JP3952406B2 - 血液成分吸着用担体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、血液の成分吸着に用いられる担体の製造方法に関し、特に、体外循環治療法に用いるのに適した血液成分吸着用担体の製造方法に関する。
血液中から特定の成分のみを吸着・除去する方法として、従来より種々の方法が提案されている。例えば、下記の特許文献1には、顆粒球を効果的に吸着し得る担体として、酢酸セルロースなどからなる粒子状の担体が開示されている。この粒子状の担体では、担体表面に存在する官能基や表面形状により、この表面に特定の物質が吸着されるように構成されている。また、上記粒子状担体の他、繊維状の担体も用いられている。なお、上記粒子状担体は通常射出成形により製造されており、他方、繊維状担体の場合は押し出し成形により主として製造されていた。
しかしながら、上記の酢酸セルロースのような担体は、成形し難く、特に球状(粒子状)にし難いものであった。さらに従来の担体の中には大量使用時、担体が分解され、担体分解産物に起因すると思われる身体的症状の発生の可能性が考えられている。さらに、担体の中には強度的に体外循環用担体として耐え難い担体材料も存在し、このような担体材料はたとえ吸着能に優れていても、担体の割れや欠けにより発生した微粒子が体外循環回路内に流入する可能性が考えられていた。
特開平2−193069号公報
本発明の目的は、上述した従来の血液成分吸着用担体の改良体として、従来材料を用いつつ、担体成形を容易にし、より安全性が確保され、かつ体外循環治療に用いるのに十分な強度を有する血液成分吸着用担体の製造方法を提供することにある。
本願発明者は、上述した従来の血液成分吸着用担体の改良点に付き鋭意検討した結果、複数の層からなる多層構造を有するように血液成分吸着用担体を構成すれば、上記課題を達成し得ることを見いだし、本発明をなすに至った。
本発明の血液成分吸着用担体の製造方法は、血液成分の吸着に用いられる担体であって、生体適合性材料からなる外層と、前記外層よりも内側に形成された内層とを少なくとも備える血液成分吸着用担体の製造方法であって、対向し合う第1,第2の面に、それぞれ、第1,第2の略半球状成形凹部を有し、第1の略半球状成形凹部よりも第2の略半球状成形凹部の径が大きくされている回転金型を用意する工程と、前記第1の成形凹部に、第1の成形凹部と組合わさって相対的に径の小さい第1の球状成形部を構成する第3の略半球状成形凹部を有する第2の金型を当接させて第1の球状成形部を構成するとともに、第2の成形凹部に、第2の成形凹部と組合わさって相対的に径の大きな第2の球状成形部を構成する第4の略半球状成形凹部を有する第3の金型を、第4の略半球状成形凹部を埋め尽くす部分と、第2の略半球状成形凹部に配置され、第1の球状成形部の径と同等の径の略半球状部分とを有する治具を第2の球状成形部内に配置した状態で当接させて、前記治具が収納された第2の球状成形部を構成する工程と、前記第1の球状成形部に内層を構成する樹脂を、第2の球状成形部に外層を構成する樹脂を注入し、それによって、第1の球状成形部において球状成形体よりなる内層を、第2の球状成形部において、治具の周囲に略半球状の外表面を有する外層半体を形成する工程と、前記第2,第3の金型を前記回転金型から分離し、回転金型の第1,第2の成形凹部に、それぞれ前記球状の成形体及び外層半体を保持させる工程と、前記回転金型を回転させる工程と、前記回転金型の第1の成形凹部から球状成形体を取り出すとともに、第2の成形凹部から治具を取外し、外層半体のみを第2の成形凹部に保持させる工程と、前記第2の成形凹部内に前記球状成形体を押し込み、第2の成形凹部内の外層半体に該球状成形体を付着させる工程と、前記回転金型を回転させ、第2の略半球状成形凹部を第3の金型の第4の略半球状成形凹部とを組み合わせて第2の球状成形部を再度形成する工程と、前記第2の球状成形部に外層を構成する樹脂を再度注入し、球状成形体の周囲に外層を形成する工程とを備える、血液成分吸着用担体の製造方法である。
また、本発明の血液成分吸着用担体の製造方法の特定的な局面では、上記第1の成形凹部から球状成形体を取り出す工程が、吸引チャックなどの吸引手段により、球状成形体を吸引・保持し、吸引手段を第1の成形凹部から後退させることにより行われる。
また、本発明の別の特定的な局面では、上記第2の成形凹部から治具を取り外す工程は、第2の成形凹部を下方に向け、治具を第2の成形凹部から重力により落下させることにより行われる。
本発明の製造方法のさらに他の局面では、上記球状成形体を第2の成形凹部内に押し込む工程は、吸引チャックなどの吸引手段に保持された球状成形体を、該吸引手段を第2の成形凹部に向かって移動させることにより行われる。
本発明で得られる血液成分吸着用担体では、外層が生体適合性材料よりなり、かつ従来から用いられていた血液成分吸着用担体と同様の材料で構成されている。すなわち、本発明においては、外層は血液成分の吸着能力を高めるための表面官能基を有するような材料、血液成分吸着能力に優れた材料、表面性状が血液成分の吸着に適したように構成されている材料等により構成されている。すなわち、外層は、血液成分吸着層として機能する。
他方、本発明の血液成分吸着用担体の内層は、上記外層よりも内側に設けられている。内層は、本発明の血液成分吸着用担体の核として機能するものであり、血液成分吸着用担体の機械的強度を高めたり、担体分解産物の生成量の抑制を果たすように機能する。すなわち、内層が設けられている分だけ、外層を構成する材料の使用量を少なくすることができ、従って担体分解生成物量を抑制することができる。
例えば、これまで繊維状担体としては機械的強度が不足するため不適当とされていたゲル状のポリビニルアルコールを例にとると、本発明では、多層押し出し成形法を用いて内層をポリプロピレン等の強度に優れた樹脂材料により、外層をゲル状ポリビニルアルコールにより構成することにより、機械的強度に優れた血液成分吸着用担体を構成することができる。すなわち、本発明の構成を採用することにより、血液成分吸着用担体として用いることができなかったゲル状ポリビニルアルコールを用いて上記担体を構成することが可能となる。
また、従来、射出成形法により成形されていた酢酸セルロース担体は、その成形精度が不安定であり、かつ大量使用時に担体分解産物に起因すると思われる身体的症状の発生の可能性が考えられている。本発明では、外層を酢酸セルロースで構成し、内層をポリカーボネート樹脂等の他の樹脂材料により構成することにより、酢酸セルロースの使用量を減らすことができ、大量使用時の担体分解産物の生成量を抑制することが可能である。
なお、外層に酢酸セルロースを用い、内層にポリカーボネート樹脂を用いて多層構造の担体を形成する方法としては、例えば特開昭59−220342号公報や特開昭62−156917号公報に記載の製造方法を適宜用いることができる。
上記のように、本発明の血液成分吸着用担体は、外層と内層とを有する多層構造で構成されているが、内層は、外層よりも内側に構成されてさえおればよく、従って外層と内層との間に1以上の中間層が形成されていてもよい。
本発明において上記外層を構成する生体適合性材料としては、上記酢酸セルロース等のセルロース系材料の他、6−ナイロン、11−ナイロン等のナイロン;ポリスチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアルコール等の様々な樹脂材料を挙げることができる。また、これらの樹脂材料の選択は、目的とする吸着対象である血液成分に応じて適宜選択される。
本発明の血液成分吸着用担体の内層を構成する材料としては、上記外層に用いられる材料の他、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート等の合成樹脂、鉄、アルミ、もしくは銅などの金属、セラミックスまたはガラスなどの無機材料を用いることができる。すなわち、内層を構成する材料は特に制限されるものではない。もっとも、血液成分吸着用担体の機械的強度を高めるためには、内層を構成する材料として、外層を構成している材料よりも機械的強度の高い材料、すなわち、金属や機械的強度に優れた合成樹脂、例えば、ポリカーボネート等を用いることが望ましい。さらに、溶出物を発生しないほうが安全性の点で好ましいため、溶出物を発生し難い、ガラスなどにより内層を構成することも好ましい。
いずれにしても、上述した外層及び内層を構成する材料は、血液成分吸着用担体の目的及び用途に応じ適宜選択される。
また、本発明の血液成分吸着用担体の形状については特に限定されるものではなく、例えば図1に示すように、球状内層1の外側に外層2を形成し、全体を球状の血液成分吸着用担体3としてもよく、あるいは図2に示すように、柱状の内層4の周囲に外層5を形成し、全体として棒状の血液成分吸着用担体6としてもよい。
本発明では、血液成分吸着用担体が生体適合性材料よりなる外層と、内層とを有する多層構造で構成されている。従って、内層が構成されている分だけ、外層構成材料の使用料を低減することができるため、外層構成材料からの分解生成物の発生量を低減することができ、それによってより安全性を高め得る。
また、内層構成材料の選択により、例えば内層構成材料として機械的強度に優れた材料を用いることにより、血液成分吸着用担体の機械的強度を効果的に高め得る。なお、上記のように、上述した外層及び内層を有する多層構造の担体の形成方法は、特開昭59−220342号公報や特開昭62−156917号公報に記載のような製造方法を適宜採用し得るが、本発明の他の局面によれば、上記請求項2に記載の製造方法が適用され、この製造方法を用いることにより、本発明の血液成分吸着用担体を容易にかつ連続的に得ることができる。
以上のように、本発明で得られる血液成分吸着用担体は、生体適合性材料よりなる外層と内層とを有する多層構造で構成されているため、内層を設けた分だけ生体適合性材料の使用量を減らすことができ、従って血液成分吸着用担体からの担体分解生成物や溶出物の量を低減することができる。
また、内層を構成する材料として、外層に比べて機械的に優れた材料を用いることにより、血液成分吸着用担体の機械的強度を効果的に高め得る。
よって、本発明によれば、例えば体外循環治療に用いた場合、従来の血液成分吸着用担体に比べてより安全性を高めることができる。しかも、内層構成材料を選択することにより、従来使用することが出来ないとされていた材料を用いて外層を構成することができ、よって、血液成分吸着能が優れていながら従来使用不可能であった材料を用いて血液成分を吸着することも可能となる。
また、本発明の血液成分吸着用担体の製造方法によれば、前述した回転金型並びに第1,第2の金型を上記治具と組み合わせて用いることにより、外層と内層とを有する本発明にかかる血液成分吸着用担体を容易にかつ確実に得ることが可能となる。
本発明の血液成分吸着用担体の製造方法の一例を、図面を参照しつつ説明する。
図3〜図9は、それぞれ、本発明の吸着用担体の製造方法を説明するための各断面図である。
本実施形態では、上記血液成分吸着用担体を射出成形方法を用いることにより製造する。まず、図3に示すように、本実施形態で用いる製造装置10は、第1の金型としての回転金型11と、第2,第3の金型12,13とを有する。回転金型11は、図3の点Oを紙面−紙背方向に通る中心軸の周りに回転可能に構成されている。また、回転金型11は、互いに対向し合う第1の面11aと第2の面11bとを有する。第1の面11aには、第1の略半球状成形凹部14が中央に形成されている。他方、第2の面11bには、第2の略半球状成形凹部15が形成されている。第2の略半球状成形凹部15の径は、第1の略半球状成形凹部14の径よりも大きくされている。
また、第2の金型12の外表面12aの中央には、第3の略半球状成形凹部16が形成されている。第3の略半球状成形凹部16は、図3に示されているように、第1の略半球状成形凹部14と組み合わされて、第1の球状成形部17を形成している。また、第3の略半球状成形凹部16には樹脂を注入するための孔18が開口しており、孔18には、樹脂を射出するためのノズル19が連結されている。
また、第2の金型12は、図示しない往復駆動源により、図示の矢印A方向に移動可能に構成されている。
第3の金型13においては、外表面13aの中央に第4の略半球状成形凹部20が形成されている。第4の略半球状成形凹部20は、第2の略半球状成形凹部15と組み合わされて、第2の球状成形部21を形成している。従って、第4の略半球状成形凹部20の径は、第2の半球状成形凹部15の径と同一とされており、かつ組み合われた状態で、第4の略半球状成形凹部20の中心が第2の略半球状成形凹部15の中心と一致されるように構成されている。
さらに、図3に示す初期状態では、第2の球状成形部21内に、治具22が配置されている。治具22は、本実施形態では、第4の略半球状成形凹部25を埋め尽くしている部分22aと、第2の略半球状成形凹部15内において配置されている相対的に径の小さな略半球状部分22bとを有する。略半球状部分22bの径は、第1の球状成形部17の径と同等とされている。従って、治具22の半球状部分22bの外表面と、第2の略半球状成形凹部15の内面との間には、外層の半分の形状に応じた空間Bが構成されている。
第3の金型13についても、図示しない往復駆動源に連結されており、それによって図示の矢印A方向に往復移動され得るように構成されている。
なお、第3の金型13においても、樹脂を注入するための孔23が形成されており、孔23には、樹脂を射出するためのノズル24が連結されている。
本実施形態では、図3に示す初期状態おいて、ノズル19から、内層を構成するための樹脂を射出し、第1の球状成形部17に充填するとともに、ノズル24から外層を構成するための樹脂を第2の球状成形部21内に充填する。上記樹脂を充填した後、充填された樹脂を硬化させ、しかる後、図4に示すように、第2,第3の金型12,13を回転金型11から分離する。
図4から明らかなように、第2の金型12と第3の金型13とを、それぞれ回転金型11から遠ざかるように移動させることにより、第1の球状成形部17で成形された球状成形体25が露出する。球状成形体25は、本発明の血液成分吸着用担体の内層を構成する部分に相当する。他方、第2の略半球状成形凹部15では、前述した空間Bに注入された樹脂が固化されることより、外表面が半球状の形状を有する外層半体26が形成されている。この場合、治具22は、外層半体26に付着されたまま、回転金型11側に支持されている。
次に、回転金型11を、図4に示した状態から、点Oを通る中心軸を中心に90度回転させる。その結果、図6に示すように、第2の略半球状成形凹部15が下を向くことになるため、重力により治具22が落下する。もっとも、外層半体26は、樹脂が完全には固化していないので樹脂の粘着力により、上記第2の略球状成形凹部15に保持されたままとなる。
なお、図5に要部を拡大して示すように、球状成形体25の中心Xは、回転金型11の面11aよりも内側に位置する。すなわち、本実施形態においては、第1の略半球状成形凹部14は、球を等分した形状よりも、若干大きく形成されている。従って、球状成形体の半分以上が、第1の略半球状成形凹部14内に埋め込まれた形態となっているため、回転金型11を回転させたとしても、第1の略半球状成形凹部14から落下し難い。
また、第1の略半球状成形凹部14において成形された球状成形体25は、図6に略図的に示されている吸引装置27により吸引される。次に、図7に示すように、吸引装置27により球状成形体25を吸引・保持し、上方に引き上げる。
次に、球状成形体25を吸引装置27に保持した状態で、上方に引き上げた後に、回転金型11を上述した点Oを通る中心軸の周りに180度回転させる。その結果、図8に示すように、第2の略半球状成形凹部15が上方を向くように位置されることになる。そして、この第2の略半球状成形凹部15内に支持されている外層半体26に対し、上方から吸引装置27を降下させることにより、球状成形体25を押し込み、球状成形体25を外層半体26に密着させる。
次に、回転金型11を、再度点Oを通る中心軸の周りに時計方向に90度回転させ、かつ第2,第3の金型12,13を初期状態のように回転金型11に当接させる。この状態を図9に示す。
図9から明らかなように、回転金型11に、再度第2,第3の金型12,13が密着されて、第1,第2の球状成形部17,21が再度構成されている。この状態で、ノズル24から外層を構成する樹脂を第2の球状成形部21内に注入することにより、空間Cに外層を構成する樹脂が注入される。図9から明らかなように、第2の球状成形部21においては、残りの外層半体に相当する形状の空間Cが形成されている。すなわち、球状成形体25の径が、第4の略半球状成形凹部20の径よりも小さいため、上記空間Cが形成される。従って、この空間Cに樹脂が注入され、固化されることにより、残りの半分の外層半体が成形されることになる。注入された樹脂が硬化した後、第3の金型13を回転金型11から遠ざかるように移動させることにより、回転金型11と第3の金型13とを開き、第2の球状成形部21から得られた成形体を取り出す。
上記のようにして、球状成形体25からなる内層の外表面に、外層半体26と、空間Cに注入された樹脂が固化されることにより形成された残りの外層半体とにより構成された外層が形成されている、本発明の血液成分吸着用担体を得ることができる。すなわち、本発明実施形態の製造方法では、上述した回転金型11、及び第2,第3の金型12,13を用いることにより、内層と外層とを有する本発明の血液成分吸着用担体を連続的に、かつ容易に製造することができる。
本実施形態では、上記球状成形体25を回転金型11から一旦分離し、回転された回転金型11の第2の略半球状成形凹部15に支持された外層半体26に押し込むに際し、吸引装置27を用いたが、吸引装置27以外に、機械的なチャック等により球状成形体25を上記のように分離し、かつ外層半体26上に押し込んでもよい。もっとも、真空吸引手段を用いた吸引装置27を用いた場合には、球状成形体25の表面に損傷を与え難いという利点がある。
以下、本発明の非限定的な実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
実施例1
内層として、直径1.0mmのポリカーボネート樹脂よりなる球状粒子を用意し、該ポリカーボネート粒子の外側に、酢酸セルロース層を外層として形成し、全体の直径が2.5mmの球状の粒子からなる血液成分吸着用担体を作製した。
実施例2
長さ50cm及び径0.5mmのポリプロピレン繊維により内層を構成し、該ポリプロピレン繊維の外側にポリビニルアルコール架橋ゲルからなる外層を形成し、全体の長さが50cm及び径が1.0mmの繊維状の血液成分吸着用担体を作製し、実施例2とした。
比較例1
内層を構成せずに全体が2.3mmの径の球状の酢酸セルロースよりなる血液成分吸着用担体を比較例1とした。
比較例2
内層を構成せずに、ポリビニルアルコール架橋ゲルにより長さ50cm及び径1.0mmの繊維状の血液成分吸着用担体を作製し、比較例2とした。
実施例及び比較例の評価
上述した実施例1,2及び比較例1,2の血液成分吸着用担体を体外循環用カラムに充填し、該カラムに体外循環回路構成用の樹脂チューブ及びポンプを接続し、回路を構成した。上記体外循環回路に、70℃の温度の生理食塩水を100cc/分の流速で1時間流し、しかる後生理食塩水のpHを測定した。結果を下記の表1に示す。
表1から明らかなように、比較例1,2では、pH値が、4.1及び3.5と低かった。これに対して、実施例1,2では、比較例1,2に比べてpH値が高く、より中性側に近いことから、中性域にある血液に与える影響がより少ないことがわかり、血液安定性がより高められることがわかる。
従って、上記実施及び比較例の評価から明らかなように、70℃の生理食塩水を用いて体外循環した場合でも、実施例1,2では、吸着用担体の血液安定性が高められ、かつ機械的強度も高められているため、担体分解生成物の発生や担体の破損等が生じ難く、従ってより安全な血液成分吸着用担体を提供し得ることがわかる。
本発明の血液成分吸着用担体の一構造例を示す部分切欠断面斜視図。 本発明の血液成分吸着用担体の他の構造例を示す斜視図。 本発明の血液成分吸着用担体の製造方法についての一実施形態において用いられる製造装置の要部の初期状態を示す部分切欠断面図。 本発明の一実施形態で用いられる製造装置及び、球状成形体及び外層半体を成形した状態を示す部分切欠断面図。 球状成形体が第1の略半球状成形凹部に支持されている状態を示す要部拡大断面図。 本発明の一実施形態にかかる製造方法に用いられる製造装置において、回転金型から治具を除去する工程を説明するための部分切欠断面図。 本発明の一実施形態の製造方法において、球状成形体を回転金型から分離する工程を説明するための部分切欠断面図。 本発明の一実施形態の製造方法において、第2の略半球状成形凹部に支持された外層半体に、球状成形体を押し込む工程を説明するための部分切欠断面図。 本発明の一実施形態の製造方法において、残りの外層半体を成形する工程を説明するための部分切欠断面図。
符号の説明
10…製造装置
11…金型
11a…第1の面
11b…第2の面
12,13…金型
12a…外表面
13a…外表面
14…第1の略半球状成形凹部
15…第2の略半球状成形凹部
16…第3の略半球状成形凹部
17…第1の球状成形部
18…孔
19…ノズル
20…第4の略半球状成形凹部
21…第2の球状成形部
22…治具
22b…略半球状部分
23…孔
24…ノズル
25…球状成形体
26…外層半体
27…吸引装置

Claims (4)

  1. 血液成分の吸着に用いられる担体であって、生体適合性材料からなる外層と、前記外層よりも内側に形成された内層とを少なくとも備える血液成分吸着用担体の製造方法であって、
    対向し合う第1,第2の面に、それぞれ、第1,第2の略半球状成形凹部を有し、第1の略半球状成形凹部よりも第2の略半球状成形凹部の径が大きくされている回転金型を用意する工程と、
    前記第1の成形凹部に、第1の成形凹部と組合わさって相対的に径の小さい第1の球状成形部を構成する第3の略半球状成形凹部を有する第2の金型を当接させて第1の球状成形部を構成するとともに、第2の成形凹部に、第2の成形凹部と組合わさって相対的に径の大きな第2の球状成形部を構成する第4の略半球状成形凹部を有する第3の金型を、第4の略半球状成形凹部を埋め尽くす部分と、第2の略半球状成形凹部に配置され、第1の球状成形部の径と同等の径の略半球状部分とを有する治具を第2の球状成形部内に配置した状態で当接させて、前記治具が収納された第2の球状成形部を構成する工程と、
    前記第1の球状成形部に内層を構成する樹脂を、第2の球状成形部に外層を構成する樹脂を注入し、それによって、第1の球状成形部において球状成形体よりなる内層を、第2の球状成形部において、治具の周囲に略半球状の外表面を有する外層半体を形成する工程と、
    前記第2,第3の金型を前記回転金型から分離し、回転金型の第1,第2の成形凹部に、それぞれ前記球状の成形体及び外層半体を保持させる工程と、
    前記回転金型を回転させる工程と、
    前記回転金型の第1の成形凹部から球状成形体を取り出すとともに、第2の成形凹部から治具を取外し、外層半体のみを第2の成形凹部に保持させる工程と、
    前記第2の成形凹部内に前記球状成形体を押し込み、第2の成形凹部内の外層半体に該球状成形体を付着させる工程と、
    前記回転金型を回転させ、第2の略半球状成形凹部を第3の金型の第4の略半球状成形凹部とを組み合わせて第2の球状成形部を再度形成する工程と、
    前記第2の球状成形部に外層を構成する樹脂を再度注入し、球状成形体の周囲に外層を形成する工程とを備える、血液成分吸着用担体の製造方法。
  2. 第1の成形凹部から球状成形体を取り出す上記工程が、吸引手段により、球状成形体を吸引・保持し、吸引手段を第1の成形凹部から後退させることにより行われる、請求項1に記載の血液成分吸着用担体の製造方法。
  3. 前記第2の成形凹部から治具を取り外す工程が、第2の成形凹部を下方に向けて、治具を重力により落下させることにより行われる、請求項2に記載の血液成分吸着用担体の製造方法。
  4. 前記球状成形体を前記第2の成形凹部内に押し込む工程が、前記吸引手段に保持された球状成形体を、該吸引手段を第2の成形凹部に向かって移動させることにより行われる、請求項2に記載の血液成分吸着用担体の製造方法。
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