JP3952784B2 - 脱臭装置およびそれを用いた生ごみ処理機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は台所等で出る生ごみを処理する生ごみ処理機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の厨芥処理機を図8、図9、図10、図11を用いて説明すると、1は生ごみ処理機本体、2は生ごみを収納するタンクで、略中央部に回転軸3、生ごみを撹拌する撹拌羽根4を備えている。タンク2の上部に生ごみを加熱する加熱手段5が配してある。加熱手段5は乾燥用ヒータ6及び、乾燥ファン7から構成され、熱風を生ごみに当てて生ごみの表面を加熱する。尚、乾燥ファン7は乾燥モータ8により回転駆動される。
【0003】
生ごみ処理機本体1内にはタンク2内から排気通路9が形成され、排気通路9内には、金属パイプ10に金属薄板を螺旋状に巻回して形成したフィン11と触媒ヒータ12からなる脱臭装置13が設置されている。前記フィンの表面には触媒が担持されている。金属パイプ10の中に触媒ヒータ12を装着した状態でフィン11と触媒ヒータ12はケースに収容されている。触媒ヒータ12の発熱部は封口部の温度上昇を抑えるために封口部からの距離を保ってケース14内に収めるのが一般的である。ケース14の両端には夫々、入口パイプ15、出口パイプ16があり、入口パイプ15は断熱材17で覆われている。また、ケース14は成型された断熱材18で覆われている。断熱材18には取付け部19を逃げるための切り込み18aと、入口パイプ15を逃げるための凹み部18bが設けてある。
【0004】
タンク2の天面には吸気口20、排気通路9の後方には排気ファン21が設置されている。22は回転軸3を駆動する駆動モータ、23は制御装置である。図11は大型脱臭装置を示すが、ケース14の下端付近には温度センサー24が固定板25で取り付けられている。
【0005】
上記の様な従来の生ごみ処理機において、生ごみ処理機本体1の運転(生ごみの加熱)と同時に脱臭装置13の触媒ヒータ12により触媒を担持したフィン11が加熱され、排気ファン21も作動すると、吸気口20から外気が吸引され、タンク2内の臭気を含む空気を脱臭装置13で脱臭し、排気口26より外部に排気する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記生ごみ処理機の脱臭装置は金属パイプ中に装着した触媒ヒータでフィンを加熱しているため、フィンの温度分布が均一でなく入り口側の温度が上がりにくいという課題があった。また、温度センサーの設置位置が不安定という課題もあった。更に、ケース側面に設けた取付け部で脱臭装置を生ごみ処理機本体内に固定する構成であるため、ケース周囲の断熱材の形状が複雑になり、また、入口パイプ、出口パイプの接続位置がずれ易いという課題があった。
【0007】
本発明は上記課題を解決するもので、脱臭装置のフィンの温度を均一にし、ケース側面に設けた温度センサーの固定を確実にし、脱臭装置の固定を容易かつ、入口パイプ、出口パイプの接続位置がずれ難くすることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、金属パイプに金属薄板を螺旋状に巻回してまたは金属パイプに一部に孔を設けた円形の金属薄板を複数固定して形成し、前記金属薄板に触媒を担持したフィンと、前記金属パイプ内に装着した触媒ヒータと、前記フィンと前記触媒ヒータを収容するパイプ状のケースと、前記ケースに空気が流入する入口パイプと、前記ケースから空気が排出する出口パイプを備え、前記入口パイプを前記ケースに略平行に近接させて設けるとともに、前記入口パイプとケースの間に空気層を設け、前記入口パイプとケースを断熱材で覆った脱臭装置で、フィンの温度を均一にする脱臭装置を提供できる。
【0009】
また、パイプ状のケースの入口パイプ側に温度センサーを設け、前記温度センサーの先端部は前記パイプの状ケースに設けた受け部材に嵌まり込むように固定することにより、温度センサーの設置位置を確実にした脱臭装置を提供できる。更に、パイプ状のケースにナットを固定し、ナットの上方の断熱材には貫通穴を開け、ボルトとスペーサーでパイプ状のケースをフレームに固定する構成にすることにより、断熱材の加工が容易でケースの固定を容易にした脱臭装置を提供できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の手段によれば、金属パイプに金属薄板を螺旋状に巻回してまたは金属パイプに一部に孔を設けた円形の金属薄板を複数固定して形成し、前記金属薄板に触媒を担持したフィンと、前記金属パイプ内に装着した触媒ヒータと、前記フィンと前記触媒ヒータを収容するパイプ状のケースと、前記ケースに空気が流入する入口パイプと、前記ケースから空気が排出する出口パイプを備え、前記入口パイプを前記ケースに略平行に近接させて設けるとともに、前記入口パイプとケースの間に空気層を設け、前記入口パイプとケースを断熱材で覆った脱臭装置で、入口パイプから入る空気はパイプ状のケースからの熱伝導により暖められてケース内のフィンの間を流れるので、入口パイプ側のフィンの温度降下は少なくなり、フィン全体を所定の温度域に保つことができ、高い脱臭性能の脱臭装置を提供できる。
【0011】
本発明の請求項2記載の手段によれば、入口パイプがケースに接続される位置まで、触媒ヒータの発熱部が位置するようにしたもので、入口パイプ側のフィンの温度を高温に保ちやすくなり、高い脱臭性能の脱臭装置を提供できる。
【0012】
本発明の請求項3記載の手段によれば、触媒ヒータの一端をケース外まで延長し、前記ケース外における触媒ヒータの形状を略J型あるいは略L型としたもので、脱臭装置の高さを低くでき、触媒ヒータ先端の封口部の温度上昇を抑え、また、触媒ヒータとケースとのシールが不良となった場合、水滴が触媒ヒータの端子に伝って絶縁異常となることもない脱臭装置を提供できる。
【0013】
本発明の請求項4記載の手段によれば、ケースの入口パイプ側に、温度センサーと受け部材を設け、前記温度センサーの先端部を、前記受け部材に嵌まり込むように固定したもので、温度センサーの固定を確実にし、フィンの温度を均一に保ち、高い脱臭性能の脱臭装置を提供できる。
【0014】
本発明の請求項5記載の手段によれば、ケースの入口パイプ側に、温度センサーと貫通穴とネジ穴を有するセンサー固定部材を設け、前記センサー固定部材に温度センサーを固定したもので、簡単な構造で温度センサーの固定を確実にし、フィンの温度を均一に保ち、高脱臭性能の脱臭装置を提供できる。
【0015】
本発明の請求項6記載の手段によれば、ケースの入口パイプ側に、温度センサーと凹部と固定ボルトを設け、温度センサーの先端部を前記凹部に当接するように前記固定ボルトに固定したもので、簡単な構造で温度センサーの固定を確実にし、フィンの温度を均一に保ち、高い脱臭性能の脱臭装置を提供できる。
【0016】
本発明の請求項7記載の手段によれば、断熱材は複数の成形品からなり、内側に薄い断熱シートを巻いたもので、ケースの断熱効果を大幅に高め、フィンの温度を均一に保ち、高い脱臭性能の脱臭装置を提供できる。
【0017】
本発明の請求項8記載の手段によれば、パイプ状のケースにナットを固定し、ナットの上方の断熱材には貫通穴を開け、ボルトとスペーサーでケースをフレームに固定する構成とすることにより、ケース周囲の断熱材の形状とケースの固定手段を簡素化することができる。
【0018】
本発明の請求項9記載の手段によれば、入口パイプ、出口パイプの各々の先端部に取付け板を設け、入口パイプ、出口パイプをそれぞれ連結した後、取付け板によりケースを固定する構成とすることにより、脱臭装置の固定を容易かつ、入口パイプ、出口パイプの接続位置がずれ難い脱臭装置を提供できる。
【0019】
本発明の請求項10記載の手段によれば、パイプ状のケースの蓋の数箇所を縦方向に延ばして吊り下げ部を形成することにより、生ごみ処理機本体への固定が容易な脱臭装置を提供できる。
【0020】
本発明の請求項11記載の手段によれば、生ごみを収容するタンクと、生ごみを加熱する加熱部と、前記タンク内と請求項1〜10のいずれか1項に記載の脱臭装置とを接続する排気通路を備えた構成とすることにより、フィンの温度を均一にし、ケース側面に設けた温度センサーの固定を確実にし、脱臭装置の固定を容易かつ、入口パイプ、出口パイプの接続位置がずれ難い生ごみ処理機を提供できる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の第1の実施例について添付図面をもとに説明する。なお、従来例と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。図1において、ケース14内に金属パイプ10に金属薄板を螺旋状に巻回してフィン11を形成し、フィン11の表面には触媒を担持したフィン触媒11aを収納し、金属パイプ10内には触媒ヒータ12を装着してある。ケース11の下方には入口パイプ15、上方には出口パイプ16を備え、入口パイプ15をケース14とを略平行に近付けて設けている。また、入口パイプ15とケース14の周囲は断熱材17a、18で囲まれている。
【0022】
上記構成において、入口パイプ15から入る空気はケース14からの熱伝導により暖められてケース14内に入り、フィン11の間を流れるので、入口パイプ14側のフィン14の温度降下は少なくなり、フィン11全体を所定の温度域に保つことができ、高い脱臭性能の脱臭装置を提供できる。
【0023】
また、触媒ヒータ12の発熱部12aをケース14の端面に近い部分からもうけた構成としている。この構成により、入口パイプ15側のフィン11の温度を高温に保ちやすくなり、高い脱臭性能の脱臭装置を提供できる。
【0024】
また、触媒ヒータ12の一端は延長して略L型に曲げた形状にしてある。これにより、脱臭装置の高さを低くでき、触媒ヒータ12先端の封口部の温度上昇を抑え、また、触媒ヒータ12とケース14とのシールが不良となった場合、水滴が触媒ヒータ12の端子に伝って絶縁異常となることもない。
【0025】
また、断熱材18は複数の成形品からなり、断熱材18の内側には薄い断熱シート33を巻いた構成している。成形品の断熱材18は寸法精度が出にくく、ケース14との間に隙間ができ易い。本構成によれば、断熱材18とケース14との間に隙間を埋めケース14の断熱特性を大幅に高め、フィンの温度を均一に保ち、高い脱臭性能の脱臭装置を提供できる。
【0026】
次に、本発明の第2の実施例について図2をもとに説明する。なお、従来例と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。図2において、ケースの入口パイプ15側に温度センサー24を設けている。ケース14には半球状の凹みを持った受け部材27と略Z状の固定部材28が設けてあり、温度センサー24の先端部はケース14に設けた受け部材27に嵌まり込み、温度センサー24のフランジ部は固定部材28にネジで固定されている。
【0027】
上記構成により、温度センサー24は確実に固定され、温度センサー24の先端部が受け部材27の凹みに嵌まり込んでいるので、温度センサー24の受感特性の向上が図れる。
【0028】
次に、本発明の第3の実施例について図3をもとに説明する。図3において、ケース14の入口パイプ15側に温度センサー24の挿入孔29aとネジ穴29bを明けたセンサー固定部材29を設けている。挿入孔29aに温度センサー24を挿入し、温度センサー24のフランジ部をネジ穴29bに固定して、温度センサー24はケース14に固定される。この構成とすることにより、簡単な構造で温度センサーの固定を確実にし、第五の実施例と同様に、温度センサー24の受感特性の向上が図れる。
【0029】
次に、本発明の第4の実施例について図4をもとに説明する。図4において、ケース14の入口パイプ15側に凹み30と固定ボルト31を設け、温度センサー24の先端部を凹み30に当接し、温度センサー24のフランジ部をスペーサー32を介して固定ボルト31に固定している。この構成とすることにより、簡単な構造で温度センサーの固定を確実にし、第五の実施例と同様に、温度センサー24の受感特性の向上が図れる。
【0030】
次に、本発明の第5の実施例について図5をもとに説明する。図5において、ケース14にナット34を固定し、ナット34の上方の断熱材18には貫通穴を開け、ボルト35とスペーサー36でケース14をフレーム37に固定する構成としている。本構成によれば、断熱材18は従来のように切り込みや逃がし用の凹みが不要となり、形状を簡素化できる。またケース14のフレーム37への固定も容易にできる。
【0031】
次に、本発明の第6の実施例について図6をもとに説明する。入口パイプ15、出口パイプ16の各々の先端部に取付け板15a、16aを設け、連結パイプ38、排気パイプ39にも各々取付け板15b、16bを設けている。入口パイプ15、出口パイプ16をそれぞれ連結パイプ38、排気パイプ39と耐熱ホース40a、40bで連結した後、取付け板15aと取付け板15b、取付け板16aと取付け板16bをネジで固定する。本構成によれば、入口パイプ、出口パイプの接続位置がずれないで確実に連結できる脱臭装置を提供できる。
【0032】
次に、本発明の第7の実施例について図7をもとに説明する。図7において、ケース14の蓋41の数箇所を縦方向に延ばして吊り下げ部41aを形成している。生ごみ処理機本体のフレームには、固定部42を形成している。入口パイプ15、出口パイプ16をそれぞれ連結パイプ、排気パイプと連結した後(連結パイプ、排気パイプは図示せず)、吊り下げ部41aを固定部42にネジで固定する。本構成によれば、断熱材18は従来のように切り込みや逃がし用の凹みが不要となり、形状を簡素化できる。また、ごみ処理機本体への固定が容易な脱臭装置を提供できる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、脱臭装置のフィンの温度を均一にし、ケース側面に設けた温度センサーの固定を確実にし、脱臭装置の固定を容易かつ、入口パイプ、出口パイプの接続位置がずれ難くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の脱臭装置の断面図
【図2】本発明の第2の実施例の脱臭装置の要部断面図
【図3】本発明の第3の実施例の脱臭装置の要部断面図
【図4】本発明の第4の実施例の脱臭装置の要部断面図
【図5】本発明の第5の実施例の脱臭装置の要部断面図
【図6】本発明の第6の実施例の脱臭装置の斜視図
【図7】本発明の第7の実施例の脱臭装置の斜視図
【図8】従来の生ごみ処理機の断面図
【図9】同脱臭装置の断面図
【図10】同脱臭装置の斜視図
【図11】同別の脱臭装置の斜視図
【符号の説明】
11 フィン
12 触媒ヒータ
14 ケース
15 入口パイプ
16 出口パイプ
17、18 断熱材
24 温度センサー
27 受け部材
29 センサー固定部材
33 断熱シート

Claims (11)

  1. 金属パイプに金属薄板を螺旋状に巻回してまたは金属パイプに一部に孔を設けた円形の金属薄板を複数固定して形成し、前記金属薄板に触媒を担持したフィンと、前記金属パイプ内に装着した触媒ヒータと、前記フィンと前記触媒ヒータを収容するパイプ状のケースと、前記ケースに空気が流入する入口パイプと、前記ケースから空気が排出する出口パイプを備え、前記入口パイプを前記ケースに略平行に近接させて設けるとともに、前記入口パイプとケースの間に空気層を設け、前記入口パイプとケースを断熱材で覆った脱臭装置。
  2. 入口パイプがケースに接続される位置まで、触媒ヒータの発熱部が位置するようにした請求項1記載の脱臭装置。
  3. 触媒ヒータの一端をケース外まで延長し、前記ケース外における触媒ヒータの形状を略J型あるいは略L型とした請求項1または2記載の脱臭装置。
  4. ケースの入口パイプ側に、温度センサーと受け部材を設け、前記温度センサーの先端部を、前記受け部材に嵌まり込むように固定した請求項1〜3のいずれか1項に記載の脱臭装置。
  5. ケースの入口パイプ側に、温度センサーと貫通穴とネジ穴を有するセンサー固定部材を設け、前記センサー固定部材に温度センサーを固定した請求項1〜3のいずれか1項に記載の脱臭装置。
  6. ケースの入口パイプ側に、温度センサーと凹部と固定ボルトを設け、温度センサーの先端部を前記凹部に当接するように前記固定ボルトに固定した請求項1〜3のいずれか1項に記載の脱臭装置。
  7. 断熱材は複数の成形品からなり、内側に薄い断熱シートを巻いた請求項1〜6のいずれか1項に記載の脱臭装置。
  8. ケースにナットを固定し、前記ナットの上方の断熱材には貫通穴を開け、ボルトとスペーサーでケースをフレームに固定するようにした請求項1〜7のいずれか1項に記載の脱臭装置。
  9. 入口パイプ、出口パイプの各々の先端部に取付け板を設け、入口パイプ、出口パイプをそれぞれ連結した後、取付け板によりパイプ状のケースを固定するようにした請求項1〜8のいずれか1項に記載の脱臭装置。
  10. パイプ状のケースの蓋の数箇所を縦方向に延ばして吊り下げ部を形成した請求項1〜9のいずれか1項に記載の脱臭装置。
  11. 生ごみを収容するタンクと、生ごみを加熱する加熱部と、前記タンク内と請求項1〜10のいずれか1項に記載の脱臭装置とを接続する排気通路を備えた生ごみ処理機。
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