JP3950569B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀カラー写真感光材料に関するものであり、特に良好な色再現性を有し、かつ、高感度で粒状性に優れ、処理変動に対して安定なカラー写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、カラー写真感光材料において、色再現性を改善するための手段として層間抑制効果(重層効果)を利用することが知られている。
【0003】
カラーネガ感材の例で言えば、緑感層から赤感層へ現像抑制効果を与えることにより、白色露光における赤感層の発色を赤色露光した場合のそれよりも抑えることができる。同様に赤感層から緑感層への現像抑制効果は、飽和度の高い緑の再現を与える。
【0004】
これらの方法を用いて赤、緑、青の原色の彩度を上げると黄色からシアンがかった緑の色相が忠実でなくなると言う欠点があり、この対策として特公平03−10287号に記載の技術が提案された。この技術は支持体上に各々少なくとも1層の黄色発色するカラーカプラーを含有する青感性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ発色するカラーカプラーを含有する緑感性ハロゲン化銀乳剤層、シアン発色するカラーカプラーを含有する赤感性ハロゲン化銀乳剤層を有するカラー感光材料において、該緑感性層の分光感度分布の重心感度波長(重心λG)が520nm≦重心λG≦580nmであり、かつ赤感性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層が波長500nmから600nmの範囲で他の層より受ける重層効果の大きさの分布の重心波長(重心λ-R)が500nm<重心λ-R≦600nmであり、更に、重心λG−重心λ-R≧5nmであることを特長とするハロゲン化銀カラー感光材料により、鮮やかで、かつ忠実な色再現を達成しようとするものである。
【0005】
しかし、このようにして得られた感材は緑感光性層の粒状性の点で不十分であった。重層効果を与える層およびイエローフィルター層が500nm付近の光を必要以上にカットしていることによるものと思われる。
【0006】
特開平6−175289には、イエローフィルター層が特定の油溶性染料を含有し、さらに該赤感層に重層効果を与えるハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料について開示されている。
【0007】
しかしながら、重層効果を与える層による緑感光性層に対する光遮蔽についての解決策については開示されておらず、さらに油溶性染料の脱色性のバラツキによる写真性能のバラツキの点で問題であった。
【0008】
カラー写真感光材料の分野において、写真性有用基を銀画像の形成と同時に銀画像様に放出させることにより写真画像の性能が格段に向上することが知られている。
【0009】
例えば、DIRカプラーは現像時に現像主薬酸化体とのカップリング反応によっ て現像抑制剤を放出することにより、カラー画像の粒状性の改良、エッジ効果による鮮鋭度の向上および他層への抑制剤の拡散による色再現性の向上等の機能を発現する。これらのことは、例えば米国特許第4,248,962号、特開平5-313322号等 の特許明細書に詳しく述べられている。
【0010】
このように、現像抑制剤を放出するカプラーはカラー画像の画質および感度の向上に寄与している。しかしながら、これらのカプラーは現像主薬酸化体とのカップリング反応により現像抑制剤が放出されると同時にアゾメチン色素も形成されるため、カラー画像の色再現性上好ましくない影響を与えることが少なくなく、これらDIRカプラーの汎用性、使用量および分子設計等が制約される大きな原因となっている。例えば緑感性層から青感性層と赤感性層に十分な層間効果を与えるにはマゼンタ発色色素を形成するDIRカプラーでは活性が不十分で、高活性なイエロー発色DIRカプラーとシアン発色DIRカプラーを組み合わせて用いなくてはならず、色濁りや現像処理変動の観点から好みしいとは言えなかった。
【0011】
これらの問題点を克服する目的で、色素生成を伴わずに現像抑制剤を放出する手段として現像主薬酸化体との酸化還元反応を利用する方法が知られている。例えば、特開昭49-129536号、米国特許第4,377,643号等に記載のDIR-ハイドロキノン類;特開昭52-57828号等に記載のDIR-アミノフェノール類;欧州特許第45129号等に記載のp-ニトロベンジル誘導体;特開平8-211542号等に記載のヒドラジン誘導体等がこれに該当する。しかしながらこれらのレドックス化合物は上記の機能性カプラーと比べると、一般的には感材中での経時安定性が低く、また、酸化還元反応後の現像抑制剤の放出が遅いという問題がある。
【0012】
また、現像主薬酸化体とカップリングすることにより(実質的に)色素生成を伴わずに現像抑制剤を放出することができるカプラー(無呈色カプラー)が例えば、特公昭52-46817号、米国特許第4,315,070号等の特許明細書に記載されている。また、現像主薬酸化体とのカップリング反応により現像抑制剤放出とともに色素を生成するものの、生成した色素が写真処理中に処理液に流出されるカプラー(流出カプラー)が例えば、特公平1-52742号、特開平4-356042号、同8-44011号等の特許明細書に記載されている。しかしながら、前者の無呈色カプラーにおいてはカップリング活性が低かったり、カプラーの安定性が低い等の問題が克服されていなかった。また後者の流出カプラーは、非拡散性基を離脱基に導入するためDIRカプラーとして用いる場合、層間効果が低下する傾向があり、その分子設計にはより一層の改善が望まれていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、第一に、良好な色再現性を有し、かつ高感度で粒状性に優れ、さらに処理変動の少ないハロゲン化銀写真感光材料を提供することにある。第二に、製造から撮影までの保存による感度変化が小さいハロゲン化銀写真感光材料を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の(1)から(3)によって達成される。
【0015】
(1) 支持体上に、支持体に遠い側からそれぞれ少なくとも1層の、イエローカプラーを含有し、その分光感度域が400nmから520nmの間にあるように分光増感されたハロゲン化銀乳剤層(BL)、マゼンタカプラーを含有し、その分光感度域が470nmから600nmの間にあるように分光増感されたハロゲン化銀乳剤層(GL)、およびシアンカプラーを含有し、その分光感度域が540nmから700nmにあるように分光増感されたハロゲン化銀乳剤層(RL)を有するカラー写真感光材料において、GLの分光感度分布の重心感度波長(λ)が約520nmから約580nmの間にあり、RLの分光感度分布の重心感度波長(λ)が約590nmから約650nmの間にあり、BLの分光感度分布の重心感度波長(λ)が約430nmから約485nmの間にあり、さらに、少なくとも1つのRLが500nmから600nmの範囲で受ける重層効果の大きさの分布の重心波長(λ−R)が500nm≦λ−R≦560nmになるような重層効果のドナー層が存在し、かつλ−λ−R≧5nmであり、さらに該重層効果のドナー層がGLとRLとの間に存在し、固体微粒子分散状の、下記一般式(1)で表される染料および下記一般式(2)で表される染料からなる群から選択される染料を少なくとも一種含有するイエローフィルターがBLとGLとの間に存在することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0016】
一般式(1)
A1=L−Q
式(1)において、A1は酸性核を、Qはアリール基または芳香族複素環基を、Lはメチン基を表す。
【0017】
一般式(2)
A2=L−A3
式(2)において、A2,A3は酸性核を、Lはメチン基を表す。
【0019】
(2) 下記一般式(D1)の化合物および一般式(D2)の化合物からなる群から選択される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とする(1)に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0020】
式(D1) A−X
式(D2) A’−B−X
式中、Aは現像主薬酸化体と反応してXを放出するとともに、処理液に可溶もしくは消色性の化合物を生成する基を表す。A’は現像主薬酸化体とカップリング可能なカプラー残基を表し、Bは求電子部位を有し、A’と現像主薬酸化体とのカップリング反応で生成した現像主薬の窒素原子とこの求電子部位との分子内求核置換反応により、環形成をともなって色素形成することなく、Xを放出することの出来る連結基を表し、Xは現像抑制剤もしくはその前駆体残基を表す。
【0021】
【発明の実施の形態】
ここで、シアンカプラーを含有し、その分光感度域が540nmから700nmにあるように分光増感されたハロゲン化銀乳剤層(RL、(以下、「赤感層」ともいう。))が500nmから600nmの範囲で他のハロゲン化銀乳剤層から受ける重層効果の大きさの波長分布の重心波長λ-Rは、次のようにして求められる。
【0022】
▲1▼まず、600nm以上の波長でシアン発色する赤感層が感光し、他の層が感光されないように特定の波長以上を透過する赤色フィルターまたは特定の波長のみを透過する干渉フィルターを用いて均一な露光を与えてシアン発色する赤感層を適当な値に一様にかぶらせる。
【0023】
▲2▼次にスペクトル露光を与えると、イエローカプラーを含有し、その分光感度域が400nmから520nmの間にあるように分光増感されたハロゲン化銀乳剤層(BL、(以下、「青感層」ともいう。))、マゼンタカプラーを含有し、その分光感度域が470nmから600nmの間にあるように分光増感されたハロゲン化銀乳剤層(GL、以下、「緑感層」ともいう。))から前述のかぶらされた赤感層乳剤に現像抑制の重層効果が働き、反転像を与える(図1A参照)。
【0024】
▲3▼この反転像により、反転感材としての分光感度分布S-R(λ)を求める(特定の波長λに対するS-R(λ)は、図1A中に示すa点より相対点に求められる。)。
【0025】
▲4▼下記式(L)で重層効果の重心波長(λ-R)を計算する。
【0026】
式(L)
【数1】
Figure 0003950569
【0027】
G(λ)は緑感層の分光感度分布曲線であり、特定の波長λにおけるSG(λ)は図1B中に示すb点より相対値が求められる。
【0028】
一般式(1)で表される染料について説明する。
【0029】
A1とQはメチン連結基で結合されておりA1は、ベンゾイルアセトニトリル、α−シアノアセトアニリド、2−フェニル−1,1,3−トリシアノプロペン、5−ピラゾロン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ピラゾロピリドン、ローダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、オキサゾリジンジオン、ピラゾリジンジオン、インダンジオン、ヒドロキシピリドン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2,4−ジオン、3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ〔d〕チオフエン−1,1−ジオキシド、3−ジシアノメチレン−2,3−ジヒドロベンゾ〔d〕チオフエン−1,1−ジオキシド、3−シアノ−(2H,5H)ジヒドロフラン−2−オンより誘導される酸性核を挙げることができる。
【0030】
具体的にはA1は、2−シアノ−アセトフェノン−2−イリデン、2−シアノ−アセトアニリド−2−イリデン、2−フェニル−1,1,3−トリシアノ−1−プロペン−3−イリデン、3H−ピラゾール−3−オン−4−インデン、5(4H)−イソキサゾロン−4−イリデン、2,4,6(1H,3H,5H)−ピリミジントリオン−5−イリデン、ジヒドロ−2−チオキソ−4,6(1H,5H)−ピリミジンジオン−5−イリデン、1H−ピラゾロ[3,4,−b]ピリジン−3,6(2H,5H)−ジオン−5−イリデン、ローダニン−5−イリデン、ヒダントイン−5−イリデン、2−チオヒダントイン−5−イリデン、オキサゾリジン−2,4−ジオン−5−イリデン、ピラゾリジン−3,5−ジオン−4−イリデン、インダン−1,3−ジオン−2−イリデン、6−オキソ−2(3H,6H)ピリドン−3−イリデン−、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2,4−ジオン−3−イリデン、3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ〔d〕チオフエン−1,1−ジオキシド−2−イリデン、3−ジシアノメチレン−2,3−ジヒドロベンゾ〔d〕チオフエン−1,1−ジオキシド−2−イリデン、3−シアノ−(2H,5H)ジヒドロフラン−2−オン−5−イリデンを好ましい例として挙げることができる。
【0031】
2−シアノ−アセトフェノン−2−イリデン、3H−ピラゾール−3−オン−4−イリデン、6−オキソ−2(3H,6H)−ピリドン−3−イリデン、3H−イソキサゾール−3−オン−4−イリデン、2,4,6(1H,3H,5H)−ピリミジントリオン−5−イリデン、1H−ピラゾロ[3,4,−b]ピリジン−3,6(2H,5H)−ジオン−5−イリデン、ピラゾリジン−3,5−ジオン−4−イリデン、もしくは3−シアノ−(2H,5H)ジヒドロフラン−2−オン−5−イリデンを更に好ましい例として挙げることができ、特に好ましいのは3H−ピラゾール−3−オン−4−イリデンである。A1は、pKaの値で3〜11の間にある解離性基、例えばカルボキシル基、スルホンアミド基、スルファモイル基、フェノール性水酸基などを少なくとも1個有していることが好ましい。
【0032】
Qがアリール基を表す場合は、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基が好ましく、p位にヘテロ原子が置換した置換フェニル基が特に好ましい。好ましい置換基としては、アルキル基(例えばメチル、エチルなど)、アミノ基(例えば、無置換のアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノなど)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、メトキシエトキシなど)、水酸基、含窒素飽和複素環基(たとえばピペリジノ、モルホリノなど)を挙げる事ができる。これらの置換基が互いに、あるいはフェニル基と結合して環を形成しても良い。
【0033】
Qが芳香族複素環基を表す場合は、炭素原子少なくとも1つと、酸素原子、窒素原子およびイオウ原子からなるヘテロ原子群から選択されるヘテロ原子少なくとも1種とにより構成される5または6員の芳香族複素環基であり、置換または無置換のベンゼン環が縮合していても良い。
【0034】
好ましい芳香族複素環の例としては、3−ピロリル、3−インドリル、3−カルバゾリル、4−ピラゾリル、2−フリル、2−チエニル、4−イソオキサゾリルをあげることができる。中でも好ましい物は、3−ピロリル、3−インドリルもしくは2−フリルである。芳香族複素環はさらに置換基を有していても良く、好ましい置換基としては、アルキル基(例えばメチル、エチル、シアノメチル、メトキシカルボニルメチルなど)、アミノ基(例えば、無置換のアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノなど)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、メトキシエトキシなど)、水酸基、含窒素飽和複素環基(たとえばピペリジノ、モルホリノなど)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミドなど)、スルファモイル基(例えばフェニルスルファモイル、アセチルスルファモイルなど)、カルボキシル基、シアノ基、ハロゲン原子(クロル、ブロム等)、を挙げることができる。
【0035】
Lで表されるメチン基は置換基を有していてもよく、置換基の例としてはアルキル基(例えばメチル基、エチル基等)を挙げることができる。好ましくはLは無置換のメチン基である。
【0036】
一般式(1)で表される化合物のうち更に好ましい物は、下記一般式(3)または(4)で表されるものである。
【0037】
【化1】
Figure 0003950569
【0038】
式(3)について説明する。A4は一般式(1)のA1と同義の酸性核を、Xは酸素原子、イオウ原子、またはN−Yを表し、R1,R2はそれぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。Yは水素原子、置換および無置換のアルキル基、置換および無置換のアリール基、または置換および無置換の複素環基を表す。R1およびR2が結合して縮合環を形成してもよい。
【0039】
R1またはR2で表される置換基は、例えば炭素数(置換アルキルの場合、当該置換基の炭素数は含まない(以下、他の基についても同様)。)1から8の置換もしくは無置換のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec −ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、メトキシエチル、エトキシエチル、エトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルエチル、シアノエチル、ジエチルアミノエチル、ヒドロキシエチル、クロロエチル、アセトキシエチル等)、炭素数2から8の置換もしくは無置換のアルケニル基(例えば、ビニル、アリル、1−ブテニル等)、炭素数7から12の置換もしくは無置換のアラルキル基(例えば、ベンジル、2−カルボキシベンジル等)、炭素数6から18の置換もしくは無置換のアリール基(例えば、フェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−カルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル等)、炭素数2から6の置換もしくは無置換のアシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、クロロアセチル等)、炭素数1から8の置換もしくは無置換のスルホニル基(例えばメタンスルホニル、p−トルエンスルホニル等)、炭素数2から6のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、炭素数7から12のアリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル、4−メチルフェノキシカルボニル、4−メトキシフェノキシカルボニル等)、炭素数1から4の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ、メトキシエトキシ等)、炭素数6から10の置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、炭素数2から8の置換もしくは無置換のアシルオキシ基(例えば、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボニルオキシ、ベンゾイルオキシ、クロロアセチルオキシ等)、炭素数1から6の置換もしくは無置換のスルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ等)、炭素数2から8のカルバモイルオキシ基(例えば、メチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ等)、炭素数0から8の置換もしくは無置換のアミノ基(例えば、無置換のアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、フェニルアミノ、メトキシフェニルアミノ、クロロフェニルアミノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、n−ブトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、メチルカルバモイルアミノ、フェニルカルバモイルアミノ、アセチルアミノ、エチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、クロロアセチルアミノ、メチルスルホニルアミノ等)、炭素数1から8の置換もしくは無置換のカルバモイル基(例えば、無置換カルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、モルホリノカルバモイル、ピロリジノカルバモイル等)、炭素数1から8の置換もしくは無置換のスルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素)、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基等が挙げられる。
【0040】
R1,R2は水素原子またはアルキル基、アリール基より選ばれる置換基であるか、互いに結合してベンゾ縮合環を形成することが好ましい。形成されたベンゼン環上にはさらに前述のR1,R2で挙げた置換基を有していてもよい。
【0041】
式(4)について説明する。A5は一般式(1)のA1と同義の酸性核を表す。R4,R5は水素原子、置換および無置換のアルキル基、または置換および無置換のアリール基を表す。R6は前述のR1,R2と同義の置換基を表す。nは0から4までの整数を表し、nが2から4の整数の時R6は互いに同じでも異なっていてもよく、2つのR6が結合して縮合環を形成しても良い。形成された縮合環上にはさらに前述のR1,R2で挙げた置換基を有していてもよい。
【0042】
特に好ましくは一般式(5)である。
【0043】
【化2】
Figure 0003950569
【0044】
式中、A6は一般式(1)のA1と同義の酸性核を表す。R7は水素原子または置換基を表す。R9は置換基を表す。mは0〜4までの整数を表し、mが2から4の整数のときR9は互いに同じでも異なってもよい。R8は水素原子、もしくは総炭素数(置換アルキルの場合、当該置換基の炭素数も含む炭素数(以下、他の基についても同様))1から8の置換、無置換のアルキル基を表し、さらに好ましくはハメットの置換基定数σmが0.3以上1.5以下の電子吸引性基で置換された炭素数1から6までのアルキル基を表す。ハメットの置換基定数σm(例えば、Chem.Rev.,91,165(1991)に記載されている)が、0.3以上1.5以下の電子吸引性基としては例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子(σm値=0.34以下同じ)、塩素原子(0.37)、臭素原子(0.39)、ヨウ素原子(0.35))、トリフルオロメチル基(0.43)、シアノ基(0.56)、ホルミル基(0.35)、アシル基(例えば、アセチル(0.38))、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ(0.39))、カルボキシル基(0.37)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル(0.37))、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル(0.37))、アルキルカルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル(0.35))、ニトロ基(0.71)、アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル(0.52))、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル(0.60))、スルファモイル基(0.53)等が挙げられる。好ましくは、アルコキシカルボニル基またはシアノ基である。より好ましくはアルコキシカルボニル基である。
【0045】
R7またはR9で表される置換基は、例えば総炭素数1から8の置換もしくは無置換のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec −ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、メトキシエチル、エトキシエチル、エトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルエチル、シアノエチル、ジエチルアミノエチル、ヒドロキシエチル、クロロエチル、アセトキシエチル)、炭素数7から12の置換もしくは無置換のアラルキル基(例えば、ベンジル、2−カルボキシベンジル)、炭素数6から18の置換もしくは無置換のアリール基(例えば、フェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−カルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル)、炭素数2から6の置換もしくは無置換のアシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、クロロアセチル)、炭素数1から8の置換もしくは無置換のスルホニル基(例えばメタンスルホニル、p−トルエンスルホニル)、炭素数2から6のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、炭素数7から12のアリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル、4−メチルフェノキシカルボニル、4−メトキシフェノキシカルボニル)、炭素数1から4の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ、メトキシエトキシ)、炭素数6から10の置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ、4−メトキシフェノキシ)、炭素数2から8の置換もしくは無置換のアシルオキシ基(例えば、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボニルオキシ、ベンゾイルオキシ、クロロアセチルオキシ)、炭素数1から6の置換もしくは無置換のスルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ)、炭素数2から8のカルバモイルオキシ基(例えば、メチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ)、炭素数0から8の置換もしくは無置換のアミノ基(例えば、無置換のアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、フェニルアミノ、メトキシフェニルアミノ、クロロフェニルアミノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、n−ブトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、メチルカルバモイルアミノ、フェニルカルバモイルアミノ、アセチルアミノ、エチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、クロロアセチルアミノ、メチルスルホニルアミノ)、炭素数1から8の置換もしくは無置換のカルバモイル基(例えば、無置換カルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、モルホリノカルバモイル、ピロリジノカルバモイル)、炭素数1から8の置換もしくは無置換のスルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド)、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素)、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基等が挙げられる。
【0046】
R7は水素原子またはアルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、またはアリールオキシカルボニル基より選ばれる置換基であることが好ましい。特に好ましくは水素原子である。
【0047】
mは0,1または2であることが好ましい。m=1または2のとき、R9はアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、カルバモイル基、スルホンアミド基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基より選ばれる置換基であることが好ましい。特に好ましくはm=0である。
【0048】
好ましい組み合わせとしては、A6は2−シアノ−アセトフェノン−2−イリデン、3H−ピラゾール−3−オン−4−イリデン、6−オキソ−2(3H,6H)−ピリドン−3−イリデン、3H−イソキサゾール−3−オン−4−イリデン、2,4,6(1H,3H,5H)−ピリミジントリオン−5−イリデン、1H−ピラゾロ[3,4,−b]ピリジン−3,6(2H,5H)−ジオン−5−イリデン、ピラゾリジン−3,5−ジオン−4−イリデン、もしくは3−シアノ−(2H,5H)ジヒドロフラン−2−オン−5−イリデンであり、R7が水素原子であり、R9が水素原子またはアルキル基であり、R8が水素原子、またはハメットの置換基定数σmが0.3以上1.5以下の電子吸引性基で置換されたアルキル基の組み合わせである。特に好ましいのはA6は2−シアノ−アセトフェノン−2−イリデン、3H−ピラゾール−3−オン−4−イリデンであり、m=0であり、R7が水素原子であり、R8が、水素原子、アルコキシカルボニルメチル基、またはシアノメチル基の組み合わせである。
【0049】
特登2649980号(対応の米国特許(US)5,213,957号)、特開平8−50345号、同7−92613号、同5−86056号、欧州特許775938A1号、同524594A号、米国特許5,776,667号、同4,923,788号、同4,950,586号、同4,948,717号、同4,857,446号、同4,764,455号などに開示されている化合物が好ましく用いられる。これらの染料は、pH5〜7の水に対し難溶性の染料を、固体微粒子あるいは乳化物として分散して特定層を染色できるものであり、特に固体微粒子分散して用いる事が好ましい。
【0050】
以下に本発明に用いられる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0051】
【化3】
Figure 0003950569
【0052】
【化4】
Figure 0003950569
【0053】
【化5】
Figure 0003950569
【0054】
【化6】
Figure 0003950569
【0055】
【化7】
Figure 0003950569
【0056】
【化8】
Figure 0003950569
【0057】
【化9】
Figure 0003950569
【0058】
【化10】
Figure 0003950569
【0059】
【化11】
Figure 0003950569
【0060】
【化12】
Figure 0003950569
【0061】
【化13】
Figure 0003950569
【0062】
【化14】
Figure 0003950569
【0063】
【化15】
Figure 0003950569
【0064】
【化16】
Figure 0003950569
【0065】
これらの染料は、いずれも下記特許に記載された方法にて容易に合成が可能である。特登2649980号(US5,213,957号)、特開平8−50345号、同7−92613号、同5−86056号、欧州特許775938A1号、同524594A号、米国特許5,776,667号、同4,923,788号、同4,950,586号、同4,948,717号、同4,857,446号、同4,764,455号、特開平9−311401号、同10−39449号。
【0066】
以下に合成例を示す。
【0067】
(a) 2−(3−ホルミル−1−インドリル)プロピオン酸メチル(化合物a)の合成
インドール−3−カルバルデヒド4.4g、2−ブロモプロピオン酸メチル5.5g、炭酸カリウム8.3g、N,N−ジメチルホルムアミド30ミリリットル(以下、ミリリットルを「mL」と表記する。)を混合し、蒸気浴上で3時間加熱攪拌した。反応液を室温まで放冷した後、氷水120mLの中に攪拌しながら、注ぎ込むと、油状物が沈澱しやがて固化した。これをエタノールで再結晶し、化合物aの結晶6.2gを得た。
【0068】
(b)化合物1の合成
1−p−カルボキシフェニル−3−メチル−5−ピラゾロン5.5g、化合物a5.8gをN,N−ジメチルアセトアミド50mLに混合し、4時間蒸気浴上で加熱した。室温まで冷却し、メタノール50mLを加えた後に結晶を濾取した。少量のメタノールで洗浄し、乾燥すると化合物1が7.4g得られた。λmax =406nm(ジメチルホルムアミド)。
【0069】
(c)化合物5の合成
3−アミノ−1−p−カルボキシフェニル−5−ピラゾロン6.6g、化合物a6.9gをN,N−ジメチルホルムアミド30mLに混合し、4時間蒸気浴上で加熱した。室温まで冷却後、メタノール30mLを加えしばらく同温度で攪拌後結晶を濾取した。メタノールで洗浄後、乾燥すると化合物5が7.6g得られた。λmax =414nm(ジメチルホルムアミド)。
【0070】
次に一般式(2)で表される化合物について詳細に説明する。式中A2またはA3で表される酸性核は、同じ酸性核である場合が好ましく、環状のケトメチレン化合物または電子吸引性基によって挟まれたメチレン基を有する化合物が好ましい。環状のケトメチレン化合物の例としては、2−ピラゾリン−5−オン、ロダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、2,4−オキサゾリジンジオン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、インダンジオン、ヒドロキシピリジン、ピラゾリジンジオン、2,5−ジヒドロフランを挙げることができ、それぞれ置換基を有してもよい。
【0071】
電子吸引性基によって挟まれたメチレン基を有する化合物はZ1CH22と表すことができ、ここにZ1,Z2は各々CN、SO221、COR21、COOR22、CONHR22、SO2NHR22、C〔=C(CN)2〕R21、C〔=C(CN)2〕NHR21を表し、R21はアルキル基、アリール基、複素環を表し、R22は水素原子、R21で表される基を表し、それぞれ置換基を有していてもよい。
【0072】
これらの酸性核の中でも2−ピラゾリン−5−オン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、インダンジオン、ヒドロキシピリジン、ピラゾリジンジオンがより好ましく、2−ピラゾリン−5−オンが特に好ましい。
【0073】
Lで表されるメチン基は、置換基を有していてもよく、置換基の例としてはアルキル基を挙げることができる。
【0074】
上記した各基が有してもよい置換基は、一般式(2)の化合物をpH5〜pH7の水に実質的に溶解させるような置換基でなければ特に制限はない。ここで、実質的に溶解するとは、溶解度が1.0g/L(25℃)以上をいう。例えばカルボキシル基、炭素数1〜10のスルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、n−オクタンスルホンアミド)、炭素数1〜10のスルファモイル基(例えば無置換のスルファモイル、メチルスルファモイル、フェニルスルファモイル、ブチルスルファモイル)、炭素数2〜10のスルホニルカルバモイル基(例えばメタンスルホニルカルバモイル、プロパンスルホニルカルバモイル、ベンゼンスルホニルカルバモイル)、炭素数1〜10のアシルスルファモイル(例えばアセチルスルファモイル、プロピオニルスルファモイル、ピバロイルスルファモイル、ベンゾイルスルファモイル)、炭素数1〜8の鎖状または環状のアルキル基(例えばメチル、エチル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロヘキシル、2−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メトキシエチル、ベンジル、フェネチル、4−カルボキシベンジル、2−ジエチルアミノエチル)、炭素数2〜8のアルケニル(例えばビニル、アリル)、炭素数1〜8のアルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ)、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素)、炭素数0〜10のアミノ基(例えば無置換のアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、カルボキシアミノ)、炭素数2〜10のエステル基(例えばメトキシカルボニル)、炭素数1〜10のアミド基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド)、炭素数1〜10のカルバモイル基(例えば無置換のカルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル)、炭素数6〜10のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、4−カルボキシフェニル、3−カルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル、4−メタンスルホンアミドフェニル、4−ブタンスルホンアミドフェニル)、炭素数6〜10のアリーロキシ基(例えばフェノキシ、4−カルボキシフェノキシ、3−メチルフェノキシ、ナフトキシ)、炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ)、炭素数6〜10のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、ナフチルチオ)、炭素数1〜10のアシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、プロパノイル)、炭素数1〜10のスルホニル基(例えばメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル)、炭素数1〜10のウレイド基(例えばウレイド、メチルウレイド)、炭素数2〜10のウレタン基(例えばメトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ)、シアノ基、水酸基、ニトロ基、複素環基(例えば、5−カルボキシベンゾオキサゾール環、ピリジン環、スルホラン環、フラン環、ピロール環、ピロリジン環、モルホリン環、ピペラジン環、ピリミジン環)等を挙げることができる。
【0075】
以上の一般式(2)で表される化合物の中でも、下記一般式(6)で表される化合物が特に好ましい。
【0076】
【化17】
Figure 0003950569
【0077】
式中、R10は水素原子、アルキル基、アリール基を表し、R11はアルキル基、アリール基を表す。R10およびR11により表されるアルキル基、アリール基のそれぞれ好ましいものは、一般式(2)の化合物が有し得る置換基として上述したアルキル基、アリール基を挙げることができる。以下に本発明に用いられる一般式(2)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0078】
【化18】
Figure 0003950569
【0079】
【化19】
Figure 0003950569
【0080】
本発明で用いられる染料は、好ましくは一般式(1)のものであり、さらに好ましくは一般式(3)または(4)のものであり、特に好ましくは一般式(5)のものである。
【0081】
本発明の一般式(1)または(2)で表される染料は、pH5〜7の水に対し難溶性であることが好ましい。ここでいう水難溶性とはpH5〜7の水に対する溶解度が1.0g/リットル(25℃)以下の化合物を言う。以下、リットルを「L」と表記する。このような化合物を写真感光材料中へ導入する方法としては、例えば米国特許5,76,667号に記載されているように種々の分散方法を用いることができるが、固体微粒子あるいは乳化物として分散して用いる事が好ましく、固体微粒子分散して用いる事が特に好ましい。本発明において用いる染料が水に対して難溶であるためには、特に、スルホ基またはそれらの塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)を置換基として有することは好ましくない。
【0082】
本発明において、染料を固体微粒子分散する際には、特開昭52−92716号、国際公開88/04794号に記載のごとくボールミル、サンドミル、コロイドミル等の分散機や振動ボールミル、遊星ボールミル、ジエットミル、ロールミル、マントンガウリン、マイクロフルイダイザー、ディスクインベラーミルのごとき分散機などを任意に選ぶことができるが、縦型あるいは横形の媒体分散機が好ましい。いずれの場合も溶媒(例えば水)を用いることが好ましく、更に分散用界面活性剤を用いることがより好ましい。分散用界面活性剤としては、特開昭52−92716号、国際公開88/04794号などに記載のごとくアニオン性界面活性剤を使用したり、特開平4−324858号のごとくアニオン性ポリマーを使用することもでき、必要に応じてノニオン性あるいはカチオン性界面活性剤を使用することができるが、アニオン性ポリマーか、アニオン性界面活性剤が好ましい。
【0083】
また、本発明の一般式(1)または(2)の染料を適当な溶媒中で溶解させた後、本発明の一般式(1)または(2)の染料の貧溶媒を添加して微結晶を析出させてもよく、この場合にも前記の分散用界面活性剤を用いてもよい。あるいは、溶媒中でpHをコントロールさせることによってまず溶解させ、その後、pHを変化させて微結晶化させてもよい。分散体中の本発明の一般式(1)または(2)の染料は平均粒径が0.005μmから10μm、好ましくは0.01μmから1μm、更に好ましくは0.01μmから0.5μmであり、場合によっては0.01μmから0.1μmであることが好ましい。
【0084】
一般式(1)または(2)の染料の分散の際には、染料固体に何の前処理も施さず、そのまま分散しても良い。このとき好ましくは、その合成過程において得られる湿潤状態にある染料固体を分散に用いるのが良い。また、必要に応じて、分散前および/または分散後に加熱処理を行ってもよく、より有効に加熱処理を行うには、少なくとも分散後に加熱処理を行うことが好ましい。加熱温度は40℃以上が好ましく上限は染料が分解しない範囲であればよいが、好ましくは250℃以下である。更に好ましくは50℃〜150℃である。加熱時間は染料が分解しない範囲であればよく、15分〜1週間、好ましくは1時間〜4日である。有効に加熱処理を行うために、溶媒中で行うことが好ましく、溶媒の種類としては、前記一般式(1)または(2)の染料を実質的に溶解しないものであればよく、例えば、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチルセロソルブ)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、エステル類(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、アルキルカルボン酸類(例えば酢酸、プロピオン酸)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル)、エーテル類(例えば、ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン)等を挙げることができる。
【0085】
加熱処理時に有機カルボン酸類を共存させると、本発明の課題をより有効に解決することができる。有機カルボン酸としてはアルキルカルボン酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アリールカルボン酸類(例えば、安息香酸、サリチル酸)等を挙げることができる。有機カルボン酸類の量は、溶媒として用いる場合には一般式(1)または(2)の染料の重量の0.5〜100倍量を用いることができる。有機カルボン酸類以外の溶媒を用いて有機カルボン酸を添加して用いる場合には、一般式(2)の染料に対して0.05〜100%の重量比で用いることができる。
【0086】
尚、本発明の一般式(1)または(2)の染料を高沸点溶剤やポリマーと共に分散して使う具体的方法については、先述の米国特許5,776,667号、特開平7−92613号、同9−311401号、同10−39449号に記載が有る。
【0087】
一般式(1)または(2)で表される染料は、効果のある任意の量を使用できるが、光学濃度が0.05乃至3.0の範囲になるように使用するのが好ましい。ここで、光学濃度とは、当該染料を添加塗布した感材での光学濃度をいう。一般式(1)または(2)で表される染料は、それぞれ1種のみを添加することも、複数種を添加することもできる。また、一般式(1)の染料と一般式(2)の染料とは併用することもできる。添加量としては0.5mg/m2〜1000mg/m2が好ましく、より好ましくは1mg/m2〜600mg/m2である。添加時期は塗布される前のいかなる工程でもよい。一般式(1)または(2)で表される染料は乳剤層やその他の親水性コロイド層(中間層、保護層、アンチハレーション層、フィルター層、バツク層等)の何れにも用いることが出来、単一の層に用いても複数の層に用いてもよい。好ましい添加層としてはイエローフィルター層である。
【0088】
式(D1)で表される現像抑制剤放出化合物について説明する。
【0089】
詳しくは、式(D1)で表される現像抑制剤放出化合物は下記式(D3)または(D4)で表される。
【0090】
式(D3) A−(TIME)m−DI
式(D4) A−(TIME)i−RED−DI
式中、Aは現像主薬の酸化体とのカップリング反応により、(TIME)m−DIまたは(TIME)i−RED−DIを離脱するとともに、処理液に可溶もしくは消色性の化合物を生成するカプラー残基を表し、TIMEはカップリング反応によりAより離脱した後にDIもしくはRED−DIを開裂するタイミング基を表し、REDはAまたはTIMEより離脱した後に現像主薬酸化体と反応してDIを開裂する基を表し、DIは現像抑制剤を表し、mは1または2を表し、iは0または1を表す。mが2であるとき2個のTIMEは同じものまたは異なるものを表す。
【0091】
Aがイエローカプラー残基を表すとき、例えば、ピバロイルアセトアニリド型、ベンゾイルアセトアニリド型、マロンジエステル型、マロンジアミド型、ジベンゾイルメタン型、ベンゾチアゾリルアセトアミド型、マロンエステルモノアミド型、ベンゾオキサゾリルアセトアミド型、ベンゾイミダゾリルアセトアミド型、キナゾリン−4−オン−2−イルアセトアニリド型またはシクロアルカノイルアセトアミド型のカプラー残基が挙げられる。
【0092】
Aがマゼンタカプラー残基を表すとき、例えば5−ピラゾロン型、ピラゾロ〔1,5−a〕ベンズイミダゾール型、ピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール型、ピラゾロ〔5,1−c〕〔1,2,4〕トリアゾール型、イミダゾ〔1,2−b〕ピラゾール型、ピロロ〔1,2−b〕〔1,2,4〕トリアゾール型、ピラゾロ〔1,5−b〕ピラゾール型またはシアノアセトフェノン型のカプラー残基が挙げられる。
【0093】
Aがシアンカプラー残基を表すとき、例えばフェノール型、ナフトール型、ピロロ〔1,2−b〕〔1,2,4〕トリアゾール型、ピロロ〔2,1−c〕〔1,2,4〕トリアゾール型または2,4−ジフェニルイミダゾール型が挙げられる。
【0094】
さらにAは実質的に色画像を残さないカプラー残基であってもよい。この型のカプラー残基としては、例えばインダノン型、アセトフェノン型などのカプラー残基が挙げられる。
【0095】
Aの好ましい例は下記式(Cp−1)、(Cp−2)、(Cp−3)、(Cp−4)、(Cp−5)、(Cp−6)、(Cp−7)、(Cp−8)、(Cp−9)、(Cp−10)、(Cp−11)または(Cp−12)で表わされるカプラー残基である。これらのカプラーはカップリング速度が大きく好ましい。
【0096】
【化20】
Figure 0003950569
【0097】
【化21】
Figure 0003950569
【0098】
【化22】
Figure 0003950569
【0099】
上式においてカップリング位より派生している自由結合手は、カップリング離脱基の結合位置を表わす。
【0100】
上式においてはR51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、R60、R61、R62、R63、R64、R65およびR66のそれぞれの炭素数は10以下が好ましい。
【0101】
Aで表されるカプラー残基はR71OCO−基、HOSO2−基、HO−基、R72NHCO−基またはR72NHSO2−基の少なくとも1個を置換基に有することが好ましい。すなわち、式(Cp−1)においてはR51またはR52の少なくとも1個が、式(Cp−2)においてはR51、R52またはR53の少なくとも1個が、式(Cp−3)においてはR54またはR55の少なくとも1個が、式(Cp−4)および(Cp−5)においてはR56またはR57の少なくとも1個が、式(Cp−6)においてはR58またはR59の少なくとも1個が、式(Cp−7)においてはR59またはR60の少なくとも1個が、式(Cp−8)においてはR61またはR62の少なくとも1個が、式(Cp−9)および(Cp−10)においては少なくとも1個のR63が、式(Cp−11)および(Cp−12)においてはR64、R65またはR66の少なくとも1個がR71OCO−基、HOSO2−基、HO−基、R72NHCO−基またはR72NHSO2−基の少なくとも1個を置換基に有することが好ましい。R71は水素原子、炭素数6以下のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル)またはフェニル基を表し、R72はR71で表される基、R74CO−基、R74N(R75)CO−基、R73SO2−基またはR74N(R75)SO2−基を表し、R73は炭素数6以下のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル)またはフェニル基を表し、R74およびR75はR71で表される基を表し、これらはさらに置換基を有していてもよい。
【0102】
以下にR51〜R66、a、b、d、eおよびfについて詳しく説明する。以下でR41はアルキル基、アリール基または複素環基を表わし、R42はアリール基または複素環基を表し、R43、R44およびR45は水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。
【0103】
51はR41と同じ意味を表わす。aは0または1を表す。R52およびR53は各々R43と同じ意味を表す。式(Cp−2)においてR52が水素原子でないとき、R52とR51が結合して5〜7員の環を形成してもよい。bは0または1を表す。R54はR41と同じ意味の基、R41CON(R43)−基、R41SO2N(R43)−基、R41N(R43)−基、R41S−基、R43O−基またはR45N(R43)CON(R44)−基を表す。R55はR41と同じ意味の基を表す。
【0104】
56およびR57は各々独立してR43基と同じ意味の基、R41S−基、R43O−基、R41CON(R43)−基、R41OCON(R43)−基またはR41SO2N(R43)−基を表す。
【0105】
58はR43と同じ意味の基を表す。R59はR41と同じ意味の基、R41CON(R43)−基、R41OCON(R43)−基、R41SO2N(R43)−基、R43N(R44)CON(R45)−基、R41O−基、R41S−基、ハロゲン原子またはR41N(R43)−基を表わす。dは0ないし3を表す。dが複数のとき複数個のR59は同じ置換基または異なる置換基を表す。R60はR43と同じ意味の基を表す。
【0106】
61はR43と同じ意味の基、R43OSO2−基、R43N(R44)SO2−基、R43OCO−基、R43N(R44)CO−基、シアノ基、R41SO2N(R43)CO−基、R43CON(R44)CO−基、R43N(R44)SO2N(R45)CO−基、R43N(R44)CON(R45)CO−基、R43N(R44)SO2N(R45)SO2−基、R43N(R44)CON(R45)SO2−基を表す。R62はR41と同じ意味の基、R41CONH−基、R41OCONH−基、R41SO2NH−基、R43N(R44)CONH−基、R43N(R44)SO2NH−基、R43O−基、R41S−基、ハロゲン原子またはR41N(R43)−基を表す。式(Cp−8)においてeは0ないし4の整数を表し、eが2以上のとき、複数個のR62は各々同じものまたは異なるものを表わす。
【0107】
63はR41と同じ意味の基、R43CON(R44)−基、R43N(R44)CO−基、R41SO2N(R43)−基、R41N(R43)SO2−基、R41SO2−基、R43OCO−基、R43OSO2−基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基またはR43CO−基を表わす。式(Cp−9)においてeは0ないし4の整数を表し、eが2以上のとき、複数個のR63は各々同じものまたは異なるものを表わす。式(Cp−10)においてfは0ないし3の整数を表し、fが2以上のとき、複数個のR63は各々同じものまたは異なるものを表わす。
【0108】
64、R65およびR66は各々独立してR43基と同じ意味の基、R41S−基、R43O−基、R41CON(R43)−基、R41SO2N(R43)−基、R41OCO−基、R41OSO2−基、R41SO2−基、R41N(R43)CO−基、R41N(R43)SO2−基、ニトロ基またはシアノ基を表す。
【0109】
上記においてR41、R43、R44またはR45で表されるアルキル基は炭素数1〜10、好ましくは1〜6の飽和または不飽和、鎖状または環状、直鎖または分岐、置換または無置換のアルキル基である。代表的な例としては、メチル、シクロプロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル、t−アミル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、n−デシルが挙げられる。
【0110】
41、R42、R43、R44またはR45で表されるアリール基とは炭素数6〜10のアリール基で、好ましくは置換もしくは無置換のフェニル、または置換もしくは無置換のナフチルである。
【0111】
41、R42、R43、R44またはR45で表される複素環基とは炭素数1〜10、好ましくは1〜6の複素原子として窒素原子、酸素原子もしくはイオウ原子から選ばれる、好ましくは3員ないし8員環の置換もしくは無置換の複素環基である。複素環基の代表的な例としては2−ピリジル、2−ベンズオキサゾリル、2?−イミダゾリル、2−ベンズイミダゾリル、1−インドリル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,2,4−トリアゾール−2−イル基または1−インドリニルが挙げられる。
【0112】
前記アルキル基、アリール基および複素環基が置換基を有するとき代表的な置換基としては、ハロゲン原子、R43O−基、R41S−基、R43CON(R44)−基、R43N(R44)CO−基、R41OCON(R43)−基、R41SO2N(R43)−基、R43N(R44)SO2−基、R41SO2−基、R43OCO−基、R41SO2O−基、R41と同じ意味の基、R43N(R44)−基、R41CO2−基、R41OSO2−基、シアノ基またはニトロ基が挙げられる。
【0113】
次にR51〜R66、a、b、d、eおよびfの好ましい範囲について説明する。R51はアルキル基またはアリール基が好ましい。aは1が特に好ましい。R52およびR55はアリール基が好ましい。R53はbが1のときアリール基、bが0のとき複素環基が好ましい。R54はR41CON(R43)−基またはR41N(R43)−基が好ましい。R56およびR57はアルキル基、アリール基、R41O−基またはR41S−基が好ましい。R58はアルキル基またはアリール基が好ましい。式(Cp−6)においてR59はクロール原子、アルキル基またはR41CON(R43)−基が好ましく、dは1または2が好ましい。R60はアリール基が好ましい。式(Cp−7)においてR59はR41CON(R43)−基が好ましく、dは1が好ましい。
【0114】
61はR43OSO2−基、R43N(R44)SO2−基、R43OCO−基、R43N(R44)CO−基、シアノ基、R41SO2N(R43)CO−基、R43CON(R44)CO−基、R43N(R44)SO2N(R45)CO−基、R43N(R44)CON(R45)CO−基が好ましい。式(Cp−8)においてeは0または1が好ましく、R62としてはR41OCON(R43)−基、R41CON(R43)−基またはR41SO2N(R43)−基が好ましく、これらの置換位置はナフトール環の5位が好ましい。式(Cp−9)においてR63としてはR41CON(R43)−基、R41SO2N(R43)−基、R41N(R43)SO2−基、R41SO2−基、R41N(R43)CO−基、ニトロ基またはシアノ基が好ましい。eは1または2が好ましい。式(Cp−10)においてR63はR43N(R44)CO−基、R43OCO−基またはR43CO−基が好ましい。fは1または2が好ましい。式(Cp−11)および(Cp−12)において、R64およびR65はR41OCO−基、R41OSO2−基、R41SO2−基、R44N(R43)CO−基、R44N(R43)SO2−基またはシアノ基が好ましく、R41OCO−基、R44N(R43)CO−基またはシアノ基が特に好ましい。R66はR41と同じ意味の基が好ましい。R51〜R66はそれぞれ置換基も含めた総炭素数が18以下であることが好ましく、さらに好ましくは10以下である。
【0115】
本発明においては、Aは好ましくは処理液に可溶性の化合物を生成する基である。
【0116】
次にDIで表される現像抑制剤について説明する。
【0117】
DIで表される現像抑制剤としては例えばリサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure)76巻、 No.17643(1978年12月)、米国特許4,477,563号、同5,021,332号、同5,026,628号、同3,227,554号、同3,384,657号、同3,615,506号、同3,617,291号、同3,733,201号、同3,933,500号、同3,958,993号、同3,961,959号、同4,149,886号、同4,259,437号、同4,095,984号、同4,782,012号、英国特許第1,450,479号または米国特許第5,034,311号などに記載されているような現像抑制剤が含まれる。好ましくはヘテロ環チオ基、ヘテロ環セレノ基またはトリアゾリル基(単環もしくは縮合環の1,2,3−トリアゾリルもしくは1,2,4−トリアゾリル)であり、特に好ましくはテトラゾリルチオ、テトラゾリルセレノ、1,3,4−オキサジアゾリルチオ、1,3,4−チアジアゾリルチオ、1−(または2−)ベンゾトリアゾリル、1,2,4−トリアゾール−1−(または4−)イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、2−ベンゾチアゾリルチオ、2−ベンゾオキサゾリルチオ、2−ベンゾイミダゾリルチオおよびこれらの誘導体が含まれる。好ましい現像抑制剤は下記式DI−1〜DI−6で示される。
【0118】
【化23】
Figure 0003950569
【0119】
式中、R31はハロゲン原子、R46O−基、R46S−基、R47CON(R48)−基、R47N(R48)CO−基、R46OCON(R47)−基、R462(R47)−基、R47N(R48)SO2基、R46SO2−基、R47OCO−基、R47N(R48)CON(R49)−基、R47CON(R48)SO2−基、R47N(R48)CON(R49)SO2−基、R46と同じ意味の基、R47N(R48)−基、R46CO2−基、R47OSO2−基、シアノ基またはニトロ基が挙げられる。
【0120】
46はアルキル基、アリール基、または複素環基を表わし、R47、R48およびR49は各々アルキル基、アリール基、複素環基または水素原子を表わす。R46、R47、R48またはR49で表されるアルキル基は炭素数1〜32、好ましくは1〜20の飽和または不飽和、鎖状または環状、直鎖または分岐、置換または無置換のアルキル基である。代表的な例としては、メチル、シクロプロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル、t−アミル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、n−デシルが挙げられる。
【0121】
46、R47、R48またはR49で表されるアリール基とは炭素数6〜32のアリール基で、好ましくは置換もしくは無置換のフェニル、または置換もしくは無置換のナフチルである。
【0122】
46、R47、R48またはR49で表される複素環基とは炭素数1〜32、好ましくは1〜20の複素原子として窒素原子、酸素原子もしくはイオウ原子から選ばれる、好ましくは3員ないし8員環の置換もしくは無置換の複素環基である。複素環基の代表的な例としては2−ピリジル、2−ベンズオキサゾリル、2−イミダゾリル、2−ベンズイミダゾリル、1−インドリル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,2,4−トリアゾール−2−イル基または1−インドリニルが挙げられる。R32はR46と同じ意味の基を表す。kは1ないし4の整数、gは0または1、hは1または2を表す。Vは酸素原子、イオウ原子または−N(R46)−を表す。R31およびR32はさらに置換基を有していてもよい。
【0123】
TIMEで表されるタイミング基として例えば米国特許第4,146,396 号、同4,652,516 号または同4,698,297 号に記載のあるヘミアセタールの開裂反応を利用する基、特開平9-114058号、米国特許第4,248,962 号、同5,719,017 号または同5,709,987 号等に記載の分子内閉環反応によって開裂反応を起こさせる基、特公昭54-39727号、特開昭57-136640 号、同57-154234 号、特開平4-261530号、同4-211246号、同6-324439号、同9-114058号、米国特許第4,409,323号または同4,421,845 号等に記載のπ電子を介した電子移動によって開裂反応を起こさせる基、特開昭57-179842 号、特開平4-261530号、同5-313322号等に記載の二酸化炭素を生成して開裂反応を起こさせる基、米国特許第4,546,073 に記載のイミノケタールの加水分解反応によって開裂反応を起こさせる基、西独公開特許第2626317 号に記載のエステルの加水分解反応によって開裂反応を起こさせる基、あるいは、欧州特許第572084号に記載の亜硫酸イオンとの反応を利用して開裂反応を起こさせる基等を挙げることができる。
【0124】
本発明において、TIMEで表されるタイミング基の好ましい例として例えば、特公平1-52742 の6〜7ページに記載のタイミング基が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0125】
式(D4)においてREDで示される基について以下に説明する。REDはAまたはTIMEより開裂してRED−DIとなり、現像時存在する酸化性物質、例えば現像主薬酸化体、によりクロス酸化されうる基である。RED−DIは酸化されるとDIを開裂する物であればいずれでもよい。REDとしては例えばハイドロキノン類、カテコール類、ピロガロール類、1,4−ナフトハイドロキノン類、1,2−ナフトハイドロキノン類、スルホンアミドフェノール類、ヒドラジド類またはスルホンアミドナフトール類が挙げられる。これらの基は具体的には例えば特開昭61−230135号、同62−251746号、同61−278852号、米国特許第3,364,022号、同3,379,529号、同4,618,571号、同3,639,417号、同4,684,604号または J.Org.Chem., 29巻、588頁(1964)に記載されているものがあげられる。
【0126】
上記の中で好ましいREDとしては、ハイドロキノン類、1,4−ナフトハイドロキノン類、2(または4)−スルホンアミドフェノール類、ピロガロール類またはヒドラジド類である。これらの中でフェノール性水酸基を有する酸化還元基では、そのフェノール基の酸素原子においてAまたはTIMEと結合する。
【0127】
式(D3)で表される化合物および/または(D4)で表される化合物を含むハロゲン化銀写真感光材料を現像処理するまでの間、式(D3)で表される化合物および/または(D4)で表される化合物を添加した感光性層もしくは非感光性層に固定する目的のために、式(D3)または(D4)で表される化合物は耐拡散基を有していることが好ましく、耐拡散基がTIMEまたはREDに含まれる場合が特に好ましい。この場合の好ましい耐拡散基としては炭素数8〜40、好ましくは12〜32のアルキル基またはアルキル基(炭素数3〜20)、アルコキシ基(炭素数3〜20)もしくはアリール基(炭素数6〜20)を少なくとも1個以上有する炭素数8〜40の、好ましくは12〜32のアリール基が挙げられる。
【0128】
一般式(D2)で表される化合物について以下に詳細に説明する。A’は現像主薬酸化体とカップリング可能なカプラー残基を表す。本発明のカプラーは現像主薬酸化体とカップリング後、色素生成をともなわないことを特徴とするものであるが、A’で表されるカプラー残基としは、写真用カプラーとして一般的に知られているイエローカプラー残基(例えばアシルアセトアニリド、マロンジアニリドなどの開鎖ケトメチン型カプラー残基)、マゼンタカプラー残基(例えば、5-ピラゾロン型、ピラゾロトリアゾール型またはイミダゾピラゾール型などのカプラー残基)、シアンカプラー残基(例えばフェノール型、ナフトール型またはピロロトリアゾール型などのカプラー残基)等も用いることができる。
【0129】
本発明のA’の好ましい例は下記一般式で表されるカプラー残基である。
【0130】
【化24】
Figure 0003950569
【0131】
【化25】
Figure 0003950569
【0132】
式中*はBとの結合位置を表す。Zは水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、クロロ原子、臭素原子、ヨウ素原子)、 R151-、R152O-、R152S-、R152OCOO- 、R153COO-、R153(R154)NCOO- 、R153CON(R154)-を表し、Yは酸素原子、硫黄原子、R153N=またはR153ON=を表す。ここで、
R151は脂肪族基(脂肪族基とは飽和または不飽和、鎖状または環状、直鎖または分岐、置換または無置換の脂肪族炭化水素基を表し、以後同義で脂肪族基を用いる)を表す。
【0133】
R151は好ましくは炭素数1 〜32、さらに好ましくは1 〜22の脂肪族基であり、具体例としては、メチル、エチル、ビニル、エチニル、プロピル、イソプロピル、2-プロペニル、2-プロピニル、ブチル、イソブチル、t- ブチル、t- アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、2-エチルヘキシル、オクチル、1,1,3,3-テトラメチルブチル、デシル、ドデシル、ヘキサデシルおよびオキサデシルが挙げられる。
【0134】
R152は脂肪族基、アリール基または複素環基を表す。 R152で表される脂肪族基はR151と同義である。R152で表されるアリール基は好ましくは炭素数1 〜32、さらに好ましくは1 〜22の置換または無置換のアリール基であり、具体例としては、フェニル、トリルおよびナフチルが挙げられる。R152で表される複素環基は好ましくは炭素数1 〜32、さらに好ましくは1 〜22の置換または無置換の複素環基であり、具体例としては、2-フリル、2-ピロリル、2-チオフェニル、3-テトラヒドロフラニル、4-ピリジル、2-ピリミジニル、2-チアジアゾリル、2-ベンゾチアゾリル、2-ベンゾオキサゾリル、2-ベンゾイミダゾリル、2-ベンゾセレナゾリル、2-キノリル、2-オキサゾリル、2-チアゾリル、2-イミダゾリル、2-セレナゾリル、5-テトラゾリルおよび3-オキサジアゾリルが挙げられる。
【0135】
R153およびR154はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基、アリール基または複素環基を表す。R153およびR154で表される脂肪族基、アリール基および複素環基はR152と同義である。
【0136】
好ましくは、Zは水素原子、R151- 、R151O-、R151S-またはR153CON(R154)-を表し、Yは酸素原子を表す。
【0137】
上記および以下に説明する基に適した置換基および以下で述べる“置換基”としては例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、クロロ原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基(例えば、メチル、エチル、ヘキシル)、フルオロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル)、アリール基(例えば、フェニル、トリル、ナフチル)、複素環基(例えば、R152で述べた複素環基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、オクチルオキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、ナフチルオキシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、ブチルチオ)、アリールチオ(例えば、フェニルチオ)、アミノ基(例えば、アミノ、N-メチルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N-フェニルアミノ)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ベンゾイル)、アルキルまたはアリールスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、フェニルスルホニル)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ)、
カルバモイル基(例えば、カルバモイル、N-メチルアミノカルボニル、N,N-ジメチルアミノカルボニル、N-フェニルアミノカルボニル)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル、 N- メチルアミノスルホニル、N,N-ジメチルアミノスルホニル、N-フェニルアミノスルホニル)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ、ブトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、アミノカルボニルオキシ基(例えば、N-メチルアミノカルボニルオキシ、N-フェニルアミノカルボニルオキシ)、アミノカルボニルアミノ基(例えば、 N-メチルアミノカルボニルアミノ、N-フェニ ルアミノカルボニルアミノ)が挙げられる。
【0138】
R111、R112はそれぞれ独立に、R152CO- 、R152OCO-、R153(R154)NCO-、R152SOn- 、 R153(R154)NSO2-またはシアノ基を表す。ここで、R152、R153およびR154は上記と同義であり、n は1 または2 を表す。
【0139】
R113は上述のR152と同義の基を表す。
【0140】
R114はR152- 、R153CON(R154)-、R153(R154)N-、R152SO2N(R153)- 、R152S-、R152O-、R152OCON(R153)- 、R153(R154)NCON(R155)- 、R152OCO-、R153(R154)NCO-またはシアノ基を表す。ここで、R152、R153およびR154は上記と同義であり、R155はR153と同義の基を表す。
【0141】
R115とR116はそれぞれ独立に置換基を表し、好ましくはR152- 、R153CON(R154)-、R152SO2N(R153)- 、R152S-、R152O-、R152OCON(R153)- 、R153(R154)NCON(R155)- 、R152OCO-、R153(R154)NCO-、ハロゲン原子またはシアノ基を表し、さらに好ましくはR152で表される基である。ここで、R152、R153およびR154は上記と同義であり、R155はR153と同義の基を表す。
【0142】
R117は置換基を表し、p は0 乃至4 の整数を表し、q は0 乃至3 の整数を表す。pは好ましくは2または3であり、qは好ましくは2または3である。R117の好ましい置換基としては、R153CON(R154)-、R152OCON(R153)- 、R152SO2N(R153)- 、R153(R154)NCON(R155)- 、R152S-、R152O-、ハロゲン原子が挙げられる。ここで、R152、R153およびR154は上記と同義であり、R155はR153と同義の基を表す。また、p およびq が2 以上の場合、それぞれのR117は同じであっても異なっていてもよいし、隣接するR117同士で結合して環を形成してもよい。一般式(I-E1 )、(I-E2 )の好ましい態様は、水酸基のオルト位の少なくとも一方がR153CONH- 、R152OCONH-または R153(R154)NCONH- で置換されたものである。
【0143】
R118は置換基を表し、rは0 乃至6 の整数を表し、s は0 乃至5 の整数を表す。rは好ましくは2〜4の整数を表し、sは好ましくは2または3を表す。R118の好ましい置換基としては、R153CON(R154)-、R152OCON(R153)- 、R152SO2N(R15 3)- 、R153(R154)NCON(R155)- 、R152S-、R152O-、R153(R154)NCO-、R153(R154)NSO2- 、R153OCO-、シアノ基またはハロゲン原子が挙げられる。ここで、R152、R153およびR154は上記と同義であり、R155はR153と同義の基を表す。r およびs が2 以上の場合、それぞれのR18は同じであっても異なっていてもよいし、隣接するR118同士で結合して環を形成してもよい。一般式(I-F1 )、(I-F2 )、(I-F3 )の好ましい態様は、水酸基のオルト位がR153CONH- 、R153HNCONH- またはR153NHCO- で置換されたものである。
【0144】
R119は置換基を表し、好ましくは、R152- 、R153CON(R154)-、R152SO2N(R153)- 、R152S-、R152O-、R152OCON(R153)- 、R153(R154)NCON(R155)- 、R152OCO-、R153(R154)NSO2- 、R153(R154)NCO-、ハロゲン原子またはシアノ基を表し、さらに好ましくはR152で表される基である。ここで、R152、R153およびR154は上記と同義であり、R155はR153と同義の基を表す。
【0145】
R120とR121はそれぞれ独立に置換基を表し、好ましくはR152- 、R153CON(R154)-、R152SO2N(R153)- 、R152S-、R152O-、R152OCON(R153)- 、R153(R154)NCON(R155)- 、R153(R154)NCO-、R153(R154)NSO2- 、R152OCO-、ハロゲン原子およびシアノ基を表し、さらに好ましくは、R153(R154)NCO-、R153(R154)NSO2- 、トリフルオロメチル基、R152OCO-およびシアノ基を表す。ここで、R152、R153およびR154は上記と同義であり、R155はR153と同義の基を表す。
【0146】
Bは求電子部位を有し、A’と現像主薬酸化体とのカップリング反応で生成した現像主薬の窒素原子とこの求電子部位との分子内求核置換反応により、環形成をともなって色素形成することなくXを放出することのできる連結基を表す。Bの好ましい態様は下記一般式であらわすことができる。
【0147】
【化26】
Figure 0003950569
【0148】
式中、*はA’と連結する部位を表し、**はXと連結する部位を表し、Y は上記と同義である。R131、R132およびR133はR153と同義の基を表す。i は0乃至3の整数を表し、jは0または1を表す。R131またはR132はA’またはR133と結合して環を形成してもよい。また、i が2または3の時、隣接する R131またはR132はそれぞれ結合して環を形成してもよい。R131およびR132は好ましくは水素原子または(炭素数1 〜20、好ましくは1 〜10の)脂肪族基であり、さらに好ましくは水素原子である。R133は好ましくは炭素数1から32の脂肪族基であり、さらに好ましくは炭素数1から22の脂肪族基である。 jは好ましくは1である。一般式(I-A1 )、(I-B1 )、(I-C1 )、(I-D1 )、(I-E1 )、(I-F1 )、(I-G1 )に対して、i は好ましくは1である。一般式(I-A2 )、(I-B2 )、(I-C2 )、(I-D2 )、(I-E2 )、(I-F3 )および(I-G2 )に対して、i は好ましくは0または1であり、一般式(I-F2 )に対して、i は好ましくは0である。
【0149】
Xは現像抑制剤またはその前駆体基を表す。Xの好ましい態様は下記一般式で表される。
【0150】
** - (TIME) k- DI
**−(TIME)j−RED−DI
式中、**はBと連結する部位を表し、TIMEはA’から放出された後DIを放出することができるタイミング基を表し、REDはA’またはTIMEより離脱した後に現像主薬酸化体と反応してDIを開裂する基を表し、k は0から2の整数、jは0または1を表し、DIは現像抑制剤を表す。
【0151】
TIME、REDおよびDIは式(D3)および(D4)記載のものと同義である。
【0152】
式(D2)の特に好ましい態様は下記一般式(I-F2’)で表され、さらに好ましくは下記一般式(I-F2”)で表される。
【0153】
【化27】
Figure 0003950569
【0154】
式中Z、TIME、k 、DI、R118、R133、R151、R153はそれぞれ上記と同義である。
【0155】
式(D1)で表される化合物および式(D2)で表される化合物のうち、式(D2)で表される化合物が好ましい。
【0156】
以下に本発明で用いられる式(D1)および(D2)で表される化合物の具体的な代表例を示すが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
【0157】
【化28】
Figure 0003950569
【0158】
【化29】
Figure 0003950569
【0159】
【化30】
Figure 0003950569
【0160】
【化31】
Figure 0003950569
【0161】
【化32】
Figure 0003950569
【0162】
【化33】
Figure 0003950569
【0163】
【化34】
Figure 0003950569
【0164】
【化35】
Figure 0003950569
【0165】
【化36】
Figure 0003950569
【0166】
【化37】
Figure 0003950569
【0167】
【化38】
Figure 0003950569
【0168】
【化39】
Figure 0003950569
【0169】
【化40】
Figure 0003950569
【0170】
【化41】
Figure 0003950569
【0171】
【化42】
Figure 0003950569
【0172】
【化43】
Figure 0003950569
【0173】
【化44】
Figure 0003950569
【0174】
【化45】
Figure 0003950569
【0175】
【化46】
Figure 0003950569
【0176】
【化47】
Figure 0003950569
【0177】
【化48】
Figure 0003950569
【0178】
【化49】
Figure 0003950569
【0179】
一般式(D1)で表される化合物の合成法についてはTIME、REDおよびDIについて説明のために引用した公知の特許もしくは文献、特開昭61−156127号、同58−160954号、同58−162949号、同61−249052号、同63−37350号、米国特許第5,026,628号、ヨーロッパ公開特許第443530A2号および同第444501A2号明細書等に示されている。
【0180】
以下に一般式(D2)で表される化合物の具体的合成例を示す。
【0181】
化合物例D-43のカプラーの合成
以下のスキームにしたがって化合物例D-43のカプラーを合成した。
【0182】
【化50】
Figure 0003950569
【0183】
化合物b の合成
化合物a(50g)とo-テトラデシルオキシアニリン(51.1g) のジメチルアセトアミド(250mL)溶液に30℃にてジシクロヘキサカルボジアミド(41.3g) のジメチルアセトアミド(60mL)溶液を滴下した。反応液を50℃にて1時間撹拌した後、酢酸エチル(250mL) を加えて20℃まで冷却した。反応液を吸引ろ過後、ろ液に1N塩酸水(250mL) を加え分液した。有機層にヘキサン(100mL)を加え、析出した結晶をろ過、アセトニトリルで洗浄後、乾燥することにより化合物b(71g)を得た。
【0184】
化合物c の合成
化合物b(71g)のメタノール(350mL)/テトラヒドロフラン(70mL)溶液に水酸化ナトリウム(30g) 水溶液(150mL) を滴下し、窒素雰囲気下、60℃にて1時間撹拌した。反応液を20℃まで冷却後、濃塩酸を系が酸性になるまで滴下した。析出した結晶をろ過、水洗、アセトニトリルで洗浄後、乾燥することにより化合物c(63g)を得た。
【0185】
化合物d の合成
化合物c(20g)、コハク酸イミド(5.25g) 、37% ホルマリン水溶液4.3mLのエタ ノール溶液(150mL) を5時間撹拌、還流した。20℃まで冷却後、析出した結晶をろ過、乾燥することにより化合物d(16g)を得た。
【0186】
化合物e の合成
化合物d(7g) のジメチルスルホキシド(70mL)溶液に60℃にて水素化ホウ素ナトリウム(1.32g) を70℃を越えない程度にゆっくり加えた後、その温度で15分撹拌した。反応液を1N塩酸水(100mL) にゆっくり加えた後、酢酸エチル(100mL) で抽出した。有機層を水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧にて濃縮した。ショートパスカラム(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン2/1)で原点成分を除去後、酢酸エチル/ ヘキサン系から再結晶することにより化合物e(3.3g) を得た。
【0187】
例示化合物D-43の合成
トリホスゲン(1.98g) のジクロロメタン(80mL)にフェノキシカルボニルベンゾトリアゾール(4.78g) およびジメチルアニリン(2.42g) のジクロロメタン(100mL)/酢酸エチル(200mL) 溶液を滴下し、20℃で2時間撹拌した。(溶液S)
化合物e(2.0g) およびジメチルアニリン(0.60g) のテトラヒドロフラン(20mL)/酢酸エチル(20mL)溶液に10℃にて上記溶液Sを120mL 滴下後、20℃にて2時間撹拌した。反応液を1N塩酸水(200mL) にゆっくり加えた後、酢酸エチル(200mL) で抽出した。有機層を水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧にて濃縮した。カラム(展開溶媒:酢酸エチル/ ヘキサン1/5 )精製後、酢酸エチル/ ヘキサン系から再結晶することにより1.3gの例示化合物D-43を得た。(ここで得られた結晶の融点は138-140 ℃であり、元素分析、NMR およびMassスペクトルより例示化合物D-43と同定した。)
化合物例D-56のカプラーの合成
以下のスキームにしたがって化合物例D-56のカプラーを合成した。
【0188】
【化51】
Figure 0003950569
【0189】
化合物b’の合成
化合物a’(23.1g) 、ヘキサメチレンテトラミン(7.1g)、Na2SO3(6.3g)を氷酢酸(150mL) 中90℃で4 時間撹拌した。20℃まで冷却後、析出した結晶をろ過し、少量のメタノールで洗浄、乾燥して化合物b’(19.8g) を得た。
【0190】
化合物d’の合成
化合物b’(15.0g) およびアニリン(3.0g)のトルエン(200mL) 溶液を、水分を除去しながら5 時間撹拌、還流した。20℃まで冷却後酢酸エチル(100mL) を加え、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧にて濃縮して粗化合物c’を得た。粗化合物c’に10%-Pd/C(5g)および酢酸エチル(200mL) を加え、20kg/cm2の水素雰囲気下室温で3 時間撹拌した。触媒をろ別後、減圧にて濃縮した。濃縮残さを酢酸エチル/ ヘキサン系から再結晶することにより化合物d’(13.0g) を得た。
【0191】
例示化合物D-56の合成
化合物d’(2.5g)およびジメチルアニリン(0.55g) の酢酸エチル(10mL)溶液に10℃にて上記溶液S(100mL)を滴下後、20℃にて2時間撹拌した。反応液を1N塩酸水(200mL) にゆっくり加えた後、酢酸エチル(200mL) で抽出した。有機層を水洗、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧にて濃縮した。カラム(展開溶媒:酢酸エチル/ ヘキサン1/3 )精製後、酢酸エチル/ ヘキサン系から再結晶することにより2.3gの例示化合物D-56を得た。(ここで得られた結晶の融点は150-152 ℃であり、元素分析、NMR およびMassスペクトルより例示化合物D-56と同定した)。
【0192】
本発明の前記式(D1)および(D2)で表わされる現像抑制剤放出化合物は、感光材料中のいかなる層にも使用することができる。すなわち、感光性層(青感性乳剤層、緑感性乳剤層、赤感性乳剤層、これら主感光性層と分光感度分布が異なる重層効果のドナー層)、非感光性層(例えば、保護層、イエローフィルター層、中間層、アンチハレーション層)のいずれの層にも使用することができる。同一の感色性層が感度の異なる2層以上に分れている場合には、最高感度層、最低感度層あるいは中間感度層のいずれの層に添加してもよく、また、全ての層に添加することもできる。好ましくは感光性層および/または感光性層に隣接する非感光性層に使用する。
【0193】
式(D1)および(D2)で表わされる現像抑制剤放出化合物の感光材料への使用量は5×10-4〜2g/m2の範囲の塗布量である。好ましくは1×10-3〜1g/m2の範囲であり、より好ましくは5×10-3〜5×10-1g/m2の範囲である。
【0194】
式(D1)および(D2)で表わされる現像抑制剤放出化合物の感光材料への使用については、化合物に応じて公知のいかなる分散方法もとりうる。例えばアルカリ可溶性である場合にはアルカリ性水溶液としてあるいは水と混和する有機溶媒に溶解した溶液として添加する方法や高沸点有機溶媒を用いた水中油滴分散法、固体分散法などを用いて添加することができる。
【0195】
式(D1)および(D2)で表わされる現像抑制剤放出化合物は単独で使用してもよく2種以上を併用することもできる。また、同一化合物を2層以上に使用することもできる。さらに、他の公知の現像抑制剤放出化合物や現像抑制剤の前駆体放出化合物と併用することもできるし、後述するカプラーやその他の添加剤と共存させて使用することもできる。これらは感光材料に要求される性能に応じて適宜選択される。
【0196】
本発明の式(D1)で表わされる現像抑制剤放出化合物は、現像主薬の酸化体とカップリング反応して現像抑制剤を放出するとともにその母核(前記式(D1)の説明におけるA)は色素を形成する。
【0197】
この形成した色素は、例えば日本写真学会誌52巻(1989年)2号150〜155頁(木田 et al) または1989年日本写真学会年会講演要旨集2A0− 22(木田)に記載されているように処理液に流出するかあるいは色素が漂白されて消色する。ここで、色素のほとんどは、カラー現像処理工程中の処理液に流出するが、その後の漂白、定着および水洗工程においても流出し得る。したがって形成した色素はカラー現像処理後色素として感光材料に残存することがない。
【0198】
また本発明の式(D2)で表わされる現像抑制剤放出化合物は、現像主薬の酸化体とカップリング反応して引き続いて起こる分子内求核置換反応を経て現像抑制剤を放出するがその母核(前記式(D2)の説明におけるA’)は色素を形成することなく色画像を残さない化合物として感光材料中に残存する。
【0199】
それ故に、本発明の式(D1)および(D2)で表わされる現像抑制剤放出化合物は感光材料を構成するいかなる層、例えば、赤感乳剤層、緑感乳剤層、青感乳剤層を問わず感光材料に要求される性能に応じて該化合物を使用することができる利点を有する。さらに、式(D1)は形成した色素が色素として残存しないことから色再現性に有利に作用する。また色像堅牢性を向上する場合もある。式(D2)は色画像を残さない化合物を形成して感光材料中に残存するため、処理液中に流出して処理液を汚染することが無いという点で優れている。
【0200】
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、通常、支持体側から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得る。上記のハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最下層には非感光性層を設けてもよい。これらには、後述のカプラー、DIR化合物、混色防止剤等が含まれていてもよい。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳剤層は、DE 1,121,470あるいはGB 923,045に記載されているように高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層を、支持体に向かって順次感光度が低くなる様に配列するのが好ましい。また、特開昭57-112751 、同62- 200350、同62-206541 、62-206543 に記載されているように支持体より離れた側に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよい。本発明の感光材料が、各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳剤層を有する場合、本発明に規定する各感色性層の分光感度分布の重心波長等は、これらの複数のハロゲン化銀乳剤層の合計が満足するものである。
【0201】
具体例として支持体から最も遠い側から、低感度青感光性層(BLL)/高感度青感光性層(BLH)/高感度緑感光性層(GLH)/低感度緑感光性層(GLL) /高感度赤感光性層(RLH)/低感度赤感光性層(RLL)の順、またはBLH/BLL/GLL/GLH/RLH/RLLの順、またはBLH/BLL/GLH/GLL/RLL/RLHの順等に設置することができる。
【0202】
また特公昭 55-34932 公報に記載されているように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GLH/RLH/GLL/RLLの順に配列することもできる。また特開昭56-25738、同62-63936に記載されているように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GLL/RLL/GLH/RLHの順に配列することもできる。
【0203】
また特公昭49-15495に記載されているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低められた感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられる。このような感光度の異なる3層から構成される場合でも、特開昭59-202464 に記載されているように、同一感色性層中において支持体より離れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよい。
【0204】
その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層の順に配置されていてもよい。また、4層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。
【0205】
本発明に用いられる好ましいハロゲン化銀は約30モル%以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もしくはヨウ塩臭化銀である。特に好ましいのは約2モル%から約10モル%までのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀である。
【0206】
写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するもの、球状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合形でもよい。
【0207】
ハロゲン化銀の粒径は、約 0.2μm以下の微粒子でも投影面積直径が約10μmに至るまでの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよい。
【0208】
本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す)No.17643 (1978年12月), 22 〜23頁, ”I. 乳剤製造(Emulsion preparation and types)”、および同No.18716 (1979年11月),648頁、同No.307105(1989年11月),863 〜865 頁、およびグラフキデ著「写真の物理と化学」,ポールモンテル社刊(P.Glafkides, Chimie et Phisique Photographiques, Paul Montel, 1967) 、ダフィン著「写真乳剤化学」,フォーカルプレス社刊(G.F. Duffin, Photographic Emulsion Chemistry, Focal Press, 1966)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V. L. Zelikman, et al., Making and Coating Photographic Emulsion, Focal Press, 1964)などに記載された方法を用いて調製することができる。
【0209】
US 3,574,628、同 3,655,394およびGB 1,413,748に記載された単分散乳剤も好ましい。
【0210】
また、アスペクト比が約3以上であるような平板状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Gutoff, Photographic Science and Engineering)、第14巻 248〜 257頁(1970年);US 4,434,226、同 4,414,310、同 4,433,048、同 4,439,520およびGB 2,112,157に記載の方法により簡単に調製することができる。
【0211】
結晶構造は一様なものでも、内部と外部とが異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造をなしていてもよい。エピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形の粒子の混合物を用いてもよい。
【0212】
上記の乳剤は潜像を主として表面に形成する表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも表面と内部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよいが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像型のうち、特開昭 63-264740に記載のコア/シェル型内部潜像型乳剤であってもよく、この調製方法は特開昭 59-133542に記載されている。この乳剤のシェルの厚みは現像処理等によって異なるが、3 〜40nmが好ましく、5 〜20nmが特に好ましい。
【0213】
ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このような工程で使用される添加剤はRDNo.17643、同No.18716および同No.307105 に記載されており、その該当箇所を後掲の表にまとめた。
【0214】
本発明の感光材料には、感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる2種類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用することができる。
【0215】
US 4,082,553に記載の粒子表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子、US 4,626,498、特開昭 59-214852に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コロイド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または実質的に非感光性の親水性コロイド層に適用することが好ましい。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子とは、感光材料の未露光部および露光部を問わず、一様に(非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のことをいい、その調製法は、US 4,626,498、特開昭 59-214852に記載されている。粒子内部がかぶらされたコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部核を形成するハロゲン化銀は、ハロゲン組成が異なっていてもよい。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀としては、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれをも用いることができる。これらのかぶらされたハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズとしては0.01〜0.75μm 、特に0.05〜0.6 μm が好ましい。また、粒子形状は規則的な粒子でもよく、多分散乳剤でもよいが、単分散性(ハロゲン化銀粒子の重量または粒子数の少なくとも95%が平均粒子径の±40%以内の粒子径を有するもの)であることが好ましい。
【0216】
本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感光せずに、その現像処理において実質的に現像されないハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされていないほうが好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の含有率が 0〜 100モル%であり、必要に応じて塩化銀および/または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化銀を 0.5〜10モル%含有するものである。微粒子ハロゲン化銀は、平均粒径(投影面積の円相当直径の平均値)が0.01〜 0.5μm が好ましく、0.02〜 0.2μm がより好ましい。
【0217】
微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロゲン化銀と同様の方法で調製できる。ハロゲン化銀粒子の表面は、光学的に増感される必要はなく、また分光増感も不要である。ただし、これを塗布液に添加するのに先立ち、あらかじめトリアゾール系、アザインデン系、ベンゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト系化合物または亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加しておくことが好ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有層に、コロイド銀を含有させることができる。
【0218】
本発明の感光材料の塗布銀量は、6.0g/m2以下が好ましく、4.5g/m2以下が最も好ましい。
【0219】
本発明に使用できる写真用添加剤もRDに記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示した。
【0220】
Figure 0003950569
【0221】
本発明の感光材料には種々の色素形成カプラーを使用することができるが、以下のカプラーが特に好ましい。
【0222】
イエローカプラー: EP 502,424A の式(I),(II)で表わされるカプラー; EP 513,496A の式(1),(2) で表わされるカプラー (特に18頁のY-28); EP 568,037Aのクレーム1の式(I) で表わされるカプラー; US 5,066,576のカラム1の45〜55行の一般式(I) で表わされるカプラー; 特開平4-274425の段落0008の一般式(I) で表わされるカプラー; EP 498,381A1の40頁のクレーム1に記載のカプラー(特に18頁のD-35); EP 447,969A1 の4頁の式(Y) で表わされるカプラー(特にY-1(17頁),Y-54(41 頁)); US 4,476,219のカラム7の36〜58行の式(II)〜(IV)で表わされるカプラー(特にII-17,19( カラム17),II-24(カラム19))。
【0223】
マゼンタカプラー; 特開平3-39737(L-57(11 頁右下),L-68(12 頁右下),L-77(13 頁右下); EP 456,257 の〔A-4 〕-63(134 頁),〔A-4 〕-73,-75(139 頁); EP 486,965 のM-4,-6(26 頁),M-7(27頁); EP 571,959AのM-45(19 頁);特開平5-204106の(M-1)(6 頁);特開平4-362631の段落0237のM-22。
【0224】
シアンカプラー: 特開平4-204843のCX-1,3,4,5,11,12,14,15(14 〜16頁); 特開平4-43345 のC-7,10(35 頁),34,35(37頁),(I-1),(I-17)(42 〜43頁); 特開平6-67385 の請求項1の一般式(Ia)または(Ib)で表わされるカプラー。
【0225】
ポリマーカプラー: 特開平2-44345 のP-1,P-5(11頁) 。
【0226】
発色色素が適度な拡散性を有するカプラーとしては、US 4,366,237、GB 2,125,570、EP 96,873B、DE 3,234,533に記載のものが好ましい。
【0227】
発色色素の不要吸収を補正するためのカプラーは、EP 456,257A1の5 頁に記載の式(CI),(CII),(CIII),(CIV) で表わされるイエローカラードシアンカプラー(特に84頁のYC-86)、該EPに記載のイエローカラードマゼンタカプラーExM-7(202 頁) 、 EX-1(249 頁) 、 EX-7(251 頁) 、US 4,833,069に記載のマゼンタカラードシアンカプラーCC-9 (カラム8)、CC-13(カラム10) 、US 4,837,136の(2)(カラム8)、WO92/11575のクレーム1の式(A) で表わされる無色のマスキングカプラー(特に36〜45頁の例示化合物)が好ましい。
【0228】
現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な化合物残基を放出する化合物(カプラーを含む)としては、以下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:EP 378,236A1の11頁に記載の式(I),(II),(III),(IV) で表わされる化合物(特にT-101(30頁),T-104(31頁),T-113(36頁),T-131(45頁),T-144(51頁),T-158(58頁)), EP 436,938A2の 7頁に記載の式(I) で表わされる化合物(特にD-49(51 頁))、EP 568,037A の式(1) で表わされる化合物(特に(23)(11 頁))、EP 440,195A2の5 〜6 頁に記載の式(I),(II),(III)で表わされる化合物(特に29頁のI-(1) );漂白促進剤放出化合物:EP 310,125A2の5 頁の式(I),(I’)で表わされる化合物(特に61頁の(60),(61)) および特開平6-59411 の請求項1の式(I) で表わされる化合物(特に(7)(7 頁); リガンド放出化合物:US 4,555,478のクレーム1に記載のLIG-X で表わされる化合物(特にカラム12の21〜41行目の化合物) ;ロイコ色素放出化合物:US 4,749,641のカラム3〜8の化合物1〜6;蛍光色素放出化合物:US 4,774,181のクレーム1のCOUP-DYEで表わされる化合物(特にカラム7〜10の化合物1〜11);現像促進剤またはカブラセ剤放出化合物:US 4,656,123のカラム3の式(1) 、(2) 、(3) で表わされる化合物(特にカラム25の(I-22)) およびEP 450,637A2の75頁36〜38行目のExZK-2; 離脱して初めて色素となる基を放出する化合物: US 4,857,447のクレーム1の式(I) で表わされる化合物(特にカラム25〜36のY-1 〜Y-19) 。
【0229】
カプラー以外の添加剤としては、以下のものが好ましい。
【0230】
油溶性有機化合物の分散媒: 特開昭62-215272 のP-3,5,16,19,25,30,42,49,54,55,66,81,85,86,93(140〜144 頁); 油溶性有機化合物の含浸用ラテックス: US 4,199,363に記載のラテックス; 現像主薬酸化体スカベンジャー: US 4,978,606のカラム2の54〜62行の式(I) で表わされる化合物(特にI-,(1),(2),(6),(12) (カラム4〜5)、US 4,923,787のカラム2の5〜10行の式(特に化合物1(カラム3); ステイン防止剤: EP 298321Aの4頁30〜33行の式(I) 〜(III),特にI-47,72,III-1,27(24 〜48頁); 褪色防止剤: EP 298321AのA-6,7,20,21,23,24,25,26,30,37,40,42,48,63,90,92,94,164(69 〜118 頁), US5,122,444のカラム25〜38のII-1〜III-23, 特にIII-10, EP 471347Aの8 〜12頁のI-1 〜III-4,特にII-2, US 5,139,931のカラム32〜40のA-1 〜48, 特にA-39,42; 発色増強剤または混色防止剤の使用量を低減させる素材: EP 411324Aの5 〜24頁のI-1 〜II-15,特にI-46; ホルマリンスカベンジャー: EP 477932Aの24〜29頁のSCV-1 〜28, 特にSCV-8; 硬膜剤: 特開平1-214845の17頁のH-1,4,6,8,14, US 4,618,573のカラム13〜23の式(VII) 〜(XII) で表わされる化合物(H-1〜54),特開平2-214852の8頁右下の式(6) で表わされる化合物(H-1〜76),特にH-14, US 3,325,287のクレーム1に記載の化合物; 現像抑制剤プレカーサー: 特開昭62-168139 のP-24,37,39(6〜7 頁); US 5,019,492 のクレーム1に記載の化合物、特にカラム7の28,29; 防腐剤、防黴剤: US 4,923,790のカラム3 〜15のI-1 〜III-43, 特にII-1,9,10,18,III-25; 安定剤、かぶり防止剤: US 4,923,793のカラム6 〜16のI-1 〜(14), 特にI-1,60,(2),(13), US 4,952,483 のカラム25〜32の化合物1〜65, 特に36: 化学増感剤: トリフェニルホスフィン セレニド, 特開平5-40324 の化合物50; 染料: 特開平3-156450の15〜18頁のa-1 〜b-20, 特にa-1,12,18,27,35,36,b-5,27 〜29頁のV-1 〜23, 特にV-1, EP 445627A の33〜55頁のF-I-1 〜F-II-43,特にF-I-11,F-II-8, EP 457153A の17〜28頁のIII-1 〜36, 特にIII-1,3, WO 88/04794の8〜26のDye-1 〜124 の微結晶分散体, EP 319999Aの6〜11頁の化合物1〜22, 特に化合物1, EP 519306A の式(1) ないし(3) で表わされる化合物D-1 〜87(3〜28頁),US 4,268,622の式(I) で表わされる化合物1〜22 (カラム3〜10), US 4,923,788 の式(I) で表わされる化合物(1) 〜(31) (カラム2〜9); UV吸収剤: 特開昭46-3335 の式(1) で表わされる化合物(18b) 〜(18r),101 〜427(6〜9頁),EP 520938Aの式(I) で表わされる化合物(3) 〜(66)(10 〜44頁) および式(III) で表わされる化合物HBT-1 〜10(14 頁), EP 521823A の式(1) で表わされる化合物(1) 〜(31) (カラム2〜9)。
【0231】
本発明は、一般用もしくは映画用のカラーネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよびカラー反転ペーパーのような種々のカラー感光材料に適用することができる。また、特公平2-32615 、実公平3-39784 に記載されているレンズ付きフィルムユニット用に好適である。
【0232】
本発明に使用できる適当な支持体は、例えば、前述のRD.No.17643 の28頁、同No.18716の 647頁右欄から 648頁左欄、および同No.307105 の 879頁に記載されている。
【0233】
本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm 以下であることが好ましく、23μm 以下がより好ましく、18μm 以下が更に好ましく、16μm 以下が特に好ましい。また膜膨潤速度T1/2は30秒以下が好ましく、20秒以下がより好ましい。T1/2は、発色現像液で30℃、3 分15秒処理した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚としたとき、膜厚がその1/2 に到達するまでの時間と定義する。膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した膜厚を意味し、T1/2は、エー・グリーン(A.Green)らのフォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング (Photogr.Sci.Eng.),19卷、2,124 〜129 頁に記載の型のスエロメーター(膨潤計)を使用することにより測定できる。T1/2は、バインダーとしてのゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時条件を変えることによって調整することができる。また、膨潤率は 150〜400 %が好ましい。膨潤率とは、さきに述べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚 により計算できる。
【0234】
本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の反対側に、乾燥膜厚の総和が2 μm 〜20μm の親水性コロイド層(バック層と称す)を設けることが好ましい。このバック層には、前述の光吸収剤、フィルター染料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バインダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤を含有させることが好ましい。このバック層の膨潤率は150 〜500 %が好ましい。
【0235】
本発明の感光材料は、前述のRD.No.17643 の28〜29頁、同No.18716の 651左欄〜右欄、および同No.307105 の880 〜881 頁に記載された通常の方法によって現像処理することができる。
【0236】
次に、本発明に使用されるカラーネガフィルム用の処理液について説明する。本発明に使用される発色現像液には、特開平4-121739の第9頁右上欄1行〜第11頁左下欄4行に記載の化合物を使用することができる。特に迅速な処理を行う場合の発色現像主薬としては、2−メチル−4−〔N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン、2−メチル−4−〔N−エチル−N−(3−ヒドロキシプロピル)アミノ〕アニリン、2−メチル−4−〔N−エチル−N−(4−ヒドロキシブチル)アミノ〕アニリンが好ましい。
【0237】
これらの発色現像主薬は発色現像液1リットル(以下、リットルを「L」と表記する。)あたり0.01〜0.08モルの範囲で使用することが好ましく、特には 0.015〜0.06モル、更には0.02〜0.05モルの範囲で使用することが好ましい。また発色現像液の補充液には、この濃度の 1.1〜3倍の発色現像主薬を含有させておくことが好ましく、特に 1.3〜 2.5倍を含有させておくことが好ましい。
【0238】
発色現像液の保恒剤としては、ヒドロキシルアミンが広範に使用できるが、より高い保恒性が必要な場合は、アルキル基やヒドロキシアルキル基、スルホアルキル基、カルボキシアルキル基などの置換基を有するヒドロキシルアミン誘導体が好ましく、具体的にはN,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキルアミン、モノメチルヒドロキシルアミン、ジメチルヒドロキシルアミン、モノエチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキルアミン、N,N−ジ(カルボキシエチル)ヒドロキルアミンが好ましい。上記の中でも、特にN,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキルアミンが好ましい。これらはヒドロキシルアミンと併用してもよいが、好ましくはヒドロキシルアミンの代わりに、1種または2種以上使用することが好ましい。
【0239】
保恒剤は1Lあたり0.02〜 0.2モルの範囲で使用することが好ましく、特に0.03〜0.15モル、更には0.04〜 0.1モルの範囲で使用することが好ましい。また補充液においては、発色現像主薬の場合と同様に、母液(処理タンク液)の 1.1〜3倍の濃度で保恒剤を含有させておくことが好ましい。
【0240】
発色現像液には、発色現像主薬の酸化物のタ−ル化防止剤として亜硫酸塩が使用される。亜硫酸塩は1Lあたり0.01〜0.05モルの範囲で使用するのが好ましく、特には0.02〜0.04モルの範囲が好ましい。補充液においては、これらの 1.1〜3倍の濃度で使用することが好ましい。
【0241】
また、発色現像液のpHは 9.8〜 11.0 の範囲が好ましいが、特には10.0〜10.5が好ましく、また補充液においては、これらの値から 0.1〜 1.0の範囲で高い値に設定しておくことが好ましい。このようなpHを安定して維持するには、炭酸塩、リン酸塩、スルホサリチル酸塩、ホウ酸塩などの公知の緩衝剤が使用される。
【0242】
発色現像液の補充量は、感光材料1m2あたり80〜1300mLが好ましいが、環境汚濁負荷の低減の観点から、より少ない方が好ましく、具体的には80〜 600mL、更には80〜 400mLが好ましい。
【0243】
発色現像液中の臭化物イオン濃度は、通常、1Lあたり0.01〜0.06モルであるが、感度を保持しつつカブリを抑制してディスクリミネーションを向上させ、かつ、粒状性を良化させる目的からは、1Lあたり 0.015〜0.03モルに設定することが好ましい。臭化物イオン濃度をこのような範囲に設定する場合に、補充液には下記の式で算出した臭化物イオンを含有させればよい。ただし、Cが負になる時は、補充液には臭化物イオンを含有させないことが好ましい。
【0244】
C=A−W/V
C:発色現像補充液中の臭化物イオン濃度(モル/L)
A:目標とする発色現像液中の臭化物イオン濃度(モル/L)
W:1m2の感光材料を発色現像した場合に、感光材料から発色現像液に溶出する臭化物イオンの量(モル)
V:1m2の感光材料に対する発色現像補充液の補充量(L)。
【0245】
また、補充量を低減した場合や、高い臭化物イオン濃度に設定した場合、感度を高める方法として、1−フェニル−3−ピラゾリドンや1−フェニル−2−メチル−2−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンに代表されるピラゾリドン類や3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールに代表されるチオエーテル化合物などの現像促進剤を使用することも好ましい。
【0246】
本発明における漂白能を有する処理液には、特開平4-125558の第4頁左下欄16行〜第7頁左下欄6行に記載された化合物や処理条件を適用することができる。漂白剤は酸化還元電位が 150mV以上のものが好ましいが、その具体例としては特開平5-72694 、同5-173312に記載のものが好ましく、特に1,3−ジアミノプロパン四酢酸、特開平5-173312号第7頁の具体例1の化合物の第二鉄錯塩が好ましい。
【0247】
また、漂白剤の生分解性を向上させるには、特開平4-251845、同4-268552、EP 588,289、同 591,934、特開平6-208213に記載の化合物第二鉄錯塩を漂白剤として使用することが好ましい。これらの漂白剤の濃度は、漂白能を有する液1Lあたり0.05〜 0.3モルが好ましく、特に環境への排出量を低減する目的から、 0.1モル〜0.15モルで設計することが好ましい。また、漂白能を有する液が漂白液の場合は、1Lあたり 0.2モル〜1モルの臭化物を含有させることが好ましく、特に 0.3〜 0.8モルを含有させることが好ましい。
【0248】
漂白能を有する液の補充液には、基本的に以下の式で算出される各成分の濃度を含有させる。これにより、母液中の濃度を一定に維持することができる。
【0249】
R=CT×(V1+V2)/V1+CP
R:補充液中の成分の濃度
T:母液(処理タンク液)中の成分の濃度
P:処理中に消費された成分の濃度
1:1m2の感光材料に対する漂白能を有する補充液の補充量(mL)
2:1m2の感光材料による前浴からの持ち込み量(mL)。
【0250】
その他、漂白液にはpH緩衝剤を含有させることが好ましく、特にコハク酸、マレイン酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸など、臭気の少ないジカルボン酸を含有させることが好ましい。また、特開昭53-95630、RDNo.17129、US 3,893,858に記載の公知の漂白促進剤を使用することも好ましい。
【0251】
漂白液には、感光材料1m2あたり50〜1000mLの漂白補充液を補充することが好ましく、特には80〜 500mL、さらには 100〜 300mLの補充をすることが好ましい。さらに漂白液にはエアレーションを行なうことが好ましい。
【0252】
定着能を有する処理液については、特開平4-125558の第7頁左下欄10行〜第8頁右下欄19行に記載の化合物や処理条件を適用することができる。
【0253】
特に、定着速度と保恒性を向上させるために、特開平6-301169の一般式(I)と(II)で表される化合物を、単独あるいは併用して定着能を有する処理液に含有させることが好ましい。またp−トルエンスルフィン酸塩をはじめ、特開平1-224762に記載のスルフィン酸を使用することも、保恒性の向上の上で好ましい。
漂白能を有する液や定着能を有する液には、脱銀性の向上の観点からカチオンとしてアンモニウムを用いることが好ましいが、環境汚染低減の目的からは、アンモニウムを減少或いはゼロにする方が好ましい。
【0254】
漂白、漂白定着、定着工程においては、特開平1-309059に記載のジェット攪拌を行なうことが特に好ましい。
【0255】
漂白定着また定着工程における補充液の補充量は、感光材料1m2あたり 100〜1000mLであり、好ましくは 150〜 700mL、特に好ましくは 200〜 600mLである。
【0256】
漂白定着や定着工程には、各種の銀回収装置をインラインやオフラインで設置して銀を回収することが好ましい。インラインで設置することにより、液中の銀濃度を低減して処理できる結果、補充量を減少させることができる。また、オフラインで銀回収して残液を補充液として再利用することも好ましい。
【0257】
漂白定着工程や定着工程は複数の処理タンクで構成することができ、各タンクはカスケード配管して多段向流方式にすることが好ましい。現像機の大きさとのバランスから、一般には2タンクカスケード構成が効率的であり、前段のタンクと後段のタンクにおける処理時間の比は、 0.5:1〜1:0.5 の範囲にすることが好ましく、特には 0.8:1〜1:0.8 の範囲が好ましい。
【0258】
漂白定着液や定着液には、保恒性の向上の観点から金属錯体になっていない遊離のキレート剤を存在させることが好ましいが、これらのキレート剤としては、漂白液に関して記載した生分解性キレート剤を使用することが好ましい。
【0259】
水洗および安定化工程に関しては、上記の特開平4-125558、第12頁右下欄6行〜第13頁右下欄第16行に記載の内容を好ましく適用することができる。特に、安定液にはホルムアルデヒドに代わってEP 504,609、同 519,190に記載のアゾリルメチルアミン類や特開平4-362943に記載のN−メチロールアゾール類を使用することや、マゼンタカプラーを二当量化してホルムアルデヒドなどの画像安定化剤を含まない界面活性剤の液にすることが、作業環境の保全の観点から好ましい。
また、感光材料に塗布された磁気記録層へのゴミの付着を軽減するには、特開平6-289559に記載の安定液が好ましく使用できる。
【0260】
水洗および安定液の補充量は、感光材料1m2あたり80〜1000mLが好ましく、特には 100〜 500mL、さらには 150〜 300mLが、水洗または安定化機能の確保と環境保全のための廃液減少の両面から好ましい範囲である。このような補充量で行なう処理においては、バクテリアや黴の繁殖防止のために、チアベンダゾール、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3オン、5−クロロ−2−メチルイソチアゾリン−3−オンのような公知の防黴剤やゲンタマイシンのような抗生物質、イオン交換樹脂等によって脱イオン処理した水を用いることが好ましい。脱イオン水と防菌剤や抗生物質は、併用することがより効果的である。
【0261】
また、水洗または安定液タンク内の液は、特開平3-46652 、同3-53246 、同-355542 、同3-121448、同3-126030に記載の逆浸透膜処理を行なって補充量を減少させることも好ましく、この場合の逆浸透膜は、低圧逆浸透膜であることが好ましい。
【0262】
本発明における処理においては、発明協会公開技報、公技番号94-4992 に開示された処理液の蒸発補正を実施することが特に好ましい。特に第2頁の(式−1)に基づいて、現像機設置環境の温度および湿度情報を用いて補正する方法が好ましい。蒸発補正に使用する水は、水洗の補充タンクから採取することが好ましく、その場合は水洗補充水として脱イオン水を用いることが好ましい。
【0263】
本発明に用いられる処理剤としては、上記公開技報の第3頁右欄15行から第4頁左欄32行に記載のものが好ましい。また、これに用いる現像機としては、第3頁右欄の第22行から28行に記載のフイルムプロセサーが好ましい。
【0264】
本発明を実施するに好ましい処理剤、自動現像機、蒸発補正方式の具体例については、上記の公開技報の第5頁右欄11行から第7頁右欄最終行までに記載されている。
【0265】
本発明に使用される処理剤の供給形態は、使用液状態の濃度または濃縮された形の液剤、あるいは顆粒、粉末、錠剤、ペースト状、乳液など、いかなる形態でもよい。このような処理剤の例として、特開昭63-17453には低酸素透過性の容器に収納した液剤、特開平4-19655 、同4-230748には真空包装した粉末あるいは顆粒、同4-221951には水溶性ポリマーを含有させた顆粒、特開昭51-61837、特開平6-102628には錠剤、特表昭57-500485 にはペースト状の処理剤が開示されており、いずれも好ましく使用できるが、使用時の簡便性の面から、予め使用状態の濃度で調製してある液体を使用することが好ましい。
【0266】
これらの処理剤を収納する容器には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどが、単独あるいは複合材料として使用される。これらは要求される酸素透過性のレベルに合わせて選択される。発色現像液などの酸化されやすい液に対しては、低酸素透過性の素材が好ましく、具体的にはポリエチレンテレフタレートやポリエチレンとナイロンの複合材料が好ましい。これらの材料は 500〜1500μmの厚さで、容器に使用され、酸素透過性を20mL/m2・24hrs・atm以下にすることが好ましい。
【0267】
次に本発明に使用されるカラー反転フィルム用の処理液について説明する。
【0268】
カラー反転フィルム用の処理については、アズテック有限会社発行の公知技術第6号(1991年4月1日)第1頁5行〜第10頁5行、および第15頁8行〜第24頁2行に詳細に記載されており、その内容はいずれも好ましく適用することができる。カラー反転フィルムの処理においては、画像安定化剤は調整浴か最終浴に含有される。このような画像安定化剤としては、ホルマリンのほかにホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム、N−メチロールアゾール類があげられるが、作業環境の観点からホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムかN−メチロールアゾール類が好ましく、N−メチロールアゾール類としては、特にN−メチロールトリアゾールが好ましい。また、カラーネガフィルムの処理において記載した発色現像液、漂白液、定着液、水洗水などに関する内容は、カラー反転フィルムの処理にも好ましく適用できる。
【0269】
上記の内容を含む好ましいカラー反転フィルムの処理剤として、イーストマンコダック社のE−6処理剤および富士写真フイルム(株)のCR−56処理剤をあげることができる。
【0270】
本発明のカラー写真感光材料は、アドバンスト・フォト・システム(以下、APシステムという)用ネガフィルムとしても好適であり、富士写真フイルム(株)(以下、富士フイルムという)製NEXIA A 、NEXIA F 、NEXIA H (順にISO 200/100/400 )のようにフィルムをAPシステムフォーマットに加工し、専用カートリッジに収納したものを挙げることができる。これらのAPシステム用カートリッジフイルムは、富士フイルム製エピオンシリーズ(エピオン300Z等)等のAPシステム用カメラに装填して用いられる。また、本発明のカラー写真感光材料は、富士フイルム製フジカラー写ルンですスーパースリムのようなレンズ付きフィルムにも好適である。
【0271】
これらにより撮影されたフィルムは、ミニラボシステムでは次のような工程を経てプリントされる。
【0272】
(1) 受付(露光済みカートリッジフィルムをお客様からお預かり)
(2) デタッチ工程(カートリッジから、フィルムを現像工程用の中間カートリッジに移す)
(3) フィルム現像
(4) リアタッチ工程(現像済みのネガフィルムを、もとのカートリッジに戻す)
(5) プリント(C/H/P 3タイプのプリントとインデックスプリントをカラーペーパー〔好ましくは富士フイルム製SUPER FA8 〕に連続自動プリント)
(6) 照合・出荷(カートリッジとインデックスプリントをIDナンバーで照合し、プリントとともに出荷)。
【0273】
これらのシステムとしては、富士フイルムミニラボチャンピオンスーパーFA-298/FA-278/FA-258/FA-238 および富士フイルムデジタルラボシステム フロンティアが好ましい。ミニラボチャンピオンのフイルムプロセサーとしてはFP922AL/FP562B/FP562B,AL/FP362B/FP362B,AL が挙げられ、推奨処理薬品はフジカラージャストイットCN-16LおよびCN-16Qである。プリンタープロセサーとしては、PP3008AR/PP3008A/PP1828AR/PP1828A/PP1258AR/PP1258A/PP728AR/PP728A が挙げられ、推奨処理薬品はフジカラージャストイットCP-47LおよびCP-40FAII である。フロンティアシステムでは、スキャナー&イメージプロセサー SP-1000およびレーザープリンター&ペーパープロセサー LP-1000P もしくはレーザープリンター LP-1000W が用いられる。デタッチ工程で用いるデタッチャー、リアタッチ工程で用いるリアタッチャーは、それぞれ富士フイルムのDT200/DT100 およびAT200/AT100 が好ましい。
【0274】
APシステムは、富士フイルムのデジタルイメージワークステーションAladdin 1000を中心とするフォトジョイシステムにより楽しむこともできる。例えば、Aladdin 1000に現像済みAPシステムカートリッジフイルムを直接装填したり、ネガフイルム、ポジフイルム、プリントの画像情報を、35mmフィルムスキャナーFE-550やフラットヘッドスキャナーPE-550を用いて入力し、得られたデジタル画像データを容易に加工・編集することができる。そのデータは、光定着型感熱カラープリント方式によるデジタルカラープリンターNC-550ALやレーザー露光熱現像転写方式のピクトログラフィー3000によって、またはフィルムレコーダーを通して既存のラボ機器によりプリントとして出力することができる。また、Aladdin 1000は、デジタル情報を直接フロッピーディスクやZip ディスクに、もしくはCDライターを介してCD-Rに出力することもできる。
【0275】
一方、家庭では、現像済みAPシステムカートリッジフイルムを富士フイルム製フォトプレイヤーAP-1に装填するだけでTVで写真を楽しむことができるし、富士フイルム製フォトスキャナーAS-1に装填すれば、パソコンに画像情報を高速で連続的に取り込むこともできる。また、フィルム、プリントまたは立体物をパソコンに入力するには、富士フイルム製フォトビジョンFV-10/FV-5が利用できる。更に、フロッピーディスク、Zip ディスク、CD-Rもしくはハードディスクに記録された画像情報は、富士フイルムのアプリケーションソフトフォトファクトリーを用いてパソコン上で様々に加工して楽しむことができる。パソコンから高画質なプリントを出力するには、光定着型感熱カラープリント方式の富士フイルム製デジタルカラープリンターNC-2/NC-2Dが好適である。
【0276】
現像済みのAPシステムカートリッジフイルムを収納するには、フジカラーポケットアルバムAP-5ポップL 、AP-1ポップL 、 AP-1 ポップKGまたはカートリッジファイル16が好ましい。
【0277】
次に、本発明に用いうる磁気記録層について説明する。
【0278】
磁気記録層とは、磁性体粒子をバインダー中に分散した水性もしくは有機溶媒系塗布液を支持体上に塗設したものである。
【0279】
用いられる磁性体粒子は、γFe2O3などの強磁性酸化鉄、Co被着γFe2O3、Co被着マグネタイト、Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、強磁性金属、強磁性合金、六方晶系のBaフェライト、Srフェライト、Pbフェライト、Caフェライトなどを使用できる。Co被着γFe2O3などのCo被着強磁性酸化鉄が好ましい。形状としては針状、米粒状、球状、立方体状、板状等いずれでもよい。比表面積では SBETで20m2/g以上が好ましく、30m2/g以上が特に好ましい。強磁性体の飽和磁化(σs)は、好ましくは 3.0×104〜 3.0×105A/mであり、特に好ましくは4.0 ×104〜2.5 ×105A/mである。強磁性体粒子を、シリカおよび/またはアルミナや有機素材による表面処理を施してもよい。さらに、磁性体粒子は特開平6-161032に記載された如くその表面にシランカップリング剤またはチタンカップリング剤で処理されてもよい。又特開平4-259911、同5-81652 号に記載の表面に無機、有機物を被覆した磁性体粒子も使用できる。
【0280】
磁性体粒子に用いられるバインダーは、特開平4-219569に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリまたは生分解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導体,糖誘導体など)およびそれらの混合物を使用することができる。上記の樹脂のTgは -40℃〜 300℃、重量平均分子量は 0.2万〜 100万である。例えばビニル系共重合体、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルローストリプロピオネートなどのセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂を挙げることができ、ゼラチンも好ましい。特にセルロースジ(トリ)アセテートが好ましい。バインダーは、エポキシ系、アジリジン系、イソシアネート系の架橋剤を添加して硬化処理することができる。イソシアネート系の架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、などのイソシアネート類、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの反応生成物(例えば、トリレンジイソシアナート3molとトリメチロールプロパン1molの反応生成物)、およびこれらのイソシアネート類の縮合により生成したポリイソシアネートなどがあげられ、例えば特開平6-59357 に記載されている。
【0281】
前述の磁性体を上記バインダ−中に分散する方法は、特開平6-35092 に記載されている方法のように、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミルなどが好ましく併用も好ましい。特開平5-088283に記載の分散剤や、その他の公知の分散剤が使用できる。磁気記録層の厚みは 0.1μm〜10μm、好ましくは 0.2μm〜 5μm、より好ましくは 0.3μm〜 3μmである。磁性体粒子とバインダーの重量比は好ましくは 0.5:100〜60:100からなり、より好ましくは1:100 〜30:100である。磁性体粒子の塗布量は 0.005〜3g/m2、好ましくは0.01〜 2g/m2、さらに好ましくは0.02〜 0.5g/m2である。磁気記録層の透過イエロー濃度は、0.01〜0.50が好ましく、0.03〜0.20がより好ましく、0.04〜0.15が特に好ましい。磁気記録層は、写真用支持体の裏面に塗布または印刷によって全面またはストライプ状に設けることができる。磁気記録層を塗布する方法としてはエアードクター、ブレード、エアナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、トランスファーロール、グラビヤ、キス、キャスト、スプレイ、ディップ、バー、エクストリュージョン等が利用でき、特開平5-341436等に記載の塗布液が好ましい。
【0282】
磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持たせてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイアモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、その表面をシランカップリング剤またはチタンカップリング剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例えば保護層,潤滑剤層など)しても良い。この時使用するバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有する感材については、US 5,336,589、同 5,250,404、同 5,229,259、同 5,215,874、EP 466,130に記載されている。
【0283】
次に本発明に用いられるポリエステル支持体について記すが、後述する感材、処理、カートリッジおよび実施例なども含め詳細については、公開技報、公技番号94-6023(発明協会;1994.3.15.)に記載されている。本発明に用いられるポリエステルはジオールと芳香族ジカルボン酸を必須成分として形成され、芳香族ジカルボン酸として2,6−、1,5−、1,4−、および2,7−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジオールとしてジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールが挙げられる。この重合ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート等のホモポリマーを挙げることができる。特に好ましいのは2,6−ナフタレンジカルボン酸を50モル%〜 100モル%含むポリエステルである。中でも特に好ましいのはポリエチレン2,6−ナフタレートである。平均分子量の範囲は約 5,000ないし 200,000である。本発明のポリエステルのTgは50℃以上であり、さらに90℃以上が好ましい。
【0284】
次にポリエステル支持体は、巻き癖をつきにくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、より好ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行う。熱処理はこの温度範囲内の一定温度で実施してもよく、冷却しながら熱処理してもよい。この熱処理時間は、 0.1時間以上1500時間以下、さらに好ましくは 0.5時間以上 200時間以下である。支持体の熱処理は、ロール状で実施してもよく、またウェブ状で搬送しながら実施してもよい。表面に凹凸を付与し(例えばSnO2や Sb2O5等の導電性無機微粒子を塗布する)、面状改良を図ってもよい。又端部にローレットを付与し端部のみ少し高くすることで巻芯部の切り口写りを防止するなどの工夫を行うことが望ましい。これらの熱処理は支持体製膜後、表面処理後、バック層塗布後(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布後のどこの段階で実施してもよい。好ましいのは帯電防止剤塗布後である。
【0285】
このポリエステルには紫外線吸収剤を練り込んでも良い。又ライトパイピング防止のため、三菱化成製のDiaresin、日本化薬製のKayaset 等ポリエステル用として市販されている染料または顔料を練り込むことにより目的を達成することが可能である。
【0286】
次に、本発明では支持体と感材構成層を接着させるために、表面処理することが好ましい。薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理が挙げられる。表面処理の中でも好ましいのは、紫外線照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処理である。
【0287】
次に下塗法について述べると、単層でもよく2層以上でもよい。下塗層用バインダーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から選ばれた単量体を出発原料とする共重合体を始めとして、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニトロセルロース、ゼラチンが挙げられる。支持体を膨潤させる化合物としてレゾルシンとp−クロルフェノールがある。下塗層にはゼラチン硬化剤としてはクロム塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒドなど)、イソシアネート類、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンなど)、エピクロルヒドリン樹脂、活性ビニルスルホン化合物などを挙げることができる。SiO2、TiO2、無機物微粒子またはポリメチルメタクリレート共重合体微粒子(0.01〜10μm)をマット剤として含有させてもよい。
【0288】
また本発明においては、帯電防止剤が好ましく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カルボン酸およびカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カチオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げることができる。
【0289】
帯電防止剤として最も好ましいものは、ZnO 、TiO2、SnO2、Al2O3、In2O3、SiO2、MgO 、BaO 、MoO3、V2O5の中から選ばれた少くとも1種の体積抵抗率が107Ω・cm以下、より好ましくは105Ω・cm以下である粒子サイズ 0.001〜 1.0μm結晶性の金属酸化物あるいはこれらの複合酸化物(Sb,P,B,In,S,Si,C など)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいはこれらの複合酸化物の微粒子である。感材への含有量としては、 5〜500mg/m2が好ましく特に好ましくは10〜350mg/m2である。導電性の結晶性酸化物またはその複合酸化物とバインダーの量の比は1/300 〜 100/1が好ましく、より好ましくは 1/100〜 100/5である。
【0290】
本発明の感材には滑り性がある事が好ましい。滑り剤含有層は感光層面、バック面ともに用いることが好ましい。好ましい滑り性としては動摩擦係数で0.25以下0.01以上である。この時の測定は直径 5mmのステンレス球に対し、60cm/分で搬送した時の値を表す(25℃、60%RH)。この評価において相手材として感光層面に置き換えてももほぼ同レベルの値となる。
【0291】
本発明に使用可能な滑り剤としては、ポリオルガノシロキサン、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸と高級アルコールのエステル等であり、ポリオルガノシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリスチリルメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等を用いることができる。添加層としては乳剤層の最外層やバック層が好ましい。特にポリジメチルシロキサンや長鎖アルキル基を有するエステルが好ましい。
【0292】
本発明の感材にはマット剤が有る事が好ましい。マット剤としては乳剤面、バック面とどちらでもよいが、乳剤側の最外層に添加するのが特に好ましい。マット剤は処理液可溶性でも処理液不溶性でもよく、好ましくは両者を併用することである。例えばポリメチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸= 9/1または5/5(モル比))、ポリスチレン粒子などが好ましい。粒径としては 0.8〜10μmが好ましく、その粒径分布も狭いほうが好ましく、平均粒径の 0.9〜 1.1倍の間に全粒子数の90%以上が含有されることが好ましい。又マット性を高めるために 0.8μm以下の微粒子を同時に添加することも好ましく例えばポリメチルメタクリレート(0.2μm)、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸= 9/1(モル比)、 0.3μm))、ポリスチレン粒子(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.03μm)が挙げられる。
【0293】
次に本発明で用いられるフィルムパトローネについて記す。本発明で使用されるパトローネの主材料は金属でも合成プラスチックでもよい。
【0294】
好ましいプラスチック材料はポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニルエーテルなどである。更に本発明のパトローネは、各種の帯電防止剤を含有してもよくカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、アニオン、カチオンおよびベタイン系界面活性剤またはポリマー等を好ましく用いることが出来る。これらの帯電防止されたパトローネは特開平1-312537、同1-312538に記載されている。特に25℃、25%RHでの抵抗が1012Ω以下が好ましい。通常プラスチックパトローネは、遮光性を付与するためにカーボンブラックや顔料などを練り込んだプラスチックを使って製作される。パトローネのサイズは現在 135サイズのままでもよいし、カメラの小型化には、現在の 135サイズの25mmのカートリッジの径を22mm以下とすることも有効である。パトローネのケースの容積は、30cm3以下好ましくは 25cm3以下とすることが好ましい。パトローネおよびパトローネケースに使用されるプラスチックの重量は5g〜15g が好ましい。
【0295】
更に本発明で用いられる、スプールを回転してフィルムを送り出すパトローネでもよい。またフィルム先端がパトローネ本体内に収納され、スプール軸をフィルム送り出し方向に回転させることによってフィルム先端をパトローネのポート部から外部に送り出す構造でもよい。これらはUS 4,834,306、同 5,226,613に開示されている。本発明に用いられる写真フィルムは現像前のいわゆる生フィルムでもよいし、現像処理された写真フィルムでもよい。又、生フィルムと現像済みの写真フィルムが同じ新パトローネに収納されていてもよいし、異なるパトローネでもよい。
【0296】
【実施例】
以下に具体例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、実施例に限定されるものではない。
【0297】
実施例1
1)支持体
本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作成した。
【0298】
ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー 100重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326(チバ・ガイギーCiba-Geigy社製)2重量部とを乾燥した後、 300℃にて溶融後、T型ダイから押し出し、 140℃で 3.3倍の縦延伸を行ない、続いて 130℃で 3.3倍の横延伸を行い、さらに 250℃で6秒間熱固定して厚さ90μmの PENフイルムを得た。なおこの PENフィルムにはブルー染料、マゼンタ染料およびイエロー染料(公開技報: 公技番号 94-6023号記載のI-1,I-4,I-6,I-24,I-26,I-27,II-5)を適当量添加した。さらに、直径20cmのステンレス巻き芯に巻付けて、 110℃、48時間の熱履歴を与え、巻き癖のつきにくい支持体とした。
【0299】
2)下塗層の塗設
上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV照射処理、さらにグロー放電処理をした後、一方の面にゼラチン 0.1g/m2、ソジウムα−スルホジ−2−エチルヘキシルサクシネート0.01g/m2、サリチル酸0.04g/m2、p−クロロフェノール 0.2g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2CH2 0.012g/m2、ポリアミド−エピクロルヒドリン重縮合物0.02g/m2の下塗液を塗布して(10mL/m2、バーコーター使用)、下塗層を延伸時高温面側に設けた。乾燥は 115℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて 115℃となっている)。
【0300】
3)バック層の塗設
下塗後の上記支持体のもう一方の面にバック層として下記組成の帯電防止層、磁気記録層さらに滑り層を塗設した。
【0301】
3−1)帯電防止層の塗設
平均粒径 0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次凝集粒子径 約0.08μm)を0.2g/m2、ゼラチン0.05g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2CH2 0.02g/m2、ポリオキシエチレン−p−ノニルフェノール(重合度10) 0.005g/m2およびレゾルシン0.22g/m2とともに塗布した。
【0302】
3−2)磁気記録層の塗設
3−ポリオキシエチレン−プロピルオキシトリメトキシシラン(重合度15; 15重量%)で被覆処理されたコバルト−γ−酸化鉄 (比表面積43m2/g、長軸0.14μm、単軸0.03μm、飽和磁化 89emu/g、Fe+2/Fe+3=6/94、表面は酸化アルミ酸化珪素で酸化鉄の2重量%で処理されている)0.06g/m2をジアセチルセルロース1.2g/m2(酸化鉄の分散はオープンニーダーとサンドミルで実施した)、硬化剤としてC2H5C(CH2OCONH-C6H3(CH3)NCO)3 0.3g/m2を、溶媒としてアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンを用いてバーコーターで塗布し、膜厚 1.2μmの磁気記録層を得た。マット剤としてシリカ粒子(0.3μm)と3−ポリオキシエチレン−プロピルオキシトリメトキシシラン(重合度15; 15重量%)で被覆された研磨剤の酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ 10mg/m2となるように添加した。乾燥は 115℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて 115℃)。X−ライト(ブルーフィルター)での磁気記録層のDBの色濃度増加分は約 0.1、また磁気記録層の飽和磁化モーメントは4.2emu/g、保磁力 7.3×104A/m、角形比は65%であった。
【0303】
3−3)滑り層の調製
ジアセチルセルロース(25mg/m2)、C6H13CH(OH)C10H20COOC40H81(化合物a,6mg/m2) /C50H101O(CH2CH2O)16H(化合物b,9mg/m2)混合物を塗布した。なお、この混合物は、キシレン/プロピレングリコールモノメチルエーテル (1/1)中で 105℃で溶融し、常温のプロピレングリコールモノメチルエーテル(10倍量)に注加分散して作製した後、アセトン中で分散物(平均粒径0.01μm)にしてから添加した。マット剤としてシリカ粒子(0.3μm)と研磨剤の3−ポリオキシエチレン−プロピルオキシトリメトキシシラン(重合度15; 15重量%)で被覆された酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ 15mg/m2となるように添加した。乾燥は 115℃、6分行なった(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて 115℃)。滑り層は、動摩擦係数0.06(5mmφのステンレス硬球、荷重100g、スピード6cm/分)、静摩擦係数0.07(クリップ法)、また後述する乳剤面と滑り層の動摩擦係数も0.12と優れた特性であった。
【0304】
4)感光層の塗設
次に、前記で得られたバック層の支持体に対して反対側に、下記の組成の各層を重層塗布し、カラーネガフィルムを作成した。これを試料101とする。
【0305】
(感光層組成)
各層に使用する素材の主なものは下記のように分類されている;
ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤
ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤
ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤
ExS:増感色素
各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を示す。ただし増感色素については、同一層のハロゲン化銀1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
【0306】
(試料101)
第1層(第1ハレーション防止層)
黒色コロイド銀 銀 0.14
ゼラチン 0.50。
【0307】
第2層(第2ハレーション防止層)
黒色コロイド銀 銀 0.12
ゼラチン 0.57
ExM−1 0.12
ExF−1 2.0×10-3
固体分散染料ExF−2 0.030
固体分散染料ExF−3 0.040
HBS−1 0.15
HBS−2 0.02。
【0308】
第3層(中間層)
沃臭化銀乳剤N 銀 0.06
ExC−2 0.05
ポリエチルアクリレートラテックス 0.20
ゼラチン 0.70。
【0309】
第4層(低感度赤感乳剤層)
沃臭化銀乳剤A 銀 0.27
沃臭化銀乳剤B 銀 0.12
ExS−1 5.8×10-4
ExS−2 0.8×10-5
ExS−3 2.5×10-4
ExC−1 0.28
ExC−3 0.058
ExC−4 0.19
ExC−5 0.03
ExC−6 0.02
Cpd−2 0.025
HBS−1 0.28
ゼラチン 2.00。
【0310】
第5層(中感度赤感乳剤層)
沃臭化銀乳剤B 銀 0.77
ExS−1 6.5×10-4
ExS−2 0.9×10-5
ExS−3 2.8×10-4
ExC−1 0.12
ExC−2 0.04
ExC−3 0.055
ExC−4 0.08
ExC−5 0.02
ExC−6 0.015
Cpd−4 0.024
Cpd−2 0.025
HBS−1 0.10
ゼラチン 0.92。
【0311】
第6層(高感度赤感乳剤層)
沃臭化銀乳剤C 銀 0.93
ExS−1 5.8×10-4
ExS−2 0.8×10-5
ExS−3 2.8×10-4
ExC−1 0.044
ExC−3 0.022
ExC−6 0.012
ExC−7 0.010
Cpd−2 0.065
Cpd−4 0.065
HBS−1 0.16
HBS−2 0.080
ゼラチン 1.10。
【0312】
第7層(中間層)
Cpd−1 0.060
固体分散染料ExF−4 0.030
HBS−1 0.043
ポリエチルアクリレートラテックス 0.19
ゼラチン 1.05。
【0313】
第8層(低感度緑感乳剤層)
沃臭化銀乳剤E 銀 0.18
沃臭化銀乳剤F 銀 0.21
沃臭化銀乳剤G 銀 0.22
ExS−7 8.1×10-5
ExS−8 3.6×10-4
ExS−4 2.5×10-5
ExS−5 8.8×10-5
ExS−6 4.1×10-4
ExM−3 0.20
ExM−4 0.06
ExY−1 0.01
ExY−5 0.0020
HBS−1 0.18
HBS−3 0.008
Cpd−4 0.010
ゼラチン 0.73。
【0314】
第9層(中感度緑感乳剤層)
沃臭化銀乳剤G 銀 0.47
沃臭化銀乳剤H 銀 0.35
ExS−4 3.9×10-5
ExS−7 2.0×10-4
ExS−8 8.9×10-4
ExC−8 0.0020
ExM−3 0.18
ExM−4 0.055
ExC−6 0.016
ExY−4 0.001
ExY−5 0.001
Cpd−4 0.015
HBS−1 0.18
HBS−3 0.009
ゼラチン 1.00。
【0315】
第10層(高感度緑感乳剤層)
沃臭化銀乳剤I 銀 0.95
ExS−4 6.2×10-5
ExS−7 1.6×10-4
ExS−8 7.7×10-4
ExC−6 0.03
ExM−4 0.020
ExM−2 0.010
ExM−5 0.001
ExM−6 0.001
ExM−3 0.034
Cpd−4 0.030
HBS−1 0.27
ポリエチルアクリレートラテックス 0.15
ゼラチン 1.20。
【0316】
第D層(重層効果のドナー層)
沃臭化銀乳剤D (0.58 μm) 銀 0.45
ExS−6 6.5×10-4
ExS−10 2.3×10-4
ExM−3 0.10
ExM−4 0.031
ExY−1 0.034
HBS−1 0.30
Cpd−4 0.004
ゼラチン 0.51。
【0317】
第11層(イエローフィルター層)
黄色コロイド銀 銀 0.001
Cpd−1 0.11
比較油溶性染料▲1▼ 0.19
HBS−1 0.05
ゼラチン 0.70。
【0318】
第12層(低感度青感乳剤層)
沃臭化銀乳剤J 銀 0.18
沃臭化銀乳剤K 銀 0.08
沃臭化銀乳剤L 銀 0.36
ExS−9 8.4×10-4
ExC−1 0.023
ExC−8 7.0×10-3
ExY−1 0.033
ExY−2 0.91
ExY−3 0.01
ExY−4 0.01
Cpd−2 0.005
Cpd−4 0.001
HBS−1 0.28
ゼラチン 2.20。
【0319】
第13層(高感度青感乳剤層)
沃臭化銀乳剤M 銀 0.42
ExS−9 6.0×10-4
ExY−2 0.16
ExY−3 0.001
ExY−4 0.002
Cpd−2 0.10
Cpd−3 1.0×10-3
Cpd−4 5.0×10-3
HBS−1 0.075
ゼラチン 0.70。
【0320】
第14層(第1保護層)
沃臭化銀乳剤N 銀 0.10
UV−1 0.13
UV−2 0.10
UV−3 0.16
UV−4 0.025
ExF−8 0.03
ExF−9 0.005
ExF−10 0.005
ExF−11 0.02
HBS−1 5.0×10-2
HBS−4 5.0×10-2
ゼラチン 1.8。
【0321】
第15層(第2保護層)
H−1 0.40
B−1(直径 1.7 μm) 0.04
B−2(直径 1.7 μm) 0.09
B−3 0.13
ES−1 0.20
ゼラチン 0.70。
更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力耐性、防黴・防菌性、帯電防止性および塗布性をよくするためにW−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F−1ないしF−18および、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、パラジウム塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されている。
【0322】
【表1】
Figure 0003950569
【0323】
表1において、
(1)乳剤J〜Mは米国特許第 5,061,614号の実施例に従い、二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調製時に還元増感されている。
【0324】
(2)乳剤B〜D、Mは欧州特許第443,453A号の実施例に従い、各感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナトリウムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施されている。
【0325】
(3)平板状粒子の調製には特開平1-158426号の実施例に従い、低分子量ゼラチンを使用している。
【0326】
(4)平板状粒子には、高圧電子顕微鏡を用いると、欧州特許第443,453A号に記載されているような転位線が10本以上観察される。
【0327】
(5)乳剤A〜E、G、H、J〜Mは、Rh、Ir、Feを最適量含んでいる。また、平板度は、平板粒子の投影面積における平均円相当径をDc、平板状粒子の平均厚さをtとしたときに、Dc/t2で定義されるものをいう。
【0328】
有機固体分散染料の分散物の調製
下記、ExF−2を次の方法で分散した。即ち、水21.7mLおよび5%水溶液のp−オクチルフェノキシエトキシエトキシエタンスルホン酸ソーダ3mL並びに5%水溶液のp−オクチルフェノキシポリオキシエチレンエ−テル(重合度10) 0.5gとを 700mLのポットミルに入れ、染料ExF−2を 5.0gと酸化ジルコニウムビ−ズ(直径1mm) 500mLを添加して内容物を2時間分散した。この分散には中央工機製のBO型振動ボールミルを用いた。分散後、内容物を取り出し、12.5%ゼラチン水溶液8gに添加し、ビーズを濾過して除き、染料のゼラチン分散物を得た。染料微粒子の平均粒径は0.44μmであった。
【0329】
同様にして、ExF−4の固体分散物を得た。染料微粒子の平均粒径は、0.45μmであった。
【0330】
第11層に添加されている油溶性染料▲1▼は、特開平6-175289の実施例に記載の方法、すなわち、染料粉末を酢酸エチルとHBS−1(リン酸トリクレジル)混合溶媒に溶解し、コロイドミルを用いてゼラチン水溶液中に乳化分散した。乳化分散時には、界面活性剤(W-6 )を用いた。
【0331】
以上のように作製した試料を101とする。
【0332】
以下に、実施例において用いた化合物の化学式等を示す。
【0333】
【化52】
Figure 0003950569
【0334】
【化53】
Figure 0003950569
【0335】
【化54】
Figure 0003950569
【0336】
【化55】
Figure 0003950569
【0337】
【化56】
Figure 0003950569
【0338】
【化57】
Figure 0003950569
【0339】
【化58】
Figure 0003950569
【0340】
【化59】
Figure 0003950569
【0341】
【化60】
Figure 0003950569
【0342】
【化61】
Figure 0003950569
【0343】
【化62】
Figure 0003950569
【0344】
【化63】
Figure 0003950569
【0345】
【化64】
Figure 0003950569
【0346】
【化65】
Figure 0003950569
【0347】
【化66】
Figure 0003950569
【0348】
【化67】
Figure 0003950569
【0349】
【化68】
Figure 0003950569
【0350】
【化69】
Figure 0003950569
【0351】
(試料102の作製)
試料101において、第10層と第11層の間に塗設してある第D層(重層効果のドナー層)を除去して、これと同一の第D層を第7層と第8層の間に塗設した以外、試料101と同様に作製した。
【0352】
(すなわち、第10層と第11層の間の第D層を第7層と第8層の間に移したことになる。)
(試料103の作製)
試料101において、第11層に添加されている比較油溶性染料▲1▼を除去して、代わりに、同じく第11層に、下記の如く調製した有機固体分散染料(前掲の例示染料1)を、0.20g/m2添加した以外は、試料101と同様に作製した。
【0353】
〔有機固体染料(例示染料1)分散物の調製方法〕
染料を以下の方法で分散した 。
【0354】
水を15%含む染料のウエットケーキ1400gに水およびW−2を59.5g加えて撹拌し、染料濃度33%のスラリーとした。次に、アイメックス(株)製ウルトラビスコミル(UVM−2)に平均粒径0.5mm のジルコニアビーズを1700mL充填し、スラリーを通して周速約10m/sec 、吐出量0.5 L/min で2時間粉砕した。
【0355】
(試料104の作製)
試料103において、第10層と第11層の間に塗設してある第D層(重層効果のドナー層)を除去して、これと同一の第D層を第7層と第8層の間に塗設した以外、試料103と同様に作製した。
【0356】
(試料105〜106の作製)
試料104において、第11層の有機固体分散染料を表2に示す化合物に変更した以外、試料104と同様に作製した。固体分散物の調製法は、例示染料1と同様に分散した。塗布量は、それぞれ、青色光による露光時のマゼンタ色像の感度が試料104と等しくなる塗布量とした。
【0357】
(試料107〜108の作製)
試料104において、第7層と第8層の間に塗設してある第D層を除去して、表1に示す位置に、これと同じ第D層を塗設した以外は、試料104と同様に作製した。
【0358】
(試料109の作製)
試料104において、第10層のExC-6 除去し、0.7倍モルのD-43を添加し、さらに、第8層のExY−1を0.7倍モルのD-43に置き換えた以外、試料104と同様に作製した。
【0359】
(試料110の作製)
試料104において、第10層のExC-6 の塗布量を0.4倍にして、減少したExC-6 の0.7倍モルのD-43を添加し、さらに第9層のExC-6 の塗布量を0.4倍にして、減少したExC-6 の0.8倍モルのD-43を添加し、さらに、第8層のExY−1を0.7倍モルの(D-43)に置き換えた以外、試料104と同様に作製した。
【0360】
(試料111の作製)
試料110において、第10層と第9層と第8層のD-43を除去し、代わりに等モルのD-71を添加した以外、試料110と同様に作製した。
【0361】
(試料112の作製)
試料110において、第10層と第9層と第8層のD-43を除去し、代わりに等モルのD-23を添加した以外、試料110と同様に作製した。
【0362】
(処理液変動による写真性能の変化の評価)
以上のように作製した試料101〜112を白色光にてウエッジ露光後に、処理工程AおよびBによって現像処理を行った。
【0363】
処理工程A(標準条件)とは、自動現像機で、下記に示す現像処理工程において、標準補充量にてランニング処理を行い、発色現像工程の補充量の累積補充量が、発色現像浴のタンク容量の3倍になるまで現像処理を行い、ランニング平衡後に、評価のための現像処理工程とした。
【0364】
ランニング処理に用いた感材は、試料104をAPS形態に加工し、標準的と思われる被写体を撮影したものを用いた。
【0365】
処理工程B(劣悪条件)とは、上記処理工程で、発色現像工程の補充量のみを標準補充量の0.85倍とし、それ以外は上記と同様なランニング処理を行い、ランニング平衡後、処理液の温度を標準温度(38℃)として、現像処理を行わずに、2週間放置した。現像処理後の試料の濃度測定を行い、下記の計算式より、感度の変動を評価した。
【0366】
感度の変動=処理工程Bによるマゼンタ色像の感度−処理工程Aによるマゼンタ色像の感度(但し、感度は、マゼンタ最低濃度値+0.4の濃度を与える露光量の逆数の対数で表す)
処理工程および処理液組成を以下に示す。
【0367】
(処理工程)
Figure 0003950569
【0368】
安定液および定着液は(2)から(1)への向流方式であり、水洗水のオーバーフロー液は全て定着浴(2)へ導入した。尚、現像液の漂白工程への持ち込み量、漂白液の定着工程への持ち込み量、および定着液の水洗工程への持ち込み量は感光材料35mm幅1.1m当たりそれぞれ2.5mL、2.0mL、2.0mLであった。また、クロスオーバーの時間はいずれも6秒であり、この時間は前工程の処理時間に包含される。
【0369】
上記処理機の開口面積は発色現像液で100cm2、漂白液で120cm2、その他の処理液は約100cm2であった。
【0370】
以下に処理液の組成を示す。
【0371】
Figure 0003950569
【0372】
(漂白液) タンク液(g) 補充液(g)
1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二
鉄アンモニウム−水塩 113 170
臭化アンモニウム 70 105
硝酸アンモニウム 14 21
コハク酸 34 51
マレイン酸 28 42
水を加えて 1.0L 1.0L
pH(アンモニア水で調整) 4.6 4.0。
【0373】
(定着(1)タンク液)
上記漂白タンク液と下記定着タンク液の5対95(容量比)混合液
(pH6.8)。
【0374】
(定着(2)) タンク液(g) 補充液(g)
チオ硫酸アンモニウム水溶液 240mL 720mL
(750g/L)
イミダゾール 7 21
メタンチオスルホン酸アンモニウム 5 15
メタンスルフィン酸アンモニウム 10 30
エチレンジアミン四酢酸 13 39
水を加えて 1.0L 1.0L
pH(アンモニア水、酢酸で調整) 7.4 7.45。
【0375】
(水洗水)
水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同アンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに通水してカルシウムおよびマグネシウムイオン濃度を3mg/L以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリウム20mg/Lと硫酸ナトリウム150mg/Lを添加した。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあった。
【0376】
Figure 0003950569
【0377】
最低濃度値の変動の評価は下記のように行った。
【0378】
イエロー色像の最低濃度変化(ΔY)
=処理工程Bによるイエロー色像の最低濃度値−処理工程Aによるイエロー色像の最低濃度値
マゼンタ色像の最低濃度変化(ΔM)
=処理工程Bによるマゼンタ色像の最低濃度値−処理工程Aによるマゼンタ色像の最低濃度値
ΔY−ΔMの値により濃度バランスの評価を行った。
【0379】
すなわち、この絶対値が小さいほど、最低濃度のバランスが良いことになる。感度、色再現性の評価は、すべて処理工程Aによる現像処理の結果である。感度は、マゼンタ色像の 最低濃度値+0.15を与える露光量の逆数の対数で表す。
【0380】
色再現性の評価は、特開昭62-160448 号に記載された方法で再現の主波長を求めた。試験光の波長λOと再現された色の主波長λとのずれ(λ−λO)を450nmから600nmで平均したもの
【数2】
Figure 0003950569
【0381】
を求め、表2に示した。試験光は、刺激純度0.7のスペクトル光+白色光で行った。
【0382】
露光量は混合する白色光で、0.04 lux・sec および 0.01 lux・secで行った。後者が露光不足の色再現性の特性をより表しているはずである。
このΔλは、値が小さいほど、忠実な色再現性を与えることになる。
【0383】
表2から、第D層(重層効果のドナー層)は、第8層よりも支持体側にあれば本発明の効果が得られるが、これらのうち、第7層と第8層の間に第D層が塗設されているものが色再現の点で特に有利であることが判る。
【0384】
また、本発明に規定するDIRカプラーを用いたものは、色再現性の点で更に好ましい上に、処理変動による感度変動が小さいという点でも好ましい。また、本発明の感光材料は、製造から撮影までの保存による感度変化が小さいこともわかった。
【0385】
【表2】
Figure 0003950569
【0386】
実施例2
実施例1の試料において、乳剤A〜Nを下記の表3に示すものに置き換えた以外、実施例1と同様の試料を作製して、実施例1と同様な評価を行ない、実施例1と同様な結果を得た。
【0387】
【表3】
Figure 0003950569
【0388】
実施例3
実施例1および、実施例2の試料について、富士写真フイルム(株)製「写ルンですフラッシュ」の形態に加工し、できあがったレンズ付きフイルムを用いて、撮影して評価を行った。
この場合でも、本発明の試料はプリント品質が良好であり改良効果は明らかであった。
【0389】
実施例4
(試料401の作製)
実施例1における試料102において、第9層のヨウ臭化銀乳剤Gを、0.6g/m2、ヨウ臭化銀乳剤Hを、0.35g/m2として、さらに、第10層のヨウ臭化銀乳剤Iを1.4g/m2として、また、第10層のExM−2を0.07g/m2、ExM−3を0.041g/m2とした以外、試料102と同様に作製した。
【0390】
(試料402〜405の作製)
試料401において、第11層の染料を表4に示す染料に変更した以外は、試料401同様に作製した。
以上の塗布量は、青色光で露光した場合のマゼンタ色像の感度(マゼンタ色像の最低濃度値+0.20における露光量の逆数の対数で示す)が試料501と等しくなるように調節した。
【0391】
以上のように作製した試料を実施例1と同様の評価を行った。
さらに、実施例4では、撮影から現像処理までの保存による写真性変化の評価として、下記に示す実験を行った。
【0392】
すなわち、試料を、それぞれ2組み準備して、同一のウエッジ白色露光を行い、一方は、フリーザー保存、もう一方は、40℃60%RH中に10日間放置後、フリーザー保存してあった試料とともに現像処理を行い、フリーザー保存した試料のマゼンタ色像の最低濃度部+1.5を与える露光量における40℃60%RH中に10日間放置した試料の濃度を測定して、その差により評価した。この差が小さいほど撮影から現像処理までの写真性変化が小さいと言える。
【0393】
【表4】
Figure 0003950569
【0394】
表4より明らかなように、実施例1と同様な効果が見られたとともに、驚くべきことに、現像から撮影までの写真性変化も小さいということがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は赤感層の分光感度分布曲線を示す図であり、(B)は緑感層の分光感度分布曲線を示す図である。

Claims (2)

  1. 支持体上に、支持体に遠い側からそれぞれ少なくとも1層の、イエローカプラーを含有し、その分光感度域が400nmから520nmの間にあるように分光増感されたハロゲン化銀乳剤層(BL)、マゼンタカプラーを含有し、その分光感度域が470nmから600nmの間にあるように分光増感されたハロゲン化銀乳剤層(GL)、およびシアンカプラーを含有し、その分光感度域が540nmから700nmにあるように分光増感されたハロゲン化銀乳剤層(RL)を有するカラー写真感光材料において、GLの分光感度分布の重心感度波長(λ)が約520nmから約580nmの間にあり、RLの分光感度分布の重心感度波長(λ)が約590nmから約650nmの間にあり、BLの分光感度分布の重心感度波長(λ)が約430nmから約485nmの間にあり、さらに、少なくとも1つのRLが500nmから600nmの範囲で受ける重層効果の大きさの分布の重心波長(λ−R)が500nm≦λ−R≦560nmになるような重層効果のドナー層が存在し、かつλ−λ−R≧5nmであり、さらに該重層効果のドナー層がGLとRLとの間に存在し、固体微粒子分散状の、下記一般式(1)で表される染料および下記一般式(2)で表される染料からなる群から選択される染料を少なくとも一種含有するイエローフィルターがBLとGLとの間に存在することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
    一般式(1)
    A1=L−Q
    式(1)において、A1は酸性核を、Qはアリール基または芳香族複素環基を、Lはメチン基を表す。
    一般式(2)
    A2=L−A3
    式(2)において、A2,A3は酸性核を、Lはメチン基を表す。
  2. 下記一般式(D1)の化合物および一般式(D2)の化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
    式(D1) A−X
    式(D2) A’−B−X
    式中、Aは現像主薬酸化体と反応してXを放出するとともに、処理液に可溶もしくは消色性の化合物を生成する基を表す。A’は現像主薬酸化体とカップリング可能なカプラー残基を表し、Bは求電子部位を有し、A’と現像主薬酸化体とのカップリング反応で生成した現像主薬の窒素原子とこの求電子部位との分子内求核置換反応により、環形成をともなって色素形成することなく、Xを放出することの出来る連結基を表し、Xは現像抑制剤もしくはその前駆体残基を表す。
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