JP3953701B2 - 現金自動取引装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リサイクルしない金種を効率的に回収する現金自動取引装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、現金自動取引装置は、金種毎のリサイクル可能なリサイクルスタッカ、金種毎に別れていない混合スタッカ、リサイクルしない回収カセット、不良品を入れる回収リジェクトなどを備えている。
【0003】
出金等の装置から現金を出す場合、リサイクルスタッカから繰り出す。
入金等の装置に現金が入る場合、リサイクルスタッカに収納する。リサイクルスタッカに入りきらなかった現金は、混合スタッカまたは回収カセットに収納する。
【0004】
装置に補充する場合、補充カセットからリサイクルスタッカに現金を補充する。リサイクルスタッカに入りきらなかった現金は、混合スタッカまたは回収カセットに収納する。
【0005】
入金等で外から入ってきた現金を出金等で装置から外に出したくない場合、リサイクル可能な金種か否かを金種毎に設定し、リサイクル不可の金種が入ってくると、金種毎のリサイクルスタッカに収納せずに、直接に回収カセットに収納する。この際、リサイクル不可の金種の現金を運用リジェクトに収納してもよいが、その場合、運用リジェクトの収容容量が少ないために複数の金種をリサイクル不可とすると運用リジェクトフル(満杯)の発生確率が高くなり、それだけ装置の休止率が高くなるので、随時脱着可能な回収カセットに回収する運用を行っている。また、回収カセットが無い場合、混合スタッカに収納する。混合スタッカは補充時などにリサイクルスタッカに入りきらなかった現金も収納することがあるため、混合スタッカ内でリサイクル不可の現金と、リサイクル可の現金とが混ざってしまうために、混合スタッカはリサイクル不可としていた。また、混合スタッカをリサイクル可とした場合には、リサイクル可能な金種か否かの設定を行うことができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、現金自動取引装置は、入金等で外部から入ってきた現金を出金などで装置から外部に出したくない場合、リサイクル可能な金種(逆に言えば、リサイクル不可の金種)か否かを金種毎に設定すると、混合スタッカをリサイクルにできないという問題があった。
【0007】
本発明は、これらの問題を解決するため、現金自動取引装置において、混合スタッカの内部状態として外部からリサイクル不可の金種の収納の有無を金種毎に持たせ、当該有無の情報をもとに回収カセットに収納あるいは混合スタッカに戻したり、リサイクルカセットに収納したりし、外部から入ってきたリサイクル不可の金種のみを効率的に回収などすることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
図1を参照して課題を解決するための手段を説明する。
図1において、リサイクルスタッカ7は、金種毎に備えられた、出金時には入出金口2から出金するための現金を繰り出し、入金時には入出金口2から入金された現金を収納し、さらに現金の補充が可能なスタッカである。
【0009】
混合スタッカ8は、複数金種を一時的に格納すると共に、収納された現金を繰り出し可能に構成されたスタッカである。
回収カセット9は、着脱自在に構成され、回収を行う現金を収納するカセットである。
【0010】
制御手段22は、各種制御を行うものである。
次に、動作を説明する。
制御手段22は、入出金口2から入金された現金のうち予め設定されたリサイクルしない金種と判別された現金を混合スタッカ8に収納し、混合スタッカ8から繰り出した現金の金種が予め設定されたリサイクルしない金種と判断された現金を混合スタッカ8に戻し、予め設定されずリサイクルする金種と判別された現金をリサイクルスタッカ7に収納するよう制御している。
【0011】
この際、着脱自在に構成され、現金を収納する回収カセット9を備え、制御手段22は、回収カセット9の有無を判断し、カセットが装置に装着されていない場合には入出金口2から入金された現金のうち予め設定されたリサイクルしない金種を混合スタッカ8に収納し、カセットが装置に装着されている場合には入出金口2から入金された現金のうち予め設定されたリサイクルしない金種を回収カセット9に回収するようにしている。
【0012】
また、制御手段22は、混合スタッカ8内の現金が満杯と判断した場合には、装置を休止するようにしている。
【0013】
従って、現金自動取引装置において、混合スタッカ8の内部状態として外部からリサイクル不可の金種の収納の有無の情報を金種毎に持たせ、当該有無の情報をもとに回収カセット9に収納あるいは混合スタッカ8に戻したり、リサイクルカセット7に収納したりすることにより、外部から入ってきたリサイクル不可の金種のみを効率的に回収などすることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、図1から図4を用いて本発明の実施の形態および動作を順次詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明のシステム構成図を示す。
図1において、リサイクルユニット0は、外部から入金された現金を再利用(リサイクル)するものであって、ここでは、1から13などから構成されるものである。
【0016】
シャッタ1は、外部から現金を入金したり、内部から外部へ現金を出金したりする入出金口2を開いたり、閉じたりするものである。
入出金口2は、外部から現金を入金したり、内部から外部へ現金を出したりする部分である。
【0017】
繰り出し部3は、入出金口2に現金を出したり、取り込んで鑑別部3’に搬送したりするものである。
鑑別部3’は、現金の金種や真偽を鑑別するものである。
【0018】
補充カセット部4は、リサイクルスタッカ7に補充する現金を収納するものであって、例えば異なる金種の現金を混在して収納するものである。
一次保留部5は、鑑別部3’で鑑別された後の現金を保留するものである。
【0019】
―次保留ベルト部6は、一次保留部5で保留されなかった現金を保留するものである。
リサイクルスタッカ7は、出金する現金を金種毎に収納するものであって、ここでは、一次保留部5に保留された現金を収納するものである。
【0020】
混合スタッカ8は、一次保留ベルト部6に保留された現金を収納するものである。
回収カセット9は、混合スタッカ8に収納された現金のうち、リサイクル不可と判明した現金を収納するものである。回収カセット9は、ユニット内の現金を回収するカセットで、着脱可能である。
【0021】
取り忘れ部10は、顧客が入出金口2に入金(投入)したり、出金したりしたときに取り出すことを忘れた現金を収納するものである。
運用リジェクト11は、運用中に鑑別して不良などと判明した現金を収納(
排出)するものである。
【0022】
補充リジェクト12は、補充時に鑑別して不良などと判明した現金を収納(
排出)するものである。
異物返却エレベータ13は、入出金口2に投入された異物(例えばクリップ)を返却するために一時的に格納するものである。
【0023】
制御装置21は、プログラムに従い各種制御を行うものであって、後述する図2のフローチャートに示す処理を行うものであり、制御手段22および情報23などから構成されるものである。
【0024】
制御手段22は、情報23をもとに各種処理を行うものであって、後述する図2のフローチャートに従い各種処理を行うものである。
情報23は、混合スタッカ8の内部状態として、リサイクル不可の金種の情報、および外部からリサイクル不可の金種の現金の収納の有無の情報を設定したものであって、後述する図3に示す情報を設定したものである。
【0025】
次に、図2のフローチャートの順番に従い図1の構成の動作を詳細に説明する。
図2は、本発明の動作説明フローチャートを示す。これは、500円硬貨をリサイクル不可として情報に設定した場合を例に図1の構成の動作を説明したものである。
【0026】
図2において、S1は、リサイクル不可現金の設定を行う。ここでは、金種500円硬貨をリサイクル不可現金と設定、例えば後述する図3の情報23中の
とそれぞれ設定し、外部から入金された金種500円を混合スタッカ内(あるいは回収カセット)に回収し、リサイクルスタッカ7には収納しない旨(モード)に設定できたこととなる。
【0027】
S2は、取引として出金要求があった場合、リサイクルスタッカ7から要求の有った金種の現金を繰り出す。そして、次の取引を待つ。
S3は、補充カセット4から補充する旨の要求があった場合、補充カセット4から取り出した金種の現金を該当する金種のリサイクルスタッカ7に収納し、補充する。
【0028】
S4は、リサイクルスタッカがフル(満杯)か判別する。YESの場合には、S5に進む。NOの場合には、補充カセット4から取り出した金種の現金をリサイクルスタッカ7に収納して補充完了したので、次の取引を待つ。
【0029】
S5は、S4のYESでリサイクルスタッカ7がフル(満杯)と判明したので、混合スタッカ8に現金を収納する。
S6は、混合スタッカ8がフル(満杯)か判別する。YESの場合には、混合スタッカ8がフル(満杯)であると判明したので、S7に進む。NOの場合には、混合スタッカ8に現金を収納できたので、次の取引を待つ。
【0030】
S7は、S6のYESで混合スタッカ8がフル(満杯)と判明したので、休止にするか判別する。YESの場合には、装置を休止にする。NOの場合には、S8に進む。
【0031】
S8は、回収カセット9がありか判別する。YESの場合には、S9で回収カセット9に現金を収納し、次の取引を待つ。NOの場合には、装置を休止にする。
【0032】
以上のS3からS9によって、補充カセット4から現金を取り出して該当金種のリサイクルスタッカ7に収納して補充したり、リサイクルスタッカ7がフル(満杯)のときは混合スタッカ8に収納、更に、混合スタッカ8がフル(満杯)のときは回収カセット9に収納することが可能となる。
【0033】
S11は、取引として入金があった場合、500円か判別する。これは、入金された現金を鑑別してその金種がリサイクル不可と設定された金種500円か判別する。YESの場合には、入金された現金の金種がリサイクル不可金種と判明したので、S12に進む。一方、NOの場合には、既述したS3に進む。
【0034】
S12は、S11のYESで入金された現金がリサイクル不可金種と判明したので、回収カセット9がありか判別する。YESの場合には、S13に進む。NOの場合には、S15に進む。
【0035】
S13は、S12で回収カセット9がありと判明したので、回収カセット9に入金されたリサイクル不可金種の現金を収納して回収し、S14に進む。
S14は、混合スタッカ8にリサイクル不可500円が0なら情報をクリアする(後述する図3の外部からの現金収納有の欄の「リサイクル不可」をクリア「(リサイクル可」にリセットし、混合スタッカ8内に外部からの当該金種の現金の収納が無い状態である旨を設定)する。そして、次の取引を待つ。
【0036】
S15は、S12で回収カセット9がなしと判明したので、混合スタッカ8に収納し、リサイクル不可現金情報セット(後述する図3の外部からの現金収納有の欄の「リサイクル可」をセット「(リサイクル不可」にセットし、混合スタッカ8内に外部からの当該金種の現金の収納が有り状態である旨を設定)する。
【0037】
S16は、混合スタッカがフル(満杯)か判別する。YESの場合には、装置を休止する。NOの場合には、次の取引を待つ。
以上のS11からS16によって、外部から入金された現金の金種がリサイクル不可金種であった場合、回収カセット9があればこれに収納し、なければ混合スタッカ8に収納することが可能になると共に、混合スタッカ8に外部から入金されたリサイクル不可金種の現金が収納されていなく0のときは、図3の情報23中の外部からの現金収納有りの欄に「リサイクル可」とリセットし、一方、外部から入金されたリサイクル不可金種の現金が収納されたときは、図3の情報23中の外部からの現金収納有りの欄に「リサイクル不可」とセットすることが可能となる。
【0038】
S17は、取引として混合スタッカ8から繰り出してリサイクルスタッカ7に収納する要求があった場合、リサイクル不可金種の500円か判別する。これは、混合スタッカ8から取り出して鑑別した金種が、リサイクル不可金種の500円か判別する。YESの場合には、S12に進み、回収カセット9があればそれに収納して回収し、なければ混合スタッカ8に戻す。一方、S17のNOの場合には、S3に進み、リサイクルスタッカ7に収納などする。
【0039】
以上のS17、およびS3からS9、あるいはS12からS16によって、混合スタッカ8から繰り出した現金の金種がリサイクル不可の500円であった場合には、回収カセット9に収納、回収カセット9がなけれ混合スタッカ8に戻すなどし、一方、リサイクル不可金種でない場合にはリサイクルスタッカ7に補充などすることが可能となる。
【0040】
図3は、本発明の混合スタッカのリサイクル不可の情報例を示す。これは、図1の混合スタッカ8内の現金の金種の状態の情報を設定した例であって、ここでは、図示の
のように設定する。例えば
と設定した状態では、リサイクル不可金種が500円で、混合スタッカ8内に外部から入金された500円が収納されていてリサイクル不可となる。この情報の設定に対応して、既述した図2のS17のYES,S12からS16によって、混合スタッカ8から繰り出した500円の現金は、リサイクルスタッカ7に収納することなく、回収カセット9に収納されて回収され、回収カセットがセットされていないときは混合スタッカ8に戻されることとなり、外部に繰り出されることが無い。
【0041】
図4は、本発明の自動預金支払機構成図を示す。
図4において、DOC系ユニット31は、カードユニット32および通帳ユニット33から構成されるものである。
【0042】
カードユニット32は、入出金に関するカードの読み取り、書き込みを行うものである。
通帳ユニット33は。入出金に関する通帳の読み取り、磁気テープの読み取りや書き込み、通帳への印刷などを行うものである。
【0043】
紙幣ユニット34は、紙幣を入出金するものである。
制御部35は、全体を統括制御するものである。
対センタ又はターミナルコントローラ36は、回線を介して接続して各種情報の確認要求や残高の照会などを行うものである。
【0044】
遠隔監視装置37は、自動預金支払機を回線を介して監視するものである。
顧客操作部(UOP)38は、自動預金支払機を顧客が操作して入出金するものであって、画面を表示するカラーディスプレイ、画面上に表示して各種操作確認やデータ入力するタッチキーボード、各種操作の案内や確認ボタンの押下を促す音声ガイダンス、顧客が自動預金支払機に近ずいたときに画面を表示などする顧客センサなどから構成されるものである。
【0045】
管理操作部(MOP)39は、管理者が各種操作を行うためのものであって、IDカードシステム、管理者用の各種操作画面を表示する液晶ディスプレイ、管理用の各種データや指示を入力するキーボードなどから構成されるものである。ここで、管理者が管理者用のカードをカードシステムに挿入して正当権限のある管理者と認められたときに電磁ロック/電磁ロック制御に指示して自動預金支払機の裏側などの管理者用の扉を開放したりなどするものである。
【0046】
ハードディスク装置40は、各種データやプログラムを格納するものである。フロッピィディスク装置41は、フロッピィディスクを読み書きするものである。
【0047】
電源部42は、全体の電源を供給するものである。
硬貨ユニット51は、図1のリサイクルユニット0として、硬貨ユニット51に適用したときの要部の構成を抽出したものであって、入出金口2、鑑別部3’、補充カセット4、リサイクルスタッカ7、混合スタッカ8、回収カセット9、取忘れ部10、リジェクト部11、および異物返却エレベータ13などから構成されるものである。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、現金自動取引装置において、混合スタッカ8の内部状態として外部からリサイクル不可の金種の収納の有無の情報を金種毎に持たせ、当該有無の情報をもとに回収カセット9に収納あるいは混合スタッカ8に戻したりする構成を採用しているため、外部から入ってきたリサイクル不可の金種のみを効率的に回収できる。
【0049】
さらに、ある金種の偽造現金が出回った場合に、万が一偽造現金が装置に入ってしまっても、その金種をリサイクルしない金種に指定することにより、該当金種を装置から繰り出さないようにガードすることができ、偽造現金放出によるトラブルを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステム構成図である。
【図2】本発明の動作説明フローチャートである。
【図3】本発明の混合スタッカのリサイクル不可の情報例である。
【図4】本発明の自動預金支払機構成図である。
【符号の説明】
0:リサイクルユニット
1:シャッタ
2:入出金口
3:繰り出し部
3’:鑑別部
4:補充カセット
7:リサイクルスタッカ
8:混合スタッカ
9:回収カセット
11:運用リジェクト
13:異物返却エレベータ
21:制御装置
22:制御手段
23:情報
51:硬貨ユニット
Claims (3)
- 現金を入金、出金する入出金口と、
金種毎に備えられた、出金時には上記入出金口から出金するための現金を繰り出し、入金時には上記入出金口から入金された現金を収納し、さらに現金の補充が可能なリサイクルスタッカと、
複数金種を一時的に格納すると共に、収納された現金を繰り出し可能に構成された混合スタッカと、
上記混合スタッカに格納される複数の金種の中で、リサイクルしない金種が設定される第1の手段と、
上記入出金口から入金された現金のうち上記第1の手段に設定されたリサイクルしない金種と判別された現金を上記混合スタッカに収納し、上記混合スタッカから繰り出した現金の金種が上記第1の手段に設定されたリサイクルしない金種と判断された現金を混合スタッカに戻し、上記第1の手段に設定されずリサイクルする金種と判別された現金を上記リサイクルスタッカに収納するよう制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする現金自動取引装置。 - 着脱自在に構成され、現金を収納する回収カセットを備え、
上記制御手段は、
回収カセットの有無を判断し、カセットが装置に装着されていない場合には上記入出金口から入金された現金のうち上記第1の手段に設定されたリサイクルしない金種を上記混合スタッカに収納し、カセットが装置に装着されている場合には上記入出金口から入金された現金のうち上記第1の手段に設定されたリサイクルしない金種を上記回収カセットに回収するように制御することを特徴とする請求項1記載の現金自動取引装置。 - 上記制御手段は、上記混合スタッカ内の現金が満杯と判断した場合には、装置を休止することを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の現金自動取引装置。
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