JP3955222B2 - 1成分トナー - Google Patents

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JP3955222B2 JP2002066654A JP2002066654A JP3955222B2 JP 3955222 B2 JP3955222 B2 JP 3955222B2 JP 2002066654 A JP2002066654 A JP 2002066654A JP 2002066654 A JP2002066654 A JP 2002066654A JP 3955222 B2 JP3955222 B2 JP 3955222B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真用1成分トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
静電潜像を可視像化する現像方法としては、トナー及びキャリアーより構成される二成分系現像剤を用いる方法と、該キャリアーを含まない一成分系現像剤を用いる方法に二分される。二成分系現像方法に属するものには、トナーを搬送するキャリアーの種類により、鉄粉キャリアーを用いるマグネットブラシ法、ビーズ・キャリアーを用いるカスケード法、フアーを用いるフアーブラシ法等がある。
【0003】
しかしながら、二成分系現像方法に於ては、必然的にキャリアー粒子とトナー粒子との混合現像剤を用い、通常現像過程の進行によりトナー粒子はキャリアー粒子に比べ、はるかに大量に消費されるから、両者の混合比が変化し、従って顕画像の濃度が変動したり、又、消費され難いキャリアー粒子が長時間使用によって劣化して画質が低下する等の欠点を、本来有している。
【0004】
斯かる欠点を回避するため、トナーのみよりなる1成分系現像剤を用いる現像方法が各種提案されている。例えば米国特許第3909258号明細書に示されるごとく、導電性を有する磁性トナーを用いて現像する方法がある。これは内部に磁性を有する円筒状の導電性スリーブ上に導電性磁性トナーを支持し、予め形成せしめた静電像に接触せしめ現像するものである。即ち導電路が現像部における静電荷支持体とスリーブ表面の間にトナー粒子を介し形成されることにより、静電荷支持体上にトナー粒子をクーロン力により付着し現像される。この導電性磁性トナーを用いる現像方法は従来の2成分現像方法にまつわる問題点を回避した優れた方法であるが、反面トナーが導電性であるため、現像した画像を、記録体から普通紙等の最終的な支持部材へ静電的に転写する事が困難であるという欠点を有している。
【0005】
即ち、コロナ転写法を用いた場合トナーが導電性であると転写材を貫通する微少なコロナ電流によりトナー粒子が転写材と同極性の電荷を有し、転写が十分に行われないだけでなくトナー層全体が同極性の電荷を有する状態となるため、トナー粒子同志の反発力により現像画像がみだれる等の不都合が生じるのである。
【0006】
そこで、このような欠点を解決するため絶縁性磁性トナーが提案された。しかしながら、該絶縁性磁性トナーには絶縁摩擦帯電が発生し、安定した帯電量維持ができないという欠点を有している。他方、乳化剤または分散剤の助けで湿式方法によりトナーを製造する際に於いて、磁性の高い磁性体が極性媒体と結着樹脂界面に選択的に突出してしまい、結果的に低抵抗化され、所望する絶縁性磁性トナーが得られないという問題もある。
【0007】
更にトナー結着樹脂中に他の着色剤例えば二成分現像方法で利用されるカーボンブラック及びノンマグ現像方法で利用されるフタロシアニンブルー・キナクリドンに代表される有色染顔料等を利用せしめる場合に於ても、重合体である結着樹脂との混練工程において、当該結着樹脂がチキソトロピー性を示すため非常に高粘度化し、そのため高温下で長時間の混練及び溶媒の使用など、結着樹脂中への着色剤の均一分散工程に多大の分散エネルギーを必要とする。しかも得られた混練物には、未だ着色剤の凝集が生じており、着色剤を均一に結着樹脂中へ分散せしめる事は、なお困難な問題となっている。
【0008】
斯かる欠点を除くため、着色剤の表面を疎水性被覆物質により被覆せしめる方法が特開昭54−84731号公報、特開昭55−28019号公報等に開示されている。該公報中には磁性体をシラン系及びチラン系カップリング剤で処理せしめる事が記載されている。更にアルミニウム系改質剤で処理せしめる方法も既に開示されている。
【0009】
しかしながら、これら諸々の改質剤を利用した場合には、結着樹脂粘度の上昇及び着色剤の凝集の原因となる着色剤表面に存在する水酸基若しくは含水基の働きによる強い粒子間相互作用の抑制に関しては、若干の解決がなされたが、実用に供し得るには未だ十分に満足すべき結果が得られていない。
【0010】
例えばこれら従来より用いられている改質剤は、一般に放置安定性に乏しく、大気中の水分により容易に加水分解を起こしたり、場合によっては引き続き自己縮合を起こし性能を著しく劣化させる。この事は、該改質剤を利用せしめた場合、更に以下の問題点を派生せしめる。即ち着色剤表面を該改質剤で被覆せしめる際、予め該改質剤を溶媒等により希釈するが、該改質剤の水に対する高い反応性のため希釈溶媒として作業性・安定性の高い水及びアルコール等の溶媒が利用できない。更に被覆処理せしめる前に着色剤の脱水工程が必要である等の欠点を有する。更にチタン系改質剤を用い場合には、改質剤と着色剤間の相互作用に一部可逆性があるため、湿度依存性が高く、着色剤/結着樹脂界面に存在する水分が着色剤表面に結合していた改質剤の一部を溶解せしめてしまうため物性の低下を招く。一方シラン系改質剤を用いた場合には、改質剤と着色剤間の相互作用は、不可逆性であるが、結着樹脂の減粘効果に乏しく、結着樹脂中に着色剤を均一に分散せしめることは、なお困難である。
【0011】
特公平4−76108号公報は上記の点に鑑みなされたもので、結着樹脂中に着色剤が良好で均一に分散され、着色剤が磁性体である場合においては、安定な磁気特性と優れた転写特性を有し、着色剤が非磁性体である場合においては、着色力が大きく、安定した摩擦帯電特性を示すトナーを提案するものである。特公平4−76108号公報の別の目的は、耐湿性の優れたトナーを提供するものである。更に別の目的は、長期間に亘って特性が維持されるトナーを提供するものである。具体的には、特公平4−76108号公報の発明は、着色剤と結着樹脂を主成分とする静電荷像現像用トナーであって、前記着色剤が、骨格を形成する金属原子としてジルコニウム及びアルミニウムを有し、該骨格が、アミノ基、カルボキシル基、脂肪酸基、メタクリルオキシ基及びメルカプト基からなるグループから選択される有機基と加水分解性有機基とを有するジルコアルミネート系改質剤で処理されていることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
【0012】
特公平4−76108号公報に用いられるジルコアルミネート系改質剤とは、構成金属原子としてZrとAlを含み更に加水分解性有機基と安定有機基の両者を結合せしめた骨格構造を有する。ここで示す有機酸アルミニウムは着色剤と強く反応するが加水分散性に不安定で改質剤としては不適当であり、他方有機酸ジルコニウムは、着色材と親和性に関しては低いが安定な有機錯体を形成する。該二種類の複合化により理想的な相乗効果を有すジルコアルミネート系改質剤が得られた。該ジルコアルミネート系改質剤で処理された着色剤は、結着樹脂分散系に於いて、未処理着色剤を用いた系と比較し、着色剤表面上の活性基の化学修飾により相互作用が低下し不均一分散及び粘度低下効果をもたらすため、分散エネルギーの低下及び湿式トナー製造工程に於ける造粒エネルギーの省力化更に着色剤の高充填化を可能にし、混練物の粘弾性的性質の改善を通じての機械的性質の向上をもたらした。
特公平4−76108号公報に開示されているジルコアルミネート系改質剤で表面改質した、磁性体、及びカーボンブラック及びトナーの製造方法を以下に示す。
【0013】
製造方法(1)
磁性体100重量部とジルコアルミネート系改質剤キヤブコモオドF(CAVEDONCHEMICAL社製安定有機基/脂肪酸)の50%メタノール溶液3重量部とをHenshelミキサーを用い高速攪拌した後、ジャケットにて加熱せしめ縮合留出物を得た後、ジャケットにて加熱せしめ縮合留出物の低級アルコール及び溶媒のメタノールを留去し、マグネタイト表面にジルコアルミネート系改質剤を被覆処理せしめた。この処理された磁性体60重量部、スチレンアクリル酸ブチル(80:20)共重合体100重量部、含金染料(商品名、サボンフアーストブラツクB、BASF製)2重量部、ポリエチレン2重量部を混合し、ロールミルにて溶融混練する。冷却後粗粉砕し、次いでジエツト粉砕機にて微粉砕する。しかる後分級して、5〜20μ粒子径を有するトナーを得、このトナー100重量部に疎水性コロイダルシリカ微粉末0.5重量部を混合する。
【0014】
製造方法(2)
カーボンブラック100重量部にキヤブコモオドFの50%メタノール溶液3重量部を用い、被覆処理せしめたカーボンブラック6重量部、スチレンメタクリル酸ブチル(70:30)共重合体100重量部、ニグロシン染料3重量部を用いて着色微粉体を作成し、製造方法(1)と同様にしてトナーを作成する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、親水性磁性体をジルコアルミネート系改質剤で表面改質した着色剤を用いると、確かに分散性が良く、耐湿性の優れた磁性トナーが得られる。しかしながら、近年、高画質化に伴うトナーの小粒径化に対し、トナーを小粒径化(体積平均径D50を6μm程度まで小さく)していくと、トナーの普通紙への隠蔽性が劣るためと考えられるが、特に、黒ベタ部の画像カスレ、ザラツキ、といった不具合を生じる。これは、ジルコアルミネート系改質剤で表面改質された磁性体はトナー中の分散が良すぎて、(磁性体の粒子径にも依存するが)粒子径と着色力は反比例するという、G.Mieの理論による現象と思われる。且つ、この方法では、近年求められるレベルの高画質カラー画像を得るには困難である。更に、特に粉砕法によるトナーの製造方法では、トナー表面に磁性体の露出が顕著である。これは、トナーが衝撃粉砕される場合、バインダー樹脂と、バインダー樹脂中に含まれる内添剤同士の界面で割れる為であり、特公平4−76108号公報のように、含有量が多い場合、より顕著にトナー表面に磁性体が露出し、これはトナーの体積平均径D50が小さくなればなるほど、顕著となる。延いては、トナー表面に露出した磁性体により、OPC感光体ドラムの膜削れが大きくなり、OPC感光体ドラムの長寿命化を阻害するといった不具合を生じる。また、磁性トナーとしてではなく、ジルコアルミネート系改質剤で表面改質された磁性体を、1成分小粒径トナーに用いると、トナー表面に磁性体が露出するのを防止抑制する為、含有量を抑えると、トナーの黒味が薄れ、他の着色剤、特公平4−76108号公報に記載されているカーボンブラック等の補助黒色着色剤を必要とし、生産性の面で多品種のトナー原材料を必要とすることから、生産効率的には不向きである。また、帯電特性等は安定はするが、トナー表面に磁性体が露出すると、結果的に普通紙とトナー表面、及びトナー粒子間に磁性体が多く介在することから、トナーの定着性、結着性が劣る、といった問題が発生する。これは、特にOHPシート上にトナーを定着させた場合に、より顕著に発生する。更には、非磁性1成分トナーの場合、現像ロールにシリコンゴムなどの低硬度のソフトゴムロールを用いるが、ソフトゴムロール自体に傷が発生し、延いてはソフトゴムロール上にトナーの均一薄層を形成できなくなり、黒スジといった画像欠陥を生ずる。
【0016】
上記従来技術の問題点に鑑み、本発明は、1成分トナーにおいても、高隠蔽性を有し、画像カスレ、ザラツキ感のない画像が得られ、且つOPC感光体ドラムの膜削れが少なく、ドラムの長寿命化が達成でき、定着性の優れたトナーを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定の黒色無機顔料を前記結着樹脂中に分散することで、上記課題が解決されることを見出し本発明に至った。
即ち、本発明の電子写真用1成分トナーは、現像ローラー表面にトナー層厚規制部材を押圧してトナーの薄層を形成する電子写真用1成分トナーであって、該トナーを構成する成分に、金属酸化物からなる黒色無機顔料を1種又は2種以上を含有したことを特徴とする。このように、特定の金属酸化物からなる黒色無機顔料を結着樹脂中に分散することで、1成分トナーにおいても、高隠蔽性を有している為、画像カスレ、ザラツキ感のない画像が得られ、且つOPC感光体ドラムの膜削れが少なく、ドラムの長寿命化が達成でき、定着性の優れたトナーが提供できる。
【0018】
焼成黒色無機顔料としては、Fe34、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、など、一般には酸化チタンの製造工程中に副生される硫酸鉄から合成酸化鉄が生まれ、さらにそれを脱水、還元、酸化などの工程を経て生産される酸化鉄、または合成酸化鉄が使用できるが、特には、Cu−Fe−Mn−O組成が良い。
【0019】
結着樹脂としては、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、これらの共重合体、これらのグラフト重合体、これらの混合物から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
【0020】
また、本発明は、前記黒色無機顔料が、2種以上の金属の酸化物からなることで達成でき、例えば、前記2種以上の金属の酸化物がCu‐Fe‐Mn‐Oからなる黒色無機顔料であることで達成出来る。このように、特定の黒色無機顔料(Cu‐Fe‐Mn‐O)を上記結着樹脂中に分散することで、1成分トナーにおいても、高隠蔽性を有している為、画像カスレ、ザラツキ感のない画像が得られ、且つOPC感光体ドラムの膜削れが少なく、ドラムの長寿命化が達成でき、定着性の優れたトナーが提供できる。
【0021】
また、本発明は、前記黒色無機顔料が、2種類以上の金属の酸化物からなる焼成黒色顔料であることで達成出来る。このように、焼成黒色顔料(Cu‐Fe‐Mn‐O)を用いることで、1成分トナーにおいても、高隠蔽性を有している為、画像カスレ、ザラツキ感のない画像が得られ、且つOPC感光体ドラムの膜削れが少なく、ドラムの長寿命化が達成でき、定着性の優れたトナーが提供できる。
【0022】
また、本発明は、前記黒色無機顔料が、チタンの酸化物からなることで達成出来る。このように、特定の黒色無機顔料(TiO2)を上記結着樹脂中に分散することで、1成分トナーにおいても、高隠蔽性を有している為、画像カスレ、ザラツキ感のない画像が得られ、且つOPC感光体ドラムの膜削れが少なく、ドラムの長寿命化が達成でき、定着性の優れたトナーが提供できる。
【0023】
また、本発明は、前記チタンの酸化物からなる黒色無機顔料が、二酸化チタン粉末と水素化ホウ素ナトリウムとの混合物を不活性ガス雰囲気下で300〜950℃の温度で加熱して製造された黒色系酸化チタンであることで達成出来る。このように、黒色無機顔料(TiO2)を用いることで、1成分トナーにおいても、高隠蔽性を有している為、画像カスレ、ザラツキ感のない画像が得られ、且つOPC感光体ドラムの膜削れが少なく、ドラムの長寿命化が達成でき、定着性の優れたトナーが提供できる。
【0024】
また、本発明は、前記結着樹脂は、スチレン残存揮発分が、500ppm以下であることが好ましい。前記結着樹脂は、キシレン残存揮発分が、500ppm以下であることが好ましい。更に、前記結着樹脂は、スチレン残存揮発分とキシレン残存揮発分の総和が、800ppm以下であることが好ましい。このように、結着樹脂のスチレン残存揮発分が500ppm以下、及び、キシレン残存揮発分が500ppm以下、且つ、スチレン残存揮発分とキシレン残存揮発分の総和が、800ppm以下であることにより、トナーを溶融混練時に発生する揮発分が少なく、生産工程での異臭が問題とならない。
【0025】
また、本発明は、前記トナーの体積平均径D50が、4〜15μmであることが好ましい。このように、トナーの体積平均径D50が、4〜15μmであることにより、特にディジタル機に於ける、細線再現性や、One‐dot再現性を良好にするものであり、好ましくは、5〜9μm、より好ましくは、6〜7μmである。体積平均径D50が、4μm未満であると、ディジタル機に於ける、クリーニングプロセスが困難となり、高価な構成を必要とする。若しくは、クリーニングレスを達成することが、極めて困難となる。また、体積平均径D50が、15μmを超過すると、前述した、細線再現性や、One‐dot再現性が著しく悪化し、高画質を達成することが、極めて困難となる。従って、トナーの体積平均径D50は、6〜7μmが最も好ましい。
【0026】
また、本発明は、前記トナー表面に、流動化剤微粒子を付着させることが出来る。トナーの体積平均径D50が、6〜7μm程度までに小径化すると、トナーのそれ自体の自重で圧密され易くなり、特に、ディジタル機内の供給トナー保持部材(トナーホッパー、トナーカートリ−ッジ等)内で、ブロッキングし易くなり、場合によっては、現像領域へトナーが充分に搬送されない場合がある。従って、トナー表面には、トナーを流動させる助剤、いわゆるトナー流動化剤が必要となる。具体的には、トナーに流動性を付与できる材料であれば何でも良く、酸化珪素、酸化アルミ、酸化チタン、酸化錫、フッ素系微粉末、その他樹脂粉末、脂肪酸金属塩などを付着させることが出来る。特に、酸化珪素が好ましい。
【0027】
酸化珪素を付着させる場合は、トナーコア(母体粒子)全重量に対して、0.1〜3.0重量部程度、更には、0.3〜1.0重量部程度担持させることが好ましい。また、酸化珪素の比表面積は、90〜240(m2/g BET法)が好ましい。これらの範囲に設定するのは、複写時に流動性を損なわない範囲であり、トナーへの流動性付与はスペーサー効果によるものであり、トナー粒子間にエアーを介在させることが好ましく、それ故本発明の比表面積を有することで、よりいっそうのスペーサー効果が得られる。上記の範囲以下では、エアーの介在が少なく、スペーサー効果が得られない。また上記の範囲以上では、酸化珪素同士の凝集が発生し易く、遊離した酸化珪素が発生し、複写画像に白斑となって悪影響を及ぼす。
また、本発明の画像形成方法は、上記の電子写真用1成分トナーを用いた画像形成方法であり、本発明の画像形成装置は、上記の電子写真用1成分トナーを用いた画像形成装置である。
【0028】
本発明の構成を採用することで、特定の黒色無機顔料(Cu−Fe−Mn−0、Ti02、)を前記結着樹脂中に分散することで、1成分トナーにおいても、高隠蔽性を有している為、画像カスレ、ザラツキ感のない画像が得られ、且つOPC感光体ドラムの膜削れが少なく、ドラムの長寿命化が達成でき、定着性の優れたトナーが提供できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる黒色無機顔料として具体的には、2種類以上の金属酸化物からなる焼成顔料、及び/又は、二酸化チタン粉末と水素化ホウ素ナトリウムとの混合物を不活性ガス雰囲気下で300〜950℃の温度で加熱生成される黒色系酸化チタンが用いられる。
【0030】
また、トナーの結着樹脂成分としては、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、これらの共重合体、これらのグラフト重合体、これらの混合物から選ばれる1種又は2種以上のいずれにも用いることができ、いずれの樹脂に対しても、本発明の効果は変わらない。
本発明が奏する効果の原因は未だ定かではないが、本発明に用いる特定の黒色無機顔料がトナー混練工程でのトナー樹脂と適度なヌレ性を持ち合わせている為、トナー樹脂中への分散が容易に出来るものと考えられる。
【0031】
一般的には、トナー材料としては、疎水性の高い方が好ましく、特に高温高湿等の環境下においては、トナーの摩擦帯電電位が安定し、良好な画像を長期に渡り提供できるものである。
しかしながら、本発明に用いる黒色無機顔料は、特別な疎水性処理を施さず、特に黒色系酸化チタンにおいては水系での分散性に優れた性質を持っている。いわゆる水系の機能性塗料や化粧品等の原料に適した材料である。
【0032】
前述したように、効果の原因は想像の域を脱し得ないが、本発明に用いるトナー樹脂も一般的に用いられる樹脂であるが、いずれの樹脂においても、高分子鎖の末端基には、OH基やCOOH基なる親水基が存在している。その親水基の封鎖状態にもよると思われるが、封鎖されずに残留した親水基と本発明の黒色無機顔料が相溶性を持ち、溶融混練時にこれら親水基に、ある種、グラフトされたような状態で結着樹脂中に分散し、延いてはトナー中への分散性が高められるものと考えられる。
【0033】
また、本発明の黒色無機顔料の一次粒子体積平均径D50は、2種類以上の金属の酸化物からなる焼成黒色顔料は50〜100nmであり、二酸化チタン粉末と水素化ホウ素ナトリウムとの混合物を不活性ガス雰囲気下で300〜950℃の温度で加熱し、製造される黒色系酸化チタンは、30〜500nmであり、いずれも市販のカーボンブラックの一次粒子体積平均径D50とほぼ同じ粒子径である。
【0034】
また、本発明に用いられるトナー樹脂は、市販のトナー用樹脂ならいずれも効果は同じであり、例えば、トナー用樹脂組成物の構成成分を転写材へ結着せしめる役割を果たすものであればいずれにも使用出来る。例えば、スチレン系(共)重合体、ポリエステル系重合体、ポリエステル樹脂にビニル系樹脂をグラフトしたグラフト重合体、または、それら樹脂の粉体混合物等が好ましく用いられる。
【0035】
本発明で結着樹脂として用いられるスチレン系(共)重合体は、スチレン単量体を主な構成単位とするものであり、好ましくは、スチレン系単量体から誘導される構成単位と、(メタ)アクリル酸エステル系単量体または(メタ)アクリル酸単量体から誘導される構成単位とを含み、ガラス転移温度(Tg)が45℃以上75℃以下であり、GPCにより測定したクロマトグラムにおいて、重量平均分子量(Mw)が100,000以上であり、分子量3,000以上12,000以下の領域および分子量100,000以上の領域にそれぞれ少なくとも1つ以上の極大値あるいはショルダーを有し、Mwと数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が15以上100以下であるスチレン系(共)重合体であることが好ましい。
【0036】
スチレン系(共)重合体を構成する単量体の具体例としては、以下のものを例示できるが、これに限定されるものではない。スチレン系単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、ビニルトルエン、4−スルホンアミドスチレン、4−スチレンスルホン酸などが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチルなどが挙げられる。
スチレン系(共)重合体における単量体の組成としては、スチレン系単量体の含有率が60〜95重量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有率が5〜40重量%のものが好ましい。
【0037】
また、スチレン系(共)重合体を構成するその他の単量体として、以下に例示するものを用いることもできる。すなわち、イタコン酸エステル類、例えばイタコン酸ジメチル、イタコン酸ジプピル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ジオクチル、イタコン酸ジアミルなどや、マレイン酸エステル類およびフマール酸エステル類、例えば炭素数1から8の直鎖または分岐アルキル基を持つマレイン酸エステルおよびフマール酸エステル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジペンチル、マレイン酸ジヘキシル、マレイン酸ヘプチル、マレイン酸オクチル、マレイン酸エチルブチル、マレイン酸エチルオクチル、マレイン酸ブチルオクチル、マレイン酸ブチルヘキシル、マレイン酸ペンチルオクチル、フマール酸ジエチル、フマール酸ジプロピル、フマール酸ジブチル、フマール酸ジペンチル、フマール酸ジヘキシル、フマール酸ヘプチル、フマール酸オクチル、フマール酸エチルブチル、フマール酸エチルオクチル、フマール酸ブチルオクチル、フマール酸ブチルヘキシル、フマール酸ペンチルオクチルなどや、不飽和カルボン酸および不飽和ジカルボン酸類、例えば、桂皮酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などや、2−ビニルナフタレン、無水イタコン酸、無水マレイン酸、アクリルアミドメチルスルホン酸、アクリルアミドエチルスルホン酸、アクリルアミドn−プロピルスルホン酸、アクリルアミドイソプロピルスルホン酸、アクリルアミドn−ブチルスルホン酸、アクリルアミドs−ブチルスルホン酸、アクルアミドt−ブチルスルホン酸、アクリルアミドペンタンスルホン酸、アクリルアミドヘキサンスルホン酸、アクリルアミドヘプタンスルホン酸、アクリルアミドオクタンスルホン酸、メタアクリルアミドメチルスルホン酸、メタアクリルアミドエチルスルホン酸、メタアクリルアミドn−プロピルスルホン酸、メタアクリルアミドイソプロピルスルホン酸、メタアクリルアミドn−ブチルスルホン酸、メタアクリルアミドs−ブチルスルホン酸、メタアクルアミドt−ブチルスルホン酸、メタアクリルアミドペンタンスルホン酸、メタアクリルアミドヘキサンスルホン酸、メタアクリルアミドヘプタンスルホン酸、メタアクリルアミドオクタンスルホン酸、ジビニルベンゼン、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクレート、1,6−ヘキサンジオールジアクレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、トリ−エチレングリコールジメタアクリレート、テトラエチレングリコールジメタアクリレート、ポリエチレングリコールジメタアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジメタアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジメタアクリレート、ポリプロピレンジメタアクリレート、N,N,−メチレンビスメタアクリルアミド、ペンタエリストールトリ−メタアクリレート、トリ−メチロールプロパントリ−メタアクリレート、テトラメチロールプロパントリ−メタアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタアクリレート、2,2−ビス(4−メタアクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンなどが例示される。
【0038】
スチレン系(共)重合体の合成方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法および乳化重合法等の公知の重合方法により製造することができる。
その際の重合開始剤としては、例えばt−ブチルペルオキシメタクリレート、t−ブチルペルオキシクロトネート、ジ(t−ブチルペルオキシ)フマレート、t−ブチルペルオキシアリルカーボネート、過トリメリット酸トリ−t−ブチルエステル、過トリメリット酸トリ−t−アミノエステル、過トリメリット酸トリ−t−へキシルエステル、過トリメリット酸トリ−t−1,1,3,3−テトラメチルブチルエステル、過トリメリット酸トリ−t−クミルエステル、過トリメリット酸トリ−t−(p−イソプロピル)クミルエステル、過トリメシン酸トリ−t−ブチルエステル、過トリメシン酸トリ−t−アミノエステル、過トリメシン酸トリ−t−へキシルエステル、過トリメシン酸トリ−t−1,1,3,3−テトラメチルブチルエステル、過トリメシン酸トリ−t−クミルエステル、過トリメシン酸トリ−t−(p−イソプロピル)クミルエステル、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−へキシルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン2,2−ビス(4,4−ジ−α−クミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)ブタン、2,2‐ビス(4,4−ジ−t−オクチルパーオキシシクロヘシル)ブタンなどを用いることが出来る。
【0039】
スチレン系(共)重合体は、GPCにより測定されたクロマトグラムにおいて、Mwが100,000以上であり、Mw/Mnが15〜100であり、分子量3,000〜12,000の領域および分子量100,000以上の領域のそれぞれに少なくとも1つの極大値あるいはショルダーを有していることが好ましい。
また、上記スチレン系(共)重合体のTgが45〜75℃の範囲にあるものが好ましい。上記条件のMw、Mw/Mn、極大値およびTgを満たすことにより、定着性、オフセット性および保存性のバランスにおいて非常に良好な性能を示すことなる。
【0040】
具体的には、Mwが100,000以上Mw/Mnが15以上分子量3,000〜12,000の領域に1つ目の極大値あるいはショルダーを有しており、分子量100,000以上の領域に2つ目の極大値あるいはショルダーを有しているものを使用することにより、スチレン系(共)重合体の凝集力が向上し、耐オフセット性が良好なものとなるため好ましく、同時にMw/Mnが100より小さい、または分子量12,000より小さい領域に1つ目の極大値あるいはショルダーを有しているものを使用することにより、スチレン系(共)重合体の粘性が低下し、定着性が良好なものとなり好ましく、Tgが45℃より高いことによりトナーのブロッキング性を良好なものとするため好ましく、75℃より低いものとすることによりトナーの最低定着温度を上昇させることができるため好ましい。
【0041】
本発明の結着樹脂として用いられるポリエステル樹脂としては。ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物などが挙げられる。ポリオールとしては、ジオール、3価以上のポリオールおよびその低級(炭素数1〜8)アルカン酸エステルが、ポリカルボン酸としては、ジカルボン酸、3価以上のポリカルボン酸およびその酸無水物または低級(炭素数1〜4)アルコールエステルが挙げられる。ジオールとしては、水酸基価180〜1900mgKOH/gのジオール類、具体的には、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等)、アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリ−エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等)、脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等)、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等)、上記脂環式ジオールの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)の付加物、上記ビスフェノール類の炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)の付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオールとしては、水酸基価150〜1900mgKOH/gのポリオール類、具体的には、3〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等)、上記脂肪族多価アルコールの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)の付加物、トリスフェノール類(トリスフェノールPAなど);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)、上記トリスフェノール類の炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物、上記ノボラック樹脂の炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、3〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコールおよびノボラック樹脂のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはノボラック樹脂のアルキレンオキサイド付加物である。
【0042】
ジカルボン酸としては、酸価180〜1250mgKOH/gのジカルボン酸、具体的には、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデセニルコハク酸等)、アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸等)、芳香族ジカルボン酸(フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸、ナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸および炭素数6〜21のアルキレンジカルボン酸である。またこれらは2種以上を併用しても何ら問題ない。3価〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸としては、酸価150〜1250mgKOH/gのポリカルボン酸、具体的には、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体(スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、α−オレフィン/マレイン酸共重合体、スチレン/フマール酸共重合体等)等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、特に好ましいものはトリメリット酸、ピロメリット酸である。なお、ジカルボン酸または3価以上のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
【0043】
ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/2、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.4/1〜1/1.4である。また使用するポリオールとポリカルボン酸の種類は、最終的に調製されるポリエステル系トナーバインダーのガラス転移点が45〜75℃となるよう分子量調整も考慮して選択される。
【0044】
フルカラー用トナーバインダーに有用な高分子量のポリエステルの数平均分子量(MnA)は通常1,800〜100万、好ましくは2,000〜10万、さらに好ましくは5,000〜5万で、重量平均分子量(MwA)は2万〜500万、好ましくは2万〜200万、さらに好ましくは2.2万〜12万である。
【0045】
ポリエステルはテトラヒドロフラン(THF)不溶分を通常5〜90重量%、好ましくは15〜80重量%、さらに好ましくは20〜70重量%、特に好ましくは25〜60重量%である。THF不溶分が5〜90重量%であることで耐ホットオフセット性がさらに良好になる。またTHF可溶分のGPCにおいて分子量2000〜200万に極大値を有していることが好ましく、4,000〜2万に極大値を有すればさらに好ましい。2,000〜200万に分子量の極大値を有することで、耐熱保存性および粉体流動性が良好となる。ポリエステルのフローテスターで測定された軟化点は通常120〜230℃、好ましくは131〜200℃、さらに好ましくは135〜190℃、特に好ましくは160〜180℃である。120〜230℃の軟化点となることで充分な耐ホットオフセット性と低温定着性や顔料分散性との両立が容易となる。ポリエステルの酸価は通常0〜40、好ましくは8〜30である。0〜40の酸価とすることで充分な帯電量、定着性と帯電量の環境依存性との両立が容易になる。
【0046】
本発明に用いるポリエステルの製造方法を例示する。ポリエステルは、ポリオールとポリカルボン酸を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、脱水縮合することで得られる。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
【0047】
本発明で用いられるポリエステル樹脂の具体例としては、以下のものなどが挙げられる。ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/テレフタール酸重縮合物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/テレフタール酸/無水マレイン酸重縮合物、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/テレフタール酸重縮合物、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/テレフタール酸/無水トリメリット酸重縮合物、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAエチレンオキサイド4モル付加物/テレフタール酸重縮合物、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/テレフタール酸/無水トリメリット酸重縮合物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAエチレンオキサイド4モル付加物/テレフタール酸重縮合物、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/テレフタール酸/無水トリメリット酸重縮合物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/テレフタール酸/アジピン酸重縮合物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/テレフタール酸/フマール酸/無水トリメリット酸重縮合物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/フェノールノボラックのエチレンオキサイド付加物/テレフタール酸/無水トリメリット酸重縮合物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/テレフタール酸/無水トリメリット酸重縮合物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/フェノールノボラックのプロピレンオキサイド付加物/テレフタール酸/無水ドデセニルコハク酸/無水トリメリット酸重縮合物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/無水ドデセニルコハク酸/テレフタール酸/無水トリメリット酸重縮合物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物/フェノールノボラックのプロピレンオキサイド付加物/テレフタール酸/無水トリメリット酸重縮合物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物/テレフタール酸/無水トリメリット酸重縮合物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/テレフタール酸/無水トリメリット酸重縮合物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/テレフタール酸/無水トリメリット酸重縮合物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物/フェノールノボラックのプロピレンオキサイド付加物/テレフタール酸/無水トリメリット酸重縮合物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物/フマール酸/無水トリメリット酸重縮合物等。
【0048】
また、本発明のトナー用樹脂組成物は軟化点が80〜170℃のポリオレフィン樹脂にSP値が10.6〜12.6のビニル系樹脂がグラフトした構造を有するグラフト重合体を含有しても良い。ポリオレフィン樹脂を構成するオレフィン類としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−へキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンなどが挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、オレフィン類の重合体、オレフィン類の重合体の酸化物、オレフィン類の重合体の変性物、オレフィン類と共重合可能な他の単量体との共重合体などが挙げられる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/1−へキセン共重合体などが挙げられる。
【0049】
ポリオレフィン樹脂の軟化点は、通常80〜170℃であり、好ましくは90〜160℃であり、さらに好ましくは100〜155℃である。軟化点が80℃を超えるとトナーの流動性が良好となり、170℃未満で良好な離型効果を発揮する。また、溶融粘度は160℃において通常2〜10000mPa・sであり、好ましくは3〜7000mPa・s、さらに好ましくは5〜4500mPa・sである。感光体ドラム、及び又は現像スリーブ、現像ゴムローラー、磁性キャリアー等へのフィルミング及び、定着器(ローラー、ベルト等)への離型性の観点から、数平均分子量は通常500〜20,000、重量平均分子量は800〜100,000であり、好ましくは数平均分子量は1,000〜15,000、重量平均分子量は1,500〜60,000、さらに好ましくは、数平均分子量は1,500〜10,000、重量平均分子量は2,000〜30,000である。
【0050】
ビニル系樹脂のSP値(ソルビリティーパラメーター)としては通常10.6〜12.6(cal/cm31/2好ましくは10.6〜12.0(cal/cm31/2、さらに好ましくは10.7〜11.8(cal/cm31/2であり、特に好ましくは10.8〜11.5(cal/cm31/2である。SP値が12.6を超えても、10.6未満でもバインダー樹脂とのSP値差が大きくなりすぎ離型剤の分散が不良となる。なお、SP値は公知のFedors法で算出できる。
【0051】
MAとしては、不飽和ニトリ−ル系モノマー、α,β−不飽和カルボン酸類、が挙げられる。不飽和ニトリル系モノマーとしては、(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレンなどが挙げられる。これらのうち好ましいのは(メタ)アクリロニトリルである。
【0052】
α,β−不飽和カルボン酸類としては、不飽和カルボン酸類およびその無水物[(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸およびその無水物など]、不飽和ジカルボン酸モノエステル類[マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、イタコン酸モノメチルなど]などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、(メタ)アクリル酸、不飽和ジカルボン酸モノエステル類であり、特に好ましいのは(メタ)アクリル酸およびマレイン酸モノエステル[マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル]である。
【0053】
BAとしては、スチレン系モノマー(スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−アセトキシスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、フェニルスチレン、ベンジルスチレンなど)、不飽和カルボン酸のアルキル(炭素数1〜18)エステル(メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど)、ビニルエステル系モノマー(酢酸ビニルなど)、ビニルエーテル系モノマー(ビニルメチルエーテルなど)、ハロゲン元素含有ビニル系モノマー(塩化ビニルなど)、ジエン系モノマー(ブタジエン、イソブチレン等)およびこれらの併用が挙げられる。これのうち好ましいものはスチレン系モノマー、不飽和カルボン酸アルキルエステルおよびその併用であり、特に好ましいのは、スチレンおよびスチレンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルの併用である。
【0054】
本発明のトナーバインダー組成物においては、ポリエステル系トナーバインダーとともに、他の樹脂も含有させることができる。他の樹脂としては、スチレン系樹脂(スチレンとアルキル(メタ)アクリレートの共重合体、スチレンとジエン系モノマーとの共重合体等)、エポキシ樹脂(ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの付加縮合物等)、ウレタン樹脂(ジオールとジイソシアネートの重付加物等)などが挙げられる。
【0055】
本発明のトナーは、2種類以上の金属の酸化物からなる焼成黒色無機顔料を含有する。焼成黒色無機顔料の一次粒子体積平均径D50は、50乃至100nmである。具体的には、鉄、マンガン、銅の複合酸化物であり、構成成分としては、銅:33〜36重量%、マンガン:48〜51重量%、鉄:13〜16重量%である。
【0056】
より具体的には、化学式(Cu.Fe.Mn)(Fe.Mn)24であり、大日精化工業(株)製商品名:ダイピロキサイドBlack−9550が良い。他には、同じく同社製 商品名:ダイピロキサイドBlack−9568、Black−9590が良いが、特にダイピロキサイドBlack−9550が好ましい。(一次粒子体積平均径D50が最も小さい)
トナー中の配合量としては、トナーの結着樹脂100重量部に対し、5〜50重量部で使用可能であるが、特にトナー体積平均径6μm台では、15〜40重量部含有するのが有効的である。5重量部未満では、所望の黒色が得られず、グレー色になり、また、50重量部を超過すると、トナー表面に本無機顔料の露出が顕著となり、延いては、OPC感光体ドラムの膜削れの原因となる。従って、15〜40重量部含有することで、適度な黒色トナーが得られ、また、OPC感光体ドラムの膜削れをも発生せず、定着後の定着率の良好な黒色トナーを得ることが出来る。
また、本発明のトナーは、上記、焼成黒色無機顔料、及び/又は、二酸化チタン粉末と水素化ホウ素ナトリウムとの混合物を不活性ガス雰囲気下で300〜950℃の温度で加熱し、製造される黒色系酸化チタンを含有する。
【0057】
黒色系低次酸化チタン化合物を得る方法としては、たとえば、特公昭52−12733号公報に開示されている二酸化チタン粉末と金属チタン粉末との混合物を真空または還元雰囲気中で550〜1100℃で1〜5時間加熱する方法が挙げられる。しかしながら、この従来法で黒色度の高い酸化チタン化合物を得るためには、二酸化チタン粉末と金属チタン粉末との混合物を950〜1100℃の高温で加熱する工程を必要とする。二酸化チタン粉末をこのような高温で加熱すると粒子同士が焼結して粗大化する。したがって、従来の二酸化チタン還元法では混合性および分散性の良好な均一な粒径を有する黒色系酸化チタン粉末を得ることが困難である。また、特開昭64−72921号公報および特開昭64−72922号公報には、二酸化チタン粉末を無水ヒドラジンガス等のような特殊雰囲気中で加熱還元する方法が開示されている。しかしながら、一般に、これらの還元性ガスは腐食性が強いので、取扱いおよび反応装置、設備等の面で種々の制約がある。
【0058】
本発明に用いる黒色系酸化チタンは、還元性ガスを用いることなく低い還元処理温度で二酸化チタン粉末を加熱還元することにより混合性および分散性に優れ、安全性が高く、低コストである黒色系酸化チタン粉末の製造方法により得られる黒色酸化チタンである。本発明に用いる黒色系酸化チタンは、二酸化チタン粉末としては、アナタース、ルチル、ブルッカイト型のいずれでもよい。粉末の粒子寸法は特に限定されないが、良好な混合性および分散性を有する黒色系酸化チタン粉末を得るためには粒径0.2μm以下の粉末であることが好ましい。このような二酸化チタン粉末は市販されており、例えば、和光純薬工業(株)社製の(試薬一級二酸化チタン)、テイカ(株)社製の(JR)および(JA−1)、およびフロイント産業(株)社製の(A−HR)および(R−SM3)が挙げられる。
【0059】
本発明に用い得る水素化ホウ素ナトリウムとしては、98%以上の純度を有する粉末状水素化ホウ素ナトリウムであれば特に限定されない。水素化ホウ素ナトリウム粉末は、約250μm以下の粒径を有する微粉末であることが好ましい。粉末の粒径が小さい方が混合均一性および反応性が増すためである。このような水素化ホウ素ナトリ−ウムは市販されており、例えば、(株)モートン・インターナショナル社製の「NaBH4」、および川研ファインケミカル(株)社製の「NaBH4」が挙げられる。
【0060】
本発明に用い得る黒色系酸化チタンの具体的な製造方法としては、水素化ホウ素ナトリウム粉末と二酸化チタン粉末との混合物が調製される。水素化ホウ素ナトリウム粉末と二酸化チタン粉末との混合比はモル比で1:8〜1:2の範囲とすることが好ましい。混合比が1:8以下になると還元能力が低下するので十分な黒色度が得られない。混合比が1:2以上になると黒色度は増すけれども製造コストが上昇する。このような量の水素化ホウ素ナトリウム粉末および二酸化チタン粉末は、当業者に周知の方法により混合される。例えば、ロッキングミキサーで混合することにより本発明に用い得る水素化ホウ素ナトリウム粉末と二酸化チタン粉末との混合物が得られる。得られた混合物は加熱用容器に投入される。本発明の加熱工程では特殊雰囲気を必要とせず加熱温度も低いことから、用いる加熱用容器に特に制約はなく、通常のステンレス鋼もしくはセラミックス製容器が用いられる。
【0061】
本発明の好ましい実施態様では、例えば、SUS309S(日本ステンレス(株)社製)が用いられる。次いで、加熱用容器内部に不活性ガスをパージすることにより、容器内部の空気が不活性ガスに置換される。本発明に用い得る不活性ガスには、例えば、窒素、アルゴンおよびヘリウム等が挙げられる。次いで、加熱容器に密閉された上記混合物は300〜950℃の範囲、好ましくは400〜850℃の範囲の温度に加熱される。加熱温度が300℃未満であると得られる酸化チタン色は灰色系となるので黒色顔料として好ましくない。これは、水素化ホウ素ナトリ−ウムの分解温度が約300℃なので、300℃未満では二酸化チタン粉末の還元が十分進行しないためと考えられる。一方、950℃を超える温度に加熱した場合は、原料のチタン粉末が焼結することによる粒子の成長が生じる。したがって、分散性が良好な均一な粒子寸法を有する黒色系酸化チタン粉末が得られない。また、このような高温に加熱すると製造コストが上昇するという問題も生じる。上記加熱工程では水素化ホウ素ナトリ−ウムが分解することにより二酸化チタンの部分還元反応が生じる。加熱処理時間は、1〜4時間程度が好ましい。したがって、本発明では、還元反応は比較的短時間のうちに進行する。
【0062】
得られた粉末状生成物は不活性雰囲気中で50℃以下、好ましくは常温まで冷却され、次いで試料重量の約2倍量の水で洗浄、瀘過、そして120℃で静置乾燥される。その後、乾式法または湿式法或いはこれらを組み合わせて粉砕が行われ、黒色系低次酸化チタン粉末が得られる。
【0063】
本発明に用いる黒色系酸化チタンの製造方法では、従来の方法と比較して低温、且つ簡易な装置で黒色系酸化チタン粉末を製造可能である。さらに、加熱工程中の酸化チタン粒子同志の焼結が防止されるので、混合性および分散性が良好な均一な粒径を有する微細粉末状黒色系酸化チタンが得られる。
【0064】
黒色系酸化チタンのトナー中の含有量としては、トナーの結着樹脂100重量部に対し、5〜30重量部で使用可能であるが、特にトナー体積平均径6μm台では、10〜20重量部含有するのが有効的である。5重量部未満では、所望の黒色が得られず、グレー色になり、また、30重量部を超過すると、トナー表面に本無機顔料の露出が顕著となり、延いては、OPC感光体ドラムの膜削れの原因となる。従って、10〜20重量部含有することで、適度な黒色トナーが得られ、また、OPC感光体ドラムの膜削れをも発生せず、定着後の定着率の良好な黒色トナーを得ることが出来る。
【0065】
本発明のトナーは、スチレン残存揮発分が500ppm以下、及び、キシレン残存揮発分が500ppm以下、且つ、スチレン残存揮発分とキシレン残存揮発分の総和が、800ppm以下であることを特徴とする。これは、トナーを溶融混練時に発生する揮発分が、本発明の範囲を超過すると、生産工程での異臭が問題となる為である。
【0066】
本発明の1成分トナーの体積平均径D50が、4〜15μmであることを特徴とするのは、特にディジタル機に於ける、細線再現性や、One−dot再現性を良好にする為であり、好ましくは、5〜9μm、より好ましくは、6〜7μmである。体積平均径D50が、4μm未満であると、ディジタル機に於ける、クリーニングプロセスが困難となり、高価な構成を必要とする。若しくは、クリーニングレスを達成することが、極めて困難となる。また、体積平均径D50が、15μmを超過すると、前述した、細線再現性や、One−dot再現性が著しく悪化し、高画質を達成することが、極めて困難となる。従って、トナーの体積平均径D50は、6〜7μmが最も好ましい。
【0067】
本発明のトナーは、その表面に、流動化剤微粒子を担持させている。これは、トナーの体積平均径D50が、6〜7μm程度までに小径化すると、トナーのそれ自体の自重で圧密され易くなり、特に、ディジタル機内の供給トナー保持部材(トナーホッパー、トナーカートリッジ等)内で、ブロッキングし易くなり、場合によっては、現像領域へトナーが充分に搬送されない場合がある。従って、トナー表面には、トナーを流動させる助剤、いわゆるトナー流動化剤が必要となる。具体的には、トナーに流動性を付与できる材料であれば何でも良く、酸化珪素、酸化アルミ、酸化チタン、酸化錫、フッ素系微粉末、その他樹脂粉末、脂肪酸金属塩、他、種々、持ちうることが出来る。この中で、特に、酸化珪素が好ましい。
【0068】
酸化珪素は、トナーコア(母体粒子)全重量に対して、0.1〜3.0重量部程度、更には、0.3〜1.0重量部程度担持させることが好ましい。また、酸化珪素の比表面積は、90〜240m2/g(BET法)が好ましい。これらの範囲に設定するのは、複写時に流動性を損なわない範囲であり、トナーへの流動性付与はスペーサー効果によるものであり、トナー粒子間にエアーを介在させることが好ましく、それ故本発明の比表面積を有することで、よりいっそうのスペーサー効果が得られる。本発明の範囲以下では、エアーの介在が少なく、スペーサー効果が得られない。また本発明の範囲以上では、酸化珪素同士の凝集が発生し易く、遊離した酸化珪素が発生し、複写画像に白斑となって悪影響を及ぼす。
また、本発明の1成分トナーは、上記材料以外にも、必要に応じ帯電制御剤、離型剤、その他着色助剤、等を用いることが出来る。
本発明トナーにおける帯電制御剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、クロム錯体化合物からなる、下式
【0069】
【化1】
Figure 0003955222
(式中、XはC1、Br、SO2NH2、SO2CH3、SO225であり、A+は炭素数8〜16の直鎖又は1個のヘテロ原子によって中断されていてもよい分岐のアルキルアンモニウムである。)
で表されるクロム錯体化合物などが挙げられる。
【0070】
ここで、「ヘテロ原子」としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。なかでも、酸素原子が好ましい。「炭素数8〜16の直鎖のアルキルアンモニウム」としては、例えば、NH31225 +、NH31429 +等が挙げられる。また、「炭素数8〜16の1個のヘテロ原子によって中断されていてもよい分岐のアルキルアンモニウム」としては、例えば、NH336OC(C25)HC49 +、NH33OCH2C(C25)HC49 +等が挙げられる。
【0071】
その他、帯電制御剤としては、公知のものすなわち、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩化合物、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸金属塩、スルホン酸基含有ポリマー、含フッソ系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマーなどが挙げられる。トナー中の帯電制御剤の含有量は通常、トナー結着樹脂100重量部に対し、0〜5重量部である。
本発明の電子写真用1成分トナーは、上記の成分の他に、通常、トナーに使用することができる定着離型剤、着色剤、分散剤、磁性粉等の添加剤を含有していてもよい。
【0072】
定着離型剤としては、例えば、モンタン酸エステルワックス、カルナバワックス等の天然ワックス、高圧法ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系ワックス、シリコーン系ワックス、フッ素系ワックス等が挙げられる。
その他の着色剤としては、例えば、ニトロ系、スチルベンアゾ系、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、メチン系、チアゾール系、アントラキノン系、イミダミン系、アジン系、オキサアジン系、チアジン系、硫化染料系、インジゴイド系、フタロシアニン系、等の有機染料や顔料等が挙げられる。
【0073】
分散剤としては、金属石鹸、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
磁性粉としては、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、マンガン等の金属又はこれらの合金、二酸化クロム、三二酸化鉄、フェライト等の金属酸化物等が挙げられる。
【0074】
なお、本発明の電子写真用1成分トナーは、公知の方法、例えば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、メカノミル、Q型ミキサー等の気流混合機の混合可能な装置により混合し、2軸混練機、1軸混練機等の装置により、70〜180℃程度の温度にて溶融混練し、得られた混練物を冷却固化し、固化物をジェットミル等のエアー式粉砕機により粉砕する方法により製造することができる。
【0075】
本発明のトナーは必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイト、および樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂など)により表面をコーティングしたフェライトナーどのキャリアー粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。次いで、公知の熱定着方法などにより転写体((紙、ポリエステル(OHP)フィルムなど))に定着して記録材料とされる。
【0076】
[実施例、参考例及び比較例]
以下に、本発明の電子写真用1成分トナーの実施例、参考例及び比較例について説明する。
参考例1)
スチレン/アクリル共重合体樹脂(1) 100重量部
非酸化型ポリプロピレン 2重量部
酸化型ポリエチレン 2重量部
負荷電制御剤 1.5重量部
黒色無機顔料 30重量部
を乾式混合し、二軸押出機にて加熱溶融混練後、冷却粉砕し、体積平均径D50が6.2μmのトナーを得た。ここで、スチレン/アクリル共重合体樹脂(1)は、ガラス転移点Tg58.5℃、軟化点Tm157℃、スチレン残存揮発分480ppm、キシレン残存揮発分280ppmの三井化学(株)製、非酸化型ポリプロピレンは、TP−32、三洋化成工業(株)製、酸化型ポリエチレンは、PE−130、クラリアントジャパン(株)製、負荷電制御剤は、Aizen Spilion Black TRH、保土谷化学工業(株)製、黒色無機顔料は、ダイピロキサイド Black−9550(一次粒子径D5050nm)の大日精化工業(株)製である。
そのトナーに流動化剤粒子シリカ(R976S日本アエロジル(株)製)を0.5重量部添加し、参考例1のトナーを得た。
【0077】
参考例2)
スチレン/アクリル共重合体樹脂(2) 100重量部
黒色系酸化チタン 15重量部
を用いる以外は参考例1と同様に参考例2のトナーを得た。ここで、スチレン/アクリル共重合体樹脂(2)は、ガラス転移点Tg60.5℃、軟化点Tm153℃、スチレン残存揮発分360ppm、キシレン残存揮発分340ppmの三井化学(株)製、黒色系酸化チタンは、Tilack D(一次粒子径D5030nm)の赤穂化成(株)製である。
【0078】
参考例3)
スチレン/アクリル共重合体(3) 100重量部
黒色無機顔料 20重量部
を用いる以外は参考例1と同様に参考例3のトナーを得た。ここで、スチレン/アクリル共重合体樹脂(3)は、ガラス転移点Tg56.5℃、軟化点Tm161℃、スチレン残存揮発分170ppm、キシレン残存揮発分450ppmの三井化学(株)製、黒色無機顔料は、ダイピロキサイド Black−9510(一次粒子径D50200nm)の大日精化工業(株)製である。
【0079】
参考例4)
ポリエステル樹脂(1) 100重量部
を用いる以外は参考例2と同様に参考例4のトナーを得た。ここで、ポリエステル樹脂(1)は、ガラス転移点Tg61℃、軟化点Tm165℃の三洋化成(株)製である。
【0080】
(実施例
ポリエステル/スチレングラフト樹脂 70重量部
ポリエステル樹脂(2) 30重量部
黒色無機顔料 8重量部
を用いる以外は参考例1と同様に実施例トナーを得た。ここで、ポリエステル/スチレングラフト樹脂は、ガラス転移点Tg60℃、軟化点Tm147℃の花王(株)製、ポリエステル樹脂(2)は、ガラス転移点Tg55℃、軟化点Tm102℃の花王(株)製、黒色無機顔料は、ダイピロキサイド Black−9568(一次粒子径D50100nm)の大日精化工業(株)製である。
【0081】
(比較例1)
スチレン/アクリル共重合体(1) 100重量部
黒色顔料A(磁性体Fe34) 30重量部
を用いる以外は参考例1と同様に比較例1のトナーを得た。ここで、スチレン/アクリル共重合体樹脂(1)は、ガラス転移点Tg58.5℃、軟化点Tm157℃、スチレン残存揮発分480ppm、キシレン残存揮発分280ppmの三井化学(株)製であり、黒色顔料Aは、特公平4−76108号公報の前記製造方法(1)に従って製造されたチタン工業(株)製BL−500(一次粒子体積平均径D50500nm)をジルコアルミネート系改質剤で表面改質した磁性体粒子である。
【0082】
(比較例2)
スチレン/アクリル共重合体(2) 100重量部
黒色顔料B(磁性体Fe34) 35重量部
を用いる以外は参考例1と同様に比較例2のトナーを得た。ここで、スチレン/アクリル共重合体樹脂(2)は、ガラス転移点Tg60.5℃、軟化点Tm153℃、スチレン残存揮発分360ppm、キシレン残存揮発分340ppmの三井化学(株)製であり、黒色顔料Bは、特公平4−76108号公報の前記製造方法(1)に従って製造されたチタン工業(株)製BL−100(一次粒子体積平均径D50300nm)をジルコアルミネート系改質剤で表面改質した磁性体粒子である。
【0083】
(比較例3)
スチレン/アクリル共重合体(3) 100重量部
黒色顔料A 25重量部
黒色顔料(カーボンブラック) 5重量部
を用いる以外は参考例1と同様に比較例3のトナーを得た。ここで、スチレン/アクリル共重合体樹脂(3)は、ガラス転移点Tg56.5℃、軟化点Tm161℃、スチレン残存揮発分170ppm、キシレン残存揮発分450ppmの三井化学(株)製であり、黒色顔料Aは、特公平4−76108号公報の前記製造方法(1)に従って製造されたチタン工業(株)製BL−500(一次粒子体積平均径D50500nm)をジルコアルミネート系改質剤で表面改質した磁性体粒子であり、黒色顔料(カーボンブラック)は、特公平4−76108号公報の前記製造方法(2)に従って製造された三菱化学(株)製カーボンブラックMA−100S(一次粒子体積平均径D5022nm)をジルコアルミネート系改質剤で表面改質したカーボンブラックである。
【0084】
(比較例4)
ポリエステル樹脂(1) 100重量部
黒色顔料C(磁性体Fe34) 30重量部
黒色顔料D(カーボンブラック) 5重量部
を用いる以外は参考例1と同様に比較例4のトナーを得た。ここで、ポリエステル樹脂(1)は、ガラス転移点Tg61.0℃、軟化点Tm165℃の三洋化成(株)製であり、黒色顔料Cは、特公平4−76108号公報の前記製造方法(1)に従って製造された関東電化工業(株)製KBC−100−60(一次粒子体積平均径D50100nm)をジルコアルミネート系改質剤で表面改質した磁性体粒子であり、黒色顔料D(カーボンブラック)は、特公平4−76108号公報の前記製造方法(2)に従って製造された東海カーボン(株)製カーボンブラック#7100F(一次粒子体積平均径D5042nm)をジルコアルミネート系改質剤で表面改質したカーボンブラックである。
【0085】
(比較例5)
ポリエステル/スチレングラフト樹脂 70重量部
ポリエステル樹脂(2) 30重量部
黒色顔料A 40重量部
を用いる以外は参考例1と同様に比較例5のトナーを得た。ここで、ポリエステル/スチレングラフト樹脂は、ガラス転移点Tg60℃、軟化点Tm147℃の花王(株)製、ポリエステル樹脂(2)は、ガラス転移点Tg55℃、軟化点Tm102℃の花王(株)製、黒色顔料Aは、黒色顔料Aは、特公平4−76108号公報の前記製造方法(1)に従って製造されたチタン工業(株)製BL−500(一次粒子体積平均径D50500nm)をジルコアルミネート系改質剤で表面改質した磁性体粒子である。
これら参考例1〜4、実施例及び比較例1〜5のトナー組成および物性を表1に示す。
【0086】
【表1】
Figure 0003955222
これら参考例1〜4、実施例及び比較例1〜5のトナーに対して以下の試験・評価を行った。
【0087】
1.定着耐オフセット性の評価
シャープ(株)製デジタル複写機AR‐505を図2に示す1成分現像器を搭載できるようにした改造機(毎分50枚/A4)定着部を温度可変に改造し、評価した。尚、通紙は8.5インチ×11インチのネコサ紙を用いた。
低温側オフセット発生温度140℃以下を○とし、高温側オフセット発生温度220℃以上を○とした。
【0088】
2.実写試験結果
2‐1.OPC感光体の膜削れ(膜厚)評価
シャープ(株)製デジタル複写機AR‐505を図2に示す1成分現像器を搭載できるようにした改造機(毎分50枚/A4)用い、5万枚の実写試験(5%文字面積率)後、評価した。測定機分光光度計(MCPD‐1100、大塚電子(株)製)測定に使用したプローブは投受光ファイバーが複数あるタイプのもので、外径は約10mmである。このプローブを円筒状基体の鉛直方向に約2mm離れた場所に設置したが、この時の光の照射径は約3mmで膜厚の測定波長は500〜650nmに設定し、反射スペクトルを測定し膜厚を求めた。尚、通紙は8.5インチ×11インチのネコサ紙を用いた。
感光体膜厚イニシャルに比べた残存率で評価し、80%以上を○とし、80%未満を×とした。
【0089】
2‐2.黒ベタ(ネコサ紙:普通紙)コスリ定着率
手順▲1▼シャープ(株)製デジタル複写機AR‐505を図2に示す1成分現像器を搭載できるようにした改造機(毎分50枚/A4)を用いて30mm角の黒ベタ画像をサンプリングし、画像濃度を測定する。(画像濃度A)
手順▲2▼図1のように、ネコサ紙を貼り付けた400gの分銅で、前記の30mm角黒ベタ画像を5往復擦った後、画像濃度を測定する。(画像濃度B)
手順▲3▼黒ベタコスリ定着率=画像濃度B÷画像濃度A×100%で算出する。
尚、通紙は8.5インチ×11インチのネコサ紙を用いた。
コスリ定着率(%)の評価は、80%以上を○とし、60%以上80%未満を△とし、60%未満を×とした。
【0090】
2‐3.黒ベタ(OHPシート:シャープ指定OHPフィルムCX‐7A4C)コスリ定着率
手順▲1▼シャープ(株)製デジタル複写機AR‐505を図2に示す1成分現像器を搭載できるようにした改造機(毎分50枚/A4)を用いて30mm角黒ベタ画像をサンプリングし、画像濃度を測定する。(画像濃度A)
手順▲2▼図1のように、ネコサ紙を貼り付けた400gの分銅で、前記の30mm角黒ベタ画像を5往復擦った後、画像濃度を測定する。(画像濃度B)
手順▲3▼黒ベタコスリ定着率=画像濃度B÷画像濃度A×100%で算出する。
尚、通紙はA4サイズシャープ指定OHPフィルムCX‐7A4Cを用いた。
コスリ定着率(%)の評価は、80%以上を○とし、60%以上80%未満を△とし、60%未満を×とした。
【0091】
2−4.黒スジ画像の発生状況の目視観察
シャープ(株)製デジタル複写機AR−505を図2に示す1成分現像器を搭載できるようにした改造機(毎分50枚/A4)を用い、常温常湿(20℃、65%)環境下にて5万枚の実写試験を行い評価した。
通紙は8.5インチ×11インチのネコサ紙を用いた。
尚、黒スジ画像の発生状況は、目視観察を行い、縦黒スジ(通紙方向)の画像発生枚数目で、評価した。発生なしを〇、発生した場合は×とした。
2‐5.画像濃度、地肌カブリの評価
シャープ(株)製デジタル複写機AA‐505を図2に示す1成分現像器を搭載できるようにした改造機(毎分50枚/A4)を用い、常温常湿(20℃、65%)環境下にて5万枚の実写試験を行い評価した。
尚、通紙は8、5インチ×11インチのネコサ紙を用いた。
【0092】
2‐5‐1.画像濃度評価
5万枚の実写試験(5%文字面積率)を通じて、1.35以上を○、1.35未満を×とした。(測定機 Macbeth社製PROCESS MEASUREMENTS RD914型)
【0093】
2‐5‐2.地肌カブリ評価
5万枚の実写試験(5%文字面積率)を通じて、0.50未満を○、0.50〜0.70を△、0.70以上を×とした。(測定機 NIPPON DENSHOKU社製 Color Meter ZE2000型)
これらの試験・評価の結果を表2に示す。総合評価の基準は一項目でも△や×があれば、×とした。
【0094】
【表2】
Figure 0003955222
表2の結果より、本発明の実施例は、比較例に対して、定着耐オフセット性に優れ、感光体の膜削れが少なく、定着率が高く、画像濃度に優れ、地肌カブリが少ないことが分かる。
【0095】
【発明の効果】
請求項1及び2のように、金属酸化物からなる黒色無機顔料を上記結着樹脂中に分散することで、1成分トナーにおいても、高隠蔽性を有している為、画像カスレ、ザラツキ感のない画像が得られ、且つOPC感光体ドラムの膜削れが少なく、ドラムの長寿命化が達成でき、定着性の優れたトナーが提供できる。
【0096】
請求項3及び4のように、特定の黒色無機顔料(Cu‐Fe‐Mn‐O)を上記結着樹脂中に分散することで、1成分トナーにおいても、高隠蔽性を有している為、画像カスレ、ザラツキ感のない画像が得られ、且つOPC感光体ドラムの膜削れが少なく、ドラムの長寿命化が達成でき、定着性の優れたトナーが提供できる。
【0097】
請求項5のように、焼成黒色顔料(Cu‐Fe‐Mn‐O)を用いることで、1成分トナーにおいても、高隠蔽性を有している為、画像カスレ、ザラツキ感のない画像が得られ、且つOPC感光体ドラムの膜削れが少なく、ドラムの長寿命化が達成でき、定着性の優れたトナーが提供できる。
【0098】
請求項6及び7のように、特定の黒色無機顔料(TiO2)を上記結着樹脂中に分散することで、1成分トナーにおいても、高隠蔽性を有している為、画像カスレ、ザラツキ感のない画像が得られ、且つOPC感光体ドラムの膜削れが少なく、ドラムの長寿命化が達成でき、定着性の優れたトナーが提供できる。
【0099】
請求項8から10のように、結着樹脂のスチレン残存揮発分を500ppm以下、キシレン残存揮発分を500ppm以下、スチレン残存揮発分とキシレン残存揮発分の総和を800ppm以下とすることにより、トナーを溶融混練時に発生する揮発分が少なく、生産工程での異臭が問題とならない。
請求項11のように、トナーの体積平均径D50を4〜15μmとすることにより、特にディジタル機に於ける、細線再現性や、One‐dot再現性を良好にする。
【0100】
請求項12から14のように、トナーの表面に、流動化剤微粒子を担持させることにより、ディジタル機内の供給トナー保持部材(トナーホッパー、トナーカートリ−ッジ等)内で、ブロッキングしたり、場合によっては、現像領域へトナーが充分に搬送されないことを防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】コスリ定着率の試験法を説明する斜視図。
【図2】1成分現像器を搭載できるようにした改造機の断面概略図。
【符号の説明】
1:ソフト現像ローラー
2:トナー供給ローラー
3:現像ハウジング
4:ドクターブレード(トナー層厚規制部材)
5:負帯電静電潜像(非画像部)
6:本発明の1成分トナー
7:ウレタンソフトゴム
8:トナー搬送部材
9:現像トナーカートリッジ
10:感光体ドラム

Claims (7)

  1. 現像ローラー表面にトナー層厚規制部材を押圧してトナーの薄層を形成する体積平均粒子径が6.0〜7.0μmの非磁性の電子写真用1成分トナーであって、該トナーを構成する結着樹脂成分に、2種類以上の金属の酸化物からなる黒色無機顔料を含有し、カーボンブラックを含まず、
    前記結着樹脂が、ポリエステル樹脂にスチレンをグラフト重合した樹脂であり、
    離型剤が、酸化型ポリエチレン樹脂であり、
    前記黒色無機顔料が、Cu、Fe、Mn、Oを含み、粒子径が50nm〜100nmの複合酸化物黒色顔料であり、トナー中の結着樹脂100重量部に対し5〜40重量部含有する、
    ことを特徴とする1成分トナー。
  2. 前記黒色無機顔料が焼成黒色無機顔料であることを特徴とする請求項1に記載の1成分トナー。
  3. 前記トナー表面に、流動化剤微粒子を付着させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の1成分トナー。
  4. 前記流動化剤微粒子が、90〜240m/gの比表面積を有する酸化珪素であることを特徴とする請求項に記載の1成分トナー。
  5. 前記酸化珪素がトナーコア(母体粒子)全重量に対し、0.1〜3.0重量部添加混合されることを特徴とする請求項に記載の1成分トナー。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の1成分トナーを用いた画像形成方法。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の1成分トナーを用いた画像形成装置。
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