JP3932978B2 - 杭 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、先端部に翼を有する地盤に回転貫入可能な既製杭を用いた杭の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
既製杭を低振動、低騒音で地盤中に建て込む工法の一つとして回転圧入装置を用いた回転圧入工法があり、既製杭先端部の翼の構造や、建込みを容易にするための先端シューの構造、回転圧入装置等について種々の発明がなされている。
【0003】
例えば、特開昭59−192125号公報には既製コンクリート杭の先端部に1〜数枚の螺旋状のブレイドを設けたものが記載されている。
【0004】
また、特許第2709445号公報には、杭先端部外周に、略半周分を単位とする螺旋状の掘進翼を回転方向に対して互いにずらして設け、掘進翼の端部どうしが杭軸方向に見てオーバーラップするように多重に配した鋼管杭が記載されている。
【0005】
特開平11−247183号公報には、鋼管杭の先端に翼を設け、回転圧入装置のトルクを鋼管杭内の先端近傍に伝達し、鋼管杭を回転貫入させる工法が記載されている。
【0006】
この他、特開2001−248157号公報には、中空コンクリート杭の先端に、外周面に螺旋翼を設けた円錐形の杭推進体を取り付け、この杭推進体を杭の軸芯を中心として回転自在としたものが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
翼を有する既成杭の回転貫入においては、硬い地盤での長時間の回転貫入によって翼の鋼材が磨耗しやすい。翼が磨耗すると、期待した杭支持能力が得られないという問題がある。
【0008】
このような問題に対処する手段として、従来、翼の始端部に超硬チップを貼り付けたりしているが、コスト増となる他、翼の始端部以外についてはすり減りを必ずしも十分抑制することができない。
【0009】
本願発明は上述のような課題の解決を図ったものであり、杭先端部にコーン部とそれに続く筒状部とからなる先端シューを設け、先端シューに取り付けた翼の形態を工夫することで、翼の磨耗を安価に効率良く抑制することができ、削った土をスムーズに上に押し上げることのできる杭の構造を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に係る発明は、杭先端部に先端シューを設けた杭において、前記先端シューは杭の貫入方向に径が小さくなるコーン部とそれに続く筒状部とからなり、前記先端シューの外周に杭の軸方向に対し所定の角度で傾斜させた複数の翼が同じ高さに設けられており、前記杭の軸方向と前記翼の翼始端部における翼の長手方向とのなす鋭角側の角度を、前記杭の軸方向と翼の一般部における翼の長手方向とのなす鋭角側の角度よりも小さくしてあり、前記翼始端部を前記コーン部に取り付け、前記一般部を前記筒状部に取り付けてあることを特徴とするものである。
【0011】
なお、ここで翼の始端部とは、翼を構成する部分のうち、杭の貫入方向側の部分の意味である。また、翼一般部の取り付け角度が変化する場合には、翼一般部と翼始端部との境界位置においてこの条件を満足するように取り付けられていればよい。
【0012】
本願発明における翼が設けられた杭としては、主として鋼管杭を対象としているが、コンクリート杭、PC杭、PHC杭、鋼コンクリート複合杭などにも適用可能である。
【0013】
杭先端部の先端シュー材質としては鋼製のものが望ましいが、必要な強度が得られるものであれば特に限定されない。
【0014】
本願発明では、このような翼を有する杭について、翼始端部における杭の軸方向と翼の取り付け方向とのなす角度を翼一般部より小さくしてあることで、翼の磨耗を翼始端部で止めることができ、翼一般部のすり減りを抑制することができる。
【0015】
さらに、このような翼が形成されていることにより構造耐力が向上するので、翼一般部の板厚を低減することができる。また、同じ板厚であれば支持力が向上する。
【0016】
翼としては、通常、鋼材を用い、鋼管杭の場合には杭本体に溶接等により取り付けることができる。回転による地盤への貫入を容易にするためには、従来の回転貫入用の杭の場合と同様、螺旋状のものを用いてもよいし、平板を用いてもよい。
【0017】
杭先端部における翼の枚数は、2枚以上とし、杭径が大きい場合には枚数を増加させる場合が多い。また、1つの連続する翼でなく複数列の並列する配置にしたことで翼を杭先端部の短い区間に収めることができる。また、複数の翼を用いると土の逃げ道が多くなるので貫入性が高くなる。
【0018】
なお、翼による確実な先端支持力を期待するためには、隣り合う翼の始端側と終端側が杭軸方向に見てオーバーラップしていることが望ましい。
【0019】
翼始端部は、一例として翼一般部の取り付け角度(巻き付け角度)が杭軸方向に対して80°の場合において、杭軸方向に対して45〜75°程度とすることができるが、翼一般部の取り付け角度自体、地盤条件や施工条件によって変わり、また杭径や翼の径なども考慮する必要がある。基本的には杭を回転させながら地盤に貫入させて行く場合において、翼始端部が磨耗しても、翼一般部の磨耗によるすり減りができるだけ小さくなるように決定することができる。
【0020】
この翼始端部はプレス等により翼一般部と一体に成形することもできる。例えば、翼始端部から翼一般部にかけて杭軸方向となす角度が漸増するようにしたり、翼始端部と翼一般部を別体とし、それぞれ平板状のものを先端シューに取り付けることもできる。
【0021】
さらに、前述のように先端支持力の増大を期待する観点からは、隣り合う翼の終端部と始端部を杭軸方向に見てオーバーラップさせることが望ましく、その場合、終端部についても翼の杭軸方向となす角度を掘削翼一般部の取り付け角度より小さくすることで、回転貫入時の翼間での土砂の詰まりを生じ難くさせることができる。
【0022】
本発明では、杭先端部にコーン部を形成させることで杭の貫入性が高まるが、コーン部の高さは杭径の1.5倍以下程度が望ましい。コーン部の高さが高いほど貫入しやすくなるが、先端支持力を発揮させ難くなる。逆に、コーン部の高さが低い場合は支持力を発揮させやすい。
【0023】
た、翼始端部がコーン部に形成されていることで、翼全体をより下方に位置させることができ、翼による杭支持能力の増大が期待できる。
【0024】
請求項2は、請求項1に係る杭において、前記翼始端部の翼の幅が、杭の貫入方向に向かって漸減していることを特徴とするものである。
【0025】
この場合、翼始端部の幅が貫入方向に向かって漸減しているので、貫入抵抗が小さくなり貫入性が高まる。また、外方向へ土を押し退ける力が働くので翼一般部の磨耗が減少する。
【0026】
なお、回転貫入される杭は、貫入が困難なときや仮設杭の場合には逆回転させて引き抜く場合もあるので、引き抜きを容易にするために翼の終端側についてもその幅が貫入方向と逆方向に漸減するようにしてもよい。
【0027】
請求項3は、請求項1または2に係る杭において、翼始端部と翼一般部を別体とし、それぞれ平板状のものを先端シューに取り付けてある場合を限定したものである。
【0028】
請求項4は、請求項1、2または3に係る杭において、先端シューが杭本体と分離されていることを特徴とするものである。
【0029】
請求項4に係る発明では、先端シューが杭本体と分離されているため、先端シューのみを回転させて、杭本体は回転させずに施工を行うことができる。そのため、杭本体を回転させる場合の地盤抵抗を考慮する必要がなく、杭本体は先端シューに追随させて埋設させるか、あるいは地盤が柔らかい部分については自重で沈設させることもでき、小さいエネルギーで杭の建込みを行うことができる。
請求項5は、請求項4に係る杭において、前記翼が前記先端シューの上端部より上方まで延び、該翼の上部が分離された杭本体のガイド部として機能していることを特徴とするものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は、本願発明の杭の一実施形態における既製杭先端部の構造を示したもので、この例では、鋼管杭である杭本体1の先端部に、円錐形のコーン部とそれに続く筒状部とからなり3枚の翼6を有する鋼製の先端シュー2を取り付けることで、地盤への回転貫入を可能としている。
【0031】
先端シュー2の外周面に溶接された3枚の翼6については、コーン部に位置する翼始端部6aの杭軸方向となす角度が筒状部に位置する中間の翼一般部の取り付け角度より小さく、すなわち施工状態における水平面に対する翼始端部の上昇角度が中間の掘削翼一般部の上昇角度より大きくなっている。また、翼始端部6aの幅は杭の貫入方向に漸減していることで貫入抵抗を小さくしている。さらに、終端側にも杭軸方向となす角度が翼一般部の取り付け角度より小さい翼終端部6bが形成されている。
【0032】
例えば、先端シュー2の外周面に溶接された3枚の翼6の一般部の取り付け角度を約80°(上昇角度を約10°)とした場合において、始端部6a、終端部6bの杭軸方向となす角度を約60°(上昇角度を約30°)とする設計が考えられる。
【0033】
なお、この例では始端部6aおよび終端部6bとして、翼6の一般部と別体の平鋼板を加工した鋼材を用いているが、後述する図6、図7のように翼6の一般部と連続する一体のものでもよい。
【0034】
翼始端部6aの杭軸方向となす角度を一般部の取り付け角度(杭軸方向と翼長手方向とのなす鋭角側の角度)より小さくしたことで、始端部6aから地盤に食い込ませながら回転貫入が行われ、始端部6aでの磨耗は生ずるが、翼6の一般部の磨耗を抑えることができる。さらに、始端部6aの幅が杭貫入方向に向かって漸減する形態であるため、回転貫入における地盤の抵抗を小さく抑えることができる。
【0035】
また、翼終端部6bについては、杭軸方向に見て隣り合う翼始端部6aと翼終端部6bがオーバーラップするようになっており、かつ翼終端部6bの杭軸方向となす角度が翼一般部の取り付け角度より小さくなっている。
【0036】
隣り合う翼始端部6aと翼終端部6bがオーバーラップするようにしたことで、翼6による確実な先端支持力が期待される。一方、オーバーラップ長が大きすぎると始端部6aと終端部6bが上下方向にオーバーラップする位置で土砂が詰まりやすくなり杭の貫入に支障が生ずる可能性があるが、終端部6bの杭軸方向となす角度を小さくすることで、土砂の詰まり等による貫入機能の低下を防止することができる。
【0037】
図中、符号9はコーン部に溶接した鉄筋であり、この鉄筋も螺旋状に配置することで貫入抵抗を小さくすることができる。また、符号12は噴出口であり、掘削の際にエアおよび/または水を噴出させて掘削を容易にしたり、所定の深さまで貫入した杭の先端部根固めのためのセメントミルク等、硬化性充填材の注入に使用することができる。
【0038】
本願発明の杭において構造耐力が上昇することに関し、表1に示す構造の杭について、翼始端部を設けた場合と設けなかった場合の最大耐力を次のようにして評価した。
【0039】
【表1】
Figure 0003932978
【0040】
円周方向に90°の角度で広がる翼を4枚(90°×4=360°)設けることとし、図2(a) に示すように翼始端部を設けない場合(比較例)と、図2(b)に示すように翼始端部を設けた場合(本発明)を比較の対象とした。
【0041】
解析条件として、図3に示すように、杭軸部の受ける荷重を鋼管部への集中荷重Pによる軸力として導入し、翼部には外周方向に向けて漸減する分布荷重qを導入し、隣り合う翼がオーバーラップした場合には、その部分には荷重を導入しなかった。
【0042】
図4は、荷重と翼外周の変位との関係を示す図であり、翼始端部を設けた場合(本発明)には、翼始端部を設けなかった場合(比較例)に比べて変位が小さく、構造耐力が向上していることが分かる。
【0043】
また、図5は、等価ひずみが15%に達した時点を最大耐力として評価したグラフである。翼始端部を設けると最大耐力が大きくなることが分かる。
【0044】
図6は、本願発明の杭の他の実施形態における先端シュー2の一形態を示したもので、先端シュー2の外周面に3枚の翼6と複数の掘削刃9を取り付けてある。本実施形態は、請求項4にも対応するものであり、先端シュー2は杭本体と分離されている。
【0045】
すなわち、図6(a) に示すように中空円錐形の鋼製先端シュー2本体部分の上端に、回転ロッド7を嵌合するためのロッド接続部4を形成した載置部3としての円盤状の鋼板を溶接等により接合し、さらに載置部3を取り巻くように鋼管からなる筒状部5を溶接等により接合している。
【0046】
また、底面側には図6(c) に示すように、エア、水あるいはセメントミルク等を噴出させるための噴出口12,13が複数形成されている。
【0047】
図7は、同様に請求項4に対応する先端シュー2の他の形態として、先端シュー2の外周面に4枚の翼6と複数の掘削刃9を取り付けた場合を示したものである。本実施形態は、請求項5にも対応するものである。
【0048】
この例では、翼6が鋼管からなる筒状部5の上方まで突出しており、翼6の上部が分離された杭本体のガイド部として機能する。また、以上の例では翼6がほぼ筒状部5の外周部分に溶接されているが、先端のコーン部分に溶接してもよい。また、鋼管からなる筒状部を設けず、翼6のみでガイド部を形成させることもできる。
【0049】
図8に示すように、翼とは別にガイド部材14を設けてもよい。このようにガイド部を設けることによって、分離した杭本体1の下端を先端シュー2または先端シュー2上の鋼管部内に円滑に戻すことができる。取り付けるガイド部材14の数や高さは分離の度合いに基づいて決定すればよい。
【0050】
図9は、本願の請求項4に係る発明の基本概念を示す図として最も代表的な形態を概略的に示したものである。すなわち、鋼管杭などの中空既製杭からなる杭本体1の下端部に、円錐形のコーン部とそれに続く筒状部とからなる先端シュー2を設置して基礎杭の建て込みを行う。
【0051】
請求項4では先端シュー2を杭本体1と分離しており、先端シュー2に杭本体1の中空部を通した回転埋設装置の回転ロッド7を接続し、回転ロッド7で直接先端シュー2を回転させながら先端シュー2を地盤中に貫入して行く。
【0052】
一方、杭本体1は埋設される先端シュー2に追随させる形で、基本的には回転させずに先端シュー2に案内される形で、必要に応じ押圧力を加えながら地盤中に建て込んで行く。
【0053】
また、先端シュー2の上部には、鋼板等からなる載置部3、回転ロッド7の先端部を嵌合して回転ロッド7の回転力を伝達する孔型あるいはクラッチ状のロッド接続部4が形成されており、さらに鋼管等からなる筒状部5が形成されている。
【0054】
杭本体の先端は、管を厚くする、リブを取り付ける、ドーナツ状の板を取り付けるなどにより補強してもよい。
【0055】
さらに、代表的な形態として、円錐形すなわちコーン形状の先端シュー2の先端部から上方へ立ち上がる上記筒状部5の内径を、杭本体1の下端部の外径より所定寸法大きくとり、隙間Cが生ずるようにしている。
【0056】
この隙間Cは、載置しやすさ、土砂の流入量等を考慮して、適宜決定すればよく、先端シュー2に追随して地盤中に建て込まれる杭本体1の中空部内に土砂を取り込む際の土砂の流入経路を構成する。
【0057】
回転ロッド7の外周にはスクリュー翼8が螺旋状に設けられており、杭本体1の下端部から取り込まれた土砂をスクリュー翼8が順次上方へ押しやることで、地盤から受ける抵抗が小さくなり、杭本体1の建込みがスムーズとなる。
【0058】
図10は、請求項4に係る杭の施工手順の一例を概略的に示したもので、回転ロッド7を介して先端シュー2を回転貫入しながら、これに追随させる形で杭本体1を回転させずに建て込んで行く(図10(a) 参照)。
【0059】
このとき、先端シュー2の先端部に設けた噴出口からは、必要に応じ、エアおよび/または水11などを噴出させ、先端シュー2の回転貫入、杭本体1の建て込みがスムーズに行なえるようにする。
【0060】
また、先端シュー2の筒状部5の内面と杭本体1外周面との間の隙間、および先端シュー2の載置部3と杭本体1の下端面との間の隙間を通じて地盤内の土砂10(翼6や掘削刃で掘削されたり、エアや水で粒子が分散された状態の土砂)が杭本体1内に流入し、回転ロッド7のスクリュー翼8で上方へ押し上げられる。
【0061】
先端シュー2が所定の深度まで達したら、回転ロッド7をロッド接続部4から引き抜き、回転させながら引き上げる(図10(b) 参照)。
【0062】
一方、杭本体1を押し下げ、その下端部が先端シュー2の載置部3に載るようにして、先端シュー2の面積に応じた先端支持力を発揮できるようにする。
【0063】
回転ロッド7が引き上げられ、杭本体1が先端シュー2の載置部3に載置された状態で基礎杭として機能させる(図10(c) )。なお、回転ロッド7を引き上げる前に、回転ロッド7の中空部から先端シュー2内を通じて、先端シュー2の先端部からセメントミルク等の硬化材を注入しておくことで、杭先端部の根固めを行うこともできる。
【0064】
また、杭の設置時に、最初から回転ロッド7を通じて先端シュー2からセメントミルクを出すようにすれば、杭の周辺がソイルセメント状になり、ソイルセメントと鋼管とからなる支持力の高い杭を得ることができる。
【0065】
先端シューと杭本体との分離の度合い(相対的な位置関係)を変更するには、例えば次のようにすればよい。回転ロッドが接続された回転装置と、杭本体上部との間に油圧ジャッキ等を設置する。このとき、回転装置と先端シューとは回転ロッドにより接続されており、その距離は一定なので、この油圧ジャッキのストロークを調整することにより、杭本体を回転装置に対して相対的に上下動させることができる。
【0066】
なお、図9、図10においては、翼始端部を示していないが、杭軸方向となす角度を翼一般部の取り付け角度より小さくすることと、翼6の始端部の幅が貫入方向に向かって漸減する構成およびその機能は図1、図6、図7の実施形態の場合と同様である。
【0067】
【発明の効果】
本願の請求項1に係る発明では、回転貫入可能な翼を有する既製杭について、翼始端部の杭軸方向となす角度を杭一般部の取り付け角度より小さくしてあることで、翼の磨耗を始端部で止めることができ、翼一般部の磨耗を抑制することができる。また、翼始端部を設けた場合、杭の構造耐力の上昇効果も得られる。
【0068】
また、杭先端部にコーン部を形成させることで既製杭の貫入性が高まる。なお、コーン部の高さは、杭径の1.0倍以下程度が望ましく、コーン部の高さが低い場合は支持力を発揮させやすい。
【0069】
さらに、翼始端部をコーン部に位置させていることで、翼全体をより下方に位置させることができ翼による杭支持能力の増大が期待できる。
【0070】
請求項2に係る発明では、翼始端部の幅を杭の貫入方向に向かって漸減させていることで、貫入抵抗を小さくし貫入性を高めるとともに、翼一般部での磨耗をさらに減少させることができる。
【0071】
請求項4に係る発明では、先端シューが杭本体と分離されているため、先端シューのみを回転させて、杭本体は回転させずに施工を行うことができる。そのため、杭本体を回転させる場合の地盤抵抗を考慮する必要がなく、小さいエネルギーで杭の建込みを行うことができる。
【0072】
請求項5に係る発明では、先端シューの上端部より上方まで延びた翼の上部が分離された杭本体のガイド部として機能する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の杭の一実施形態における既製杭先端部の構造を示したもので、(a) は正面図、(b) は底面図である。
【図2】 本願発明の杭における構造耐力の上昇を確認するための解析に用いた翼形状を示したもので、(a) が比較例の翼形状、(b) が本発明の翼形状である。
【図3】 図2の翼形状に対する解析条件としての荷重のかけ方を示した図である。
【図4】 解析結果としての荷重と翼外周の変位との関係を示すグラフである。
【図5】 解析結果を最大耐力として評価したグラフである。
【図6】 本願発明の杭の他の実施形態における既製杭先端部に用いた先端シューの構造を示したもので、(a) は平面図、(b) は正面図、(c) は底面図である。
【図7】 本願発明の杭のさらに他の実施形態における既製杭先端部に用いた先端シューの構造を示したもので、(a) は平面図、(b) は正面図、(c) は底面図である。
【図8】 本願発明の杭のさらに他の実施形態における既製杭先端部の構造を示す正面図である。
【図9】 本願の請求項4に係る杭についての基本概念を示す図である。
【図10】 本願の請求項4に係る杭についての施工手順の一例を概略的に示した断面図である。
【符号の説明】
1…杭本体、2…先端シュー、3…載置部、4…ロッド接続部、5…筒状部、6…翼、6a…翼始端部、6b…翼終端部、7…回転ロッド、8…スクリュー翼、9…掘削刃、10…土砂、11…エアまたは水、12,13…噴出口、14…ガイド部材

Claims (5)

  1. 杭先端部に先端シューを設けた杭において、前記先端シューは杭の貫入方向に径が小さくなるコーン部とそれに続く筒状部とからなり、前記先端シューの外周に杭の軸方向に対し所定の角度で傾斜させた複数の翼が同じ高さに設けられており、前記杭の軸方向と前記翼の翼始端部における翼の長手方向とのなす鋭角側の角度を、前記杭の軸方向と翼の一般部における翼の長手方向とのなす鋭角側の角度よりも小さくしてあり、前記翼始端部を前記コーン部に取り付け、前記一般部を前記筒状部に取り付けてあることを特徴とする杭。
  2. 前記翼始端部の翼の幅が、杭の貫入方向に向かって漸減していることを特徴とする請求項1記載の杭。
  3. 前記翼の翼始端部と一般部を別体とし、それぞれ平板状のものを前記先端シューに取り付けてあることを特徴とする請求項1または2記載の杭。
  4. 前記先端シュー杭本体と分離されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の杭。
    記載の杭。
  5. 前記翼が前記先端シューの上端部より上方まで延び、該翼の上部が分離された杭本体のガイド部として機能していることを特徴とする請求項4記載の杭。
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