JP3954038B2 - パラレルハイブリッド車両 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンと、発電機を兼ねる電動機とを有し、これらの出力トルクを、差動装置からなるトルク合成機構を介して変速装置に伝達することにより、エンジン及び電動機の何れか一方又は双方で走行駆動力を得るようにしたパラレルハイブリッド車両に関するものである。
従来のパラレルハイブリッド車両としては、エンジンの出力トルクと、電動発電機の出力トルクとを、遊星歯車機構からなるトルク合成機構によって合成し、それを変速装置を介して駆動輪に伝達するものがある。このパラレルハイブリッド車両では、例えば発進加速は、前述のように電動発電機の出力トルクとエンジンの出力トルクとを合成して用い、更に高速領域になると、電動発電機をオフとし、エンジンの出力トルクだけで走行する。このようなパラレルハイブリッド車両では、電動発電機の回転数がエンジンの回転数に到達したら、両者、より具体的には両者に連結されている遊星歯車機構の各要素を直結クラッチで直結することで、エンジントルクのみでの走行を可能としている。また、車両減速時には、路面反力トルクで電動発電機を回転させ、当該電動発電機を発電機として機能させることで電力を蓄える、所謂回生作動させるように構成されている。即ち、パラレルハイブリッド車両では、電動発電機の運転状態、即ち回転数や出力トルクを制御することにより、より効率のよい走行、例えば高い加速力や低燃費を達成することを目的としている。
このようなパラレルハイブリッド車両では、停車時にエンジンを停止する、所謂アイドルストップが行われ、その停止中のエンジンを再始動するために、車両を駆動する方向を正方向としたとき、エンジンの回転が停止している状態から当該エンジンの回転速度が第1所定回転速度になるまで、電動発電機を負方向の所定大トルクの指令値で回転し、エンジンの回転速度が第1所定回転速度になってから、電動発電機を、所定大トルクより小さく且つエンジンのフリクショントルクと同等又はほぼ同等の負方向の所定小トルクの指令値で回転し、エンジンに点火後、エンジンの回転速度が第1所定回転速度より大きい第2所定回転速度となってからは、エンジンの回転速度と電動発電機の回転速度とを同期して、直結クラッチを締結するものがある(例えば特許文献1)。
特開2002−135908公報
ところで、エンジンが停止している状態でアクセルペダルが大きく踏込まれたときなどには、運転者が発進を要求しているものとして、前述のようにしてエンジンを回転始動した後、すぐに車両を発進させる必要がある。しかしながら、エンジンが停止している状態では、例えばエンジンへの吸気管路中のスロットルチャンバ内の混合気の気圧が高くなっているために、エンジン始動時或いはその直後のトルクが大きく、そのまま車両を発進させると駆動系に振動が発生してしまうという問題がある。
本発明は上記諸問題を解決するために開発されたものであり、エンジン始動後、すぐに車両を発進させるときの駆動系の振動を抑制防止することができるパラレルハイブリッド車両を提供することを目的とするものである。
上記諸問題を解決するため、本発明のパラレルハイブリッド車両は、エンジンと、電動発電機と、変速装置と、第1軸にエンジンの出力軸が接続され、且つ第2軸に電動発電機の出力軸が接続され、且つ第3軸に変速装置の入力軸が接続された差動装置と、エンジン及び電動発電機及び変速装置の少なくとも何れか二つを締結する直結クラッチと、少なくとも電動発電機の運転状態を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、エンジンの回転が停止している状態で、車両を駆動する方向を正方向としたとき、前記電動発電機を負方向に回転させてエンジンを始動し、該エンジン始動後に前記電動発電機を正方向へ回転させて発進回転始動可能なパラレルハイブリッド車両において、エンジンの始動後に、車両をすぐに発進する要求があることが検出されたときには、前記エンジンの始動直後に電動発電機のトルクに所定の負方向のトルクを付加すると共に、直結クラッチを締結方向に制御して、前記所定の負方向のトルクの付加に合わせてクラッチトルクを付与することで差動装置の第1軸に所定のトルクを付与して発進することを特徴とするものである。また、エンジンがアイドリング状態となった後に車両が発進したものであると想定したときのアイドリング後発進時エンジントルクを算出し、実際のエンジントルクとアイドリング後発進時のエンジントルクとの差分値に基づいて電動発電機のトルクに付加する所定の負方向のトルク及び付与する所定のクラッチトルクを算出することを特徴とするものである。また、直結クラッチは、オイルポンプからの作動油圧でピストンがストロークすることにより締結するものであり、車両が発進する以前に、ピストンをストロークさせて直結クラッチを締結方向に制御することを特徴とするものである。また、車両が発進する以前のピストンストロークによる直結クラッチ締結制御は、当該ピストンのガタを詰めるものであることを特徴とするものである。また、エンジンが始動される以前に、アクセルペダルの操作状態が所定量以上であるときに、エンジンの回転始動後に、車両をすぐに発進する要求があることを検出するものであることを特徴とするものである。
而して、本発明のパラレルハイブリッド車両によれば、エンジンの始動後に、車両をすぐに発進する要求があることが検出されたときには、エンジン始動直後に電動発電機のトルクに所定の負方向のトルクを付加すると共に、直結クラッチを締結方向に制御して、所定の負方向のトルクの付加に合わせて差動装置の第1軸に所定のクラッチトルクを付与して発進する構成としたため、回転始動直後の大きなエンジンのトルクを電動発電機の所定の負方向のトルクによって減少することができ、その結果、駆動系の振動を抑制防止することができると共に、エンジンの出力軸に付与される所定のクラッチトルクによってエンジンの回転速度の増大も抑制することができる。また、エンジンがアイドリング状態となった後に車両が発進したものであると想定したときのアイドリング後発進時エンジントルクを算出し、実際のエンジントルクとアイドリング後発進時のエンジントルクとの差分値に基づいて電動発電機のトルクに付加する所定の負方向のトルク及び差動装置の第1軸に付与する所定のクラッチトルクを算出する構成としたため、アイドリング後の発進時とエンジン回転始動直後の発進時との駆動力を同等にすることができ、その結果、違和感がなくなる。また、車両が発進する以前に、ピストンをストロークさせて直結クラッチを締結方向に制御することにより、車両発進時には、差動装置の第1軸に所定のクラッチトルクを付与することができる。また、車両が発進する以前のピストンストロークによる直結クラッチ締結制御は、当該ピストンのガタを詰めるものとすることにより、車両発進時に、差動装置の第1軸に所定のクラッチトルクを確実に付与することができる。また、エンジンが始動される以前に、アクセルペダルの操作状態が所定量以上であるときに、エンジンの回転始動後に、車両をすぐに発進する要求があることを検出することにより、エンジンの回転始動直後の発進要求を確実に検出することができる。
以下、本発明のパラレルハイブリッド車両の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のハイブリッド車両の一実施形態を示す回転駆動源及び駆動系の概略構成図であり、車両側面視における上半部を示している。本実施形態のハイブリッド車両では、エンジン1及び発電機及び電動機として作用する3相同期モータ/発電機で構成される交流式のモータ/発電機2の出力側が、夫々、トルク合成機構である差動装置(遊星歯車機構)3の入力側に連結され、この差動装置3の出力側がトルクコンバータ等の発進装置を搭載していないトランスミッション4の入力側に接続され、トランスミッション4の出力側が終減速装置20等を介して駆動輪5に連結されている。ちなみに、この実施形態では、前記差動装置3と変速装置4との間に、図外のモータにて駆動されるオイルポンプ13(図2参照)が配設されており、このオイルポンプ13で創成される流体圧が変速装置4の制御並びに差動装置3の直結クラッチ36の締結解放に用いられる。また、モータ/発電機2は、固定側のステータ2Sと回転側のロータ2Rとを備えている。
差動装置3は、トルク合成機構として遊星歯車機構21を備えて構成されている。この遊星歯車機構21は、エンジン1とモータ/発電機2との間で差動機能を発現しながらトルク合成機構をなすものである。そして、サンギヤSと、その外周側に等角間隔で噛合する複数のピニオンPと、各ピニオンPを連結するピニオンキャリヤCと、ピニオンPの外側に噛合するリングギヤRとを備え、この遊星歯車機構21のリングギヤRがエンジン(図ではENG)1に連結され、同じく遊星歯車機構21のサンギヤSがモータ/発電機2のロータ2Rに連結され、同じく遊星歯車機構21のピニオンキャリヤCが変速装置4の入力軸22に連結されている。
また、前記遊星歯車機構21のピニオンキャリヤC、即ち変速装置4とリングギヤR、即ちエンジン1との間には、両者を締結する直結クラッチ36が介装されている。なお、この直結クラッチ36の締結解放は、当該直結クラッチ36への作動流体圧を制御する圧力制御弁のソレノイド36a(図2参照)への制御信号によって制御されており、当該ソレノイド36aへの直結クラッチ制御信号CSが高レベルにあるとき、直結クラッチ36が締結され、当該直結クラッチ制御信号CSが低レベルにあるとき、直結クラッチ36が解放される。また、前記直結クラッチ制御信号CSは、前記低レベルと高レベルとの間で無段階に調整可能であり(実質的にはディジタル化される)、直結クラッチ36の締結状態は、半締結の状態で、種々の締結力を発現することができる。なお、直結クラッチ36は、内部に備えられたピストンがストロークすることによってドライブプレートとドリブンプレートとを押圧して締結するものであり、オイルポンプ13からの作動油圧をピストンシリンダ室に供給したときのピストンのストローク時間は予め決まっている。
また、前記遊星歯車機構21のピニオンキャリヤC、即ち変速装置4の入力側とケースとの間には、当該ピニオンキャリヤC、及び変速装置4の回転方向を正回転にのみ規制し、逆回転では締結して、当該逆回転を許容しないワンウエイクラッチOWCが介装されている。
変速装置4は、周知の前進4段後退1段の有段自動変速機であり、図1に示すように、二つの遊星歯車機構51、52が直列に配設されている。この変速装置4の変速機構は従来既存のものと同様であるので、ここでは符号の説明と、各変速段における摩擦要素の締結条件の説明にとどめる。図中の符号53はハイクラッチ、54はリバースクラッチ、55は2−4ブレーキ、56はロークラッチ、57はローアンドリバースブレーキ、58はローワンウエイクラッチである。前進1段(1速)時、締結される摩擦要素はロークラッチ56だけであり、駆動系の逆転を防止するためにローワンウエイクラッチ58が機能する。前進2段(2速)時、締結される摩擦要素はロークラッチ56と2−4ブレーキ55だけである。前進3段(3速)時、締結される摩擦要素はロークラッチ56とハイクラッチ53だけである。前進4段(4速)時、締結される摩擦要素は2−4ブレーキ55とハイクラッチ53だけである。後退時、締結される摩擦要素はリバースクラッチ54とローアンドリバースブレーキ57だけである。従って、車両停止状態では、電動ポンプにより創成される油圧によって、発進に備えてロークラッチ56だけが締結されている。
図2には、本実施形態のパラレルハイブリッド車両の駆動制御を行うシステム構成を示す。本実施形態では、エンジン1はエンジン用コントローラECによって制御され、モータ/発電機2は充電可能なバッテリやコンデンサで構成される蓄電装置6に接続されたモータ/発電機駆動回路7によって駆動制御される。
モータ/発電機駆動回路7は、蓄電装置6に接続されたチョッパ7aと、このチョッパ7aとモータ/発電機2との間に接続された例えば6つのIGBTを有して直流を3相交流に変換するインバータ7bとで構成され、チョッパ7aにモータ/発電機用コントローラ12からのデューティ制御信号DSが入力されることにより、このデューティ制御信号DSに応じたデューティ比のチョッパ信号をインバータ7bに出力する。このインバータ7bは、モータ/発電機2のロータ2R(図1参照)の回転位置を検出する位置センサの回転位置検出信号に基づいて、モータ/発電機2の正回転時及び逆回転時に電動機又は発電機として作用させるように、その回転に同期した周波数で駆動する3相交流を形成するように、例えば前記各IGBTのゲート制御信号を形成する。ちなみに、モータ/発電機2はエンジン1同様、車両を駆動するためにも用いられるので、車両を駆動する側への回転方向正方向又は正回転とし、その逆方向への回転方向を負方向又は逆回転と定義する。
さらに、変速装置4は、変速装置用コントローラTCによって走行速度とスロットル開度とをもとに予め設定された変速制御マップを参照して決定された例えば第1速〜第4速の変速比に制御される。
また、エンジン1及びモータ/発電機2には、その出力軸の回転速度を検出するエンジン回転速度センサ8及びモータ/発電機回転速度センサ9が設けられていると共に、図示しないセレクトレバーで選択されたレンジに応じたレンジ信号を出力するインヒビタースイッチ10及びアクセルペダルの踏込みに応じたスロットル開度を検出するスロットル開度センサ11が設けられ、これら回転速度センサ8及び9の回転速度検出値NE 及びNM/G と走行速度センサ14の走行速度検出値V及びインヒビタースイッチ10のレンジ信号RS及びスロットル開度センサ11のスロットル開度検出値TH等がモータ/発電機2及び直結クラッチ36を制御するモータ/発電機用コントローラ12に供給される。また、前記モータ/発電機用コントローラ12は、少なくとも前記変速装置用コントローラTCと相互通信を行い、例えば変速装置4のギヤ比(変速段)や摩擦要素の締結解放状態、フットブレーキ信号、或いは変速装置4の入力軸回転速度や出力軸回転速度といった情報を、変速装置信号TSとして入力するように構成されている。
また、このモータ/発電機用コントローラ12は、前記エンジン用コントローラECとも相互通信を行い、例えばアクセルペダルの踏込み量やエンジン1の運転状態、即ちスロットル開度TVOや吸入空気量、空燃比、点火時期、冷却水温、或いはエンジン1の爆発状態などの情報を、エンジン信号ESとして入力するように構成されている。また、このエンジン用コントローラECは、前記モータ/発電機用コントローラ12からエンジントルクの要求があった場合には、その要求に応じてエンジントルクを制御するように構成されている。なお、前記モータ/発電機回転速度センサ9では、モータ/発電機2の正回転、逆回転も検出することができる。
前記モータ/発電機用コントローラ12は、少なくとも入力側インタフェース回路12a、演算処理装置12b、記憶装置12c及び出力側インタフェース回路12dを有するマイクロコンピュータ12eで構成されている。
入力側インタフェース回路12aには、エンジン回転速度センサ8のエンジン回転速度検出値NE 、モータ/発電機回転速度センサ9のモータ/発電機回転速度検出値NM/G 、走行速度センサ14の走行速度検出値V、インヒビタースイッチ10のレンジ信号RS、スロットル開度センサ11のスロットル開度検出値TH、エンジン用コントローラECのエンジン信号ES及び前記変速装置用コントローラの変速装置信号TSが入力されている。
演算処理装置12bは、例えばキースイッチ(図示せず)がオン状態となって所定の電源が投入されることにより作動状態となり、先ず初期化を行って、モータ/発電機2への駆動デューティ制御信号MS及び発電デューティ制御信号GSをオフ状態とすると共に、直結クラッチ36へのクラッチ制御信号CSもオフ状態とし、その後、例えば後述する図4の演算処理に従って、エンジン回転速度検出値NE 、モータ/発電機回転速度検出値NM/G 、走行速度検出値V、レンジ信号RS及びスロットル開度検出値TH等に基づいてモータ/発電機2及び直結クラッチ36を制御する。ちなみに、この実施形態では、車両の停車時にエンジン1の回転を停止する、所謂アイドリングストップを行うように構成されている。
記憶装置12cは、演算処理装置12bの演算処理に必要な処理プログラムを予め記憶していると共に、演算処理装置12bの演算過程で必要な各種データを記憶する。
出力側インタフェース回路12dは、演算処理装置12bの演算結果である駆動デューティ制御信号MS及び発電デューティ制御信号GSと直結クラッチ制御信号CSとをモータ/発電機駆動回路7及びソレノイド36aに供給する。
この実施形態のパラレルハイブリッド車両において、走行状態、蓄電装置の状態、車両の操作状態に応じてモータ/発電機用コントローラ12で行われるエンジン1及びモータ/発電機2の各種の作動状態は、前記特開2002−135908公報に記載されるものと同様である。また、そうした作動状態を行うための演算処理も、当該公報に記載されるものと同様である。
次に、前記モータ/発電機用コントローラ12内で行われる数ある演算処理のうちから、エンジン回転始動時に行われる演算処理について、図3のフローチャートを伴って説明する。この演算処理は、前記モータ/発電機用コントローラ12内の演算処理装置12bで、所定制御時間ΔT毎のタイマ割込によって行われる。また、このフローチャートでは特に通信のステップを設けていないが、必要な情報やプログラムは随時入力インターフェース12aを介して外部や記憶装置12cから読込まれ、演算処理中の情報は随時記憶装置12cに記憶される。また、演算処理中のクラッチガタ詰め制御フラグF4 、直結移行フラグF3 、エンジン完爆フラグF2 、エンジン低回転フラグF1 は何れもエンジン停止でリセットされる。
この演算処理では、まずステップS1で、スロットル開度センサ11で検出されたスロットル開度検出値TH、エンジン回転速度センサ8で検出されたエンジン回転速度検出値NE 、モータ/発電機回転速度センサ9で検出されたモータ/発電機回転速度検出値NM/G 、変速装置用コントローラTCからのフットブレーキ信号、インヒビタースイッチ10のレンジ信号RS及びエンジン用コントローラECからのアクセルペダル踏込み量を読込む。
次にステップS2に移行して、直結移行フラグF3 が“0”のリセット状態であるか否かを判定し、当該直結移行フラグF3 がリセット状態である場合にはステップS3に移行し、そうでない場合にはメインプログラムに復帰する。
ステップS3では、エンジン完爆フラグF2 が“0”のリセット状態であるか否かを判定し、当該エンジン完爆フラグF2 がリセット状態である場合にはステップS4に移行し、そうでない場合にはステップS16に移行する。
ステップS4では、エンジン低回転フラグF1 が“0”のリセット状態であるか否かを判定し、当該エンジン低回転フラグF1 がリセット状態である場合にはステップS5に移行し、そうでない場合にはステップS12に移行する。
ステップS5では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、例えばブレーキペダルの踏込みが解除され且つアクセルペダルが踏込まれているとか、前記スロットル開度センサ11のスロットル開度検出値THが所定値以上であるとか、或いは前記蓄電装置6の容量が低減しているなどから、エンジン回転始動が必要か否かを判定し、エンジン回転始動が必要な場合にはステップS6に移行し、そうでない場合にはメインプログラムに復帰する。
ステップS6では、クラッチガタ詰め制御フラグF4 が“0”のリセット状態であるか否かを判定し、当該クラッチガタ詰め制御フラグF4 がリセット状態である場合にはステップS7に移行し、そうでない場合にはステップS9に移行する。
ステップS7では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、前記直結クラッチ36のピストンのガタを詰める制御、即ちピストンをストロークする制御を行ってからステップS8に移行する。具体的には、オイルポンプ13が作動していない場合には当該オイルポンプ13を作動し、直結クラッチ36への作動油圧を制御するためのソレノイド36aに対し、高圧のクラッチ油圧指令値を所定時間出力し、これにより直結クラッチ36のピストンをストロークしてドリブンプレートとドライブプレートとが接触しない程度に接近させ、その後は、クラッチピストンシリンダ室内から作動油圧が抜けない程度のクラッチ油圧指令値を出力し続ける。なお、高圧のクラッチ油圧指令値を出力しても、エンジンが停止している段階ではクラッチピストンシリンダ室内は空なので、当該クラッチピストンシリンダ室内に作動油が充填されるまでの間、当該クラッチピストンシリンダ室内の作動油圧は高くならない。
ステップS8では、クラッチガタ詰め制御フラグF4 を“1”にセットしてからステップS9に移行する。
ステップS9では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、モータ/発電機2を、例えば最大発生トルクTM/GMAXに設定された所定大トルクTM/G-Hi0 の指令値で逆回転制御してからステップS10に移行する。
ステップS10では、前記エンジン回転速度センサ8で検出されたエンジン回転速度検出値NE が、例えば600rpm程度、つまりエンジン1がフリクショントルクに抗して回転できる程度(通常はアイドリング状態の回転速度)の所定低回転速度NE0以上であるか否かを判定し、当該エンジン回転速度検出値NE が所定低回転速度NE0以上である場合にはステップS11に移行し、そうでない場合にはメインプログラムに復帰する。
ステップS11では、エンジン低回転フラグF1 を“1”にセットしてからステップS12に移行する。
ステップS12では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、モータ/発電機2を、前記所定大トルクTM/G-Hi0 より小さく且つエンジン1のフリクショントルク程度に設定された所定小トルクTM/G-LO0 の指令値で逆回転制御してからステップS13に移行する。
ステップS13では、前記エンジン用コントローラECに向けて点火指令を出力してからステップS14に移行する。
ステップS14では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、例えばエンジン回転速度NE が、完爆後にしか達成し得ない所定高回転NE1以上であるか否か等の判定により、エンジン1の完爆が確認されたか否かを判定し、エンジン完爆確認した場合にはステップS15に移行し、そうでない場合にはメインプログラムに復帰する。なお、完爆とは、エンジン内での点火が安定し、自身の回転慣性で回転し続けることができる状態を意味する。
ステップS15では、エンジン完爆フラグF2 を“1”にセットしてから前記ステップS16に移行する。
ステップS16では、アクセルペダルの踏込み量が所定値以上である、つまりアクセルペダルが大きく踏込まれて車両の発進が要求されているか否かを判定し、アクセルペダルの踏込み量が所定値以上である場合にはステップS17に移行し、そうでない場合にはメインプログラムに復帰する。
ステップS17では、アクセルペダルがエンジン始動前に踏込まれたか否かを判定し、アクセルペダルがエンジン始動前に踏込まれた場合にはステップS18に移行し、そうでない場合にはステップS19に移行する。
ステップS18では、後述する図4の演算処理に従って、エンジン始動後、すぐに車両を発進するようにモータ/発電機2を正回転化する制御、つまりモータ/発電機2を正方向のトルクで駆動する始動後即発進用モータ/発電機正回転化制御を行ってからステップS20に移行する。
また、ステップS19では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、エンジン1がアイドリング状態となるようにモータ/発電機2を正回転化する制御、つまりモータ/発電機2を正方向のトルクで駆動するアイドリング対応モータ/発電機正回転化制御を行ってからステップS20に移行する。なお、このステップにおける演算処理は、後述する図4の演算処理のステップS181と同等である。
ステップS20では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、エンジン回転速度センサ8で検出したエンジン回転速度検出値NE とモータ/発電機回転速度センサ9で検出したモータ/発電機回転速度検出値NM/G とが同等か又はほぼ同等であるか否かを判定し、当該エンジン回転速度検出値NE とモータ/発電機回転速度検出値NM/G とが同等又はほぼ同等である場合にはステップS21に移行し、そうでない場合にはメインプログラムに復帰する。
ステップS21では、同ステップ内で行われる個別の演算処理に従って、直結クラッチ36の完全締結制御を行ってからステップS22に移行する。
ステップS22では、前記直結移行フラグF1 を“1”にセットしてからメインプログラムに復帰する。
次に、前記図3の演算処理のステップS18で行われる図4の演算処理について説明する。この演算処理では、まずステップS181で、例えば特開2001ー251704号公報に記載される手法を用いて、目標モータ/発電機トルクT* M/G を算出する。具体的には、例えば図5に示すようなエンジン回転速度NE とスロットル開度THとをパラメータとする制御マップに従って、目標モータ/発電機トルクT* M/G を算出設定する。この制御マップでは、エンジン回転速度NE が大きいほど、またスロットル開度THが大きいほど、大きな目標モータ/発電機トルクT* M/G が設定される。このことは、エンジン回転速度NE が大きいほど、またスロットル開度THが大きいほど、モータ/発電機回転速度NM/G をエンジン回転速度NE に速やかに一致させて前述した直結クラッチ36の完全締結状態に移行するためである。なお、前記公報に記載されるように、駆動系の振動を抑制すべく、目標モータ/発電機トルクT* M/G にローパスフィルタをかけるとか、或いは過去の目標値を用いて重み付け平均を行うなどしてもよい。
次にステップS182に移行して、後述する図6に示す演算処理に従って、モータ/発電機トルク補正値ΔT* M/G 及び目標クラッチトルクT* C を算出する。ここで、遊星歯車機構の歯数比をαとし、本実施形態のようにリングギヤRとサンギヤSとの間に直結クラッチ36が設けられ、後述するエンジントルク差分値をΔTE とした場合、目標クラッチトルクT* C 及びモータ/発電機トルク補正値ΔT* M/G は夫々以下のように設定される。
* C =ΔTE 、ΔT* M/G =−(α/(1+α))×ΔTE
次にステップS183に移行して、ステップS181で算出された目標モータ/発電機トルクT* M/G をステップS182で算出されたモータ/発電機トルク補正値ΔT* M/G で補正する。具体的には、ステップS182で算出されるモータ/発電機トルク補正値ΔT* M/G は負方向のトルク、ステップS181で算出される目標モータ/発電機トルクT* M/G は正方向のトルクであるから、当該目標モータ/発電機トルクT* M/G からモータ/発電機トルク補正値ΔT* M/G を減算するように補正して最終的な目標モータ/発電機トルクT* M/G とする。
次にステップS184に移行して、ステップS183で補正された目標モータ/発電機トルクT* M/G 及びステップS182で算出された目標クラッチトルクT* C を出力してから図3の演算処理のステップS20に移行する。
次に、前記図4の演算処理のステップS182で行われる図6の演算処理について説明する。この図6の演算処理はブロック図化されているが、まずスロットル開度TH及びエンジン回転速度NE を用いて、例えばマップ検索や遅れ・無駄時間換算などにより、実エンジントルク算出部51で実際に発生しているエンジントルクTE を算出する。一方、アイドリング後エンジントルク算出部52では、同じくスロットル開度TH及びエンジン回転速度NE を用いて、アイドリング後のエンジントルクTEiを算出する。このアイドリング後のエンジントルクTEiとは、エンジンがアイドリングしている状態からアクセルペダルが踏込まれたときのエンジントルクTEiであり、所謂レシプロエンジンを搭載した車両の通常の発進時のエンジントルクである。つまり、エンジンがアイドリングしている状態から発進したものであると想定してエンジントルクを推定するのである。ちなみに、このアイドリング後のエンジントルクTEiは、予め実験などによって求めておき、適宜マップ検索などによって算出設定する。
そして、加減算器53によって、実エンジントルク算出部51で算出された実エンジントルクTE からアイドリング後エンジントルク算出部52で算出されたアイドリング後エンジントルクTEiを減じてエンジントルク差分値ΔTE を求め、このエンジントルク差分値ΔTE に基づいて、モータ/発電機トルク補正値算出部54でモータ/発電機トルク補正値ΔT* M/G を算出すると共に、目標クラッチトルク算出部55で目標クラッチトルクT* C を算出する。
ここで、前記モータ/発電機トルク補正値算出部54で行われるモータ/発電機トルク補正値ΔT* M/G の算出並びに目標クラッチトルク算出部55で行われる目標クラッチトルクT* C の算出の原理並びに手法について説明する。本実施形態では、前記特開2002−135908公報と同様に、エンジン1が停止している状態からモータ/発電機2を逆回転させる、つまり負方向のトルクで回転させてエンジン1を始動し、エンジン1の始動後は、モータ/発電機2を正回転化、つまり正方向のトルクを付与してエンジン回転速度NE に同期し、両者の回転速度が同等又は略同等になったら、直結クラッチ36を完全締結する。
図7は、エンジン1の回転始動後、アクセルペダルの踏込み量に応じたスロットル開度TH相当のエンジントルクTE と、正回転化される、つまり正方向のトルクを発生しているモータ/発電機トルクTM/G によって、車両、即ち差動装置3のピニオンキャリヤCを正方向に駆動している状態の共線図である。なお、この状態におけるモータ/発電機トルクTM/G の車両駆動への寄与率は、前記特開2001−251704公報に記載されるように、極めて小さい。
前述したように、エンジン停止時のスロットルチャンバ内の混合気の気圧が高いために、エンジン始動直後のエンジントルクTE は、アイドリング後にアクセルペダルを踏み込んだときのエンジントルクよりも大きい。この過大なエンジントルクTE が駆動系にダイレクトに入力されると、駆動系に振動が生じてしまう。図7の共線図において、エンジントルクTE が大きいとき(白抜きの矢印)に、出力であるピニオンキャリヤCへの駆動トルクを抑制するためには、モータ/発電機トルクTM/G に負方向のトルク(白抜きの矢印)を付加すればよい。しかし、単にそのようにしただけでは、エンジン1が加速されることになるから、エンジン回転速度NE が大きくなる、所謂吹け上がってしまう。そこで、直結クラッチ36のクラッチトルクTC (=目標クラッチトルクT* C )を付与することで、エンジン1が接続されている差動装置3のリングギヤR、つまり第1軸に所定のトルクを付与してエンジン回転速度NE の増大を抑制することができる。ちなみに、始動直後のエンジントルクを小さくするためには、例えば初爆時間を遅らせるなどの手法が考えられるが、そのようにしたのでは、当然ながらエンジンの始動が遅くなるというトレードオフがある。
次に、前記図3乃至図6の演算処理の作用について説明する。図3の演算処理のうち、ステップS6〜ステップS8を除き、ステップS15〜ステップS19を経てステップS20に移行するフローの作用は、前記特開2002−135908公報と同様であるので、それ以外の部分の作用について説明する。
このうち、ステップS6〜ステップS8では、ステップS5でエンジンの回転始動が必要と判定されたら、クラッチピストンのガタ詰め制御を行う。このクラッチピストンのガタ詰め制御は、前述のように車両を発進させるときにクラッチトルクTC (=目標クラッチトルクT* C )を遅滞なく付与するための準備である。また、ステップS16、ステップS17において、エンジンの始動前に、アクセルペダルが所定値以上踏込まれた場合にはステップS18に移行し、前記図4及び図6の演算処理を行って、モータ/発電機トルク補正値ΔT* M/G で補正した目標モータ/発電機トルクT* M/G 及び目標クラッチトルクT* C を出力し、これによりエンジン回転始動直後の発進時のエンジントルクの減少並びにエンジン回転速度の増大防止を行う。
次に、この演算処理の作用について、図8のタイミングチャートを用いて説明する。図には、エンジン1が停止し、ブレーキペダルが踏込まれている状態から、時刻t00でブレーキペダルを開放すると同時にエンジン1を回転始動する必要が生じ、エンジン1が始動される時刻t02以前の時刻t01で、運転者がアクセルペダルを大きく踏込んだときのモータ/発電機トルクTM/G 、クラッチトルクTC 、クラッチピストンシリンダ室内の作動油圧指令値(=目標クラッチトルクT* C )、エンジン回転速度NE 及びモータ/発電機回転速度NM/G 、エンジントルクTE の経時変化を示したものである。
前記時刻t00でエンジン1の回転始動が必要と判定されると、前述したクラッチガタ詰め制御が行われるので、目標クラッチトルクT* C は時刻t00から時刻t02までの所定時間大きく設定され、これによってクラッチピストンシリンダ室内に作動油が充填され、直結クラッチ36のピストンがストロークしてガタがなくなる(実際のクラッチピストンシリンダ室内の作動油圧は大きくならないので、クラッチトルクTC は“0”のままである)。その後は、クラッチピストンシリンダ室内から作動油圧が抜けない程度に目標クラッチトルクT* C を小さな値に維持する。
一方、エンジン回転始動が必要と判定される時刻t00以後、モータ/発電機2は前記所定大トルクTM/G-Hi0 の指令値で逆回転制御され、エンジン回転速度NE が600rpm程度の所定低回転速度NE0以上となる時刻t03で点火指令が出力されてエンジン1が回転始動し、その後、モータ/発電機2は前記所定小トルクTM/G-LO0 の指令値で逆回転制御され、エンジン回転速度NE が前記所定高回転NE1以上となる時刻t04以後、車両の発進制御がなされる。
この車両発進が、エンジン1のアイドリング状態からのものであるとすると、エンジントルクTE は、図に二点差線で示すように穏やかに立上がり、モータ/発電機トルクTM/G は、単にモータ/発電機回転速度NM/G をエンジン回転速度NE に一致させるべく、図に二点差線で示すように正方向に変更すればよい。しかしながら、この場合の車両発進は、エンジン1の回転始動直後であり、図に示すように回転始動直後のエンジントルクTE が大きいために、そのままでは駆動系に振動が発生してしまう。そこで、時刻t04以後のモータ/発電機トルクTM/G は、前記モータ/発電機トルク補正値ΔT* M/G に相当する負方向のトルクが付加され、合わせてエンジン回転速度NE の増大を抑制するクラッチトルクTC が付与される。その結果、モータ/発電機回転速度NM/G は、図に二点差線で示すアイドリング後発進時のものより大きくなるが、エンジン回転速度NE は、図に二点差線で示すクラッチトルクTC のないものより小さく抑制される。
そして、時刻t05でエンジン回転速度NE とモータ/発電機回転速度NM/G とが同等又はほぼ同等になると、直結クラッチ36の完全締結制御が行われて、両者が直結される。
このように、本実施形態のパラレルハイブリッド車両では、例えばエンジン1が回転始動される以前にアクセルペダルが所定値以上踏込まれるといったように、エンジン1の回転始動後に、車両をすぐに発進する要求があることが検出されたときには、モータ/発電機トルクTM/G に所定の負方向のトルクからなるモータ/発電機トルク補正値ΔT* M/G を付加すると共に、エンジン1の回転始動後に直結クラッチ36を締結して目標クラッチトルクT* C を付与することで差動装置3の第1軸、つまりエンジン1の出力軸に所定のトルクを付与する構成としたため、回転始動直後の大きなエンジンのトルクTC をモータ/発電機トルク補正値ΔT* M/G によって減少することができ、その結果、駆動系の振動を抑制防止することができると共に、目標クラッチトルクT* C によってエンジン回転速度NE の増大も抑制することができる。
また、エンジン1がアイドリング状態となった後に車両が発進したものであると想定したときのアイドリング後エンジントルクTEiを算出し、実エンジントルクTE とアイドリング後エンジントルクTEiとの差分値ΔTE に基づいて、モータ/発電機トルク補正値ΔT* M/G 及び目標クラッチトルクT* C を算出する構成としたため、アイドリング後の発進時とエンジン回転始動直後の発進時との駆動力を同等にすることができ、その結果、違和感がなくなる。
また、車両が発進する以前に、ピストンをストロークさせて直結クラッチ36を締結方向に制御することにより、車両発進時には、差動装置3の第1軸、つまりエンジン1に目標クラッチトルクT* C を付与することができる。また、車両が発進する以前のピストンストロークによる直結クラッチ36の締結制御は、当該ピストンのガタを詰めるものとすることにより、車両発進時に、目標クラッチトルクT* C を確実に付与することができる。
また、エンジンが始動される以前に、アクセルペダルの操作状態が所定量以上であるときに、エンジンの回転始動後に、車両をすぐに発進する要求があることを検出することにより、エンジンの回転始動直後の発進要求を確実に検出することができる。
また、遊星歯車機構の歯数比をαとし、エンジントルク差分値をΔTE とした場合、目標クラッチトルクT* C 及びモータ/発電機トルク補正値ΔT* M/G は夫々T* C =ΔTE 、ΔT* M/G =−(α/(1+α))×ΔTE とするため、振動の発生とアイドリング後からの発進との違和感とを更に適切に抑制できる。
以上より、図3の演算処理のステップS16及びステップS17が本発明のエンジン始動後即発進要求検出手段を構成し、以下同様に、図3の演算処理のステップS18及び図4の演算処理全体がエンジン始動後即発進時制御手段を構成し、図6の演算処理の実エンジントルク算出部51が実エンジントルク算出手段を構成し、図6の演算処理のアイドリング後エンジントルク算出部52がアイドリング後発進時エンジントルク算出手段を構成し、図6の演算処理の加減算器53、モータ/発電機トルク補正値算出部54、目標クラッチトルク算出部55がエンジン始動後即発進時トルク算出手段を構成している。
なお、前記実施形態では、前記直結クラッチが遊星歯車機構のリングギヤとピニオンキャリヤとの間に介装されているが、この直結クラッチは、遊星歯車機構の3要素のうちの何れか2要素間に介装されていればよく、例えばリングギヤとサンギヤとの間やサンギヤとピニオンキャリヤとの間に介装させてもよい。
リングギヤとサンギヤとの間に直結クラッチが設けられているときには、歯数比をαとした場合、目標クラッチトルクT* C 及びモータ/発電機トルク補正値ΔT* M/G は夫々以下のように設定される。
* C =ΔTE 、ΔT* M/G =−ΔTE
サンギヤとピニオンキャリヤとの間に直結クラッチが設けられている場合には、以下のように設定される。
* C =(1+α)×ΔTE 、ΔT* M/G =−ΔTE
このように設定することで、本実施形態と同様に、振動の発生とアイドリング後からの発進との違和感を更に適切に抑制できる。
また、前記実施形態では、エンジン回転速度とモータ/発電機回転速度とが同期してから直結クラッチを締結する例について説明してきたが、これに限られるものではない。
また、前記実施形態では、前進4段後退1段の有段自動変速機を変速装置に用いた場合についてのみ詳述したが、本発明のパラレルハイブリッドの変速装置に採用されるものはこれに限定されない。
また、オイルポンプのレイアウトも、前記に限定されるものではない。
また、前記実施形態では、コントローラにマイクロコンピュータを用いた場合について説明したが、これに代えて各種の演算回路を使用することも可能である。
本発明のパラレルハイブリッド車両の一実施形態を示す回転駆動源及び駆動系の概略構成図である。 図1のパラレルハイブリッド車両の駆動制御システム構成図である。 図2のモータ/発電機コントローラで行われるエンジン始動時の演算処理を示すフローチャートである。 図3の演算処理で行われるサブルーチンの演算処理を示すフローチャートである。 図4の演算処理で用いられる制御マップである。 図4の演算処理で行われるサブルーチンの演算処理を示すフローチャートである。 図6の演算処理の作用説明図である。 図4乃至図6の演算処理の作用を説明するタイミングチャートである。
符号の説明
1はエンジン
2はモータ/発電機(電動発電機)
3は差動装置
4は変速装置
5は駆動輪
6は蓄電装置
7はモータ/発電機駆動回路
8はエンジン回転速度センサ
9はモータ/発電機回転速度センサ
10はインヒビタスイッチ
11はスロットル開度センサ
12はモータ/発電機用コントローラ
13はオイルポンプ
14は走行速度センサ
36は直結クラッチ
36cはクラッチバルブ
56はロークラッチ
Sはサンギヤ
Rはリングギヤ
Cはピニオンキャリヤ

Claims (8)

  1. エンジンと、発電機及び電動機の両機能を備えた電動発電機と、変速装置と、第1軸に前記エンジンの出力軸が接続され、且つ第2軸に前記電動発電機の出力軸が接続され、且つ第3軸に前記変速装置の入力軸が接続された差動装置と、エンジン及び電動発電機及び変速装置の少なくとも何れか二つを締結する直結クラッチと、少なくとも前記電動発電機の運転状態を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記エンジンの回転が停止している状態で、車両を駆動する方向を正方向としたとき、前記電動発電機を負方向に回転させてエンジンを始動し、該エンジン始動後に前記電動発電機を正方向に回転させて発進回転始動可能なパラレルハイブリッド車両において、前記エンジンの始動後に、車両をすぐに発進する要求があることを検出するエンジン始動後即発進要求検出手段と、前記エンジン始動後即発進要求検出手段で、エンジンの始動後に、車両をすぐに発進する要求があることが検出されたときには、前記エンジンの始動直後に前記電動発電機のトルクに所定の負方向のトルクを付加すると共に、前記直結クラッチを締結方向に制御して、前記所定の負方向のトルクの付加に合わせてクラッチトルクを付与することで前記差動装置の第1軸に所定のトルクを付与して発進するエンジン始動後即発進時制御手段とを備えたことを特徴とするパラレルハイブリッド車両。
  2. 前記エンジン始動後即発進時制御手段は、実際のエンジントルクを算出する実エンジントルク算出手段と、エンジンがアイドリング状態となった後に車両が発進したものであると想定したときのアイドリング後発進時エンジントルクを算出するアイドリング後発進時エンジントルク算出手段と、前記実エンジントルク算出手段で算出された実際のエンジントルクとアイドリング後発進時エンジントルク算出手段で算出されたアイドリング後発進時エンジントルクとの差分値に基づいて前記電動発電機のトルクに付加する所定の負方向のトルク及び差動装置の第1軸に付与する所定のクラッチトルクを算出するエンジン始動後即発進時トルク算出手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のパラレルハイブリッド車両。
  3. 前記直結クラッチは、オイルポンプからの作動油圧でピストンがストロークすることにより締結するものであり、エンジン始動後即発進時制御手段は、車両が発進する以前に、前記ピストンをストロークさせて直結クラッチを締結方向に制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のパラレルハイブリッド車両。
  4. 前記車両が発進する以前のピストンストロークによる直結クラッチ締結制御は、当該ピストンのガタを詰めるものであることを特徴とする請求項3に記載のパラレルハイブリッド車両。
  5. 運転者によるアクセルペダルの操作状態を検出するアクセルペダル操作状態検出手段を備え、前記エンジン始動後即発進要求検出手段は、エンジンが始動される以前に、前記アクセルペダル操作状態検出手段で検出されたアクセルペダルの操作状態が所定量以上であるときに、エンジンの回転始動後に、車両をすぐに発進する要求があることを検出するものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のパラレルハイブリッド車両。
  6. 前記直結クラッチを前記差動装置の第1軸と第3軸との間に設け、前記差動装置の歯数比をα、前記エンジントルクの差分値をΔTE としたとき、前記電動発電機に負荷する負方向のトルクを(α/(1+α))×ΔTE 、前記直結クラッチのクラッチトルクをΔTE とすることを特徴とする請求項2に記載のパラレルハイブリッド車両。
  7. 前記直結クラッチを前記差動装置の第1軸と第2軸との間に設け、前記差動装置の歯数比をα、前記エンジントルクの差分値をΔTE としたとき、前記電動発電機に負荷する負方向のトルクをΔTE 、前記直結クラッチのクラッチトルクをΔTE とすることを特徴とする請求項2に記載のパラレルハイブリッド車両。
  8. 前記直結クラッチを前記差動装置の第2軸と第3軸との間に設け、前記差動装置の歯数比をα、前記エンジントルクの差分値をΔTE としたとき、前記電動発電機に負荷する負方向のトルクをΔTE 、前記直結クラッチのクラッチトルクを(1+α)×ΔTE とすることを特徴とする請求項2に記載のパラレルハイブリッド車両。
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