフリーな工程で形成することが可能になる。すなわち、RIEのようなドライエッチングによる銅配線の形成では、基板温度を高温にする必要がある。しかし、基板温度を高温にすることによって、銅配線の下地となるバリアメタルが熱ストレスによる影響を受けて銅配線が剥がれる場合があった。また、高温でのドライエッチングでは、エッチングガス成分である塩素と銅との化合物がチャンバ内壁に付着することによってエッチングレートが変動する場合があった。このように、ドライエッチングによる配線形成技術では、半導体装置への銅配線の適用は困難であった。しかし、上記のようにドライエッチングフリーな工程で銅配線を形成することを可能にしたことで、半導体装置への銅配線の適用を実用化することが可能になる。
【0019】
次に示す図4は、本発明の半導体装置の第2実施例を示す要部断面図である。この埋め込み配線16は、上記第1実施例で示した埋め込み配線16の島パターン14の上面形状を0.3μm×15μmのライン形状にしたものである。そして、この島パターン(すなわちラインパターン)14は、溝パターン13の長手方向に対してその長辺が平行になるように配置され、短手方向に位置する各島パターン14間または島パターン14と溝パターン13の側壁との間がd1=1μm以下の間隔に保たれるように配置される。
尚、島パターン14の上面の縦横比及び上面積は限定されるものではない。また、島パターン14の配置間隔も、後の工程で行われる導電層の研磨量によって、溝パターン13内の導電層にディッシング現象による窪みが生じない間隔であれば、上記に限定される値ではない。
【0020】
上記構成の埋め込み配線16は、埋め込み配線16の短手方向が島パターン14によって遮断された状態になっている。このことから、エレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションによって埋め込み配線16にボイドが形成された場合に、このボイドが埋め込み配線16の短手方向を横断することが防止され、埋め込み配線16が断線することを防止できる。これによって、電流密度が高くなる太い配線の信頼性の向上を図ることが可能になる。
【0021】
また、上記埋め込み配線16は、図1で示したと同様の手順で製造される。この際、埋め込み配線16の短手方向を遮断する島パターン14は、1μm以下の間隔で配置されることから、上記第1実施例で形成した埋め込み配線と同様に、ディッシング現象を防止した化学的機械研磨によって形成されたものになる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の半導体装置によれば、絶縁膜の溝パターン内に形成された埋め込み配線(配線)内に絶縁層の上面高さに達する島パターン(ラインパターン)を配置して溝パターンの部分的な開口幅を狭くすることで、当該埋め込み配線をディッシング現象を防止した化学的機械研磨によって形成したのものにすることが可能になる。したがって、絶縁層及び埋め込み配線表面の平坦性を確保し、埋め込み配線を用いた多層配線の信頼性の向上を図ることが可能になる。
【0023】
特に、島パターンがライン形状であるラインパターンであれば、配線の短手方向が島パターンによって遮断された状態になる。これにより、エレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションによって配線にボイドが形成された場合に、このボイドが配線の短手方向を横断することが防止され、配線が断線することを防止できる。これによって、電流密度が高くなる太い配線の信頼性の向上を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を説明する第1図である。
【図2】配線幅とディッシング深さを示すグラフである。
【図3】第1実施例を説明する第2図である。
【図4】第2実施例を説明する図である。
【符号の説明】
12 絶縁層
13 溝パターン
14 島パターン(ラインパターン)
15 導電層
16 埋め込み配線

Claims (11)

  1. 溝パターンを備えた絶縁層と、該溝パターン内に埋め込まれた導電材料からなる配線とを有する半導体装置において、
    前記溝パターン内には、互いに離間し、それぞれが前記配線の上面に露出する高さを有した絶縁材料により形成される複数のラインパターンが設けられ、
    前記複数のラインパターンは前記溝パターンの長手方向に沿って延在し、該長手方向にて隣り合う2つのラインパターン間の側方には他のラインパターンが延在していることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記ラインパターンを構成する絶縁材料は、前記絶縁層の一部が突出してなるものであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の半導体装置において、
    前記ラインパターンの高さは、略前記溝パターンの底面から前記絶縁層の上面に達する高さであることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1つに記載の半導体装置において、前記複数のラインパターンのうち、前記溝パターンを定義する前記絶縁層のエッジと該エッジと隣り合うラインパターンとの距離は1μm以下の範囲であることを特徴とする半導体装置。
  5. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成される第1溝パターンを備えた第1絶縁層と、
    前記第1溝パターン内に埋め込まれた導電材料からなる第1配線と、
    前記第1溝パターンより離間して配置されるとともに、前記第1配線の上面に露出する高さを有した絶縁材料より形成された複数のラインパターンと、
    前記第1絶縁層および前記第1配線上に設けられ、第2溝パターンと前記第1配線を露出させるスルーホールとを備えた第2絶縁層と、
    前記スルーホールおよび前記第2溝パターン内に埋め込まれた第2配線とを有し、
    前記ラインパターンの各々は前記溝パターンの長手方向に沿って延在し、該長手方向で隣り合う2つのラインパターン間の領域の側方には他のラインパターンが延在することを特徴とする半導体装置。
  6. 前記ラインパターンを構成する絶縁材料は、前記第1絶縁層の一部が突出してなるものであることを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
  7. 請求項5または請求項6記載の半導体装置において、
    前記ラインパターンの高さは、略前記溝パターンの底面から前記第 1 絶縁層の上面に達する高さであることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項5〜7のいずれか1つに記載の半導体装置において、前記複数のラインパターンのうち、前記溝パターンを定義する前記第 1 絶縁層のエッジと該エッジと隣り合うラインパターンとの距離は1μm以下の範囲であることを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項1〜請求項のいずれか1つに記載の半導体装置において、前記複数のラインパターンのそれぞれは、前記長手方向に沿った複数列に分けて設けられ、各列におけるラインパターンのそれぞれは異なる列のラインパターンと平行であることを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項1〜のいずれか1つに記載の半導体装置において、前記複数のラインパターンのうち、隣り合うラインパターン間の距離は1μm以下の範囲であることを特徴とする半導体装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1つに記載の半導体装置において、前記導電材料は銅であることを特徴とする半導体装置。
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