JP2003342954A - 杭 - Google Patents
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- JP2003342954A JP2003342954A JP2002151452A JP2002151452A JP2003342954A JP 2003342954 A JP2003342954 A JP 2003342954A JP 2002151452 A JP2002151452 A JP 2002151452A JP 2002151452 A JP2002151452 A JP 2002151452A JP 2003342954 A JP2003342954 A JP 2003342954A
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- blade
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- blades
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 大きな支持能力を発揮することができ、かつ
削った土をスムーズに上に押し上げることができる貫入
性に優れた杭の構造を提供する。 【解決手段】 杭本体1の先端部に、円錐形のコーン部
と3枚の翼6を有する鋼製の先端シュー2を取り付け、
地盤への回転貫入を可能とする。先端シュー2の外周面
に溶接した複数の翼6の始端側に、杭の貫入方向に向か
って幅が漸減し、杭軸方向に対する角度が杭一般部より
小さい翼始端部6aを設ける。終端側には杭軸方向とな
す角度が翼一般部の取り付け角度より小さい翼終端部6
bを設ける。翼終端部6bの杭軸方向となす角度を小さ
くすることで翼間の間隔が広がり、翼間を土砂で詰まら
せることなく、良好な貫入性を維持させることができ
る。また、この翼終端部6bを設けることにより、構造
耐力を増すことができる。
削った土をスムーズに上に押し上げることができる貫入
性に優れた杭の構造を提供する。 【解決手段】 杭本体1の先端部に、円錐形のコーン部
と3枚の翼6を有する鋼製の先端シュー2を取り付け、
地盤への回転貫入を可能とする。先端シュー2の外周面
に溶接した複数の翼6の始端側に、杭の貫入方向に向か
って幅が漸減し、杭軸方向に対する角度が杭一般部より
小さい翼始端部6aを設ける。終端側には杭軸方向とな
す角度が翼一般部の取り付け角度より小さい翼終端部6
bを設ける。翼終端部6bの杭軸方向となす角度を小さ
くすることで翼間の間隔が広がり、翼間を土砂で詰まら
せることなく、良好な貫入性を維持させることができ
る。また、この翼終端部6bを設けることにより、構造
耐力を増すことができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、先端部に翼を有
する地盤に回転貫入可能な既製杭を用いた杭の構造に関
するものである。
する地盤に回転貫入可能な既製杭を用いた杭の構造に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】既製杭を低振動、低騒音で地盤中に建て
込む工法の一つとして回転圧入装置を用いた回転圧入工
法があり、既製杭先端部の翼の構造や、建込みを容易に
するための先端シューの構造、回転圧入装置等について
種々の発明がなされている。
込む工法の一つとして回転圧入装置を用いた回転圧入工
法があり、既製杭先端部の翼の構造や、建込みを容易に
するための先端シューの構造、回転圧入装置等について
種々の発明がなされている。
【0003】例えば、特開昭59−192125号公報
には既製コンクリート杭の先端部に1〜数枚の螺旋状の
ブレイドを設けたものが記載されている。
には既製コンクリート杭の先端部に1〜数枚の螺旋状の
ブレイドを設けたものが記載されている。
【0004】また、特許第2709445号公報には、
杭先端部外周に、略半周分を単位とする螺旋状の掘進翼
を回転方向に対して互いにずらして設け、掘進翼の端部
どうしが杭軸方向に見てオーバーラップするように多重
に配した鋼管杭が記載されている。
杭先端部外周に、略半周分を単位とする螺旋状の掘進翼
を回転方向に対して互いにずらして設け、掘進翼の端部
どうしが杭軸方向に見てオーバーラップするように多重
に配した鋼管杭が記載されている。
【0005】特開平11−247183号公報には、鋼
管杭の先端に翼を設け、回転圧入装置のトルクを鋼管杭
内の先端近傍に伝達し、鋼管杭を回転貫入させる工法が
記載されている。
管杭の先端に翼を設け、回転圧入装置のトルクを鋼管杭
内の先端近傍に伝達し、鋼管杭を回転貫入させる工法が
記載されている。
【0006】この他、特開2001−248157号公
報には、中空コンクリート杭の先端に、外周面に螺旋翼
を設けた円錐形の杭推進体を取り付け、この杭推進体を
杭の軸芯を中心として回転自在としたものが記載されて
いる。
報には、中空コンクリート杭の先端に、外周面に螺旋翼
を設けた円錐形の杭推進体を取り付け、この杭推進体を
杭の軸芯を中心として回転自在としたものが記載されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のような杭の翼の
機能としては、回転貫入を可能とする他、杭本体の径に
対し翼分だけ拡径されることにより杭の支持力の増大が
図れるという機能があり、先端支持力の増大効果という
ことでは翼ができるだけ杭先端部に近いことが望まし
い。
機能としては、回転貫入を可能とする他、杭本体の径に
対し翼分だけ拡径されることにより杭の支持力の増大が
図れるという機能があり、先端支持力の増大効果という
ことでは翼ができるだけ杭先端部に近いことが望まし
い。
【0008】また、前述のように先端支持力の増大を期
待する観点からは隣り合う翼の終端部と始端部、あるい
は単一の翼の場合はその翼の始端部と終端部が杭軸方向
に見てオーバーラップしていることが望ましい。しか
し、オーバラップ長が長くなるとオーバーラップさせた
翼の上下間に土砂が詰まりやすくなり、貫入性を阻害す
ることになる。
待する観点からは隣り合う翼の終端部と始端部、あるい
は単一の翼の場合はその翼の始端部と終端部が杭軸方向
に見てオーバーラップしていることが望ましい。しか
し、オーバラップ長が長くなるとオーバーラップさせた
翼の上下間に土砂が詰まりやすくなり、貫入性を阻害す
ることになる。
【0009】本願発明は上述のような課題の解決を図っ
たものであり、翼の形態を工夫することで、貫入性の低
下を安価に効率良く抑制でき、かつ杭として大きな支持
能力を発揮することができる杭の構造を提供することを
目的としている。
たものであり、翼の形態を工夫することで、貫入性の低
下を安価に効率良く抑制でき、かつ杭として大きな支持
能力を発揮することができる杭の構造を提供することを
目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に係る発
明は、杭先端部外周に1または複数の翼が設けられた杭
において、前記翼の終端側に、杭の軸方向と翼の取り付
け方向とのなす角度が翼一般部よりも小さい翼終端部が
形成されていることを特徴とするものである。
明は、杭先端部外周に1または複数の翼が設けられた杭
において、前記翼の終端側に、杭の軸方向と翼の取り付
け方向とのなす角度が翼一般部よりも小さい翼終端部が
形成されていることを特徴とするものである。
【0011】なお、ここで翼の始端側とは杭の貫入方向
側、翼の終端側とは杭の貫入方向と反対側の意味であ
る。また、「杭の軸方向と翼の取り付け方向とのなす角
度」とは、「杭の軸方向(長手方向)と杭先端部外周面
における翼の取り付け方向とのなす角度(鋭角側)」を
意味し、翼一般部が螺旋状に取り付けられている場合の
ように翼一般部の取り付け角度が変化する場合には、翼
一般部と翼終端部との境界位置においてこの条件を満足
するように取り付けられていればよい。
側、翼の終端側とは杭の貫入方向と反対側の意味であ
る。また、「杭の軸方向と翼の取り付け方向とのなす角
度」とは、「杭の軸方向(長手方向)と杭先端部外周面
における翼の取り付け方向とのなす角度(鋭角側)」を
意味し、翼一般部が螺旋状に取り付けられている場合の
ように翼一般部の取り付け角度が変化する場合には、翼
一般部と翼終端部との境界位置においてこの条件を満足
するように取り付けられていればよい。
【0012】さらに、このような翼が形成されているこ
とにより構造耐力が向上するので、翼一般部の板厚を低
減することができる。また、同じ板厚であれば支持力が
向上する。
とにより構造耐力が向上するので、翼一般部の板厚を低
減することができる。また、同じ板厚であれば支持力が
向上する。
【0013】本願発明における翼が設けられた杭として
は、主として鋼管杭を対象としているが、コンクリート
杭、PC杭、PHC杭、鋼コンクリート複合杭などにも
適用可能である。
は、主として鋼管杭を対象としているが、コンクリート
杭、PC杭、PHC杭、鋼コンクリート複合杭などにも
適用可能である。
【0014】杭先端部については、先端シューとして外
形が例えば円錐形や多角錐形等のコーン部を取付けても
よいし、平坦であってもよく、あるいは任意の形状の掘
削刃を設けてもよい。杭先端部に先端シューを設ける場
合の材質としては鋼製のものが望ましいが、必要な強度
が得られるものであれば特に限定されない。
形が例えば円錐形や多角錐形等のコーン部を取付けても
よいし、平坦であってもよく、あるいは任意の形状の掘
削刃を設けてもよい。杭先端部に先端シューを設ける場
合の材質としては鋼製のものが望ましいが、必要な強度
が得られるものであれば特に限定されない。
【0015】請求項2は、請求項1に係る杭において、
単一の翼の始端側と終端側、または隣り合う翼の始端側
と終端側とが、杭軸方向に見てオーバーラップしている
ことを特徴とするものである。
単一の翼の始端側と終端側、または隣り合う翼の始端側
と終端側とが、杭軸方向に見てオーバーラップしている
ことを特徴とするものである。
【0016】請求項2に係る発明では、このような翼を
有する既製杭の翼始端部と終端部をオーバーラップさせ
ていることで杭の支持能力を高めつつ、オーバーラップ
する位置について翼終端部が杭の軸方向と翼の取り付け
方向とのなす角度を翼一般部より小さくしてあること
で、オーバーラップさせた翼の上下間に土砂が詰まり難
くして貫入性を改善している。
有する既製杭の翼始端部と終端部をオーバーラップさせ
ていることで杭の支持能力を高めつつ、オーバーラップ
する位置について翼終端部が杭の軸方向と翼の取り付け
方向とのなす角度を翼一般部より小さくしてあること
で、オーバーラップさせた翼の上下間に土砂が詰まり難
くして貫入性を改善している。
【0017】すなわち、従来の回転貫入用の杭において
も翼の終端部と始端部が杭軸方向に見てオーバーラップ
するようにしたものはあるが、本願発明では翼終端部の
杭軸方向となす角度を翼一般部の取り付け角度より小さ
くすることで、すなわちオーバーラップ部において上へ
行くほど翼間の間隔が広がるようにして翼始端部から掻
き上げた土砂が上方へ行きやすくし、これらの間の隙間
を土砂で詰まらせることなく、良好な貫入性を維持させ
ることができる。
も翼の終端部と始端部が杭軸方向に見てオーバーラップ
するようにしたものはあるが、本願発明では翼終端部の
杭軸方向となす角度を翼一般部の取り付け角度より小さ
くすることで、すなわちオーバーラップ部において上へ
行くほど翼間の間隔が広がるようにして翼始端部から掻
き上げた土砂が上方へ行きやすくし、これらの間の隙間
を土砂で詰まらせることなく、良好な貫入性を維持させ
ることができる。
【0018】翼としては、通常、鋼材を用い、鋼管杭の
場合には杭本体に溶接等により取り付けることができ
る。回転による地盤への貫入を容易にするためには、従
来の回転貫入用の杭の場合と同様、螺旋状のものを用い
てもよいし、平板を用いてもよい。
場合には杭本体に溶接等により取り付けることができ
る。回転による地盤への貫入を容易にするためには、従
来の回転貫入用の杭の場合と同様、螺旋状のものを用い
てもよいし、平板を用いてもよい。
【0019】杭先端部における翼の枚数は、通常2枚以
上で杭径が大きい場合には枚数を増加させる場合が多
い。また、1つの連続する翼でなく複数列の並列する配
置にすれば翼を杭先端部の短い区間に収めることができ
る。また、複数の翼を用いると土の逃げ道が多くなるの
で貫入性が高くなる。杭径が小さい場合や加工上問題が
なければ単一の翼を杭先端部外周に取り付けてもよい。
上で杭径が大きい場合には枚数を増加させる場合が多
い。また、1つの連続する翼でなく複数列の並列する配
置にすれば翼を杭先端部の短い区間に収めることができ
る。また、複数の翼を用いると土の逃げ道が多くなるの
で貫入性が高くなる。杭径が小さい場合や加工上問題が
なければ単一の翼を杭先端部外周に取り付けてもよい。
【0020】翼終端部は、一例として翼一般部の取り付
け角度(巻き付け角度)が杭軸方向に対して80°の場
合において、杭軸方向に対して45〜75°程度とする
ことができるが、翼一般部の取り付け角度自体、地盤条
件や施工条件によって変わり、また杭径や翼の径、オー
バーラップ長なども考慮する必要がある。基本的には既
製杭を回転させながら地盤に貫入させて行く場合におい
て、翼終端部からの土砂の上方への移動がスムーズであ
り、杭の貫入性が維持できるように決定すればよい。
け角度(巻き付け角度)が杭軸方向に対して80°の場
合において、杭軸方向に対して45〜75°程度とする
ことができるが、翼一般部の取り付け角度自体、地盤条
件や施工条件によって変わり、また杭径や翼の径、オー
バーラップ長なども考慮する必要がある。基本的には既
製杭を回転させながら地盤に貫入させて行く場合におい
て、翼終端部からの土砂の上方への移動がスムーズであ
り、杭の貫入性が維持できるように決定すればよい。
【0021】この翼終端部はプレス等により翼一般部と
一体に成形することもできる。例えば、翼一般部から翼
終端部にかけて杭軸方向となす角度が漸減するようにし
たり、翼一般部と翼終端部を別体とし、それぞれ平板状
のものを杭先端部に取り付けることもできる。
一体に成形することもできる。例えば、翼一般部から翼
終端部にかけて杭軸方向となす角度が漸減するようにし
たり、翼一般部と翼終端部を別体とし、それぞれ平板状
のものを杭先端部に取り付けることもできる。
【0022】請求項3は、請求項1または2に係る杭に
おいて、一部または全ての翼の始端側にも杭の軸方向と
なす角度が翼一般部の取り付け角度よりも小さい翼始端
部が形成されていることを特徴とするものである。
おいて、一部または全ての翼の始端側にも杭の軸方向と
なす角度が翼一般部の取り付け角度よりも小さい翼始端
部が形成されていることを特徴とするものである。
【0023】翼を有する既成杭の貫入性の他の阻害要因
として、硬い地盤での長時間の回転貫入によって翼の鋼
材が磨耗すると貫入性がさらに悪くなり、また翼に期待
した杭支持能力の増大に影響を与える恐れもある。
として、硬い地盤での長時間の回転貫入によって翼の鋼
材が磨耗すると貫入性がさらに悪くなり、また翼に期待
した杭支持能力の増大に影響を与える恐れもある。
【0024】このような問題に対処する手段として、従
来、翼始端部に超硬チップを貼り付けたりしているが、
コスト増となる他、翼始端部以外については磨耗を必ず
しも十分抑制することができない。
来、翼始端部に超硬チップを貼り付けたりしているが、
コスト増となる他、翼始端部以外については磨耗を必ず
しも十分抑制することができない。
【0025】請求項3では、翼の始端部の杭軸方向とな
す角度を翼一般部の取り付け角度より小さくすること
で、翼の磨耗を始端部で止めることができ、翼一般部の
磨耗を抑制することができる。
す角度を翼一般部の取り付け角度より小さくすること
で、翼の磨耗を始端部で止めることができ、翼一般部の
磨耗を抑制することができる。
【0026】また、翼始端部の幅を杭貫入方向先端側か
ら漸増させれば、貫入抵抗を小さくし、さらに貫入性を
高めるとともに、翼一般部での磨耗をさらに減少させる
ことができる。
ら漸増させれば、貫入抵抗を小さくし、さらに貫入性を
高めるとともに、翼一般部での磨耗をさらに減少させる
ことができる。
【0027】請求項4は、請求項3に係る杭において、
杭先端部に、杭の貫入方向に径が小さくなるコーン部を
有し、前記翼始端部がコーン部に設けられていることを
特徴とするものである。
杭先端部に、杭の貫入方向に径が小さくなるコーン部を
有し、前記翼始端部がコーン部に設けられていることを
特徴とするものである。
【0028】杭先端部にコーン部を設け、このコーン部
に始端部を設けることで杭の貫入性が高まる。コーン部
の高さは、杭径の1.0倍以下程度が望ましく、高いほ
ど貫入しやすいが、先端支持力を発揮させ難くなる。逆
に、コーン部の高さが低い場合は支持力を発揮させやす
い。
に始端部を設けることで杭の貫入性が高まる。コーン部
の高さは、杭径の1.0倍以下程度が望ましく、高いほ
ど貫入しやすいが、先端支持力を発揮させ難くなる。逆
に、コーン部の高さが低い場合は支持力を発揮させやす
い。
【0029】請求項5は、請求項1、2、3または4に
係る杭において、杭先端部が先端シューとして杭本体と
分離されていることを特徴とするものである。
係る杭において、杭先端部が先端シューとして杭本体と
分離されていることを特徴とするものである。
【0030】請求項5に係る発明では、先端シューが杭
本体と分離されているため、先端シューのみを回転させ
て、杭本体は回転させずに施工を行うことができる。そ
のため、杭本体を回転させる場合の地盤抵抗を考慮する
必要がなく、杭本体は先端シューに追随させて埋設させ
るか、あるいは地盤が柔らかい部分については自重で沈
設させることもでき、小さいエネルギーで杭の建込みを
行うことができる。
本体と分離されているため、先端シューのみを回転させ
て、杭本体は回転させずに施工を行うことができる。そ
のため、杭本体を回転させる場合の地盤抵抗を考慮する
必要がなく、杭本体は先端シューに追随させて埋設させ
るか、あるいは地盤が柔らかい部分については自重で沈
設させることもでき、小さいエネルギーで杭の建込みを
行うことができる。
【0031】請求項6は、請求項5に係る杭において、
前記翼終端部が前記先端シューの上端部より上方まで延
びていることを特徴とするものである。
前記翼終端部が前記先端シューの上端部より上方まで延
びていることを特徴とするものである。
【0032】先端シューが杭本体と分離されている場
合、施工中に先端シューから離間した杭本体を先端シュ
ーに載せるためのガイドが必要となる。請求項6では翼
終端部を先端シューの上端部から突出させるような形で
伸ばすことで、杭本体のガイドとして機能させている。
合、施工中に先端シューから離間した杭本体を先端シュ
ーに載せるためのガイドが必要となる。請求項6では翼
終端部を先端シューの上端部から突出させるような形で
伸ばすことで、杭本体のガイドとして機能させている。
【0033】
【発明の実施の形態】図1は、本願発明の杭の一実施形
態における既製杭先端部の構造を示したもので、この例
では、鋼管杭である杭本体1の先端部に、円錐形のコー
ン部と3枚の翼6を有する鋼製の先端シュー2を取り付
けることで、地盤への回転貫入を可能としている。
態における既製杭先端部の構造を示したもので、この例
では、鋼管杭である杭本体1の先端部に、円錐形のコー
ン部と3枚の翼6を有する鋼製の先端シュー2を取り付
けることで、地盤への回転貫入を可能としている。
【0034】先端シュー2の外周面に溶接された3枚の
翼6については、翼始端部6aの杭軸方向となす角度が
中間の翼一般部の取り付け角度より小さく、すなわち施
工状態における水平面に対する翼始端部の上昇角度が中
間の掘削翼一般部の上昇角度より大きくなっている。ま
た、翼始端部6aの幅は杭の貫入方向に漸減しているこ
とで貫入抵抗を小さくしている。さらに、終端側にも杭
軸方向となす角度が翼一般部の取り付け角度より小さい
翼終端部6bが形成されている。
翼6については、翼始端部6aの杭軸方向となす角度が
中間の翼一般部の取り付け角度より小さく、すなわち施
工状態における水平面に対する翼始端部の上昇角度が中
間の掘削翼一般部の上昇角度より大きくなっている。ま
た、翼始端部6aの幅は杭の貫入方向に漸減しているこ
とで貫入抵抗を小さくしている。さらに、終端側にも杭
軸方向となす角度が翼一般部の取り付け角度より小さい
翼終端部6bが形成されている。
【0035】例えば、先端シュー2の外周面に溶接され
た3枚の翼6の一般部の取り付け角度を約80°(上昇
角度を約10°)とした場合において、始端部6a、終
端部6bの杭軸方向となす角度を約60°(上昇角度を
約30°)とする設計が考えられる。
た3枚の翼6の一般部の取り付け角度を約80°(上昇
角度を約10°)とした場合において、始端部6a、終
端部6bの杭軸方向となす角度を約60°(上昇角度を
約30°)とする設計が考えられる。
【0036】なお、この例では始端部6aおよび終端部
6bとして、翼6の一般部と別体の平鋼板を加工した鋼
材を用いているが、後述する図6、図7のように翼6の
一般部と連続する一体のものでもよい。
6bとして、翼6の一般部と別体の平鋼板を加工した鋼
材を用いているが、後述する図6、図7のように翼6の
一般部と連続する一体のものでもよい。
【0037】翼始端部6aの杭軸方向となす角度を一般
部の取り付け角度(杭軸方向と翼の取り付け方向とのな
す角度)より小さくしたことで、始端部6aから地盤に
食い込ませながら回転貫入が行われ、始端部6aでの磨
耗は生ずるが、翼6の一般部の磨耗を抑えることができ
る。さらに、始端部6aの幅が杭貫入方向に向かって漸
減する形態であるため、回転貫入における地盤の抵抗を
小さく抑えることができる。
部の取り付け角度(杭軸方向と翼の取り付け方向とのな
す角度)より小さくしたことで、始端部6aから地盤に
食い込ませながら回転貫入が行われ、始端部6aでの磨
耗は生ずるが、翼6の一般部の磨耗を抑えることができ
る。さらに、始端部6aの幅が杭貫入方向に向かって漸
減する形態であるため、回転貫入における地盤の抵抗を
小さく抑えることができる。
【0038】また、翼終端部6bについては、杭軸方向
に見て隣り合う翼始端部6aと翼終端部6bがオーバー
ラップするようになっており、かつ翼終端部6bの杭軸
方向となす角度が翼一般部の取り付け角度より小さくな
っている。
に見て隣り合う翼始端部6aと翼終端部6bがオーバー
ラップするようになっており、かつ翼終端部6bの杭軸
方向となす角度が翼一般部の取り付け角度より小さくな
っている。
【0039】隣り合う翼始端部6aと翼終端部6bがオ
ーバーラップするようにしたことで、翼6による確実な
先端支持力が期待される。一方、オーバーラップ長が大
きすぎると始端部6aと終端部6bが上下方向にオーバ
ーラップする位置で土砂が詰まりやすくなり杭の貫入に
支障が生ずる可能性があるが、終端部6bの杭軸方向と
なす角度を小さくすることで、土砂の詰まり等による貫
入機能の低下を防止することができる。
ーバーラップするようにしたことで、翼6による確実な
先端支持力が期待される。一方、オーバーラップ長が大
きすぎると始端部6aと終端部6bが上下方向にオーバ
ーラップする位置で土砂が詰まりやすくなり杭の貫入に
支障が生ずる可能性があるが、終端部6bの杭軸方向と
なす角度を小さくすることで、土砂の詰まり等による貫
入機能の低下を防止することができる。
【0040】図中、符号9はコーン部に溶接した鉄筋で
あり、この鉄筋も螺旋状に配置することで貫入抵抗を小
さくすることができる。また、符号12は噴出口であ
り、掘削の際にエアおよび/または水を噴出させて掘削
を容易にしたり、所定の高さまで貫入した杭の先端部根
固めのためのセメントミルク等、硬化性充填材の注入に
使用することができる。
あり、この鉄筋も螺旋状に配置することで貫入抵抗を小
さくすることができる。また、符号12は噴出口であ
り、掘削の際にエアおよび/または水を噴出させて掘削
を容易にしたり、所定の高さまで貫入した杭の先端部根
固めのためのセメントミルク等、硬化性充填材の注入に
使用することができる。
【0041】本願発明の杭において構造耐力が上昇する
ことに関し、表1に示す構造の杭について、翼終端部を
設けた場合と設けなかった場合の最大耐力を次のように
して評価した。
ことに関し、表1に示す構造の杭について、翼終端部を
設けた場合と設けなかった場合の最大耐力を次のように
して評価した。
【0042】
【表1】
【0043】円周方向に90°の角度で広がる翼を4枚
(90°×4=360°)設けることとし、図2(a) に
示すように翼終端部を設けない場合(比較例)と、図2
(b)に示すように翼終端部を設けた場合(本発明A)、
図2(c) に示すように翼終端部の他に翼始端部を設けた
場合(本発明B)を比較の対象とした。
(90°×4=360°)設けることとし、図2(a) に
示すように翼終端部を設けない場合(比較例)と、図2
(b)に示すように翼終端部を設けた場合(本発明A)、
図2(c) に示すように翼終端部の他に翼始端部を設けた
場合(本発明B)を比較の対象とした。
【0044】解析条件として、図3に示すように、杭軸
部の受ける荷重を鋼管部への集中荷重Pによる軸力とし
て導入し、翼部には外周方向に向けて漸減する分布荷重
qを導入し、隣り合う翼がオーバーラップした場合に
は、その部分には荷重を導入しなかった。
部の受ける荷重を鋼管部への集中荷重Pによる軸力とし
て導入し、翼部には外周方向に向けて漸減する分布荷重
qを導入し、隣り合う翼がオーバーラップした場合に
は、その部分には荷重を導入しなかった。
【0045】図4は、荷重と翼外周の変位との関係を示
す図であり、翼終端部を設けた場合(本発明A)、翼終
端部および翼始端部を設けた場合(本発明B)には、翼
終端部を設けなかった場合(比較例)に比べて変位が小
さく、構造耐力が向上していることが分かる。
す図であり、翼終端部を設けた場合(本発明A)、翼終
端部および翼始端部を設けた場合(本発明B)には、翼
終端部を設けなかった場合(比較例)に比べて変位が小
さく、構造耐力が向上していることが分かる。
【0046】また、図5は、等価ひずみが15%に達し
た時点を最大耐力として評価したグラフである。翼終端
部、あるいは翼終端部と翼始端部を設けると最大耐力が
大きくなることが分かる。
た時点を最大耐力として評価したグラフである。翼終端
部、あるいは翼終端部と翼始端部を設けると最大耐力が
大きくなることが分かる。
【0047】図6は、本願発明の杭の他の実施形態にお
ける先端シュー2の一形態を示したもので、先端シュー
2の外周面に3枚の翼6と複数の掘削刃9を取り付けて
ある。本実施形態は、請求項5にも対応するものであ
り、先端シュー2は杭本体と分離されている。
ける先端シュー2の一形態を示したもので、先端シュー
2の外周面に3枚の翼6と複数の掘削刃9を取り付けて
ある。本実施形態は、請求項5にも対応するものであ
り、先端シュー2は杭本体と分離されている。
【0048】すなわち、図6(a) に示すように中空円錐
形の鋼製先端シュー2本体部分の上端に、回転ロッド7
を嵌合するためのロッド接続部4を形成した載置部3と
しての円盤状の鋼板を溶接等により接合し、さらに載置
部3を取り巻くように鋼管からなる筒状部5を溶接等に
より接合している。
形の鋼製先端シュー2本体部分の上端に、回転ロッド7
を嵌合するためのロッド接続部4を形成した載置部3と
しての円盤状の鋼板を溶接等により接合し、さらに載置
部3を取り巻くように鋼管からなる筒状部5を溶接等に
より接合している。
【0049】また、底面側には図6(c) に示すように、
エア、水あるいはセメントミルク等を噴出させるための
噴出口12,13が複数形成されている。
エア、水あるいはセメントミルク等を噴出させるための
噴出口12,13が複数形成されている。
【0050】図7は、同様に請求項5、6に対応する先
端シュー2の他の形態として、先端シュー2の外周面に
4枚の翼6と複数の掘削刃9を取り付けた場合を示した
ものである。
端シュー2の他の形態として、先端シュー2の外周面に
4枚の翼6と複数の掘削刃9を取り付けた場合を示した
ものである。
【0051】この例では、翼6が鋼管からなる筒状部5
の上方まで突出しており、翼6の上部が分離された杭本
体のガイド部として機能する。また、以上の例では翼6
がほぼ筒状部5の外周部分に溶接されているが、先端の
コーン部分に溶接してもよい。また、鋼管からなる筒状
部を設けず、翼6のみでガイド部を形成させることもで
きる。
の上方まで突出しており、翼6の上部が分離された杭本
体のガイド部として機能する。また、以上の例では翼6
がほぼ筒状部5の外周部分に溶接されているが、先端の
コーン部分に溶接してもよい。また、鋼管からなる筒状
部を設けず、翼6のみでガイド部を形成させることもで
きる。
【0052】図8に示すように、翼とは別にガイド部材
14を設けてもよい。このようにガイド部を設けること
によって、分離した杭本体1の下端を先端シュー2また
は先端シュー2上の鋼管部内に円滑に戻すことができ
る。取り付けるガイド部材14の数や高さは分離の度合
いに基づいて決定すればよい。
14を設けてもよい。このようにガイド部を設けること
によって、分離した杭本体1の下端を先端シュー2また
は先端シュー2上の鋼管部内に円滑に戻すことができ
る。取り付けるガイド部材14の数や高さは分離の度合
いに基づいて決定すればよい。
【0053】また、地盤への貫入抵抗が小さいというこ
とでは、先端シュー2の本体をこれらの実施形態のよう
にコーン形状とすることが望ましいが、先端シュー2全
体が円筒状等、他の形態であってもよい。
とでは、先端シュー2の本体をこれらの実施形態のよう
にコーン形状とすることが望ましいが、先端シュー2全
体が円筒状等、他の形態であってもよい。
【0054】図9は、本願の請求項5に係る発明の基本
概念を示す図として最も代表的な形態を概略的に示した
ものである。すなわち、鋼管杭などの中空既製杭からな
る杭本体1の下端部に、円錐形の先端シュー2を設置し
て杭の建て込みを行う。
概念を示す図として最も代表的な形態を概略的に示した
ものである。すなわち、鋼管杭などの中空既製杭からな
る杭本体1の下端部に、円錐形の先端シュー2を設置し
て杭の建て込みを行う。
【0055】請求項5では先端シュー2を杭本体1と分
離しており、先端シュー2に杭本体1の中空部を通した
回転埋設装置の回転ロッド7を接続し、回転ロッド7で
直接先端シュー2を回転させながら先端シュー2を地盤
中に貫入して行く。
離しており、先端シュー2に杭本体1の中空部を通した
回転埋設装置の回転ロッド7を接続し、回転ロッド7で
直接先端シュー2を回転させながら先端シュー2を地盤
中に貫入して行く。
【0056】一方、杭本体1は埋設される先端シュー2
に追随させる形で、基本的には回転させずに先端シュー
2に案内される形で、必要に応じ押圧力を加えながら地
盤中に建て込んで行く。
に追随させる形で、基本的には回転させずに先端シュー
2に案内される形で、必要に応じ押圧力を加えながら地
盤中に建て込んで行く。
【0057】また、先端シュー2の上部には、鋼板等か
らなる載置部3、回転ロッド7の先端部を嵌合して回転
ロッド7の回転力を伝達する孔型あるいはクラッチ状の
ロッド接続部4が形成されており、さらに鋼管等からな
る筒状部5が形成されている。
らなる載置部3、回転ロッド7の先端部を嵌合して回転
ロッド7の回転力を伝達する孔型あるいはクラッチ状の
ロッド接続部4が形成されており、さらに鋼管等からな
る筒状部5が形成されている。
【0058】杭本体の先端は、管を厚くする、リブを取
り付ける、ドーナツ状の板を取り付けるなどにより補強
してもよい。
り付ける、ドーナツ状の板を取り付けるなどにより補強
してもよい。
【0059】さらに、代表的な形態として、円錐形すな
わちコーン形状の先端シュー2の先端部から上方へ立ち
上がる上記筒状部5の内径を、杭本体1の下端部の外径
より所定寸法大きくとり、隙間Cが生ずるようにしてい
る。
わちコーン形状の先端シュー2の先端部から上方へ立ち
上がる上記筒状部5の内径を、杭本体1の下端部の外径
より所定寸法大きくとり、隙間Cが生ずるようにしてい
る。
【0060】この隙間Cは、載置しやすさ、土砂の流入
量等を考慮して、適宜決定すればよく、先端シュー2に
追随して地盤中に建て込まれる杭本体1の中空部内に土
砂を取り込む際の土砂の流入経路を構成する。
量等を考慮して、適宜決定すればよく、先端シュー2に
追随して地盤中に建て込まれる杭本体1の中空部内に土
砂を取り込む際の土砂の流入経路を構成する。
【0061】回転ロッド7の外周にはスクリュー翼8が
螺旋状に設けられており、杭本体1の下端部から取り込
まれた土砂をスクリュー翼8が順次上方へ押しやること
で、地盤から受ける抵抗が小さくなり、杭本体1の建込
みがスムーズとなる。
螺旋状に設けられており、杭本体1の下端部から取り込
まれた土砂をスクリュー翼8が順次上方へ押しやること
で、地盤から受ける抵抗が小さくなり、杭本体1の建込
みがスムーズとなる。
【0062】図10は、請求項5に係る杭の施工手順の
一例を概略的に示したもので、回転ロッド7を介して先
端シュー2を回転貫入しながら、これに追随させる形で
杭本体1を回転させずに建て込んで行く(図10(a) 参
照)。
一例を概略的に示したもので、回転ロッド7を介して先
端シュー2を回転貫入しながら、これに追随させる形で
杭本体1を回転させずに建て込んで行く(図10(a) 参
照)。
【0063】このとき、先端シュー2の先端部に設けた
噴出口からは、必要に応じ、エアおよび/または水11
などを噴出させ、先端シュー2の回転貫入、杭本体1の
建て込みがスムーズに行なえるようにする。
噴出口からは、必要に応じ、エアおよび/または水11
などを噴出させ、先端シュー2の回転貫入、杭本体1の
建て込みがスムーズに行なえるようにする。
【0064】また、先端シュー2の筒状部5の内面と杭
本体1外周面との間の隙間、および先端シュー2の載置
部3と杭本体1の下端面との間の隙間を通じて地盤内の
土砂10(翼6や掘削刃で掘削されたり、エアや水で粒
子が分散された状態の土砂)が杭本体1内に流入し、回
転ロッド7のスクリュー翼8で上方へ押し上げられる。
本体1外周面との間の隙間、および先端シュー2の載置
部3と杭本体1の下端面との間の隙間を通じて地盤内の
土砂10(翼6や掘削刃で掘削されたり、エアや水で粒
子が分散された状態の土砂)が杭本体1内に流入し、回
転ロッド7のスクリュー翼8で上方へ押し上げられる。
【0065】先端シュー2が所定の深度まで達したら、
回転ロッド7をロッド接続部4から引き抜き、回転させ
ながら引き上げる(図10(b) 参照)。
回転ロッド7をロッド接続部4から引き抜き、回転させ
ながら引き上げる(図10(b) 参照)。
【0066】一方、杭本体1を押し下げ、その下端部が
先端シュー2の載置部3に載るようにして、先端シュー
2の面積に応じた先端支持力を発揮できるようにする。
先端シュー2の載置部3に載るようにして、先端シュー
2の面積に応じた先端支持力を発揮できるようにする。
【0067】回転ロッド7が引き上げられ、杭本体1が
先端シュー2の載置部3に載置された状態で基礎杭とし
て機能させる(図10(c) )。なお、回転ロッド7を引
き上げる前に、回転ロッド7の中空部から先端シュー2
内を通じて、先端シュー2の先端部からセメントミルク
等の硬化材を注入しておくことで、杭先端部の根固めを
行うこともできる。
先端シュー2の載置部3に載置された状態で基礎杭とし
て機能させる(図10(c) )。なお、回転ロッド7を引
き上げる前に、回転ロッド7の中空部から先端シュー2
内を通じて、先端シュー2の先端部からセメントミルク
等の硬化材を注入しておくことで、杭先端部の根固めを
行うこともできる。
【0068】また、杭の設置時に、最初から回転ロッド
7を通じて先端シュー2からセメントミルクを出すよう
にすれば、杭の周辺がソイルセメント状になり、ソイル
セメントと鋼管とからなる支持力の高い杭を得ることが
できる。
7を通じて先端シュー2からセメントミルクを出すよう
にすれば、杭の周辺がソイルセメント状になり、ソイル
セメントと鋼管とからなる支持力の高い杭を得ることが
できる。
【0069】先端シューと杭本体との分離の度合い(相
対的な位置関係)を変更するには、例えば次のようにす
ればよい。回転ロッドが接続された回転装置と、杭本体
上部との間に油圧ジャッキ等を設置する。このとき、回
転装置と先端シューとは回転ロッドにより接続されてお
り、その距離は一定なので、この油圧ジャッキのストロ
ークを調整することにより、杭本体を回転装置に対して
相対的に上下動させることができる。
対的な位置関係)を変更するには、例えば次のようにす
ればよい。回転ロッドが接続された回転装置と、杭本体
上部との間に油圧ジャッキ等を設置する。このとき、回
転装置と先端シューとは回転ロッドにより接続されてお
り、その距離は一定なので、この油圧ジャッキのストロ
ークを調整することにより、杭本体を回転装置に対して
相対的に上下動させることができる。
【0070】なお、図9、図10においては、翼終端部
を示していないが、杭軸方向となす角度を翼一般部の取
り付け角度より小さくする構成およびその機能は図1、
図6、図7の実施形態の場合と同様である。
を示していないが、杭軸方向となす角度を翼一般部の取
り付け角度より小さくする構成およびその機能は図1、
図6、図7の実施形態の場合と同様である。
【0071】
【発明の効果】本願の請求項1に係る発明では、回転貫
入可能な翼を有する既製杭について、翼の終端側に、杭
の軸方向と翼の取り付け方向とのなす角度が翼一般部よ
りも小さい翼終端部を設けたことで、良好な貫入性が得
られる。
入可能な翼を有する既製杭について、翼の終端側に、杭
の軸方向と翼の取り付け方向とのなす角度が翼一般部よ
りも小さい翼終端部を設けたことで、良好な貫入性が得
られる。
【0072】また、本願の請求項2に係る発明では、翼
始端部と終端部がオーバーラップしていることで杭の支
持能力を高めつつ、オーバーラップする位置について、
翼終端部の杭軸方向と翼の取り付け方向とのなす角度を
翼一般部より小さくしていることで翼間の間隔が広がる
ようにし、翼間に土砂で詰まらせることなく、良好な貫
入性も維持させることができる。
始端部と終端部がオーバーラップしていることで杭の支
持能力を高めつつ、オーバーラップする位置について、
翼終端部の杭軸方向と翼の取り付け方向とのなす角度を
翼一般部より小さくしていることで翼間の間隔が広がる
ようにし、翼間に土砂で詰まらせることなく、良好な貫
入性も維持させることができる。
【0073】本願の請求項3に係る発明では、さらに翼
始端部の杭軸方向となす角度を翼一般部の取り付け角度
より小さくしてあることで、翼の磨耗を始端部で止める
ことができ、翼一般部の磨耗を抑制することができる。
始端部の杭軸方向となす角度を翼一般部の取り付け角度
より小さくしてあることで、翼の磨耗を始端部で止める
ことができ、翼一般部の磨耗を抑制することができる。
【0074】また、翼始端部の幅を杭の貫入方向に向か
って漸減させれば、貫入抵抗を小さくし貫入性が高ま
る。
って漸減させれば、貫入抵抗を小さくし貫入性が高ま
る。
【0075】請求項4に係る発明では、杭先端部にコー
ン部を設け、このコーン部に始端部を設けることで既製
杭の貫入性が高まる。なお、コーン部の高さは、杭径の
1.0倍以下程度が望ましく、コーン部の高さが低い場
合は支持力を発揮させやすい。
ン部を設け、このコーン部に始端部を設けることで既製
杭の貫入性が高まる。なお、コーン部の高さは、杭径の
1.0倍以下程度が望ましく、コーン部の高さが低い場
合は支持力を発揮させやすい。
【0076】請求項5、6に係る発明では、先端シュー
が杭本体と分離されているため、先端シューのみを回転
させて、杭本体は回転させずに施工を行うことができ
る。そのため、杭本体を回転させる場合の地盤抵抗を考
慮する必要がなく、小さいエネルギーで杭の建込みを行
うことができる。
が杭本体と分離されているため、先端シューのみを回転
させて、杭本体は回転させずに施工を行うことができ
る。そのため、杭本体を回転させる場合の地盤抵抗を考
慮する必要がなく、小さいエネルギーで杭の建込みを行
うことができる。
【図1】 本願発明の杭の一実施形態における既製杭先
端部の構造を示したもので、(a) は正面図、(b) は底面
図である。
端部の構造を示したもので、(a) は正面図、(b) は底面
図である。
【図2】 本願発明の杭における構造耐力の上昇を確認
するための解析に用いた翼形状を示したもので、(a) が
比較例の翼形状、(b) が本発明の翼終端部を設けた翼形
状、、(c) は本発明で翼始端部も設けた場合の翼形状で
ある。
するための解析に用いた翼形状を示したもので、(a) が
比較例の翼形状、(b) が本発明の翼終端部を設けた翼形
状、、(c) は本発明で翼始端部も設けた場合の翼形状で
ある。
【図3】 図2の翼形状に対する解析条件としての荷重
のかけ方を示した図である。
のかけ方を示した図である。
【図4】 解析結果としての荷重と翼外周の変位との関
係を示すグラフである。
係を示すグラフである。
【図5】 解析結果を最大耐力として評価したグラフで
ある。
ある。
【図6】 本願発明の杭の他の実施形態における既製杭
先端部に用いた先端シューの構造を示したもので、(a)
は平面図、(b) は正面図、(c) は底面図である。
先端部に用いた先端シューの構造を示したもので、(a)
は平面図、(b) は正面図、(c) は底面図である。
【図7】 本願発明の杭のさらに他の実施形態における
既製杭先端部に用いた先端シューの構造を示したもの
で、(a) は平面図、(b) は正面図、(c) は底面図であ
る。
既製杭先端部に用いた先端シューの構造を示したもの
で、(a) は平面図、(b) は正面図、(c) は底面図であ
る。
【図8】 本願発明の杭のさらに他の実施形態における
既製杭先端部の構造を示す正面図である。
既製杭先端部の構造を示す正面図である。
【図9】 本願の請求項5に係る杭についての基本概念
を示す図である。
を示す図である。
【図10】 本願の請求項5に係る杭についての施工手
順の一例を概略的に示した断面図である。
順の一例を概略的に示した断面図である。
1…杭本体、2…先端シュー、3…載置部、4…ロッド
接続部、5…筒状部、6…翼、6a…始端部、6b…終
端部、7…回転ロッド、8…スクリュー翼、9…掘削
刃、10…土砂、11…エアまたは水、12,13…噴
出口、ガイド部材
接続部、5…筒状部、6…翼、6a…始端部、6b…終
端部、7…回転ロッド、8…スクリュー翼、9…掘削
刃、10…土砂、11…エアまたは水、12,13…噴
出口、ガイド部材
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 黒崎 和保
大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号
住友金属工業株式会社内
(72)発明者 西山 輝樹
大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号
住友金属工業株式会社内
(72)発明者 日下 裕貴
大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号
住友金属工業株式会社内
Fターム(参考) 2D041 AA02 BA13 BA33 BA35 CA05
CB04 DB02 DB03 DB07 FA14
Claims (6)
- 【請求項1】 杭先端部外周に1または複数の翼が設け
られた杭において、前記翼の終端側に、杭の軸方向と翼
の取り付け方向とのなす角度が翼一般部よりも小さい翼
終端部が形成されていることを特徴とする杭。 - 【請求項2】 単一の翼の始端側と終端側、または隣り
合う翼の始端側と終端側とが、杭軸方向に見てオーバー
ラップしていることを特徴とする請求項1記載の杭。 - 【請求項3】 一部または全ての翼の始端側にも杭の軸
方向となす角度が翼一般部の取り付け角度よりも小さい
翼始端部が形成されていることを特徴とする請求項1ま
たは2記載の杭。 - 【請求項4】 杭先端部に、杭の貫入方向に径が小さく
なるコーン部を有し、前記翼始端部がコーン部に設けら
れていることを特徴とする請求項3記載の杭。 - 【請求項5】 杭先端部が先端シューとして杭本体と分
離されていることを特徴とする請求項1、2、3または
4記載の杭。 - 【請求項6】 前記翼終端部が前記先端シューの上端部
より上方まで延びていることを特徴とする請求項5記載
の杭。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002151452A JP2003342954A (ja) | 2002-05-24 | 2002-05-24 | 杭 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002151452A JP2003342954A (ja) | 2002-05-24 | 2002-05-24 | 杭 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003342954A true JP2003342954A (ja) | 2003-12-03 |
Family
ID=29769045
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002151452A Pending JP2003342954A (ja) | 2002-05-24 | 2002-05-24 | 杭 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003342954A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20220147295A (ko) * | 2021-04-27 | 2022-11-03 | 주식회사 미르스틸 | 내진용 기초파일 및 이를 제조하는 방법 |
-
2002
- 2002-05-24 JP JP2002151452A patent/JP2003342954A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20220147295A (ko) * | 2021-04-27 | 2022-11-03 | 주식회사 미르스틸 | 내진용 기초파일 및 이를 제조하는 방법 |
KR102547059B1 (ko) * | 2021-04-27 | 2023-06-28 | 주식회사 미르스틸 | 내진용 기초파일 및 이를 제조하는 방법 |
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---|---|---|---|
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20060530 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
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|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070306 |