JP3954812B2 - ステアリング組付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステアリング組付け構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の製造において、ステアリングコラム(ハンドルの軸及びそれを包む軸管)を車体側に組付ける際には、ステアリングコラムにコラムブラケット及びその他の関連部品を装着してステアリングコラムアッセンブリを構成し、ダッシュパネルの車室側に装着されているステアリングサポートに対し前記ステアリングコラムアッセンブリを前記コラムブラケットを介してボルト締結することにより両者を組付けるようにしている。
【0003】
そして、実際の組立ラインで作業者が行う具体的な組付け作業の内容は、作業者がステアリングコラムアッセンブリを持ち上げて前記ステアリングサポート側の所定の装着部位に対し前記コラムブラケットを宛い、ステアリングコラムアッセンブリを片手で支えながら前記ステアリングサポート側と前記コラムブラケットとを位置合わせして相互のボルト穴を合わせ、もう片方の手でボルトを締結するというものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般的なトラック車両等の場合で約7〜8kgにもなるステアリングコラムアッセンブリを組付け作業の間中ずっと片手で持ち上げ続けることは作業者にとって体力的な負担が非常に大きく、作業中のふらつきによりステアリングコラムアッセンブリがダッシュパネル等の周辺部品に当たる等して該周辺部品が損傷したり、ステアリングコラムアッセンブリを片手で支えながらコラムブラケットを位置決めして締結するといった作業が非常に困難である為に作業性の大幅な悪化を招いたりしていた。
【0005】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、ステアリングサポートへのステアリングコラムの組付け作業に関する作業者の体力的な負担を大幅に軽減し且つその作業性の大幅な向上を図り得るようにしたステアリング組付け構造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ダッシュパネルの車室側に装着されているステアリングサポートに対しステアリングコラムを組付ける構造であって、ステアリングコラムの長手方向中途部に装着されてステアリングサポートへの組付けを仲介するコラムブラケットの下端部に、下方向きに平坦面を成す仮置き用底面部を形成する一方、ステアリングサポート側の前記コラムブラケットが組付けられる装着部位の下端部に、前記仮置き用底面部を載置されて一時的に前記ステアリングコラム側の荷重を分担し得るようにした仮置き用受け部を設け、ステアリングコラムの長手方向中途部に装着されてステアリングサポートへの組付けを仲介するコラムブラケットの上端部に、ステアリングコラム側へ臨む鉤爪状のフック部を形成する一方、ステアリングサポート側の前記コラムブラケットが組付けられる装着部位の上端部に、前記フック部を掛止されて前記ステアリングコラム側を所定のステアリングコラム組付け位置に位置決めしつつ懸吊し得るようにした掛止部を設け、コラムブラケットの仮置き用底面部をステアリングサポート側の仮置き受け部に宛い、この仮置き状態のステアリングコラムの上端部側を仮置き用受部を基点にステアリングコラムごとステアリングサポート側へ傾動した後、持ち上げると前記コラムブラケットのフック部がステアリングサポート側の掛止部に掛止し得るように構成したことを特徴とするものである。
【0007】
而して、このようにすれば、ステアリングサポートにステアリングコラムを組付ける際に、作業者がステアリングコラムを持ち上げてコラムブラケットの仮置き用底面部をステアリングサポート側の仮置き用受け部に宛うことにより、一時的に前記ステアリングコラム側の荷重の一部をステアリングサポート側に預けて一息入れることが可能となるので、ステアリングサポートへのステアリングコラムの組付け作業に関する作業者の体力的な負担が大幅に軽減され、これにより作業者のふらつきによる周辺部品の損傷が未然に回避されることになり、ボルト締結等に際しての位置決めも仮置き状態から仕切り直して容易に行うことが可能となって作業性の大幅な向上が図られることになる。
【0009】
また、ステアリングサポートにステアリングコラムを組付ける際に、作業者がステアリングコラムを持ち上げてコラムブラケットのフック部をステアリングサポート側の掛止部に掛止させることにより、前記ステアリングコラム側をステアリングサポート側に懸吊して組付け用の位置決めが成された状態で手を離し、宙吊りのステアリングコラムに対し両手でボルト締結等の組付け作業を行うことが可能となるので、ステアリングサポートへのステアリングコラムの組付け作業に関する作業者の体力的な負担が大幅に軽減され、これにより作業者のふらつきによる周辺部品の損傷が未然に回避されることになり、ボルト締結等に際しての位置決めもフック部を掛止部に掛止させるだけで極めて容易に行うことが可能となって作業性の大幅な向上が図られることになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0011】
図1〜図6は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図中1はダッシュパネル(図1及び図2参照)、2は該ダッシュパネル1の車室側(図1及び図2中における右側)に装着されているステアリングサポート、3は該ステアリングサポート2に対しステアリングコラムアッセンブリ4として組付けられるステアリングコラム3を示し、前記ステアリングコラムアッセンブリ4は、ステアリングコラム3にコラムブラケット5及びその他の関連部品を装着してユニット化した一つの組付け部品として構成されている。
【0012】
ここで、図1及び図2に示す如く、前記ステアリングコラム3は、その上端部に図示しないハンドルが装着されることになるステアリングシャフト3aを回動自在に貫通保持しており、該ステアリングシャフト3aの下端部は、その組付け後に十字軸を備えた自在継手等を介して図示しないステアリングギヤ部に連結されるようになっている。
【0013】
そして、ステアリングコラム3の長手方向中途部に装着されてステアリングサポート2への組付けを仲介するコラムブラケット5の下端部には、特に図3及び図4に明示してある通り、下方向きに平坦面を成す仮置き用底面部6が形成されており、前記コラムブラケット5の上端部には、ステアリングコラム3側へ臨む鉤爪状のフック部7が形成されている。
【0014】
尚、ここに図示しているコラムブラケット5は、一枚又は複数枚の板部材から上面視でコの字型形状を成すように形成されたもので、そのコの字型形状の開放側でステアリングコラム3を挾持するようになっており、また、ハンドル角度を調整する為のチルト機構を備えたものとなっているが、このチルト機構については、従来周知の作動機構である上、本発明の成立性と無関係であるので説明を割愛する。
【0015】
一方、特に図5及び図6に示してある通り、前記ステアリングサポート2は、ダッシュパネル1(図1及び図2参照)に図示しないペダルユニットを室外側(図5中における左側)から配置するべく開口された開口部の外縁部分に対し額縁状に沿うような枠組構造(特に図6参照)を有しており、その上側部分が車室側(図5中における右側)に迫り出して、前記コラムブラケット5が組付けられるべき左右一対の装着部位2aを形成するようになっている。
【0016】
そして、この左右一対の装着部位2aにおける下端部には、前記仮置き用底面部6を載置されて一時的に前記ステアリングコラム3側の荷重を分担し得るようにした左右一対の仮置き用受け部8が夫々突起状に突設されており、前記装着部位2aの上端部には、前記フック部7(図1〜図3参照)を掛止されて前記ステアリングコラム3側を所定の組付け位置に位置決めしつつ懸吊し得るようにした掛止部9が立設されている。
【0017】
即ち、図2に示す如く、ステアリングサポート2側の各掛止部9に、コラムブラケット5側のフック部7を掛止してステアリングコラムアッセンブリ4を懸吊した際に、コラムブラケット5側の合わせ面のボルト穴10と、ステアリングサポート2の各装着部位2aのボルト穴11とが互いに合致するように寸法関係の精度を出して設定されている。
【0018】
而して、このようにすれば、ステアリングサポート2にステアリングコラム3を組付ける際に、図1に示すように、作業者がステアリングコラム3を持ち上げてコラムブラケット5の仮置き用底面部6をステアリングサポート2側の仮置き用受け部8に宛うことにより、一時的に前記ステアリングコラム3側の荷重の一部をステアリングサポート2側に預けて一息入れることが可能となる。
【0019】
次いで、図2に示すように、仮置き状態のステアリングコラム3の上端部側を仮置き用受け部8を基点にステアリングコラム3ごとステアリングサポート2側へ傾動した後、少し持ち上げて前記コラムブラケット5のフック部7をステアリングサポート2側の掛止部9に掛止させると、前記ステアリングコラム3側がステアリングサポート2側に懸吊され、同時に組付け用の位置決めが成された状態となってステアリングサポート2側とコラムブラケット5側のボルト穴10,11が合致した状態となるので、作業者はステアリングコラムアッセンブリ4から手を離し、宙吊りのステアリングコラム3に対し両手でボルト締結を行うことが可能となる。
【0020】
従って、上記形態例によれば、ステアリングサポート2へのステアリングコラム3の組付け作業に関し、その作業途中で一時的に前記ステアリングコラム3側の荷重の一部をステアリングサポート2側に預けて一息入れることができ、しかも、ステアリングコラム3側をステアリングサポート2側に懸吊して簡便に位置決めを完了し且つ両手でボルト締結を行うことができるので、作業者の体力的な負担を大幅に軽減することができ、これによって、作業者のふらつきによる周辺部品の損傷を未然に回避することができると共に、ボルト締結に際しての位置決めも容易に行うことができて作業性の大幅な向上を図ることができる。
【0021】
尚、本発明のステアリング組付け構造は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0022】
【発明の効果】
上記した本発明のステアリング組付け構造によれば、ステアリングサポートへのステアリングコラムの組付け作業に関する作業者の体力的な負担を大幅に軽減することができるので、作業者のふらつきによる周辺部品の損傷を未然に回避することができると共に、ボルト締結等に際しての位置決めも容易に行うことができて作業性の大幅な向上を図ることができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す側面図である。
【図2】図1のコラムブラケットを懸吊して位置決めした状態を示す側面図である。
【図3】図1のコラムブラケットの詳細を示す拡大図である。
【図4】図3のIV−IV方向の矢視図である。
【図5】図1のステアリングサポートの詳細を示す拡大図である。
【図6】図5のVI−VI方向の矢視図である。
【符号の説明】
1 ダッシュパネル
2 ステアリングサポート
2a 装着部位
3 ステアリングコラム
5 コラムブラケット
6 仮置き用底面部
7 フック部
8 仮置き用受け部
9 掛止部
Claims (1)
- ダッシュパネルの車室側に装着されているステアリングサポートに対しステアリングコラムを組付ける構造であって、ステアリングコラムの長手方向中途部に装着されてステアリングサポートへの組付けを仲介するコラムブラケットの下端部に、下方向きに平坦面を成す仮置き用底面部を形成する一方、ステアリングサポート側の前記コラムブラケットが組付けられる装着部位の下端部に、前記仮置き用底面部を載置されて一時的に前記ステアリングコラム側の荷重を分担し得るようにした仮置き用受け部を設け、ステアリングコラムの長手方向中途部に装着されてステアリングサポートへの組付けを仲介するコラムブラケットの上端部に、ステアリングコラム側へ臨む鉤爪状のフック部を形成する一方、ステアリングサポート側の前記コラムブラケットが組付けられる装着部位の上端部に、前記フック部を掛止されて前記ステアリングコラム側を所定のステアリングコラム組付け位置に位置決めしつつ懸吊し得るようにした掛止部を設け、コラムブラケットの仮置き用底面部をステアリングサポート側の仮置き受け部に宛い、この仮置き状態のステアリングコラムの上端部側を仮置き用受部を基点にステアリングコラムごとステアリングサポート側へ傾動した後、持ち上げると前記コラムブラケットのフック部がステアリングサポート側の掛止部に掛止し得る位置に、仮置き用底面部、仮置き受け部、フック部、掛止部を配置するように構成したことを特徴とするステアリング組付け構造。
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