JP3952772B2 - 基礎杭の施工方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、既製杭を回転埋設装置を用いて建て込む基礎杭の施工方法および該施工方法に用いる基礎杭用先端シューに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
既製杭を低振動、低騒音で地盤中に建て込む工法の一つとして回転圧入装置を用いた回転圧入工法があり、既製杭の構造や建込みを容易にするための先端シューの構造、回転圧入装置等について種々の発明がなされている。
【0003】
例えば、特開平11−247183号公報には、鋼管杭の先端に翼を設け、回転圧入装置のトルクを鋼管杭内の先端近傍に伝達し、鋼管杭を回転圧入する工法が記載されている。
【0004】
さらに、鋼管杭の先端に同様の翼を設けたものとしては、例えば特開2000−73365号公報記載の回転圧入工法などもある。
【0005】
この他、特開2001−248157号公報には、中空コンクリート杭の先端に、円錐形の外径を有し、外周面に螺旋翼を設けた杭推進体を取り付け、この杭推進体を杭の軸芯を中心として回転自在としたものが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特開平11−247183号公報、特開2000−73365号公報に記載されたものは、いずれも既製杭全体を回転させて地盤中に建て込むものであり、地盤からの抵抗等を考えた場合、非常に大きな回転力を必要とし、回転圧入装置やその付帯設備に多大な費用を必要とする。また、翼等を杭と一体化しているため、その加工コストも高くつく。
【0007】
特開2001−248157号公報記載のものは、既製杭の先端に設けた杭推進体が既製杭軸回りに回転自在となっており、回転圧入装置に要求される回転力そのものは上述の他の形式と比べ小さいが、杭と一体となるように取り付けられたものであり、その取付け構造が複雑となる他、杭推進体を単独で回転させる場合と比べるとやはり大きな回転力を必要とする。
【0008】
本願発明の基礎杭の施工方法および基礎杭用先端シューは、上述のような従来技術における課題の解決を図ったものであり、杭本体と分離された先端シューを回転圧入しながら、杭本体をそれに追従させて建て込めるように構成することで、より小さい回転力で、低振動、低騒音の効率の良い安価な基礎杭の施工を可能とすることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に係る発明は、中空既製杭からなる杭本体の下端部に先端シューが設置される基礎杭の施工方法であって、前記先端シューとして、前記杭本体と別体に製作され、上部に該杭本体の下端部が載置される載置部と該杭本体の下端部を該載置部に案内するガイド部が形成され、表面に1または複数の翼または掘削刃が設けられている先端シューを用い、回転ロッドを前記杭本体の中空部を通して前記先端シューに接続し、該回転ロッドを介して前記先端シューを地盤中に回転埋設させながら、該先端シューの埋設に追随させて前記杭本体を地盤中に建て込む際に、前記杭本体の下端部を、前記ガイド部内に前記載置部から離して位置させ、前記先端シューと前記杭本体の下端部との隙間から杭本体内に土砂を取り込みながら該杭本体の地盤中への建て込みを行い、所定の深度において該杭本体の下端部を前記先端シューの載置部に載置することを特徴とするものである。
【0010】
中空既製杭としては、鋼管杭、コンクリート杭、PC杭、PHC杭、鋼コンクリート複合杭などが挙げられる。
【0011】
先端シューとしては、外形が円錐形のいわゆるコーン形状のものが一般的であるが、必ずしもコーン形状のものに限定されず、下端が平坦なものであってもよい。材質としては、鋼製のものが望ましいが、必要な強度が得られるものであれば特に限定されない。
【0012】
翼は、従来の回転圧入杭のように螺旋状あるいは平板状のものなどを用いることができるが、先端シューの形状に応じて任意の形状のものが利用可能である。また、先端シューの形状によっては単に掘削刃としたり、あるいは翼と掘削刃を併用することもできる。先端シューを回転埋設するのに適したものであれば、特に限定されない。この翼が土砂を上方に押し上げるので、土砂を杭本体内に効率的に取り込むことができる。
【0013】
回転埋設装置の回転ロッドと先端シューとは、例えば先端シューに設けたロッド接続部とロッドとを接続すればよく、ロッドの動きに応じて回転、上下動するようにしておくのがよい。
【0014】
本願発明では、このような構成において、先端シューが杭本体と分離されているため、先端シューのみを回転させて、杭本体は回転させずに施工を行うことができる。そのため、杭本体を回転させる場合の地盤抵抗を考慮する必要がなく、杭本体は先端シューに追随させて埋設させるか、あるいは地盤が柔らかい部分については自重で沈設させることもでき、小さいエネルギーで杭の建込みを行うことができる。
【0015】
なお、本願発明では、先端シューを杭本体と分離して回転させることができればよく、必要であれば、例えば杭本体を先端シューと逆向きに回転させながら施工するといったことも可能である。
【0016】
請求項2は、請求項1に係る基礎杭の施工方法において、前記ガイド部が前記先端シューの載置部に設けられた前記杭本体の下端部の外径より大きい内径を有する筒状部材により形成されている場合を限定したものである。
また、請求項3は、請求項1または2に係る基礎杭の施工方法において、前記筒状部材に孔が設けられている場合を限定したものである。
【0017】
本願発明では、先端シューが杭本体と別体となっており、施工においても先端シューを先行させて回転埋設させるなど、先端シューと杭本体との間に隙間が生じるのが一般的であるが、先端シューと杭本体とが離れても、杭の下端部を先端シューの載置部に載置することができるようにガイド部を設けることとした。
【0018】
先端シューの回転埋設、杭本体の埋設の際、これらの間にわずかな隙間があれば杭本体内に土砂を取り込むことができ、請求項2では先端シューのガイド部としての筒状部材の内径を杭本体の下端部の外径より大きく設定することとした。
請求項3の場合、ガイド部を構成する筒状部材に孔が設けられているため、杭本体の先端部を筒状部内に位置させたまま、それらの位置関係を相対的に上下させるだけで自在に孔の開閉を行うことができ、杭本体内への土砂の取り込み量を変更させることができる。
【0019】
杭本体は建込み完了時においては、先端シューの載置部に載置されることで、先端開放の場合であっても先端シューによって、径に見合った先端支持力が得られる。
【0020】
一方、先端シューの回転埋設、杭本体の埋設(通常、非回転)の際、わずかな隙間があれば杭本体内に土砂を取り込むことができるため、杭本体の下端部を先端シューのガイド部内に位置させた状態で地盤中への建て込みを行い、所定の深度において下方に押圧するなどして杭本体の下端部を先端シューの載置部に載置することとした。
【0021】
本願の請求項4に係る発明は、中空既製杭からなる杭本体の下端部に先端シューが設置される基礎杭の施工方法であって、前記先端シューとして、前記杭本体と別体に製作され、上部に該杭本体の下端部が載置される載置部と該杭本体の下端部を該載置部に案内する離散的に配置された複数のガイド部が形成され、表面に1または複数の翼または掘削刃が設けられている先端シューを用い、回転ロッドを前記杭本体の中空部を通して前記先端シューに接続し、該回転ロッドを介して前記先端シューを地盤中に回転埋設させながら、該先端シューの埋設に追随させて前記杭本体を地盤中に建て込む際に、前記先端シューと前記杭本体の下端部との隙間から杭本体内に土砂を取り込みながら該杭本体の地盤中への建て込みを行うことを特徴とするものである。
請求項4では、請求項1に係る発明とほぼ同様の効果に加え、ガイドを離散的に設けていることで、土砂が杭本体内に入りやすくなるという効果がある。
【0022】
また、請求項5は、請求項4に係る基礎杭の施工方法において、前記載置部に杭本体の下端部の外径より大きい内径を有する筒状部が形成されており、前記ガイド部が該筒状部の上部に複数、離散的に設けられている場合を限定したものである。
請求項5では、載置部に杭本体の下端部の外径より大きい内径を有する筒状部が形成されていることによって、載置部と杭本体の下端部との間の距離を容易に変更させることができ、この筒状部の上部に複数のガイド部を離散的に設けたことにより、杭本体の下端部を筒状部より上方に分離させた場合でも円滑に適正な位置に戻すことができる。
また、請求項6は、請求項4または5に係る基礎杭の施工方法において、前記ガイド部が該先端シューの表面に設けられた複数の翼の上部によって形成されている場合を限定したものである。
【0023】
請求項は、請求項1〜に係る基礎杭の施工方法において、前記回転ロッドとして、外周面に前記杭本体の中空部の径より外径が小さいスクリュー翼を有するスクリューロッドを用いることを限定したものである。
【0024】
前記先端シューの回転埋設時の地盤土砂の流入を利用して該先端シューと前記杭本体の下端部との隙間から杭本体内に土砂を取り込み、該土砂を前記スクリュー翼により杭本体内で上昇させながら該杭本体の建込みを行うことができる。
【0025】
先端シューと杭本体を分離し、これらの間に隙間が生じる状態、あるいは大きく離れた状態で施工を行うことで、先端シューによって掘削され、押しやられた土砂等が杭本体内に流入し、これを回転ロッドのスクリュー翼で上方に押し上げることができる。なお、この場合、スクリュー翼で押し上げた土砂を杭本体内にとどめ、地表に排出しなくてもよいし、通常の中掘り工法のように、杭本体の上方から外に排出してもよい。
【0026】
なお、通常の中掘り工法では、中空杭先端をセメントミルク等で根固めする必要があるので、砂礫地盤で流水があるような地盤では根固めの信頼性が低下してしまうという問題点があるが、本願発明の方法によれば、前述のように土砂を杭本体の上方から排出することも可能なだけでなく、埋設後に先端シューが杭の先端を塞ぐので、どのような地盤においても信頼性の高い基礎杭を施工することができる。
【0027】
請求項は、請求項1〜に係る基礎杭の施工方法において、前記回転ロッド内部を通じて、前記先端シューにエア、水またはセメントミルク等の気体または流体を圧送し、該先端シューに設けた噴出口より地盤中に前記気体または流体を噴出させながら先端シューの回転埋設を行う場合を限定したものである。
【0028】
先端シュー部分からエア、水またはセメントミルク等の気体または流体を噴出させながら先端シューの回転を行うことで、先端シューの埋設および杭本体の建込みがさらに容易となる。通常は、回転ロッドの中空部を利用して先端シューにこれらの気体または流体を送り込み、先端シュー部分の噴出口からこれらを噴出する構成となる。
【0029】
先端シューのガイド部と杭本体下端部の外周面との間および先端シューの載置部と杭本体の下端面との間にそれぞれ適当な隙間があれば、回転ロッドのスクリュー翼の機能を利用して土砂の取り込みをスムーズに行うことができる。
【0030】
以上のように、本願発明の方法を用いれば、例えば地盤が軟らかい部分では分離の度合いを小さくし、地盤が硬く入り難い時や貫入速度を上げたい時には、杭の下端と先端シューの載置部または筒状部やガイド部の上端とが離れるようにしたり、加えてエア、水等を吐出する等の手段を併用することにより、杭の貫入性が大きく向上する。
【0031】
また、先端シューの上端と杭本体の下端とが鉛直方向に分離した後でも、うまく載置部に載置することができるように翼の上方を筒状部の上方に伸ばして設置するようにしておくとガイド部として機能させることができる(例えば図4(b) 参照)。なお、翼の上方にガイド部を設けてもよい。
【0032】
請求項に係る発明は、杭本体と別体に製作される基礎杭用先端シューであって、該先端シューの上部に、中空の杭本体の下端部が載置される載置部と、回転埋設装置の回転ロッドを接続するためのロッド接続部と、前記杭本体の下端部を前記載置部に案内する前記杭本体の下端部の外径より大きい内径を有する筒状部材からなるガイド部が形成され、表面に1または複数の翼または掘削刃が設けられ、前記筒状部材に孔が設けられていることを特徴とするものである。
【0033】
請求項は、杭本体と分離した先端シューの構造として、請求項3に係る基礎杭の施工方法に適した先端シューの形態を与えたものであり、このような先端シューを用いることにより、上述の施工方法における効果が期待できる。また、杭本体と分離された部材であるため、加工も容易であり、また杭本体側の特別な加工も必要ないため、全体コストを大幅に低減させることができ、杭本体、先端シュー等の現場への搬入納期を短縮できるという利点もある。
【0034】
請求項10に係る発明は、杭本体と別体に製作される基礎杭用先端シューであって、該先端シューの上部に、中空の杭本体の下端部が載置される載置部と、回転埋設装置の回転ロッドを接続するためのロッド接続部と、前記杭本体の下端部を前記載置部に案内する離散的に配置された複数のガイド部が形成され、表面に1または複数の翼または掘削刃が設けられていることを特徴とするものである。
【0035】
請求項10は、杭本体と分離した先端シューの構造として、請求項4に係る基礎杭の施工方法に適した先端シューの形態を与えたものであり、ガイド部は杭本体の下端部を載置部に案内できればどのような形状でもよいが、先端シューの上部に複数のガイドを離散的に設ければ土砂が杭本体内に入りやすくなる。
【0036】
請求項11は、請求項10に係る基礎杭用先端シューにおいて、前記載置部に杭本体の下端部の外径より大きい内径を有する筒状部が形成されており、前記ガイド部が該筒状部の上部に複数、離散的に設けられている場合を限定したものである。
【0037】
載置部に杭本体の下端部の外径より大きい内径を有する筒状部が形成されていることによって、載置部と杭本体の下端部との間の距離を容易に変更させることができる。この筒状部の上部にガイド部を離散的に設けることにより、杭本体の下端部を筒状部より上方に分離させた場合でも円滑に適正な位置に戻すことができる。
【0038】
また、この筒状部に孔を設けておけば、杭本体の先端部を筒状部内に位置させたまま、それらの位置関係を相対的に上下させるだけで自在に孔の開閉を行うことができ、杭本体内への土砂の取り込み量を変更させることができる。
【0039】
請求項12は、請求項10または11に係る基礎杭用先端シューにおいて、前記ガイド部が該先端シューの表面に設けられた複数の翼の上部によって形成されている場合を限定したものである。
【0040】
ガイド部の形状としては、杭本体の下端部を案内するため、円筒状のものでもよいが、先端シューの外周面に翼が複数設けられる場合には、これらの配置を工夫することで、翼によるガイド部を形成することもできる。
【0041】
また、その場合、翼間に隙間があるため、杭本体下端部の外周面との間の間隔が小さくても、杭本体内への土砂の取り込みがスムーズであるという利点も得られる。
【0042】
【発明の実施の形態】
図1は、本願発明の基本概念を示す図として最も代表的な形態を概略的に示したものである。すなわち、図1の例では、鋼管杭などの中空既製杭からなる杭本体1の下端部に、円錐形の先端シュー2を設置して基礎杭の建て込みを行う。
【0043】
本願発明では先端シュー2を杭本体1と分離しており、先端シュー2に杭本体1の中空部を通した回転埋設装置の回転ロッド7を接続し、回転ロッド7で直接先端シュー2を回転させながら先端シュー2を地盤中に貫入して行く。
【0044】
一方、杭本体1は埋設される先端シュー2に追随させる形で、基本的には回転させずに先端シュー2に案内される形で、必要に応じ押圧力を加えながら地盤中に建て込んで行く。
【0045】
そのため、先端シュー2の外周面には例えば螺旋状に配置した1または複数の翼6(通常は複数)が取り付けられ、地盤内にねじ込むように貫入できるようになっている。
【0046】
また、先端シュー2の上部には、鋼板等からなる載置部3、回転ロッド7の先端部を嵌合して回転ロッド7の回転力を伝達する孔型あるいはクラッチ状のロッド接続部4が形成されており、さらに鋼管等からなる筒状部5が形成されている。
【0047】
杭本体の先端は、管を厚くする、リブを取り付ける、ドーナツ状の板を取り付けるなどにより補強してもよい。
【0048】
さらに、代表的な形態として、円錐形すなわちコーン形状の先端シュー2の先端部から上方へ立ち上がる上記筒状部5の内径を、杭本体1の下端部の外径より所定寸法大きくとり、隙間Cが生ずるようにしている。
【0049】
この隙間Cは、載置しやすさ、土砂の流入量等を考慮して、適宜決定すればよく、先端シュー2に追随して地盤中に建て込まれる杭本体1の中空部内に土砂を取り込む際の土砂の流入経路を構成する。
【0050】
ただし、基礎杭が建て込まれる地盤の土質や性状によって、隙間Cの最適な寸法も変わってくる。一般的には軟弱な地盤では隙間Cが小さくてよく、固い地盤あるいは土粒子の大きい地盤では隙間Cを大きくとることが望ましい。
【0051】
回転ロッド7の外周にはスクリュー翼8が螺旋状に設けられており、杭本体1の下端部から取り込まれた土砂をスクリュー翼8が順次上方へ押しやることで、地盤から受ける抵抗が小さくなり、杭本体1の建込みがスムーズとなる。
【0052】
図2は、図1の形態における施工手順の一例を概略的に示したもので、回転ロッド7を介して先端シュー2を回転貫入しながら、これに追随させる形で杭本体1を回転させずに建て込んで行く(図2(a) 参照)。
【0053】
このとき、先端シュー2の先端部に設けた噴出口からは、必要に応じ、エアまたは水11などを噴出させ、先端シュー2の回転貫入、杭本体1の建て込みがスムーズに行なえるようにする。
【0054】
また、先端シュー2の筒状部5の内面と杭本体1外周面との間の隙間、および先端シュー2の載置部3と杭本体1の下端面との間の隙間を通じて地盤内の土砂10(翼6や掘削刃で掘削されたり、エアや水で粒子が分散された状態の土砂)が杭本体1内に流入し、回転ロッド7のスクリュー翼8で上方へ押し上げられる。
【0055】
先端シュー2が所定の深度まで達したら、回転ロッド7をロッド接続部4から引き抜き、回転させながら引き上げる(図2(b) 参照)。
【0056】
一方、杭本体1を押し下げ、その下端部が先端シュー2の載置部3に載るようにして、先端シュー2の面積に応じた先端支持力を発揮できるようにする。
【0057】
回転ロッド7が引き上げられ、杭本体1が先端シュー2の載置部3に載置された状態で基礎杭として機能させる(図2(c) )。なお、回転ロッド7を引き上げる前に、回転ロッド7の中空部から先端シュー2内を通じて、先端シュー2の先端部からセメントミルク等の硬化材を注入しておくことで、杭先端部の根固めを行うこともできる。
【0058】
先端シューと杭本体との分離の度合い(相対的な位置関係)を変更するには、例えば次のようにすればよい。回転ロッドが接続された回転装置と、杭本体上部との間に油圧ジャッキ等を設置する。このとき、回転装置と先端シューとは回転ロッドにより接続されており、その距離は一定なので、この油圧ジャッキのストロークを調整することにより、杭本体を回転装置に対して相対的に上下動させることができる。
【0059】
図3は、本願発明の基礎杭用先端シュー2の一実施形態として、先端シュー2の外周面に3枚の翼6と複数の掘削刃9を取り付けたものを示したものである。
【0060】
本実施形態では、図3(a) に示すように中空円錐形の鋼製先端シュー2本体部分の上端に、回転ロッド7を嵌合するためのロッド接続部4を形成した載置部3としての円盤状の鋼板を溶接等により接合し、さらに載置部3を取り巻くように鋼管からなる筒状部5を溶接等により接合している。
【0061】
また、底面側には図3(c) に示すように、エア、水あるいはセメントミルクを噴出させるための噴出口12,13が複数形成されている。
【0062】
図4は、先端シュー2の他の実施形態として、先端シュー2の外周面に4枚の翼6と複数の掘削刃9を取り付けた場合を示したものである。
【0063】
この例では、翼6が鋼管からなる筒状部5の上方まで突出しており、翼6の上部がガイド部として機能する。また、以上の2例では翼がほぼ筒状部5の外周部分に溶接されているが、先端のコーン部分に溶接してもよい。また、鋼管からなる筒状部を設けず、翼6のみでガイド部を形成させることもできる。
【0064】
また、地盤への嵌入抵抗が小さいということでは、先端シュー2の本体をこれらの実施形態のようにコーン形状とすることが望ましいが、先端シュー2全体が円筒状等、他の形態であってもよい。
【0065】
【発明の効果】
本願発明では、先端シューが杭本体と分離されているため、先端シューのみを回転させて、杭本体を回転させずに施工を行うことができる。そのため、杭本体を回転させる場合の地盤抵抗を考慮する必要がなく、杭本体は先端シューに追随させて埋設するか、あるいは地盤が柔らかい部分については自重で沈設させることもでき、小さいエネルギーで杭の建込みを行うことができる。
【0066】
分離した先端シューと杭本体との間の隙間を所定間隔以上確保することで、施工時に土砂を杭本体内に取り込み、回転ロッドのスクリュー翼で上方に押し上げることで、さらに杭本体の建て込みを容易にすることができる。
【0067】
先端シューが杭本体と分離されていることで、先端シュー自体の製作や取扱いが容易である他、杭本体も特別な加工が必要なくなるため、先端シューと杭本体を一体化したものに比べ、非常に経済的であり、先端シューと杭本体の施工現場への納期を大幅に短縮させることができる。
【0068】
施工完了状態においては、杭本体の下端部が先端シューの載置部に載置されることで、先端シューの径に応じた先端支持力が得られ、先端シューの翼により地盤の大きな支持力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の基本概念を示す図である。
【図2】 本願発明の基礎杭の施工方法の一実施形態における施工手順の一例を概略的に示した断面図である。
【図3】 本願発明の基礎杭用先端シューの一実施形態を示したもので、(a) は平面図、(b) は正面図、(c) は底面図である。
【図4】 本願発明の基礎杭用先端シューの他の実施形態を示したもので、(a) は平面図、(b) は正面図、(c) は底面図である。
【符号の説明】
1…杭本体、2…先端シュー、3…載置部、4…ロッド接続部、5…筒状部、6…翼、7…回転ロッド、8…スクリュー翼、9…掘削刃、10…土砂、11…エアまたは水、12,13…噴出口

Claims (12)

  1. 中空既製杭からなる杭本体の下端部に先端シューが設置される基礎杭の施工方法であって、前記先端シューとして、前記杭本体と別体に製作され、上部に該杭本体の下端部が載置される載置部と該杭本体の下端部を該載置部に案内するガイド部が形成され、表面に1または複数の翼または掘削刃が設けられている先端シューを用い、回転ロッドを前記杭本体の中空部を通して前記先端シューに接続し、該回転ロッドを介して前記先端シューを地盤中に回転埋設させながら、該先端シューの埋設に追随させて前記杭本体を地盤中に建て込む際に、前記杭本体の下端部を、前記ガイド部内に前記載置部から離して位置させ、前記先端シューと前記杭本体の下端部との隙間から杭本体内に土砂を取り込みながら該杭本体の地盤中への建て込みを行い、所定の深度において該杭本体の下端部を前記先端シューの載置部に載置することを特徴とする基礎杭の施工方法。
  2. 前記ガイド部が前記先端シューの載置部に設けられた前記杭本体の下端部の外径より大きい内径を有する筒状部材により形成されていることを特徴とする請求項記載の基礎杭の施工方法。
  3. 前記筒状部材に孔が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の基礎杭の施工方法。
  4. 中空既製杭からなる杭本体の下端部に先端シューが設置される基礎杭の施工方法であって、前記先端シューとして、前記杭本体と別体に製作され、上部に該杭本体の下端部が載置される載置部と該杭本体の下端部を該載置部に案内する離散的に配置された複数のガイド部が形成され、表面に1または複数の翼または掘削刃が設けられている先端シューを用い、回転ロッドを前記杭本体の中空部を通して前記先端シューに接続し、該回転ロッドを介して前記先端シューを地盤中に回転埋設させながら、該先端シューの埋設に追随させて前記杭本体を地盤中に建て込む際に、前記先端シューと前記杭本体の下端部との隙間から杭本体内に土砂を取り込みながら該杭本体の地盤中への建て込みを行うことを特徴とする基礎杭の施工方法。
  5. 前記載置部に杭本体の下端部の外径より大きい内径を有する筒状部が形成されており、前記ガイド部が該筒状部の上部に複数、離散的に設けられていることを特徴とする請求項4記載の基礎杭の施工方法。
  6. 前記ガイド部が該先端シューの表面に設けられた複数の翼の上部によって形成されていることを特徴とする請求項4または5記載の基礎杭の施工方法。
  7. 前記回転ロッドとして、外周面に前記杭本体の中空部の径より外径が小さいスクリュー翼を有するスクリューロッドを用い、前記先端シューの回転埋設時の地盤土砂の流入を利用して該先端シューと前記杭本体の下端部との隙間から杭本体内に土砂を取り込み、該土砂を前記スクリュー翼により杭本体内で上昇させながら該杭本体の建込みを行うことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の基礎杭の施工方法。
  8. 前記回転ロッド内部を通じて、前記先端シューにエア、水、またはセメントミルク等の気体または流体を圧送し、該先端シューに設けた噴出口から地盤中に前記気体または流体を噴出させながら先端シューの回転埋設を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の基礎杭の施工方法。
  9. 杭本体と別体に製作される基礎杭用先端シューであって、該先端シューの上部に、中空の杭本体の下端部が載置される載置部と、回転埋設装置の回転ロッドを接続するためのロッド接続部と、前記杭本体の下端部を前記載置部に案内する前記杭本体の下端部の外径より大きい内径を有する筒状部材からなるガイド部が形成され、表面に1または複数の翼または掘削刃が設けられ、前記筒状部材に孔が設けられていることを特徴とする基礎杭用先端シュー。
  10. 杭本体と別体に製作される基礎杭用先端シューであって、該先端シューの上部に、中空の杭本体の下端部が載置される載置部と、回転埋設装置の回転ロッドを接続するためのロッド接続部と、前記杭本体の下端部を前記載置部に案内する離散的に配置された複数のガイド部が形成され、表面に1または複数の翼または掘削刃が設けられていることを特徴とする基礎杭用先端シュー。
  11. 前記載置部に杭本体の下端部の外径より大きい内径を有する筒状部が形成されており、前記ガイド部が該筒状部の上部に複数、離散的に設けられていることを特徴とする請求項10記載の基礎杭用先端シュー。
  12. 前記ガイド部が該先端シューの表面に設けられた複数の翼の上部によって形成されていることを特徴とする請求項10または11記載の基礎杭用先端シュー。
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